JP4032520B2 - 設備連動機能付き電気錠制御システム - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、電気錠の施解錠を制御するため、カードリーダの操作に対して、防犯、照明、空調などの設備を連動させる機能を備えた電気錠制御システムに関する。
【従来の技術】
【0002】
従来から、ビルなどの建物の通用口や、その建物内の各事務所などの出入口には、扉の電気錠を施解錠するために操作するカードリーダを設置しており、所定のIDカードを読取走査させた者のみが、扉を開閉し入退室できるようにしている。
【0003】
図26は、従来の電気錠制御システムの構成を示している。
【0004】
カードリーダ101は、扉Dの近くに設置され、その扉Dに設けられた電気錠102に接続されており、予め、ID情報などが登録されている所定のカードCを読み取れば、電気錠102を施解錠させる。また、各所に設置されたカードリーダ101は、管理室や警備センタなどに設けられたセンタ装置104に接続されており、センタ装置104では、建物内に設置されたすべてのカードリーダ101の各々から、電気錠102の施解錠状態信号を受信して、各扉Dの施解錠状態を管理するとともに、カードCの操作履歴などを監視している。
【0005】
なお、図中、103は電源装置であり、この電源装置103からカードリーダ101及び電気錠102に電源が供給されている。
【0006】
図27には、上記した電気錠制御システムの構成をブロック図で示している。なお、ここでは、センタ装置104は省略されている。
【0007】
カードリーダ101は、CPUなどで構成された制御部110と、電気錠102の施解錠状態を監視する状態監視部111と、読み取ったカードCが許可した者が所有するカードCであるかを照合するデータ照合部112と、所定のカードCからID情報を読み取るカードリーダ部113とを備えている。
【0008】
制御部110は、カード照合部112による照合の結果、カードリーダ部113で読み取ったカードCが正常であったときに、接点Aを閉じて、電気錠ソレノイド(SOL)に電圧を印加し、電気錠102を解錠する。逆に、接点Aを開けば、電気錠ソレノイド(SOL)への電圧印加はなくなり、電気錠102を施錠する。
【0009】
一方、電気錠102では、施解錠に伴って接点Bを開閉しているので、カードリーダ101の状態監視部111がこれを検知して、センタ装置104に通知するようになっている。
【0010】
ここに示した電気錠制御システムは、建物内の各事務所などに対して適用されるものであり、入室時と退室時の双方でカードリーダ101を操作する必要がある。入室後は、室内から電気錠102の施錠操作をしない限り、電気錠102は解錠を維持するようになっている。
【0011】
図28には、カードリーダ101の外観構成を示している。このカードリーダ101では、カードCをカードリーダ部113に挿入しスライドさせる構成になっている。図中、L101はカード挿入灯であり、カードCの挿入待機時に点灯する。L102はカードNG灯であり、登録されていないカードCを読み取ったときに点灯する。L103は解錠灯であり、電気錠102が解錠していると点灯する。
【0012】
次に、従来の電気錠制御システムの別の構成を図29に示す。
【0013】
このシステムのカードリーダ101Aは、カードCの読取走査では、電気錠102Aの解錠のみを行っており、電気錠102Aの施錠は、扉Dを閉めれば、これを検知して行うようになっている。このため、電気錠102Aには扉Dの開閉状態信号を出力する接点Cを設けている。
【0014】
カードリーダ101Aの状態監視部111は、扉Dが閉まり、接点Cが閉じられたことを検知すると、制御部110にこれを通知し、制御部110は接点Aを開いて、電気錠102Aを解錠させる。
【0015】
ここに示した電気錠制御システムは、建物の通用口などに対して適用されるものであり、建物内に入るとき、建物内から出るときの何れにおいても、扉Dを閉じれば、自動的に電気錠102Aが施錠されるので、施錠操作をする必要がなく、確実に不法な侵入を防ぐことが出来る。
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところが、上記従来の電気錠制御システムでは、防犯、照明、空調などの他の設備と連動させるためには、以下のような問題があった。
【0017】
防犯設備を例にとると、図27にブロック図で示した、事務所などの扉に設けられた電気錠を制御するシステムでは、電気錠を解錠したときに防犯警戒を解除し、電気錠を施錠したときに防犯警戒を行うようにすればよいが、室内に人が居残っている場合に電気錠を施錠すると、防犯警戒がセットされ、誤って警報を出力する。
【0018】
一方、図29にブロック図で示した、通用口などの扉に設けられた電気錠を制御するシステムでは、扉を閉じれば自動的に電気錠が施錠されるので、通用口から侵入した直後に防犯警戒がセットされ、誤って警報を出力する。
【0019】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、防犯、照明、空調などの設備が、運用上の問題がなく、カードリーダの操作に連動するようにした電気錠制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1〜請求項4には、建物の事務所などに適用される電気錠制御システムであり、所定のカードを読取走査させて、扉に設けられた電気錠を施解錠させるカードリーダに対し、このカードリーダの操作に連動する所定の設備を接続した構成であって、その設備が防犯センサと防犯受信機とを有した防犯監視システムである場合を提案している。
【0021】
また、カードリーダは、防犯受信機の監視を開始させるために操作するセット手段と、防犯受信機の監視を解除させるために操作するリセット手段と、防犯センサによる人体検知を判別する判別手段とを備える。
【0022】
請求項1では、所定のカードを読取走査させて、扉に設けられた電気錠を施解錠させるカードリーダに対し、このカードリーダの操作に連動する所定の設備を接続した構成の電気錠制御システムであって、上記設備は、防犯センサと防犯受信機とを有した防犯監視システムであり、上記カードリーダは、上記防犯受信機の監視を開始させるために操作するセット手段と、上記防犯受信機の監視を解除させるために操作するリセット手段と、上記防犯センサによる人体検知を判別する判別手段とを備え、上記セット手段の操作により、上記防犯受信機が監視状態であるときに、上記リセット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠を解錠させるとともに、上記防犯受信機の監視を解除させる構成としており、上記カードリーダは、扉の開閉を検知する手段と、ブザー手段とを更に備えており、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記防犯センサが人体を検知しておらず、上記扉の開状態を検知している状態で、上記セット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させ、上記ブザー手段を鳴動させることを特徴とする。
【0023】
すなわち、ここでは、防犯監視状態(防犯状態)において最初に入室する場合と、防犯監視を解除している状態から監視状態に戻すように、最後に退室する場合を提案しており、室内に人がいない状態であっても、扉を開いたまま、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作を無効とする。
【0024】
請求項2では、請求項1において、カードリーダは、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除している状態で、上記所定のカードの読取走査のみがされたときには、上記電気錠を施錠あるいは解錠させ、上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする。ここには、一旦、入室した後、防犯監視の解除状態において、その防犯解除状態は維持したまま、入室あるいは退室する場合を提案している。このように、最終退室する前の途中入退室は、セット手段、リセット手段の操作は行わず、カードの読取走査のみを行う。
【0025】
請求項3では、請求項1において、上記カードリーダは、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記防犯センサが人体を検知している状態で、上記セット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする。すなわち、室内に人がいる状態で、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作を無効とする。
【0026】
請求項4では、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記扉の開状態を検知している状態で、上記所定のカードの読取走査のみがされたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする。すなわち、途中退室をするときに、扉を開いたままカード操作をしても、その操作を無効とする。
【0027】
本発明の請求項5〜請求項9には、建物の通用口などに適用される電気錠制御システムであり、所定のカードを読取走査させて、扉に設けられた電気錠を解錠させるカードリーダに対し、このカードリーダの操作に連動する所定の設備を接続した構成であって、その設備は防犯センサと防犯受信機とを有した防犯監視システムである場合を提案している。
【0028】
カードリーダは、防犯受信機の監視を開始させるために操作するセット手段と、防犯受信機の監視を解除させるために操作するリセット手段と、防犯センサによる人体検知を判別する判別手段と、扉の開閉を検知する手段とを備えている。
【0029】
請求項5では、所定のカードを読取走査させて、扉に設けられた電気錠を解錠させるカードリーダに対し、このカードリーダの操作に連動する所定の設備を接続した構成の電気錠制御システムであって、上記設備は、防犯センサと防犯受信機とを有した防犯監視システムであり、上記カードリーダは、上記防犯受信機の監視を開始させるために操作するセット手段と、上記防犯受信機の監視を解除させるために操作するリセット手段と、上記防犯センサによる人体検知を判別する判別手段と、上記扉の開閉を検知する手段と、ブザー手段とを備え、上記セット手段の操作により、上記防犯受信機が監視状態であるときに、上記リセット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠を解錠させるとともに、上記防犯受信機の監視を解除させ、上記扉の閉状態を検知すれば、上記電気錠を施錠させる一方、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記防犯センサが人体を検知しておらず、上記扉の開状態を検知している状態で、上記セット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させ、上記ブザー手段を鳴動させることを特徴とする。
すなわち、ここには、防犯監視状態(防犯警戒)において最初に入室する場合と、防犯監視状態に戻すように、最後に退室する場合を提案しており、室内に人がいない状態であっても、扉を開いたまま、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作を無効とする。なお、以降、本明細書では、通用口などの扉から出入りする場合でも、「入室」あるいは「退室」という用語を用いることとする。
【0030】
請求項6では、上記カードリーダは、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除している状態で、上記所定のカードの読取走査のみがされたときには、上記電気錠を解錠させ、上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする。ここには、一旦、入室した後、防犯解除状態は維持したまま、途中に入室する場合を提案している。なお、途中に退室する場合は、カードリーダに対して何等の操作を行わなくても、扉を閉じれば、自動的に電気錠は施錠される。
【0031】
請求項7では、上記カードリーダは、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記防犯センサが人体を検知している状態で、上記セット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする。すなわち、室内に人が居る状態で、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作を無効とする。このとき、退室するために、扉を開き、その後、扉を閉じれば、電気錠は施錠させることになるが、カードリーダの操作が無効になったときには、電気錠は解錠させる。
【0032】
請求項8では、セット手段の操作により、上記防犯受信機が監視状態であるときに、上記リセット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査された後、上記扉の開状態が所定時間継続したときには、上記ブザー手段を鳴動させることを特徴とする。すなわち、最初に入室する操作をしたときに、防犯監視を解除するが、その後、扉が開いたままであるときには、扉を閉めるように警告する。
【0033】
請求項9では、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除している状態で、上記所定のカードの読取走査のみがされた後、上記扉の開状態が所定時間継続したときには、上記ブザー手段を鳴動させることを特徴とする。すなわち、途中入室する操作をした後、扉が開いたままであるときには、扉を閉めるように警告する。
請求項10では、上記カードリーダは、上記設備として、上記防犯監視システムとともに、あるいは、上記防犯監視システムに代えて、照明システムや空調システムなどの人が居るときに作動する、人体検知センサを有したシステムを接続しており、上記セット手段は上記システムの動作を停止させるために操作し、上記リセット手段は上記システムの動作を開始させるために操作し、上記判別手段は上記人体検知センサによる人体検知を判別するようになっており、上記防犯受信機の監視とともに、あるいは、上記防犯受信機の監視に代えて、上記システムは動作を停止し、上記防犯受信機の監視解除とともに、あるいは、上記防犯受信機の監視解除に代えて、上記システムは動作し、上記防犯センサとともに、あるいは、上記防犯センサに代えて、上記人体検知センサが人体を検知することを特徴とする。なお、人が居るときに作動するシステムには、この他、エレベータ制御システムなどがある。
【0034】
このように構成された電気錠制御システムでは、セット手段は照明システムなどの動作を停止させるために操作し、リセット手段は照明システムなどの動作を開始させるために操作し、判別手段は人体検知センサによる人体検知を判別するようになっている。
【0035】
また、防犯受信機の監視とともに、あるいは、防犯受信機の監視に代えて、照明システムなどは動作を停止し、防犯受信機の監視解除とともに、あるいは、防犯受信機の監視解除に代えて、照明システムなどは動作し、防犯センサとともに、あるいは、防犯センサに代えて、人体検知センサが人体を検知する。
【発明の実施の形態】
【0036】
以下に、本発明の実施の形態について、図面とともに説明する。
【0037】
図1は、設備連動機能付き電気錠制御システムの構成の一例を示したブロック図、図2は、そのシステム構成の概略を示す図である。
【0038】
図2に示すように、ビルなどの建物の通用口や、その建物内の各事務所などの出入口には、各々の扉Dの近くに、扉Dの電気錠2を施解錠するために操作するカードリーダ1を設置しており、予めID情報などが登録されている所定のカードCを読取走査させた者のみが、扉Dの電気錠2を開閉し、入退室できるようになっている。
【0039】
また、カードリーダ1は、管理室や警備センタなどに設けられ、コンピュータなどで構成されたセンタ装置5に、RS485などの伝送ラインを介して接続されており、センタ装置5では、建物内に設置されたすべてのカードリーダ1の各々から、電気錠2の施解錠状態信号を受信して、各扉Dの施解錠状態を管理するとともに、カードCの操作履歴などを監視する。また、センタ装置5は、各カードリーダ1に対し、電気錠2の施解錠を許可するカードCのID情報を登録、抹消できるようになっている。
【0040】
なお、図中、4は電源装置であり、この電源装置4からカードリーダ1及び電気錠2に電源が供給されている。
【0041】
本発明では、カードリーダ1に、カードリーダ1の操作に連動する所定の設備を接続した構成になっており、図2では、この設備として、防犯センサSと防犯受信機3とを有した防犯監視システムを接続した場合を示している。
【0042】
防犯センサSは、監視エリア内に複数設置され、通常、各々の常閉接点を介して、閉ループを形成している。この状態で、いずれかの防犯センサSが人体を検知したときには、その接点を開き、これを防犯受信機3が検知して、警報を出力するようになっている。
【0043】
防犯受信機3は、カードリーダ1から警戒セット信号が入力されているときは、監視(警戒)状態になって、防犯センサSによって人体を検知すると、警報を出力するが、カードリーダ1から警戒セット信号の入力が停止すると、監視を解除して、防犯センサSが人体を検知しても、警報は出力しない。
【0044】
図1に示すように、カードリーダ1は、CPUなどで構成された制御部10と、電気錠2の施解錠状態、扉Dの開閉状態、防犯センサSの検知状態を監視する状態監視部11と、読み取ったカードCが予め許可した者が所有するカードCであるかを照合するデータ照合部12と、所定のカードCからID情報を読み取るカードリーダ部13とを備えている。
【0045】
制御部10は、接点Aを閉じれば(ON)、電気錠ソレノイド(SOL)に電圧を印加して、電気錠2を解錠し、逆に、接点Aを開けば(OFF)、電気錠ソレノイド(SOL)への電圧印加はなくなり、電気錠2を施錠する。また、制御部10は、接点Bを閉じれば(ON)、防犯受信機3に警戒セット信号を出力し、接点Bを開けば(OFF)、警戒セット信号の出力は停止する。
【0046】
状態監視部11は、電気錠2において接点Cが閉じられると(ON)、施錠状態を検知し、接点Cが開くと(OFF)、解錠状態を検知する。また、接点Dが閉じると(ON)、扉Dの閉状態を検知し、接点Dが開くと(OFF)、扉Dの開状態を検知する。また、状態監視部11は、判別手段を構成して、防犯受信機3と同様に、防犯センサSの人体検知を判別できるようになっており、接点Eが閉じ(ON)、ループが正常であるときは人体を検知しておらず、接点Eが開き(OFF)、ループが異常になると人体を検知していることが判る。
【0047】
また、このカードリーダ1は、セット手段として、警戒セット信号を出力し、防犯受信機3の監視を開始させるために操作するセット釦14を備える一方、リセット手段として、警報セット信号の出力を停止し、防犯受信機3の監視を解除させるために操作するリセット釦15を備える。また、ブザー手段である警報ブザー16と、防犯センサSが人体を検知しておらず、ループが正常(接点EがON)であるときに点灯するループ灯L3とを備えている。
【0048】
セット釦14、リセット釦15の各々には、接点F、接点Gを備えて、釦14,15が操作されたことが制御部10で検知できるようになっており、また、操作されたときには、各々のランプL1,L2が点灯あるいは点滅するようになっている。したがって、ランプL1,L2の各々は、点灯していれば、防犯受信機3による監視状態あるいは監視解除状態であることを示すことになる。
【0049】
図3には、カードリーダ1の外観構成を示している。このカードリーダ1では、カードCを読取走査するときには、カードリーダ部13にカードCを挿入しスライドさせるようになっている。なお、カードリーダ1には、操作釦として、セット釦14とリセット釦15とを備え、また、表示ランプとして、ループ灯L3以外に、カードCの挿入待機状態に点灯するカード挿入灯L4、登録されていないカードCを読み取ったときに点灯するカードNG灯L5、電気錠2が解錠しているときに点灯する解錠灯L6を備えている。
【0050】
なお、表示ランプL3〜L6の各々には、その近くに、対応したメッセージを記している。例えば、各々、「ループ状態」、「カードを挿入してください」、「カードを再挿入してください」、「解錠しています」といった文字が記されている。
【0051】
まず、図1〜図3に示した電気錠制御システムのカードリーダ1が、建物内の事務所などの扉Dに設置される場合について、図4〜図15とともに説明する。
【0052】
各事務所の扉Dの電気錠2は、入室時と退室時の双方でカードリーダ1を操作しなければ、解錠、施錠ができないタイプである。したがって、入室後は、室内から電気錠2の施錠操作をしない限り、電気錠2は解錠を維持するようになっている。
【0053】
まず、図4のタイムチャート、図5のカードリーダ1の表示の変化を示す図とともに、防犯監視状態(防犯警戒)において最初に入室する場合を説明する。
【0054】
カードリーダ1は、セット釦14の操作により、防犯受信機3が監視状態(防犯警戒状態)であるときに、リセット釦15が操作され、所定のカードCが読取走査されたときには、電気錠2を解錠させるとともに、防犯受信機3の監視を解除させる。
【0055】
図4に示すように、カードリーダ1を操作する前は、通常、防犯センサSのループ状態は正常(接点EがON)であり、扉Dを開けて人が入った後から人体検知を開始するが、これには限定されず、扉Dを開ける前であって、防犯警戒状態であるときに、侵入者を検知し、警報を出力しているときも、同様に動作するようにしてもよい。
【0056】
図5(a)はセット釦14が操作された警戒状態(セット釦14のランプL1が点灯)であり、カード挿入待機状態(カード挿入灯L4が点灯)、施錠状態(解錠灯L6が消灯)、ループ正常(ループ灯L3が点灯)がであることを示している。この状態において、リセット釦15を操作すると、同図(b)に示すように、リセット釦15のランプL2が所定時間の間(例えば3秒間)点滅する。この点滅中にカード操作(読取走査)をして、そのカードCが、予め登録されている正常なカードCであれば、同図(c)に示すように、電気錠2は解錠され(解錠灯L6が点灯)、防犯警戒は解除される(リセット釦15のランプL2が点灯)。そして、扉Dを開けて入室すれば、同図(d)に示すように、電気錠2は解錠状態を維持したまま、カード挿入待機状態に戻る。
【0057】
次に、図6のタイムチャート、図7のカードリーダ1の表示の変化を示す図とともに、防犯監視解除状態において最後に退室する場合を説明する。
【0058】
カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除しており、防犯センサSが人体を検知していない(ループ正常)状態で、セット釦14が操作され、所定のカードCが読取走査されたときには、電気錠2を施錠させるとともに、防犯受信機3の監視を開始させる。
【0059】
図7(a)はリセット釦15が操作された警戒解除状態であり、カード挿入待機状態、解錠状態、ループ正常であることを示している。この状態において、セット釦14を操作すると、同図(b)に示すように、セット釦14のランプL1が所定時間の間(例えば3秒間)点滅する。この点滅中にカード操作をして、そのカードCが正常なカードCであれば、同図(c)に示すように、電気錠2は施錠され(解錠灯L6が消灯)、防犯警戒がセットされる(セット釦14が点灯)。そして、同図(d)に示すようにカード挿入待機状態になる。
【0060】
次に、図8〜図10とともに、最終退室時にエラーとなる場合を説明する。
【0061】
図8に示すように、カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除しており、防犯センサSが人体を検知している状態(ループ異常)で、セット釦14が操作され、所定のカードCが読取走査されたときには、電気錠2の解錠及び防犯受信機3の監視解除を維持させる。すなわち、室内に人が居る状態で、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作を無効とする。
【0062】
このとき、カードリーダ1は、制御部10によって警報ブザー16を、時間tだけ鳴動させる。これによって、操作者は、室内にまだ人が居るといったことが分かる。なお、カードリーダ1は、警報ブザー16の代わりに、音声メッセージを出力するようにしてもよい(以下に警報ブザー16を鳴動させる場合も同様)。
【0063】
図9に示す場合では、カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除しており、防犯センサSが人体を検知しておらず(ループ正常)、扉Dの開状態を検知している状態で、セット釦14が操作され、所定のカードCが読取走査されたときには、電気錠2の解錠及び防犯受信機3の監視解除を維持させる。すなわち、室内に人がいない状態であっても、扉Dを開いたまま、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作を無効とする。
【0064】
このときも、カードリーダ1は警報ブザー16を時間tだけ鳴動させる。これによって、操作者は、扉Dが開いた状態のままであることが分かる。このときに鳴動するブザーは、図8の場合と区別するため、断続音にしたり、音色などを変化させるようにしてもよい(以下に警報ブザー16を鳴動させる場合も同様)。
【0065】
図10には、エラー時のカードリーダ1の表示の変化を、図8の場合を例にとって示している。図10(a)は、ループ異常時(ループ灯L3が消灯)に最終退室の操作をしたので、エラーが発生し、警報ブザー16が鳴動したときの状態を示している。この状態において、居残っている人に退室してもらう等でループを正常に復旧させた後、セット釦14を操作すると、同図(b)に示すように、セット釦14が点滅する。この点滅中にカード操作をすれば、同図(c)に示すように、電気錠2は施錠され(解錠灯L6が消灯)、防犯警戒がセットされる(セット釦14が点灯)。そして、同図(d)に示すようにカード挿入待機状態になる。
【0066】
次に、図11のタイムチャート、図12のカードリーダ1の表示の変化を示す図とともに、最初に入室した後、防犯監視の解除状態において、その防犯解除状態は維持したまま、最終退室する前に途中入室する場合を説明する。
【0067】
電気錠2は、入室した後に室内から施錠操作をしなければ、施錠されることがないが、その操作がされた場合や、後述する途中退室した場合には、電気錠2を解錠するために、以下のようなカードリーダ1の操作が必要になる。
【0068】
カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除している状態(リセット釦15が点灯)で、セット釦14の操作はされずに、所定のカードCの読取走査のみがされたときには、電気錠2を解錠させ、防犯受信機3の監視解除も維持させたままとする。
【0069】
図11では、カードリーダ1を操作する前は、防犯センサSは動作しており、ループ異常(接点EがOFF)である場合を示しているが、これには限定されず、室内は無人であり、この操作者が電気錠2の施錠だけをして退室しており、カード操作前はループ正常(接点EがON)である場合も同様に動作する。
【0070】
図12(a)は警戒解除状態であり、カード挿入待機状態、施錠状態、中に人が居るのでループ異常であることを示している。この状態において、カード操作をして、そのカードCが正常なカードCであれば、同図(b)に示すように、電気錠2は解錠され(解錠灯L6が点灯)、同図(c)に示すように、カード挿入待機状態になる。
【0071】
次に、図13のタイムチャート、図14のカードリーダ1の表示の変化を示す図とともに、最初に入室した後、防犯監視の解除状態において、その防犯解除状態は維持したまま、最終退室する前に途中退室する場合を説明する。
【0072】
カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除している状態(リセット釦15が点灯)で、セット釦14の操作はされずに、所定のカードCの読取走査のみがされたときには、電気錠2を施錠するが、防犯受信機3の監視解除は維持させたままとする。
【0073】
図13では、カードリーダ1を操作した後も、防犯センサSは動作しており、ループ異常(接点EがOFF)である場合を示しているが、これには限定されず、退室すれば無人になり、ループ正常(接点EがON)になる場合も同様に動作する。
【0074】
図14(a)は警戒解除状態であり、カード挿入待機状態、解錠状態、中に人が居るのでループ異常であることを示している。この状態において、カード操作をして、そのカードCが正常なカードCであれば、同図(b)に示すように、電気錠2は施錠され(解錠灯L6が消灯)、同図(c)に示すように、カード挿入待機状態になる。
【0075】
次に、図15とともに、途中退室時にエラーとなる場合を説明する。
【0076】
カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除しており、扉Dの開状態を検知している状態で、所定のカードCの読取走査のみがされたときには、電気錠2の解錠及び防犯受信機3の監視解除を維持させる。すなわち、途中退室をするときに、扉Dを開いたままカード操作をしても、その操作を無効とする。このとき、カードリーダ1は警報ブザー16を時間tだけ鳴動させる。これによって、操作者は、扉Dが開いた状態のままであることが分かる。
【0077】
なお、ここには、退室すれば無人になる場合であり、扉Dを開いたままにしておくと、ループ正常(接点EがON)になる場合を示したが、これには限定されず、人が居残り、ループ異常(接点EがOFF)を継続する場合であっても、同じように動作する。
【0078】
次に、図1〜図3に示した電気錠制御システムが、建物の通用口などに対して適用される場合について、図16〜図25とともに説明する。
【0079】
通用口の扉Dの電気錠2は、入室時にのみカードリーダ1を操作し、解錠するタイプである。電気錠2の施錠は、扉Dを閉めれば自動的に行うようになっている。
【0080】
カードリーダ1の状態監視部11は、扉Dが閉まり、接点Dが閉じられたことを検知すると、制御部10にこれを通知し、制御部10は接点Aを開いて、電気錠2を解錠させる(図1参照)。
【0081】
これによって、建物内に入るとき、建物内から出るときの何れにおいても、扉Dを閉じれば、自動的に電気錠2が施錠されるので、施錠操作をする必要がなく、確実に不法な侵入を防ぐことが出来る。
【0082】
まず、図16のタイムチャート、図17のカードリーダ1の表示の変化を示す図とともに、防犯監視状態において最初に入室する場合を説明する。
【0083】
カードリーダ1は、セット釦14の操作により、防犯受信機3が監視状態であるときに、リセット釦15が操作され、所定のカードCが読取走査されたときには、電気錠2を解錠させるとともに、防犯受信機3の監視を解除させる。そして、扉Dを開いて室内に入ったことを検知した後、扉Dの閉状態を検知すれば、電気錠2を施錠させる
図16に示すように、カードリーダ1を操作する前は、通常、防犯センサSのループ状態は正常(接点EがON)であり、扉Dを開けて人が入った後に人体検知を開始するが、扉Dを開ける前の防犯警戒状態であるときに、侵入者を検知し、警報を出力しているときも、同様に動作するようにしてもよい。
【0084】
図17(a)は、セット釦14が操作された警戒状態(セット釦14が点灯)であり、カード挿入待機状態、施錠状態、ループ正常であることを示している。この状態において、リセット釦15を操作すると、同図(b)に示すように、リセット釦15のランプL2が所定時間の間(例えば3秒間)点滅する。この点滅中にカード操作をして、そのカードCが正常なカードCであれば、同図(c)に示すように、電気錠2は解錠され(解錠灯L6が点灯)、防犯警戒は解除される(リセット釦15が点灯)。そして、扉Dを開けて入室し、扉Dを閉じれば、同図(d)に示すように、電気錠2は施錠され(解錠灯L6が消灯)、カード挿入待機状態になる。
【0085】
次に、図18のタイムチャートとともに、最初入室時にエラーとなる場合を説明する。
【0086】
カードリーダ1は、セット釦14の操作により、防犯受信機3が監視状態であるときに、リセット釦15が操作され、所定のカードCが読取走査された後、扉Dの開状態が所定時間Tの間(例えば5秒間)継続したときには、警報ブザー16を時間tだけ鳴動させる。このとき、警報ブザー16は、扉Dが閉じられるまで、鳴動し続けてもよい。
【0087】
最初に入室する操作をしたときに、防犯監視の解除は行うが、その後、扉Dが開いたままであるときには、扉Dを閉めるように警告する。これに対して、操作者は、扉Dを閉めれば、自動的に電気錠2が施錠される。
【0088】
次に、図19のタイムチャート、図20のカードリーダ1の表示の変化を示す図とともに、防犯監視解除状態において最後に退室する場合を説明する。
【0089】
カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除しており、防犯センサSが人体を検知していない状態で(ループ正常)、セット釦14が操作され、所定のカードCが読取走査されたときには、防犯受信機3の監視を開始させる。
【0090】
図20(a)はリセット釦15が操作された警戒解除状態(リセット釦15が点灯)であり、カード挿入待機状態、施錠状態、ループ正常であることを示している。この状態において、セット釦14を操作すると、同図(b)に示すように、セット釦14のランプL1が所定時間の間(例えば3秒間)点滅する。この点滅中にカード操作をして、そのカードCが正常なカードCであれば、同図(c)に示すように、解錠灯L6が所定時間(例えば2秒間)点灯し、防犯警戒がセットされる(セット釦14が点灯)。そして、同図(d)に示すようにカード挿入待機状態になる。
【0091】
なお、同図(c)において、解錠灯L6が点灯するのは、単に、カード操作が有効であり、防犯警戒がセットされたことを示すものであって、電気錠2が解錠されることはなく、このときに解錠灯L6を点灯しないようにしてもよい。
【0092】
次に、図21とともに、最終退室時にエラーとなる場合を説明する。
【0093】
図21に示すように、カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除しており、防犯センサSが人体を検知している状態(ループ異常)で、セット釦14が操作され、所定のカードCが読取走査されたときには、電気錠2の解錠及び防犯受信機3の監視解除を維持させる。すなわち、室内に人が居る状態で、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作を無効とする。
【0094】
このとき、退室するために、扉を開き、その後に閉じれば、電気錠2は施錠されることになるが、カードリーダ1の操作が無効になったときには、電気錠2は解錠される。また、操作が無効になったことを、警報ブザー16を時間tだけ鳴動させて知らせている。これによって、操作者は、室内にまだ人が居るといったことが分かる。
【0095】
図22に示す場合では、カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除しており、防犯センサSが人体を検知しておらず(ループ正常)、扉Dの開状態を検知している状態で、セット釦14が操作され、所定のカードCが読取走査されたときには、電気錠2の解錠及び防犯受信機3の監視解除を維持させる。すなわち、室内に人がいない状態であっても、扉Dを開いたまま、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作を無効とする。このときも、カードリーダ1は警報ブザー16を時間tだけ鳴動させる。これによって、操作者は、扉Dが開いた状態のままであることが分かる。
【0096】
次に、図23のタイムチャート、図24のカードリーダ1の表示の変化を示す図とともに、最初に入室した後、防犯監視の解除状態において、その防犯解除状態は維持したまま、最終退室する前に途中入室する場合を説明する。
カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除している状態(リセット釦15が点灯)で、セット釦14の操作はされずに、所定のカードCの読取走査のみがされたときには、電気錠2を解錠させ、防犯受信機3の監視解除も維持させたままとする。
【0097】
図23では、カードリーダ1を操作する前は、防犯センサSは動作しており、ループ異常(接点EがOFF)である場合を示しているが、これには限定されず、このときの操作者が施錠だけをして退室していた場合であり、カード操作前はループ正常(接点EがON)であったときも同様に動作する。
【0098】
図24(a)は警戒解除状態(リセット釦15が点灯)であり、カード挿入待機状態、施錠状態、中に人が居るのでループ異常であることを示している。この状態において、カード操作をして、そのカードCが正常なカードCであれば、同図(b)に示すように、電気錠2は解錠され(解錠灯L6が点灯)、その後、室内に入って扉Dを閉じれば、同図(c)に示すように、施錠状態になり(解錠灯L6が消灯)、カード挿入待機状態になる。
【0099】
なお、途中退室する場合は、カードリーダ1に対して何等の操作を行わなくても、扉Dを閉じれば、自動的に電気錠2は施錠される。
【0100】
次に、図25のタイムチャートとともに、途中入室時にエラーとなる場合を説明する。
【0101】
カードリーダ1は、リセット釦15の操作により、防犯受信機3が監視を解除している状態で、所定のカードCの読取走査のみがされた後、扉Dの開状態が所定時間Tの間(例えば5秒)継続したときには、警報ブザー16を時間tだけ鳴動させる。すなわち、途中入室する操作をした後、扉Dが開いたままであるときには、扉Dを閉めるように警告する。これに対して、操作者は、扉Dを閉めれば、自動的に電気錠2は施錠される。
【0102】
以上には、カードリーダ1の操作に連動する設備が、防犯監視システム(防犯受信機3、防犯センサS)である場合を説明したが、カードリーダ1は、設備として、防犯監視システムとともに、あるいは、防犯監視システムに代えて、照明システムや空調システム、エレベータ制御システムなどの人が居るときに作動するシステムを接続することもできる。
【0103】
このようなシステムは、人体検知センサを有しており、この人体検知センサは、赤外線センサや超音波センサ等で構成されるが、防犯監視システムの防犯センサSと共用するようにしてもよい。
人が居るときに作動するシステムは、人がいないときに作動して防犯警戒状態になる防犯監視システムとは逆の制御が必要となるため、カードリーダ1のセット釦14は照明システムなどの動作を停止させるために操作し、リセット釦15は照明システムなどの動作を開始させるために操作することになる。
【0104】
また、照明システムの場合、図1の構成では、防犯受信機3は照明制御装置になり、この照明システムは、防犯受信機3の監視とともに、あるいは、防犯受信機3の監視に代えて、動作を停止する一方、防犯受信機3の監視解除とともに、あるいは、防犯受信機3の監視解除に代えて、動作することになる。また、接点Eは人体検知センサが人体を検知すれば閉状態になる。
【0105】
このように、本発明では、電気錠2の解錠と施錠の双方において操作が必要なカードリーダ1、解錠のみに操作が必要なカードリーダ1のいずれにも、防犯監視システム以外の設備を接続し、この設備を、最初の入室、最後の退室、途中の入退室の各々に対応して適切に連動させることが出来る。
【発明の効果】
【0106】
以上の説明からも理解できるように、本発明の請求項1〜請求項10に記載の設備連動機能付き電気錠制御システムでは、最初入室、最終退室以外に、途中入退室をすることがあっても、釦操作とカード操作の双方を行うか、カード操作のみを行うかによって、カードリーダに接続された設備を、運用上の問題がなく、適切に連動させることができる。
【0107】
請求項1〜請求項4では、電気錠の施錠と解錠の両方において、カードリーダの操作が必要なタイプであっても、カードリーダの操作に対応して、防犯監視システムを適切に連動させることが出来る。
【0108】
請求項1では、防犯監視状態において最初に入室する場合と、防犯監視解除状態から警戒状態に戻すように最後に退室する場合のいずれにおいても、カードリーダにおいて、釦操作と所定のカードの読取走査をすれば、電気錠の施解錠と、防犯受信機による監視の切換制御ができる。
【0109】
また、室内に人がいない状態であっても、扉を開いたまま、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作は無効となるので、扉の電気錠が施錠されないままになることを防ぐことが出来る。
【0110】
更に、最終退室や途中退室でエラーが発生すると、ブザーが鳴動するので、その対応が必要であることがすぐに分かる。
【0111】
請求項2では、途中入退室する場合は、カードリーダにおいて、所定のカードの読取走査のみを行えば、防犯受信機の監視解除は維持したまま、電気錠を施解錠することができる。
【0112】
請求項3では、室内に人が居る状態で、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作は無効となるので、防犯受信機の誤報を未然に防ぐことが出来る。
【0113】
請求項4では、途中退室をするときに、扉を開いたままカード操作をしても、その操作は無効となるので、扉の電気錠が施錠されないままになることを防ぐことが出来る。
【0114】
請求項5〜請求項9では、電気錠の解錠のみにカードリーダの操作が必要であり、扉を閉じれば自動的に電気錠が施錠されるタイプであっても、カードリーダの操作に対して、防犯監視システムを適切に連動させることが出来る。すなわち、入室した直後に、扉を閉じて自動的に電気錠が施錠されても、防犯警戒がセットされることがなく、誤って警報を出力することがない。
【0115】
請求項5では、防犯監視状態において最初に入室する場合と、防犯監視解除状態から警戒状態に戻すように最後に退室する場合のいずれにおいても、カードリーダにおいて、釦操作と所定のカードの読取走査をすれば、電気錠の施解錠と、防犯受信機による監視の切換制御ができる。
【0116】
また、室内に人がいない状態であっても、扉を開いたまま、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作は無効となるので、扉の電気錠が施錠されないままになることを防ぐことが出来る。
【0117】
更に、最終退室時にエラーが発生すると、ブザーが鳴動するので、その対応が必要であることがすぐに分かる。
【0118】
請求項6では、途中入室する場合は、カードリーダにおいて、所定のカードの読取走査のみを行えば、防犯受信機の監視解除は維持したまま、電気錠を解錠することができる。
【0119】
請求項7では、室内に人が居る状態で、最終退室として防犯監視を開始する操作をしても、その操作は無効となるので、防犯受信機の誤報を未然に防ぐことが出来る。
【0120】
請求項8では、最初に入室する操作をしたときに、防犯監視は解除しても、その後、扉が開いたままであるときには、扉を閉めるようにブザーが鳴動するので、電気錠が解錠されたままになることがない。
【0121】
請求項9では、途中入室する操作をした後、扉が開いたままであるときには、扉を閉めるようにブザーが鳴動するので、電気錠が解錠されたままになることがない。
【0122】
請求項10では、防犯監視システム以外の照明、空調などの設備をカードリーダに接続し、カードリーダの操作に対して、運用上の問題もなく、適切に連動させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】 本発明の設備連動機能付き電気錠制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】 本発明の設備連動機能付き電気錠制御システムの一例を示すシステム構成図である。
【図3】 カードリーダの外観の一例を示す図である。
【図4】 事務所用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(最初入室)。
【図5】 図4の動作に対応したカードリーダの表示の変化を示す図である。
【図6】 事務所用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(最終退室)。
【図7】 図6の動作に対応したカードリーダの表示の変化を示す図である。
【図8】 事務所用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(最終退室エラー)。
【図9】 事務所用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(最終退室エラー)。
【図10】 図8の動作に対応したカードリーダの表示の変化を示す図である。
【図11】 事務所用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(途中入室)。
【図12】 図11の動作に対応したカードリーダの表示の変化を示す図である。
【図13】 事務所用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(途中退室)。
【図14】 図13の動作に対応したカードリーダの表示の変化を示す図である。
【図15】 事務所用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(途中退室エラー)。
【図16】 通用口用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(最初入室)。
【図17】 図16の動作に対応したカードリーダの表示の変化を示す図である。
【図18】 通用口用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(最初入室エラー)。
【図19】 通用口用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(最終退室)。
【図20】 図19の動作に対応したカードリーダの表示の変化を示す図である。
【図21】 通用口用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(最終退室エラー)。
【図22】 通用口用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(最終退室エラー)。
【図23】 通用口用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(途中入室)。
【図24】 図23の動作に対応したカードリーダの表示の変化を示す図である。
【図25】 通用口用カードリーダの動作例を示すタイムチャートである(途中入室エラー)。
【図26】 従来の電気錠制御システムを示すシステム構成図である。
【図27】 従来の電気錠制御システムの構成を示すブロック図である(事務所用)。
【図28】 従来のカードリーダの外観を示す図である。
【図29】 従来の電気錠制御システムの構成を示すブロック図である(通用口用)。
【符号の説明】
【0124】
1 カードリーダ
10 制御部
11 状態監視部
12 データ照合部
13 カードリーダ部
14 セット釦
15 リセット釦
16 警報ブザー
L3 ループ灯
L6 解錠灯
2 電気錠
3 防犯受信機
S 防犯センサ
C カード
D 扉
Claims (10)
- 所定のカードを読取走査させて、扉に設けられた電気錠を施解錠させるカードリーダに対し、このカードリーダの操作に連動する所定の設備を接続した構成の電気錠制御システムであって、
上記設備は、防犯センサと防犯受信機とを有した防犯監視システムであり、
上記カードリーダは、上記防犯受信機の監視を開始させるために操作するセット手段と、上記防犯受信機の監視を解除させるために操作するリセット手段と、上記防犯センサによる人体検知を判別する判別手段とを備え、
上記セット手段の操作により、上記防犯受信機が監視状態であるときに、上記リセット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠を解錠させるとともに、上記防犯受信機の監視を解除させる構成としており、
上記カードリーダは、扉の開閉を検知する手段と、ブザー手段とを更に備えており、
上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記防犯センサが人体を検知しておらず、上記扉の開状態を検知している状態で、上記セット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させ、上記ブザー手段を鳴動させることを特徴とする設備連動機能付き電気錠制御システム。 - 上記カードリーダは、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除している状態で、上記所定のカードの読取走査のみがされたときには、上記電気錠を施錠あるいは解錠させ、上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする、請求項1に記載の設備連動機能付き電気錠制御システム。
- 上記カードリーダは、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記防犯センサが人体を検知している状態で、上記セット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする、請求項1に記載の設備連動機能付き電気錠制御システム。
- 上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記扉の開状態を検知している状態で、上記所定のカードの読取走査のみがされたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする、請求項1に記載の設備連動機能付き電気錠制御システム。
- 所定のカードを読取走査させて、扉に設けられた電気錠を解錠させるカードリーダに対し、このカードリーダの操作に連動する所定の設備を接続した構成の電気錠制御システムであって、
上記設備は、防犯センサと防犯受信機とを有した防犯監視システムであり、
上記カードリーダは、上記防犯受信機の監視を開始させるために操作するセット手段と、上記防犯受信機の監視を解除させるために操作するリセット手段と、上記防犯センサによる人体検知を判別する判別手段と、上記扉の開閉を検知する手段と、ブザー手段とを備え、
上記セット手段の操作により、上記防犯受信機が監視状態であるときに、上記リセット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠を解錠させるとともに、上記防犯受信機の監視を解除させ、上記扉の閉状態を検知すれば、上記電気錠を施錠させる一方、
上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記防犯セン サが人体を検知しておらず、上記扉の開状態を検知している状態で、上記セット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させ、上記ブザー手段を鳴動させることを特徴とする設備連動機能付き電気錠制御システム。 - 上記カードリーダは、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除している状態で、上記所定のカードの読取走査のみがされたときには、上記電気錠を解錠させ、上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする、請求項5に記載の設備連動機能付き電気錠制御システム。
- 上記カードリーダは、上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除しており、上記防犯センサが人体を検知している状態で、上記セット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査されたときには、上記電気錠の解錠及び上記防犯受信機の監視解除を維持させることを特徴とする、請求項5に記載の設備連動機能付き電気錠制御システム。
- 上記セット手段の操作により、上記防犯受信機が監視状態であるときに、上記リセット手段が操作され、上記所定のカードが読取走査された後、上記扉の開状態が所定時間継続したときには、上記ブザー手段を鳴動させることを特徴とする、請求項5に記載の設備連動機能付き電気錠制御システム。
- 上記リセット手段の操作により、上記防犯受信機が監視を解除している状態で、上記所定のカードの読取走査のみがされた後、上記扉の開状態が所定時間継続したときには、上記ブザー手段を鳴動させることを特徴とする、請求項5に記載の設備連動機能付き電気錠制御システム。
- 上記カードリーダは、上記設備として、上記防犯監視システムとともに、あるいは、上記防犯監視システムに代えて、照明システムや空調システムなどの人が居るときに作動する、人体検知センサを有したシステムを接続しており、
上記セット手段は上記システムの動作を停止させるために操作し、上記リセット手段は上記システムの動作を開始させるために操作し、上記判別手段は上記人体検知センサによる人体検知を判別するようになっており、
上記防犯受信機の監視とともに、あるいは、上記防犯受信機の監視に代えて、上記システムは動作を停止し、上記防犯受信機の監視解除とともに、あるいは、上記防犯受信機の監視解除に代えて、上記システムは動作し、上記防犯センサとともに、あるいは、上記防犯センサに代えて、上記人体検知センサが人体を検知することを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の設備連動機能付き電気錠制御システム。
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