JP2023132151A - ガラス基板、貫通電極、多層配線基板、およびガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラス基板、貫通電極、多層配線基板、およびガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性を向上させることができるガラス基板、多層配線基板、貫通電極およびガラス基板の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るガラス基板100は、第1面101から第2面102に対して貫通する貫通孔103を備えるガラス基板において、前記貫通孔103は、前記第1面101から第2面102までの区間のうち、前記第1面102から1%から10%の区間において、前記貫通孔103の口径が最小となる。【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス基板、貫通電極、多層配線基板、およびガラス基板の製造方法に関する。
近年、電子機器の高機能化及び小型化が進んでおり、これに伴って、電子機器に搭載される配線基板についても高機能化や高密度化が要求されている。特に、ガラス基板は、シリコンなどに比較して配線基板としての電気特性に優れており、製造コストが低いため、高い注目を集めている。
ガラス基板を配線基板として用いる場合には、ガラス基板に貫通孔(TGV:Through Glass Via)を設け、ガラス基板の両側を導通させるための貫通電極を形成する必要がある。このような貫通電極付ガラス基板に関する技術には、以下のようなものがある。
特許文献1には、第1面から第2面に対して貫通し孔内部において径が極小値を有する貫通孔を含む基板と、前記貫通孔の内部に配置された導電体と、を備え、前記貫通孔は、前記第1面から前記第2面までの区間のうち前記第1面から6.25%、18.75%、31.25%、43.75%、56.25%、68.75%、81.25%、93.75%の距離の位置における前記貫通孔の中心軸に対する内側面の傾斜角度(前記第1面側が拡がる角度を正の傾斜角度とする)の合計値が、8.0°以上である条件を満たす、貫通電極基板の製造方法が示されている。
また、特許文献2には、ガラス基板に一つ以上の貫通孔が形成され、貫通孔を介して、ガラス基板の第一面側の第一の配線と第二面側の第二の配線とを導通する。第一の配線を形成後に、エッチングで貫通孔を形成すると共にガラス基板の薄板化を行い、その後、貫通孔内への配線と第二の配線を形成し、薄板化後のガラス基板の厚さが50μm以上300μm以下であり、貫通孔の形状が円錐台形状となるガラスデバイスの製造方法が示されている。
特開2018-39678号公報 国際公開第2019/235617号
ガラス基板上に配線層を形成し、これらを接続する貫通電極を形成した場合、ガラスのCTE(COEFFICIENT OF THERMAL EXPANSION、熱膨張率)と配線や貫通電極の材料となるCu等のCTEが異なるため、熱応力の影響が懸念される。このため、デバイスの信頼性を評価するための信頼性試験の一つとして加速試験のTCT(Thermal Cycle Test)を実施されている。
しかし、従来においては、熱応力に対する貫通電極の信頼性を高めるための貫通孔の形状については、十分な検討がなされていない。
そこで、本発明においては、信頼性を向上させることができるガラス基板、貫通電極、多層配線基板、およびガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、代表的な本発明のガラス基板の一つは、第1面から第2面に対して貫通する貫通孔を備えるガラス基板において、前記貫通孔は、前記第1面から第2面までの区間のうち、前記第1面から1%から10%の区間において、前記貫通孔の口径が最小となるものである。
本発明によれば、信頼性を向上させることができるガラス基板、多層配線基板、貫通電極およびガラス基板の製造方法を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
従来例のガラス基板の断面を模式的に示す図である。 第1実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。 第1実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。 第1実施形態のガラス基板の製造工程において発生しうる不良の事例を模式的に示す図である。 第2実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。 第3実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。 第4実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。 第4実施形態にかかるガラス基板の面取り形状を拡大した状態を模式的に示す図である。 第4実施形態のガラス基板の断面を模式的に示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程1を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程2を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程3を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程4を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程5を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程6を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程7を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程8を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程9を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程10を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程11を示す図である。 第5実施形態にかかる製造方法の工程12を示す図である。 第6実施形態のガラス基板、貫通電極および多層配線基板の断面を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
なお、本開示において、「面」とは、板状部材の面のみならず、板状部材に含まれる層について、板状部材の面と略平行な層の界面も指すことがある。また、「上面」、「下面」とは、板状部材や板状部材に含まれる層を図示した場合の、図面上の上方又は下方に示される面を意味する。なお、「上面」、「下面」については、「第1面」、「第2面」と称することもある。
また、「側面」とは、板状部材や板状部材に含まれる層における面や層の厚みの部分を意味する。さらに、面の一部及び側面を合わせて「端部」ということがある。
また、「上方」とは、板状部材又は層を水平に載置した場合の垂直上方の方向を意味する。さらに、「上方」及びこれと反対の「下方」については、これらを「Z軸プラス方向」、「Z軸マイナス方向」ということがあり、水平方向については、「X軸方向」、「Y軸方向」ということがある。
さらに、Z軸方向の距離を「高さ」と称し、X軸方向とY軸方向で規定されるXY平面上の距離を「幅」と称する。
また、「ガラス基板に設けた貫通電極」とは、ガラス基板を多層配線基板の一部として用いる場合に、ガラス基板の第1面及び第2面を電気的に導通するために設けた導電経路を意味し、必ずしも、ガラス基板を単一の導電材料で完全に貫通している必要はない。第1面からの導電通路と第2面からの導電通路が接続されていれば、貫通電極に含まれる。さらに、貫通電極の形態は、貫通孔(有底のものも、完全な貫通のもののいずれの形態も含む)を導電材料で埋め込んだフィルド型でもよいし、貫通孔の側壁部分のみを導電材料で覆ったコンフォーマルのいずれをも含む。
また、「平面形状」、「平面視」とは、上方から面又は層を視認した場合の形状を意味する。さらに、「断面形状」、「断面視」とは、板状部材又は層を特定の方向で切断した場合の水平方向から視認した場合の形状を意味する。
さらに、「中心部」とは、面又は層の周辺部ではない中心部を意味する。そして、「中心方向」とは、面又は層の周辺部から面又は層の平面形状における中心に向かう方向を意味する。
<従来例>
まず、図1を参照して、従来例について説明する。
図1は、従来例のガラス基板の断面を模式的に示す図である。図1(a)は従来例の一例を示しており、ガラス基板10Aには、ガラス基板10Aを貫通する貫通孔13Aが形成されている。ここで、ガラス基板10と貫通電極16の間の領域のうち領域17Aに着目する。熱サイクル試験を行う場合、熱膨張や熱収縮が発生するため、ガラス基板10A内に応力が生じる。また、領域17Aにおいては異なる材料同士が接触する箇所であるため、熱膨張や熱収縮が、ほかの場所に比べて大きくなりやすいと考えられる。
また、図1(b)は、従来例の他の例であり、ガラス基板10Bの貫通孔13Bが第1面11から第2面12に向かって開口が拡大するテーパー形状である場合を示している。この場合、貫通電極16Bとガラス基板10Bの間の領域のうち領域17Bにおいて、ガラス基板10Bの角度θsが鋭角となる。このとき、例えば、領域17Bにおいて、発生した応力が集中しガラス基板にクラックが発生し、クラックが貫通電極16Bまで伝播することが想定される。このように、図1の場合と比較して応力の影響がさらに大きく生じることが考えられ、結果として、ガラス基板10Bを通じた導通が確保できない可能性がある。
[第1実施形態]
以下、図2および図3を参照して、第1実施形態にかかるガラス基板の構造について説明する。
図2は、第1実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。図2(a)はガラス基板の断面を示したものであり、図2(b)はガラス基板のうち貫通電極の断面を示したものである。
図2(a)に示されるように、第1実施形態にかかるガラス基板100は、第1面101から第2面102にまで到達する貫通孔103を備える。第1面101と第2面102は互いに向かい合う位置にある。貫通孔103は、ガラス基板100の内部を通り、第1面101から第2面102まで到達する。ガラス基板100に貫通電極106aが形成されている。貫通電極106aは、例えば電解Cuめっき膜によって構成される。材料としてはCuのほか、W、Au、Ag、Ti、Ni、Cr、MoNb等を含んでもよいなどを用いることも可能である。なお、図2において、接着層およびシード層は省略されている。
また、図2(b)に示されるように、第1実施形態にかかる貫通電極106aは、ガラス基板100の第1面101上に形成される第1面側電極1061a、ガラス基板100の第2面102上に形成される第2面側電極1062a、ガラス基板100の第2面側に向かう開口を有する空洞部1063a、ガラス基板100の貫通孔103に接触し貫通孔103と同じ形状をもつ電極外壁部1064aを備える。第1面側電極1061aは、ガラス基板100の底部である。
図3は、第1実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。図3(a)はガラス基板の断面を貫通電極を省いて示した図であり、図3(b)は図3(a)の一点鎖線で囲まれた領域を拡大した図である。
ここで、図3(a)に示されるように、貫通孔103は、第1面101から第2面102に至る途中に、径が最小となる最小点105を有する。最小点における貫通孔の径は、貫通孔103において最小の径である。平面視では、貫通孔103は、例えば略円形である。第1面101における開口部101aの径をD1、第2面102における開口部102aの径をD2、最小点105における径をDmとすると、Dm<D1、Dm<D2である。さらに、第1実施形態ではD1<D2である。したがって、Dm<D1<D2の大小関係が成り立つ。なお、第1実施形態において略円形であるとしたが、略円形に限定されるものではない。例えば、略楕円形である場合には、楕円の長軸を通る断面における断面視において、D1、D2、Dmを設定し、上述の大小関係が成り立つようにする。
また、最小点105は、第1面101から第2面102までの区間のうち、前記第1面から1%から10%の区間に位置する。言い換えると、第1面101から第2面102に向かう方向において、ガラス基板100の厚さをTs、最小点の位置をTmとすると、Ts/100<Tm<Ts/10の関係が成り立つ。言い換えると、貫通孔103は、第1面101から第2面102までの区間のうち、第1面101から1%から10%の区間において、貫通孔103の口径が最小となる。
これについて、図4を参照して、上述の関係Ts/100<Tm<Ts/10が導出された理由を説明する。
図4は、第1実施形態のガラス基板の製造工程において発生しうる不良の事例を模式的に示す図である。なお、製造工程の詳細については後述する。
事例(a)は、ドライプロセスの場合であり、特に異方性が高い材料が用いられたスパッタの場合を示す。図4(a)(1)は、蒸着粒子sfによってシード層が蒸着される様子を示す。ガラス基板100の第1面101側には、貫通孔103の底部として金属膜18が形成されている。図4(a)(2)は、シード層slが形成された場合を示す。ここで、ガラス基板と貫通孔の境界の領域17は蒸着粒子sfが届きにくい影の部分となり、シード層の成膜が十分にできないおそれがある。図4(a)(3)に示されるように、シード層が十分に形成されないまま電解めっきが行われると、電解めっき膜epが十分にできず、メタライズが不良となる箇所mdが発生する。
事例(b)は、無電解Cuめっきによってシード層を形成する場合を示す。図4(b)(1)は、めっき液に浸漬されるガラス基板100を示す。ガラス基板100の第1面101側には、貫通孔103の底部として金属膜18が形成されている。図4(a)(2)は、シード層slが形成された場合を示す。ここで、ガラス基板と貫通孔の境界の領域17は濡れ性が不十分になりやすく、気泡が発生しやすい部分となり、シード層の成膜が十分にできないおそれがある。図4(b)(3)に示されるように、シード層が十分に形成されないまま電解めっきが行われると、電解めっき膜epが十分にできず、メタライズが不良となる箇所mdが発生する。
事例(c)は、無電解Cuめっきによってシード層を形成する場合を示す。図4(c)(1)は、めっき液に浸漬されるガラス基板100を示す。ガラス基板100の第1面101側には、貫通孔103の底部として金属膜18が形成されている。図4(c)(2)は、シード層slが形成された場合を示す。図4(c)(2)に示される場合では、ガラス基板と貫通孔の境界の領域17は濡れ性が十分に確保され、シード層の成膜がなされた。ところが、電解Cuめっきのプロセス中に気泡が発生すると、めっきの成長が部分的に阻害され、メタライズが部分的にできなくなるおそれがある。図4(c)(3)は、電解めっき中に気泡が発生した場合を示す。この場合では、電解めっき膜epが十分にできず、メタライズが不良となる箇所mdが発生する。
上述の事例(a)から(c)について検討をした結果、最小点105の位置TmがTs/10より小さい場合、事例(a)から事例(c)に示されるような現象の発生が抑制された。一方、最小点105の位置TmがTs/100未満の場合、後述するガラス基板の信頼性を向上させる効果を得ることができなかった。このため、ガラス基板100の厚さTs、最小点の位置Tmとする場合、Ts/100<Tm<Ts/10が好適である。
次に、図3(b)を参照して、貫通孔103の内壁面の傾斜角度を示す方法を説明する。貫通孔103の内壁面の傾斜角度を示す方法の1つとして、貫通孔103の中心軸を含む断面において、内壁面の接線の角度を内壁面の傾斜角度とする方法がある。このとき、貫通孔103の中心軸を含む断面において、第1面101に平行であって、貫通孔103の口径が最小となる最小点105を通る仮想直線Lmを仮定する。内壁面上のある点に接する接線L1をひき、接線L1と仮想直線Lm上の交点O1とする。接線L1を交点O1を起点とする線分として扱うこととする。角度を測るときは、仮想直線から上方(z軸正方向)に向かう向きを正とする。この方法を用いると、最小点105より上方について、貫通孔103の内壁面の接線L1の角度θ1を、0°から90°の範囲にあると規定することが可能である。
また、最小点105より下方についても同様に、内壁面に接する接線L2を引き、接線L2と仮想直線Lmの交点O2とする。接線L2を交点O2を起点とする線分として扱うこととする。最小点105よりも下方について、貫通孔103の内壁面の接線L2の角度θ2を0°から-90°の範囲、あるいは270°から360°までの範囲、にあると規定することが可能である。なお、図3(b)においては最小点1よりも下方の内壁面が直線であらわされており、内壁面の接線L2と同一視しうる例が示されている。また、図面上では接線を設定しうるが、実際のガラス基板では内壁面に凹凸が生じる場合が想定される。
このような場合に内壁面の接線の設定の方法としては、例えば、内壁面に設定したいずれかの3点に関し最小二乗法を用いた回帰直線を求め、回帰直線を接点とみなすこととすることが可能である。なお、貫通孔103の中心軸を含む断面を規定したが、この方法に限られない。貫通孔の口径が最小または最大となる面を含む上下方向(z軸方向)の断面を規定することも可能である。また、角度の測り方としては、仮想直線Lmのy軸プラス方向から反時計回りを正の角度、時計回りを負の角度、とすることも可能である。
なお、傾斜角度を示すほかの方法として、第1面101から仮想直線Lmまでの距離Tmを分割し、分割した距離に対応する点に対応する内壁面の点を結ぶ線を接線とすることも可能である。直線L3は、第1面101から下方にTm/3だけ離れた第1面101に平行な直線が内壁面に交差する点と、第1面101から下方に2Tm/3だけ離れた第1面101に平行な直線が内壁面に交差する点と、を通る線である。このように第1面と第1面に平行であって最小点を通る面との間の距離を分割し、分割した位置に対応する内壁面の点を通る線を接線と考え、内壁面の傾斜角度を評価してもよい。
なお、貫通孔103について、折り返し形状を有するということもできる。上下方向(z方向)について、内壁面の各点について接線を設定していくと、最小点105の前後で接線の傾きの正負が変化する。言い換えると、最小点105は、貫通孔103の内壁面の接線がZ軸方向と平行、つまり垂直になった点である。このような形状を折り返し形状と称する。
上述の3つの方法を示した理由は、実際のガラス基板では内壁面に微小な凹凸が残る場合があるからである。図上は理想的に滑らかな境界線で表現されているが、実際の内壁面の接線を評価することは難しい。上述の方法のいずれかを用いることで、内壁面の傾斜角度を適切に評価することが可能になる。なお、内壁面の傾斜角度を評価する方法は上述の方法に限られない。
なお、貫通電極106aの形状は、ガラス基板100の貫通孔103の形状と同じであるため、形状の説明も同じようにすることが可能である。例えば、貫通電極106は、第1面側電極1061aから第2面側電極1062aまでの区間のうち、第1面側電極から1%から10%の区間において、径が最小となる最小点を有する、と規定することが可能である。
また、折返し形状という表現を用いることも可能である。このときには、ガラス基板100の貫通孔103および貫通電極106aの電極外壁部1064aは、折返し形状を有すると規定することができる。位置を規定する場合には、折り返し形状は、第1面101から第2面102までの区間のうち前記第1面から1%から10%の区間に位置する。
また、図2(b)に示されるように貫通電極は開口部に向かうにつれて広がるテーパー形状を有している。例えば、貫通電極106aは、第1面101から10%の区間における最小点105から第1面側電極1061aに向かうにつれて口径が大きくなる第1テーパー形状と、最小点第2面102の開口部に向かうにつれて口径が大きくなる第2テーパー形状と、を有する、と規定することも可能である。または、貫通電極106aは、第1面側電極1061aから10%の区間における最小点から第1面側電極1061aに向かうにつれて口径が大きくなる第1テーパー形状と、最小点から第2面側電極1062aの開口部に向かうにつれて口径が大きくなる第2テーパー形状と、を有する、と規定することも可能である。
[第2実施形態]
ガラス基板に形成される貫通電極の形状は様々なものを採用することが可能である。以下、図5を参照して、第2実施形態にかかるガラス基板の構造について説明する。第2実施懈怠は、貫通電極の形状が異なる点について、第1実施形態と異なる。
図5は、第2実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。図5(a)はガラス基板の断面を示したものであり、図5(b)はガラス基板のうち貫通電極の断面を示したものである。
図5(a)に示されるように、第1実施形態にかかるガラス基板100は、第1面101から第2面102にまで到達する貫通孔103を備える。第1面101と第2面102は互いに向かい合う位置にある。貫通孔103は、ガラス基板100の内部を通り、第1面101から第2面102まで到達する。ガラス基板100に貫通電極106aが形成されている。貫通電極106aは、例えば電解Cuめっき膜によって構成される。材料としてはCuのほか、W、Au、Ag、Ti、Ni、Cr、MoNbなどを用いることも可能である。なお、図5において、接着層およびシード層は省略されている。
また、図5(b)に示されるように、第1実施形態にかかる貫通電極106bは、ガラス基板100の第1面101上に形成される第1面側電極1061a、ガラス基板100の第2面102上に形成される第2面側電極1062b、ガラス基板100の第2面側に向かう開口を有する空洞部1063b、ガラス基板100の貫通孔103に接触し貫通孔103と同じ形状をもつ電極外壁部1064bを備える。第1面側電極1061bは、ガラス基板100の底部である。
図5に示されるように、貫通電極106bの空洞部1063bのなかに、導電性部材が充填されている。第2実施形態において、充填物の境界面の位置Tvは、最小点105の位置Tmよりも第2面102に近い位置にある。なお、このような構造は、めっきの添加剤の調整、印加電流量の調整、噴流量の調整により底部の厚みを制御することによって実現することが可能である。例えばめっき液中に含まれる促進剤の含有比率を上げる方法がある。印加電流量については用いる添加剤によるが、電流条件によって貫通孔の底部のめっき厚を表面のめっき厚に比べ選択的に厚くすることができる。
[第3実施形態]
以下、図6を参照して、第3実施形態にかかるガラス基板の構造について説明する。第3実施形態は、貫通電極の形状がとこなる点で第1実施形態および第2実施形態と異なる。
図6は、第3実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。図6(a)はガラス基板の断面を示したものであり、図6(b)はガラス基板のうち貫通電極の断面を示したものである。
図6(a)に示されるように、第1実施形態にかかるガラス基板100は、第1面101から第2面102にまで到達する貫通孔103を備える。第1面101と第2面102は互いに向かい合う位置にある。貫通孔103は、ガラス基板100の内部を通り、第1面101から第2面102まで到達する。ガラス基板100に貫通電極106aが形成されている。貫通電極106cは、例えば電解Cuめっき膜によって構成される。材料としてはCuのほか、W、Au、Ag、Ti、Ni、Cr、MoNbなどを用いることも可能である。なお、図6において、接着層およびシード層は省略されている。
また、図6(b)に示されるように、第1実施形態にかかる貫通電極106cは、ガラス基板100の第1面101上に形成される第1面側電極1061c、ガラス基板100の第2面102上に形成される第2面側電極1062c、ガラス基板100の第2面側に向かう開口を有する空洞部1063c、ガラス基板100の貫通孔103に接触し貫通孔103と同じ形状をもつ電極外壁部1064cを備える。
ここで、第3実施形態において、貫通電極106cには、ガラス基板100の第1面101側の開口部101aに間隙がある。
[第4実施形態]
以下、図7から図9を参照して第4実施形態を説明する。第4実施形態は、貫通孔103に面取り形状330が形成される点において、第1実施形態から第3実施形態と異なる。
図7は、第4実施形態にかかるガラス基板の断面を模式的に示す図である。図7(a)はガラス基板の断面を示したものであり、図7(b)はガラス基板のうち貫通電極の断面を示したものである。
図7(a)に示されるように、第1実施形態にかかるガラス基板100は、第1面101から第2面102にまで到達する貫通孔103を備える。第1面101と第2面102は互いに向かい合う位置にある。貫通孔103は、ガラス基板100の内部を通り、第1面101から第2面102まで到達する。ガラス基板100に形成されている貫通電極106dは、例えば電解Cuめっき膜によって構成される。材料としてはCuのほか、W、Auなどを用いることも可能である。なお、図7において、接着層およびシード層は省略されている。
また、図7(b)に示されるように、第4実施形態にかかる貫通電極106dは、ガラス基板100の第1面101上に形成される第1面側電極1061d、ガラス基板100の第2面102上に形成される第2面側電極1062d、ガラス基板100の第2面側に向かう開口を有する空洞部1063d、ガラス基板100の貫通孔103に接触し貫通孔103と同じ形状をもつ電極外壁部1064dを備える。第1面側電極1061dは、ガラス基板100の底部である。
図7(a)に示されるように、ガラス基板100の貫通孔103は、ガラス基板の第2面102と貫通孔103の間に、面取り形状330を有する。また、図7(b)に示されるように、貫通電極106dにおいても、面取り形状330に沿う形状である面取り形状1065dが形成されている。面取り形状について第1実施形態の場合と比較すると、第1実施形態においては、例えば図2(a)に示されるように、第2面102と貫通孔103の間に稜線が形成されている。これに対して、第4実施形態においては、第2面102と貫通孔103の間には、面取りされた形状が形成されている。
図8は、第4実施形態にかかるガラス基板100の面取り形状330を拡大した状態を模式的に示す図である。貫通孔103の最小点105は、仮想線Lmと貫通孔103の交点が交わる点である。最小点105と面取り形状330までの間の内壁面の領域Ruの接線Luと第2面102の開口部102aが交差する点を、交差点Pcとする。また、面取り形状330が第2面102に到達する点を、終端点Pfとする。交差点Pcと終端点Pfの間の長さをd2とする。ここで、d2は、1um以上20um以下である。さらに、d2は5um以上10umであってもよい。この範囲とした理由の1つは、ガラス基板が組み込まれる製品サイズが大きくなりすぎないようにするため、またはガラス基板の加工時間が長くなりすぎないようにするためである。
図9は、第4実施形態のガラス基板の断面を模式的に示す図である。第4実施形態に係るガラス基板の貫通電極は、図7に示されるものに限定されない。図9(a)は、第4実施形態に係るガラス基板に第2実施形態に係る貫通電極106bを形成した状態を示す図である。図9(b)は、第4実施形態に係るガラス基板に第3実施形態に係る貫通電極106cを形成した様子を示すが概略図である。このように、貫通電極の形状は、目的や用途に応じて変形することが可能である。
なお、第4実施形態に係るガラス基板100は、後述の製造方法を用いて製造することが可能である。後述の工程9におけるエッチング条件、例えば、使用される溶剤の濃度、暴露する時間、スプレーまたはディップの方式等を選択することによって、ガラス基板300及びガラス基板300を備える多層配線基板を製造することが可能である。
(作用・効果)
第1実施形態から第4実施形態では、ガラス基板の貫通孔の内壁部に最小点を設けている。ガラス基板と貫通孔の境界の領域17において、ガラス基板が第1面101から最小点105に至るまでの形状が、従来例の形状の場合に比べてなめらかである。言い換えると、領域17においてガラス基板100には稜線が形成されていない。このような形状を持つことにより、第1実施形態から第3実施形態に係るガラス基板は、熱サイクル試験をする場合であっても、ガラス基板において応力の集中が緩和される。したがって、熱サイクル試験をする場合に、ガラス基板の信頼性が保証される。
なお、図3(b)における角度θ3は、より応力緩和の効果を得て良好なメタライズを達成するためには、20°から90°の間が好適である。これは、ドライエッチングプロセスにおいて、成膜に異方性があるスパッタによるシード形成においては、最小点の形状によってスパッタ種が到達しにくい影の部分ができ、影の部分の成膜が良好にできない。このため、続けて行われる電解Cuめっき時の給電が阻害されるおそれがあるからである。
また、図5に示されるように、第2実施形態の貫通電極106aのように導電性部材を充填した場合、貫通電極にクラックが発生する場合でも、断線するまでの時間を延長することができる。信頼性を向上させる結果となる。
また、従来の貫通孔103では面取り形状330がないため、熱サイクル試験においてガラス基板においてクラックの発生、貫通電極の断線、が発生するリスクがあった。図7に示されるように、第4実施形態においては面取り形状330を設けたので、面取り形状330の箇所に応力が集中することを回避でき、不具合の発生を抑制することができる。
[第5実施形態]
以下、図10から図18を参照して、第5実施形態にかかるガラス基板、貫通電極、多層配線基板、およびガラス基板の製造方法について説明する。便宜的に、第1実施形態から第4実施形態に示されるように貫通孔および貫通電極が形成された状態をガラス基板と称し、ガラス基板の第1面または第2面のいずれか一方に配線層が形成された状態を多層配線基板と称する。
(工程1)
図10は、第5実施形態にかかる製造方法の工程1を示す図である。第1工程において、ガラス基板100を準備し、レーザ改質部を生成する。第1実施形態において使用した基板は、AGC社製無アルカリガラス(EN-A1)で厚さ500μmである。
始めに、超音波洗浄などを行い、ガラス基板表面の汚染物を除去する。続いて、ガラス基板に対し、第1面101側からレーザを照射し、貫通孔の起点となるレーザ改質部110を形成する。レーザ改質部は、第1面から垂直な方向にガラス基板100の内部に延在し、レーザ改質部の下端がガラス基板内に留まるように形成される。
(工程2)
図11は、第5実施形態にかかる製造方法の工程2を示す図である。工程2において、ガラス基板100の第1面101上に、耐フッ酸金属膜及びシード層111を形成する。
始めに、ガラス基板100の第1面101上に、耐フッ酸金属膜(図示せず)を形成する。膜厚は、例えば10nm以上500nm以下である。続いて、耐フッ酸金属膜上に、銅被膜を形成する、膜厚は、例えば100nm以上500nm以下である。このとき、スパッタ法または無電解めっき法が適用される。これにより、ガラス基板100の第1面101上にシード層111が形成される。耐フッ酸金属膜の材料は、例えばクロム、ニッケル、ニッケルクロムから適宜、選択することが可能である。
(工程3)
図12は、第5実施形態にかかる製造方法の工程3を示す図である。工程3において、シード層111上に、パターンを有するフォトレジストを形成する。第1実施形態の例では、昭和電工マテリアルズ社製のドライフォトレジスト(RD1225)を用いる。始めに、ドライフォトレジストを第1面101側上にラミネートする。言い換えると、ドライフォトレジストをシード層111に熱圧着する。続いて、ドライフォトレジストに、パターンを描画し、現像することにより、シード層111を露出させる。シード層111に給電し、電解銅めっきを行い、下電極112を形成する。電解銅めっきの厚さは、例えば2μm以上10μm以下の厚さである。めっき後、不要なったドライフィルムレジストを溶解、剥離する。
(工程4)
図13は、第5実施形態にかかる製造方法の工程4を示す図である。工程4において、第1面101側に誘電体膜113を形成する。例えば、プラズマCVDによりSiN、SiO、TaO等を形成する。
(工程5)
図14は、第5実施形態にかかる製造方法の工程5を示す図である。工程5において、第1面101側に上電極114を形成する。
始めに、誘電体膜113上にスパッタ法および無電解めっき法などにより、上電極シード層(図示せず)として銅被膜等を成膜する。銅被膜の材料はCuまたはTi/Cu(チタン銅合金)であり、銅被膜の厚さは例えば100nm以上500nm以下の範囲である。続いて、ドライフォトレジストを第1面101側にラミネートし、パターンを描画し、現像する。これによって、上電極シード層を露出させる。最後に、上電極シード層に給電し、2μm以上10μm以下の厚さの電解銅めっきを行うことによって、上電極114を形成する。
(工程6)
図15は、第5実施形態にかかる製造方法の工程6を示す図である。工程6において、上電極114のシード層、誘電体膜113、下電極のシード層111、耐フッ酸金属膜がエッチングされる。このとき、上電極114の下方にある誘電体膜113は残る。なお、エッチング方法は適宜選択することが可能である。例えば、シード層のCu部材はウエットエッチングによって、誘電体膜113はドライエッチングによって、Tiはドライ及びウエットでいずれのエッチングでも適用することが可能である。耐フッ酸金属膜についても、金属膜の部材に応じたエッチング液を用いることによって、エッチング処理をすることが可能である。
(工程7)
図16は、第5実施形態にかかる製造方法の工程7を示す図である。工程7において、絶縁樹脂115がガラス基板100上にラミネートされる。第1実施形態の例においては、味の素ファインテクノ社製の絶縁樹脂(ABF-GL103、32.5μm厚)を使用した。ここで、便宜的に、第1面101上に形成されたシード層111、下電極112、誘電体膜113、上電極114、絶縁樹脂115を含む層を、第1面配線層116と称す。
(工程8)
図17は、第5実施形態にかかる製造方法の工程8を示す図である。工程8において、第1面配線層116上にキャリア117が貼り付けられる。
第1面101上に形成された配線層上に仮貼り用の接着剤(日東電工社製リバアルファ)を介してキャリア117を貼り合わせる。第1実施形態の例において、キャリア117はガラスキャリアである。ガラスキャリアの厚さは、後述の薄板化をした後の搬送性を鑑み、0.7mm以上1.5mm以下の範囲が望ましい。ガラス基板100の厚さによってキャリア117の厚さは適宜選択することが可能である。また、キャリア117は支持体であって、例としてガラスキャリアを挙げているが、支持体はガラス製に限らない。金属製や樹脂製であってもよい。
(工程9)
図18は、第5実施形態にかかる製造方法の工程9を示す図である。工程9において、第1面101に対向する面である第2面102の側からから、フッ化水素溶液でエッチングを行う。
ガラス基板100のレーザ改質部110は、フッ化水素溶液がレーザ改質部に接触する場合、第2面102の改質されていない箇所よりもエッチングが進行して、貫通孔110aが形成される。ガラス基板100のレーザ改質部110が形成されていない部分は、フッ化水素溶液によって第2面102に平行な方向にエッチングされて薄板となる。このようにして、ガラス基板100は、貫通孔110aの形成に合わせて、厚さが減少して薄板になる。すなわち、ガラス基板の薄板化と貫通孔の形成が、一連のエッチング処理で行われる。薄板化したガラス基板の下面が、第二面配線層が形成される第2面となる。
なお、フッ化水素溶液によるエッチング量は、ガラスデバイスの厚さに応じて適宜設定することが可能である。例えば、工程1で用いたガラス基板の厚さが500μmの場合、そのエッチング量は100μm以上450μm以下であることが望ましい。また、薄板化後のガラス基板の厚さは、50μm以上300μm以下であることが望ましい。
ここで、エッチング条件を制御することによって、図1に示される最小点の形状を得ることが可能である。制御の方法としては濃度、時間、スプレーまたはディップのエッチング方式を適宜選択することによって、所望の形状が得られる。
また、例えば制御の条件の説明として、シード層111をエッチングストッパ層として機能させ、第2面102にウエットエッチングをし、エッチングストッパ層にエッチングが到達した後、20分以上エッチングを継続することによって、エッチングストッパ層とガラス基板100との界面にテーパー形状のサイドエッチング領域を形成する、ということも可能である。
エッチングに使用するフッ化水素水溶液は、フッ化水素、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸からなる少なくとも1種以上の含む混合エッチング液となる。エッチングフッ化水素水溶液の組成、特にフッ化水素濃度を設定することが望ましい。上記範囲内にするには、フッ化水素濃度は、1.0wt%以上20.0wt%以下が望ましく、さらに望ましくは1.0wt%以上6.0wt%以下である。
フッ化水素溶液を上記の濃度に設定し、なお且つエッチングレートが1.0μm/min以下とすることが望ましい。エッチングの際のエッチング液の温度は、10℃以上40℃以下が望ましい。
(工程10)
図19は、第5実施形態にかかる製造方法の工程10を示す図である。工程10において、ガラス基板の第2面102にスパッタ法および無電解めっき法などにより、銅被膜もしくはそれに準ずるものを形成する。厚さは、例えば100nm以上500nm以下である。これにより、ガラス基板の第2面102の上に、シード層118が形成される。シード層118は、貫通孔110aの内壁面にも形成される。
(工程11)
図20は、第5実施形態にかかる製造方法の工程11を示す図である。工程17において、配線層が形成される。
ここでは、工程3と同様に、ドライフィルムレジストでパターン形成し、シード層に給電し、2μm以上10μm以下の厚さの電解めっきをした後、不要となったドライフィルムレジストを溶解剥離する。こうして、形成された電極119は下電極112と導通する。このようにして、貫通孔110aに形成されたシード層111、下電極112、シード層118は、ガラス基板100を貫通する貫通電極122として形成される。その後、不要となったシード層118を除去し、絶縁樹脂もしくはソルダーレジスト等の外層保護膜120をコートすることによって、第2面配線層121が形成される。このようにして、第5実施形態にかかる多層配線基板が形成される。
図21は、第5実施形態にかかる製造方法の工程12を示す。図21(a)に示されるように、工程12において、工程8において貼り付けたキャリア117を取り外す。そして、例えばFC―BGA基板の場合と同じように、表裏面の配線201を形成する。
なお、図21(b)に示されるように、配線層におけるビア202は、貫通電極122の直上に形成することも可能である。これは、貫通電極122の電極面に、ビア202を形成することが可能となったためである。ビアを形成する際には貫通電極をおおう樹脂層にレーザ加工をする必要があるところ、貫通電極122の場合、レーザ加工によるビア形成時の熱ひずみによる貫通孔110a付近の応力が緩和され、信頼性の高い基板を得ることができる。なお、貫通電極122は第1実施形態に示されるものに限定されない。遊底であればよいため、第2実施形態および第4実施形態に示される貫通電極も適用できる。
以上、第5実施形態にかかる製造方法の説明である。なお、配線を形成する工程では、インダクタ(コイル)を形成してもよい。インダクタの形状について、ソレノイドとスパイラルの形状を選択可能である。また、貫通孔の形成にレーザを用いる方法を説明したが、機械的加工法、プラズマエッチング、ドライエッチングなどの各種方法を用いて実現してもよい。
[第6実施形態]
第5実施形態は、貫通電極の内部が導電性部材で充填されている点で、第5実施形態とは異なる。第1実施形態から第5実施形態は、貫通電極の内部が導電性部材で充填されていない、いわゆるコンフォーマルの場合を示した。第6実施形態は、貫通電極の内部が導電性部材で充填された、いわゆるフィルドの場合を示す。
図22は、第6実施形態にかかるガラス基板、貫通電極、多層配線基板およびガラス基板の断面を模式的に示す図である。
図22(a)は、貫通電極301が導電性部材によって充填されている場合を示す。これに対し、図22(b)において、貫通電極301の直上に第1面配線層116のビア202が形成されている。また、図22(c)に示されるように、貫通電極301の直上だけでなく、貫通電極301の直下に第2面配線層121のビアが形成されている。
(作用・効果)
Cuの弾性率が130Gpa、樹脂5Gpa~20Gpa程度である。Cuのほうが樹脂よりも弾性率が大きいため、貫通電極の内部をCuで充填する場合、ガラスへの負荷が大きくなるおそれがある。この際、図22に示されるように貫通電極全体にCuを重点させることで、信頼性の高い基板を提供できる。なお、貫通孔をフィルドめっきすることで片面もしくは両面の貫通孔の直上にビアを形成することができるが、両構成においてもコンフォーマルめっきと同様に、レーザ加工によるビア形成時の熱ひずみによる貫通孔付近の応力が緩和される。
(信頼性試験)
表1は信頼性試験の結果を示す。実施例1から実施例8は図20の構造が適用されたLC回路基板であり、第5実施形態の条件で作成されたものである。比較例1-4はその他構造を適用したLC回路基板である。
表1における列「折返し位置」は、図3に示されるTmである。「面取り」は第4実施形態にかかる面取り形状330の有無である。「めっき厚Tv<Tm」は、最小点よりも下方にCuめっきが充填されていたかどうかを示す。「メタライズ可否」は貫通電極の外観観察をして判断されたものである。
信頼性試験の条件は次の通りである。
・設定条件:下限温度-40℃/30分、上限温度150℃/30分とした。
・試験装置 TSA-43EL(エスペック製)
・各サイクル数で貫通電極を含む配線経路を抵抗の上昇を測定。
・NG基準:サイクル後の抵抗値が初期状態の抵抗値の10倍を超える場合にNGと判定。
Figure 2023132151000002
実施例1と比較例1を比較すると、実施例1の信頼性が高い。本発明にかかるガラス基板の信頼性の高さが示されている。
実施例2、3、4と実施例1を比較すると、実施例2、3、4の信頼性が高い。これにより、本発明にかかるガラス基板の折返し位置、すなわち最小点の位置が、信頼性向上に寄与することが示されている。
比較例2を見るとメタライズが不可である。折返し位置がめっきの形成に影響することが示されている。
実施例5と実施例6と実施例2を比較すると、実施例5,6の信頼性が高い。折返し形状の角度が信頼性向上に寄与することが示されている。
比較例3を見るとメタライズNGである。折返し位置の角度がめっきの形成に影響することが示されている。
実施例7と、実施例5を比較すると、実施例7の信頼性が高い。第2面102側の面取
り形状の効果が示されている。
実施例5と、比較例4を比較すると、実施例5の信頼性が高い。図20の構造の信頼性の高さが示されている。
実施例8と、実施例7を比較すると、実施例8の信頼性が高い。貫通電極にCuを充填した構造の信頼性が示されている。
このように信頼性試験を通じて、本願発明にかかる多層配線基板の信頼性が確保できたことを確認できた。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
100 ガラス基板
101 第1面
102 第2面
103、110a 貫通孔
105 最小点
106、106a、106b、106c、106d 貫通電極
110 レーザ改質部
111 シード層
112 下電極
113 誘電体膜
114 上電極
115 絶縁樹脂
116 第1面配線層
117 キャリア
118 シード層
119 電極
120 外層保護膜
121 第2面配線層
122、301 貫通電極
300 ガラス基板
330、1065d 面取り形状
1061a、1061b、1061c、1061d 第1面側電極
1062a、1062b、1062c、1062d 第2面側電極
1063a、1063b、1063c、1063d 空洞部
1064a、1064b、1064c、1064d 電極外壁部

Claims (10)

  1. 第1面から第2面に対して貫通する貫通孔を備えるガラス基板において、
    前記貫通孔は、前記第1面から第2面までの区間のうち、前記第1面から1%から10%の区間において、前記貫通孔の口径が最小となるガラス基板。
  2. 前記貫通孔の中心軸を含む断面において、
    前記第1面に平行であって前記貫通孔の口径が最小となる点(以下、「最小点」という。)を通る仮想直線を定め、前記仮想直線上から前記貫通孔の内壁面に接する接線を引いた場合に、
    前記最小点より上方においては前記仮想直線と前記内壁面の接線とのなす角度が0°から90°までの範囲であり、
    前記最小点より下方においては前記仮想直線と内壁面の接線とのなす角度が0°から-90°までの範囲である請求項1に記載のガラス基板。
  3. 前記内壁面の接線は、前記貫通孔の内壁面に設定したいずれかの3点に関し最小二乗法を用いて導出した回帰直線によって求められるものである、請求項1または2に記載のガラス基板。
  4. 前記貫通孔は、前記第2面側に面取り形状を有し、
    前記貫通孔の中心軸を含む貫通孔の断面において、
    前記最小点と前記面取り形状の間の内壁面が前記第2面の開口部と交差する交差点とし、前記面取り形状が前記第2面に到達する点を終端点とすると、前記交差点と前記終端点の間の距離が、1um以上20um以下である請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス基板。
  5. 前記交差点と前記終端点の間の前記距離が、5um以上10um以下である、請求項4に記載のガラス基板。
  6. 前記貫通孔の前記内壁面には、導電性部材が形成され、
    前記導電性部材は、前記第1面の開口部を覆う、請求項1から5のいずれか一項に記載のガラス基板。
  7. 前記導電性部材は、前記第1面の開口部から前記貫通孔の前記最小点より下方の領域まで充填される請求項6に記載のガラス基板。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のガラス基板の前記第1面または前記第2面に配線層を形成した多層配線基板。
  9. 第1面から第2面に対して貫通する貫通孔を有するガラス基板に形成された貫通電極であって、
    前記貫通電極は、前記貫通孔の中心軸を含む断面において、前記第1面から前記第2面までの区間のうち、
    前記第1面から10%の区間における最小点から前記第1面に向かうにつれて口径が大きくなる第1テーパー形状と、
    前記最小点から前記第2面の開口部に向かうにつれて口径が大きくなる第2テーパー形状と、を有する貫通電極。
  10. 第1面および第2面を有するガラス基板を準備する第1のステップと、
    前記第1面にレーザを照射して、ガラス基板に貫通孔の起点となる改質部を形成する第2のステップと、
    前記第1面にエッチングストッパ層を形成する第3のステップと、
    前記第2面にウエットエッチングをする第4のステップとを備え、
    前記エッチングストッパ層にエッチングが到達した後、20分以上エッチングを継続することによってエッチングストッパ層とガラス基板との界面にテーパー形状のサイドエッチング領域を形成する、ガラス基板の製造方法。
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