JP2524755B2 - 抗血栓性材料の製造法 - Google Patents

抗血栓性材料の製造法

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JP2524755B2 JP62134379A JP13437987A JP2524755B2 JP 2524755 B2 JP2524755 B2 JP 2524755B2 JP 62134379 A JP62134379 A JP 62134379A JP 13437987 A JP13437987 A JP 13437987A JP 2524755 B2 JP2524755 B2 JP 2524755B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、抗血栓性材料の製造法に関する。
〔従来の技術〕
人工心臓、人工血管、人工弁、人工心肺、人工腎臓、
人工肝臓、動静脈シャント、血液回路、血管カテーテル
などの血液と接触する医療製品に使用される材料は、多
かれ少なかれ抗血栓性を有することが要求される。これ
らの中でも小口径人工血管は特に優れた抗血栓性を要求
されるものの1つであるが、現状では十分な抗血栓性を
有するものはほとんど実用化されていない。大口径動脈
用の人工血管ではポリエステル編物あるいは多孔性ポリ
テトラフルオロエチレンからなるものが使用されている
が、これらの材料の抗血栓性も十分でない。
また、特公昭42-42759号公報、特開昭50-150793号公
報および特開昭51-24651号公報等には、ポリ(2−ヒド
ロキシエチル)メタクリレートやポリビニルアルコール
などの親水性重合体からなるヒドロゲルが抗血栓性材料
として開示されているが、抗血栓性が不十分であるだけ
でなく強度も小さいので、実用性のないものであった。
また、特開昭49-125493号公報および特開昭51-125978号
公報においては、上記の親水性重合体を形成する単量体
を基材表面にグラフト重合する方法が開示されている
が、この方法では基材を適当に選択することにより材料
強度の改良はできても、抗血栓性については親水性重合
体と同等の効果しか得られていない。
さらに、特開昭48-66187号公報および特開昭53-10677
8号公報等にはヘパリンやウロキナーゼなどの血液凝固
抑制物質を材料の表面に固定して抗血栓性を付与する方
法が開示されている。この方法では初期には優れた抗血
栓性が得られるものの、しだいに血液凝固抑制効果が低
下するので、長期間にわたって安定した抗血栓性を得る
ことはできなかった。そして、このような方法により製
造される抗血栓性材料は、血液凝固抑制物質が高価であ
ることと滅菌が難しいために無菌的に製造する必要があ
ることから、きわめて高価なものになるという欠点があ
った。
このように従来から多くの提案がなされているにもか
かわらず、現状では人工血管として小口径の動脈や静脈
などにも適用し得るほど優れた抗血栓性を長期間にわた
って維持することのできる材料は得られていなかった。
本発明者らは、抗血栓性を改良するために種々検討し
た結果、高分子材料からなる基材表面上に水溶性の重合
体をきわめて少量(100μg/cm2以下)結合することによ
り、多量に結合した場合よりも飛躍的に抗血栓性が改良
されることを見出し、先に特願昭59-87432号(特開昭60
-227763号)として特許出願を行った。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記の特許出願にかかる発明は、優れた抗血栓性材料
を提供するものであるが、通常のグラフト重合法ではグ
ラフト重合体の結合量が変動しやすく、したがって抗血
栓性が変動しやすいという問題のあることが判明した。
本発明の目的は、重合体の結合量が変動しても常に安
定した抗血栓性を発現し得る抗血栓性材料の製造法を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明においては、グラフト重合体に架橋結合を導入
することによって、上記の問題点を解決した。
すなわち本発明は、高分子材料からなる基材の表面に
水溶性でかつ非イオン性の単量体をグラフト重合して抗
血栓性を付与するに際し、グラフト重合と同時あるいは
その後にグラフト重合に架橋結合を導入することを特徴
とする抗血栓性材料の製造方法である。
〔作用〕
本発明によれば、グラフト重合体の結合量に無関係に
抗血栓性が得られる。したがって、グラフト重合の条件
に左右されることなく常に安定した抗血栓性が得られる
ことになる。
〔実施例〕
本発明において高分子材料からなる基材の表面にグラ
フト重合を行う方法としては、基材の表面に遊離ラジカ
ルまたはペルオキシドを生成させ、次いでこれにラジカ
ル重合性の水溶性でかつ非イオン性の単量体を作用させ
る方法を一般に採用することができる。グラフト重合体
への架橋結合の導入は、グラフト重合と同時または重合
後に行う。
本発明において基材として使用する高分子材料につい
ては特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポクアクリロニトリル、ポリメチルメタクリ
レート、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン系ブロック共重
合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエーテル−エステル系ブロック共重合体、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、シリコーン、セルロースおよび
酢酸セルロースなどを例示することができる。基材の形
態については、非多孔質、多孔質、織物、編物などいず
れの形態でもよく、形状についてもチューブ状、円筒
状、シート状、板状、ブロック状、繊維状など使用目的
に応じていかなる形状のものでも使用できる。また、こ
れらは単一の材料から構成されていてもよいし、複数の
材料からなる複合構造物であってもよい。
基材の表面に遊離ラジカルまたはペルオキシドを生成
させる方法としては、電子線やガンマ線などの高エネル
ギー放射線を照射する方法、紫外線を照射する方法、低
温プラズマ放電処理(グロー放電及びコロナ放電)、オ
ゾン処理および過酸化ベンゾイルなどの重合開始剤を添
加する方法などがある。
遊離ラジカルまたはペルオキシドを生成させた基材に
ラジカル重合性の単量体を作用させると、グラフト重合
が行われる。そして重合時間、重合温度等を選択するこ
とにより重合体の結合量を調整することができる。水溶
性の単量体としては、アクリルアミド、ジメチルアクリ
ルアミド、メタクリルアミド、ビニルピロリドン、アク
リル酸またはメタクリル酸のポリアルキレングリコール
エステルなどを例示することができる。これらは単独で
使用してもよいし、2種以上を同時に使用することもで
きる。これら水溶性単量体は抗血栓性の点で、すべてが
非イオン性であるが、あるいはイオン性の単量体の含有
量が数モル%であることが好ましい。また、水溶性単量
体はそのまま使用することもできるが、水溶液の形で使
用するのが好ましい。
グラフト重合体に架橋結合を導入する方法としては、
(1)グラフト重合後に架橋剤を反応させる方法、
(2)グラフト重合後に加熱等を行うことにより分子鎖
間に架橋反応を起こさせる方法、及び(3)グラフト重
合時に架橋結合を生じる他の単量体を共重合する方法な
どをあげることができる。これらの方法についてさらに
具体的に説明すると、(1)の方法については、アクリ
ルアミドをグラフト重合したものにホルムアルデヒド、
グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアル
デヒド等のアルデヒドを架橋剤として反応させる方法を
例示することができる。また(2)の方法については、
アクリルアミド単独またはアクリルアミドとジメチルア
クリルアミドとをグラフト重合した後加熱により分子鎖
間でイミド化反応を行い架橋する方法、及びアクリルア
ミドとN−メチロールアクリルアミドとをグラフト重合
した後加熱によりアミド基とN−メチロール基とを反応
させて架橋する方法をあげることができる。さらに
(3)の方法としては、アクリルアミドに少量のメチレ
ンビスアクリルアミドを添加してグラフト重合を行う方
法、及びアクリル酸またはメタクリル酸のポリアルキレ
ングリコールエステルに少量のジアクリレートまたはジ
メタクリレートを添加してグラフト重合を行う方法など
がある。これらのなかでも特に好ましいのは、アクリル
酸またはメタクリル酸のポリアルキレングリコールエス
テルとジアクリレートまたはジメタクリレートを用いる
ものである。
以下、実施具体例により本発明をさらに具体的に説明
する。なお、以下の例においては、抗血栓性の指標とし
てタンパク質の吸着特性を利用した。すなわち、抗血栓
性の優れたものほどIgGのような糖タンパク質の吸着が
少ないと言われているので、IgGの吸着量を測定して抗
血栓性を評価した。
実施例1 針状電極をポリウレタンチューブの両端にセットし、
出力24Wで20秒間グロー放電を行い、チューブの内表面
に遊離ラジカルまたはペルオキシドを生成させた。次に
このチューブにポリエチレングリコールジメタクリレー
ト(新中村化学工業製4G)を種々の割合で含むポリエチ
レングリコールメタクリレート(新中村化学工業製M−
90G)溶液(濃度0.2M)を接触させ、窒素雰囲気下45℃
で2時間グラフト重合を行った。次いでチューブを洗浄
した後、チューブ内表面へのIgGの吸着量を調べた。す
なわち、IgGをフルオレセインイソチオシアネート(FIT
C)で蛍光ラベルし、これに非蛍光ラベルIgGを混合して
全タンパク質濃度が2mg/mlの水溶液を調製し、この液に
グラフト重合処理したチューブを浸漬して37℃で3時間
IgGを吸着させた。その後チューブ内面をゆるやかに緩
衝液で洗浄して非吸着IgGを除去し、さらにオートクレ
ーブを用いて3気圧1時間の条件下で吸着したIgGを加
水分解して、FITCの蛍光強度を励起波長490nm、蛍光波
長520nmで測定した。測定結果と別に作成しておいた検
量線とから、吸着したIgG量を算出した。結果を表1に
示す。
表1の結果から明らかなように、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレートを添加してグラフト重合体に架橋
結合を導入することにより、IgG吸着量が大幅に低下し
ていることがわかる。すなわち、抗血栓性が大幅に向上
している。
実施例2 ポリウレタンシートの表面に紫外線を照射し(15W、
4時間)、次いでこれをアクリルアミドの1.5M水溶液中
に浸漬して、70℃で2時間グラフト重合を行った。得ら
れた試料を120℃で所定時間熱処理してポリアクリルア
ミドを分子鎖間でイミド化し、架橋結合を導入した。シ
ート表面へのIgGの吸着量を調べた結果を表2に示す。
表2の結果も表1と同様に架橋結合の導入によって抗
血栓性が向上することを示している。
実施例3 実施例2と同様にしてポリウレタンシートにアクリル
アミドをグラフト重合した後、試料をpH12に調整した50
℃のホルムアルデヒド水溶液に所定時間浸漬してポリア
クリルアミド分子鎖間でアルデヒド架橋を行った。シー
トへのIgGの吸着量を表3に示す。
実施例4 ポリウレタンシートの表面に紫外線を照射し(15w、
2.5時間)、これをアクリルアミドとN−メチロールア
クリルアミドの混合水溶液(濃度1.5M)に浸漬して、70
℃で2時間グラフト重合を行った。次に、得られた試料
を120℃で30分間熱処理してアミド基とN−メチロール
基とを反応させて架橋結合を導入した。シートへのIgG
の吸着量を表4に示す。
〔発明の効果〕 本発明によれば、グラフト重合体の結合量が変化して
も常に安定して優れた抗血栓性を得ることができる。し
たがって、グラフト重合条件が変動しても常に一定した
品質の抗血栓性を有する製品を製造することができ、実
用上好ましいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−38714(JP,A) 特開 昭60−250019(JP,A) 特開 昭61−191364(JP,A) 特開 昭49−125493(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子材料からなる基材の表面に水溶性で
    かつ非イオン性の単量体をグラフト重合して抗血栓性を
    付与するに際し、グラフト重合と同時あるいはその後に
    グラフト重合体に架橋結合を導入することを特徴とする
    抗血栓性材料の製造法。
  2. 【請求項2】水溶性でかつ非イオン性の単量体が、アク
    リルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミ
    ド、ビニルピロリドン、アクリル酸またはメタクリル酸
    のポリアルキレングリコールエステルからなる群より選
    ばれた1種または2種以上の単量体である特許請求の範
    囲第1項に記載の抗血栓性材料の製造法。
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