JP2518980B2 - 穴を有する精密アルミニウム合金製品の穴加工方法 - Google Patents

穴を有する精密アルミニウム合金製品の穴加工方法

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JP2518980B2
JP2518980B2 JP3147768A JP14776891A JP2518980B2 JP 2518980 B2 JP2518980 B2 JP 2518980B2 JP 3147768 A JP3147768 A JP 3147768A JP 14776891 A JP14776891 A JP 14776891A JP 2518980 B2 JP2518980 B2 JP 2518980B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、底があり内壁が垂直で
寸法精度の高い穴を有する精密アルミニウム製品の穴を
冷間鍛造によって仕上げる穴加工方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、コンプレッサのピストンを圧入
する穴を有し、全体としてピストンを支持する構造の受
け板のように、要求される寸法精度が高く、底があり垂
直な内壁面の穴を有する精密アルミニウム合金製品の穴
加工においては、温間鍛造又は熱間鍛造により製品寸法
に近い形状の半製品を加工し、この半製品の穴の部分を
ボ−ルエンドミルなどで切削加工により仕上げていた。
これは、温間鍛造(例えば150〜300℃)や熱間鍛
造(例えば350〜500℃)では大まかな穴寸法の加
工は可能であるが、寸法精度を高めることができないこ
とによる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来は、温間鍛造又は
熱間鍛造で加工された半製品の穴の部分を切削により仕
上げていたので、切削に手間がかかってコスト高になっ
ていた。また、例えば穴底が凹球面であるような場合、
或いは実施例にあるように高強度及び耐磨耗性を有する
硬いアルミニウム合金(例えばAlーSi系合金)の場
合は、切削加工がより一層困難となってさらに高価にな
る欠点があった。本発明の課題は、このような穴加工の
問題点を解決し、より能率的で寸法精度の高い穴加工が
できる精密アルミニウム製品の穴加工方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の課題を達成するた
めの本発明方法は、底があり内壁が垂直な穴を有する精
密アルミニウム合金製品の穴を冷間鍛造によって精密に
仕上げる穴加工方法であって、まず押出材をスライスし
たアルミニウム合金ブランク材を150〜300℃の温
度で温間鍛造により概略寸法の穴に成形加工し、次にこ
れを焼鈍し、続いて冷間鍛造によって所定の精密寸法の
穴に仕上げることを特徴とする穴を有する精密アルミニ
ウム製品の穴加工方法である。
【0005】
【作用】以下本発明について、詳細に説明する。本発明
に係る穴加工方法においては、まず押出材をスライスし
たアルミニウム合金ブランク材を150〜300℃で温
間鍛造により穴の概略寸法に成形加工して半製品とする
ものであるが、これは図1に示すごとく、金型ダイスの
中子11をブランク材41に押し込むことにより所定穴
の概略寸法に成形加工するものである。ここで、アルミ
ニウム合金ブランク材に、実施例にあるように鋳物では
なく押出材をスライスして使用するのは、押出材のほう
が材料の表面及び内部の欠陥が少ないからである。
【0006】また、ここで穴加工に温間鍛造を採用する
のは、穴の成形加工が容易であり、金型(ダイスの中子
11)に抜き勾配が不要だからである。なお、一般に3
00℃以下で鍛造する場合を温間鍛造、300℃を越え
る温度で鍛造する場合を熱間鍛造というが、熱間鍛造の
場合は、温度が高いためブランク材料の表面を潤滑処理
しても潤滑の効果がなく、熱間鍛造で使用する金型に抜
き勾配を必要とし、この抜き勾配は後の冷間鍛造のとき
に矯正できないため、内壁に垂直な部分をもつ穴を加工
することができない。従って本発明においては、温間鍛
造を採用するものである。
【0007】また、温間鍛造の温度が150℃未満では
穴の成形加工が困難であり、300℃を越えるとブラン
ク材料の表面に塗布する潤滑剤の効果がなくなり金型
(図1のダイスの中子11)が抜けなくなり、金型に抜
き勾配が必要となる。穴の壁面に勾配がつくと最後の冷
間鍛造によって内壁が垂直な穴を所定寸法に仕上げるこ
とができない。従って温間鍛造温度は150〜300℃
とする。温間鍛造における温度の選択は、材料であるア
ルミニウム合金の硬さと穴形状の複雑さないしは寸法に
よって選択される。一般に軟らかい材料の場合、及び要
求される寸法精度が比較的低い場合は低い温度が選択さ
れ、その逆の場合は高い温度が選択される。
【0008】前述の如く温間鍛造によって穴加工した半
製品は、次に焼鈍するが、これは温間鍛造によって加工
硬化した材料を再結晶軟化させるためである。この焼鈍
条件は、通常行われている条件が採用される。本発明に
おいては、続いて冷間鍛造により、内壁が垂直な所定の
精密な寸法の穴に仕上げ加工され、以後の加工は一切不
要である。冷間鍛造後の寸法精度は、後述の実施例で明
らかなごとく、例えば設計寸法の±0.06mm以下程
度である。
【0009】本発明に係る穴加工方法によれば、温間鍛
造によって加工される半製品の穴の部分は概略の形状及
び寸法(例えば設計寸法の85%)であるが、これを冷
間鍛造することにより穴の寸法精度が矯正(例えば設計
寸法の15%)され、設計上の寸法との誤差が非常に小
さい穴を有する精密な製品が切削加工なしに量産され
る。また、冷間鍛造のときの塑性加工によって穴の部分
の強度及び耐摩耗性が増大する。
【0010】
【実施例】図1及び図2は本発明方法の実施例で使用す
る鍛造用の金型(ダイス1、ダイスの中子11、パンチ
3等)の例を、図3及び図4は本発明方法の実施例で加
工する穴付きアルミニウム合金製品をそれぞれ示すもの
で、図3及び図4の製品4は自動車のエヤコンにおける
図示しないコンプレッサのピストンを受ける輪状の受け
金であり、その外周部に図示しないコンプレッサのピス
トンをそれぞれ圧入するための穴4aを等角度(ほぼ7
2度)間隔に有し、中央に打ち抜きによる孔4bを有し
ており、前記穴4aは凹球面状の内底を有している。
【0011】図4における製品4の直径Lは97mm、
孔4bの直径lは35mm、穴4a相互の中心を結ぶ円
の直径は75mm、穴4aの直径Rは14.3mm、穴
4aの垂直壁の深さd1は5.5mm、凹球面状の内底
の半径d2は7.15mmにそれぞれ設計されている。
【0012】鍛造用の金型は、SKD−11とSKH−
9のほぼ中間の鋼材で製造されており、機台10上に固
定されたダイス1とパンチ3等から構成されている。ダ
イス1内には前記製品4の穴4aを成形するための中子
11を有し、中央部にはノックアウトピン2が設けら
れ、このノックアウトピン2の上部中央には、材料のフ
ラッシュの逃げ孔20が形成されている。
【0013】以下本発明方法の一実施例を具体的に説明
すると、先ずケイ素10%を含むA4032合金(Al
ー12%Siー1.0%Mg合金)に近い組成のアルミ
ニウム合金により、直径ほぼ100mmの中空棒材を押
出成形し、これを肉厚16mm程度にスライスした図1
のブランク材料41を製造する。
【0014】この材料41の表面にナトリウム系金属石
鹸からなる潤滑剤を塗布(皮膜厚さ1ミクロン程度)し
た後、これを図示しない炉内に供給して300℃程度に
加熱し、次いで図1のダイス1内に供給してパンチ3に
より63kg/mm2 程度で0.5秒程度加圧し、図2
の半製品40を温間鍛造加工する。この半製品40は、
前記温間鍛造後ダイス1からノックアウトして室温まで
冷却する。この温間鍛造の金型(ダイス1及びパンチ3
等)の寸法は、図3及び図4の製品4の寸法よりやや大
きく設定されているが、半製品40は冷却することによ
って縮小し、設計寸法のほぼ85%程度の寸法精度の半
製品40が製造される。
【0015】次に前記半製品40を図示しない炉内に供
給し、320℃程度でほぼ2時間焼鈍した後、8時間程
度かけて常温まで徐冷する。
【0016】前記冷却後、半製品40の表面を前述した
潤滑処理の要領と同様に潤滑処理し、図1の金型と同じ
構造で製品4の設計寸法とほぼ同寸法の別の金型によ
り、常温下で前記温間鍛造の場合と同様な圧力で同様な
時間加圧することによって冷間鍛造し、15%程度形状
及び寸法を矯正するとともに塑性加工し、内側に押し出
された図2のフラッシュ42の部分を図示しないプレス
でカットして製品4を製造した。
【0017】以上の要領で製品4を30個製造したとこ
ろ、穴4aの垂直壁の深さd1は設計値の±0.06m
m以下、穴4aにおける凹球面底の半径d2は設計値の
+0.025mm以内、穴4aの直径Rは設計値の+
0.02mm以内、穴4aの中心間隔は設計値の±1
0′以下であった。また、温間鍛造又は熱間鍛造によっ
て半製品を加工し、この半製品の前記穴の部分を切削加
工して必要な寸法精度を確保する場合に比べ、量産性が
はるかに向上するとともに、穴4aの部分は塑性加工に
より強度及び耐摩耗性が向上した。
【0018】なお、前記実施例では、製品4の穴4aは
丸穴で凹球面上の内底を有しているが、本発明方法はこ
のような穴4aをもつアルミニウム合金製品の加工のみ
でなく、平底の穴や錐形底の穴,多角穴などをもつアル
ミニウム合金製品を加工する場合にも有効であり、むし
ろこのような形状の穴を有する製品の方が、冷間鍛造時
の加圧抵抗や変形量が小さいのでより精密にかつより容
易に加工することができる。また、本発明方法は、アル
ミニウム及びアルミニウム合金からなる製品に限らず、
例えば銅及びその合金やマグネシウム系その他の金属か
らなる精密な孔を有する製品の加工にも適用することが
できるものである。
【0019】
【発明の効果】本発明方法によれば、温間鍛造によって
穴を概略寸法に成形加工して半製品とし、次にこれを焼
鈍し、続いて冷間鍛造によって穴の寸法を高い寸法精度
に矯正するとともに塑性加工をするので、従来のように
切削により穴寸法を矯正する場合に比べ量産性がはるか
に向上し、低コストで穴を有するアルミニウム合金製品
を提供することができるほか、製品の穴の部分の強度及
び耐摩耗性も向上する等工業上顕著な効果を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施例で使用される鍛造用金型に
材料を供給した状態の断面図である。
【図2】図1の金型において材料を加圧した状態の半裁
断面図である。
【図3】本発明方法の実施例で製造される穴を有する精
密アルミニウム合金製品の平面図である。
【図4】図3の矢印A−Aに沿う断面図である。
【符号の説明】
1 ダイス 11 中子 2 ノックアウトピン 20 逃げ孔 3 パンチ 4 製品 40 半製品 41 ブランク材料 42 フラッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−119942(JP,A) 特開 平2−200334(JP,A) 実開 平3−9242(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底があり内壁が垂直な穴を有する精密ア
    ルミニウム合金製品の穴を冷間鍛造によって精密に仕上
    げる穴加工方法であって、まず押出材をスライスしたア
    ルミニウム合金ブランク材を150〜300℃の温度で
    温間鍛造により概略寸法の穴に成形加工して半製品と
    し、次にこれを焼鈍し、続いて冷間鍛造によって所定の
    精密寸法の穴に仕上げることを特徴とする穴を有する精
    密アルミニウム合金製品の穴加工方法。
JP3147768A 1991-05-23 1991-05-23 穴を有する精密アルミニウム合金製品の穴加工方法 Expired - Lifetime JP2518980B2 (ja)

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