JP2023058400A - 負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法 - Google Patents

負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023058400000001
【課題】性能を向上させた負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法を提供する。
【解決手段】負極材料は、電池の負極材料であって、カーボンと、タングステン酸ナトリウムと、シリコンを含むシリコン粒子33とを含み、シリコン粒子33は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、3以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池の負極材料としては、炭素が用いられる場合がある。例えば特許文献1には、黒鉛の表面に三酸化タングステンを配置した負極が記載されている。黒鉛の表面に三酸化タングステンを配置することで、リチウムイオンの拡散性を向上させることが可能となり、電池の性能を向上できる。また例えば特許文献2には、ケイ素粒(シリコン)、タングステン、及び炭素を含む負極が記載されている。
特開2018-45904号公報 特開2015-125816号公報
負極材料においては、三酸化タングステンなどのタングステン化合物やシリコンを設けることで性能を向上させることができるが、性能向上に改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、性能を向上した負極材料、電池、負極材料の製造方法、及び電池の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る負極材料は、電池の負極材料であって、カーボンと、タングステン酸ナトリウムと、シリコンを含むシリコン材料と、を含み、前記シリコン材料は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、3以上である。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る電池は、前記負極材料と、正極材料とを含む。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る負極材料の製造方法は、電池の負極材料の製造方法であって、酸素濃度が5%以下の雰囲気下でシリコン原料を準備するステップと、前記シリコン原料を用いて、カーボンと、タングステン酸ナトリウムと、シリコン材料とを含む負極材料を生成するステップを含み、前記シリコン材料は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、3以上である。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る電池の製造方法は、前記負極材料の製造方法と、正極材料を製造するステップと、を含む。
本発明によれば、負極材料の性能を向上することができる。
図1は、本実施形態に係る電池の模式的な一部断面図である。 図2は、本実施形態に係る負極の一例の模式的な断面図である。 図3は、シリコン材料の模式的な断面図である。 図4は、シリコン材料のXPSによる測定結果を示すサーベイスペクトルの一例を示す図である。 図5は、シリコン材料のXPSによる測定結果を示すSi2pのナロースペクトルの一例を示す図である。 図6は、シリコン材料のXPSによる測定結果を示すSi2pのナロースペクトルのピーク分離の一例を示す図である。 図7は、シリコン材料のXPSによる測定結果を示すO1sのナロースペクトルの一例を示す図である。 図8は、シリコン原料を準備するステップを説明するフローチャートである。 図9は、本実施形態の電池の製造方法の一例を説明するフローチャートである。 図10は、各例の製造条件、及びシリコン材料の特性を示す表である。 図11は、各例の負極材料の同定結果を示す表である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(電池)
図1は、本実施形態に係る電池の模式的な一部断面図である。本実施形態に係る電池1は、リチウムイオン二次電池である。電池1は、ケージング10と、電極群12と、図示しない電解液と、を備える。ケージング10は、内部に電極群12及び電解液を収納するケースである。ケージング10内には、電極群12以外にも、電極群12に接続される配線や端子などを備えていてよい。
電極群12は、負極14と、正極16と、セパレータ18とを備える。電極群12は、負極14と正極16との間に、セパレータ18が配置される構成となっている。図1の例では、電極群12は、矩形状のセパレータ18を間に挟んで、矩形状の負極14と矩形状の正極16とが交互に積層された、いわゆる積層型の電極群構造である。ただし、電極群12は、積層型の電極群構造に限られない。例えば、電極群12は、帯状のセパレータ18を間に挟んで、帯状の負極14と帯状の正極16とが積層されて、これらが巻回される、巻回型の電極群構造であってもよい。
(負極)
図2は、本実施形態に係る負極の一例の模式的な断面図である。図2に示すように、負極14は、集電層20と、負極材料層22と、を備える。集電層20は、導電性部材で構成される層である。集電層20の導電性部材としては、例えば銅が挙げられる。負極材料層22は、本実施形態に係る負極材料を含む層である。負極材料層22は、集電層20の表面に設けられる。集電層20の厚みは、例えば、15μm以上40μm以下程度であってよく、負極材料層22の厚みは、例えば20μm以上200μm以下程度であってよい。なお、負極14は、集電層20の両面に、負極材料層22を備えてもよい。
負極材料層22は、負極材料を含む。負極材料は、カーボンと、タングステン酸ナトリウムと、シリコン材料(シリコン粒子)とを含む。タングステン酸ナトリウムは、NaWOで表されるタングステン化合物であり、x、yは、0より大きい数である。NaWOの詳細については後述する。本実施形態の負極材料は、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムが設けられ、カーボンの表面にシリコン材料が設けられるが、カーボン、タングステン酸ナトリウム、及びシリコン材料の位置関係はそれに限られず任意であってよい。より具体的には、負極材料層22の負極材料は、カーボンの粒子であるカーボン粒子30と、タングステン酸ナトリウムの粒子であるNaWO(タングステン酸ナトリウム)粒子32と、シリコンを含む粒子であるシリコン粒子33と、を含む。なお、ここでの粒子とは、形状が球状などに限定されるものではなく、線状やシート形状など、任意の形状であってよい。さらに、粒子表面の形態は、滑らかであっても、凹凸状態のものでも良い。
カーボンの表面に設けられるタングステン酸ナトリウムとは、カーボンにタングステン酸ナトリウムが直接的に固着することと、カーボンに固着されたシリコンを介してタングステン酸ナトリウムが間接的にカーボンに固着することと、カーボンに固着されたタングステン酸ナトリウムを介してシリコンが間接的にカーボンに固着することと、タングステン酸ナトリウムとシリコンが直接的に固着した複合粒子がカーボンに直接的に又は間接的に固着することとのうち少なくとも一つを含む。なお、本実施形態における負極材料は、少なくともカーボンと、タングステン酸ナトリウムが固着したシリコン材料とを含むことが好ましい。また、本実施形態の負極材料は、カーボンと、タングステン酸ナトリウムと、シリコン材料とからなり、不可避的不純物を除き、カーボンとタングステン酸ナトリウムとシリコン材料以外を含まないものであってもよい。また、本実施形態の負極材料は、残部に不可避的不純物を含んでもよい。
負極材料層22の負極材料は、複数のカーボン粒子30を含む。カーボン粒子30は、アモルファスカーボン又はグラファイトを含む。
アモルファスカーボンとは、結晶構造を有さない非晶質なカーボンである。アモルファスカーボンは、無定形炭素やダイヤモンドライクカーボンと呼ばれることもあり、sp2結合とsp3結合とが混在した炭素であるともいえる。アモルファスカーボンのカーボン粒子は、粒子全体がアモルファスカーボンで構成されており、不可避的不純物を除き、アモルファスカーボン以外の成分を含有しないことが好ましい。具体的には、アモルファスカーボンのカーボン粒子には、黒鉛が含まれていないことが好ましい。
また、アモルファスカーボンは、表面にタングステン酸ナトリウムを配置する処理の際に、表面に官能基(例、ヒドロキシ基、カルボキシル基)を含むことができる。そのため、この官能基によって、アモルファスカーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切にトラップすることが可能となり、表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置できる。また、この官能基によってタングステン酸ナトリウムがアモルファスカーボンの表面に定着されるために、アモルファスカーボンの表面へのタングステン酸ナトリウムの密着性を高くすることができ、タングステン酸ナトリウムがカーボンの表面から切り離されることを抑制できる。特に、ハードカーボン原料は、例えば黒鉛に比べて低温で製造されるため、官能基が除去されずに残りやすく、表面にタングステン酸ナトリウム及びシリコンを適切に配置できる。
グラファイトとは、平面的な結晶構造を有するカーボンである。
カーボン粒子30は、平均粒径が、1μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。平均粒径がこの範囲にあることで、電極膜の強度を保つことができる。
負極材料層22の負極材料は、さらに複数のNaWO粒子32及びシリコン粒子(シリコン材料)33を含む。より詳しくは、それぞれのカーボン粒子30に対し、複数のNaWO粒子32及びシリコン粒子33が設けられている。複数のNaWO粒子32のうち一方のNaWO粒子32は、カーボン粒子30の表面に設けられている。また、複数のNaWO粒子32のうち他方のNaWO粒子32は、シリコン粒子33の表面に設けられている。より詳しくは、シリコン粒子33は、カーボン粒子30の表面に密着(接触)しており、シリコン粒子33の表面にNaWO粒子32が密着(接触)している。カーボン粒子30とNaWO粒子32とシリコン粒子33とは、複合化されていてもよい。または、カーボン粒子30とシリコン粒子33とが複合化され、カーボン粒子30とNaWO粒子32とが複合化されていてもよい。したがって、負極材料層22の負極材料は、カーボン粒子30とNaWO粒子32とシリコン粒子33とが複合化された構成であるが、更にカーボン粒子30とシリコン粒子33とが複合化された構成及びカーボン粒子30とNaWO粒子32とが複合化された構成の少なくともどちらかを含んでもよい。
さらに、タングステン酸ナトリウムは、結晶構造上、NaWOの形態だけでなく、NaWOやNa1444のような形態をとる場合もある。なお、NaWOは、Naの価数が2、Wの価数が1、Oの価数が4のため、NaWOという化学式で表されるといえる。また、Na1444は、Wの価数を1に換算すると、Na5/14WO44/14という化学式で表されるため(すなわちNaの価数が5/14、Wの価数が1、Oの価数が44/14となるため)、NaWOという化学式で表されるといえる。すなわち、NaWOという化学式で表されるタングステン酸ナトリウムとは、Naの価数とWの価数とOの価数との比率が、X:1:Yとなるタングステン酸ナトリウムを指すと言える。
ここでの複合化とは、少なくとも外力が作用しない場合においては、シリコン粒子33をカーボン粒子30から引き離すこと、シリコン粒子33をNaWO粒子32から引き離すこと、及びNaWO粒子32をカーボン粒子30から引き離すことが不可能になっている状態を指す。例えば、外力とは、負極材料を使用した電池を作動させた際に、SEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜が表層全体を覆って形成され膨張収縮される際の力をいう。
例えば、複合化は、カーボン粒子30の表面にシリコン粒子33が配置されてシリコン粒子33の表面にNaWO粒子32が配置された複合体を形成すること、カーボン粒子30の表面にNaWO粒子32が配置されてNaWO粒子32の表面にシリコン粒子33が配置された複合体を形成すること、カーボン粒子30の表面にシリコン粒子33が配置された複合体を形成すること、カーボン粒子30の表面にNaWO粒子32が配置された複合体を形成すること、及びシリコン粒子33の表面にNaWO粒子32が配置された複合体を形成すること、及びカーボン粒子30の表面にNaWO粒子32とシリコン粒子33が配置され、NaWO粒子32とシリコン粒子33同士も密着(接触)することの少なくとも何れかを含む。
負極材料層22の負極材料に含まれるNaWO粒子32は、y(Oの価数)が3であることが好ましく、言い換えれば、NaWOであることが好ましい。また、負極材料層22の負極材料に含まれるNaWO粒子32は、x(Naの価数)が0より大きく1以下であり、かつy(Oの価数)が2以上4以下であることが好ましい。また、NaWO粒子32は、xの価数が0.1以上0.95以下であり、かつyが2.5以上3.5以下であることがより好ましく、xの価数が0.3以上0.7以下であり、かつyが2.8以上3.2以下であることが更に好ましい。x及びyがこの範囲となることで、カーボン粒子30の表面にNaWO粒子32を適切に配置できる。なお、負極材料層22の負極材料は、1種類のNaWO粒子32のみを含んでいてもよいし、複数種類のNaWO粒子32を含んでいてもよい。
また、負極材料層22の負極材料は、NaWO粒子32として、Na0.78WO、Na0.48WO、Na0.72WO、Na0.44WO、Na0.49WO、Na0.33WO、NaNaWO、及びNa1444の少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、NaWOやNa1444の少なくとも1つを含んでもよい。このように、本実施形態における負極材料層22の負極材料は、タングステン酸ナトリウムとして、Na0.78WO、Na0.48WO、Na0.72WO、Na0.44WO、Na0.49WO、Na0.33WO、Na0.58WO、NaWO、及びNa1444の少なくとも1つを含むことが好ましい。
NaWO粒子32など、負極材料に含まれる化合物は、XRD(X-Ray Diffraction)により測定できる。XRDでの測定条件は、例えば以下であってよい。
・測定装置:(株) リガク社製 Ultima IV
・使用管球:Cu
・管電圧:40kV
・管電流:40mA
・走査範囲:5°~80°
・走査速度:2°/min
化合物を同定するためのデータベースとしては、粉末回折・結晶構造データベースの、ICDD(PDF2.DAT)、すなわち、ICDD(International Center for Diffraction Data)のPDF2.DATを使用してよい。そして、XRDで検出された結晶ピークに対して、統合粉末X線回折ソフトウェアであるPDXL2を用いて、測定サンプル(ここでは負極材料)に含まれる化合物を特定してよい。具体的には、同ソフトウェアを用いてFOM(性能指数)が閾値以下となる化合物を抽出し、FOMが閾値以下となる化合物を、その測定サンプル(ここでは負極材料)に含まれる化合物として特定してよい。FOMは、0~100の値をとり、値が小さいほど一致度が高い。FOMの閾値は、10としてよい。すなわち例えば、負極材料の回折ピークの、ICDDでのNa0.3WOの回折ピークに対するFOMが閾値(例えば10)以下である場合、負極材料にNa0.3WOが含まれると判断する。また例えば、分析対象物のX線回折分析結果におけるピーク波形が、カーボンのピーク波形を示すが、既知のグラファイト構造における(002)ピーク波形がブロードになる場合に、アモルファスカーボンであると判断できる。
NaWO粒子32は、立方晶の結晶構造のものと、正方晶の結晶構造のものと、三斜晶のものとの、少なくとも1つを含むことが好ましい。すなわち、負極材料は、NaWO粒子32として立方晶のもののみを有していてもよいし、正方晶のみを有していてもよいし、三斜晶のもののみを有していてもよいし、立方晶と正方晶との両方を有していてもよいし、立方晶と三斜晶との両方を有していてもよいし、正方晶と三斜晶との両方を有していてもよいし、立方晶と正方晶と三斜晶との全てを有していてもよい。負極材料層22の負極材料は、NaWO粒子32として立方晶と正方晶との両方が含まれている場合、立方晶のNaWO粒子32よりも、正方晶のNaWO粒子32が多く含まれていてよい。また、三斜晶と他の結晶構造とが含まれる場合、他の結晶構造よりも三斜晶の含有量が少なくてもよい。
立方晶のNaWOとしては、例えば、Na0.3WO、Na0.78WO、Na0.72WO、Na0.44WO、Na0.49WO、Na0.58WO3、NaWOが挙げられ、正方晶のNaWOとしては、例えば、Na0.1WO、Na0.48WO、Na0.33WO、が挙げられ、三斜晶のNaWOとしては、例えば、Na1444が挙げられる。ただし、負極材料に含まれる三酸化タングステンの結晶構造はこれに限られず、例えば、他の結晶構造の三酸化タングステンを含んでもよい。また、負極材料は、非晶質の三酸化タングステンを含んでいてもよい。
なお、NaWO粒子32の結晶構造も、負極材料に含まれる化合物の同定と同様の方法で同定できる。すなわち例えば、負極材料の回折ピークの、ICDDでの立方晶のNa0.3WOの回折ピークとのFOMが閾値(例えば10)以下である場合に、負極材料に立方晶のNa0.3WOが含まれると判断する。
NaWO粒子32の平均粒径は、カーボン粒子30の平均粒径より小さいことが好ましい。NaWO粒子32の平均粒径は、100nm以上20μm以下であることが好ましく、100nm以上1μm以下であることがさらに好ましい。
このように、負極材料は、カーボン粒子30の表面に、粒子状のタングステン酸ナトリウム(NaWO粒子32)及びシリコン材料(シリコン粒子33)が設けられた構造となっているが、それに限られない。負極材料は、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウム及びシリコン材料が設けられる構造であればよく、カーボンの表面に設けられるタングステン酸ナトリウム及びシリコン材料の形状は、任意であってよい。本実施形態では、シリコン粒子33として、シリコン微粒子を用いたが、シリコン化合物を用いてもよい。
負極材料におけるタングステン酸ナトリウム(NaWO粒子32)の含有量は、蛍光X線分析によってNa、W、Oの含有量を測定することで確認できる。すなわち、蛍光X線分析で検出されたNa、W、Oの全量の内の少なくとも一部が、タングステン酸ナトリウム(NaWO粒子32)を構成するため、Na、W、Oの含有量によってタングステン酸ナトリウムの含有量が確認できる。
負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Naの含有量が、質量比率で0.01%以上0.5%以下であり、Wの含有量が、質量比率で0.5%以上20%以下であり、Oの含有量が、質量比率で1%以上15%以下であることが好ましい。また、負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Naの含有量が、質量比率で0.02%以上0.4%以下であり、Wの含有量が、質量比率で0.7%以上17%以下であり、Oの含有量が、質量比率で2%以上13%以下であることがより好ましい。また、負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Naの含有量が、質量比率で0.03%以上0.3%以下であり、Wの含有量が、質量比率で1%以上15%以下であり、Oの含有量が、質量比率で3%以上12%以下であることが更に好ましい。Na、W、Oの含有量がこれらの範囲となることで、タングステン酸ナトリウムが適量含有され、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置できる。
負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Cの含有量が、質量比率で、60%以上95%以下であることが好ましく、65%以上95%以下であることがより好ましく、70%以上92%以下であることが更に好ましい。Cの含有量がこの範囲となることで、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置できる。
負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Wの含有量に対するNaの含有量の比率であるNa/Wが、質量比率で、0.001以上0.2以下であることが好ましく、0.005以上0.15以下であることがより好ましく、0.007以上0.15以下であることが更に好ましい。また、負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Cの含有量に対するWの含有量の比率であるW/Cが、質量比率で、0.005以上0.3以下であることが好ましく、0.008以上0.25以下であることがより好ましく、0.01以上0.2以下であることが更に好ましい。含有量の比率がこれらの範囲となることで、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置できる。
負極材料におけるシリコン粒子33の含有量は、蛍光X線分析によってSiの含有量を測定することで確認できる。すなわち、蛍光X線分析で検出されたSiの全量の内の少なくとも一部が、シリコン粒子33を構成する。
負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Siの含有量が、質量比率で、1%以上15%以下であることが好ましく、2%以上12%以下であることがより好ましく、3%以上10%以下であることが更に好ましい。Siの含有量がこの範囲となることで、炭素の表面に適切にシリコン粒子33を配置できる。
負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Cの含有量に対するSiの含有量の比率であるSi/Cが、質量比率で、0.01以上0.3以下であることが好ましく、0.02以上0.25以下であることがより好ましく、0.03以上0.15以下であることが更に好ましい。また、負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Wの含有量に対するSiの含有量の比率であるSi/Wが、質量比率で、0.1以上15以下であることが好ましく、0.15以上12以下であることがより好ましく、0.2以上10以下であることが更に好ましい。また、負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、Oの含有量に対するSiの含有量の比率であるSi/Oが、質量比率で、0.1以上2以下であることが好ましく、0.2以上1.5以下であることがより好ましく、0.3以上1.3以下であることが更に好ましい。含有量の比率がこれらの範囲となることで、炭素の表面に適切にタングステン化合物を配置できる。
蛍光X線分析は、波長分散型蛍光X線分析装置を用いて行ってよく、測定条件は以下であってよい。
・測定装置:(株) リガク社製 ZSX PrimusIV
・管電圧:30kV
・管電流:100mA
測定方法としては、スタンダードレス・ファンダメンタル・パラメータ法を用い、解析にはリガク社のSQX散乱線FP法を用いてよい。
なお、負極材料層22は、負極材料(カーボン粒子30、NaWO粒子32及びシリコン粒子33)以外の物質を含んでよい。負極材料層22は、例えば、バインダを含んでよい。バインダの材料は任意であってよいが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)等が挙げられる。バインダは1種類のみで使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。ただし、カーボン粒子30がアモルファスカーボンの場合、負極材料層22は、言い換えれば負極材料は、黒鉛を含まないことが好ましい。
また、NaWO粒子32及びシリコン粒子33がカーボン粒子30の表面に配置されていることは、SEM(Scanning Electron Microscope)や、TEM(Transmission Electron Microscope)などの電子顕微鏡で観察することで、確認することができる。
また、負極材料層22の負極材料は、シリコン粒子33が、カーボン粒子30の表面に密着(接触)し、NaWO粒子32が、カーボン粒子30の表面に密着(接触)していてもよい。この場合は、カーボン粒子30とシリコン粒子33とが複合化され、カーボン粒子30とNaWO粒子32とが複合化されていてもよい。
このように、負極材料は、カーボン粒子30の表面に、粒子状のタングステン酸ナトリウム(NaWO粒子32)及びシリコン粒子33が設けられた構造となっているが、それに限られない。負極材料は、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウム及びシリコン材料が設けられる構造であればよく、カーボンの表面に設けられるタングステン酸ナトリウム及びシリコン材料の形状は、任意であってよい。
(シリコン材料)
図3は、添加される前のシリコン材料の模式的な断面図である。図3に示すように、シリコン粒子33は、Si層33Aと酸化層33Bとを含む。Si層33Aは、Siで構成される層であり、シリコン粒子33のコアとなる部分といえる。Si層33Aは、不可避的不純物を除き、Si以外の元素を含まないことが好ましい。酸化層33Bは、Si層33Aの表面に形成される層であり、Si層33Aの表面の全域を覆っていることが好ましい。酸化層33Bは、シリコン粒子33の最も外側の表面となる層といえる。酸化層33Bは、シリコンの酸化物(SiO)で構成される層である。酸化層33Bは、シリコン酸化物としてSiOを含むが、SiO以外のシリコン酸化物を含んでよく、例えばSiOを含んでもよい。酸化層33Bは、不可避的不純物を除き、シリコンの酸化物を構成する元素以外の元素を含まないことが好ましい。
(XPSに基づくシリコン材料の特性)
次に、X線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて測定した場合における、シリコン粒子33の特性について説明する。以降においては、特に断りが無い限り、X線光電子分光法の測定条件を、以下とする。
・測定装置:PHI5000 Versa ProbeII (アルバック・ファイ社製)
・励起X線:モノクロAlKα線
・出力:50W
・パスエネルギー:187.85eV(Survey)、46.95eV(Narrow)
・測定間隔:0.8eV/step(Survey)、0.1eV/step(Narrow)
・試料面に対する光電子取り出し角:45°
・X線径:200μm
(SiO由来のSiの量に対する単体シリコン由来のSiの量の比率)
シリコン粒子33は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する、単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、3.0以上であり、3.5以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。
ここでの表層とは、表面から、光電子が試料内から脱出できる深さまでの範囲のことで、例えば、論文J.D.Lee et al.,Journal surface analysis Vol16,No.1 (2009)PP.42-63の図5に記載されている。また、シリコン粒子33を、上記の測定条件でX線光電子分光法により測定した場合に、光電子が観測できる深さ範囲を、表層といってもよい。
試料面に対する光電子の取り出し角が45°であるので、Siウエハのような平面の場合には、検出される光電子の測定深さd´=dcosθ(θは試料面に対する光電子取り出し角度、dは光電子の脱出深さ)より、θ=90°の場合の0.71倍になる。しかし、今回は粒子状のシリコンを平板の上に敷き詰めて測定を行ったので、検出器に向いている個々の粒子の面からの光電子が主と考えられるので、試料面に対する光電子取り出し角度の補正は行わなかった。
また、Si2pのSiとは、X線光電子分光法によって2p軌道の電子が飛び出したSi原子を指す。SiO由来のSi2pのSiとは、X線光電子分光法によって2p軌道の電子が飛び出した、SiOを構成するSiを指し、単体シリコン由来のSi2pのSiとは、X線光電子分光法によって2p軌道の電子が飛び出した、単体シリコン(金属シリコン)を構成するSiを指す。
表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する、単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率とは、表層(ここでは例えば、シリコン粒子33の最表面から、最表面よりもおよそ6オングストローム深い位置まで)における、2p軌道の電子が飛び出したSiO由来のSi(Si原子)の原子濃度に対する、2p軌道の電子が飛び出した単体シリコン由来のSi(Si原子)の原子濃度の比率を指す。シリコン粒子33は、SiO由来のSi2pのSiに対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率がこの範囲(3.0以上)となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、負極材料の容量を向上できる。また、表面の酸化層が薄くなるので、Liイオンの侵入と脱離が容易になり、インピーダンスが低下する。また、シリコン粒子33は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、9以下であることが好ましく、19以下であることがより好ましく、99以下であることがさらに好ましい。シリコン粒子33は、SiOの量に対するSiの量の比率がこの範囲(99以下)となることで、過度にシリコン材料の酸化を防止するための設備やプロセスを準備する必要がなくなり、負極材料の容量を向上させつつ、生産性の低下を抑制できる。このように、X線光電子分光法を用いてシリコン粒子33を測定した場合において、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する、単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、3以上9以下であることが好ましく、3以上19以下であることがより好ましく、3以上99以下であることがさらに好ましい。また、X線光電子分光法を用いてシリコン粒子33を測定した場合において、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する、単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、3.5以上9以下であることが好ましく、3.5以上19以下であることがより好ましく、3.5以上99以下であることがさらに好ましい。さらに、X線光電子分光法で用いてシリコン粒子33を測定した場合において、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する、単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、4以上9以下であることが好ましく、4以上19以下であることがより好ましく、4以上99以下であることがさらに好ましい。
なお例えば、SiO由来のSi2pのSiの量が1%のとき、単体シリコン由来のSi2pのSiは99%になるので、その比をとると、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する、単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、99となる。同様に、SiO由来のSi2pのSiの量が5%のとき、単体シリコン由来のSi2pのSiは95%になるので、その比をとると、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する、単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、19となる。
ここで、X線光電子分光法で測定した場合の、SiO由来のSi2pのSiの量と単体シリコン由来のSi2pのSiの量との比率の算出方法について説明する。図4は、シリコン材料のXPSによる測定結果を示すサーベイスペクトルの一例を示す図であり、図5は、シリコン材料のXPSによる測定結果を示すSi2pのナロースペクトルの一例を示す図であり、図6は、シリコン材料のXPSによる測定結果を示すSi2pのナロースペクトルのピーク分離の一例を示す図であり、図7は、シリコン材料のXPSによる測定結果を示すO1sのナロースペクトルの一例を示す図である。図4は、ワイドスキャン分析におけるシリコン粒子33のピーク波形Pの一例であり、結合エネルギー100eV付近のピーク波形P1が、Si2pのピークを示している。図5は、ピーク波形P1近傍のナロースキャン分析におけるシリコン粒子33のナロースペクトルの一例であり、バックグラウンドが除去されてSi2pのピークが抽出されたものとなっている。ここで、SiO由来のSi2pのSiと単体シリコン由来のSi2pのSiとは、結合状態の違いにより、結合エネルギーが異なる。従って、図6に示すように、ピーク波形P1を、単体シリコン由来のSi2pを示すピーク波形P1Aと、SiO由来のSi2pを示すピーク波形P1Bとに分離できる。ピーク波形P1Aは、結合エネルギー99eV近傍に1つのピークを有する波形であり、ピーク波形P1Bは、結合エネルギー103eV近傍に1つのピークを有する波形である。ピーク波形からのバックグランド除去は、X線光電子分光装置に付属しているMultipak version9.9.0.8をソフトウェアとして用いて、ベースラインの補正に主にShirley法で行った。
本実施形態では、ピーク波形P1Bの面積に対するピーク波形P1Aの面積の比率を、原子濃度基準での、SiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率として算出する。
(Si由来Si濃度割合)
また、シリコン粒子33の表層における、全てのSi2pのSi(2p軌道の電子が飛び出した全てのSi)の原子濃度に対する、単体シリコン由来のSi2pのSiの原子濃度の比率を、Si由来のSi濃度割合(第1Si濃度)とする。Si由来のSi濃度割合は、ピーク波形P1の面積に対するピーク波形P1Aの面積の比率として算出できる。Si由来のSi濃度割合は、75%以上であることが好ましく、77%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。Si由来のSi濃度割合がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、負極材料の容量を向上できる。また、Si由来のSi濃度割合は、90%以下であることが好ましく、95%以下であることがより好ましく、99%以下であることがさらに好ましい。Si由来のSi濃度割合がこの範囲となることで、過度にシリコン材料の酸化を防止するための設備やプロセスを準備する必要がなくなり、負極材料の容量を向上させつつ、生産性の低下を抑制できる。
(SiO由来のSi濃度割合)
また、シリコン粒子33の表層における、全てのSi2pのSiの原子濃度に対する、SiO由来のSi2pのSiの原子濃度の比率を、SiO由来のSi濃度割合とする。SiO由来のSi濃度割合は、ピーク波形P1の面積に対するピーク波形P1Bの面積の比率として算出できる。SiO由来のSi濃度割合は、25%以下であることが好ましく、24%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。SiO由来のSi濃度割合がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、負極材料の容量を向上できる。また、SiO由来のSi濃度割合は、10%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、1%以上であることがさらに好ましい。SiO由来のSi濃度割合がこの範囲となることで、過度にシリコン材料の酸化を防止するための設備やプロセスを準備する必要がなくなり、負極材料の容量を向上させつつ、生産性の低下を抑制できる。
(Oの量に対するSiの量の比率)
シリコン粒子33は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層のO1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、1.0以上であることが好ましく、1.1以上であることがより好ましく、1.3以上であることがさらに好ましい。
O1sのOとは、X線光電子分光法によって1s軌道の電子が飛び出したO原子を指す。
表層におけるO1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率とは、シリコン粒子33の表層(例えば、最表面から、最表面よりもおよそ10オングストローム深い位置まで)における、O1sのO(1s軌道の電子が飛び出したO原子)の原子濃度に対する、シリコン粒子33の表層(例えば、最表面よりもおよそ6オングストローム深い位置まで)における、Si2pのSi(2p軌道の電子が飛び出したSi原子)の原子濃度の比率を指す。シリコン粒子33は、O1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、負極材料の容量を向上できる。特に、SiO以外のシリコン酸化物(例えばSiOなど)も、容量の向上を抑制する因子として作用する可能性があり、そのような場合に、Oの量に対するSiの量の比率が上記範囲となることで、SiO以外のシリコン酸化物の量も少なくして、容量を適切に向上できる。また、シリコン粒子33は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるO1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、4以下であることが好ましく、9以下であることがより好ましく、99以下であることがさらに好ましい。シリコン粒子33は、Oの量に対するSiの量の比率がこの範囲となることで、過度に純粋なSiを準備する必要がなくなり、負極材料の容量を向上させつつ、生産性の低下を抑制できる。このように、X線光電子分光法を用いてシリコン粒子33を測定した場合において、表層のO1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、1.0以上4以下であることが好ましく、1.0以上9以下であることがより好ましく、1.0以上99以下であることがさらに好ましい。また、X線光電子分光法を用いてシリコン粒子33を測定した場合において、表層のO1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、1.1以上4以下であることが好ましく、1.1以上9以下であることがより好ましく、1.1以上99以下であることがさらに好ましい。さらに、X線光電子分光法を用いてシリコン粒子33を測定した場合において、表層のO1sのOの量に対するSi2pのSiの比率が、原子濃度基準で、1.3以上4以下であることが好ましく、1.3以上9以下であることがより好ましく、1.3以上99以下であることがさらに好ましい。
なお例えば、O濃度が20at%でSi濃度が80%のとき、表層のO1sのOの量に対するSi2pのSiの比率は、4となり、O濃度が5at%でSi濃度が95%のとき、表層のO1sのOの量に対するSi2pのSiの比率は、19となる。
ここで、X線光電子分光法で測定した場合のO1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率の算出方法について説明する。図4のサーベイスペクトルと呼ぶ、定性分析をおこなう。次に、サーベイスペクトルの測定で存在が確認された元素について、各元素ごとに決まっている軌道準位に対応した結合エネルギーのナロースペクトルを測定する。例えば、図5はSi2pのナロースペクトルを、図7はO1sのナロースペクトルをそれぞれ示す。これ以外に、微量の元素があれば、同様にその元素のナロースペクトルを測定する。各ナロースペクトルのバックグラウンド補正を行い、ピーク面積を求める。このピーク面積に各元素の軌道準位に対応した感度係数をかけて、その元素の濃度とする。一連の濃度計算は、PHI5000 Versa ProbeIIに付属している解析ソフト、Multi Packを用いて求めることが出来る。そのようにして求めた結果が、図10のSi濃度(第2Si濃度)とO濃度である。この濃度からSi/Oの比を求めた。
すなわち、上記のように求めたO濃度に対するSi濃度の比率が、Si/O比、すなわち、O1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率となる。
(Si濃度)
Si濃度は、50at%以上であることが好ましく、52at%以上であることがより好ましく、55at%以上であることがさらに好ましい。Si濃度がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、負極材料の容量を向上できる。また、Si濃度は、80at%以下であることが好ましく、90at%以下であることがより好ましく、99at%以下であることがさらに好ましい。Si濃度がこの範囲となることで、過度にシリコン材料の酸化を防止するための設備やプロセスを準備する必要がなくなり、負極材料の容量を向上させつつ、生産性の低下を抑制できる。
(O濃度)
O濃度は、46at%以下であることが好ましく、40at%以下であることがより好ましく、30at%以下であることがさらに好ましい。O濃度がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、負極材料の容量を向上できる。また、O濃度は、1at%以上であることが好ましく、10at%以上であることがより好ましく、20at%以上であることがさらに好ましい。O濃度がこの範囲となることで、過度にシリコン材料の酸化を防止するための設備やプロセスを準備する必要がなくなり、負極材料の容量を向上させつつ、生産性の低下を抑制できる。
(酸化層の厚み)
シリコン粒子33は、酸化層33Bの厚みが、2.3オングストローム以下であることが好ましく、2.0オングストローム以下であることがより好ましく、1.5オングストローム以下であることがより好ましく、1.3オングストローム以下であることがさらに好ましい。酸化層33Bの厚みがこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、負極材料の容量を向上できる。さらに、カーボン粒子30やNaWO粒子32との接触抵抗を下げることができ、電荷の移動度が向上する。また、酸化層33Bの厚みは、0.7オングストローム以上であることが好ましく、0.3オングストローム以上であることがより好ましく、0.06オングストローム以上であることがさらに好ましい。酸化層33Bの厚みがこの範囲となることで、過度に純粋なSiを準備する必要がなくなり、負極材料の容量を向上させつつ、生産性の低下を抑制できる。なお、酸化層33Bの厚みは、X線光電子分光法で測定した場合の、表層における、単体シリコン由来のSi2pのSiの量に対するSiO由来のSi2pのSiの量の比率(SiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率の逆数)に、Si2pのSiの光電子の脱出深さ6オングストロームを乗じることで算出される。
(体積平均粒径に基づくシリコン材料の特性)
次に、体積平均粒径に基づくシリコン粒子33の特性について説明する。
(体積平均粒子径)
シリコン粒子33の、レーザ回折散乱法によって測定される体積平均粒子径(体積基準の平均粒子径)を、以下、体積平均粒子径と記載する。
(体積平均粒径に基づく酸化層の体積比率)
シリコン粒子33を球形と仮定し体積平均粒子径を用いて体積を算出した場合の、シリコン粒子33の全体の体積に対する酸化層33Bの体積の比率を、体積平均粒子径に基づく酸化層33Bの体積比率とする。この場合、体積平均粒子径に基づく酸化層33Bの体積比率は、0.06%以下であることが好ましく、0.05%以下であることがより好ましく、0.04%以下であることがさらに好ましい。体積比率がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、負極材料の容量を向上できる。さらに、カーボン粒子30やNaWO粒子32との接触抵抗を下げることができ、電荷の移動度が向上する。また、体積平均粒子径に基づく酸化層33Bの体積比率は、0.015%以上であることが好ましく、0.01%以上であることがより好ましく、0.001%以上であることがさらに好ましい。体積比率がこの範囲となることで、過度にシリコン材料の酸化を防止するための設備やプロセスを準備する必要がなくなり、負極材料の容量を向上させつつ、生産性の低下を抑制できる。
体積平均粒子径に基づく酸化層33Bの体積比率は、次のように算出できる。すなわち、シリコン粒子33を球形(真球)と仮定して、体積平均粒子径をシリコン粒子33の径として用いて、シリコン粒子33の体積を算出する。そして、体積平均粒子径から、上記のように算出した酸化層33Bの厚みを差し引いてSi層33Aの径を算出し、Si層33Aを球形(真球)と仮定して、Si層33Aの径を用いてSi層33Aの体積を算出する。このように算出したシリコン粒子33の体積から、Si層33Aの体積を差し引いた値を、酸化層33Bの体積とする。そして、シリコン粒子33の体積に対する、酸化層33Bの体積の比率を、体積平均粒子径に基づく酸化層33Bの体積比率とする。
(D50に基づくシリコン材料の特性)
次に、D50に基づくシリコン粒子33の特性について説明する。
(D50)
レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において、累積度数が50体積%の粒子径を、D50とする。
(D50に基づく酸化層の体積比率)
ここで、シリコン粒子33を球形と仮定しD50を用いて体積を算出した場合の、シリコン粒子33の全体の体積に対する酸化層33Bの体積の比率を、D50に基づく酸化層33Bの体積比率とする。この場合、D50に基づく酸化層33Bの体積比率は、0.4%以下であることが好ましく、0.3%以下であることがより好ましく、0.25%以下であることがさらに好ましい。体積比率がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、負極材料の容量を向上できる。また、D50に基づく酸化層33Bの体積比率は、0.13%以上であることが好ましく、0.05%以上であることがより好ましく、0.01%以上であることがさらに好ましい。体積比率がこの範囲となることで、過度にシリコン材料の酸化を防止するための設備やプロセスを準備する必要がなくなり、負極材料の容量を向上させつつ、生産性の低下を抑制できる。
D50に基づく酸化層33Bの体積比率は、次のように算出できる。すなわち、シリコン粒子33を球形(真球)と仮定して、D50をシリコン粒子33の径として用いて、シリコン粒子33の体積を算出する。そして、D50から、上記のように算出した酸化層33Bの厚みを差し引いてSi層33Aの径を算出し、Si層33Aを球形(真球)と仮定して、Si層33Aの径を用いて、Si層33Aの体積を算出する。このように算出したシリコン粒子33の体積から、Si層33Aの体積を差し引いた値を、酸化層33Bの体積とする。そして、シリコン粒子33の体積に対する、酸化層33Bの体積の比率を、D50に基づく酸化層33Bの体積比率とする。
(正極)
図1に示す正極16は、集電層と正極材料層とを備える。正極16の集電層は、導電性部材で構成される層であり、ここでの導電性部材としては、例えばアルミニウムが挙げられる。正極材料層は、正極材料の層であり、正極16の集電層の表面に設けられる。正極の集電層の厚みは、例えば、10μm以上30μm以下程度であってよく、正極材料層の厚みは、例えば10μm以上100μm以下程度であってよい。
正極材料層は、正極材料を含む。正極材料は、リチウムを含有する化合物であるリチウム化合物の粒子を含む。リチウム化合物としては、リチウム含有金属酸化物やリチウム含有リン酸塩などであってよい。より詳しくは、リチウム化合物は、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiNiCoMn(ただし、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1である)、LiFePO等が挙げられる。リチウム化合物は、1種類の材料のみを含んでもよいし、2種類以上の材料を含んでもよい。また、正極材料層は、正極材料以外の物質を含んでよく、例えば、バインダを含んでよい。バインダの材料は任意であってよいが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PAA等が挙げられる。バインダは1種類のみで使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。
(セパレータ)
図1に示すセパレータ18は、絶縁性の部材である。本実施形態では、セパレータ18は、例えば、樹脂製の多孔質膜であり、樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。また、セパレータ18は、異なる材料の膜が積層された構造であってもよい。また、セパレータ18は、耐熱層を有していてもよい。耐熱層は、高融点の物質を含有する層である。耐熱層は、たとえば、アルミナ等の無機材料の粒子を含有してもよい。
(電解液)
電池1に設けられる電解液は、非水電解液である。電解液は、電極群12内の空隙に含浸されている。電解液は、例えば、リチウム塩および非プロトン性溶媒を含む。リチウム塩は、非プロトン性溶媒に分散、溶解している。リチウム塩としては、たとえば、LiPF、LiBF、Li[N(FSO]、Li[N(CFSO]、Li[B(C]、LiPOなどが挙げられる。非プロトン性溶媒は、例えば、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルの混合物であってよい。環状炭酸エステルとしては、たとえば、EC、PC、ブチレンカーボネート等が挙げられる。鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。
(電池の製造方法)
次に、本実施形態に係る電池1の製造方法の一例を説明する。本製造方法は、酸素濃度が5%以下の雰囲気下でシリコン原料を準備するステップと、シリコン原料を用いて、カーボンの表面に、タングステン酸ナトリウムとシリコン材料とを設けて負極材料を製造するステップと、正極材料を製造するステップとを含む。
(シリコン原料を準備するステップ)
図8は、シリコン原料を準備するステップを説明するフローチャートである。シリコン原料は、シリコン粒子33の原料である。図8に示すように、シリコン原料を準備するステップは、破砕工程S1と、粗粉砕工程S2と、粉砕工程S3と、を含む。
シリコン原料を準備するステップは、酸素濃度が5%以下の雰囲気下でシリコン母材を粉砕してシリコン原料を準備することが好ましく、酸素濃度は3%以下であることがより好ましく、酸素濃度は1%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることがさらに好ましい。酸素濃度がこのよう低いことで、破砕後に現れるシリコンの新生面の酸化および破砕前の表面に形成されていた酸化層の厚みがさらに厚くなることを抑制して容量の低下を抑制できる。なお、酸素濃度は、泰榮エンジニアリング株式会社製 酸素モニタOM-25MF01によって、また、酸素濃度が1%より低い場合は、株式会社イチネンジコー製 低濃度酸素モニター JKO-O2LJD3で測定できる。また、粗粉砕工程S2と粉砕工程S3とにおいて、酸素濃度を上記範囲とすることが好ましく、破砕工程S1と粗粉砕工程S2と粉砕工程S3との全ての工程において、酸素濃度を上記範囲とすることがより好ましい。
(破砕工程)
破砕工程S1は、シリコン塊状物を破砕してシリコン破砕物を得る工程である。シリコン塊状物のサイズは、特に制限はない。シリコン塊状物の形状は、特に制限はなく、例えば、柱状、板状、粒状であってもよい。シリコン塊状物としては、シリコンチャンク、チャンク以外の多結晶シリコン、単結晶シリコンと柱状晶シリコンインゴットの塊、モニター用シリコンウエハ、ダミー用シリコンウエハ、粒状シリコンを用いることができる。
シリコン塊状物を破砕するための破砕装置としては特に制限はなく、例えば、ハンマークラッシャー、ジョークラッシャー、ジャイレクトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャーを用いることができる。シリコン塊状物の破砕によって得られるシリコン破砕物のサイズは、最長径が1mmを超え5mm以下の範囲内にあることが好ましい。
(粗粉砕工程)
粗粉砕工程S2は、シリコン破砕物を粗粉砕してシリコン粗粒子を得る工程である。粗粉砕工程S2で得られるシリコン粗粒子は、ふるい法により分別される最大粒子径が1000μm以下であることが好ましい。このため、粗粉砕工程S2は、粗粉砕によって得られた粗粉砕物を目開き1000μmのふるいを用いて分級して、最大粒子径が1000μm以下の粗粒子を回収する工程を含むことが好ましい。シリコン粗粒子のサイズが1000μmを超えると、次の粉砕工程S3でシリコン粗粒子が十分に粉砕されずに、その粒子が混入するおそれがある。シリコン粗粒子の最大粒子径は、500μm以下であることが特に好ましい。
粗粉砕は、乾式及び湿式のうちいずれの方式で行ってもよいが、乾式で行うことが好ましい。シリコン破砕物を粗粉砕するための粉砕装置としては特に制限はなく、例えば、ボールミル(遊星ボールミル、振動ボールミル、転動ボールミル、撹拌ボールミル)、ジェットミル、三次元ボールミルを用いることができる。
(粉砕工程)
粉砕工程S3は、シリコン粗粒子を粉砕してシリコン原料(シリコン微粒子)を得る工程である。粉砕工程S3では、例えば、ボールミル(遊星ボールミル、振動ボールミル、転動ボールミル、撹拌ボールミル)、ジェットミル、三次元ボールミルを用いることができる。粉砕装置として、株式会社ナガオシステムの三次元ボールミルを用いることが好ましい。
硬質ボールとしては、ジルコニア(ZrO)ボールやアルミナ(Al)を用いることができる。硬質ボールの粒子径は、0.1mm以上20mm以下の範囲内にあることが好ましい。硬質ボールの粒子径がこの範囲内あると、シリコン粗粒子を効率よく粉砕することができる。硬質ボールの使用量は、シリコン粗粒子100質量部に対する量として500質量部以上2500質量部以下の範囲内にあることが好ましい。硬質ボールの使用量がこの範囲内にあると、シリコン粗粒子を効率よく粉砕することができる。硬質ボールの使用量は1000質量部以上2000質量部以下の範囲内にあることがより好ましく、1100質量部以上1500質量部以下の範囲内にあることが特に好ましい。
三次元ボールミルの容器中のシリコン粗粒子と硬質ボールの充填率は、容器の容量に対するシリコン粗粒子と硬質ボールの合計体積の量として3%以上35%以下の範囲内にあることが好ましい。充填率が少なくなりすぎると粉砕効率が低下して製造コストが高くなるおそれがある。一方、充填率が多くなりすぎると、粉砕が進行しにくくなり、得られるシリコン原料の平均粒子径が大きくなる、もしくはシリコン粗粒子が十分に粉砕されずに、その粒子が残るおそれがある。シリコン粗粒子と硬質ボールの充填率は、15%以上30%以下の範囲内にあることがより好ましく、20%以上30%以下の範囲内にあることが特に好ましい。なお、充填率は、容器の内部が原料とボールで隙間なく充填されているときを100%と仮定した体積である。例えば、球状の容器の半分まで原料と硬質ボールで隙間なく充填されていれば50%、球状の容器の1/2の高さまで原料と硬質ボールで隙間なく充填されていれば15.6%である。但し、ここでいう「隙間なく」とは、マクロ的な隙間であり、複数のボール抜けた状態を意味し、ボールとボールの間に形成される隙間ではない。
容器は、非酸化性ガスが充填されていることが好ましい。非酸化性ガスが充填された容器を用いることによって、シリコン微粒子の吸湿による粒子の凝集やシリコン微粒子の酸化を抑制することができる。非酸化性ガスとしては、アルゴン、窒素、二酸化炭素を用いることができる。
本実施形態のシリコン原料の製造方法は、粗粉砕工程S2において、ふるい法により測定される最大粒子径が1000μm以下であるシリコン粗粒子を用意し、次の粉砕工程S3において、三次元ボールミルを用いて、所定の条件でシリコン粗粒子を粉砕する。このため、微細で、かつ粗大な凝集粒子を形成しにくく、他の原料粒子と混合する際の分散性が高いシリコン原料を工業的に有利に製造することができる。
以上、シリコン原料の製造方法について説明したが、製造方法は以上に限られず任意であってよい。
(負極材料と正極材料を製造するステップ)
図9は、本実施形態の電池の製造方法の一例を説明するフローチャートである。図9に示すように、本製造方法においては、ステップS10からステップS20の工程で、負極14を形成する。
具体的には、界面活性剤を溶媒に溶解させて、第1溶液を生成する(ステップS10)。第1溶液は、界面活性剤が溶解し、かつ、Na(イオン状態のNa)を含む溶液である。界面活性剤は、アモルファスカーボンを分散させるために用いられる。界面活性剤としては、アモルファスカーボンを分散可能な任意の物を用いてよいが、本実施形態では、Naを含有する物を用いる。Naを含有する界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いてよい。第1溶液の溶媒は、界面活性剤を溶解させる任意のものであってよいが、例えば水を用いてよい。
なお、界面活性剤は、Naを含有するものであることには限られない。この場合、例えばNaを含有しない界面活性剤と、Naを含有する化合物とを、溶媒に溶解させて、第1溶液を生成してもよい。Naを含有しない界面活性剤としては、例えば、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルや、ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテルなどを用いてよい。ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が12以上15以下の物を用いることが好ましく、例えば、C1225O(CH(ポリ(オキシエチレン)ドデシルエーテル)、C1327O(CH(ポリ(オキシエチレン)トリデシルエーテル)、C1327O(CH(ポリ(オキシエチレン)イソトリデシルエーテル)、C1425O(CH(ポリ(オキシエチレン)テトラデシルエーテル)、C15525O(CH(ポリ(オキシエチレン)ペンタデシルエーテル)などを用いてよい。ここでnは1以上の整数である。ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテルとしては、例えば、C19(CHCHO)H、C19(CHCHO)10H、C19(CHCHO)12Hなどを用いてよい。Naを含有する化合物としては、例えば、硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムなどを用いてよい。
第1溶液における界面活性剤の含有量は、すなわち界面活性剤の添加量は、後段のステップS12で添加するカーボン原料の添加量に対して、質量比率で、0.1%以上10%以下であることが好ましく、0.5%以上7%以下であることがより好ましく、1%以上5%以下であることが更に好ましい。この数値範囲とすることで、カーボンとNaWOとの親和性を適切に向上できる。
次に、第1溶液にカーボン原料とシリコン原料を添加して、第2溶液を生成する(ステップS12)。カーボン原料は、カーボン粒子30の原料として用いられるカーボンである。カーボン原料は、例えば、平均粒径が、1μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。カーボン原料の平均粒径をこの範囲とすることで、電池の容量を高くすることが可能となる。ステップS12では、カーボン原料及びシリコン原料が添加された第1溶液、すなわち第2溶液を撹拌して、第1溶液中にアモルファスカーボン原料及びシリコン原料を分散させる。すなわち、第2溶液は、アモルファスカーボン原料及びシリコン原料が分散した第1溶液といえる。
なお、本ステップにおいては、第1溶液へのシリコン原料とカーボン原料との添加順番は任意であってよい。例えば、第1溶液に対して、シリコン原料を先に添加して撹拌した後、カーボン原料を添加して撹拌してもよい。また例えば、第1溶液に対して、カーボン原料を先に添加して撹拌した後、シリコン原料を添加して撹拌してもよい。また例えば、第1溶液に対して、カーボン原料とシリコン原料とを同時に添加して撹拌してもよい。
カーボン原料は、例えば、オイルファーネス法で製造されてよい。オイルファーネス法では、例えば高温雰囲気中に原料油を噴霧して熱分解させた後、急冷することで、粒子状のカーボン原料を製造する。ただし、カーボン原料の製造方法はこれに限られず任意であってよい。
次に、第2溶液とタングステン溶液とを混合して、第3溶液を生成する(ステップS14)。タングステン溶液は、WとOとを含む溶液である。タングステン溶液は、例えば、酸化タングステン原料が溶媒に溶解して生成される溶液である。ここでの酸化タングステン原料は、NaWO粒子32の原料であり、例えば三酸化タングステンが用いられる。溶媒としては、例えばアルカリ性の液体が用いられ、本実施形態ではアンモニア水溶液が用いられる。そのため、タングステン溶液は、本実施形態では、WとOとを含むアルカリ性の溶液であり、さらに言えば、タングステン酸アンモニウムである。ただし、タングステン溶液は、WとOとを含む任意の溶液であってよい。
第2溶液に添加するタングステン溶液に含まれるWの含有量は、すなわちWの添加量は、ステップS12で添加したカーボン原料の添加量に対して、質量比率で、0.5%以上20%以下であることが好ましく、1%以上15%以下であることがより好ましく、1.3%以上10%以下であることが更に好ましい。この数値範囲とすることで、カーボンとNaWOとの親和性を適切に向上できる。
次に、第3溶液の液体成分を除去することで、負極材料を生成する(負極材料生成ステップ)。本実施形態では、負極材料生成ステップとして、ステップS16、S18を実行する。具体的には、第3溶液を乾燥させて、負極中間物を生成する(ステップS16;乾燥ステップ)。ステップS16においては、例えば、大気中で第3溶液を80℃で12時間乾燥させることで、添加溶液に含まれる液体成分を除去、すなわち蒸発させる。ただし乾燥条件は任意であってよい。負極中間物は、第3溶液の液体成分が除去されて残った固形成分を含むものであるといえる。
次に、負極中間物を加熱することで、負極材料を生成する(ステップS18;加熱ステップ)。負極中間物を加熱することで、カーボン粒子30の表面にNaWO粒子32及びシリコン粒子33が設けられた負極材料が形成される。すなわち、第3溶液において分散していたカーボン粒子30の表面に、第3溶液に含まれていたイオン状態のNa、W、Oが、NaWO粒子32として析出して、負極材料が形成される。
加熱ステップにおいて負極中間物を加熱する条件は、任意であってよいが、次のように行われることが好ましい。すなわち、加熱ステップは、負極中間物を炉内に投入して、炉内を不活性雰囲気とするステップと、負極中間物を第1加熱速度で第1温度まで加熱する第1加熱ステップと、第1温度まで加熱した負極中間物を、第2加熱速度で第2温度まで加熱する第2加熱ステップとを含むことが好ましい。
炉内を不活性雰囲気とするステップにおける不活性雰囲気は、例えば、窒素雰囲気や、Arなどの希ガス雰囲気などであってよく、例えば炉内の酸素を窒素や希ガスに置換することで、不活性雰囲気としてよい。なお、このステップは必須ではない。
第1加熱ステップは、負極中間物に含まれる金属や有機物などを除去するステップである。第1加熱ステップにおける、第1加熱温度は、例えば550℃であるが、それに限られず、150℃以上625℃以下であることが好ましく、175℃以上600℃以下であることが好ましく、200℃以上575℃以下であることがより好ましい。第1加熱速度は、任意の速度であってよいが、例えば、45℃/時以上75℃/時以下であることが好ましく、50℃/時以上70℃/時以下であることがより好ましく、55℃/時以上65℃/時以下であることが更に好ましい。第1加熱温度や第1加熱速度をこの範囲とすることで、負極中間物に含まれる金属や有機物などを適切に除去できる。
第2加熱ステップは、第1加熱ステップ後に、NaWOを生成するステップである。第2加熱ステップにおける、第2加熱温度は、第1加熱温度より高く、例えば700℃であるが、それに限られず、680℃以上750℃以下であることが好ましく、685℃以上740℃以下であることが好ましく、690℃以上730℃以下であることがより好ましい。第2加熱速度は、任意の速度であってよいが、第1加熱速度より高いことが好ましく、例えば、165℃/時以上195℃/時以下であることが好ましく、170℃/時以上190℃/時以下であることがより好ましく、175℃/時以上185℃/時以下であることが更に好ましい。第2加熱温度や第2加熱速度をこの範囲とすることで、プロセスに要する時間を短くしつつ、NaWOを適切に生成できる。
第2加熱ステップにおいては、第2加熱温度まで加熱した負極中間物を、第2加熱温度で所定時間保持することが好ましい。ここでの保持時間は、1.25時間以上2.75時間以下であることが好ましく、1.5時間以上2.5時間以下であることがより好ましく、1.75時間以上2.25時間以下であることが更に好ましい。
なお、第1加熱ステップより前(かつ、本実施形態では不活性雰囲気にするステップの後)に、負極中間物を第3加熱速度で第3温度まで加熱して、第3温度で所定時間保持するステップが設けられていてもよい。第3温度は、第1温度より低く、例えば100℃であるが、それに限られず、80℃以上120℃以下であることが好ましく、85℃以上115℃以下であることが好ましく、90℃以上110℃以下であることがより好ましい。第3加熱速度も任意であってよく、例えば、165℃/時以上195℃/時以下であることが好ましく、170℃/時以上190℃/時以下であることがより好ましく、175℃/時以上185℃/時以下であることが更に好ましい。また、第3加熱温度で保持する所定時間も任意であってよく、例えば、0.5時間以上1.75時間以下であることが好ましく、0.75時間以上1.5時間以下であることがより好ましく、1.0時間以上1.25時間以下であることが更に好ましい。このステップを設けることで、水分を適切に除去できる。
次に、形成した負極材料を用いて、負極14を形成する(ステップS20)。すなわち、集電層20の表面に、負極材料を含んだ負極材料層22を形成して、負極14を形成する。
また、本製造方法は、正極16を形成する(ステップS22)。ステップS22においては、カーボン原料及びシリコン原料の代わりに、リチウム化合物であるリチウム化合物原料を用いる点以外は、ステップS10からステップS20と同じの方法で、正極材料を形成してよい。そして、正極16用の集電層の表面に、正極材料を含んだ正極材料層を形成して、正極16を形成する。
負極14と正極16を形成したら、負極14と正極16とを用いて、電池1を製造する(ステップS24)。具体的には、負極14とセパレータ18と正極16とを積層して電極群12を形成して、電極群12と電解液とをケージング10内に収納して、電池1を製造する。
以上、負極材料及び正極材料の製造方法について説明したが、製造方法は以上に限られず任意であってよい。
(効果)
以上説明したように、本実施形態に係る負極材料は、電池の負極材料であって、カーボンと、タングステン酸ナトリウムと、シリコンを含むシリコン粒子33と、を含む。シリコン粒子33は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、3以上である。
ここで、負極材料にタングステン化合物やSiを設けると、電池の性能を向上できる。しかし、さらなる性能向上が求められており、本発明者は、鋭意研究の結果、原料のSiの酸化物が容量の向上を抑制していることを発見した。それに対し、本実施形態に係る負極材料は、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、3以上である。従って、本実施形態によると、シリコンの酸化物を少なくして、電池の性能を向上させることができる。
また、シリコン粒子33は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるO1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、1.0以上であることが好ましい。本実施形態に係る負極材料は、シリコン粒子33の、O1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、電池の性能を向上させることができる。特に、SiO以外のシリコン酸化物(例えばSiOなど)も、容量の向上を抑制する因子として作用する可能性があり、そのような場合に、O1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率が上記範囲となることで、SiO以外のシリコン酸化物の量も少なくして、電池の性能を適切に向上できる。
また、シリコン粒子33は、Siで構成されるSi層33Aと、Si層33Aの表面に形成されてシリコンの酸化物で構成される酸化層33Bと、を含み、シリコン粒子33を球形と仮定し、体積平均粒子径を用いてシリコン粒子33の体積を算出した場合に、酸化層33Bの体積は、シリコン粒子33の全体の体積に対して、0.06%以下であることが好ましい。酸化層33Bの体積比率がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、電池の性能を向上させることができる。
また、シリコン粒子33は、Siで構成されるSi層33Aと、Si層33Aの表面に形成されてシリコンの酸化物で構成される酸化層33Bと、を含み、シリコン粒子33を球形と仮定し、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において累積度数が50体積%の粒子径D50を用いてシリコン粒子33の体積を算出した場合に、酸化層33Bの体積は、シリコン粒子33の全体の体積に対して、0.4%以下であることが好ましい。酸化層33Bの体積比率がこの範囲となることで、表面近傍での酸化物の量が少なくなり、電池の性能を向上させることができる。
また、負極材料は、カーボンとタングステン酸ナトリウムとシリコン粒子33との合計含有量を100重量%とした場合に、シリコン粒子33の含有量が1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。シリコン粒子33の含有量をこの範囲とすることで、電池の性能を向上させることができる。
また、本実施形態に係る負極材料において、タングステン酸ナトリウムは、NaWOという化学式で表され、xが0より大きく1以下でありyが2以上4以下であることが好ましい。このような化学式のタングステン酸ナトリウムを含むことで、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、ナトリウムの含有量が、質量比率で、0.01%以上0.5%以下であり、かつ、タングステンの含有量が、質量比率で、0.5%以上20%以下であり、酸素の含有量が、質量比率で、1%以上15%以下であることが好ましい。Na、W、Oがこの範囲となることで、タングステン酸ナトリウムが適切な量含まれて、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る負極材料は、蛍光X線分析で測定した場合における、タングステンに対するナトリウムの含有比率であるNa/Wが、0.001以上0.2以下であることが好ましい。Na/Wがこの範囲となることで、タングステン酸ナトリウムが適切な量含まれて、カーボンの表面にタングステン酸ナトリウムを適切に配置することができる。
本実施形態に係る負極材料の製造方法は、酸素濃度が5%以下の雰囲気下でシリコン原料を準備するステップと、シリコン原料を用いて、カーボンと、タングステン酸ナトリウムと、シリコン粒子33とを含む負極材料を生成するステップを含み、シリコン粒子33は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるSiOに起因するSi2pのSiに対する単体シリコンのSi2pのSiの量に対する比率が、原子濃度基準で、3以上であることが好ましい。このように低酸素濃度でシリコン原料を準備することで、シリコンの酸化を抑制して、電池の性能を向上させることができる。
(実施例)
次に、実施例について説明する。
(実施例1)
(シリコン原料の準備)
鱗片状多結晶シリコンチャンク(純度:99.999999999質量%、縦:5~15mm、横:5~15mm、厚さ:2~10mm)を、ハンマーミルを用いて破砕した。次いで、得られた粉砕物を、目開き5mmのふるいを用いて乾式分級して、ふるい下のシリコン破砕物を得た。
得られたシリコン破砕物と、硬質ボール(ジルコニアボール、直径:10mm)と、一方の容器と他方の容器とに分割可能な80mmΦZrO球容器とを、それぞれArガスが充填されたグローブボックスに収容した。グローブボックス内にて、容器の一方にシリコン破砕物30質量部と硬質ボール380質量部とを投入した。次いで、シリコン破砕物と硬質ボールを投入した一方の容器と、他方の容器とを組み合わせ、Arガスが充填されたグローブボックス内で、二つの容器をねじ止めして密封した。二つの容器の合わせ面は、気密が保たれるようにすり合わせ面となっている。容器中のシリコン破砕物と硬質ボールの充填率は28%とした。
シリコン破砕物と硬質ボールとを充填した80mmΦZrO球容器を、グローブボックスから取り出して、三次元ボールミル装置にセットした。そして、第1回転軸の回転速度:300rpm、第2回転軸の回転速度:300rpm、粉砕時間:0.33時間の条件で粗粉砕した。粗粉砕後のシリコン粗粉砕物と硬質ボールとを、目開き1000μmのふるいを用いて乾式分級して、最大粒子径が1000μm以下のシリコン粗粒子を得た。
得られたシリコン粗粒子と、硬質ボール(ジルコニアボール、直径:10mm)と、半球状容器とを、それぞれArガスが充填されたグローブボックスに収容した。次いで、グローブボックス内にて、半球容器の一方にシリコン破砕物15質量部と硬質ボール200質量部とを投入した(シリコン粗粒子100質量部に対する硬質ボールの量は1333質量部)。次いで、球状容器を形成するように、シリコン破砕物と硬質ボールを投入した一方の半球容器と、他方の半球容器とを組み合わせ、Arガスが充填されたグローブボックス内で、二つの容器をねじ止めして密封した。容器中のシリコン破砕物と硬質ボールの充填率は15%であった。
シリコン粗粒子と硬質ボールとを充填した80mmΦZrO球容器を、グローブボックスから取り出して、三次元ボールミル装置にセットした。そして、第1回転軸の回転速度:300rpm、第2回転軸の回転速度:300rpm、粉砕時間:6時間の条件で粉砕して、シリコン原料を得た。
(負極材料の準備)
実施例1においては、実施形態で説明した方法で、負極材料を製造した。具体的には、第1溶液として、水を溶媒として界面活性剤としてSDSが溶解した溶液を準備した。第1溶液におけるSDSの濃度は、3%とした。そして、添加するアモルファスカーボン原料に対する第1溶液中のSDSの質量比率が3%となるように、第1溶液に、アモルファスカーボン原料とシリコン原料を添加して撹拌プロペラ(360rpm)で撹拌し、第2溶液とした。添加するシリコンの量は、カーボンの添加量に対して、4wt%であった。そして、第2溶液中のアモルファスカーボン原料に対するタングステン酸アンモニウム(タングステン溶液)に含まれるWの量が質量比で5%となるように、第2溶液にタングステン酸アンモニウム(タングステン溶液)を添加して、第3溶液とした。そして、第3溶液を撹拌プロペラ(180rpm)で撹拌した後、加熱により水分を蒸発させて乾燥させて、負極中間物を生成した。そして、この負極中間物を、管状炉(焼成炉)内に導入し、アルゴン雰囲気下で、第1加熱速度60℃/時にて550℃(第1加熱温度)まで昇温させる。第1加熱温度に達した後に、第2加熱温度180℃/時にて700℃(第2加熱温度)に昇温し、2時間保持した。2時間保持した後、加熱を停止し50℃になるまで自然降温させて負極材料を生成した。
(実施例2)
実施例2においては、粉砕時間:3時間、添加したシリコン、タングステン、SDSの量を、5wt%、5wt%、3wt%とした点以外は、実施例1と同様の方法で、負極材料を生成した。
(実施例3)
実施例3においては、粉砕時間:4時間、添加したシリコン、タングステン、SDSの量を、5wt%、5wt%、3wt%とした点以外は、実施例1と同様の方法で、負極材料を生成した。
(実施例4)
実施例4においては、粉砕に使用する容器形状を80mmΦSUS胴長容器で粉砕時間:2時間、添加したシリコン、タングステン、SDSの量を、5wt%、5wt%、3wt%とした点以外は、実施例1と同様の方法で、負極材料を生成した。
(実施例5)
実施例5においては、粉砕に使用する容器形状を80mmΦSUS胴長容器で粉砕時間:1時間、添加したシリコン、タングステン、SDSの量を、10wt%、5wt%、3wt%とした点以外は、実施例1と同様の方法で、負極材料を生成した。
(実施例6)
実施例6においては、粉砕に使用する容器形状を80mmΦSUS胴長容器で粉砕時間:3時間、添加したシリコン、タングステン、SDSの量を、10wt%、5wt%、3wt%とした点以外は、実施例1と同様の方法で、負極材料を生成した。
(実施例7)
実施例7においては、粉砕時間:2時間として、第1溶液における界面活性剤のC1225O(CH(ポリ(オキシエチレン)ドデシルエーテルの濃度を4%、ステアリン酸ナトリウムの濃度を1%を添加した点以外は、実施例1と同様の方法で、負極材料を生成した。
(比較例1)
比較例1においては、アモルファスカーボンのみを用いて負極材料とした。
(比較例2)
比較例2においては、粉砕に使用する容器形状を80mmΦSUS胴長容器で容器内雰囲気を空気として粉砕時間:1時間、添加したシリコン、タングステン、SDSの量を、10wt%、4wt%、2wt%とした点以外は、実施例1と同様の方法で、負極材料を生成した。
(比較例3)
比較例3においては、粉砕に使用する容器形状を80mmΦZrO球容器で容器内雰囲気を空気として粉砕時間:3時間、添加したシリコン、タングステン、SDSの量を、10wt%、8wt%、2wt%とした点以外は、実施例1と同様の方法で、負極材料を生成した。
(シリコン材料の特性)
図10は、各例の製造条件、及びシリコン材料の特性を示す表である。図10に示すように、各例のシリコン材料について、XPS測定に基づく特性を測定した。図10におけるSi濃度は、本実施形態で説明したSi濃度に相当し、図10におけるO濃度は、本実施形態で説明したO濃度に相当し、図10におけるSiO由来のSi濃度割合は、本実施形態で説明したSiO由来のSi濃度割合に相当し、図10におけるSi由来のSi濃度割合は、本実施形態で説明したSi由来のSi濃度割合に相当し、図10の濃度割合比Si/Si(SiO)は、本実施形態で説明した、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率に相当し、図10の濃度比Si/Oは、本実施形態で説明した、表層におけるO1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率に相当し、図10の酸化膜厚は、本実施形態で説明した酸化層33Bの厚みに相当する。各例でのX線光電子分光法は、本実施形態で説明した装置及び条件を用いた。
また、図10に示すように、各例のシリコン材料について、体積平均粒径及びD50に基づく特性を測定した。シリコン材料を界面活性剤水溶液に投入し、超音波処理によりシリコン微粒子を分散させてシリコン微粒子分散液を調製した。次いで、得られたシリコン微粒子分散液中のシリコン微粒子の粒度分布を、レーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置(MT3300EX II、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定した。得られた粒度分布から、体積平均粒径、D50を求めた。図10におけるSiO体積は、本実施形態での、体積平均粒子径(又はD50)を用いて算出した酸化層33Bの体積に相当し、図10における粒子体積は、本実施形態での、体積平均粒子径(又はD50)を用いて算出したシリコン粒子33の体積に相当し、図10でのSiO体積/粒子体積は、本実施形態での、体積平均粒子径(又はD50)に基づく酸化層33Bの体積比率に相当する。
(負極材料の同定)
図11は、各例の負極材料の同定結果を示す表である。各例で製造した負極材料に対して、蛍光X線分析を実行して、負極材料に含まれる元素の含有量と、Na/W、Si/C、W/C、Si/W、Si/Oを測定した。元素の含有量の測定結果を図11に示す。なお、蛍光X線分析の測定条件は、上述の実施形態で説明した条件を用いた。
実施例1乃至7の負極材料は、アモルファスカーボン由来のC、シリコン材料由来のSi、タングステン酸ナトリウム由来のNa、W、O以外の元素(ここではS)も含んでいるが、これらは不純物である。また、図11に挙げられている元素以外にも不可避的不純物を含んでもよい。
各例で製造した負極材料に対して、XRDを実行して、負極材料に含まれるタングステン酸ナトリウムの化学式と結晶構造とを同定した。同定結果を図11に示す。なお、XRDの測定条件は、上述の実施形態で説明した条件を用いた。
(評価結果)
各例の負極材料の評価として、負極材料を用いた負極の容量を測定した。具体的には、Cレートを0.2とした場合の1g当たりの電流値(mAh/g)と、Cレートを3.2とした場合の1g当たりの電流値(mAh/g)とを測定した。例えばCレートを0.2とした場合の1g当たりの負極の電流値とは、5時間で定格容量を消費する電流値を指す。
また、各例の負極材料の評価として、負極のSiにリチウムが流入するか、負極のSiからリチウムが放出されるかについても確認した。負極のSiにリチウムが流入する場合をあり、流入しない場合をなしとした。
図11に評価結果を示す。図11に示すように、Si/SiOが3以上となり、タングステン酸ナトリウムがカーボンの表面に設けられた実施例1-7においては、タングステン酸ナトリウムを含まない比較例1に対して、0.2Cでの電池特性が向上していることがわかる。さらに、実施例1-7の3.2Cの電池特性も、十分な値を保っていることが分かる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 電池
14 負極
22 負極材料層
30 カーボン粒子
32 NaWO粒子
33 シリコン粒子

Claims (11)

  1. 電池の負極材料であって、
    カーボンと、タングステン酸ナトリウムと、シリコンを含むシリコン材料と、を含み、
    前記シリコン材料は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、3以上である、
    負極材料。
  2. 前記シリコン材料は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるO1sのOの量に対するSi2pのSiの量の比率が、原子濃度基準で、1.2以上である、請求項1に記載の負極材料。
  3. 前記シリコン材料は、Siで構成されるSi層と、Si層の表面に形成されてシリコンの酸化物で構成される酸化層と、を含み、前記シリコン材料を球形と仮定し、体積平均粒子径を用いて前記シリコン材料の体積を算出した場合に、前記酸化層の体積は、前記シリコン材料の全体の体積に対して、0.04%以下である、請求項1又は請求項2に記載の負極材料。
  4. 前記シリコン材料は、Siで形成されるSi層と、Si層の表面に形成されてSiとOとを含む酸化層と、を含み、前記シリコン材料を球形と仮定し、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において累積度数が50体積%の粒子径D50を用いて前記シリコン材料の体積を算出した場合に、前記酸化層の体積は、前記シリコン材料の全体の体積に対して、0.4%以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の負極材料。
  5. 前記タングステン酸ナトリウムは、NaWOという化学式で表され、xが0より大きく1以下であり、yが2以上4以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の負極材料。
  6. 蛍光X線分析で測定した場合における、ナトリウムの含有量が、質量比率で、0.01%以上0.5%以下であり、かつ、タングステンの含有量が、質量比率で、0.5%以上20%以下であり、酸素の含有量が、質量比率で、1%以上15%以下である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の負極材料。
  7. 蛍光X線分析で測定した場合における、タングステンに対するナトリウムの含有比率であるNa/Wが、0.001以上0.2以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の負極材料。
  8. 前記タングステン酸ナトリウムとして、Na0.78WO、Na0.48WO、Na0.72WO、Na0.44WO、Na0.49WO、Na0.33WO、Na0.58WO、NaWO、及びNa1444の少なくとも1つを含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の負極材料。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の負極材料と、正極材料とを含む、電池。
  10. 電池の負極材料の製造方法であって、
    酸素濃度が5%以下の雰囲気下でシリコン原料を準備するステップと、
    前記シリコン原料を用いて、カーボンと、タングステン酸ナトリウムと、シリコン材料とを含む負極材料を生成するステップを含み、
    前記シリコン材料は、X線光電子分光法で測定した場合の、表層におけるSiO由来のSi2pのSiの量に対する単体シリコン由来のSi2pのSiの量に対する比率が、原子濃度基準で、3以上である、
    負極材料の製造方法。
  11. 請求項10に記載の負極材料の製造方法と、正極材料を製造するステップと、を含む、電池の製造方法。
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