JP2023136917A - 合成スラブ構造、及び合成スラブ構造の施工方法 - Google Patents

合成スラブ構造、及び合成スラブ構造の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐火性能の向上が図れた合成スラブ構造を提供する。【解決手段】合成スラブ構造100は、山部22と谷部24を交互に備えたデッキプレート20と、前記デッキプレート20の上にある鉄筋コンクリートスラブ50とにより形成される、デッキスラブ60と、前記デッキプレート20の下方にあり、前記デッキプレート20に対して棒状の固定部材5を介して接合されている、木質面材30と、により合成スラブ101が形成され、前記デッキプレート20の前記山部22と前記木質面材30との間には、隙間G1が形成されており、前記木質面材30が梁10に支持されている。【選択図】図3

Description

本発明は、合成スラブ構造、及び合成スラブ構造の施工方法に関する。
近年、スラブにはデッキスラブまたはフラットスラブが施工されることが多い。このようなスラブは、建物の梁によって支持されたデッキプレートまたはフラットスラブ上に、コンクリートを打設することで形成されている。このデッキプレートまたはフラットスラブの代わりに、鉄筋コンクリートスラブの下面としてCLTパネル(Cross Laminated Timber、直交集成板)を用いているのがある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2021-173020号公報 特開2020-105697号公報
CLTパネルのような木質材料は生産時に二酸化炭素排出量が少ないことや、多くの炭素を固定できることから、木質材料の使用に対するニーズが高まっている。このようなニーズの高まりを受けて、例えば構造床においてCLTパネルを採用する事例が増えている。しかしながら、木質材料の弱点として、耐火性能が低いことが挙げられ、木質材料が自己燃焼することから、木質材料を単独で耐火構造に使用することは難しい。それゆえ、木質材料と耐火性能を有する鉄筋コンクリートと、が組み合わせられて使用される場合がある。
本発明は、デッキスラブと木質面材とを備え、耐火性能の向上を図ることができる合成スラブ構造、及び合成スラブ構造の施工方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による合成スラブ構造の一態様は、
山部と谷部を交互に備えたデッキプレートと、前記デッキプレートの上にある鉄筋コンクリートスラブとにより形成される、デッキスラブと、
前記デッキプレートの下方にあり、前記デッキプレートに対して棒状の固定部材を介して接合されている、木質面材と、により合成スラブが形成され、
前記デッキプレートの前記山部と前記木質面材との間には、隙間が形成されており、
前記木質面材が梁に支持されていることを特徴とする。
本態様によれば、デッキプレート及び鉄筋コンクリートスラブからなるデッキスラブの下面が木質面材によって被覆され、火災時においては、木質面材により下面が覆われた状態のデッキスラブによって荷重を受けることができる。デッキスラブの下面が木質面材によって覆われていることにより、合成スラブ構造全体として火災による損傷を遅らせることができる。また、木質面材とデッキプレートの山部との間には、隙間が形成されており、この隙間に空気層が形成される。この空気層が断熱性能を発揮することにより、火災時において、木質面材からデッキスラブへの伝熱が抑制され、デッキスラブの損傷を軽減することができる。その結果、合成スラブ構造の耐火性能の向上を図ることができる。
また、本態様の合成スラブ構造では、棒状の固定部材を介して、木質面材がデッキスラブに接合されることにより、固定部材によって応力を伝達することができ、デッキスラブ及び木質面材によって長期荷重を受けることができる。これにより、木質面材を備えていない構成と比較して、鉄筋コンクリートスラブのスラブ厚を減少できる。本態様の合成スラブ構造では、耐火性能の向上を図るとともに、スラブ厚を減少させることができるので、耐火補強筋を設ける必要性をなくすことができる。例えば、デッキプレートの谷部の上に耐火補強筋を設ける必要がある従前の構造と比較して、本態様の合成スラブ構造は、耐火性能が向上されているので、耐火補強筋を配置しない場合であっても所定の耐火性能を満たすことができる。
また、本態様の合成スラブ構造によれば、デッキスラブの下面が、木質面材によって被覆されるので、デッキスラブによって構成された天井を木の表しとすることができる。
また、本発明の他の態様において、
前記棒状の固定部材は、ボルトであり、
前記デッキプレートの前記谷部には、前記ボルトが挿通される穴が形成され、
前記谷部の上面における前記穴に対応する位置には、前記穴の周辺を補強する筒状の補強部材が固定され、
前記ボルトは、筒状の補強部材に挿通されて、前記筒状の補強部材から前記デッキプレートとは反対側に突出し、
前記補強部材及び該補強部材から突出する前記ボルトの部分は、前記鉄筋コンクリートスラブに埋め込まれていることを特徴とする。
本態様によれば、棒状の固定部材としてボルトを用いることにより、デッキスラブの谷部に形成された穴にボルトを挿通することにより、デッキスラブと木質面材とを高強度に接合することができる。また、本態様によれば、補強部材から突出するボルトの部分が、鉄筋コンクリートスラブに埋め込まれていることにより、コンクリート、デッキプレート、及び木質面材の一体化を図ることができる。
また、本発明の他の態様において、
前記ボルトが、ラグスクリューボルト、またはコーチスクリューボルトであることを特徴とする。
本態様によれば、ラグスクリューボルト、またはコーチスクリューボルトによって、デッキスラブと木質面材とを高強度に接合することができる。
また、本発明の他の態様において、前記梁の上面には、前記梁の長手方向と交差する方向に延設する複数の前記木質面材の端部が相互に離間を置いて載置され、
前記梁の上の前記離間には、コンクリートが打設されて、前記鉄筋コンクリートスラブと前記梁とが一体化されていることを特徴とする。
本態様によれば、鉄筋コンクリートスラブと梁とが一体化されることにより、鉄筋コンクリートスラブを梁によって強固に支持できる。
また、本発明の他の態様において、
前記梁の上の前記離間には、前記コンクリートに埋め込まれるスタッドが設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、鉄筋コンクリートスラブと梁とを強固に一体化して、鉄筋コンクリートスラブを梁によって支持できる。
また、本発明の他の態様において、
前記木質面材が、CLTパネルであることを特徴とする。
本態様によれば、木質面材がCLTパネルであることにより、せん断耐力が高く、可及的に広幅の木質面材を利用できることから施工性も向上する。
また、本発明の他の態様において、
前記隙間には、その一部もしくは全部に吸音材が設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、隙間に設けられた吸音材により、上階から下階への音の伝達、及び下階から上階への音の伝達を低減できる。
また、本発明による合成スラブ構造の施工方法の一態様は、
山部と谷部を交互に備えたデッキプレートの前記谷部を木質面材に接触させ、前記山部と前記木質面材との間に隙間を形成するように、前記木質面材の上に前記デッキプレートを載置する工程と、
棒状の固定部材を用いて前記デッキプレートと前記木質面材を接合する工程と、
前記デッキプレートが接合された前記木質面材を前記梁の上に載置する工程と、
前記デッキプレートの上に鉄筋コンクリートスラブを形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本態様によれば、木質面材を梁の上に載置する前に、木質面材とデッキプレートとを接合することにより、木質面材とデッキプレートとを別々に、梁の上に載置する必要をなくすことができ、施工現場における施工時間の短縮を図ることができる。
また、本発明による合成スラブ構造の施工方法の一態様は、
木質面材を梁の上に載置する工程と、
山部と谷部を交互に備えたデッキプレートの前記谷部を前記木質面材に接触させ、前記山部と前記木質面材との間に隙間を形成するように、前記木質面材の上に前記デッキプレートを載置する工程と、
棒状の固定部材を用いて前記デッキプレートと前記木質面材を接合する工程と、
前記デッキプレートの上に鉄筋コンクリートスラブを形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本態様によれば、木質面材を梁の上に載置した後に、梁の上に載置した木質面材の上にデッキプレートを載置することにより、木質面材とデッキプレートを別々に、梁の上に載置できる。梁の上に木質面材及びデッキプレートを吊り上げる際に、木質面材とデッキプレートとを分けて吊り上げることができるので、一度に吊り上げる部材の重量を軽減できる。
以上の説明から理解できるように、合成スラブ構造及び合成スラブ構造の施工方法によれば、木質面材とデッキプレートの山部との間に形成された隙間によって、木質面材からデッキプレートへの伝熱が抑制されることにより、デッキプレートの損傷を軽減することができる。その結果、合成スラブ構造の耐火性能の向上を図ることができる。
第1実施形態に係る合成スラブ構造の一例を示す斜視図である。 第1実施形態に係る合成スラブ構造の一例を示す断面図である。 第1実施形態に係る合成スラブ構造の一例を示す平面図であり、コンクリートが打設される前のデッキプレートを示す図である。 変形例に係る合成スラブ構造のボルト及び補強部材を拡大して示す断面図である。 第2実施形態に係る合成スラブ構造の一例を示す断面図である。 第3実施形態に係る合成スラブ構造の施工方法の手順を示す工程図である。 第4実施形態に係る合成スラブ構造の施工方法の手順を示す工程図である。
以下、実施形態に係る合成スラブ構造、及び合成スラブ構造の施工方法について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1実施形態に係る合成スラブ構造]
はじめに、図1乃至図3を参照して、実施形態に係る合成スラブ構造の一例について説明する。ここで、図1は、第1実施形態に係る合成スラブ構造の一例を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る合成スラブ構造の一例を示す断面図である。図3は、第1実施形態に係る合成スラブ構造の一例を示す平面図であり、コンクリートが打設される前のデッキプレートを示す図である。また、各図において、互いに直交する3方向として、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向を示す矢印を適宜図示す場合がある。X軸方向及びY軸方向は、水平方向に沿う。Z軸方向は、鉛直方向に沿う。
合成スラブ構造100を有する建物の躯体は、柱2及び大梁10A,10Bを備える。柱2は、図3に示されている。柱2は、平面視矩形の格子の格点に配置されている。柱2は、X軸方向及びY軸方向に所定の間隔を置いて複数配置されている。なお、図3では、1つの柱2を図示している。
柱2は、例えば鉄骨造(S造)であり、角形鋼管である。柱2は、鉄骨造の柱に限定されず、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の柱でもよい。また、柱2は、CFTから形成された柱でもよい。
大梁10A,10Bは、例えば鉄骨造の梁(鉄骨梁)である。大梁10Aは、X軸方向に延設され、大梁10Bは、Y軸方向に延設されている。大梁10A,10Bの両端は、一対の柱2に接続されている。建物躯体は、大梁10A,10Bに接続された小梁を含んでもよい。
図1及び図2に示されるように、大梁10A,10Bは、例えばH形鋼からなり、ウェブ11と上フランジ12と下フランジ13とを有する。なお、大梁10A,10Bは、鉄骨造の梁に限定されず、鉄骨鉄筋コンクリート造やRC造の梁でもよい。大梁10A,10Bは、ハイブリッド構法の梁でもよい。
合成スラブ構造100は、合成スラブ101を備え、合成スラブ101は、デッキスラブ60と、CLTパネル30とを有する。デッキスラブ60は、デッキプレート20と、鉄筋コンクリートスラブ50と、を有する。なお、「鉄筋コンクリートスラブ」を「RCスラブ」と省略する場合がある。
デッキプレート20は、山部22と谷部24とを交互に備える。デッキプレート20は、例えば波形鋼板でもよい。山部22及び谷部24は、Y軸方向に交互に配置されている。デッキプレート20は、天板26、底板27、及び傾斜板28,29を有する。天板26、傾斜板29、底板27、及び傾斜板28は、この順でY軸方向に並ぶ。天板26は、Z軸方向において、底板27よりも上方に配置される。X軸方向に見た場合、傾斜板28,29は、天板26及び底板27に対して傾斜している。これらの天板26、底板27、及び傾斜板28,29は、例えば1枚の板材をプレス加工により折り曲げることで形成される。
RCスラブ50は、デッキプレート20上に打設されたコンクリート40と、コンクリート40に埋め込まれた鉄筋120,150と、を有する。コンクリート40は、例えば普通コンクリートである。また、RCスラブ50は、大梁10A,10B上の部分を含む。
鉄筋120は、Y軸方向に間隔を置いて配置され、X軸方向に延設されている。鉄筋150は、X軸方向に間隔を置いて配置され、Y軸方向に延設されている。鉄筋120,150は、例えば異形鉄筋であり、互いに交差する方向に配置されている。鉄筋150は主筋であり、鉄筋120は配力筋である。なお、鉄筋120,150は、異形鉄筋に限定されず、その他の鉄筋や溶接された金網でもよい。また、RCスラブ50の鉄筋は、主筋及び配力筋以外の鉄筋を含んでもよい。
CLTパネル30は、デッキプレート20の下方に配置されている。CLTパネル30は、複数の層32,34,36が積層されて形成され、これらの層32,34,36に含まれるひき板は、隣接する層のひき板と繊維方向が互いに直交するように配置されている。複数の層32,34,36は、互いに接着されている。CLTパネル30は、木質面材の一例である。木質面材は、CLTパネル30に限定されず、LVL(Laminated Veneer Lumber、単板積層材)などその他の木質面材でもよい。
CLTパネル30は、耐火性能を有する。例えばカラマツから形成された厚さ45mmのCLTパネル30の場合、1時間加熱した場合に、加熱面とは反対側の鋼材の温度を300℃以内に抑えることができ、その時の鋼材の2%オフセット耐力は、加熱前と比較して2/3程度である。
CLTパネル30は、複数の大梁10A,10Bによって支持されている。CLTパネル30の端部は、大梁10A,10Bの上フランジ12の上に載置されている。
図2に示されるように、CLTパネル30とデッキプレート20とは、複数のボルト5を介して接合されている。図3に示されるように、デッキプレート20の谷部24には、複数のボルト穴6が開口されている。ボルト穴6は、デッキプレート20の底板27に設けられている。複数のボルト穴6は、X軸方向及びY軸方向において所定の間隔を置いて形成されている。
ボルト5は、ボルト穴6に挿通されて、デッキプレート20とCLTパネル30と接合する。ボルト5のヘッドは、デッキプレート20の谷部24に配置されて、コンクリート40に埋め込まれている。ボルト5は、棒状の固定部材の一例であり、例えばラグスクリューボルト又はコーチスクリューボルトである。棒状の固定部材は、ボルトに限定されず、その他のネジでもよい。
CLTパネル30は、デッキプレート20の下面を覆うように配置されている。換言すると、デッキプレート20は、CLTパネル30の上に載置されている。具体的には、デッキプレート20の底板27は、CLTパネル30の上面に接するように配置され、天板26及び傾斜板28,29は、CLTパネル30との間に隙間G1を形成するように、配置されている。デッキプレート20の山部22とCLTパネル30との間に隙間G1が形成されている。
CLTパネル30は、大梁10A,10Bの上フランジ12に対して固定されていてもよい。
図2に示されるように、上フランジ12には、Y軸方向に離間する複数のCLTパネル30が載置されている。複数のCLTパネル30の端部は、相互に離間を置いて載置されている。
複数のCLTパネル30の端部間の隙間には、上フランジ12から上方に突出する複数のスタッド8が設けられている。複数のスタッド8は、大梁10Aの長手方向において、所定の間隔を置いて配置されている。スタッド8は、例えば上フランジ12に対して溶接されている。
上フランジ12上の隙間には、コンクリート40が打設されて、RCスラブ50と大梁10Aとが一体化されている。複数のスタッド8は、コンクリート40に埋め込まれている。
大梁10Bの上フランジ12の上にも、大梁10Aと同様に複数のCLTパネル30が載置され、CLTパネル30の端部間に隙間が形成されている。大梁10Bの上フランジ12に対して、複数のスタッド8が設けられている。大梁10Bの上フランジ12上の隙間に対して、コンクリート40が打設されて、RCスラブ50と大梁10Bとが一体化されている。
また、大梁10A,10Bには、耐火被覆80が施工されている。例えば、大梁10A,10Bの上フランジ12の下面、ウェブ11の側面、下フランジ13の上面及び下面には、耐火被覆80が施工されている。
(合成スラブ構造100の作用効果)
第1実施形態に係る合成スラブ構造100によれば、デッキプレート20及びRCスラブ50からなる合成スラブ101の下面がCLTパネル30によって被覆され、火災時においては、CLTパネル30により下面が覆われた状態の合成スラブ101によって荷重を受けることができる。合成スラブ101の下面が木質面材によって覆われていることにより、合成スラブ構造100全体として火災による損傷を遅らせることができる。また、CLTパネル30とデッキプレート20の山部22との間には、隙間G1が形成されており、この隙間G1に空気層が形成される。この空気層が断熱性能を発揮することにより、火災時において、CLTパネル30からデッキスラブ60への伝熱が抑制され、デッキスラブ60の損傷を軽減することができる。その結果、合成スラブ構造100の耐火性能の向上を図ることができる。
また、合成スラブ構造100では、ラグスクリューボルト又はコーチスクリューボルトであるボルト5を介して、CLTパネル30がデッキスラブ60に接合されるので、ボルト5によって応力を伝達することができ、デッキスラブ60及びCLTパネル30によって長期荷重を受けることができる。これにより、CLTパネル30を備えていない構成と比較して、RCスラブ50のスラブ厚を減少できる。本態様の合成スラブ構造100では、耐火性能の向上を図るとともに、スラブ厚を減少させることができるので、耐火補強筋を設ける必要性をなくすことができる。例えば、従前の構造において、デッキプレート20の谷部24の上に耐火補強筋を設ける必要がある構成に対して、合成スラブ構造100では、耐火補強筋を配置しなくても、耐火性能を満たすことができる。
合成スラブ構造100では、ラグスクリューボルト、またはコーチスクリューボルトによって、デッキスラブ60とCLTパネル30とを高強度に接合することができる。
合成スラブ構造100では、火災時において、CLTパネル30が加熱され、ボルト5を介して、デッキスラブ60に伝熱された場合であっても、圧縮荷重を負担するコンクリート40の圧縮縁に対する影響は少ない。
また、合成スラブ構造100によれば、デッキスラブ60の下面が、CLTパネル30によって被覆されるので、デッキスラブ60によって構成された天井を木の表しとすることができる。
また、合成スラブ構造100によれば、木質面材がCLTパネル30であることにより、せん断耐力が高く、可及的に広幅の木質面材を利用できることから施工性も向上する。
また、合成スラブ構造100では、大梁10A,10Bの上面には、大梁10A,10Bの長手方向と交差する方向に延設する複数のCLTパネル30の端部が相互に離間を置いて載置されている。大梁10A,10B上の離間には、コンクリート40が打設されて、RCスラブ50と大梁10A,10Bとが一体化されている。この構成の合成スラブ構造100によれば、RCスラブ50を大梁10A,10Bによって強固に支持できる。
また、合成スラブ構造100では、大梁10A,10B上の隙間には、コンクリート40に埋め込まれるスタッド8が設けられている。この構成の合成スラブ構造100によれば、RCスラブ50と大梁10A,10Bとをより一層強固に一体化して、RCスラブ50を大梁10A,10Bによって支持できる。
[変形例に係る合成スラブ構造のボルト及び補強部材]
次に、図4を参照して、変形例に係る合成スラブ構造のボルト5及び補強部材70について説明する。図4は、変形例に係る合成スラブ構造のボルト及び補強部材を拡大して示す断面図である。
図4に示されるように、デッキプレート20の谷部24には、ボルト穴6の周辺を補強する筒状の補強部材70が設けられている。筒状の補強部材70は、ボルト穴6に対応して配置され、デッキプレート20の底板27に対して固定されている。補強部材70は、底板27に例えば溶接されている。筒状の補強部材70は、底板27から上方に張り出すように配置されている。
ボルト5は、筒状の補強部材70及びボルト穴6に挿通されて、補強部材70よりも上方に突出している。ボルト5のうち、補強部材70よりも上方に突出する部分は、コンクリート40に埋め込まれている。ボルト5は、例えば、筒状の補強部材70の内周面に接するように配置され、補強部材70によって保持されている。ボルト5の上端部は、例えば、デッキプレート20の山部22よりも上方の位置に配置されていてもよい。
筒状の補強部材70の内周面には、ボルト5に螺合する雌ネジが形成されていてもよい。筒状の補強部材70は、例えばナットでもよい。
このような変形例に係る合成スラブ構造によれば、補強部材70から突出するボルト5の部分が、RCスラブ50に埋め込まれていることにより、コンクリート40、デッキプレート20、及びCLTパネル30の一体化を図ることができる。また、補強部材70がボルト穴6の周囲に固定されているので、補強部材70によってボルト穴6の開口部を補強できる。
[第2実施形態に係る合成スラブ構造]
次に、図5を参照して、第2実施形態に係る合成スラブ構造100について説明する。図5は、第2実施形態に係る合成スラブ構造の一例を示す断面図である。第2実施形態に係る合成スラブ構造100が、第1実施形態に係る合成スラブ構造100と違う点は、デッキプレート20の山部22とCLTパネル30との間の空間に吸音材90が配置されている点である。吸音材90としては、例えば、グラスウール、ロックウール、または発泡樹脂などを用いることができる。なお、吸音材90とデッキプレート20の天板26及び傾斜板28,29との間には、隙間が生じている。デッキプレート20の山部22とCLTパネル30との間の空間の一部に吸音材90が埋め込まれていてもよく、山部22とCLTパネル30との間の空間の全部に吸音材90が埋め込まれていてもよい。
このような第2実施形態に係るに合成スラブ構造100において、CLTパネル30とデッキプレート20の山部22との間に隙間が存在し、この隙間に空気層が形成される。この空気層が断熱性能を発揮するので、火災時において、CLTパネル30からデッキスラブ60への伝熱が抑制され、デッキスラブ60の損傷を軽減することができる。その結果、合成スラブ構造100の耐火性能の向上を図ることができる。
また、第2実施形態に係る合成スラブ構造100によれば、デッキプレート20の山部22とCLTパネル30との間に、吸音材90が設けられているので、上階から下階への音の伝達、及び下階から上階への音の伝達を低減できる。
[第3実施形態に係る合成スラブ構造の施工方法]
次に、第3実施形態に係る合成スラブ構造100の施工方法について説明する。図6は、第3実施形態に係る合成スラブ構造の施工方法の手順を示す工程図である。ここでは、上記の第1実施形態に係る合成スラブ構造100を施工する場合について説明する。
図6に示されるように、第3実施形態に係る合成スラブ構造100の施工方法は、CLTパネル30の上にデッキプレート20を載置する工程(工程S11)と、ボルト5を用いてデッキプレート20とCLTパネル30とを接合する工程(工程S12)と、接合されたデッキプレート20及びCLTパネル30を大梁10A,10Bの上に載置する工程(工程S13)と、デッキプレート20の上にRCスラブ50を形成する工程(工程S14)と、を含む。
はじめに、CLTパネル30の上にデッキプレート20を載置する(工程S11)。工程S11は、例えば、工場等で行われる。工程S11は、合成スラブ構造100が施工される現場で実施されてもよい。工程S11では、デッキプレート20の谷部24の底板27が、CLTパネル30の上面に接触するように、デッキプレート20をCLTパネル30の上に載置する。これにより、デッキプレート20の山部22とCLTパネル30との間に隙間G1が形成される。
次に、ボルト5を用いてデッキプレート20とCLTパネル30とを接合する(工程S12)。CLTパネル30には、ボルト5が挿通される下穴が予め形成されている。また、デッキプレート20には、CLTパネル30の下穴に対応する位置に、ボルト穴6が形成されている。工程S12では、ボルト穴6にボルト5を挿通して、デッキプレート20とCLTパネル30とを接合する。ボルト5は、CLTパネル30及びデッキプレート20に対して固定される。工程S12は、工程S11と同様に、工場等で行ってもよく、現場で行ってもよい。
次に、接合されたデッキプレート20及びCLTパネル30を大梁10A,10Bの上に載置する(工程S14)。例えば、重機等を用いて、デッキプレート20及びCLTパネル30を吊り上げて、大梁10A,10Bの上に載置する。CLTパネル30の端部が、大梁10A,10Bの上フランジ12の上に載置される。デッキプレート20は、CLTパネル30の上に存在する。
次に、デッキプレート20の上にRCスラブ50を形成する(工程S14)。工程S14では、デッキプレート20の上に、鉄筋120,150を配筋し、コンクリート40を打設して、RCスラブ50を形成する。コンクリート40を打設した後、適宜、コンクリート40を行う。
このような合成スラブ構造100の施工方法を行うことにより、上記の合成スラブ構造100が施工される。
本実施形態に係る合成スラブ構造100によれば、CLTパネル30を大梁10A,10Bの上に載置する前に、CLTパネル30とデッキプレート20とを接合することにより、CLTパネル30とデッキプレート20とを別々に、大梁10A,10Bの上に載置する必要をなくすことができる。その結果、施工現場における施工時間の短縮を図ることができる。
また、この合成スラブ構造100によれば、CLTパネル30を大梁10A,10Bの上に載置する前に、ボルト5を用いてCLTパネル30とデッキプレート20とを接合することにより、作業者の高所作業を減らすことができる。
[第4実施形態に係る合成スラブ構造の施工方法]
次に、第4実施形態に係る合成スラブ構造の施工方法について説明する。図7は、第4実施形態に係る合成スラブ構造の施工方法の手順を示す工程図である。第4実施形態に係る合成スラブ構造の施工方法が、第3実施形態に係る合成スラブ構造の施工方法と違う点は、CLTパネル30を大梁10A,10Bの上に載置した後に、デッキプレート20を載置する点である。なお、第4実施形態の説明において、第3実施形態の説明と同じ説明は省略する。
図7に示されるように、第4実施形態に係る合成スラブ構造100の施工方法は、CLTパネル30を大梁10A,10Bの上に載置する工程(工程S21)と、CLTパネル30の上にデッキプレート20を載置する工程(工程S22)と、ボルト5を用いてデッキプレート20とCLTパネル30とを接合する工程(工程S12)と、デッキプレート20の上にRCスラブ50を形成する工程(工程S14)と、を含む。これらの工程は、工程S21、工程S22、工程S12、工程S14の順に実施される。このような順番で各工程を行うことにより、合成スラブ構造100を施工してもよい。
本実施形態に係る合成スラブ構造100によれば、CLTパネル30を大梁10A,10Bの上に載置する前に、CLTパネル30とデッキプレート20とを接合することにより、CLTパネル30とデッキプレート20とを別々に、大梁10A,10Bの上に載置する必要をなくすことができる。その結果、施工現場における施工時間の短縮を図ることができる。
本実施形態の合成スラブ構造の施工方法によれば、CLTパネル30を大梁10A,10Bの上に載置した後に、大梁10A,10Bの上に載置したCLTパネル30の上にデッキプレート20を載置することにより、CLTパネル30とデッキプレート20を別々に、大梁10A,10Bの上に載置できる。大梁10A,10Bの上にCLTパネル30及びデッキプレート20を吊り上げる際に、CLTパネル30とデッキプレート20とを分けて吊り上げることができるので、一度に吊り上げる部材の重量を軽減できる。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
100:合成スラブ構造
2:柱
5:ボルト(棒状の固定部材、ラグスクリューボルト、コーチスクリューボルト)
6:ボルト穴
8:スタッド
10,10A,10B:大梁(梁)
11:ウェブ
12:上フランジ
13:下フランジ
20:デッキプレート
22:山部
24:谷部
26:天板
27:底板
28,29:傾斜板
30:CLTパネル(木質面材)
32,34,36:層
50:鉄筋コンクリートスラブ
60:デッキスラブ
70:補強部材(ナット)
80:耐火被覆
90:吸音材
120:鉄筋
150:鉄筋
G1:隙間
X:X軸方向
Y:Y軸方向
Z:Z軸方向

Claims (9)

  1. 山部と谷部を交互に備えたデッキプレートと、前記デッキプレートの上にある鉄筋コンクリートスラブとにより形成される、デッキスラブと、
    前記デッキプレートの下方にあり、前記デッキプレートに対して棒状の固定部材を介して接合されている、木質面材と、により合成スラブが形成され、
    前記デッキプレートの前記山部と前記木質面材との間には、隙間が形成されており、
    前記木質面材が梁に支持されていることを特徴とする、合成スラブ構造。
  2. 前記棒状の固定部材は、ボルトであり、
    前記デッキプレートの前記谷部には、前記ボルトが挿通される穴が形成され、
    前記谷部の上面における前記穴に対応する位置には、前記穴の周辺を補強する筒状の補強部材が固定され、
    前記ボルトは、筒状の補強部材に挿通されて、前記筒状の補強部材から前記デッキプレートとは反対側に突出し、
    前記補強部材及び該補強部材から突出する前記ボルトの部分は、前記鉄筋コンクリートスラブに埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の合成スラブ構造。
  3. 前記ボルトが、ラグスクリューボルト、またはコーチスクリューボルトであることを特徴とする請求項2に記載の合成スラブ構造。
  4. 前記梁の上面には、前記梁の長手方向と交差する方向に延設する複数の前記木質面材の端部が相互に離間を置いて載置され、
    前記梁の上の前記離間には、コンクリートが打設されて、前記鉄筋コンクリートスラブと前記梁とが一体化されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の合成スラブ構造。
  5. 前記梁の上の前記離間には、前記コンクリートに埋め込まれるスタッドが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の合成スラブ構造。
  6. 前記木質面材が、CLTパネルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の合成スラブ構造。
  7. 前記隙間には、その一部もしくは全部に吸音材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の合成スラブ構造。
  8. 山部と谷部を交互に備えたデッキプレートの前記谷部を木質面材に接触させ、前記山部と前記木質面材との間に隙間を形成するように、前記木質面材の上に前記デッキプレートを載置する工程と、
    棒状の固定部材を用いて前記デッキプレートと前記木質面材を接合する工程と、
    前記デッキプレートが接合された前記木質面材を梁の上に載置する工程と、
    前記デッキプレートの上に鉄筋コンクリートスラブを形成する工程と、を含むことを特徴とする合成スラブ構造の施工方法。
  9. 木質面材を梁の上に載置する工程と、
    山部と谷部を交互に備えたデッキプレートの前記谷部を前記木質面材に接触させ、前記山部と前記木質面材との間に隙間を形成するように、前記木質面材の上に前記デッキプレートを載置する工程と、
    棒状の固定部材を用いて前記デッキプレートと前記木質面材を接合する工程と、
    前記デッキプレートの上に鉄筋コンクリートスラブを形成する工程と、を含むことを特徴とする合成スラブ構造の施工方法。
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