JP2022129835A - 木造部材 - Google Patents

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Atsushi Kubota
裕樹 田中
Hiroki Tanaka
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Abstract

【課題】木質材による形状表現の可能性を広げる木造部材を提供する。【解決手段】柱2は、柱状の木質材1を、その軸方向と直交する方向に複数並べて形成される木造部材である。柱2では、緊張材3によって複数の木質材1が緊結される。木質材1は、軸方向に直交する断面が台形状であり、複数の木質材1が、断面の台形の斜辺同士を対向させて曲線状に並べられる。緊張材3の両端部は、木質材1に設けた緊張窓14の枠体141に固定される。【選択図】図1

Description

本発明は、木造部材に関する。
近年、環境負荷低減や建物利用者のウェルネス等の観点から、建物への木質材の利用が推奨されている。特許文献1には、略正方形断面の角材を用いて組み梁、組み柱、組み壁、桁梁などの木造部材を構成することが記載されている。
特許第5122119号
集成材やLVL(単板積層材)等の木質材は、一般的に矩形断面となっており、その組み合わせによる形状表現に限界があった。また木質材は繊維方向であれば圧縮、引張に強いが、繊維直交方向に対しては比較的弱いことも、木質材による形状表現のうえで課題となっていた。
また大規模な木造建築を目指す時に、木質材により大断面の部材を形成すると製造コストが過大となり、また木質材単体で大断面の部材を製造するには工場施設のスペックの点で限界があった。
本発明は前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、木質材による形状表現の可能性を広げる木造部材を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明は、柱状の木質材を、木質材の軸方向と直交する方向に複数並べて形成される木造部材であって、緊張材によって複数の前記木質材が緊結され、少なくとも一部の前記木質材は、軸方向に直交する断面が台形状であり、前記断面が台形状である複数の前記木質材が、前記台形の斜辺同士を対向させて曲線状に並べられたことを特徴とする木造部材である。
本発明では、断面が台形状の木質材を曲線状に並べて木造部材を形成することにより、表面に曲面状の部分を有する木造部材を得ることができる。また、緊張材を用いて複数の木質材を緊結することで、各木質材にプレストレスを導入し、引張や割裂に対する脆さを補うことができる。また、本発明の木造部材は木質材同士を緊張材で緊結した簡易な構成であるため、コスト面に優れるうえ、大断面化することにより木造部材の構造性能が向上する。結果、木質材による形状表現の可能性を広げることができる。
前記木質材に形成された孔に枠体が配置され、前記枠体に前記緊張材の端部が固定されることが望ましい。
これにより、緊張材の端部から加わる圧縮力を枠体を介して木質材に伝えることができ、圧縮力に対する木質材の支圧範囲を広げることができる。
前記木造部材は、例えば、前記木質材の軸方向を鉛直方向として、複数の前記木質材を閉領域が形成されるように並べた柱であり、前記木造部材は、梁が接続される接合部に接合するため、前記接合部に設けられた突出部を挿入する挿入部を有する。
これにより、木質材による柱と、梁とを接合部を介して好適に接合することができる。
前記木造部材は、前記木質材の軸方向を鉛直方向として、複数の前記木質材を並べた壁であり、前記木質材の側面に、梁の端部を挿入するための凹部が設けられることも望ましい。
これにより、木質材による壁に対し、梁を好適に設置することができる。
また前記木造部材は、前記木質材の軸方向を鉛直方向として、複数の前記木質材を並べたものであり、隣り合う前記木質材の間に、前記木質材の全長に亘る鋼板が配置されることも望ましい。
これにより、木造部材の構造性能を向上させることができる。
本発明によれば、木質材による形状表現の可能性を広げる木造部材を提供することができる。
柱2を示す図。 木質材1を示す図。 緊張窓14および緊張材3の配置の例。 柱2と仕口部材4との接合について示す図。 柱2と仕口部材4との接合について示す図。 柱2と鋼管柱4aとの接合について示す図。 壁2aを示す図。 上下の鋼板8の連結について示す図。 基礎部における鋼板8の固定について示す図。 波型部材2cを示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る柱2を示す図である。図1(a)は柱2の水平方向の断面を示したものであり、図1(b)は柱2の外面を示したものである。
柱2は、柱状の木質材1を、木質材1の軸方向と直交する断面(図1(a)に示す面。以下単に断面という)において閉領域が形成されるように複数並べて成る木造部材である。木質材1は、その軸方向と直交する方向に曲線状に並べられる。特に本実施形態では上記曲線が円周状であり、柱2は円周状の断面を有する。なお円周は正円でなくてもよく、楕円であってもよい。
木質材1の断面は台形状である。木質材1は、軸方向を鉛直方向として配置し、台形状の断面の斜辺同士が対向するように並べられる。各木質材1は、台形状の断面の平行な一組の辺のうち長辺が外側に位置し、短辺が内側に位置するように配置される。結果、隣り合う木質材1は軸方向と直交する方向に折れ曲がるように配置され、上記の「曲線」はこのようにして形成される近似的な曲線を含む。なお、上記一組の辺のうちの長辺を、以下単に長辺といい、上記一組の辺のうちの短辺を、以下単に短辺という。
複数の木質材1は、その内部に通した緊張材3を用いて緊結される。緊張材3には炭素繊維や鋼線等の可撓性を有する線材が用いられる。緊張材3は、木質材1の厚さ方向の中央付近に配置される。緊張材3は柱2の断面に沿って円周状に配置され、その両端部が柱2に設けた緊張窓14に固定される。
緊張窓14は、木質材1を厚さ方向にくり抜いた孔に、鋼製の枠体141を配置して形成される。枠体141は角筒状であり、その軸方向が木質材1の厚さ方向に対応する。
緊張材3の一方の端部は、固定具142を用いて枠体141の一方の側面に固定される。緊張材3の他方の端部にはねじが設けられ、ナット143をねじに締め込むことで、緊張材3を緊張した上で緊張材3の他方の端部が枠体141の他方の側面に固定される。
これにより、柱2に周方向のプレストレス(圧縮力)が導入され、柱2を構成する複数の木質材1が緊結される。緊張材3の端部から加わる圧縮力は、枠体141の側面を介して木質材1に伝えられる。当該側面が支圧板として機能することで、圧縮力に対する木質材1の支圧範囲を広げることができる。なお、枠体141の内部は、緊張材3の両端部の固定後にコンクリートやモルタル等の充填材で埋めてもよい。
緊張材3は柱2の軸方向に間隔をおいて複数段に配置され、各段に対応する高さで上記の緊張窓14が設けられる。緊張材3の配置間隔は柱2に必要な強度とコスト、施工性等を考慮して決定される。
図2(a)は木質材1を示す図である。木質材1では、台形状の断面の斜辺同士を結ぶ方向に木質材1を貫通する貫通孔11が形成される。貫通孔11は緊張材3を通すために用いられ、図1(a)に示すように木質材1を組み合わせた時に、隣り合う木質材1の貫通孔11の位置が対応する。
木質材1は、例えば図2(b)の切断線Cで示すように、集成材やLVL等の板材10の厚さ方向の断面を、長辺と短辺の位置を入れ替えながら直線状に連続する複数の台形に分割するように切断することで製作される。これにより板材10を無駄なく利用し、材料ロスを減らすことができる。木質材1の幅(断面の長辺の長さ)は例えば150mm程度以上200mm程度以下、厚さは例えば150mm程度であるが、木質材1の寸法は特に限定されない。
図1(a)に示すように、木質材1の台形状の断面の長辺に当たる部分には燃え止まり層12が形成される。燃え止まり層12は、木質材1を組み合わせて柱2を形成した時に、柱2の外面に位置する。燃え止まり層12は、例えば30分程度の耐火性能を有するものとする。
燃え止まり層12は、木質材1に薬剤を含浸して難燃処理を施した層であるが、難燃処理を施した木材を木質材1に取付けた層であってもよい。また、柱2を小規模建物に用いるケースなど、場合によっては燃え止まり層12を省略することも可能である。
柱2は工場で予めプレキャスト部材として製造することが望ましい。但し、設備を整えることができれば、現場敷地内で木質材1を組み立てて柱2をプレキャスト部材として製造し、その後、当該柱2を設置場所まで搬送してもよい。この場合、現場敷地内へは柱2でなく個々の木質材1を運搬すればよいので、運搬効率が向上する。
以上説明したように、第1の実施形態では、断面が台形状の木質材1を曲線状に並べて柱2を形成することにより、表面が曲面状の柱2を得ることができる。また、緊張材3を用いて複数の木質材1を緊結することで、各木質材1にプレストレスを導入し、引張や割裂に対する脆さを補うことができる。また、柱2は木質材1同士を緊張材3で緊結した簡易な構成であるため、コスト面に優れるうえ、大断面化することにより構造性能が向上する。結果、木質材1による形状表現の可能性を広げることができる。
しかしながら、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば柱2の緊張材3の固定方法や配置方法は上記で説明したものに限らない。一例として、緊張窓14は木質材1を厚さ方向に貫通するものに限らず、図3(a)に示すように外側のみに開口する緊張窓14を設けてもよいし、内側のみに開口する緊張窓を設けてもよい。
また、緊張材3は上下複数段に配置するものに限らず、図3(b)のようにスパイラル状に1本の緊張材3を配置してもよい。この場合、緊張窓14は柱2の上下の2箇所で設け、緊張材3の両端部をそれぞれの緊張窓14において固定する。
また、本実施形態では柱2を中空としたが、柱2の内部にコンクリートを打設し充填してもよい。コンクリートを充填することで、圧縮強度を高めることができる。また設計において、コンクリートを長期荷重等を負担する構造材として扱い、木質材1を荷重等を負担しない仕上げ材扱いとすることも可能である。
コンクリートは柱2の設置後に現場打設し、上下階のコンクリート製の梁(不図示)と一体化することができる。但し、工場において柱2の内部にコンクリートを打設し、コンクリート部分も含めて柱2のプレキャスト化を行うことも可能である。
以下、本発明の別の例について、第2~第6の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態として、図4(a)に示す仕口部材4(接合部)に柱2を接合する方法について説明する。
仕口部材4はコンクリート製の部材であり、その側部には、鉄筋コンクリート製の梁7が接続される。仕口部材4の上面からは、柱2の接合に用いるための鉄筋41(突出部)が突出している。
本実施形態では、図4(a)の矢印に示すように柱2を仕口部材4の上に配置した後、図4(b)に示すように柱2の内部にコンクリート5を充填することで、柱2が仕口部材4に接合される。
ここで、本実施形態では、鉄筋41と対応する平面位置にある木質材1の底部に、図4(c)に示すように木質材1の内面を切り欠いた切欠部13(挿入部)が形成される。柱2を仕口部材4上に配置した時に鉄筋41が切欠部13内に挿入され、柱2の内部にコンクリート5を打設した時にコンクリート5が切欠部13内に充填されることで、柱2と仕口部材4が鉄筋41を用いて接合される。
なお、本実施形態では、仕口部材4の下方の柱2についても、上方の柱2と同様の方法で仕口部材4に接合される。そのため、仕口部材4の下面からも鉄筋41が突出し、下方の柱2の木質材1の頂部には、鉄筋41を挿入するための切欠部13が上記と同様に設けられる。
第2の実施形態では、木質材1に設けられた切欠部13内に鉄筋41を挿入してコンクリート5を充填することにより、柱2と仕口部材4が一体化し、柱2と梁7を仕口部材4を介して好適に接合することができる。
なお、本実施形態では木質材1の切欠部13に鉄筋41を挿入し、そのため木質材1には鉄筋41ごとの切欠部13が設けられているが、切欠部13を省略し、鉄筋41を木質材1の内面より内側に位置させてコンクリート5に埋設することも可能である。また、図5に示すように、鉄筋41の挿入部として木質材1の底部に孔15を設け、この孔15に鉄筋41を挿入し、孔15から外面に連通する充填用孔151を介して接着材等の充填材6を孔15に注入してもよい。この場合、柱2の内部のコンクリート5を省略できる。なお、図4、図5の柱2には、第1の実施形態と同様の燃え止まり層12が必要に応じて設けられる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態として、図6(a)に示す鋼管柱4aの上端部(接合部)に柱2を接合する方法について説明する。
ここで、鋼管柱4aの上端部には、鋼管柱4aから外側へと突出するドーナツ状のフランジ44が上下2段に設けられ、上下のフランジ44のそれぞれに鉄骨梁7a(H形鋼)の上下のフランジが接合される。
また鋼管柱4aの上端部では、フランジ44に加え、鋼管柱4aから外側に突出するように板状のブラケット43(突出部)が設けられる。ブラケット43には例えば鋼板が用いられ、その板面を鉛直方向として鋼管柱4aに固定される。ブラケット43は、上段のフランジ44の上方に設けられる。
本実施形態では、図6(b)、(c)に示すように、上段のフランジ44の上で鋼管柱4aの外周に沿って木質材1を並べることで、柱2を現場で形成する。
ブラケット43の両側に位置する木質材1では、ブラケット43の板面の大きさに合わせた窪み18が木質材1の隣接する側面に形成される。この窪み18はブラケット43が挿入される挿入部を構成し、ブラケット43の両側の木質材1は、当該窪み18によってブラケット43を挟み込むように配置される。
図6(a)の符号431は緊張材3を通すためブラケット43に設けた貫通孔であり、木質材1の貫通孔11の位置に対応する。これらの貫通孔11、431に緊張材3を通し、緊張材3による緊結を第1の実施形態と同様に行うことで、鋼管柱4aに柱2が接合される。柱2には、第1の実施形態と同様の燃え止まり層12が必要に応じて設けられる。
このように、第3の実施形態では、ブラケット43を用い、柱2を鋼管柱4aの上端部に接合することができる。本実施形態では柱2を中空としているが、柱2や鋼管柱4aの内部にコンクリート5を充填してもよい。
なお、ブラケット43を挿入するための切欠部を第2の実施形態と同様に木質材1の底部に設け、プレキャスト化した柱2を上段のフランジ44の上に配置した時に、当該切欠部内にブラケット43が配置されるようにしてもよい。この場合、柱2の設置後に柱2と鋼管柱4aの内部にコンクリートを充填し、この際切欠部内にもコンクリートが充填されるようにしておく。
[第4の実施形態]
第1~第3の実施形態では木質材1を用いて柱2を形成しているが、木質材1を用いて形成できる木造部材はこれに限らない。第4の実施形態では、柱2以外の木造部材として壁を形成する例について説明する。
図7(a)は、木質材1を用いて形成された壁2aの例であり、壁2aの平面を見たものである。壁2aは、隅部を曲線状とした角丸矩形状の閉領域を形成する。木質材1は、その軸方向を鉛直方向とし、壁2aの隅部の曲線部分において第1の実施形態と同様に曲線状に並べて配置される。
壁2aの平面の直線部分は、矩形状の断面を有する木質材1aを並べて形成される。木質材1aは、その軸方向を鉛直方向として配置される。壁2aの平面の曲線部分と直線部分の境界では、木質材1、1aが隣り合うように並べられる。木質材1aは、断面が矩形状であるほかは木質材1と同様の構成である。
緊張材3は、壁2aの周方向に沿って木質材1、1aの内部に配置され、緊張材3を用いて第1の実施形態と同様に木質材1、1aが緊結される。緊張材3の端部を固定する緊張窓14は、木質材1、1aのどちらに設けてもよい。なお図7(a)の符号9は壁2aの内部に設けられる床9であり、符号2bは耐震要素として壁2aの内部に設けられるコア壁である。壁2aは、長期荷重を負担するものの、設計上耐震要素としては考慮しないものとする。
図7(b)に外面を示すように、壁2aには、複数の木質材1aに跨る開口21を、緊張材3を避けて形成することができる。開口21は窓や出入口として用いることができる。なお、開口21は壁2aの平面の曲線部分で複数の木質材1に跨るように設けてもよいし、平面の直線部分と曲線部分の境界部で複数の木質材1、1aに跨るように設けてもよい。その他、上下複数段の緊張材3の固定に用いるような大きな緊張窓14を形成し、緊張窓14が窓や出入口を兼ねるような形態としてもよい。
図7(c)は、壁2aと床9との取り合い部分の例である。本実施形態では、木質材1の内面に凹部16が形成され、その内部に鉄骨梁7aの端部が挿入される。鉄骨梁7aの端部は、鉄骨梁7aのフランジの孔(不図示)に通したボルト72の軸部を凹部16の下面に埋設した雌ネジ(不図示)に螺合するなどして凹部16に固定される。鉄骨梁7aの上面にはコンクリート製のスラブ91が設けられ、凹部16内および鉄骨梁7aの周囲(上面を除く)には耐火被覆材71が設けられる。
なお符号92はスラブ91のコンクリートの打設に用いる埋設型枠であり、スラブ91とともに床9を構成する。また本実施形態では木質材1の外側だけでなく内側(図7(c)の左側に対応する)にも燃え止まり層12が設けられる。
図7(c)は木質材1について例示したものであるが、木質材1aについても鉄骨梁7aの端部を挿入固定するために同様の凹部16を設けることができ、また燃え止まり層12も内外両側に設けられる。
このように、第4の実施形態では、木質材1、1aを用いて壁2aを形成することができる。また木質材1、1aの内面に凹部16を設け、凹部16に鉄骨梁7aの端部を挿入することで、鉄骨梁7aを壁2aに対し好適に設置できる。
[第5の実施形態]
第4の実施形態では木質材1、1aを組み合わせて壁2aを形成したが、耐震要素である前記のコア壁2b(図7(a)参照)についても、木質材1、1aの組み合わせにより形成することが可能である。そこで、第5の実施形態として、コア壁2bを木質材1、1aを用いて形成する例について説明する。
図7(a)に示すように、コア壁2bも角丸矩形状の平面を有しており、基本的には第4の実施形態と同様の方法で木質材1、1aを組み合わせて緊張材3による緊結を行うことで形成でき、燃え止まり層12なども、第4の実施形態と同様木質材1、1aの内外両側に設けられる。
ただし、耐震要素であるコア壁2bについては、図8(a)に示すように、隣り合う木質材1の間に補強用の鋼板8が設けられ、この点で第4の実施形態と異なる。鋼板8は木質材1の全長に亘って配置される。
図8(a)に示すように、鋼板8は木質材1の軸方向の両端部から突出し、木質材1から突出する鋼板8の両端部にボルト孔83が設けられる。また鋼板8では、木質材1の貫通孔11に対応する位置に、緊張材3を通すための孔(不図示)が設けられる。
図8(b)は木質材1の断面を示したものである。木質材1は、台形状の断面の斜辺に当たる部分に溝17を有する。溝17は木質材1の軸方向の全長に亘って設けられる。鋼板8は隣り合う木質材1の溝17の間に配置され、木質材1と鋼板8が面接触する。
図8(a)、(b)は隣り合う木質材1の間に配置される鋼板8の例であり、以下の説明も木質材1あるいは木質材1の間に配置される鋼板8について行う。ただし、隣り合う木質材1aの間や、隣り合う木質材1、1aの間でも鋼板8が同様に配置され、以下の説明は、木質材1aや隣り合う木質材1aの間に配置される鋼板8、あるいは隣り合う木質材1、1aの間に配置される鋼板8についても同様である。
コア壁2bは水平力を受ける耐震要素であり、木質材1の間に鋼板8を配置することで耐力を高めることができる。コア壁2bにおいて大きなせん断耐力を発揮するためには鋼板8と木質材1との摩擦力を高め、一体として挙動させることが重要であるが、本実施形態では緊張材3による締め付け効果により摩擦力が向上する。
その他、摩擦力を高めるために、鋼板8の表面をブラスト処理や縞状の凹凸加工により粗面とし、摩擦係数を大きくすることも可能である。また、摩擦力を高める代わりに鋼板8の両面に鋼管パイプなどの突起部を固定し、当該突起部を鋼板8の両側の木質材1に設けた孔(不図示)に挿入するなどして機械的なせん断抵抗要素として機能させてもよい。
コア壁2bでは全体に大きなせん断力が発生し、局所的には引張力や圧縮力が発生する。コア壁2bは、引張に対しては鋼板8で対抗し、圧縮に対しては木質材1と鋼板8で対抗する。緊張材3によるプレストレスで鋼板8の両面に木質材1が密着することで、鋼板8の変形が拘束され、圧縮時にも局部座屈せず能力を最大限に発揮できる。
鋼板8のボルト孔83は、鋼板8を上下に接合するために用いられる。すなわち、図8(c)に示すように、上段の木質材1の間に配置された鋼板8の下端部と、下段の木質材1の間に配置された鋼板8の上端部とを両面から挟み込むように一対の添接板81を配置する。そして、これら一対の添接板81と、上段の鋼板8の下端部および下段の鋼板8の上端部とを、鋼板8のボルト孔83と添接板81の孔(不図示)に通したボルト82を用いて連結する。ボルト82にはハイテンションボルトを用いることができる。
添接板81等による鋼板8の連結部は、図8(d)に示すように、床9を構成するスラブ91のコンクリートに埋設される。本実施形態では木質材1の長さが建物の2階分の高さに相当し、木質材1の途中では図7(b)に示したように鉄骨梁7aの端部が凹部16に挿入固定され、当該鉄骨梁7aの上面にスラブ91が設けられる。ただし、木質材1を建物の何階分に相当する長さとするかは適宜定めることができる。
なお、建物の基礎部への鋼板8の固定に関しては、図9(a)に示すように、鋼板8の固定に用いる別の鋼板8aを、基礎コンクリート100の主筋101等の位置を避けて予め配置しておく。鋼板8aの下端部では、頭付きスタッド84が両面から突出するように固定される。
そして、図9(b)に示すように、鋼板8aの高さ方向の途中までコンクリート100を打設する。コンクリート100から突出する鋼板8aの上端部にはボルト孔(不図示)が設けられる。
その後、図9(b)の矢印に示すように、複数の木質材1と隣り合う木質材1の間の鋼板8をユニット化したものを鋼板8aの上に配置し、図9(c)に示すように、鋼板8の下端部と鋼板8aの上端部とを前記と同様に添接板81とボルト82を用いて連結する。
こうして鋼板8、8aの連結を行った後、図9(d)に示すように木質材1の下端まで更にコンクリート100を打ち継ぐ。これにより、建物の基礎部における鋼板8の固定を容易に行うことができる。また鋼板8aが頭付きスタッド84を定着材としてコンクリート100内に定着されることで、鋼板8の引抜に対する抵抗性が高まる。さらに、鋼板8aを用いることで、鋼板8等の建方をできるだけ遅らせることができ、基礎部の構築作業が容易になる。すなわち、鋼板8aを使用しない場合、鋼板8や鋼板8を挟む木質材1の配置をより早期の段階(例えば主筋101等の配筋時)で行う必要があり、長尺の鋼板8等がその後の作業の支障となりうる。
このように、第5の実施形態では、木質材1の間に鋼板8を配置することでコア壁2bの耐力を高め、コア壁2bの構造性能を向上させることができる。一方、耐震要素ではない壁2aでは、鋼板8を設ける必要がないので見えがかりとなる意匠に与える影響が少ない。
[第6の実施形態]
第6の実施形態では、図10に示すように、木質材1を組み合わせて波型部材2c(木造部材)を形成する。波型部材2cでは、複数の木質材1が、軸方向(図10の紙面法線方向に対応する)を水平方向として配置され、台形状の断面の斜辺同士が対向するように、軸方向と直交する面(図10に示す面)内で並べられる。これら複数の木質材1は、緊張材3を用いて緊結される。
木質材1は、台形状の断面の長辺(あるいは短辺)が波型部材2cのどちらの側に位置するかを変更しつつ並べることで、自由な曲面を形成することができる。緊張材3の両端部は、波型部材2cの端部あるいは当該端部に隣接する部材に固定することができる。
波型部材2cは、屋根、天井、天井仕上げ材、スラブ打設時の埋設型枠などに用いることができる。波型部材2cは、平板(例えば図2(b)の板材10参照)よりも部材のせい22が大きくなり、面外方向の剛性が向上する。そのため、屋根や天井として用いる場合には、より大きなスパンを架け渡すことが可能となる。また波型部材2cを天井仕上げ材に用いたり、波型部材2cの上部にコンクリートを打設してスラブを構築すれば、天井見上げ面が曲面の木現しになり、見上げの美しい天井面を実現できる。その他、波型部材2cは、木質材1の軸方向を鉛直方向として配置すれば壁などにも用いることができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a:木質材
2:柱
2a:壁
2b:コア壁
2c:波型部材
3:緊張材
4:仕口部材
4a:鋼管柱
5、100:コンクリート
6:充填材
7:梁
7a:鉄骨梁
8、8a:鋼板
9:床
11:貫通孔
12:燃え止まり層
13:切欠部
14:緊張窓
15:孔
16:凹部
17:溝
18:窪み
41:鉄筋
43:ブラケット
141:枠体

Claims (5)

  1. 柱状の木質材を、木質材の軸方向と直交する方向に複数並べて形成される木造部材であって、
    緊張材によって複数の前記木質材が緊結され、
    少なくとも一部の前記木質材は、軸方向に直交する断面が台形状であり、
    前記断面が台形状である複数の前記木質材が、前記台形の斜辺同士を対向させて曲線状に並べられたことを特徴とする木造部材。
  2. 前記木質材に形成された孔に枠体が配置され、
    前記枠体に前記緊張材の端部が固定されたことを特徴とする請求項1記載の木造部材。
  3. 前記木造部材は、前記木質材の軸方向を鉛直方向として、複数の前記木質材を閉領域が形成されるように並べた柱であり、
    前記木造部材は、梁が接続される接合部に接合するため、前記接合部に設けられた突出部を挿入する挿入部を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の木造部材。
  4. 前記木造部材は、前記木質材の軸方向を鉛直方向として、複数の前記木質材を並べた壁であり、
    前記木質材の側面に、梁の端部を挿入するための凹部が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の木造部材。
  5. 前記木造部材は、前記木質材の軸方向を鉛直方向として、複数の前記木質材を並べたものであり、
    隣り合う前記木質材の間に、前記木質材の全長に亘る鋼板が配置されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の木造部材。
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