JP3284617B2 - 液晶性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

液晶性ポリエステルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シークェンスがより交
互的に制御された、すなわち下記式(7)で表わされる
構造が同一組成比においてより多く含まれた新規な液晶
性ポリエステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【化6】 本発明の製造方法による液晶性ポリエステルは、高弾性
率であり、引張強度、曲げ強度、衝撃強度等が高く、さ
らに高伸度であるため靱性があり、かつ同一組成、同一
組成比においては、従来のものに比べ力学特性だけでな
く、耐熱性にも優れているものである。
【0003】本発明の製造方法による液晶性ポリエステ
ルがこれらの特徴を示しうるのは、成形時にサーモトロ
ピックな液晶を形成するとともにシークェンスがより交
互的に制御されているからであり、より低温側でも高流
動性を示すという特徴をも有する。そのため、成形材
料、フィルム、繊維等の製品として非常に有用である。
特に成形材料としては、自動車部品、電気、電子部品
(特にSMT対応も可能)、薄物成形品、精密成形品と
して好適である。又、固体耐熱温度と充分に溶融しうる
温度との差が小さいために、高耐熱性の割に低温で重合
できるという重合上の利点もある。
【0004】
【従来技術】高弾性率でかつ流動性のよい液晶性ポリエ
ステルとしてテレフタル酸単位、エチレングリコール単
位及びp−ヒドロキシ安息香酸単位から成る液晶性ポリ
エステルの製法が特公昭56−18016に記載されて
いる。しかし、この記載による方法で得られる液晶性ポ
リエステルは耐熱性に劣る上に、力学強度及び伸度が低
く、且つもろいという欠点がある。
【0005】そのもろさや耐熱性の改良のために、種々
の方法が提案されてきた。例えば、特開昭60−186
525、特開平4−218526、特願平3−7336
5などである。この中で、特開昭4−218526号に
記載された方法によって得られる液晶性ポリエステル
は、シークェンスが交互的に、すなわち上記式(7)で
示される構造が同一組成比において多くなるため、力学
特性、耐熱性等が向上することを本発明者らは見出して
きた。この製法は下記式で表わされる1,2−エチレン
ビス−4−ヒドロキシベンゾエート
【0006】
【化7】
【0007】を用いるところに特徴があり、そのため、
抜出し性が向上したり、上のような特徴を有するポリエ
ステルを得たりすることが可能となった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1,2
−エチレンビス−4−ヒドロキシベンゾエートを用いる
場合には、製造時に昇華の問題や副反応の問題等が生じ
たり、当該化合物の合成がコスト高になったり、合成自
体容易でないなどの問題がある。更に、合成時に強力な
エステル化触媒や強力なエステル交換触媒を使用するこ
とから洗浄を強化する必要があるが、強化したとしても
尚、微量の触媒が残存し、生成する液晶性ポリエステル
の物性に悪影響を及ぼしやすく、当該化合物の使用効果
が発揮できなかったり、薄れてしまう場合が多かった。
これらを解決するために特願平3−73365号では、
下記一般式で示される4−ヒドロキシ−(2−ヒドロキ
シエチル)−ベンゾエートを原料として使用している。
【0009】
【化8】
【0010】一方、流動性に優れ、かつ耐熱性に優れる
液晶性ポリエステルとしてジカルボン酸単位、エチレン
グリコール単位、パラヒドロキシ安息香酸単位及び特定
の芳香族ジオール単位から成る液晶性ポリエステルが提
案されている(特開昭63−30523号、特開昭64
−33123号等)。しかしながら、これらの中で記載
された製造法による液晶性ポリエステルは、いずれもシ
ークェンスがブロック的あるいはランダム的でパラヒド
ロキシ安息香酸単位の連鎖が多く、すなわち上記式
(7)で示される構造が少なく、機械的物性や耐熱性
は、シークェンスが交互的である場合より劣ったもので
ある。また、重合温度が305℃を越える場合が多く、
従来の縦型製造装置では製造が困難である。また、弾性
率や強度など力学特性の異方性(流動方向(MD方向)
と流動方向に垂直な方向(TD方向)の比)が、大きい
という欠点がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
の問題を解決する液晶性ポリエステルの製造方法を鋭意
検討の結果、4−ヒドロキシ−(2−ヒドロキシエチ
ル)−ベンゾエート及び特定の芳香族ジオール化合物
(又は芳香族ジアセテート化合物)を使用することで、
昇華の問題がなく、生成ポリエステル中に原料由来の微
量の強力なエステル化触媒や強力なエステル交換触媒が
存在しない液晶性ポリエステルが製造しうることを見出
し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明の要旨は、下記一般式
(1)で表わされるジカルボン酸単位、
【0013】
【化9】
【0014】下記一般式(2)で表わされるエチレング
リコール単位
【0015】
【化10】−OCH2 CH2 O−
【0016】下記一般式(3)で表わされる芳香族ジオ
ール単位、
【0017】
【化11】
【0018】(式(3)中、mは1〜4の整数、nは0
〜3の整数である。)及び下記一般式(4)で表わされ
るパラオキシ安息香酸単位、
【0019】
【化12】
【0020】からなる液晶性ポリエステルを製造するに
あたり、出発原料として、(a)4−ヒドロキシ−(2
−ヒドロキシエチル)−ベンゾエート、(b)テレフタ
ル酸及び又は2,6−ナフタレンジカルボン酸、(c)
下記式(5)で示される芳香族ジオール化合物及び/又
は下記式(6)で示される芳香族ジアセテート化合物、
【0021】
【化13】 (d)パラヒドロキシ安息香酸及び/又はパラアセトキ
シ安息香酸、及び(e)無水酢酸を反応させ、溶融状態
で重縮合することを特徴とする液晶ポリエステルの製造
方法に存する。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
製造法によると、下記式(7)で示される構造が生成し
たポリエステルの中に存在しやすくなり、そのために本
発明の製造法により製造される液晶性ポリエステルは、
以下のような特徴を有する。 1.高い引張り強度、曲げ強度を有する。 2.高い衝撃強度を有する。 3.高い破断伸度を有する。 4.同一組成、組成比での耐熱性は高い。 5.T2 −T1 が小さいので成形温度を低くできる。 6.より低温での成形品の方が力学特性に優れる。 7.溶融粘度のみかけの活性化エネルギーが小さい。 8.結晶性が高い。 9.耐加水分解性が良好である。 10.フィラー等の混合の効果が顕著に現れる。
【0023】なお本発明の製造方法によって製造される
ポリマーの物性は力学特性と熱特性のバランスが従来の
ものに比べてはるかに優れているものであって、個々の
物性においては劣る場合もありうる。又、耐熱性が高い
割に成形温度を低くできるということは、製造時の重合
温度を低くできるということにもつながり、従来の製造
装置で耐熱性の良好なポリマーを製造しうるということ
を意味する。
【0024】上記式(7)で示される構造の多少は、特
開平4−218526中に記述しているH−NMR法や
アミン分解法によって識別でき、またその中で記載して
いる解析法と同様にして定量化することが可能である。
上記式(1)で示されるジカルボン酸単位は、テレフタ
ル酸単位又は2,6−ナフタレンジカルボン酸単位であ
り、これらは各々単独でもよいが、併存していてもよ
い。上記式(3)で示される芳香族ジオール単位として
は、具体的には
【0025】
【化14】
【0026】から選ばれる。特に(ロ)、(ハ)、
(ニ)、(ホ)及び(チ)が流動性や力学特性の点で好
ましく、流動方向と流動方向に垂直方向の両方の弾性率
を向上させたいときや強度をバランスさせたいときは
(ロ)又は(ハ)を用い耐熱を高めたり、MDの強度を
向上させたいときは(イ)、(ロ)、(ニ)又は(ホ)
を用いるのが好ましい。特に(ロ)又は(ニ)が好まし
い。最も好ましくは(ロ)を含むことであり、これに
(ニ)などの他の成分を組合せて用いてもよい。
【0027】以下に本発明の製造法について説明する。
まず、原料として、 (a)4−ヒドロキシ−(2−ヒドロキシエチル)−ベ
ンゾエート、 (b)テレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸 (c)上記一般式(5)で示される芳香族ジオール化合
物及び/又は一般式(6)で示される芳香族ジアセテー
ト化合物 (d)パラヒドロキシ安息香酸及び/又はパラアセトキ
シ安息香酸に、 (e)無水酢酸を加えて、100〜170℃で、5分〜
3時間、好ましくは20分〜1.5時間アセチル化等を
行う。
【0028】(e)無水酢酸の量(モル、以下同様)を
〔e〕とし、(a)4−ヒドロキシ−(2−ヒドロキシ
エチル)−ベンゾエートの量を〔a〕、(b)テレフタ
ル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸の量を
〔b〕、(c)芳香族ジオール化合物及び/又は芳香族
ジアセテート化合物の量を〔c〕(そのうち芳香族ジオ
ール化合物を〔c−1〕、芳香族ジアセテート化合物を
〔c−2〕)、(d)パラヒドロキシ安息香酸及び/又
はパラアセトキシ安息香酸の量を〔d〕(そのうちパラ
ヒドロキシ安息香酸を〔d−1〕、パラアセトキシ安息
香酸を〔d−2〕)、とすると、用いる無水酢酸の量
は、好ましくは
【0029】
【数1】1.0≦〔e〕/(〔a〕+〔c−1〕×2+
〔d−1〕)≦1.5 特に好ましくは 1.0≦〔e〕/(〔a〕+〔c−1〕×2+〔d−
1〕)≦1.4
【0030】を満たすようにする。尚、アセチル化前に
(a)成分と、少なくとも(d)成分の全部又は一部を
予め反応させておくのが好ましく、更には、(a)、
(b)及び(d)を予め反応させてもよく、また
(a)、(c)及び(d)を予め反応させてもよい。そ
の場合、各成分の量比は好ましくは、
【0031】
【数2】1.0≦〔d〕/(〔a〕+〔c〕)≦4.0 特に好ましくは 1.0≦〔d〕/(〔a〕+〔c〕)≦2.0
【0032】の範囲である。尚、この時、(a)と
(d)だけを予め反応させておくこともできる。この反
応は溶媒を用いて行ってもよいが、その後の除去等を考
えると無溶媒で行うのが好ましい。(a)成分と少なく
とも(d)成分のうちパラヒドロキシ安息香酸とを予め
反応させる場合には、(a)成分が溶融しているところ
へパラヒドロキシ安息香酸を添加させるのが良い。但
し、あまり高温になりすぎると、(a)成分とパラヒド
ロキシ安息香酸との反応により下記式(8)で表わされ
る構造ができてくるので好ましくない。
【0033】
【化15】
【0034】そのため、(a)成分と、少なくとも
(d)成分の全部又は一部とを予め反応させるときの反
応温度としては、230℃以下、好ましくは145℃〜
220℃で行う。特に170℃〜210℃がより好まし
い。(a)成分と少なくとも(d)成分のうちパラアセ
トキシ安息香酸とを予め反応させる場合には、上記式
(8)で表わされる構造ができにくいので少し高温にな
っても良いが、あまり高温になると式(8)の構造が反
応初期時にできてしまうので好ましくない。これらの場
合には(c)成分は加えていてもいなくてもよい。具体
的には145℃〜230℃で行うのが好ましい。(a)
と(b)と(c)の比率は重合度の観点から
【0035】
【数3】0.8≦〔b〕/(〔a〕+〔c〕)≦1.2
【0036】耐加水分解性を改良する目的では、
【0037】
【数4】 0.8≦〔b〕/(〔a〕+〔c〕)≦0.95
【0038】が好ましい。全体の仕込み比率としては
【0039】
【数5】1≦〔d〕/(〔a〕+〔c〕)≦5、 好ましくは、 1≦〔d〕/(〔a〕+〔c〕)≦3.5
【0040】である。(a)と(c)の比率は
【0041】
【数6】0.2≦〔a〕/(〔a〕+〔c〕)≦0.8
【0042】である。0.2未満であると上記式(7)
で示される構造が少なくなりすぎ、本発明の特徴がでに
くくなるので好ましくない。一方、0.8を越えると、
耐熱性が低下して好ましくない。より好ましくは、
【0043】
【数7】0.3〔a〕/(〔a〕+〔c〕)0.7
【0044】である。(b)成分の全部又は一部、芳香
族ジアセテート化合物及びパラアセトキシ安息香酸の全
部又は一部はアセチル化中およびアセチル化後に添加し
てもよい。アセチル化が終了するとその後昇温して重合
に入る。重合は220〜340℃で重合させるが、更に
260〜320℃で行なうのが好ましい。特に280〜
305℃で行うのが好ましい。260℃未満では重合速
度が遅く、280℃未満ではポリマーが固化しやすい傾
向にある。320℃をこえると生成するポリマーの物性
が悪化して好ましくない。重合温度が低い方がエステル
交換反応がおこりにくく好ましい。このように、本発明
の製造方法は、固体の耐熱性のわりに低温で重合できる
というメリットもある。
【0045】又、760mmHgから1mmHgまで徐
々に減圧にする場合に要する時間は30分以上、好まし
くは60分以上の時間で実施され、特に30mmHgか
ら1mmHgまでの減圧を徐々に行うことも重要であ
る。重合時無触媒でも可能であるが必要に応じ触媒の存
在下で実施される。使用される触媒としてはエステル交
換触媒、重縮合触媒、アシル化触媒、脱カルボン酸触媒
が使用され、これらは混合して使用してもかまわない。
好ましい触媒としては、Sn(OAc)2 、Sb
2 3 、Fe(acac)3 、Co(OAc)2 、Na
OAc,KOAc等が挙げられる。その使用量はポリマ
ーに対して5〜50,000ppm好ましくは10〜
5,000ppmである。更に好ましくは20〜500
ppmである。
【0046】また、本発明の製造方法による液晶性ポリ
エステルは溶融相において光学的異方性を示す。特に溶
融を始めると溶融開始温度から少し温度を高めるだけで
固体部分がほとんどなくなり、ほとんどすべてが液晶状
態をとりうるので、流動性がηinh みあいで従来のポリ
エステルよりもはるかによいという特徴を有する。その
ため成形性が良好で押出成形、射出成形、圧縮成形等の
一般的な溶融成形を行なうことが可能であり、成形品、
フィルム、繊維等に加工することができる。
【0047】特に高流動であることより精密成形品等に
適している。例えば自動車用部品、コンパクトディスク
やフロッピーディスク等情報材料の部品、コネクター、
ICソケット等の電子材料の部品等に使用されうる。更
にSMT対応も可能である。又、成形時に本発明の製造
方法による共重合ポリエステルに対し、ガラス繊維、炭
素繊維等の繊維類、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等
のフィラー類、核剤、顔料、酸化防止剤、滑剤、その他
安定剤、難燃剤等の充てん剤や添加剤、熱可塑性樹脂等
を添加して成形品に所望の特性を付与することも可能で
ある。又、他のポリマーとのブレンドやアロイ化によっ
て他のポリマーの特徴と本発明の共重合ポリエステルの
両方の長所を合わせもつ組成物を創出することも可能で
ある。
【0048】
【実施例】次に本発明について更に詳細に説明するが、
本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例中の溶融粘度の測定に
は、島津製作所製フローテスターを用い、剪断速度10
00sec-1、シリンダーノズルの長さ/直径=20を
使用した。光学異方性(液晶性)は、ホットステージ付
偏光顕微鏡を用いて観察した。成形は日本製鋼社製0.
1oz射出成形機を用いて行い、成形片を作成した。引
張弾性率、引張強度および破断伸度は、上記の成形機に
て得られた0.1oz成形品について、東洋ボールドウ
ィン社製TENSILON/UTM(III )Lを用いて
測定した。
【0049】耐熱性の測定としてビカット軟化温度を測
定した。ビカット軟化温度は、東洋精器の自動HDT装
置を用いサンプルは、上記0.108成形片を用いて5
0℃/hrの昇温速度で針が1mm侵入したところの温
度である。ハンダ耐熱は、260℃のハンダ浴に上記
0.1oz成形片を10秒間浸漬し、外観を目視により
判断した。
【0050】参考例 (4−ヒドロキシ−(2−ヒドロキシエチル)−ベンゾ
エートの合成)p−ヒドロキシ安息香酸138重量部、
Na2 CO3 1重量部、イソプロパノール300重量部
をオートクレーブに仕込み、90℃にてエチレンオキサ
イド66重量部を添加し反応を行なった。反応後冷却し
て析出物をろ過し、水より2度再結晶して融点141℃
の4−ヒドロキシ−(2−ヒドロキシエチル)−ベンゾ
エートを得た。構造は 1H−NMRで確認した。
【0051】実施例1 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管に4
−ヒドロキシ−(2−ヒドロキシエチル)−ベンゾエー
ト20.02g(0.11モル)、2−ヒドロキシ−
1,4−ベンゼンジオール9.05g(0.073モ
ル)及びパラヒドロキシ安息香酸30.36g(0.2
2モル)を仕込み、N2 −減圧置換後、N2フローにし
系を攪拌しながら昇温した。170℃で透明になり18
0℃になったところで2時間保持し、次に200℃まで
昇温し1時間保持した。反応が進むにつれて系は不透明
になり最終的に固化した。
【0052】次にテレフタル酸30.38g(0.18
3モル)、パラヒドロキシ安息香酸30.36g(0.
22モル)及び無水酢酸88.74g(0.87モル)
を添加し、攪拌しながら140℃に保ち1時間アセチル
化を行った。その後、1.5時間かけて300℃まで昇
温し減圧を始めた。減圧は最初の1時間で10mmHg
にし、以後1.5時間かけて10mmHgから0.3m
mHgにした。0.3mmHgで2時間重合を行ったと
ころ充分トルクが上がったので重合を終了した。昇華は
ほとんど認められなかった。
【0053】その後静置し、復圧して重合管の底からポ
リマーを抜き出した。抜き出し性は非常に良好であっ
た。チップ化した後、120℃で一晩乾燥させた。この
ポリマーの溶融粘度は300℃、剪断速度=103 se
-1のとき300ポイズであった。各物性値は表1に示
した。
【0054】実施例2 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管に4
−ヒドロキシ−(2−ヒドロキシエチル)−ベンゾエー
ト16.38g(0.09モル)、2−メチル−1,4
−ベンゼンジオール3.72g(0.03モル)、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル5.58g(0.03モ
ル)及びパラヒドロキシ安息香酸33.12g(0.2
4モル)を仕込み、N2 −減圧置換後、N2 フローにし
系を攪拌しながら昇温した。実施例1と同様に180℃
で2時間保持し、次に200℃に昇温し1時間保持し
た。反応が進むにつれて系は不透明になり最終的に固化
した。
【0055】次にテレフタル酸22.41g(0.13
5モル)、パラヒドロキシ安息香酸37.26g(0.
27モル)及び無水酢酸91.88g(0.90モル)
を添加し、実施例1と同様に行った。300℃に到達し
てから3時間で重合を終了した。昇華はほとんど認めら
れなかった。ポリマーの抜き出し性は良好で溶融粘度は
300℃、剪断速度=103 sec-1のとき420ポイ
ズであった。各物性値は表1に示した。
【0056】実施例3 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管に4
−ヒドロキシ−(2−ヒドロキシエチル)−ベンゾエー
ト16.38g(0.09モル)、2−メチル−1,4
−ベンゼンジオール5.58g(0.045モル)及び
パラアセトキシ安息香酸32.40g(0.18モル)
を仕込み、N2 −減圧置換後N2 フローにし系を攪拌し
ながら昇温し、200℃で2時間保持した。
【0057】次にテレフタル酸21.25g(0.12
8モル)、パラヒドロキシ安息香酸49.68g(0.
36モル)及び無水酢酸68.85g(0.675モ
ル)を添加し、その後実施例1と同様に行い、300℃
に到達してから2時間で重合を終了した。昇華はほとん
ど認められなかった。ポリマーの抜き出し性は良好で溶
融粘度は300℃、剪断速度=103 sec-1のとき1
050ポイズであった。
【0058】各物性値は表1に示した。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の方法によれば、比較的低温で重
合でき、原料等の昇華の問題もない。また得られるポリ
マー中に、ポリマーの物性に悪影響を及ぼす原料由来の
エステル化触媒やエステル交換触媒が残存せず、更に、
シークェンスが交互的であることにより、機械的物性や
耐熱性が高く、且つ機械的異方性が小さい液晶ポリエス
テルが得られる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされるジカルボ
    ン酸単位、 【化1】 下記一般式(2)で表わされるエチレングリコール単位 【化2】−OCH2 CH2 O− 下記一般式(3)で表わされる芳香族ジオール単位、 【化3】 (式(3)中、mは1〜4の整数、nは0〜3の整数で
    ある。)及び下記一般式(4)で表わされるパラオキシ
    安息香酸単位、 【化4】 からなる液晶性ポリエステルを製造するにあたり、 出発原料として、(a)4−ヒドロキシ−(2−ヒドロ
    キシエチル)−ベンゾエート、(b)テレフタル酸及び
    又は2,6−ナフタレンジカルボン酸、(c)下記式
    (5)で示される芳香族ジオール化合物及び/又は下記
    式(6)で示される芳香族ジアセテート化合物、 【化5】 (d)パラヒドロキシ安息香酸及び/又はパラアセトキ
    シ安息香酸、及び(e)無水酢酸を反応させ、溶融状態
    で重縮合することを特徴とする液晶ポリエステルの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 溶融重縮合を305℃以下で行うことを
    特徴とする請求項1記載の液晶性ポリエステルの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 出発原料中、(a)成分と、少なくとも
    (d)成分の全部又は一部とを、反応温度230℃以下
    で予め反応させることを特徴とする、請求項1記載の液
    晶性ポリエステルの製造方法。
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