JP7364267B2 - 木造建物の構造 - Google Patents

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Description

本発明は、新しい木造建物の構造に関する。
従来の木造建物の構造は、柱、梁及び土台を軸として構成される木造軸組構造、又は、複数の平板を組み合わせてこれらを面として組み合わせて構成される木造枠組壁構造(2×4構造)が一般的である。
木造軸組構造は日本で最も多くの木造建物に用いられている伝統的なものであり、タテ木として種々の柱、ヨコ木として土台や梁などを組み上げた構造で、柱や梁などの縦横の軸が上からの荷重を支える。そして、これらの軸組の上に床材などを敷き詰めて床を形成する。このように、木造軸組構造は、線状の木材で組み上げられるため、構造的な制約が少なく、間取りやデザインの自由度が高い。
一方、木造枠組壁構造は、米国などで多く用いられているもので、規定の木材を用いて枠組を作り、そこに合板を貼った木製パネルで箱を作るようにして建てられる構造である。上記の木造軸組構造が「軸」なのに対して、「面」で構成されていて、柱の代わりに壁、梁の代わりに床や天井で支えられる。また、木造軸組構造に比べて、施工が比較的容易で職人の技量に左右されず工期も短い。
上記した通り、従来の木造軸組構造は、構造的な制約が少なく間取りやデザインの自由度が高い反面、施工が難しく職人の技量によって左右されるという課題がある。また、工期も比較的長い。一方、木造枠組壁構造は、施工が比較的容易で職人の技量に左右されず工期も短い反面、制約があり自由度が低いという課題がある。また、木造枠組壁構造は、職人の技量に左右されにくいが、我が国においては木造軸組構造が主流であるため、この施工に対応できる職人はまだ少ないという課題もある。
本発明の目的は、従来の木造軸組構造よりも施工が容易で工期が短く、木造枠組壁構造よりも制約が少なく自由度が高い新しい木造建物の構造を提供することにある。
本発明に係る一の態様の木造建物の構造は、第1方向に延びる長板が並んで接着された第1平板部と、第1方向に直交する第2方向に延びる長板が並んで接着された第2平板部とが交互に積層された板材と、複数の柱材と、を備え、前記複数の柱材の上方に前記板材が配され、該複数の柱材と該板材が接合され、前記複数の柱材には、第1方向又は第2方向に沿って、離間して配された2本の柱材が含まれることを特徴とする。
この構成によれば、従来の木造軸組構造におけるタテ木はそのまま柱を用い、梁などのヨコ木として板材の長板で構成される平板部が担うことで、従来の木造軸組構造の枠組みに収まるものでありながら、横架材が不要になることで施工の容易性や工期の短縮を図ることが可能となる。
また、この構造は従来の木造軸組構造の枠組みに収まるものであるため、我が国の職人の対応も比較的容易である。さらには、ヨコ木を板材に置きかえることで、床の遮音性能の向上や、面内せん断剛性の向上なども期待できる。なお、第1方向又は第2方向に沿って離間して配された2本の柱材に挟まれた板材の平板部が梁として機能することになる。
また、この木造建物の構造は、前記板材が前記複数の柱材の端部がそれぞれ嵌合する複数の穴を有し、前記複数の柱材の上方に前記板材が配され、該複数の柱材の端部が、該板材の穴にそれぞれ嵌合して取り付けられる構成とすることができる。
また、この木造建物の構造は、前記複数の柱材が端部に前記板材と接合するための突部を有し、前記複数の柱材の上方に前記板材が配され、該複数の柱材の前記突部が、該板材の前記穴にそれぞれ嵌合して取り付けられる構成とすることができる。
また、この木造建物の構造は、前記複数の柱材が、所定数の柱材が前記第1方向に沿って配され、該所定数の柱材からなる柱材列が、前記第1方向と平行に前記第2方向に沿って列状に配されている構成とすることを特徴とする。
また、この木造建物の構造は、前記板材と前記柱材とで構成される面に、板状の面材がさらに取り付けられていることが望ましい。
また、この木造建物の構造は、前記板材と一の柱材の接合部と、該板材と他の柱材の接合部とを対角線上に結ぶ線状材が設けられていることが望ましい。
また、この木造建物の構造は、前記柱材と前記板材の接合部にこれらを固定する金物が取り付けられていることが望ましい。
また、この木造建物の構造は、木造建物の下方に配される土台をさらに備え、前記複数の柱材と前記土台が接合されている構成とすることができる。
また、この木造建物の構造は、前記柱材と前記板材と前記土台とで構成される面に、板状の面材がさらに取り付けられていることが望ましい。
また、この木造建物の構造は、前記柱材と前記土台の接合部にこれらを固定する金物が取り付けられていることが望ましい。
また、この木造建物の構造は、前記土台に代えて木造建物の基礎の上に前記板材を配する、又は、前記土台の上に前記板材を配する構成とすることができる。
また、この木造建物の構造は、前記離間して配された2本の柱材が第1方向に沿って配され、該2本の柱材に挟まれた前記板材の前記第1平板部が梁として機能することを特徴とする。
また、この木造建物の構造は、前記離間して配された2本の柱材が第2方向に沿って配され、該2本の柱材に挟まれた前記板材の前記第2平板部が梁として機能することを特徴とする。
また、本発明に係る一の態様の木造建物の構造は、第1方向に延びる長板が並んで接着された第1平板部と、第1方向に直交する第2方向に延びる長板が並んで接着された第2平板部が交互に積層された板材と、端部に前記板材と接合するための突部を有する複数の柱材と、を備え、前記板材は、前記複数の柱材の突部がそれぞれ嵌合する複数の穴を有し、前記複数の柱材の上方に前記板材が、前記突部を前記穴に嵌合して取り付けられ、前記板材の第1平板部が梁として機能し、第2平板部が根太として機能することを特徴とする。
この構成によれば、従来の木造軸組構造におけるタテ木はそのまま柱を用い、梁などのヨコ木として板材の第1方向に延びる長板で構成される第1平板部が担うことで、従来の木造軸組構造の枠組みに収まるものでありながら、横架材が不要になることで施工の容易性や工期の短縮を図ることが可能となる。また、板材の第2方向に延びる長板で構成される第2平板部が従来の木造軸組構造における床の軸組である根太を担い、根太が不要になることでも施工の容易性や工期の短縮が図られる。
また、この構造は従来の木造軸組構造の枠組みに収まるものであるため、我が国の職人の対応も比較的容易である。さらには、ヨコ木を板材に置きかえることで、床の遮音性能の向上や、面内せん断剛性の向上なども期待できる。
また、この木造建物の構造は、前記板材が、前記第1平板部と前記第2平板部とが交互に積層され、該板材の上面及び下面には前記第1平板部が露出するように積層されていることが好ましい。この構成によれば、板材の上面及び下面に第1平板部が配され、これに挟み込まれるように、第2平板部が挟まれ(3層の場合)、又は、第1平板部、第2平板部、第1平板部が交互に積層されている(5層以上の場合)。これにより、梁などの横架材に相当する第1平板部が第2平板部よりも1枚多く積層されることとなり、横架材に相当する部分の強度が向上する。
または、前記板材が、前記第1平板部と前記第2平板部とが交互に積層され、最上面及び最下面には前記第1平板部が配されていて、これらを挟み込むように、最上面の上及び最下面の下に、さらに前記第1平板部がそれぞれ配されている構成としてもよい。この構成によれば、板材の最上面及び最下面に第1平板部が配され、これに挟み込まれるように、第1平板部、第2平板部、第1平板部と交互に積層されている。これにより、梁などの横架材に相当する第1平板部が第2平板部よりも3枚多く積層されることとなり、横架材に相当する部分の強度がさらに向上する。
また、この木造建物の構造は、前記板材が有する穴が、少なくとも最上面又は最下面に露出した第1平板部を貫通する深さの穴であるとよい。この構成によれば、柱材と嵌合する穴が少なくとも第1平板部を貫通することで、確実に柱材と板材とを固定できる。
また、この木造建物の構造は、木造建物の下方に配される土台をさらに備え、前記複数の柱材は、両端部に前記突部を有し、前記土台は、前記複数の柱材の突部がそれぞれ嵌合する複数の穴を有し、前記複数の柱材の下方に前記土台が、前記突部を前記穴に嵌合して取り付けられる構造としてもよい。この構成によれば、従来の木造軸組構造に近い構造となり、従来の木造軸組構造の職人の施工がしやすい。
また、この木造建物の構造は、前記柱材と前記板材の接合部と、前記柱材と前記土台の接合部とを対角線上に結ぶ線状材が設けられていることが好ましい。ここで、線状材には、長板状の板材からなる筋交いや、鉄筋やアングルなど型鋼からなるブレースが含まれる。この構成によれば、木造建物の強度や耐震性が向上する。
また、この木造建物の構造は、前記板材を複数備え、第1の板材は、前記複数の穴が上面及び下面に設けられ、第2の板材は、前記複数の穴が少なくとも下面に設けられ、前記複数の柱のうち第1の柱群の上方に第1の板材が、該第1の柱群の一方の突部を該第1の板材の下面の穴に嵌合して取り付けられ、前記第1の柱群の下方に前記土台が、該第1の柱群の他方の突部を該土台の穴に嵌合して取り付けられ、前記複数の柱のうち第2の柱群の上方に第2の板材が、該第2の柱群の一方の突部を該第2の板材の下面の穴に嵌合して取り付けられ、前記第2の柱群の下方に第1の板材が、該第2の柱群の他方の突部を該第1の板材の上面の穴に嵌合して取り付けられている。
また、この木造建物の構造は、前記第1の板材と前記第2の柱群の柱との接合部と、前記第2の板材と前記第2の柱群の柱との接合部とを対角線上に結ぶ線状材が設けられていることが好ましい。この構成によれば、長板状の板材からなる筋交いや鉄筋やアングルなど型鋼からなるブレースなどの線状材を設けることで、木造建物の強度や耐震性が向上する。
また、この木造建物の構造は、前記第1の板材と前記第2の板材と前記柱材とで構成される面に、板状の面材がさらに取り付けられている構成としてもよい。この構成によれば、上記した線状材に代えて、合板等の面材を設けることで、木造建物の強度や耐震性の向上を図ることができる。
また、この木造建物の構造は、前記柱材と前記板材と前記土台とで構成される面に、板状の面材がさらに取り付けられている。この構成によれば、木造建物の強度や耐震性の向上を図ることができる。
また、木造建物の構造は、前記柱材と前記板材の接合部にこれらを固定する金物が取り付けられ、前記柱材と前記土台の接合部にこれらを固定する金物が取り付けられていることが好ましい。この構成によれば、接合部の強度や耐震性が向上する。
また、木造建物の構造は、前記土台に代えて木造建物の基礎の上に前記板材を配する、又は、前記土台の上に前記板材を配する構成としてもよい。この構成によれば、従来の木造軸組構造における土台が不要となり、さらに施工が容易となり、工期も短縮できる。
また、木造建物の構造は、前記複数の柱材は、所定数の柱材が前記第1方向に沿って配され、該所定数の柱材からなる柱材列が、前記第1方向と平行に前記第2方向に沿って列状に配されていることが好ましい。複数の柱材をこのように配することで、板材の第1平板部の第1方向に延びる長板が横架材としての機能を効果的に発揮する。
本発明に係る一の態様の木造建物の構造は、第1方向に延びる長板が並んで接着された第1平板部と、第1方向に直交する第2方向に延びる長板が並んで接着された第2平板部とが交互に積層された板材と、複数の柱材と、を備え、前記板材は、前記複数の柱材の端部がそれぞれ嵌合する複数の穴を有し、前記複数の柱材の上方に前記板材が配され、該複数の柱材が、該板材の穴にそれぞれ嵌合して取り付けられ、前記板材の第1平板部が梁として機能し、第2平板部が根太として機能し、前記複数の柱材は、所定数の柱材が前記第1方向に沿って配され、該所定数の柱材からなる柱材列が、前記第1方向と平行に前記第2方向に沿って列状に配されている。この木造建物の構造は、柱材に突部を設けず、板材の穴に柱材の突部でなく柱材の端部を穴に嵌合する構造である。板材の第1平板部の長板が横架材として機能し、第2平板部の長板が根太として機能するため、従来の軸組構造の枠組みに収まりながら、施工が容易となり工期の短縮を図ることができる。同時に、床の遮音性能の向上や、面内せん断剛性の向上なども期待できる。
本発明に係る一の態様の木造建物の構造は、第1方向に延びる長板が並んで構成される第1平板部と、第1方向に直交する第2方向に延びる長板が並んで構成される第2平板部とが交互に積層された板材と、複数の柱材と、を備え、前記複数の柱材の上方に前記板材が配され、該複数の柱材と該板材が接合され、前記板材の第1平板部が梁として機能し、第2平板部が根太として機能し、前記複数の柱材は、所定数の柱材が前記第1方向に沿って配され、該所定数の柱材からなる柱材列が、前記第1方向と平行に前記第2方向に沿って列状に配されている。この木造建物の構造は、板材の穴を設けず、板材と柱材とを金物等で固定する構造である。
本発明によれば、従来の木造軸組構造よりも施工が容易で工期が短く、木造枠組壁構造よりも制約が少なく自由度が高い。
本発明の一実施形態に係る木造建物の構造を示す模式図である。 柱材と土台との接合部を示す説明図である。 柱材と板材との接合部を示す説明図である。 柱材と板材を示す説明図である。 板材と従来の木造軸組構造の構成部材との対応を示す説明図である。 筋交いを取り付けた木造建物の構造を示す模式図である。 柱材と土台との接合部を示す説明図である。 木造建物の構造の変形例を示す模式図である。 木造建物の構造の変形例を示す模式図である。 木造建物の構造の変形例の柱材と板材との接合部を示す説明図である。
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づき説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。本実施形態においては、一例として2階建ての木造建物の構造について説明するが、本発明は1階建てや3階建て以上の木造建物にも適用可能である。また、本実施形態においては、一例として板材に2つの第1平板部で1つの第2平板部を挟み込んだ3層構造の板材を用いて説明するが、本発明に用いる板材は5層や7層など、3層以上の板材も適用可能である。
<木造建物の構造>
図1は本発明の一実施形態に係る木造建物の構造を示す模式図である。図2は柱材と土台との接合部を示す説明図である。図3は柱材と板材との接合部を示す説明図である。図4は柱材と板材を示す説明図である。図5は板材と従来の木造軸組構造の構成部材との対応を示す説明図である。
図1に示すように、木造建物10は、2階建ての構造であって、下方の基礎4と、基礎の上に土台3と、複数の柱材2と、2つの板材1と、を主要な構成として備える。なお、図1では屋根部がない構成としているが、従来の木造軸組構造と同様の屋根部の構造を用いてもよい。
基礎4は、従来の木造軸組構造と同様、鉄筋とコンクリートで形成され、地面に敷設されている。土台3は、例えば檜などを使用した木製のヨコ材であり、基礎4とアンカーボルトで固定されている。また、土台3の上面には、複数の穴31が設けられていて、柱材2の突部21と嵌合する(図2参照)。
柱材2は、例えば杉などを使用した木製のタテ材であり、下端に突部21と、上端に突部22が設けられている(図4参照)。また、柱材2の突部21と土台3の穴31とが嵌合した接合部には、柱材2と土台3に渡るようにネジ止めされた金物5を補強材として用いる(図2参照)。
図3、図4、図5に示すように、板材1は、第1方向Xに延びる木製の長板が複数並んで接着された第1平板部11と、第1方向に直交する第2方向Yに延びる木製の長板が複数並んで接着された第2平板部12が交互に積層され、これらが接着されてなる板材である。具体的には、本実施形態の板材1は、対向する2枚の第1平板部11の間に、1枚の第2平板部12が介在するように積層された3層構造である。
なお、板材1の3層構造は、本実施形態の一例であり、第1平板部11が3枚と、これらの各間に第2平板部12が2枚介在した5層構造や、第1平板部11が4枚と第2平板部12が3枚の7層構造、また下方から順に2枚の第1平板部11、1枚の第2平板部12、1枚の第1平板部11、1枚の第2平板部12、2枚の第1平板部11とする7層構造などを用いてもよい。また、各長板は同寸の幅のものを用いてもよいが、幅が異なる寸法の長板を用いて平板部を構成することも可能である。
また、木造建物10において板材1は2つ用いられていて、1つは木造建物10の1階の天井と2階の床となる下方の板材1(下方の板材を「1A」と称する)であり、もう1
つは2階の天井となる上方の板材1(上方の板材を「1B」と称する)である。下方の板材1Aは、下面に1階の柱となる複数の柱材2に対応する位置に、柱材2の上端の突部22が嵌合する穴13が複数形成されている。また、同下方の板材1Aは、上面に2階の柱となる複数の柱材2に対応する位置に、下端の突部21が嵌合する穴13が複数形成されている(図4参照)。
そして、この板材1Aの下面の穴13と、1階部分の柱材2の突部22とが嵌合したそれぞれの接合部には、板材1Aと柱材2に渡るようにネジ止めされた金物が補強材として用いられている。また、この板材1Aの上面の穴13と、2階部分の柱材2の突部21とが嵌合したそれぞれの接合部には、同様に板材1Aと柱材2に渡るようにネジ止めされた金物が補強材として用いられている(図3の符号6参照)。
一方、木造建物10の2階の天井となる上方の板材1Bは、下面に2階の柱となる複数の柱材2に対応する位置に、柱材2の上端の突部22が嵌合する穴13が複数形成されている。そして、この板材1Bの下面の穴13と、1階部分の柱材2の突部22とが嵌合したそれぞれの接合部には、板材1Bと柱材2に渡るようにネジ止めされた金物が補強材として用いられている。
図5に示すように、この板材1は、第1平板部11の第1方向Xに延びる複数の長板が、従来の木造軸組構造における梁や桁などの横架材に相当する。これにより、そして、第2平板部12の第2方向Yに延びる長板が、従来の木造軸組構造における床板を支えるための床下に渡す横木、すなわち根太に相当する。
この構成により、柱と横架材に相当する第1平板部11の長板とで、従来の木造軸組構造と同様の構造を有することとなる。さらに、第2平板部12の長板が根太に相当するため、従来の軸組構造における横架材及び根太、すなわち在来の木造軸組構造の水平構面を、第1平板部11及び第2平板部12が積層された板材1に置き換えることができる。これにより、従来の軸組構造における横架材や軸組に敷き詰める床材が不要になることで、施工が容易となり、工期の短縮が可能となり、くわえて、床の遮音性能の向上、面内せん断剛性の向上も図ることができる。
<変形例1>
図6は筋交いを取り付けた木造建物の構造を示す模式図である。図7は柱材と土台との接合部を示す説明図である。図6、図7に示すように、本実施形態の木造建物は、柱材2と土台3の接合部と、柱材2と板材1の接合部を対角線上に結ぶ筋交いが設けられていてもよい。また、柱材2と板材1の接合部同士を対角線上に結ぶ筋交いが設けられていてもよい。
具体的には、図7に示すように、柱材2と土台3の接合部から、図示しない隣の柱材2と板材1の下面の接合部に向けて筋交い7を取り付ける。また、筋交い7は、一例として柱材2に金物8によって固定されている。なお、金物8の形状は一例であり、別の構造の金物を用いてもよい。また、本実施形態は片筋交いを取り付けた一例であり、両筋交いを取り付けることも可能である。
このように、本実施形態の木造建物の構造は、従来の木造軸組構造と同様に筋交いを取り付けることが可能であり、各接合部同士を対角線上に結ぶ筋交いを設けることで、強度や耐震性を向上することが可能となる。
<変形例2>
また、図8は木造建物の構造の別の変形例を示す模式図である。上記実施形態との主な
相違点は、土台3を板材1にした点である。これにより、基礎4の上に土台3を組むこと及び別途床材を敷き詰める必要がなく、板材1と基礎4とを固定することで足り,さらに施工が容易となる。
<変形例3>
図9は木造建物の構造の別の変形例を示す図であり、面材を取り付けた構造を示す模式図である。図9に示すように、本実施形態の木造建物は、2つの柱材2と土台3と板材1で囲われる面と、2つの柱材2と2つの板材1で囲われる面とに、面材9が設けられていてもよい。このように面材を設けることで、強度や耐震性を向上することが可能となる。
<変形例4>
図10は木造建物の構造の別の変形例を示す図であり、板材の穴に柱材を嵌合する木造建物の構造を示す板材と柱材との接合部を示す図である。図10に示すように、本実施形態の木造建物は、柱材2の端部を板材1の穴に嵌合する構造である。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。
1 板材
11 第1平板部
12 第2平板部
13 穴
2 柱材
21 突部
22 突部
3 土台
31 穴
4 基礎
5 金物
6 金物
7 筋交い
8 金物
9 面材
10 木造建物

Claims (12)

  1. 第1方向に延びる長板が並んで接着された第1平板部と、第1方向に直交する第2方向に延びる長板が並んで接着された第2平板部とが交互に積層された板材と、複数の柱材と、を備え、
    前記複数の柱材の上方に前記板材が配され、該複数の柱材と該板材が接合され、
    前記複数の柱材には、第1方向又は第2方向に沿って、離間して配された2本の柱材が含まれ、第1方向又は第2方向に沿って離間して配された2本の柱材に挟まれた板材の平板部が梁として機能し、
    前記板材と一の柱材の接合部と、該板材と他の柱材の接合部とを対角線上に結ぶ、長板状の板材からなる筋交いや、鉄筋やアングルなど型鋼からなるブレースが含まれる線状材が設けられている、
    木造建物の構造。
  2. 前記板材は、前記複数の柱材の端部がそれぞれ嵌合する複数の穴を有し、
    前記複数の柱材の上方に前記板材が配され、該複数の柱材の端部が、該板材の穴にそれぞれ嵌合して取り付けられる、
    請求項1に記載の木造建物の構造。
  3. 前記複数の柱材は、端部に前記板材と接合するための突部を有し、
    前記複数の柱材の上方に前記板材が配され、該複数の柱材の前記突部が、該板材の前記穴にそれぞれ嵌合して取り付けられる、
    請求項2に記載の木造建物の構造。
  4. 前記複数の柱材は、所定数の柱材が前記第1方向に沿って配され、該所定数の柱材からなる柱材列が、前記第1方向と平行に前記第2方向に沿って列状に配されている、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の木造建物の構造。
  5. 前記板材と前記柱材とで構成される面に、板状の面材がさらに取り付けられている、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の木造建物の構造。
  6. 前記柱材と前記板材の接合部にこれらを固定する金物が取り付けられている、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の木造建物の構造。
  7. 木造建物の下方に配される土台をさらに備え、
    前記複数の柱材と前記土台が接合されている、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の木造建物の構造。
  8. 前記柱材と前記板材と前記土台とで構成される面に、板状の面材がさらに取り付けられている、
    請求項7に記載の木造建物の構造。
  9. 前記柱材と前記土台の接合部にこれらを固定する金物が取り付けられている、
    請求項7又は8に記載の木造建物の構造。
  10. 前記土台に代えて木造建物の基礎の上に前記板材を配する、
    又は、前記土台の上に前記板材を配する、
    請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の木造建物の構造。
  11. 前記離間して配された2本の柱材が第1方向に沿って配され、該2本の柱材に挟まれた前記板材の前記第1平板部が梁として機能する、
    請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の木造建物の構造。
  12. 前記離間して配された2本の柱材が第2方向に沿って配され、該2本の柱材に挟まれた前記板材の前記第2平板部が梁として機能する、
    請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の木造建物の構造。
JP2022032204A 2018-03-29 2022-03-03 木造建物の構造 Active JP7364267B2 (ja)

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