JP7499195B2 - 梁床接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、梁床接合構造に関し、特に、木製梁と、該木製梁の上面に現場打ちコンクリートを打設して形成されるコンクリート製床スラブとを、一体として接合するための梁床接合構造に関する。
例えば中低層の建築物においては、木造の建築物は躯体の全体が木材を用いて建築されており、鉄筋コンクリート造の建築物は躯体の全体がコンクリートを用いて建築されているのが一般的である。また近年、好ましくは木材による集成材を用いることで、大断面の構造部材を形成できるようになったことから、より大型の建築物を、木造の建築物として建築することも可能になっているが、その一方で、集成材による木材を用いた場合でも、木材だけでは建築物を大型化するには限度がある。
このようなことから、木材による構造部分とコンクリートによる構造部分とを合体させることで、コンクリートによる強度の増加と、木材による温もりのある外観や内観を兼ね備えた、木材及びコンクリートによる複合構造を有する建築物が、種々開発されている。またこのような建築物の複合構造として、例えば、好ましくは木製の現し梁に支持させて、これの上面にコンクリート製の床スラブを設けた梁床接合構造が提案されており、さらに、木製梁の上面に設けられる床スラブを、現場打ちコンクリートを用いて形成することで、木製梁と床スラブとの一体化を容易に図れるようにする技術も開発されている(例えば、特許文献1~3参照)。例えば木製の現し梁を用いることで、木質感のある空間を提供することが可能になり、コンクリート製の床スラブは、上下階の音や床振動などの居住性を確保するのに有効であり、さらに耐火性能を有する木製梁が開発されたことで、耐火制限を受ける物件でも木製梁を使用できるようになっている。
また、特許文献1~3に記載の木製梁と現場打ちコンクリートによる床スラブとの梁床接合構造では、木製梁とコンクリート製の床スラブとの接合部に沿ったせん断方向の力を、これらの部材間で伝達できるように、木製梁の上面に平面視して交差する溝を設けて、これらの溝に現場打ちコンクリートを充填して固化させたり(特許文献1参照)、木製梁の上面にラグスクリューを介して固定した、凹凸を備えるセメント硬化体を巻き込むようにして現場打ちコンクリートを打設したり(特許文献2参照)、木製梁の上面から鋼板や鋼棒を突出させて、これらの鋼材を巻き込むようにして現場打ちコンクリートを打設したりすることで(特許文献3参照)、せん断耐力を確保できるようにしている。
特許第5930609号公報 特許第6010430号公報 特許第6592958号公報
しかしながら、特許文献1~3に記載の木製梁と現場打ちコンクリートによる床スラブとの梁床接合構造では、木製梁の上面に平面視して交差する溝を加工する作業や、凹凸を備えるセメント硬化体を形成する作業や、鋼板や鋼棒を加工したり取り付けたりする作業に、多くの手間を要することになると共に、長期間に亘ってより安定した状態でせん断耐力を確保できるようにする、新らたな梁床接合構造の開発が望まれている。
本発明は、多くの手間を要することなく、簡易に形成できると共に、長期間に亘ってより安定した状態でせん断耐力を確保することのできる木製梁と現場打ちコンクリートによる床スラブとの梁床接合構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る梁床接合構造は、木製梁と、前記木製梁の上面に現場打ちコンクリートを打設して形成されたコンクリート製床スラブとを一体として接合するための梁床接合構造であって、前記木製梁と前記コンクリート製床スラブとの接合部に設けられて、前記接合部に沿ったせん断方向の力をこれらの部材間で伝達させるせん断力伝達手段を有しており、前記せん断力伝達手段は、前記木製梁の上面に形成された、複数の三角断面形状の凸部が前記木製梁の軸方向に沿って連続するノコギリ刃状の断面形状を備えるシアコッター面部と、前記シアコッター面部の前記三角断面形状の凸部間の凹部に、打設されたコンクリートが入り込んで固化することで前記コンクリート製床スラブの下面部に形成された、前記シアコッター面部の複数の前記凸部と各々噛合する複数の噛合凸部を有する噛合下面部と、を含んで形成されている。
本発明の木製梁と現場打ちコンクリートによる床スラブとの梁床接合構造によれば、多くの手間を要することなく、簡易に形成できると共に、長期間に亘ってより安定した状態でせん断耐力を確保することができる。
本発明の第1実施形態に係る梁床接合構造のa)正面図模式図、(b)木製梁の上面図、(c)A-A’に沿った断面図模式図である。 本発明の第1実施形態に係る梁床接合構造のシアコッター面の形状を説明するための断面模式図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る梁床接合構造の(a)正面図模式図、(b)木製梁の上面図、(c)A-A’に沿った断面図模式図である。 本発明の第2実施形態に係る梁床接合構造の(a)正面図模式図、(b)木製梁の上面図、(c)A-A’に沿った断面図模式図である。 本発明の第3実施形態に係る梁床接合構造の(a)正面図模式図、(b)木製梁の上面図、(c)A-A’に沿った断面図模式図である。 本発明の第4実施形態に係る梁床接合構造の(a)正面図模式図、(b)木製梁の上面図、(c)A-A’に沿った断面図模式図である。 本発明の他の好ましい実施形態に係る梁床接合構造の断面図である。 本発明のさらに他の好ましい実施形態に係る梁床接合構造の断面図である。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る梁床接合構造の(a)正面図模式図、(b)木製梁の上面図(コンクリート流し込み前)、(c)A-A’に沿った断面図模式図である。図2は、本実施形態に係る梁床接合構造のシアコッター面の形状を説明するための(a)断面模式図、(b)部分拡大断面模式図である。
梁床接合構造10は、例えば、図1(a)に示すように、木製梁11と、木製梁11の上面に現場打コンクリートを打設して形成されたコンクリート製床スラブ12とを一体として接合するめの接合構造である。梁床接合構造10は、木製梁11とコンクリート製床スラブ12との接合部に設けられる。
木製梁11は、荷重を支持する木製の部材である。木製梁11は、骨組み構造を構成する構造用木材として公知の、種々の材質の木製の梁材を用いて形成することができる。木製梁11は、好ましくは、例えば、特開2007-268731号公報に記載されるような、小径木の丸太から製材した板材を、接着剤を介して複数重層することによって得られる集成材を用いて形成することができる。木製梁11は、構造用木材として一般的に流通している、幅が、例えば、45mm~200mm程度の構造用木材を、単独で、または幅方向に重ね合わせて用いられる。木製梁11は、例えば、構造用木材の横方向の幅(横幅)が、45mm~1500mm程度、横方向と垂直な縦方向の幅(縦幅)が、90mm~1500mm程度の大きさの、矩形(正方形を含む)の断面形状を有するように形成される。また、木製梁11は、例えば、3000mm~15000mm程度の長さを有するように形成される。木製梁11は、これと垂直方向に延設する他の木製梁部材や、柱部材に両側の端部を支持されて、これらの部材の間に架設された状態で取り付けられている。
コンクリート製床スラブ12は、床構造を作り、面に垂直な荷重を支えるための板であり、コンクリートで作られている。コンクリート製床スラブ12は、例えば、鉄筋コンクリートにより形成される。コンクリート製床スラブ12は、コンクリート製床スラブ12を形成するコンクリートを現場打で木製梁11の上面に流し込み、流し込んだコンクリートを木製梁11のシアコッター面部15に入り込ませて硬化させることで木製梁11と一体化されている。これにより、木製梁11とコンクリート製床スラブ12との接合部にせん断力伝達手段が設けられる。せん断力伝達手段は、接合部に沿ったせん断方向の力を2つの部材間、すなわち、木製梁11とコンクリート製床スラブ12との間で伝達させる。
木製梁11の上面に打設される現場打コンクリートは、建築工事に用いられている、公知の種々のまだ固まらない流動状態のコンクリートを用いることができる。現場打コンクリートは、例えば、各隣接する木製梁11の間の領域に組み立てられた仮設の型枠支保工や、各隣接する木製梁11の間に架設されたデッキプレートの上方に、適宜鉄筋を配筋した後に所定の厚さで打設されて、固化することにより、所定の厚さのコンクリート製床スラブ12を形成する。
木製梁11とコンクリート製床スラブ12との接合部に設けられて、この接合部に沿ったせん断方向の力をこれらの部材間で伝達させるせん断力伝達手段は、シアコッター面部15と、噛合下面部14と、断面拡幅コンクリート部13と、を含んで形成される。シアコッター面部15は、木製梁11の上面に形成された、複数の三角断面形状の凸部15aが木製梁11の軸方向Xに沿って連続するノコギリ刃状の断面形状を備える。シアコッターは、凹み部分に後からコンクリートを打ち込み、引っ掛かりができる接合部であり、例えば、コンクリートと木材や、コンクリート床版と鉄骨梁など2つの部材を接合して一体化するために用いられる。そのため、シアコッターは、2つの部材の接合部に生じるせん断力に抵抗する部材である。
そして、シアコッター面部15は、複数の三角断面形状の凸部15aが木製梁11の軸方向Xに沿って連続するノコギリ刃状の断面形状を備えていることにより、木製梁11の上面全体(またはコンクリート製床スラブ12の底面)をせん断破壊面とすることが可能になる。これにより、梁床接合構造10は、木製梁11の上面に突起部分(もしくは「矩形断面形状の凸部」)を形成しただけの従来の梁床接合構造に比べて、せん断破壊面のせん断に有効な長さ(面積)が稼げるので、より大きなせん断耐力を得ることが可能になる。
図2に示すように、シアコッター面部15を構成する三角断面形状の凸部15aは、隣接する凸部15aの頂部15eの間のピッチ(d、d’)が、木製梁11の軸方向Xの中央部分よりも両端部分の方が狭くなった状態で、木製梁11の軸方向Xに沿って連続している。つまり、凸部15aは、木製梁11の端部においては、ピッチ(d=50~500mm)が狭く、中央部分に近づくにつれてピッチ(d’=500~1500mm)が広くなり、再び端部へ近づくにつれて、ピッチ(d)が狭くなるような形状となっている。
シアコッター面部15を構成する凸部15aは、頂部15eから緩勾配(θ=5~30°)で傾斜する緩傾斜面部15dと頂部15eから急勾配(θ=60~90°)で傾斜する急傾斜面部15cとを有する三角断面形状を備えている。緩傾斜面部15dと急傾斜面部15cとを有する三角断面形状を備える凸部15aは、急傾斜面部15cを木製梁11の中央部側に対向させた状態で設けられている。これにより、界面のせん断力が勾配と直交方向に働き、木製梁11とコンクリート製床スラブ12とが剥がれようとする方向になるのを軽減できる。
鉛直荷重がコンクリート製床スラブ12にかかると、木製梁11とコンクリート製床スラブ12との界面には、接合部に沿ったせん断力が発生し、そのせん断力は、木製梁11の中央部よりも端部の方が大きくなる。そのため、両端部分のピッチ(d)を密にすることにより、せん断力に対する対抗力を大きくしている。
噛合下面部14は、シアコッター面部15の三角断面形状の凸部15aの間の凹部15bに、打設されたコンクリートが入り込んで固化することでコンクリート製床スラブ12の下面部に形成された、シアコッター面部15の複数の凸部15aと各々噛合する複数の噛合凸部を有する。つまり、シアコッター面部15を有する木製梁11に対して、コンクリートを流し込んで打設すると、コンクリート製床スラブ12のシアコッター面部15と対向する面である噛合下面部14側には、シアコッター面部15の形状に対応した形状の凹凸が形成される。この凹凸形状のうち、凹部が噛合凸部に相当する。すなわち、シアコッター面部15の凹部と収まる部分が、噛合凸部となる。
木製梁11には、ラグスクリュー16が打ち込まれている。ラグスクリュー16は、木製梁11の上面に形成されたシアコッター面部15に向けて上方から打ち込まれた金属製棒状金物である。ラグスクリュー16は、シアコッター面部15から上方に立設した状態で、コンクリート製床スラブ12の中に埋設されている。すなわち、図1(c)に示したように、ラグスクリュー16は、頭部が、シアコッター面部15の上方に突き出した状態となっており、ねじ山部分は、木製梁11にねじ込まれている。
ラグスクリュー16は、コンクリート製床スラブ12の剥がれ止め、すなわち、木製梁11とコンクリート製床スラブ12との一体化を強めるために打ち込まれている。ラグスクリュー16の打ち込み本数や、打ち込み位置は限定されないが、本実施形態では、シアコッター面15の緩傾斜面部15dに2個ずつ、木製梁11の軸方向Xの中心線に対して左右対称に打ち込まれている。また、ラグスクリュー16は、木製梁11の軸方向Xに所定の間隔をおいて、複数取り付けてもよい。ここで、ラグスクリュー16は、木ねじ状の頭がナットタイプの金物であり、ボルトを締めるほどでもなく、また、木ねじでは強さが足りない場合などに用いられることが多いねじである。なお、ラグスクリュー16は、そのまま締め付けると木材の割裂の恐れがあるため、下孔をあけてから締め付ける。頭部形状が6角形のものが主流である。
なお、上述の説明では、コンクリート製床スラブ12が断面拡幅コンクリート部13を有していない例を用いて説明をしたが、図3に示したように、コンクリート製床スラブ12が断面拡幅コンクリート部13を有している場合であっても、本発明を適用することができる。図示したように、断面拡幅コンクリート部13は、シアコッター面部の凸部15aの間の凹部15bに入り込んだコンクリートと一体として連続している。つまり、断面拡幅コンクリート部13は、木製梁11の両側から、木製梁11の上部を挟み込むように設けられている。ここで、一般に、コンクリートのせん断強度は圧縮強度の1/10程度で、木材の圧縮強度やせん断強度よりも小さくなる場合がある。そのため、木製梁11とコンクリート製床スラブ12とが噛合する部分では、コンクリート製床スラブ12にヒビが入る可能性がある。そこで、コンクリート製床スラブ12の断面積を増やして、せん断力に対する耐力を高めるために、断面拡幅コンクリート部13を設けている。
本実施形態によれば、木製梁とコンクリート製床スラブとの間の接合構造を多くの手間を要することなく、簡易に形成できる。さらに、物性の異なる材料である木材による梁とコンクリートによる床スラブとを、強固に結合して、長期間に亘ってより安定した状態で接合部に沿った方向のせん断耐力を確保することができる。また、コンクリートによる強度の増加と、木材による温もりのある外観や内観とを兼ね備えた、木材およびコンクリートによる複合構造を備える建築物を建築することが可能となる。さらにまた、木製梁11とコンクリート製床スラブ12との合成構造としたので、梁成を低減できる。さらに、せん断力に応じてシアコッターを配置することで、加工手間を削減できる。せん断力伝達手段の剛性が高くなるので、木製梁11とコンクリート製床スラブ12との剛性が向上し、音や床振動に対する居住性が向上する。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る梁床接合構造について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る梁床接合構造の(a)正面図模式図、(b)木製梁の上面図、(c)A-A’に沿った断面図模式図である。本実施系形態に係る梁床接合構造は、上記第1実施形態と比べると、被覆層を有する点で異なる。その他の構成および動作は第1実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
木製梁21は、荷重支持層21aと被覆層21bとを備える耐火梁となっている。荷重支持層21aは、荷重負担部分となる。被覆層21bは、荷重支持層21aの両側の側面と下面とを取り囲む被覆材から形成されている。被覆層21bは、いわゆる燃えしろ層となっている。
ここで、荷重支持層21aは、例えば、カラマツやベイマツなどから形成されるが、これらには限定されない。また、被覆層21bを形成する被覆材も、荷重支持層21aと同様に、カラマツやベイマツなどから形成される。
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、被覆層21bを有するので、耐火性能を有する梁床接合構造を得られる。
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る梁床接合構造について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態に係る梁床接合構造の(a)正面図模式図、(b)木製梁の上面図、(c)A-A’に沿った断面図模式図である。本実施系形態に係る梁床接合構造は、上記第1実施形態および第2実施形態と比べると、被覆層および化粧材を有する点で異なる。その他の構成および動作は第1実施形態および第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
木製梁31は、荷重支持層21aと被覆層31aと化粧材31bとを備える耐火梁となっている。被覆層31aは、荷重支持層21aの両側の側面と下面とを取り囲む難燃薬剤注入木材からなる被覆材から形成される。ここで、難燃薬剤注入木材は、例えば、難燃薬剤注入スギなどであるが、これには限定されない。
化粧材31bは、被覆層31aの側面と下面とを取り囲む。化粧材31bは、柱や床板、鴨居など目に見える部分に用いられる木材のことであり、材質的に見栄えがする木材が選択され、用途に合った寸法、形状に仕上げられる。
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、耐火性を備えると共に見栄えもよくなり、屋内の柱や床板、垂木、鴨居などに使用することが可能になる。
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態に係る梁床接合構造について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態に係る梁床接合構造の(a)正面図模式図、(b)木製梁の上面図、(c)A-A’に沿った断面図模式図である。本実施系形態に係る梁床接合構造は、上記第1実施形態~第3実施形態と比べると、強化せっこうボード、側面被覆材、化粧材および補強用鋼材、を有する点で異なる。その他の構成および動作は第1実施形態~第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
木製梁41は、荷重支持層21aと側面被覆材41bと下面被覆層41aと化粧材41cとを備える耐火梁となっている。荷重支持層21aは、荷重負担部分となり、例えば、カラマツまたはオウシュウアカマツから形成されるが、これらには限定されない。
側面被覆材41bは、荷重支持層21aの両側の側面を覆う木材からなる被覆材である。側面被覆材41bは、例えば、カラマツから形成されるが、これには限定されない。下面被覆層41aは、荷重支持層21aの下面を覆う強化せっこうボードからなる被覆材である。化粧材41cは、下面被覆層41aの両側の側面と下面とを取り囲む木材である。
補強用鋼材17は、荷重支持層21aの両側の側面被覆層の上面に跨るようにして、梁の延設方向である木製梁41の軸方向Xに間隔をおいて取り付けられる。補強用鋼材17は、コンクリート製床スラブ12の中に埋設される。シアコッター面部15は、補強用鋼材17が取り付けられた部分において、分断された状態となっている。そして、補強用鋼材17は、シアコッター面部15を分断する状態で、木製梁41の上面に一体として固定されている。
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、高い耐火性を備えると共に、容易かつ迅速に組み立てが可能な梁床接合構造を提供できる。また、木製梁41の軸方向Xに補強用鋼材17を備えるので、荷重支持層とその両側の側面を覆う木材がバラバラにならず、製造及び現場での施工がし易くなっている。また、床にまだ流動状態のコンクリートを打設する際に、デッキプレートやハーフPCa板などの型枠を荷重支持層にまで載せず、両側の側面を覆う木材に載せることができる。
なお、本発明は上記の各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、荷重支持層の両側の被覆層に跨る補強用鋼材は、上記第3実施形態の梁床接合構造においても、両側の燃えしろ層となる被覆層の上面に跨るようにして取り付けて用いることができる。また、図7及び図8に示すように、コンクリート製床スラブとの接合部にラグスクリュー16が設けられる木製梁51は、木製の荷重支持層21aと、一方向Yにおける荷重支持層21aの両側を被覆する第1被覆部材51aと、一方向Yにおける第1被覆部材51aそれぞれの外側に、第1被覆部材51aとの間に隙間51dを有するようにスペーサー51bを介して固定された燃えしろ層51cと、直交方向Zにおける荷重支持層21aの片側又は両側を被覆する第2被覆部材51eとを有する耐火木製構造材であって、直交方向Zにおける第2被覆部材51eを有する片側又は両側における、第1被覆部材51aそれぞれの外面側に角部補強部材51fが配されており、角部補強部材51fは、第1被覆部材51aの外面に一部又は全部を重ねた状態に且つ直交方向Zにおいて荷重支持層21aの一端から一部が延出した状態に配されており、角部補強部材51fが、隙間51dの一方向長さを部分的に狭めているか、隙間51dを部分的に無くしているものであっても良い。
10,20,30,40、50 梁床接合構造
11 木製梁
12 コンクリート製床スラブ
13 断面拡幅コンクリート部
14 噛合下面部
15 シアコッター面部
15a 凸部
15b 凹部
15c 急傾斜面部
15d 緩傾斜面部
15e 頂部
16 ラグスクリュー
17 補強用鋼材
21 木製梁
21a 荷重支持層
21b 被覆層
31 木製梁
31a 被覆層
31b 化粧材
41 木製梁
41a 下面被覆層
41b 側面被覆材
41c 化粧材
51 木製梁
51a 第1被覆部材
51b スペーサー
51c 燃えしろ層
51d 隙間
51e 第2被覆部材
51f 角部補強部材
X 木製梁の軸方向
Y 一方向
Z 直交方向

Claims (11)

  1. 木製梁と、前記木製梁の上面に現場打ちコンクリートを打設して形成されたコンクリート製床スラブと、を一体として接合するための梁床接合構造であって、
    前記木製梁と前記コンクリート製床スラブとの接合部に設けられて、前記接合部に沿ったせん断方向の力をこれらの部材間で伝達させるせん断力伝達手段を有しており、
    前記せん断力伝達手段は、前記木製梁の上面に形成された、複数の三角断面形状の凸部が前記木製梁の軸方向に沿って連続するノコギリ刃状の断面形状を備えるシアコッター面部と、前記シアコッター面部の前記三角断面形状の凸部間の凹部に、打設されたコンクリートが入り込んで固化することで前記コンクリート製床スラブの下面部に形成された、前記シアコッター面部の複数の前記凸部と各々噛合する複数の噛合凸部を有する噛合下面部と、を含んで形成されている梁床接合構造。
  2. 前記木製梁の上端部における両側の各々の側面部に沿って軸方向に連続して形成されると共に、少なくとも前記シアコッター面部の凸部間の凹部に入り込んだコンクリートと一体として連続する断面拡幅コンクリート部を含んで形成される請求項1に記載の梁床接合構造。
  3. 前記木製梁の上面に形成された前記シアコッター面部に向けて上方から打ち込まれた金属製棒状金物が、上部を前記シアコッター面部から上方に立設した状態で、前記コンクリート製床スラブの中に埋設されている請求項1または2に記載の梁床接合構造。
  4. 前記シアコッター面部を構成する前記三角断面形状の凸部は、隣接する凸部の頂部間のピッチが前記木製梁の軸方向の中央部分よりも両端部分の方が狭くなった状態で、軸方向に沿って連続している請求項1~3のいずれか1項に記載の梁床接合構造。
  5. 前記シアコッター面部を構成する前記凸部は、頂部から緩勾配で傾斜する緩傾斜面部と、頂部から急勾配で傾斜する急傾斜面部とを有する三角断面形状を備えている請求項1~4のいずれか1項に記載の梁床接合構造。
  6. 前記緩傾斜面部と前記急傾斜面部とを有する三角断面形状を備える前記凸部は、前記急傾斜面部を前記木製梁の中央部側に対向させた状態で設けられている請求項5に記載の梁床接合構造。
  7. 前記木製梁は、荷重負担部分となる荷重支持層と、前記荷重支持層の両側の側面と下面とを取り囲む被覆材による被覆層とを備える耐火梁となっている請求項1~6のいずれか1項に記載の梁床接合構造。
  8. 前記木製梁は、荷重負担部分となる荷重支持層と、前記荷重支持層の両側の側面と下面とを取り囲む難燃薬剤注入木材からなる被覆材による被覆層と、前記被覆層の側面と下面とを取り囲む化粧材とを備える耐火梁となっている請求項1~6のいずれか1項に記載の梁床接合構造。
  9. 前記木製梁は、荷重負担部分となる荷重支持層と、前記荷重支持層の両側の側面を覆う木材からなる被覆材による側面被覆材と、前記荷重支持層の下面を覆う強化せっこうボードからなる被覆材による下面被覆層と、前記下面被覆層の両側の側面と下面とを取り囲む木材による化粧材とを備える耐火梁となっている請求項1~6のいずれか1項に記載の梁床接合構造。
  10. 前記荷重支持層の両側の側面被覆層の上面に跨るようにして、梁の延設方向に間隔をおいて取り付けられた補強用鋼材が、前記コンクリート製床スラブの中に埋設されており、前記シアコッター面部は、前記補強用鋼材が取り付けられた部分において、分断された状態で前記木製梁の上面に一体として固定されている請求項9に記載の梁床接合構造。
  11. 前記木製梁は、木製の前記荷重支持層と、横断面の一方向における前記荷重支持層の両側を被覆する不燃性の第1被覆部材と、前記一方向における第1被覆部材それぞれの外側に、第1被覆部材との間に隙間を有するようにスペーサーを介して固定された木製の燃えしろ層と、前記一方向に直交する直交方向における前記荷重支持層の片側又は両側を被覆する第2被覆部材とを有する耐火木製構造材であって、前記直交方向における第2被覆部材を有する前記片側又は両側における、第1被覆部材それぞれの外面側に不燃性の角部補強部材が配されており、前記角部補強部材は、第1被覆部材の外面に一部又は全部を重ねた状態に且つ前記直交方向において前記荷重支持層の一端から一部が延出した状態に配されており、前記角部補強部材が、前記隙間の前記一方向長さを部分的に狭めているか、該隙間を部分的に無くしたものとなっている請求項7に記載の梁床接合構造。
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