JP3132881B2 - 液晶性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

液晶性ポリエステルの製造方法

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JP3132881B2 JP04053644A JP5364492A JP3132881B2 JP 3132881 B2 JP3132881 B2 JP 3132881B2 JP 04053644 A JP04053644 A JP 04053644A JP 5364492 A JP5364492 A JP 5364492A JP 3132881 B2 JP3132881 B2 JP 3132881B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は液晶性ポリエステルの製造方法に
関するものである。更に詳しくは、再現性や製造安定性
や生産性に優れる液晶性ポリエステルの製造方法に関す
るものであり、本発明による液晶性ポリエステルは流動
性、溶融加工性に優れ、力学特性(弾性率、引っ張り強
度、曲げ強度、衝撃強度、伸び等)にも優れている。
【0002】
【従来の技術】近年、繊維、フィルムまたは成形品の何
れかを問わず、剛性、強度、伸度、耐熱性の優れた素材
に対する要望が高まっている。ポリエステルは一般成形
品の用途を広く認められるに至っているが、多くのポリ
エステルは曲げ弾性率、曲げ強度が劣るため、高弾性
率、高強度を要求される用途には適していなかった。高
弾性率、高強度を要求される用途に適しているポリエス
テルとして近年では液晶性ポリエステルが注目されるよ
うになった。特に注目を集めるようになったのは、ジャ
ーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミ
ストリー・エディション14巻(1976年)2043
頁、USP3778410、USP3804805およ
び特公昭56−18016にW.J.ジャクソンらがポ
リエチレンテレフタレートとアセトキシ安息香酸とから
なる熱液晶高分子を発表してからである。この中でジャ
クソンらは、この熱液晶高分子がポリエチレンテレフタ
レートの5倍以上の剛性、4倍以上の強度、25倍以上
の衝撃強度を発揮することを報告し、高性能樹脂への新
しい可能性を示した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このジ
ャクソンらによるポリマーは非常にもろく、強度、伸度
が低いという欠点があった。これは下記式(9)で示さ
れるp−オキシ安息香酸残基の連鎖の割合が非常に多い
ことが主原因になっていると考えられる。
【化5】
【0004】本出願人らは、以前に、ジャクソンらの開
発したポリエステルの破断伸度を改良する共重合ポリエ
ステルの製造方法を見出していた(特開昭60−186
525号)。そこでの発想はp−オキシ安息香酸単位の
連鎖である上記(10)を少なくするという点にあり、
(10)を減少させようとする原点はここにある。しか
しながら、この方法によると脱炭酸化がおこったり、条
件によってはinsituでエーテル化がおこり、その
量のコントロールが困難であったりし、そのため物性等
の再現性に問題があったりした。そこで特開平1−30
1711では仕込時にエーテル成分を添加しているが、
p−オキシ安息香酸の連鎖成分がブロック的に生じるた
め、力学特性等が低下し、好ましくない。
【0005】さらに特開昭64−26632によると、
パラアセトキシ安息香酸を使用しているため、重合速度
が低下したり、昇華物が多発して系を閉塞させたり、又
生成ポリマーにはエーテル成分がないため力学特性、特
に強度と衝撃強度及び伸びが低くなったり、流動性が悪
化したり、成形温度が高くなりすぎたりして好ましくな
い。又耐加水分解性が悪いという問題点もあった。本発
明は、こうした実情の下に流動性、溶融加工性(低温成
形性)力学特性(特に強度、衝撃強度)に優れる上に再
現性にも優れる液晶性ポリエステルを、昇華等のトラブ
ルがなく、又重合速度が高い等生産性よく製造する方法
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらの問題点に対し、
本発明者らは鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち本発明は下記(1)〜(4)の構成要素からなる
液晶性ポリエステルを製造するにあたり、前段で(5)
ポリエチレンテレフタレートと(6)p−ヒドロキシ安
息香酸及び(8)無水酢酸で重縮合を行い、後段で更に
(6)p−ヒドロキシ安息香酸及び(8)無水酢酸を添
加して重縮合を行う、あるいは(6)と(8)を反応さ
せたものを前段のものに添加して重縮合を行う方法にお
いて該前段及び/又は該後段で(7)4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)安息香酸を添加することを特徴とする液
晶性ポリエステルの製造方法である。 (1)テレフタル酸単位(10〜20モル%)
【0007】
【化6】 (2)エチレングリコール単位(10〜20モル%)
【0008】
【化7】−OCH2CH2O− (3)p−ヒドロキシ安息香酸単位(55〜79モル
%)
【0009】
【化8】 (4)4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸単位
(1〜5モル%)
【0010】
【化9】 本発明は、上記の技術的事項をその要旨とするものであ
るが、とりわけ下記の点が重要である。すなわち、 (a)仕込み時にエーテル成分を有する4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)安息香酸
【0011】
【化10】 を用いる。 (b)原料として、p−ヒドロキシ安息香酸を使用す
る。 (c)p−ヒドロキシ安息香酸を二段階に分けて反応さ
せるという点である。 さらに耐加水分解性向上を目的とする場合は1,2−エ
チレンビス−4−ヒドロキシベンゾエート
【0012】
【化11】 を添加するという点である。本発明をさらに詳細に説明
する。本発明で使用する(5)ポリエチレンテレフタレ
ートは、主にエチレングリコール残基とテレフタル酸残
基から成るものをいい、
【0013】
【化12】 の繰返しユニットをもつものをいい、繰り返しユニット
数としては25以上、好ましくは50以上固有粘度で
0.25以上好ましくは0.40以上のものである。こ
のポリエチレンテレフタレートはいわゆる (1)直接重合法(テレフタル酸使用法) (2)エステル交換法(ジメチルテレフタレート使用
法) のいずれのものを使用してもよい。これらの場合、主鎖
中に若干の−OCH2CH2OCH2CH2O−基が含まれ
ていてもかまわない。触媒は残渣として通常のものが含
まれていてもよい。なお1モル単位の分子量は前記の繰
返しユニットをもってし、192とする。
【0014】前段において(5)ポリエチレンテレフタ
レートと(6)p−ヒドロキシ安息香酸と(7)4−
(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸を
【数1】 (以下、各添加モル数を[ ]で示す)なる比率で混合
し、さらに(8)無水酢酸を添加して反応させる。この
とき(8)無水酢酸を添加し反応させる温度としては1
00〜160℃が好ましく、時間は10分〜1時間が好
ましい。この後、昇温して、反応させ、場合によっては
減圧下でオリゴマー化又はポリマー化させるが、(7)
又は(8)を用いるため、重合速度が向上し、また、昇
華物の発生がほとんどないので、製造上のトラブルがな
く、又生産速度を向上することができた。
【0015】このポリマーを釜から抜き出しチップ化を
行ってもよいし、釜の中にとどめておいてもよい。釜の
中にとどめておいた場合は別の釜に(6)と(8)を添
加し、あらかじめ若干反応させた後に前段のオリゴマー
又はポリマーの中に投入するのが好ましい。
【0016】前段仕込量の比は
【数2】 の比率は上記範囲内であれば、いくらでもよいが、特に
【数3】 が好ましく
【数4】 が最も好ましい。
【0017】
【数5】 の場合は最終ポリマーの力学特性が悪化したり、前段と
後段の量比のバランスが悪くなり、生産効率が悪化した
りして好ましくない。(8)無水酢酸および(6)のp
−ヒドロキシ安息香酸の添加総量をそれぞれ[8],
[6]とし、 前段での添加量をそれぞれ[8−1],[6−1] 後段での添加量をそれぞれ[8−2],[6−2]とす
ると、
【0018】
【数6】 好ましくは
【数7】 である。
【0019】又、後段においては
【数8】 好ましくは
【数9】 である。
【0020】このように(8)無水酢酸を加えることに
より、昇華等のトラブルが無く、重合速度の向上、すな
わち生産性を向上することができる。これまでは(7)
の成分を前段で添加する例を説明したが、この(7)の
成分を第2段階で添加してもよい。(7)の成分を外部
から添加することにより、製造されるポリマーの品質が
安定するだけでなく、(7)のない場合に比べて、曲げ
や引張りの強度が向上したり、衝撃強度が向上したりす
る。又流動性が向上し、低温成形性が向上する。(7)
の添加量を[7]で表わすと、
【0021】
【数10】 が好ましい。
【数11】 であると強度や衝撃強度が低下したり流動性や低温成形
性が低下し、好ましくない。又
【数12】 のときは結晶性が低下したり、耐熱性が低下したりして
好ましくない。より好ましくは
【数13】 である。
【0022】耐加水分解性を向上させる場合には、さら
に(9)1,2−エチレンビス−4−ヒドロキシベンゾ
エートを添加する。重合度を高めるために場合によって
は(11)テレフタル酸も添加する。添加の時期は特に
限定されないが、後段の方が(9)の構造が保持されや
すいので好ましい。このとき(9),(11)の添加量
を[9],[11]とすると [9]>[11] としておくことが好ましい。特に
【数14】 としておくことが好ましい。
【数15】 のときは(11)は添加しないのが好ましい。(9)を
加えることにより(6)のブロック成分がより減少して
力学特性が向上するだけでなく、釜からの抜出性が向上
し末端カルボン酸も量が減少して耐加水分解性が向上し
成形時離型性が向上するというメリットがある。
【0023】本発明の製造方法に係る液晶性ポリエステ
ルは、溶融相において光学的異方性を示す。特に、溶融
を開始した場合、開始温度から少し温度を高めることに
より、固体部分が殆どなくなって実質的に全体が液晶状
態を採り得るため、溶液粘度(ηinh)見合いの流動性
は、従来のポリエステルよりも遥かに良好であるという
特徴を有する。そのため、成形性が良好であり、押出成
形、射出成形、圧縮成形等の一般的な溶融成形を行なう
ことが可能である。従って、成形品、フィルム、繊維等
に容易に加工することができる。本発明の製造方法に係
る液晶性ポリエステルの溶融粘度は、温度290℃、剪
断速度1000sec-1の条件下で測定した場合、30
ポイズ以上であることが必要である。
【0024】しかしながら、本発明の製造方法に係るポ
リエステルは、液晶性を示すことより、その溶融粘度が
一般に低い。例えば、上記の条件下で測定した溶融粘度
は、5000ポイズ以下である。従って、本発明の液晶
ポリエステルの溶融粘度は、好ましくは50〜3000
ポイズ、更に好ましくは100〜2500ポイズであ
る。最も好ましくは100〜1500ポイズである。そ
して275℃の溶融粘度と290℃の溶融粘度との比が
小さい点も本発明の製造方法によるポリエステルの特徴
である。
【0025】本発明の製造法に係る液晶性ポリエステル
は、高流動であるとの特徴のために、特に、精密成形品
薄肉成形品等に適している。例えば、自動車用部品、コ
ンパクトディスクやフロッピーデイスク等情報材料の部
品、コネクター、ICソケット等の電子材料の部品等、
又、耐加水分解性改良系ではハイブリッドIC封止部品
等に好適に使用し得る。また、本発明の製造方法に係る
液晶性ポリエステルは、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維
類、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等のフィラー類、
核剤、顔料、酸化防止剤、滑剤、その他安定剤、難燃剤
等の充てん剤や添加剤、熱可塑性樹脂等を添加すること
により、成形品に所望の特性を付与することも可能であ
る。更にまた、他のポリマーとのブレンドやアロイ化を
行なうことにより、本発明の製造方法に係る液晶性ポリ
エステルと他のポリマーとの両者の長所を合わせ持つ組
成物にすることも可能である。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の例におい
て次の方法により、物性測定や成形を行なった。 (1)溶融粘度(ηinh) p−クロロフェノール/o−ジクロロベンゼン混合溶媒
を使用し、温度30℃、濃度0.5g/dlの条件で測
定した。 (2)溶融粘度 測定は290℃で行ない、測定には、島津製作所フロー
テスター(シリンダーノズルの長さ/直径=20)を用
い、剪断速度(r)1000sec-1とした。 (3)光学異方性(液晶性) ホットステージ付偏光顕微鏡を用いて観察した。 (4)成形 成形は、日本製鋼社製0.12OZ射出成形機を用いて
行った。 (5)引張特性 引張弾性率、引張強度および破断伸度は、上記の成形機
にて得られた0.1OZ成形品について、東洋ボールド
ウィン社製TENSILON/UTM(III)Lを用
いて測定した。伸度は3.0%を越えると特に3.5%
以上で、ねばり強いポリマーと判定できる。 (6)耐加水分解性 0.1OZで成形したサンプルをプレッシャクッカーテ
スト装置に入れ、121℃2気圧飽和水蒸気下テストを
行った。テストサンプルの (i)引張テストの強度保持率 (ii)溶融粘度の保持率 の評価を行った。
【0027】実施例1 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管
(A)に PET 30.72g(0.160モル) p−ヒドロキシ安息香酸 56.99g(0.413モル) 4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸 2.55g(0.014モル) を仕込み、減圧−窒素置換を行い系内を窒素雰囲気にし
た後、無水酢酸52.66g(0.516モル)を添加
し、140℃で1時間反応させた。その後、270℃ま
で1.5時間かけて昇温し270℃で1時間保持した。
次に、270℃のまま除々に減圧した。減圧は、1時間
30分かけて0.3mmHgになるようにゆっくりと行
った。別のフラスコ(B)にp−ヒドロキシ安息香酸2
6.67g(0.215モル)仕込み同じように窒素雰
囲気下で無水酢酸27.41g(0.269モル)を添
加し、140℃で1時間反応させ、次に温度を220℃
まで昇温し、反応させた。
【0028】ガラス重合管(A)が減圧度0.3mmH
gになったところで、系内を常圧にもどし、フラスコ
(B)の温度を下げないようにしながら(B)の内容物
をオリゴマー状の(A)に添加した。その後ガラス重合
管(A)は270℃で1時間保持し、次に290℃まで
昇温し、290℃になったところで減圧を開始し、1.
5時間で0.3mmHgとなるようにした。減圧開始後
1.5時間で充分トルクが上がったので重合を終了し
た。抜き出し性は非常に良好であった。また昇華は全く
みられなかった。このポリマーのηinhは1.165d
l/g、溶融粘度は290℃、103sec-1で380
ポイズであった。引張特性は、弾性率10.2×104
kg/cm2、強度2,000kg/cm2、伸度4.3
%であった。
【0029】実施例2 実施例1と同様なガラス重合管(A)に PET 30.72g(0.160モル) p−ヒドロキシ安息香酸 33.12g(0.240モル) を仕込み、窒素雰囲気下にした後無水酢酸30.6g
(0.300モル)を添加した。140℃で1時間反応
させた後270℃まで1.5時間かけて昇温し270℃
で1時間保持した。その後、減圧を開始し1.5時間か
けて0.3mmHgになるようにした。別のフラスコ
(B)に p−ヒドロキシ安息香酸 52.55g(0.381モル) 4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸 3.49g(0.019モル) を仕込み窒素雰囲気下にした後、無水酢酸48.58g
(0.476モル)を添加し、140℃で1時間反応さ
せ、140℃で1時間反応させ、次に220℃まで昇温
し、反応させた。
【0030】ガラス重合管(A)が減圧度0.3mmH
gになったところで系内を常圧にもどしフラスコ(B)
の温度を下げないようにしながら(B)の内容物をオリ
ゴマー状の(A)に添加した。その後、ガラス重合管
(A)は270℃で1時間保持し、次に290℃まで昇
温し、290℃になったところで減圧を開始し、1.5
時間で0.3mmHgとなるようにした。減圧開始後2
時間で充分トルクが上がったので重合を終了した。抜き
出し性は非常に良好であった。また昇華は全くみられな
かった。このポリマーのηinhは1.158dl/g、
溶融粘度は290℃、103sec-1で450ポイズで
あった。引張特性は、弾性率9.5×104kg/c
2、強度1830kg/cm2、伸度3.8%であっ
た。
【0031】実施例3 実施例1と同様なガラス重合管(A)に PET 15.55g(0.081モル) p−ヒドロキシ安息香酸 28.84g(0.209モル) 4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸 3.46g(0.019モル) を仕込み、窒素雰囲気下にした後無水酢酸26.65g
(0.261モル)を添加した。140℃で1時間反応
させた後270℃まで1.5時間かけて昇温し270℃
で1時間保持した。その後、減圧を開始し1.5時間か
けて0.3mmHgになるようにした。別のフラスコ
(B)に p−ヒドロキシ安息香酸 35.74g(0.259モル) テレフタル酸 11.12g(0.067モル) 1,2−エチレンビス−4−ヒドロキシベンゾエート 24.46g(0.081モル) を仕込み窒素雰囲気にした後、無水酢酸53.68g
(0.526モル)を添加し、140℃で1時間反応さ
せ、次に220℃まで昇温し、反応させた。
【0032】ガラス重合管(A)が減圧度0.3mmH
gになったところで系内を常圧にもどしフラスコ(B)
の温度を下げないようにしながら(B)の内容物をオリ
ゴマー状の(A)に添加した。その後、ガラス重合管
(A)は270℃で1時間保持し、次に290℃まで昇
温し、290℃になったところで減圧を開始し、1.5
時間で0.3mmHgとなるようにした。減圧開始後1
時間15分で充分トルクが上がったので重合を終了し
た。抜き出し性は非常に良好であった。また昇華は全く
みられなかった。このポリマーのηinhは1.185d
l/g、溶融粘度は290℃、103sec-1で400
ポイズであった。引張特性は、弾性率10.3×104
kg/cm2、強度2200kg/cm2、伸度4.7%
であった。耐加水分解性を評価するためにプレッシャー
クッカーテストを121℃ 2気圧 飽和水蒸気下で1
2hr行った。テスト後のサンプルは溶融粘度の保持率
が90%、引張強度の保持率が95%であり加水分解性
にすぐれていることがわかった。
【0033】実施例4 20Lスケールの2つの反応槽が上下に位置し、連結し
ているオートクレーブにおいて、上の反応槽を(A)、
下の反応槽を(B)とする。反応槽(A)に PET 1.152kg(6.0モル) p−ヒドロキシ安息香酸 1.242kg(9.0モル) 4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸 131kg(0.72モル) を仕込み、系内を窒素雰囲気にした後、無水酢酸1.1
48kg(11.25モル)添加して140℃で1時間
反応させた。その後、270℃まで1.5時間かけて昇
温し270℃で1時間保持した。次に、下の反応槽
(B)に反応液を移送し、温度は270℃のまま、減圧
を開始した。減圧は、1時間30分かけて0.3mmH
gになるようにゆっくりと行った。
【0034】上記反応液を移送後、反応槽(B)に p−ヒドロキシ安息香酸 2.070kg(15モル) を仕込み窒素雰囲気下で無水酢酸1.913kg(1
8.75モル)を添加し140℃で1時間反応させその
後、220℃まで昇温し140℃で1時間反応させ、そ
の後220℃まで昇温し反応させた。反応槽(B)が
0.3mmHgになったところで(B)を常圧にもど
し、(A)の反応液を(B)へと移送した。その後反応
槽(B)は270℃で1時間保持し、次に290℃まで
昇温し、290℃になったところで減圧を開始し、1.
5時間で0.3mmHgとなるようにした。減圧開始後
1.5時間で重合を終了した。抜き出し性は非常に良好
であった。また、昇華による配管の閉塞はみられなかっ
た。このポリマーのηinhは1.190dl/g、溶融
粘度は290℃、103sec-1で520ポイズであっ
た。引張特性は、弾性率10.0×104kg/cm2
強度1850kg/cm2、伸度3.5%であった。
【0035】比較例1 特公昭56−18016号に記載の方法に基づき製造し
た。PETとp−アセトキシ安息香酸のモル比は20/
80となるように重合管に仕込んだ。窒素雰囲気下にし
た後、275℃まで昇温し、275℃で1時間撹拌しな
がら、アシドリシス反応を行った。その後、300℃ま
で昇温しながら減圧を開始し、1.5時間かけて0.3
mmHgとなるようにした。減圧開始後、5時間で重合
を終了した。重合管上部に約2%の昇華がみられた。こ
のポリマーのηinhは粘度溶媒に不溶のため測定でき
ず、溶融粘度は290℃、1000sec-1で850ポ
イズであった。又、このポリマーの引張特性は、弾性率
6.6×104kg/cm2、強度1330kg/c
2、伸度2.3%であった。
【0036】比較例2 特公昭56−18016号に記載の方法に基づき製造し
た。第一段階としてPETとp−アセトキシ安息香酸の
モル比が40/60になるように重合管に仕込んだ。窒
素雰囲気下にした後、270℃まで昇温し270℃で4
0分撹拌しながらアシドリシス反応を行った。その後、
90分間で1mmHgになるように減圧を開始し最終的
に280℃、0.3mmHgで3時間重合を行いチップ
化した。第二段階として最終的にポリマーの組成比が比
較例1と同じ20/80となるように前段で得られたポ
リマーと不足しているp−アセトキシ安息香酸を合わせ
て重合管に仕込んだ。次に280℃に昇温し40分間ア
シドリシス反応を行い、その後300℃まで昇温し1.
5時間かけて0.3mmHgとなるように減圧を行っ
た。減圧開始後、4時間で重合を終了した。重合管上部
に約0.7%の昇華物がみられた。このポリマーのη
inhは1.104dl/g、溶融粘度は290℃、10
00sec-1で790ポイズであった。又、ポリマーの
引張特性は、弾性率8.3×104kg/cm2、強度1
550kg/cm2、伸度2.5%であった。
【0037】比較例3 特開平1−301711に記載の方法に基づき製造し
た。PETとp−アセトキシ安息香酸と4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)安息香酸を実施例1で得られたポリマ
ーと同じ組成比になるように重合管に仕込んだ。次に重
合管を真空にして窒素で3回パージしてから、120℃
真空下で1時間乾燥した。その後、常圧にして窒素雰囲
気下、275℃まで昇温した。275℃で1時間反応さ
せた後、次に1.5時間かけて0.3mmHgとなるよ
うに減圧を開始した。減圧開始後、5時間で重合を終了
した。重合管上部に約1.3%の昇華物がみられた。こ
のポリマーのηinhは粘度溶媒に不溶のため測定できな
かった。溶融粘度は290℃、1000sec-1で68
0ポイズであった。又、ポリマーの引張特性は、弾性率
6.8×104kg/cm2、強度1230kg/c
2、伸度3.0%であった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製法によ
れば、流動性、溶融加工性、力学特性に優れる上再現性
にも優れる液晶性ポリエステルを、昇華等によるトラブ
ルの発生もなく生産性よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−110322(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(4)の構成要素からなる
    液晶性ポリエステルを製造するにあたり、前段で(5)
    ポリエチレンテレフタレートと(6)p−ヒドロキシ安
    息香酸及び(8)無水酢酸で重縮合を行い、後段で更に
    (6)p−ヒドロキシ安息香酸及び(8)無水酢酸を添
    加して重縮合を行う、あるいは(6)と(8)を反応さ
    せたものを前段のものに添加して重縮合を行う方法にお
    いて、該前段及び/又は該後段で(7)4−(2−ヒド
    ロキシエトキシ)安息香酸を添加することを特徴とする
    液晶性ポリエステルの製造方法。 (1)テレフタル酸単位(10〜20モル%) 【化1】 (2)エチレングリコール単位(10〜20モル%) 【化2】−OCH2CH2O− (3)p−ヒドロキシ安息香酸単位(55〜79モル
    %) 【化3】 (4)4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸単位
    (1〜5モル%) 【化4】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶性ポリエステルの製
    造方法において、前段及び/又は後段で更に(9)1,
    2−エチレンビス−4−ヒドロキシベンゾエートを添加
    して重縮合を行うことを特徴とする液晶性ポリエステル
    の製造方法。
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