JP2506352B2 - 全芳香族ポリエステル及びそれを用いた射出成形品の製造法 - Google Patents

全芳香族ポリエステル及びそれを用いた射出成形品の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特定の割合の組成の4−オキシベンゾイル部
分、テレフタロイル部分および4,4′−ジオキシジフエ
ニルエーテル部分よりなるサーモトロピツク液晶ポリエ
ステルおよび該ポリエステルを射出成形することによつ
て得られる力学的性能の異方性が小であり、耐衝撃性の
著しくすぐれた成形品に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、高性能高分子素材として光学的に異方性の溶融
相を形成するポリエステル類、謂ゆるサーモトロピツク
液晶ポリエステルに関する研究開発が活発に行なわれて
おり、既に工業的にも一部製造されはじめているものも
ある。このサーモトロピツク液晶ポリエステルは、せん
断下において容易に高度に配向する性質を有しているこ
とから、該ポリエステルを射出成形することにより分子
鎖が高度に配向し、強度および弾性率が従来のものに較
べて著しく高い成形品が得られる。サーモトロピツク液
晶ポリエステルの中でも、完全に芳香環のみからなる全
芳香族ポリエステルからは、強度、弾性率が著しく大で
かつ耐熱性のすぐれた成形品が得られることが知られて
いる。この全芳香族サーモトロピツク液晶ポリエステル
に関しても既に多くの構造が提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
サーモトロピツク液晶ポリエステルを射出成形するこ
とにより一方向(流動方向)に高度に配向した強度、弾
性率等の力学的性能のすぐれた成形品が得られる。しか
しながら、サーモトロピツク液晶ポリエステルから得ら
れる射出成形品は通常の場合には、衝撃強度は必ずしも
著しく高くはない。また、該成形品は高度に一方向に配
向しているため、流動方向(機械軸方向)とそれに直交
する方向の強度弾性率等の力学的物性が大きく異なり異
方性を有することから製品としての使用には著しく制約
を受け、通常の場合には、その力学的性質の異方性を低
減化するために、ガラス繊維のような充てん剤を共存さ
せて成形に供せられる。この場合には、得られた成形物
の衝撃強度は著しく低下することが知られている。この
ように高い衝撃強度の要求される用途に対しては、サー
モトロピツク液晶ポリエステルから得られる成形物は必
ずしも適当ではない。
一方、極めて高い衝撃強度を有する成形物を与える高
分子素材として、ポリカーボネートが既に知られてい
る。しかしながら、このポリカーボネートは耐加水分解
性および耐溶剤性などが劣り、例えば有機溶剤との接触
において、クラツクが発生しやすく、そのためその使用
用途には自から制限がある。またこのポリカーボネート
は耐熱性が高性能樹脂としては必ずしも充分ではなく、
また成形性も必ずしも良好ではない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、力学的性質の異方性が小で著しく高い
耐衝撃性ならびに耐熱性を有し、かつ、すぐれた耐溶剤
を有する射出成形品を与えるサーモトロピツク液晶ポリ
エステルを得んものと鋭意研究を重ねた結果、本発明を
完成するに至つた。本発明に従えば、本質的に下記のく
り返し単位I、IIおよびIIIからなり、 単位Iは、45〜68モル%の範囲内、単位IIは16〜27.5モ
ル%の範囲内、単位IIIは16〜27.5モル%の範囲内で存
在し、但し、単位IIと単位IIIのモル数は実質的に等し
い量で存在し、ペンタフルオロフエノール中、0.1重量
/容量%の濃度、60℃で測定した時に0.5dl/g以上の対
数粘度を有し、350℃以下の温度で光学的に異方性の溶
融相を形成するサーモトロピツク液晶ポリエステルおよ
び該ポリエステルを射出成形することによつて得られる
力学的性能の異方性が小で、耐衝撃性のすぐれた成形品
が提供される。本発明により得られる射出成形品は、後
の実施例から明らかなように、衝撃強度が著しく大であ
り、例えばノツチ付アイゾツト衝撃強度で100kg・cm/cm
以上を有するものもある。単位Iは4−オキシベンゾイ
ル部分であり、4−ヒドロキシ安息香酸又はその誘導体
から誘導できる。単位Iはポリエステル中45〜68モル
%、好ましくは50〜65モル%の範囲内の量で存在する。
単位IIはテレフタロイル部分であり、テレフタル酸又は
その誘導体から誘導できる。単位IIは、ポリエステル中
16〜27.5モル%、好ましくは17.5〜25モル%の範囲内で
存在する。
単位IIIは、4,4′−ジオキシジフエニルエーテル部分
であり、4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテル又は
その誘導体から導かれる。単位IIIはポリエステル中、1
6〜27.5モル%好ましくは17.5〜25モル%の範囲内の量
で存在する。なお、単位IIと単位IIIのモル数は実質的
に等しい量で存在する。
上記単位I、IIおよびIIIの各芳香環に結合している
水素原子の一部は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
1〜4のアルコキシ基、ハロゲンもしくはフエニル基な
どで置換されていてもよい。しかしながら、通常の場合
には置換基は存在しない方が生成したポリエステルの結
晶性が高く、かつ該ポリエステルから得られた各種成形
品の力学的物性が高いので好ましい。
本発明のサーモトロピツク液晶ポリエステルは種々の
エステル生成反応によつて製造されうるが通常は溶融重
合により製造される。通常の場合には単位Iおよび単位
IIIを与える出発原料化合物である4−ヒドロキシ安息
香酸および4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテルの
水酸基を低級アルキルエステルの形に変換した形で供給
し、謂ゆるアシドリシス法により重合が行なわれる。こ
の場合の低級アルキルエステルとしては酢酸エステルが
最も好ましい。
重合に際しては、総単量体重量の約0.001〜1重量
%、好ましくは約0.005〜0.5重量%の範囲内の量で公知
のエステル交換触媒を用いると、重合速度の点で好まし
い結果が得られる。エステル交換触媒の具体例として
は、カルボン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩、ア
ルキルスズオキシド、ジアリールスズオキシド、アルキ
ルスズ酸、二酸化チタン、アルコキシチタンシリケー
ト、チタンアルコキシド、ルイス酸、ハロゲン化水素な
どを挙げることができる。溶融重合は通常は200〜375℃
の温度範囲で、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気
下、好ましくは該ガスの流動下、若しくは、減圧下にお
いて実施される。重合の進行に伴なつて出発ヒドロキシ
化合物のエステル化化合物の種類に応じて、例えば酢酸
エステルを用いた場合には酢酸が留出してくるので、こ
の留出量および重合体の粘性に応じて、反応温度を段階
的に上昇させ、また減圧度を調整する。重合時間は通常
1〜10時間の範囲である。溶融重合が終了したのち、重
合体を微小に粉砕し、融点以下の温度で固相にて更に重
合を進め、重合度を上昇させることもできる。
このようにして得られたポリマーは、各仕込み原料と
同一組成のくり返し単位を有する線状ポリエステルであ
る。本発明のポリエステルは前記単位IからIIIまでの
くり返し単位および組成比からなり、ペンタフルオロフ
エノール中、0.1重量/容量%の濃度、60℃で測定した
時に0.5dl/g以上の対数粘度を有し、かつ、350℃以下の
温度で光学的に異方性の溶融相を形成することができ
る。
光学的異方性の溶融相の形成の確認は、当業者によく
知られているように、加熱装置を備えた偏光顕微鏡、直
光ニコル下で試料の薄片、好ましくは5〜20μm程度の
薄片を一定の昇温速度下で観察し、一定温度以上で光を
透過することを見ることにより行ないえる。なお、本観
察においては高温度下で、カバーグラス間にはさんだ試
料に軽く圧力を加えるか、あるいはカバーグラスをずり
動かすことによつてより確実に偏光の透過を観察しえ
る。本観察において、偏光を透過し始める温度が光学的
に異方性の溶融相への転移温度である。この転移温度
は、示差走査熱量計(DSC)を用いて一定の昇温速度、
通常の場合10〜20℃/分の速度で昇温し試料の熱挙動を
観測した時の吸熱ピークの位置によつても決定できる。
なお、本発明のサーモトロピツク液晶ポリエステルの示
差走査熱量計により観測される吸熱ピークは通常の結晶
性ポリマーの等方相への結晶融解ピークに比較して非常
に小さいので測定には充分注意を払う必要がある。一つ
以上の吸熱ピークが表われることもあるが、最も大なピ
ークを与える温度を転移温度とみなしてよい。
偏光顕微鏡による観察により求められた転移温度と、
DSC測定による転移温度が同一でない場合もあるが、か
かる場合は、いずれか高い方の温度を本発明の異方性の
溶融相への転移温度とみなすこととする。
本発明のポリエステルはこの異方性の溶融相への転移
温度が350℃以下であることが成形加工性および得られ
た成形品の力学的物性の面から必要である。
本発明のポリエステルは前記に規定した対数粘度が0.
5dl/g以上であることが必要であり、好ましくは1.0dl/g
以上であることが望ましい。対数粘度が0.5dl/gより小
さい場合には、該ポリエステルより得られた成形品の力
学的物性が充分ではない。対数粘度の臨界的な上限はな
いが、通常10dl/g以下、好ましくは7.5dl/g以下である
ことが、ポリエステルの重合のしやすさ、得られたポリ
エステルの成形加工性および成形品の力学的性能の面な
どから望ましい。
上記に規定したサーモトロピツク液晶ポリエステルを
該ポリエステルの光学的に異方性の溶融相への転移温度
以上の温度、好ましくは転移温度より5〜100℃高い温
度下で通常の射出成形を行なうことにより、極めて優れ
た性質を有する成形品が得られる。成形に先だつてポリ
マーは80〜150℃の温度下で乾燥を行なうことが望まし
い。金型は一般的な金型がすべて用いられる。また金型
のゲートの種類としてもピンゲート、フアンゲート、サ
ブマリンゲート、フイルムゲート等通常のものが用いら
れる。本発明のポリエステルから得られる成形品は従来
提案されているサーモトロピツク液晶ポリエステルから
得られる成形品に較べて力学的性能の異方性が少ないの
で、金型およびゲートの設計は比較的容易である。金型
の温度としては50〜150℃程度の範囲内が好ましい。射
出圧力は150〜1500kg/cm2の範囲内で行なわれる。
本発明においては、単位IIIの4,4′−ジオキシジフエ
ニルエーテル成分が前述したように、ポリエステル中、
16〜27.5モル%好ましくは17.5〜25モル%の範囲内で存
在することが重要である。単位IIIが、16モル%より少
なく存在する場合には、あとの比較例1からも明らかな
ように、得られた射出成形品の衝撃強度は著しく小さ
い。また、単位IIIを27.5モル%を越えて使用した場合
には、あとの比較例2からも明らかなように溶融重合に
よつて均一な組成のポリエステルを得ることは困難とな
り、また得られたポリマーは350℃以下の温度で光学的
に異方性の溶融相は形成しない。単位IIIを16〜27.5モ
ル%の範囲内であるサーモトロピツク液晶ポリエステル
を用いることによつてはじめて、衝撃強度が大である射
出成形品が得られる。本発明の射出成形品はJISK7110の
方法に従つて、ノツチ付アイゾツト衝撃強度を測定した
時に樹脂の流動方向に平行の方向で、少なくとも30kg・
cm/cm、通常の場合には50kg・cm/cm以上の値を示す。
特公昭55-20008号公報中の実施例中には4−ヒドロキ
シ安息香酸/テレフタル酸/4,4′−ジヒドロキシジフエ
ニルエーテル誘導体のモル比が70/15/15であるサーモト
ロピツク液晶ポリエステルより得られる繊維について記
載されており該繊維は、一定の条件下で熱処理を施すこ
とにより強度が上昇するとされている。しかしながら、
該特許公報は、サーモトロピツク液晶ポリエステルより
得られる繊維の熱処理方法を開示しているだけであり、
4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4′−ジヒド
ロキシジフエニルエーテルからなるポリエステルより繊
維が得られ該繊維が熱処理によつて強度が上昇すること
が示されているにすぎず、4−ヒドロキシ安息香酸/テ
レフタル酸/4,4′−ジヒドロキシジフエニルエーテルの
モル比が一定範囲内のサーモトロピツク液晶ポリエステ
ルを射出成形することによつて力学的性能の異方性が小
で、高い耐衝撃強度を有する成形物が得られることは記
載されていないばかりでなく何ら示唆もされていない。
更に後の比較例1からも明らかなように、該特許に示さ
れている組成比のポリエステルを射出成形することによ
つて得られた成形品のノツチ付アイゾツト衝撃強度はわ
ずか2.0kg・cm/cmにすぎず、本発明の成形品に較べて著
しく小である。
このように、射出成形品の衝撃強度に関しては原料ポ
リエステル中の4,4′−ジオキシジフエニルエーテル部
分の割合には臨界的な値が存在し、たとえ上記特許中に
4,4′−ジオキシジフエニルエーテル部分が15モル%の
ポリエステルが開示されていても本発明の範囲である4,
4′−ジオキシジフエニルエーテル部分が16モル%以上
のポリエステルを射出成形することによつて、力学的物
性の異方性が小であり、かつ衝撃強度が大である成形品
が得られることは全く予想すらできないことである。
以下実施例によつて本発明を具体的に説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1 攪拌装置、ガス入口、蒸留ヘツドおよび凝縮器を備え
た内容1のセパラブルフラスコに4−アセトキシ安息
香酸226.8g(1.26モル)、テレフタル酸69.72g(0.42モ
ル)、4,4′−ジアセトキシジフエニルエーテル120.12g
(0.42モル)および触媒として酢酸ナトリウム0.01gを
仕込んだ。次いでフラスコを真空に排気し、3回窒素で
置換したのち、約3l/時の速度で乾燥した窒素を流しな
がら、250℃に保つたバスに浸した。フラスコの内容物
が溶融しはじめスラリー状になつた後に攪拌を開始し、
同温度で50分間保持した。次いで約10分かけてバス温を
280℃に上昇させ同温度で50分間保持した。次いで約10
分かけてバス温を320℃まで上昇させ、この温度で50分
間保持した。この時までに112mlの酢酸が留出した。次
いで系内を徐々に減圧にし、10分で20mmHgにした。しか
るのちバス温を340℃に上昇させ減圧度を約0.3mmHgに保
ち重合を続けた。減圧開始40分後に攪拌を停止し窒素を
導入し、系内を常圧にし、フラスコを冷却した。フラス
コ内容物が完全に固化する前に内容物を取り出した。得
られたポリマーは260gであつた。ポリマーを粉砕したの
ち、130℃で10時間真空乾燥した。得られたポリマーは
ペンタフルオロフエノール中、0.1重量/容量%の濃
度、60℃で測定した時に2.62dl/gの対数粘度を示した。
なお、対数粘度ηinhは次式により計算される。
to;溶媒であるペンタフルオロフエノールをウベロー
デ型粘度計、60℃で測定した時の落下時間 t;試料を溶解する溶液の落下時間 c;試料の濃度(g/dl) 本ポリマーの微小片を、リンカム社製顕微鏡用加熱装
置TH-600内で窒素雰囲気下、10℃/分の速度で昇温し、
偏光顕微鏡直交ニコル下で観察したところ、284℃より
光を透過しはじめ307℃附近で透過光量は更に大とな
り、本ポリマーは光学的に異方性の溶融相を形成するこ
とが確認された。またDSC(メトラーTH3000)により270
℃で15分間熱処理をしたのち、20℃/分の昇温速度で測
定したところ、286℃に吸熱ピークが観測された。
このポリマーをペンタフルオロフエノール−トリフル
オロ酢酸溶液中、1H‐NMR(JOEL GX-500)により分析し
たところ、ポリマー中の各成分のモル比は仕込み原料の
モル比と同一であることが確認できた。
また熱天秤(理学電機、差動型示差熱天秤)により得
られたポリマーの空気雰囲気下での重量減少を測定した
ところ、411℃より重量減少しはじめ、500℃までの重量
減少率はわずか4.9重量%であつた。
得られたポリマーを用い、田端機械製小型射出成形機
(TK14-1AP型)により、シリンダー温度;320℃、射出
圧;800kg/cm2、フイルムゲートを有する金型を用い、金
型温度;100℃で射出成形品を作成した。なお、ゲートを
工夫し、75mm×15mm×2mmの大きさの成形品で、長軸方
向がポリマーの流動方向(MD)と流動方向に直交する方
向(TD)となるものを得た。得られた成形品をJISK7203
に準じた方法により曲げ強度および曲げ弾性率、JISK71
10に準じた方法でノツチ付アイゾツト衝撃強度を測定し
た。結果を第1表に示した。なお、本成形品は表面光沢
があり非常になめらかであつた。
実施例2および3 実施例1の方法に準じて、4−アセトキシ安息香酸、
テレフタル酸および4,4′−ジアセトキシジフエニルエ
ーテルのモル比がそれぞれ、55/22.5/22.5および64/18/
18である割合で仕込んで重合を行なつた。得られたポリ
マーの対数粘度はそれぞれ2.74dl/gおよび2.68dl/gであ
つた。これらのポリマーは偏光顕微鏡による観察および
DSCによる測定により、それぞれ290℃および292℃以上
で、光学的に異方性の溶融相を形成することが確認され
た。
実施例1と同様にして得られた射出成形品の力学的性
能を第1表に示した。
比較例1 実施例1の方法に準じて、4−アセトキシ安息香酸、
テレフタル酸および4,4′−ジアセトキシジフエニルエ
ーテルのモル比が70/15/15の割合で仕込んで重合を行な
つた。得られたポリマーの対数粘度は2.68dl/gであつ
た。またこのポリマーは偏光顕微鏡による観察の結果、
約325℃で光学的に異方性の溶融相を形成することがわ
かつた。
このポリマーを用いて実施例1に準じて射出成形品を
作成した。但し、シリンダー温度は340℃とした。得ら
れた成形品の力学的性能を第1表に示す。第1表からわ
かるように、本組成のポリエステルから得られた成形品
の衝撃強度は著しく小さい。
比較例2 実施例1の方法に準じて4−アセトキシ安息香酸、テ
レフタル酸および4,4′−ジアセトキシジフエニルエー
テルのモル比が40/30/30の割合で仕込んで重合を行なつ
た。この場合には320℃で減圧し始めると系内の粘度が
著しく上昇しはじめ、減圧開始後20分位でバス温を350
℃に上げても系内は固化し攪拌不能となつた。更にバス
温を370℃まで上昇させても溶融しなかつた。得られた
ポリマーは極めて脆く、DSC測定の結果505℃に鋭い吸熱
ピークが観察された。本ポリマーは400℃以下では成形
不能であつた。
〔発明の効果〕 本発明により極めて衝撃強度が大で、かつ力学的性能
の異方性が小で耐熱性のすぐれた射出成形品を与える新
規重合体が得られる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本質的に下記のくり返し単位I、IIおよび
    III(環に結合している水素原子の少なくとも一部は置
    換基により置換されていてもよい)よりなり、 単位Iは、45〜68モル%の範囲内、単位IIは16〜27.5モ
    ル%の範囲内、単位IIIは16〜27.5モル%の範囲内で存
    在し、但し、単位IIと単位IIIのモル数は実質的に等し
    い量で存在し、ペンタフルオロフエノール中、0.1重量
    /容量%の濃度、60℃で測定した時に0.5dl/g以上の対
    数粘度を有し、350℃以下の温度で光学的に異方性の溶
    融相を形成するサーモトロピツク液晶ポリエステル。
  2. 【請求項2】くり返し単位I、IIおよびIIIの組成がそ
    れぞれ50〜65モル%、17.5〜25モル%および17.5〜25モ
    ル%の範囲内である特許請求の範囲第1項記載の全芳香
    族ポリエステル。
  3. 【請求項3】本質的に下記のくり返し単位I、IIおよび
    III(環に結合している水素原子の少なくとも一部は置
    換基により置換されていてもよい)よりなり、 単位Iは、45〜68モル%の範囲内、単位IIは16〜27.5モ
    ル%の範囲内、単位IIIは16〜27.5モル%の範囲内で存
    在し、但し、単位IIと単位IIIのモル数は実質的に等し
    い量で存在し、ペンタフルオロフエノール中、0.1重量
    /容量%の濃度、60℃で測定した時に0.5dl/g以上の対
    数粘度を有し、350℃以下の温度で光学的に異方性の溶
    融相を形成するサーモトロピツク液晶ポリエステルを該
    ポリエステルの光学的に異方性の溶融相への転移温度以
    上の温度で射出成形することを特徴とする射出成形品の
    製造方法。
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