JP3401632B2 - エレベータ不停止制御システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明はテナントビルにおけ
るエレベータ不停止制御システムに係り、特にエレベー
タ不停止解除階が複数階にわたるときのエレベータ不停
止制御システムに関する。 【０００２】 【従来の技術】従来のエレベータ不停止制御システムで
は、エレベータを有する２階建て以上のテナントビルに
おいて、同一フロアが１以上の警備ブロックに分けられ
ている。各警備ブロックは、遠隔操作器により、退館時
には警備状態に切り換えられ、入館時には警備解除状態
に切り換えられる。そして、同一フロアの警備ブロック
がすべて警備状態になったときに、当該階にはエレベー
タが停止しないように制御される。当該階にエレベータ
が停止しないように制御された状態で、最初の入館者が
当該階に行くためには、まず、テナントビルの基準階
（たとえば１階）に設けられたエレベータ不停止解除装
置を操作して、エレベータ制御部に対して当該階へのエ
レベータ不停止を所定時間解除させる。最初の入館者
は、その所定時間内にエレベータ籠に乗り込んで行先階
指定操作部を操作することで、当該階に到着できる。そ
して、その最初の入館者が当該警備ブロックを警備解除
状態に切り換えることにより、当該階へのエレベータ不
停止は解除されるようになっている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のエレベ
ータ不停止制御システムでは、複数階にわたるテナント
があるときには問題があった。つまり、当該テナントへ
の入館者が基準階でエレベータ不停止解除装置を操作す
ると、実際に入館する階以外の階もエレベータ不停止が
解除となってしまい、防犯上好ましくなかった。また、
最初に入館する階をあらかじめ決めておき、そこで警備
を解除してから他の階に行く方法も考えられるが、それ
では本来入館する階以外を経由して階間移動することに
なり、効率的でない。そこで、本発明は上記問題点に鑑
みてなされたものであり、複数にわたるテナントへの入
館者があったときでも、防犯性を保ちつつ、最低限の操
作、時間で所望の階へ入館することができるエレベータ
不停止制御システムを提供することを目的とする。 【０００４】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のエレベータ不停止制御システムは、操作者
の操作に応じてＩＤコードが入力すると、当該ＩＤコー
ドに対応する階がエレベータ不停止状態であるか否かを
判断し、当該階がエレベータ不停止状態である場合は、
当該階のエレベータ不停止状態を解除するエレベータ不
停止制御システムにおいて、操作者の操作に応じてエレ
ベータ不停止状態を解除する階を示す不停止解除階指定
信号を出力する不停止解除階指定部を設け、操作者の操
作により入力されたＩＤコードに対応付けられた階のう
ち、前記不停止解除階指定部における操作者の操作によ
り指定された不停止状態を解除する階についてのみエレ
ベータ不停止制御を解除することを特徴としている。 【０００５】 【発明の実施の形態】 【実施例】図面を参照しながら、本発明の実施例につい
て説明する。まず、本発明の実施例の構成について説明
する。図１は、本発明の実施例の構成を示すブロック図
である。図１のエレベータ不停止制御システムは、大き
く分けて、警備制御手段１、センサ２、遠隔操作器３、
中継器４、エレベータ制御手段５、エレベータ駆動手段
６、エレベータ籠７、不停止解除手段８とから構成され
る。警備制御手段１において、ＣＰＵ１１は警備制御手
段１全体を制御する。信号入力部１２は中継器４と接続
されており、各警備ブロックに配設されたセンサ２から
の異常検知信号と遠隔操作器３からの警備／警備解除信
号を、中継器４を介してＣＰＵ１１に出力する。警報送
信部１３は、ＣＰＵ１１が入力した信号入力部１２から
の異常検知信号と警備／警備解除信号に基づいて、警備
／警備解除信号および警報を、通信回線を介して遠隔地
の警備会社の監視センタ等へ送信する。フロア警備判断
部１４は、１フロアの各警備ブロックがすべて警備状態
になったときに、そのフロアの警備状態信号をＣＰＵ１
１に出力する。そして、１フロアの各警備ブロックがす
べて警備状態になっている状態から、１つの警備ブロッ
クが警備解除状態になると、フロア警備判断部１４はそ
のフロアの警備解除状態信号をＣＰＵ１１に出力する。
不停止信号出力部１５は、ＣＰＵ１１がフロア警備判断
部１４から警備状態信号を入力したときに、そのフロア
に関するエレベータ不停止信号をエレベータ制御手段５
へ出力する。 【０００６】センサ２は、防犯センサ（侵入検知センサ
等）、防災センサ（火災感知器等）および設備異常検知
センサから構成されている。各警備ブロックに配設され
たセンサ２は各階ごとに設けられた中継器４を介して１
階に設けられた警備制御手段１に接続されている。遠隔
操作器３は、各警備ブロックの最終退館者および最初の
入館者により手動で操作されることにより、各警備ブロ
ックを警備状態または警備解除状態のいずれかに切り換
える警備／警備解除信号を出力する。遠隔操作器３は、
各階ごとに設けられた中継器４を介して、１階に設けら
れた警備制御手段１に接続されている。エレベータ制御
手段５は、運転制御部５１、行先階認識部５２、不停止
制御部５３から構成されている。運転制御部５１は、エ
レベータ制御手段５全体を制御する。行先階認識部５２
は、エレベータ篭７の行先階指定部７１からの信号を入
力すると行先階を認識し、運転制御部５１に行先階を指
定する。不停止制御部５３は、不停止解除手段８、警備
制御手段１の不停止信号出力部１５からの信号に基づ
き、警備状態のフロアへのエレベータの停止を禁止し、
警備解除状態のフロアにはエレベータを停止可能とす
る。また、最初の入館者があるフロアへのエレベータの
停止禁止を一時解除するように制御する。エレベータ駆
動手段６は、エレベータ制御手段５の運転制御部５１か
らの信号に基づき、エレベータ籠７を駆動する。不停止
解除手段８において、不停止解除階信号出力部８２はた
とえば磁気カードリーダであり、不停止解除階指定部８
３はたとえば各階番号が表示されている階番号表示釦で
ある。各フロアの最初の入館者が、ＩＤコード等が記録
された正規の磁気カードにより磁気カードリーダを操作
すると、その磁気カードに記録されたＩＤコードに対応
するフロアに関するエレベータ不停止解除信号が不停止
解除制御部８１からエレベータ制御手段５の不停止制御
部５３へ出力され、エレベータ籠７は当該階に関して不
停止を解除される。磁気カードに記録されたＩＤコード
に対応するフロアが複数の場合は、行きたいフロアの階
番号表示釦を押下してから磁気カードを操作すれば、当
該フロアだけが不停止解除となる。 【０００７】図２は、エレベータ不停止制御システムを
構成する各装置の配置を示す模式図である。図２におい
て、Ｎ階建てのテナントビル９は、フロアＦ１、フロア
Ｆ２、・・・、フロアＦＮ−１、フロアＦＮを有してい
る。エレベータ籠７は、エレベータ制御手段５により制
御されるエレベータ駆動手段６により駆動され、各フロ
ア間を往来する。各フロアＦ１、Ｆ２、・・・、ＦＮ−
１、ＦＮは、それそれテナントごとに１以上の警備ブロ
ックに分割されている。各警備ブロックには、センサ２
と遠隔操作器３がそれそれ配設されている。警備制御手
段１は、警備状態にある警備ブロックのセンサ２が異常
を検知すると、通信回線を介して図示しない遠隔地の警
備会社の監視センタ等へ警報を送信する。不停止解除手
段８は、このテナントビルの基準階である１階に設置さ
れている。 【０００８】続いて、上記構成のエレベータ不停止制御
システムの動作について説明する。まず、エレベータの
停止を禁止する動作について説明する。あるフロアから
最終退館者が退館してそのフロアの各警備ブロックがす
べて警備状態に設定されると、警備制御手段１のフロア
警備判断部１４はそのフロアに関する警備状態信号をＣ
ＰＵ１１に出力する。これに基づいて、ＣＰＵ１１は不
停止信号出力部１５を起動して、そのフロアに対応する
エレベータ不停止信号をエレベータ制御手段５の不停止
制御部５３に出力する。これにより、エレベータ制御手
段５の運転制御部５１はエレベータ籠７の行先階指定部
７１により当該フロアを指定されても、当該フロアにエ
レベータ篭７を停止させないようにエレベータ駆動手段
６を制御する。なお、あるフロアに対してエレベータ籠
７の停止が禁止された状態であっても、当該フロアのエ
レベータ呼び釦は有効である。したがって、当該フロア
の最終退館者はそのフロアのエレベータ呼び釦を押して
エレベータ籠７を呼んで停止させ、通用口があるフロア
（たとえば１階）まで到着することができる。 【０００９】次に、エレベータの停止禁止を解除する動
作について説明する。まず、最初の入館者が所持する磁
気カードのＩＤコードに対応するフロアが単一である場
合は、最初の入館者が１階に設置している不停止解除手
段８である磁気カードリーダで磁気カードを操作する。
それにより、磁気カード内のＩＤコードに対応するフロ
アに関するエレベータ不停止解除信号が、不停止解除手
段８の不停止解除制御部８１からエレベータ制御手段５
の不停止制御部５３を介して運転制御部５１に出力され
る。運転制御部５１は、そのフロアへのエレベータの停
止禁止を解除するとともに、エレベータ籠７を１階に到
着させる。それにより、最初の入館者は、エレベータ籠
７に乗って行先階指定部７１を押下することにより、当
該階に行くことができる。 【００１０】最初の入館者が所持する磁気カードのＩＤ
コードに対応するフロアが複数である場合の動作を、図
３のフローチャートを参照しながら説明する。最初の入
館者は、まず、不停止解除手段８の不停止解除階指定部
８３である階番号表示釦にて、行きたい階の釦を押下す
る（ステップ１）。階番号表示釦の押下があると、不停
止解除制御部８１内の図示しないタイマが計時を開始す
る（ステップ２）。その後、不停止解除制御部８１は、
所定時間内たとえば１０秒以内に、ＩＤコードに対応す
るフロアが当該階を含む磁気カードの操作がなされたか
どうかを判定する（ステップ３，４）。１０秒以内にＩ
Ｄコードに対応するフロアが当該階を含む磁気カードの
操作があれば、ＩＤコードに対応するフロアが単一であ
る場合の動作と同様の動作にて、階番号表示釦の押下の
あった階のみエレベータの停止禁止が解除される（ステ
ップ５）。これにより、磁気カードのＩＤコードに対応
するフロアのうち、行きたい階以外のフロアへのエレベ
ータの停止禁止は解除されないので、悪意ある者による
他のフロアへのアクセスを未然に防止することができ
る。 【００１１】本実施例では、磁気カードのＩＤコードに
対応するフロアが複数である場合に、階番号表示釦を押
してから磁気カードを操作したが、磁気カードを操作し
てから階番号表示釦を押すようにしてもよい。また、磁
気カードのＩＤコードに対応するフロアが複数である場
合に、階番号表示釦の押下がないと磁気カードの操作を
無効にするようにしてもよいし、あるいはＩＤコードに
対応する複数のフロアすべてをエレベータ不停止解除と
するようにしてもよい。さらに、不停止解除階信号出力
部は磁気カードリーダでなくても、指紋照合装置、暗証
番号入力装置等でもよい。また、不停止解除階指定部は
階番号表示釦でなくても、テンキーパッド等により階番
号を指定するようにしてもよい。 【００１２】 【発明の効果】以上記載した通り、本発明のエレベータ
不停止制御システムによれば、不停止解除階信号出力部
によるエレベータの不停止解除階が複数の場合において
も、不停止解除階指定部によって特定の不停止解除階を
指定することにより、実際に入館する階以外の階はエレ
ベータの不停止が解除されないので高い防犯性を保つこ
とができる。また、最初に入館する階をあらかじめ決め
ておく方法に比べて、実際に入館する階へ直接入館でき
るので、入館者は階間移動を効率的に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の実施例の構成を示すブロック図であ
る。 【図２】本発明を構成する各装置の配置を示す模式図で
ある。 【図３】本発明の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。 【符号の説明】 警備制御手段 １ ＣＰＵ １１ 信号入力部 １２ 警報送信部 １３ フロア警備判断部 １４ 不停止信号出力部 １５ センサ ２ 遠隔操作器 ３ 中継器 ４ エレベータ制御手段 ５ 運転制御部 ５１ 行先階認識部 ５２ 不停止制御部 ５３ エレベータ駆動手段 ６ エレベータ籠 ７ 行先階指定部 ７１ 不停止解除手段 ８ 不停止解除制御部 ８１ 不停止解除階信号出力部 ８２ 不停止解除階指定部 ８３ テナントビル ９

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】操作者の操作に応じてＩＤコードが入力す
   ると、当該ＩＤコードに対応する階がエレベータ不停止
   状態であるか否かを判断し、当該階がエレベータ不停止
   状態である場合は、当該階のエレベータ不停止状態を解
   除するエレベータ不停止制御システムにおいて、 操作者の操作に応じてエレベータ不停止状態を解除する
   階を示す不停止解除階指定信号を出力する不停止解除階
   指定部を設け、操作者の操作により入力されたＩＤコードに対応付けら
   れた階のうち、前記不停止解除階指定部における操作者
   の操作により指定された不停止状態を解除する階につい
   てのみエレベータ不停止制御を解除する ことを特徴とす
   るエレベータ不停止制御システム。