JP2518718Y2 - サイドプロテクタモールの取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ドア中間部から下端部までをカバーするサ
イドプロテクタモールの上端部にクリップ係止用モール
を設け、ドアアウタパネル中間部分の車両前後方向に延
在する凹部にクリップ止めするようにした自動車のサイ
ドプロテクタモールの取付け構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種の取付け構造では、第４図及び第５図に
示すように、下端部にロッカモール９に当接するように
延びるシール材を備えたサイドプロテクタモール２の上
端部を、ドアアウタパネル１の中間部分の車両前後方向
に延在する凹部３に取付けるために、サイドプロテクタ
モール２の上端部に凹部３に侵入する段差部2aを形成す
ると共に、サイドプロテクタモール２に同一面になるよ
うに、段差部2aに金属板5aの両面を合成樹脂5bで包囲し
て構成したクリップ係止用モール５を設けていた。即
ち、このモールは、サイドプロテクタモール２の上縁2b
の手前まで延び、その内側でクリップ６を係止し、段差
部2aをドアアウタパネル１に係止させるようになってい
た。そして、サイドプロテクタモール２の上縁2bはクリ
ップ６よりも上方へ同一面状に延びて凹部３の上側傾斜
面3aに向けて延長させ、ドアアウタパネル１の表面を傷
付けないように隙間Ｓを置いていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

したがって、この隙間Ｓの存在は見掛け上好ましくな
く、また金属板5aで単に空間を形成する加工では剛性が
充分でないために口開きが生じることもあり、このよう
な場合もそのまま見えていた。

よって、本考案は、ドアアウタパネル及びモール間の
口開きの発生を抑制でき、しかも見掛け上も好ましいサ
イドプロテクタモールの取付け構造を提供することを目
的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、この目的を達成するために、１枚の金属板
を折返した表裏両面でクリップの一方の端部を係止する
クリップ係止用空間部を形成すると共に、この空間部か
ら表裏両面を重ね合せて段差部上縁の上方を凹部面に向
けて延びる上縁カバー部を形成してクリップ係止用モー
ルを構成し、上縁カバー部の先端部全域に、凹部面に当
接する線状の弾性体を固定したことを特徴にしている。

〔作用〕

クリップ係止用モールの上縁カバー部は、サイドプロ
テクタモールの段差部上縁の上方を凹部面に向けて延
び、その先端部の弾性体でドアアウタパネルの凹部面に
当接する。金属板を折返して重ね合せた構造部分を含む
ことによりクリップ係止用モールの剛性が向上し、また
モール先端部及びドアアウタパネル面の位置関係が変動
しても弾性体がその弾性ストロークにより当接状態で追
従する。

〔実施例〕

第１図〜第３図は、本考案を第４図に示すサイドプロ
テクタモールに適用した場合のサイドプロテクタモール
の取付け構造を示す。

これらの図において、サイドプロテクタモール２の凹
部３に侵入する段差部2aに装着されるクリップ係止用モ
ール10は、１枚のステンレス板11を折返した表裏両面で
クリップ係止用空間部12を形成すると共に、この空間部
から表裏のステンレス板11を重ね合せて段差部2aの上縁
2cの上方を凹部３の上側傾斜面3aに向けて延びる上縁カ
バー部14を形成し、このようにインサートとして曲げ加
工されたステンレス板11に合成樹脂13でサイドプロテク
タモール２に対して表裏両面を層状に包囲して構成され
ている。

さらに、合成樹脂13（第１図でハッチングで示す）で
包囲された上縁カバー部14の先端部の車両前後方向全域
には、凹部３の上側傾斜面3aに当接するように例えば合
成ゴム、軟性塩ビである線状弾性体15を溶着してある。
この弾性体15の厚みは、ドアアウタパネル１の上側傾斜
面3aへ確実に弾性圧接し、上側傾斜面3aとの相対的な変
位に対しては弾性追従し得る程度に設定されている。さ
らに、第２図及び第３図に示すように、車両前後方向の
端部も、合成樹脂13でカバーされ、合成樹脂13の外面
は、サイドアウタパネル２の表面と連続的に同一面状に
形成されて車室内方向へ曲がって凹部３へ向っている。

このようなクリップ係止用モール10により、ドアアウ
タパネル１へサイドプロテクタモール２をクリップ６で
係止した状態において、弾性体15がその弾性ストローク
を伴ってドアアウタパネル１に弾性的に接触し、さらに
上縁カバー部14がステンレス板11を折重ねられたインサ
ートとなって強度を向上させることにより、口開きの発
生を抑制する。したがって、弾性体15が隙間Ｓを無くす
と共に、場合により僅かな口開き或は変形が発生しても
弾性的に追従して隙間の発生を防止する。

尚、前述の実施例において、ステンレス板11をインサ
ートとして用いたが、このような金属板のみでクリップ
用モールを形成して先端に線状弾性体を直接取付けるこ
とも考えられる。

〔考案の効果〕

以上、本考案によれば、折重ねられた金属板がサイド
プロテクタモール上縁をカバーすることにより、剛性も
向上して口開きが発生し難くなり、しかも先端に固定さ
れた弾性体がドアアウタパネルに弾性的に当接すること
により、隙間発生を確実に抑制し、意匠上も好ましくな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は〜第３図は本考案の一実施例によるサイドプロ
テクタモールの取付け構造を示すもので、第１図は第４
図のA-A線に相当する位置の要部断面図、第２図は要部
斜視図、第３図はクリップ取付け用モール部分の横断面
図、第４図は本考案が適用されるサイドプロテクタモー
ルの正面図及び第５図は第４図におけるA-A線断面図で
ある。 １……ドアアウタパネル、２……サイドプロテクタモー
ル、2a……段差部、2c……上縁、３……凹部、10……ク
リップ係止用モール、11……ステンレス板、12……クリ
ップ係止用空間部、14……上縁カバー部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドア下端部まで延びているサイドプロテク
   タモールの上端部を、ドアアウタパネルの中間部分の車
   両前後方向に延在する凹部に取付けるために、前記上端
   部に前記凹部へ侵入する段差部を形成し、ドアアウタパ
   ネルに同一面になるように前記段差部に前記凹部に沿っ
   た金属製のクリップ用モールを設けると共に、このモー
   ルの内側で前記上端部をドアアウタパネルにクリップ止
   めするようにした自動車のサイドプロテクタモールの取
   付け構造において、 １枚の金属板を折返した表裏両面でクリップの一方の端
   部を係止するクリップ係止用空間部を形成すると共に、
   この空間部から前記表裏両面を重ね合せて前記段差部上
   縁の上方を前記凹部面に向けて延びる上縁カバー部を形
   成して前記クリップ係止用モールを構成し、 前記上縁カバー部の先端部全域に、前記凹部面に当接す
   る線状の弾性体を固定した、ことを特徴とするサイドプ
   ロテクタモールの取付け構造。