JP6754560B2 - 耐力板部材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐力板部材に関する。
ひき板を並べた層を、板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着した大判のパネルである直交集成材(CLT、Cross Laminated Timber)が知られている。
非特許文献1には、スギ材で構成された直交集成材(CLT)のせん断性能試験の報告書が開示されている。
また、特許文献1には、木材層とコンクリート層又はモルタル層とを接着剤層によって結合する技術が開示されている。この先行技術では、水硬性のフレッシュコンクリート又はフレッシュモルタルが、未硬化の接着剤層上に注がれることで、コンクリート内に含まれる小石が接着剤層に潜入し、これにより両層の硬化後にせん断力を伝達する噛合を形成している。
特開平9−256366号公報
日本CLT協会 技術資料 「スギCLTの材料特性・床構面のせん断性能試験 報告書(ダイジェスト版)pdf」 2015年9月7日検索<URL; http://clta.jp/wp-content/uploads/2013/01/e7b5704203d0fb1ca3731cdf0a26c46e.pdf>
非特許文献1には、直交集成材(CLT)をスラブに使用する例が開示されている。しかし、直交集成材で構成されたスラブの場合、コンクリート造のスラブと比較し、強度が低い、防音性能が低い、耐火性能が低いなど、使用に関する制約が多い。
これに対して、特許文献1に記載の技術のように、木材層とコンクリート層又はモルタル層とを接着剤層によって結合したスラブとすることで、強度が向上し、また防音性能や耐火性能も向上する。
しかし、この技術の木材層は、木質繊維が一方向であり、仮にこの木質繊維を、鉄筋コンクリート造における主筋に相当するとした場合、力を分散させる配力筋に相当する木質繊維を有していないので、木質層に大きな耐力を確保させることは困難である。このため耐力板部材の耐力を向上させるためにはコンクリート層又はモルタル層の層厚を厚くする必要があるが、層厚を厚くすると重量が増加する。よって、この点において改善の余地があった。
本発明は、上記事実を鑑み、耐力板部材を軽量化しつつ、耐力板部材の耐力を向上させることが目的である。
第一態様の耐力板部材は、木質繊維の繊維方向が層毎に交差するように積層された木質層と、前記木質層の一方の面に接合されたコンクリート層又はモルタル層と、を備えている。
第一態様の耐力板部材では、木質層とコンクリート層又はモルタル層とを接合した構造とすることで、コンクリート層又はモルタル層のみで構成された場合よりも、軽量化される。
また、木質層の木質繊維の繊維方向が層毎に交差しているので、応力を分散することができる。
ここで、木質層の機能を鉄筋コンクリートスラブに例えて説明すると、一方の繊維方向の木質繊維が主筋に相当する機能を果す一方、これに交差する他方の繊維方向の木質繊維が配力筋に相当する機能を果すので、応力を分散することができる。
よって、木質繊維が一方向の場合と比較し、木質層の耐力が向上するので、その分、コンクリート層又はモルタル層の厚みを薄くすることができる。つまり、木質繊維が一方向の場合と比較し、耐力板部材を軽量化しつつ、耐力板部材の耐力が向上する。
第二態様の耐力板部材は、前記木質層と前記コンクリート層又は前記モルタル層との間で応力を伝達する応力伝達手段を有している。
第二態様の耐力板部材では、面外曲げ変形等によって木質層とコンクリート層又はモルタル層との間に作用するせん断力が、応力伝達手段によって効果的に伝達される。したがって、耐力板部材の耐力が更に向上する。
第三態様の耐力板部材は、前記木質層は梁に掛け渡されると共に、前記木質層の上面に前記コンクリート層又は前記モルタル層が接合され、前記木質層の最下層の木質繊維の繊維方向が、前記木質層の掛け渡し方向に沿っている。
第三態様の耐力板部材では、木質層の最下層の木質繊維の繊維方向が木質層の掛け渡し方向に沿っていることで、木質繊維が曲げ変形時の引張力に効果的に効く。したがって、耐力板部材の耐力が更に向上する。
本発明によれば、耐力板部材を軽量化しつつ、耐力板部材の耐力を向上させることができる。
本発明の実施形態のスラブの木質層を構成する直交集成材の斜視図である。 本発明の実施形態のスラブの断面図である。 (A)本発明の実施形態のスラブにコンクリート層を設ける前の木質層の平面図であり、(B)は(A)の3B−3B線に沿った断面図である。 図3(A)の直交集成材の端面間を拡大した拡大平面図である。 本発明の実施形態のスラブの梁に支持された部位の拡大断面図である。 本発明の実施形態のスラブの木質層を構成する直交集成材の端面の部位の拡大断面図である。 本発明の実施形態の第一変形例の図6に対応する部位の拡大断面図である。 (A)及び(B)は、第一変形例の他の例を示す拡大断面図である。 本発明の実施形態の第二変形例の図6に対応する部位の拡大断面図である。 本発明の実施形態の第三変形例の図5に対応する部位の拡大断面図である。 (A)は本発明の実施形態の第四変形例の図6に対応する部位の拡大断面図であり、(B)は本発明の実施形態の第五変形例の図6に対応する部位の拡大断面図である。
図1〜図6を用いて、本発明の一実施形態に係る耐力板部材を用いたスラブについて説明する。なお、各図中の矢印Zは鉛直方向を示し、矢印Yは、後述する木質層(直交集成材)の掛け渡し方向を示し、矢印XはY方向及びZ方向と直交する方向を示している。
<構造>
先ず、本発明の一実施形態に係る耐力板部材を用いたスラブの構造について説明する。
図2に示すように、スラブ10は、複数の直交集成材(CLT、Cross Laminated Timber)100で構成された木質層20と、この木質層20の上面20Uに接合されたコンクリート層30と、を含んで構成されている。
図1及び図2に示すように、木質層20(図2参照)を構成する直交集成材100は、ラミナ(ひき板)102を並べた層110A、110B、110Cを、ラミナ102の木質繊維104の繊維方向S1(図1参照)及び繊維方向S2が層110A、110B、110Cごとに直交するように重ねて接着したパネル材である。
本実施形態の直交集成材100は、層110A、110B、110Cの三層構造とされ、厚み方向の両外側の層110A及び層110Cの木質繊維104の繊維方向S1(図1参照)が長辺方向(図1参照)に沿っており、中間の層110Bの木質繊維104の繊維方向S2が短辺方向(図1参照)に沿っている。また、矢印Tは直交集成材の板厚方向(面外方向)を示している。なお、図1及び図2以外の図では、図が煩雑になって見難くなるのを避けるため、木質繊維104の図示を省略している。
図3(A)に示すように、平面視において、X方向及びY方向に沿って格子状に配置された梁12及び梁14がスラブ10(図2参照)を支持している。木質層20を構成する直交集成材100は、長辺方向をY方向に沿って配置されおり、X方向に沿って配置された梁14に掛け渡されている。よって、直交集成材100の掛け渡し方向はY方向である。そして、直交集成材100の最下層である層110A(図2参照)の木質繊維104(図1及び図2参照)の繊維方向S1が、この掛け渡し方向であるY方向に沿うように配置されている。
図3及び図4に示すように、直交集成材100の各辺部の端面120には、面内方向に凹んだ平面視半円形状の凹部122が形成されている。図3に示すように、梁12及び梁14に載っている直交集成材100の端面120は間隔をあけて配置されている(図4も参照)。これに対して、梁12及び梁14に載っていない直交集成材100の他の端面120同士は接触又は近接して配置されている。図3では端面120同士が接触して図示されているが、実際には、図6に示すように、接触施工上、誤差を吸収するために、直交集成材100の端面120同士は、若干(約10mm程度)の隙間をあけて配置されている。なお、直交集成材100の端面120同士は接触していてもよいし、10mm以上の隙間があいていてもよい。
また、図2及び図3に示すように、直交集成材100の上面100U(木質層20の上面20U)には、面外方向に凹んだ複数の凹部130が形成されている。本実施形態では、これら凹部130は、直交集成材100を製造したのちに、上面100Uを削って形成している。しかし、他の方法で凹部130を形成してもよい。例えば、ラミナ102(図1及び図2参照)を接着接合する際に、凸部を設けたプレスで圧締することで、直交集成材100の上面100Uに凹部130を形成してもよい。
なお、本実施形態では、図2に示すように、凹部130には、ラグスクリュー132がねじ込まれている。
図2及び図5に示すように、直交集成材100で構成された木質層20の上面20Uにコンクリートが打設され、コンクリート層30が形成されている。なお、コンクリートを打設する際に、直交集成材100(木質層20)が型枠として機能する。また、コンクリート層30のみでスラブ10の短期耐力が確保されるように設計されている。
図2に示すように、直交集成材100の上面100U(木質層20の上面20U)の各凹部130(図3も参照)にコンクリートが流れ込み、コンクリート層30の下面に下方に向けて突出し、凹部130に係合するコッター36(応力伝達手段の一例)が形成される。また、前述したラグスクリュー132(応力伝達手段の一例)がコンクリート層30に埋設される。
図6に示すように、直交集成材100の各辺部の端面120の凹部122間にもコンクリートが流れ込み、コンクリート層30の下面に下方に向けて突出し、凹部122に係合する凸部33が形成される。なお、図6では、梁12及び梁14に載っていない直交集成材100の端面120を図示しているが、梁12及び梁14に載っている直交集成材100の端面120も同様である(図5参照)。また、コンクリートを打設する際には、梁12及び梁14に載っていない直交集成材100の端面120の下面には、図示していない添木などを当ててコンクリートが落下しないようにしている。
本実施形態では、直交集成材100の上面100U(板面)は、無垢材等に比べ、吸水性が低いので、コンクリートを打設する際に、上面20Uに防止処理、例えば防水シートを敷いたり防水塗料を塗布したりすることは行っていない。
なお、本実施形態のスラブ10は、図3に示す水周りとなる領域18には、コンクリート層30を設けないで(コンクリートを打設しないで)段差を設けている。よって、この領域18の上面20Uには、防水シートや防水塗装などの防水処理を行っている。
図2に示すように、コンクリート層30には、Y方向に沿って配筋された主筋34と、X方向に沿って配筋された配力筋32と、が埋設されている。なお、主筋34が上側に配置されている。なお、図2以外の図(後述する変形例の図を含む)では、主筋34及び図32の図示を省略している。
図5に示すように、本実施形態の梁12は、鉄筋コンクリート造とされ、梁方向(Y方向)に沿って配筋された梁主筋44と、梁主筋44の周りに設けられたせん断補強筋42とが埋設されている。また、L字形状の鉄筋で構成された補強筋46が、梁12から直交集成材100の端面120と端面120との隙間124を通り、コンクリート層30に延在している。
なお、図示は省略するが、本実施形態の梁14も同様に鉄筋コンクリート造とされ、梁方向(X方向)に沿って配筋された梁主筋44と、梁主筋44の周りに設けられたせん断補強筋42とが埋設されている。また、同様に、L字形状の補強筋46が、梁14から直交集成材100の端面120と端面120との隙間124を通り、コンクリート層30に延在するように埋設されている。
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態のスラブ10は、木質層20とコンクリート層30とを接合した構造であるので、コンクリート層のみで構成されたスラブよりも軽量化されると共に、木質層のみで構成されたスラブよりも耐火性能及び防音性能が向上する。なお、本実施形態のスラブ10は、コンクリート層30のみで短期耐力が確保されるように設計されている。よって、仮に火災時に木質層20が焼失しても必要な耐力が確保される。
また、木質層20は、木質繊維104の繊維方向が層110A、110B、110C毎に直交する直交集成材100を用いているので、応力を分散することができる。
ここで、木質層20の機能を鉄筋コンクリートスラブに例えて説明すると、一方の繊維方向S1の木質繊維104が主筋に相当する機能を果す一方、これに直交する他方の繊維方向S2の木質繊維104が配力筋に相当する機能を果すので、応力を分散することができる。
よって、木質層20の耐力が向上するので、その分、コンクリート層30の厚みを薄くすることができる。つまり、木質層20の木質繊維104の方向が一方向である場合と比較し、スラブ10を軽量化しつつ、スラブ10の耐力が向上する。
また、木質層20(直交集成材100)の最下層である層110Aの木質繊維104の繊維方向S1が、木質層20の掛け渡し方向であるY方向に沿っているので、木質繊維104が曲げ変形時の引張力に効果的に効く。更に、木質層20の掛け渡し方向であるY方向に沿って配筋された主筋34は、コンクリート層30の上側に配置されているので、木質繊維104と同様に引張力に効果的に効く。したがって、スラブ10の耐力が更に向上する。
また、面外曲げ変形や地震等によって木質層20とコンクリート層30との間に作用するせん断力が、コンクリート層30のコッター36が木質層20(直交集成材100)の凹部130に係合することで、効果的に伝達される。更に、本実施形態では、木質層20の凹部130にねじ込まれ、コンクリート層30に埋設されラグスクリュー132によっても木質層20とコンクリート層30との間に作用するせん断力が効果的に伝達される。したがって、スラブ10の耐力が更に向上する。
なお、本実施形態では、コッター36とラグスクリュー132とは同じ場所に設けたが、異なる場所にそれぞれを設けてもよい。また、本実施形態では、コッター36とラグスクリュー132との二つでせん断力を伝達したが、コッター36及びラグスクリュー132のいずれか一方のみが設けられていてもよい。
また、直交集成材100(木質層20)の上面100Uを目粗して凹凸を形成することで、木質層20とコンクリート層30との間に作用するせん断力を伝達してもよい。
また、木質層20を構成する直交集成材100の端面120の凹部122にコンクリート層30の凸部33が係合しているので、直交集成材100の端面120間に作用するせん断力が効果的に伝達される。
また、梁12、14から直交集成材100の端面120と端面120との隙間124を通り、コンクリート層30に延在するL字形状の補強筋46によって、梁12,14とスラブ10とが接合され一体化されている。
なお、L字形状の鉄筋で構成された補強筋46以外の応力伝達部材が梁12、14に設けられると共に、直交集成材100の端面120と端面120との隙間124を通り、コンクリート層30に延在することで、梁12,14とスラブ10とが接合され一体化されてもよい。補強筋46以外の応力伝達部材としては、頭付スタッド、ナット付鉄筋及びラグスクリューなどが挙げられる。
また、コンクリートを打設する際に、直交集成材100(木質層20)が型枠として機能するので、別部材としての型枠が不要又は削減されると共に、型枠の廃棄が不要又は削減される。
また、木質層20のみで構成されたスラブよりも、強度が高いので梁14間のスパンを広くできる。
また、コンクリート層30のみで構成されたスラブでは、木質の意匠とするためには別途木質の天井板を設ける必要があるが、本実施形態のスラブ10では木質の天井板を設けることなく、木質の意匠を得ることができる。
<変形例>
次に、本実施形態の変形例について説明する。
(第一変形例及び第二変形例)
上記実施形態では、木質層20を構成する直交集成材100の端面120に凹部122を形成し、この凹部122にコンクリート層30の凸部33が係合することで、直交集成材100の端面120間に作用するせん断力を伝達していた。しかし、この構造以外で、直交集成材100の端面120間に作用するせん断力を伝達してもよい。そして、この構造以外のせん断力の伝達方法の例を第一変形例及び第二変形例として説明する。
図7に示す第一変形例では、直交集成材100の端面120には、水平方向にラグスクリュー132がねじ込まれている。ラグスクリュー132は、直交集成材100の端面120間に形成されたコンクリート層30の下側に突出するリブ状の凸部37に埋設されている。
そして、直交集成材100の端面120間に作用するせん断力が、ラグスクリュー132及びコンクリート層30の凸部37を介して伝達される。
なお、図8(A)のように直交集成材100の端面120に階段状の凹部125を形成して、ここにラグスクリュー132が埋設されるコンクリート層30の凸部37を設けるようにしてもよい。
或いは、図8(B)のように直交集成材100の端面120に傾斜面を形成することによって凹部126を形成して、ここにラグスクリュー132が埋設されるコンクリート層30の逆三角形状の凸部37を設けるようにしてもよい。
図9に示す第二変形例では、直交集成材100の上面100Uの凹部131から直交集成材100に接合筋134が差し込まれている。この接合筋134は、凹部131に係合する凸部39とコンクリート層30とに跨るように埋設されている。
そして、直交集成材100の端面120間に作用するせん断力が、接合筋134及びコンクリート層30を介して伝達される。
(第三変形例)
上記実施形態の梁12、14は、鉄筋コンクリート造であったが、これに限定されない。例えば、鉄骨鉄筋コンクリート造、木質造及び鉄骨造であってもよい。鉄骨鉄筋コンクリート造、木質造及び鉄骨造の梁と、スラブ10とは、適宜適当な技術を用いて接合すればよい。よって、鉄骨梁15とスラブ10との接合の例を第三変形例として説明する。
図10に示す第三変形例では、H形鋼で構成された鉄骨梁15の上に、木質層20を構成する直交集成材100が掛け渡されている。この木質層20の上にコンクリートを打設してコンクリート層30が設けられている。
鉄骨梁15の上側のフランジ15Aには、スタッド48が接合されている。このスタッド48は、直交集成材100の端面120間の隙間124を通ってコンクリート層30まで延出している。そして、このスタッド48によって鉄骨梁15とスラブ10とが接合され一体化されている。
(第四変形例及び第五変形例)
上記実施形態では、木質層20の上面20U(直交集成材100の上面100U)にコンクリートを打設してコンクリート層30を設けていたが、これに限定されない。よって、工場等であらかじめ製造されたプレキャストコンクリートでコンクリート層30を構成する例を第四変形例及び第五変形例として説明する。
図11(A)に示す第四変形では、平面視で円形の貫通孔47が形成された複数のプレキャスト板35でコンクリート層30が構成されている。なお、プレキャスト板35には予め主筋及び配力筋が埋設されている。木質層20(直交集成材100)の上面100Uには、貫通孔47に対応する位置に、平面視で円形の凹部133が形成されている。
木質層20(直交集成材100)の上面100Uにプレキャスト板35を設置したのち、貫通孔47に充填材(コンクリート及びモルタルなど)を充填することで、貫通孔47及び凹部133に係合する円柱状の係合部49が形成される。
そして、この貫通孔47及び凹部133に係合する係合部49(応力伝達手段の一例)によって、木質層20とコンクリート層30との間に作用するせん断力が伝達される。
図11(B)に示す第五変形例では、複数のプレキャスト板35でコンクリート層30が構成されている。木質層20の上面20U(直交集成材100の上面100U)には、貫通孔47に対応する位置に、ラグスクリュー132が設けられている。
木質層20(直交集成材100)の上面100Uにプレキャスト板35を設置したのち、貫通孔47に充填材(コンクリート及びモルタルなど)を充填することで、貫通孔47に係合し、ラグスクリュー132が埋設された円柱状の係合部51が形成される。
そして、貫通孔47に係合しラグスクリュー132が埋設された係合部51(応力伝達手段の一例)によって、木質層20とコンクリート層30との間に作用するせん断力が伝達される。
なお、図11(A)の第四変形例の木質層20の凹部133にラグスクリュー132を設けてもよい。
また、プレキャスト板35と木質層20(直交集成材100)との間に接着剤層(応力伝達手段の一例)を設けて、プレキャスト板35と木質層20とを接着接合してもよい。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、木質層20(図2参照)を構成する直交集成材100は、層110A、110B、110Cの三層構造であったが、これに限定されない。直交集成材100は、二層構造であってもよし、四層以上の層で構成されていてもよい。
また、例えば、木質層20は、直交集成材(CLT(Cross Laminated Timber))100で構成されていたが、これに限定されない。単板の繊維方向を揃えて積層し接着した単板積層材(LVL(Laminated Veneer Lumber))の繊維方向を交差するように重ねて用いてもよい。要は、木質繊維の繊維方向が層毎に交差するように積層された木質層20であればよい。
また、コンクリート層30には、Y方向に沿って配筋された主筋34と、X方向に沿って配筋された配力筋32と、が埋設されているが、これに限定されない。コンクリート層30には面外方向に見た場合に複数の鉄筋が交差するように配筋されていればよい。また、最上部に配筋された鉄筋の配筋方向が、木質層20の掛け渡し方向に沿っていることが望ましい。
また、上記実施形態では、木質層20の上にはコンクリート層30を設けたが、モルタルで構成されたモルタル層を木質層20の上に設けてもよい。
また、上記実施形態では、本発明の耐力板部材を用いたスラブ10について説明したが、これに限定されない。本発明の耐力板部材は、壁にも用いることができる。なお、壁に用いる場合は、木質層の最外側の層の木質繊維の繊維方向が、上下方向に沿っていることが望ましい。また、壁に用いる場合は、コンクリート層30の最外側に上下方向に沿っている主筋を配置することが望ましい。
なお、木質層の最下層の木質繊維の繊維方向が木質層の掛け渡し方向に沿っていなくてもよいし、木質層の最外側の木質繊維の繊維方向が上下方向に沿っていいなくてもよい。また、コンクリート層30又はモルタル層に配筋する主筋34及び配力筋32の配置も任意である。
また、上記実施形態及び各変形例は、適宜、組み合わされて実施可能である。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない
10 スラブ
14 梁
20 木質層
30 コンクリート
36 コッター(応力伝達手段の一例)
49 係合部(応力伝達手段の一例)
51 係合部(応力伝達手段の一例)
104 木質繊維
132 ラグスクリュー(応力伝達手段の一例)

Claims (8)

  1. 木質繊維の繊維方向が層毎に交差するように積層された木質層と、
    前記木質層の一方の面に接合されたコンクリート層又はモルタル層と、
    前記木質層と前記コンクリート層又は前記モルタル層との間で応力を伝達する応力伝達手段と、
    を備え、
    前記応力伝達手段は、
    前記木質層に形成され、面外方向に凹んだ穴状の複数の第一凹部と、
    前記コンクリート層又は前記モルタル層に形成され、複数の前記第一凹部にそれぞれ係合してコッターとして機能するコンクリート又はモルタルで構成された複数の第一凸部と、
    前記木質層にねじ込められ、前記コンクリート層又は前記モルタル層に頭部側が埋設した第一ラグスクリューと、
    を有し
    穴状の複数の前記第一凹部は、面内方向の直交するX方向及びY方向にそれぞれ間隔をあけて設けられている、
    耐力板部材。
  2. 前記第一ラグスクリューは、前記第一凹部が形成された部位の前記木質層にねじ込まれている、
    請求項1に記載の耐力板部材。
  3. 前記木質層は梁に掛け渡されると共に、前記木質層の上面に前記コンクリート層又は前記モルタル層が接合され、
    前記木質層の最下層の木質繊維の繊維方向が、前記木質層の掛け渡し方向に沿っている、
    請求項1又は請求項2に記載の耐力板部材。
  4. 前記木質層は、鉄筋コンクリート造の梁に掛け渡されると共に、前記木質層の上面に前記コンクリート層又は前記モルタル層が接合され、
    前記梁には、補強筋が埋設され、
    前記補強筋は、前記梁から前記木質層の端面間の隙間を通り、面内方向に湾曲し、前記木質層の上方の前記コンクリート層又は前記モルタル層に延在し埋設されている。
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の耐力板部材。
  5. 前記木質層は、鉄骨造の梁に掛け渡されると共に、前記木質層の上面に前記コンクリート層又は前記モルタル層が接合され、
    前記梁には、スタッドが設けられ、
    前記スタッドは、前記梁から前記木質層の端面間の隙間に突出し、前記コンクリート層又は前記モルタル層に埋設されている。
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の耐力板部材。
  6. 前記木質層は、梁に掛け渡されると共に、前記木質層の上面に前記コンクリート層又は前記モルタル層が接合され、
    前記木質層における前記梁上の端面には、面内方向に凹んだ第二凹部が形成され、
    前記コンクリート層又は前記モルタル層には、前記第二凹部に係合する第二凸部が形成されている、
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の耐力板部材。
  7. 木質繊維の繊維方向が層毎に交差するように積層された木質層と、
    前記木質層の一方の面に接合されたコンクリート層又はモルタル層と、
    前記木質層と前記コンクリート層又は前記モルタル層との間で応力を伝達する応力伝達手段と、
    を備え、
    前記応力伝達手段は、
    前記木質層に形成され、面外方向に凹んだ穴状の第一凹部と、
    前記コンクリート層又は前記モルタル層に形成され、前記第一凹部に係合してコッターとして機能する第一凸部と、
    前記木質層にねじ込められ、前記コンクリート層又は前記モルタル層に頭部側が埋設した第一ラグスクリューと、
    を有し、
    前記木質層は、梁に掛け渡されると共に、前記木質層の上面に前記コンクリート層又は前記モルタル層が接合され、
    前記コンクリート層又は前記モルタル層には、前記木質層の前記梁上の端面間の隙間に係合するリブ状凸部が形成され、
    前記木質層の前記梁上の端面には、面内方向に第二ラグスクリューがねじ込まれ、前記第二ラグスクリューは前記コンクリート層又は前記モルタル層の前記リブ状凸部に埋設されている
    力板部材。
  8. 木質繊維の繊維方向が層毎に交差するように積層された木質層と、
    前記木質層の一方の面に接合されたコンクリート層又はモルタル層と、
    前記木質層と前記コンクリート層又は前記モルタル層との間で応力を伝達する応力伝達手段と、
    を備え、
    前記応力伝達手段は、
    前記木質層に形成され、面外方向に凹んだ穴状の第一凹部と、
    前記コンクリート層又は前記モルタル層に形成され、前記第一凹部に係合してコッターとして機能する第一凸部と、
    前記木質層にねじ込められ、前記コンクリート層又は前記モルタル層に頭部側が埋設した第一ラグスクリューと、
    を有し、
    前記木質層は、梁に掛け渡されると共に、前記木質層の上面に前記コンクリート層又は前記モルタル層が接合され、
    前記木質層の上面に第三凹部が形成されていると共に、前記第三凹部の側面に接合筋が差し込まれ、
    前記コンクリート層又は前記モルタル層には、前記第三凹部に係合する第三凸部が形成されていると共に、前記接合筋が前記第三凸部から上方に湾曲したのち前記木質層の前記梁上の端面側に向かって延在し埋設されている
    力板部材。
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