JP2023049240A - ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリスチレン系樹脂発泡シートを含む、成形性に優れたポリスチレン系樹脂積層発泡シート、および該ポリスチレン系樹脂積層発泡シートが成形されたポリスチレン系樹脂積層発泡容器を提供する。【解決手段】ポリスチレン系樹脂(以下PSと略記)発泡シート(A)を含むPS積層発泡シートであって、PS発泡シート(A)は、ガラス転移温度(Tg)が110℃以上である第1PS発泡層11と該第1PS発泡層よりもTgが低い第2PS発泡層12の積層体を含み、第1PS発泡層のMD方向の表面粗さRa1(MD)とTD方向の表面粗さRa1(TD)の平均表面粗さをR1(=(Ra1(MD)+Ra1(TD))/2)とし、第2PS発泡層のMD方向の表面粗さRa2(MD)とTD方向の表面粗さRa2(TD)の平均表面粗さをR2(=(Ra2(MD)+Ra2(TD))/2)としたときに、(R1/R2)が1.1~3.0である。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器に関する。
容器成形用の熱可塑性樹脂積層発泡シートは、押出機内に熱可塑性樹脂を発泡剤、気泡調整剤などと共に供給し、押出機内でこれらの材料を加熱溶融、混練し、所定温度に冷却した後、樹脂をダイからシート状に押出し、発泡させ、直後に冷却して作製される発泡シートの表面に、熱可塑性樹脂フィルムを積層して製造される。また、この熱可塑性樹脂積層発泡シートを用いて容器を製造するには、ロール状に巻き取られた熱可塑性樹脂積層発泡シートを成形機の加熱ゾーンで一定温度に加熱した後、成形ゾーンで所望の容器形状に成形して製造される。
このような熱可塑性樹脂積層発泡シートとして、例えば、特定の耐衝撃性ポリスチレンを特定量含む特定のポリスチレン系樹脂を基材樹脂とするポリスチレン系発泡シートの一方の面にポリオレフィン系樹脂フィルムが接着積層されているポリスチレン系樹脂積層発泡シートが報告されている(特許文献1)。
このようなポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、コンビニエンスストアやスーパーなどで使用される総菜や弁当などの容器の材料として大量に使用されている。また、近年は、深絞り成形などのレンジアップ容器が増えており、成形性が高いことが求められる。
成形性の高いポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得るためには、主たる構成要素としてのポリスチレン系樹脂発泡シートの成形性が高いことが必要である。ポリスチレン系樹脂発泡シートの成形性を高めるための手段として、例えば、耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡層と該耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡層よりも耐熱性が低いポリスチレン系樹脂発泡層との積層体を採用することが挙げられる。このような積層体を有するポリスチレン系樹脂発泡シートは、キャビティとプラグを備える成形機に供される場合、軟化温度の高い耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡層側(プラグ側)のヒータ温度を高くする必要がある。しかし、プラグ側のヒータ温度を高くすると、離型する際に、成形品がプラグに張り付いてしまうという問題が生じる。
特開2018-44086号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、ポリスチレン系樹脂発泡シートを含むポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、成形性に優れたポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提供すること、および、該ポリスチレン系樹脂積層発泡シートが成形されたポリスチレン系樹脂積層発泡容器を提供することにある。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、
ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)を含むポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、
該ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)は、ガラス転移温度が110℃以上である第1ポリスチレン系樹脂発泡層と該第1ポリスチレン系樹脂発泡層よりもガラス転移温度が低い第2ポリスチレン系樹脂発泡層の積層体を含み、
該第1ポリスチレン系樹脂発泡層のMD方向の表面粗さRa1(MD)とTD方向の表面粗さRa1(TD)の平均表面粗さをR1(=(Ra1(MD)+Ra1(TD))/2)とし、該第2ポリスチレン系樹脂発泡層のMD方向の表面粗さRa2(MD)とTD方向の表面粗さRa2(TD)の平均表面粗さをR2(=(Ra2(MD)+Ra2(TD))/2)としたときに、(R1/R2)が1.1~3.0である。
一つの実施形態としては、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、見掛け密度が0.05g/cm~0.16g/cmである。
一つの実施形態としては、上記第1ポリスチレン系樹脂発泡層が耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡層であり、上記第2ポリスチレン系樹脂発泡層が汎用ポリスチレン系樹脂発泡層である。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡容器は、上記ポリスチレン系樹脂積層発泡シートが容器形状に成形されたものである。
本発明によれば、ポリスチレン系樹脂発泡シートを含むポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、成形性に優れたポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提供すること、および、該ポリスチレン系樹脂積層発泡シートが成形されたポリスチレン系樹脂積層発泡容器を提供することができる。
図1は、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの一つの実施形態による概略断面図である。 図2は、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡容器の代表的な概略斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
本明細書において「(メタ)アクリル」とある場合は、アクリルおよび/またはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とある場合は、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
≪≪ポリスチレン系樹脂積層発泡シート≫≫
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)を含む。
ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)は、ガラス転移温度が110℃以上である第1ポリスチレン系樹脂発泡層と該第1ポリスチレン系樹脂発泡層よりもガラス転移温度が低い第2ポリスチレン系樹脂発泡層の積層体を含む。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)は、例えば、第1ポリスチレン系樹脂発泡層と第2ポリスチレン系樹脂発泡層の積層体のみからなっていてもよい。
ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)は、第1ポリスチレン系樹脂発泡層と第2ポリスチレン系樹脂発泡層の積層体を含んでいれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を含んでいてもよい。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)を含んでいれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を含んでいてもよい。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいては、第1ポリスチレン系樹脂発泡層のMD方向の表面粗さRa1(MD)とTD方向の表面粗さRa1(TD)の平均表面粗さをR1(=(Ra1(MD)+Ra1(TD))/2)とし、第2ポリスチレン系樹脂発泡層のMD方向の表面粗さRa2(MD)とTD方向の表面粗さRa2(TD)の平均表面粗さをR2(=(Ra2(MD)+Ra2(TD))/2)としたときに、(R1/R2)が1.1~3.0である。(R1/R2)を上記範囲内に調整することにより、本発明の効果がより発現し得る。
(R1/R2)は、好ましくは1.1~2.9であり、より好ましくは1.1~2.8であり、さらに好ましくは1.15~2.75である。
平均表面粗さR1は、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは3.0μm~8.0μmであり、より好ましくは3.3μm~7.7μmであり、さらに好ましくは3.6μm~7.3μmであり、特に好ましくは4.0μm~7.0μmである。
平均表面粗さR2は、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは1.8μm~5.0μmであり、より好ましくは1.9μm~4.7μmであり、さらに好ましくは2.0μm~4.3μmであり、特に好ましくは2.1μm~4.0μmである。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採り得る。本発明の効果をより発現し得る点で、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの厚みは、好ましくは0.5mm~4.0mmであり、より好ましくは0.8mm~3.5mmであり、さらに好ましくは1.0mm~3.0mmであり、特に好ましくは1.1mm~2.5mmである。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの坪量は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な坪量を採り得る。本発明の効果をより発現し得る点で、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの坪量は、好ましくは120g/m~280g/mであり、より好ましくは130g/m~270g/mであり、さらに好ましくは140g/m~260g/mであり、特に好ましくは150g/m~250g/mである。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの見掛け密度は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な見掛け密度を採り得る。本発明の効果をより発現し得る点で、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの見掛け密度は、好ましくは0.05g/cm~0.16g/cmであり、より好ましくは0.06g/cm~0.15g/cmであり、さらに好ましくは0.07g/cm~0.15g/cmであり、特に好ましくは0.08g/cm~0.14g/cmである。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの平均気泡径は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な平均気泡径を採り得る。本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの平均気泡径は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは80μm~450μmであり、より好ましくは120μm~420μmであり、さらに好ましくは160μm~370μmであり、特に好ましくは200μm~350μmである。
なお、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの平均気泡径は、MD方向の平均気泡径dM(mm)、TD方向の平均気泡径dT(mm)、VD方向の平均気泡径dV(mm)を用いて、(dM×dT×dV)の3乗根によって算出される。
平均気泡径d(mm)=(dM(mm)×dT(mm)×dV(mm))(1/3)
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいて、第1ポリスチレン系樹脂発泡層は、好ましくは、耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡層であり、第2ポリスチレン系樹脂発泡層は、好ましくは、汎用ポリスチレン系樹脂発泡層である。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを備えていてもよい。本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートが熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを備えている場合、該熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムは、第1ポリスチレン系樹脂発泡層側に配置されていてもよいし、第2ポリスチレン系樹脂発泡層側に配置されていてもよい。また、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートが下記で説明する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを備えている場合には、上記熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムは、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)から見て該耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムと反対側に備えていてもよいし、該耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムから見てポリスチレン系樹脂発泡シート(A)と反対側に備えていてもよい。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを備えていてもよい。本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートが上記の熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを備えている場合には、上記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムは、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)から見て該熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムと反対側に備えていてもよいし、該熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムから見てポリスチレン系樹脂発泡シート(A)と反対側に備えていてもよい。耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムは、好ましくは、本発明の実施形態におけるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの第1ポリスチレン系樹脂発泡層側に配置される。
図1は、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの一つの実施形態による概略断面図である。図1において、本発明の一つの実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シート100は、第1ポリスチレン系樹脂発泡層11と第2ポリスチレン系樹脂発泡層12の積層体であるポリスチレン系樹脂発泡シート(A)10と、その一方の側に、熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルム30と、もう一方の側に、熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルム40を備える。図1において、第1ポリスチレン系樹脂発泡層11は耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡層であり、第2ポリスチレン系樹脂発泡層12は汎用ポリスチレン系樹脂発泡層である。図1において、非発泡フィルム30の表面が30aであり、非発泡フィルム40の表面が40aである。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層のガラス転移温度は、第1ポリスチレン系樹脂発泡層のガラス転移温度よりも低く、本発明の効果をより発現させ得る点で、第2ポリスチレン系樹脂発泡層のガラス転移温度は、好ましくは80℃以上110℃未満であり、より好ましくは90℃~109℃であり、さらに好ましくは95℃~107℃であり、特に好ましくは98℃~105℃である。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シート中の、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)における第1ポリスチレン系樹脂発泡層側の表層部(表面から200μmの厚み部分)の密度(以下、表層密度ということがある)は、該ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)全体の見掛け密度よりも大きいことが好ましい。これにより、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の耐衝撃性が高められる。全体の見掛け密度よりも大きい密度の表層部は、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の一方の面に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。表層密度は、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)を製造する際に、冷却用のエアーの温度や風量を調節したり、サーキュラーダイの温度やマンドレルでの冷却温度を調節したりする等により、任意の範囲に調整することができる。(表層密度/全体の見掛け密度)で表される比(以下、表層密度比ということがある)は、好ましくは1.5~2.5であり、より好ましくは1.8~2.2である。表層密度比が上記範囲内にあれば、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の耐衝撃性が高められるとともに、成形に適した発泡性が発現できる。
≪第1ポリスチレン系樹脂発泡層≫
第1ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、ポリスチレン系樹脂(I)を発泡させて形成したものである。第1ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、ポリスチレン系樹脂(I)と発泡剤を含む樹脂組成物を押出発泡させて得られる。より具体的には、第1ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、ポリスチレン系樹脂(I)と発泡剤と、必要に応じて加えられる気泡調整剤などの各種の添加剤とを、共に押出機内で加熱溶融、混練し、所定温度に冷却後、ダイからシート状に押し出すと共に発泡させ、直ちに冷却して形成される。なお、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂発泡シートは、第1ポリスチレン系樹脂発泡層と第2ポリスチレン系樹脂発泡層の積層体であるポリスチレン系樹脂発泡シート(A)を含むポリスチレン系樹脂積層発泡シートであるので、該第1ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、該第2ポリスチレン系樹脂発泡層とともに共押しされることによって、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)として得られる。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採り得る。第1ポリスチレン系樹脂発泡層の厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0.50mm~1.50mmであり、より好ましくは0.60mm~1.35mmであり、さらに好ましくは0.70mm~1.30mmであり、特に好ましくは0.65mm~1.25mmである。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な見掛け密度を採り得る。本発明の効果をより発現し得る点で、第1ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度は、好ましくは0.01g/cm~0.30g/cmであり、より好ましくは0.03g/cm~0.25g/cmであり、さらに好ましくは0.05g/cm~0.2g/cmであり、特に好ましくは0.06g/cm~0.15g/cmである。第1ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度は、例えば、JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の測定」に記載されている方法により測定される。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層のガラス転移温度は110℃以上であり、本発明の効果をより発現させ得る点で、第1ポリスチレン系樹脂発泡層のガラス転移温度は、好ましくは110℃~150℃であり、より好ましくは113℃~140℃であり、さらに好ましくは115℃~130℃であり、特に好ましくは117℃~125℃である。
ポリスチレン系樹脂(I)は、1種のポリスチレン系樹脂であってもよいし、2種以上のポリスチレン系樹脂の混合物であってもよい。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層を得ることにおいては、本発明の効果をより発現し得る点で、ポリスチレン系樹脂(I)100質量部に対する発泡剤の含有量が、好ましくは0.5質量部~6.0質量部であり、より好ましくは1.0質量部~5.5質量部であり、さらに好ましくは1.5質量部~5.0質量部であり、特に好ましくは2.0質量部~4.5質量部である。
ポリスチレン系樹脂(I)としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i-プロピルスチレン、t-ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体;上記スチレン系モノマーの共重合体;上記スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸との共重合体;上記スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなど)との共重合体;上記スチレン系モノマーと二官能性モノマー(例えば、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなど)との共重合体;スチレン系モノマーとブタジエン等のゴム分との共重合体や、スチレン系モノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体もしくはスチレン系モノマーと該スチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体とジエン系のゴム状重合体との混合物又は重合体である、いわゆるハイインパクトポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン、HIPS);などが挙げられる。スチレン系モノマーは、好ましくは、少なくともスチレンを含有する。スチレン系モノマーの全量に対するスチレンの含有割合は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。
上記のスチレン系モノマーと重合可能なビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなど)、二官能性モノマー(例えば、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなど)などが挙げられる。これらは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
上記のジエン系のゴム状重合体としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレン共重合体(SBBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIPS)、エチレン-プロピレン-非共役ジエン三次元共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体などが挙げられる。これらは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
1つの実施形態においては、ポリスチレン系樹脂(I)は、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との複合樹脂であってもよい。複合樹脂におけるポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との含有比(ポリスチレン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂:質量比)は、好ましくは50/50~90/10であり、より好ましくは60/40~85/15である。ポリスチレン系樹脂の含有量が少なすぎると、発泡性および/または成形加工性が不十分になる場合がある。ポリスチレン系樹脂の含有量が多すぎると、耐衝撃性および/または柔軟性が不十分になる場合がある。
ポリオレフィン系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なオレフィン系樹脂を採用し得る。ポリオレフィン系樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。ポリオレフィン系樹脂としては、具体例には、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、これら重合体の架橋体等のポリエチレン系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂;などが挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂の中でも、好ましくは、エチレン-酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、およびこれらの混合物である。なお、低密度は、好ましくは0.91g/cm~0.94g/cmであり、より好ましくは0.91g/cm~0.93g/cmである。高密度は、好ましくは0.95g/cm~0.97g/cmであり、より好ましくは0.95g/cm~0.96g/cmである。中密度は、低密度と高密度との間の密度である。
ポリスチレン系樹脂(I)は、リサイクル原料のポリスチレン系樹脂であってもよい。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(I)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリスチレン系樹脂を採用し得る。このようなポリスチレン系樹脂(I)としては、好ましくは、耐熱性ポリスチレン系樹脂を採用し得る。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(I)は、好ましくは、スチレン-アクリル酸系共重合体およびスチレン-メタクリル酸系共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。第1ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(I)中の、スチレン-アクリル酸系共重合体およびスチレン-メタクリル酸系共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは50質量%~99質量%であり、より好ましくは60質量%~98質量%であり、さらに好ましくは70質量%~97質量%であり、特に好ましくは75質量%~96質量%である。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(I)は、より好ましくは、スチレン系モノマーとジエン系モノマー(ブタジエンなど)との共重合体、および、スチレン系モノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体もしくはスチレン系モノマーと該スチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体とジエン系のゴム状重合体との混合物又は重合体である、いわゆるハイインパクトポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン、HIPS)、からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(I)中の、スチレン系モノマーとジエン系モノマーとの共重合体、および、スチレン系モノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体もしくはスチレン系モノマーと該スチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体とジエン系のゴム状重合体との混合物又は重合体、からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1質量%~50質量%であり、より好ましくは2質量%~40質量%であり、さらに好ましくは3質量%~30質量%であり、特に好ましくは4質量%~25質量%である。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、ポリスチレン系樹脂(I)と発泡剤を含む樹脂組成物を押出発泡させて得られる。
発泡剤としては、発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な発泡剤を採用し得る。このような発泡剤としては、例えば、プロパン、i-ブタン、n-ブタン、i-ペンタン、n-ペンタン、N、CO、N/CO、水、水と-OH、-COOH、-CN、-NH、-OSOH、-NH、CO、NH、-CONH、-COOR、-CHSOH、-SOH、-COONHなどの基を持つ化合物との混合物、これらの混合物、から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本発明の効果をより発現させ得る点で、発泡剤としては、好ましくは、i-ブタンおよびn-ブタンから選ばれる少なくとも1種である。発泡剤としては、有機系発泡剤を用いてもよい。有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボン酸アミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。
本発明においては、発泡剤がジメチルエーテルを極力含まないことが好ましい。発泡剤がジメチルエーテルを極力含まないことにより、引火性、爆発性、および有害性の高い可燃性高圧ガスであるジメチルエーテルを用いないでポリスチレン系樹脂発泡シートを安全に大量生産することが可能である。発泡剤中のジメチルエーテルの含有割合は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下であり、最も好ましくは実質的に0質量%である。
ポリスチレン系樹脂(I)と発泡剤を含む樹脂組成物には、気泡調整剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤(顔料も含み)、消臭剤、発泡核剤、造核剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤が含まれていてもよい。添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
気泡調整剤としては、例えば、タルク、シリカ等の無機粉末;多価カルボン酸の酸性塩;多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの反応混合物;などが挙げられる。
安定剤としては、例えば、カルシウム亜鉛系熱安定剤、スズ系熱安定剤、鉛系熱安定剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セシウム系紫外線吸収剤、酸化チタン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化セリウム/ジルコニア固溶体、水酸化セリウム、カーボン、カーボンナノチューブ、酸化チタン、フラーレンなどが挙げられる。
着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、焼成顔料、メタリック顔料、マイカ、パール顔料、亜鉛華、沈降性シリカ、カドミウム赤などが挙げられる。
消臭剤としては、例えば、シリカ、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、ハイドロタルサイト焼成物などが挙げられる。
≪第2ポリスチレン系樹脂発泡層≫
第2ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、ポリスチレン系樹脂(II)を発泡させて形成したものである。第2ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、ポリスチレン系樹脂(II)と発泡剤を含む樹脂組成物を押出発泡させて得られる。より具体的には、第2ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、ポリスチレン系樹脂(II)と発泡剤と、必要に応じて加えられる気泡調整剤などの各種の添加剤とを、共に押出機内で加熱溶融、混練し、所定温度に冷却後、ダイからシート状に押し出すと共に発泡させ、直ちに冷却して形成される。なお、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂発泡シートは、第1ポリスチレン系樹脂発泡層と第2ポリスチレン系樹脂発泡層の積層体であるポリスチレン系樹脂発泡シート(A)を含むポリスチレン系樹脂積層発泡シートであるので、該第2ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、該第1ポリスチレン系樹脂発泡層とともに共押しされることによって、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)として得られる。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採り得る。第2ポリスチレン系樹脂発泡層の厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0.50mm~1.50mmであり、より好ましくは0.60mm~1.35mmであり、さらに好ましくは0.70mm~1.30mmであり、特に好ましくは0.65mm~1.25mmである。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な見掛け密度を採り得る。本発明の効果をより発現し得る点で、第2ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度は、好ましくは0.01g/cm~0.30g/cmであり、より好ましくは0.03g/cm~0.25g/cmであり、さらに好ましくは0.05g/cm~0.2g/cmであり、特に好ましくは0.06g/cm~0.15g/cmである。第2ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度は、例えば、JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の測定」に記載されている方法により測定される。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層のガラス転移温度は第1ポリスチレン系樹脂発泡層のガラス転移温度より低く、本発明の効果をより発現させ得る点で、第2ポリスチレン系樹脂発泡層のガラス転移温度は、好ましくは110℃未満であり、より好ましくは80℃以上110℃未満であり、さらに好ましくは90℃~109℃であり、特に好ましくは95℃~107℃であり、最も好ましくは98℃~105℃である。
ポリスチレン系樹脂(II)は、1種のポリスチレン系樹脂であってもよいし、2種以上のポリスチレン系樹脂の混合物であってもよい。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層を得ることにおいては、本発明の効果をより発現し得る点で、ポリスチレン系樹脂(II)100質量部に対する発泡剤の含有量が、好ましくは0.5質量部~6.0質量部であり、より好ましくは1.0質量部~5.5質量部であり、さらに好ましくは1.5質量部~5.0質量部であり、特に好ましくは2.0質量部~4.5質量部である。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(II)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリスチレン系樹脂を採用し得る。このようなポリスチレン系樹脂(II)としては、好ましくは、汎用ポリスチレン系樹脂(GPPS)を採用し得る。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(II)は、好ましくは、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンの単独重合体または共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。第2ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(II)中の、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンの単独重合体または共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは60質量%~99質量%であり、より好ましくは70質量%~98質量%であり、さらに好ましくは80質量%~97質量%であり、特に好ましくは90質量%~97質量%である。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(II)は、より好ましくは、スチレン系モノマーとジエン系モノマー(ブタジエンなど)との共重合体、および、スチレン系モノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体もしくはスチレン系モノマーと該スチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体とジエン系のゴム状重合体との混合物又は重合体である、いわゆるハイインパクトポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン、HIPS)、からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(II)中の、スチレン系モノマーとジエン系モノマーとの共重合体、および、スチレン系モノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体もしくはスチレン系モノマーと該スチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体とジエン系のゴム状重合体との混合物又は重合体、からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは1質量%~40質量%であり、より好ましくは2質量%~30質量%であり、さらに好ましくは3質量%~20質量%であり、特に好ましくは3質量%~10質量%である。
第2ポリスチレン系樹脂発泡層は、代表的には、ポリスチレン系樹脂(II)と発泡剤を含む樹脂組成物を押出発泡させて得られる。
発泡剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な発泡剤を採用し得る。このような発泡剤としては、例えば、プロパン、i-ブタン、n-ブタン、i-ペンタン、n-ペンタン、N、CO、N/CO、水、水と-OH、-COOH、-CN、-NH、-OSOH、-NH、CO、NH、-CONH、-COOR、-CHSOH、-SOH、-COONHなどの基を持つ化合物との混合物、これらの混合物、から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本発明の効果をより発現させ得る点で、発泡剤としては、好ましくは、i-ブタンおよびn-ブタンから選ばれる少なくとも1種である。発泡剤としては、有機系発泡剤を用いてもよい。有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボン酸アミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。
本発明においては、発泡剤がジメチルエーテルを極力含まないことが好ましい。発泡剤がジメチルエーテルを極力含まないことにより、引火性、爆発性、および有害性の高い可燃性高圧ガスであるジメチルエーテルを用いないでポリスチレン系樹脂発泡シートを安全に大量生産することが可能である。発泡剤中のジメチルエーテルの含有割合は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下であり、最も好ましくは実質的に0質量%である。
ポリスチレン系樹脂(II)と発泡剤を含む樹脂組成物には、気泡調整剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤(顔料も含み)、消臭剤、発泡核剤、造核剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤が含まれていてもよい。添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
気泡調整剤としては、例えば、タルク、シリカ等の無機粉末;多価カルボン酸の酸性塩;多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの反応混合物;などが挙げられる。
安定剤としては、例えば、カルシウム亜鉛系熱安定剤、スズ系熱安定剤、鉛系熱安定剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セシウム系紫外線吸収剤、酸化チタン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化セリウム/ジルコニア固溶体、水酸化セリウム、カーボン、カーボンナノチューブ、酸化チタン、フラーレンなどが挙げられる。
着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、焼成顔料、メタリック顔料、マイカ、パール顔料、亜鉛華、沈降性シリカ、カドミウム赤などが挙げられる。
消臭剤としては、例えば、シリカ、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、ハイドロタルサイト焼成物などが挙げられる。
≪熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルム≫
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを備えていてもよい。本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートが熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを備えている場合、該熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムは、第1ポリスチレン系樹脂発泡層側に配置されていてもよいし、第2ポリスチレン系樹脂発泡層側に配置されていてもよい。また、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートが下記で説明する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを備えている場合には、上記熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムは、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)から見て該耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムと反対側に備えていてもよいし、該耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムから見てポリスチレン系樹脂発泡シート(A)と反対側に備えていてもよい。
熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを積層することで、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの表面がより美麗になり、また剛性がより高くなり、また耐熱、耐油性がより向上する。
熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂等が挙げられる。これらは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムは、1層であっても2層以上であってもよい。2層以上の場合、例えば、各層をドライラミネート等で積層したものであってもよい。
熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムは、着色料(顔料、染料など)が添加されていてもよい。着色料(顔料、染料など)が添加されることで、様々な色調に着色しでき、表面に印刷を施すなどを行うことで様々な模様やデザインを表示できる。
熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムの厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは10μm~150μmであり、より好ましくは10μm~100μmである。熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムの厚みが上記範囲を外れて薄すぎると、加熱成形時にフィルムが伸びにくくなるおそれがあり、欠損が生じやすくなるおそれがある。熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムの厚みが上記範囲を外れて厚すぎると、コストアップとなるおそれがあり、フィルム積層時に低温で積層できずに光沢性が失われるおそれがある。
熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを積層する方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを共押出して積層する方法や、加熱ロール、バインダー、接着剤等を用いて熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを積層する方法などが挙げられる。
≪耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルム≫
本発明の実施形態におけるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを備えていてもよい。本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートが上記の熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを備えている場合には、上記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムは、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)から見て該熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムと反対側に備えていてもよいし、該熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムから見てポリスチレン系樹脂発泡シート(A)と反対側に備えていてもよい。耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムは、好ましくは、本発明の実施形態におけるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの第1ポリスチレン系樹脂発泡層側に配置される。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムの厚みは、目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採り得る。本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおける耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムの厚みは、各種目的を鑑みると、好ましくは80μm~180μmであり、より好ましくは90μm~170μmであり、さらに好ましくは100μm~160μmであり、特に好ましくは120μm~150μmである。耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムの厚みは、好ましくは、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の積層体の厚みよりも小さい。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムは、代表的には、非発泡耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムである。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムは、代表的には、ポリスチレン系樹脂から形成したものである。より具体的には、好ましくは、ポリスチレン系樹脂を、必要に応じて加えられる各種の添加剤と共に押出機内で加熱溶融、混練し、所定温度に冷却後、ダイからフィルム状に押し出して形成される。より具体的には、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートを製造するにあたっては、好ましくは、後述するように、ポリスチレン系樹脂を、必要に応じて加えられる各種の添加剤と共に押出機内で加熱溶融、混練し、所定温度に冷却後、ダイからフィルム状に押し出したものを、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の表面に積層する。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを形成するポリスチレン系樹脂(III)としては、前述のポリスチレン系樹脂(I)やポリスチレン系樹脂(II)を援用することができる。また、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを形成するポリスチレン系樹脂(III)としては、ポリスチレン系樹脂(I)やポリスチレン系樹脂(II)(ただし、ハイインパクトポリスチレン以外)とハイインパクトポリスチレンとの混合物が挙げられる。ハイインパクトポリスチレンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なハイインパクトポリスチレンを採用し得る。このようなハイインパクトポリスチレンとしては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体がサラミ構造状に分散し、その粒径が0.3μm~10μmのものを含むものが挙げられる。さらに、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを形成するポリスチレン系樹脂(III)としては、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、プロピレンホモポリマー、エチレン・プロピレンランダムポリマー、エチレン・プロピレンブロックポリマー、エチレン・プロピレン-ブテン-ターポリマー、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体(例えば、エチレン-メチルメタクリレート共重合体)、エチレン-不飽和カルボン酸金属塩共重合体(例えば、エチレン-アクリル酸マグネシウム(又は亜鉛)共重合体)、プロピレン-塩化ビニルコポリマー、プロピレン-ブテンコポリマー、プロピレン-無水マレイン酸コポリマー、プロピレン-オレフィン共重合体(プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体)ポリエチレン又はポリプロピレンの不飽和カルボン酸(例えば、無水マレイン酸)変性物、エチレン-プロピレンゴム、アタクチックポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、これらの混合物などが挙げられる。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを形成するポリスチレン系樹脂(III)としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、ハイインパクトポリスチレンである。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを形成するポリスチレン系樹脂(III)のビカット軟化温度は、好ましくは90℃以上である。耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムを形成するポリスチレン系樹脂(III)のビカット軟化温度が90℃以上であることにより、耐衝撃性だけでなく、十分な耐熱性を有する。耐衝撃性ポリスチレンのビカット軟化温度の上限は、好ましくは97℃である。ビカット軟化温度は、JIS K7206:1999に基づきA50法により測定される値である。
ポリスチレン系樹脂(III)には、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤(顔料も含み)、消臭剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を添加してもよい。添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
≪≪ポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法≫≫
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートを製造する方法は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートを製造する方法は、本発明の効果をより発現し得る点で、代表的には、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の製造工程と耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムの製造・ラミネート工程とを含む。本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートを製造する方法は、好ましくは、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の製造工程と耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムの製造・ラミネート工程とをこの順に含む。
ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の製造工程においては、代表的には、第1ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(I)を、発泡剤、必要に応じて加えられる気泡調整剤などの各種の添加剤と共に第一押出機内で加熱溶融、混練し、第2ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(II)を、発泡剤、必要に応じて加えられる気泡調整剤などの各種の添加剤と共に第二押出機内で加熱溶融、混練し、合流金型へ供給するなどして積層し、発泡させ、必要に応じて所定温度に冷却後、ダイから共押出すると共に直ちに冷却する。これにより、第1ポリスチレン系樹脂発泡層と第2ポリスチレン系樹脂発泡層との積層体が製造される。発泡剤として発泡ガスを使用した場合は、製造後のポリスチレン系樹脂発泡シート(A)をしばらく放置し、このポリスチレン系樹脂発泡シート(A)中に残存する発泡ガスを空気置換する。
ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の製造工程の、より具体的な好ましい形態としては、第1ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(I)を、発泡剤、必要に応じて加えられる気泡調整剤などの各種の添加剤と共に第一押出機に供給し、第2ポリスチレン系樹脂発泡層を形成するポリスチレン系樹脂(II)を、発泡剤、必要に応じて加えられる気泡調整剤などの各種の添加剤と共に第二押出機に供給し、第一押出機から押出される溶融樹脂と第二押出機から押出される溶融樹脂とを合流ダイで合流させ、合流ダイで合流された溶融樹脂を外周側と内周側とに分けて筒状に押出発泡させ、サーキュラーダイなどを用いて2層構造の筒状発泡体を形成させる。サーキュラーダイの円環状の吐出口から押出発泡させた円筒状の発泡体をサーキュラーダイの下流側(押出方向前方)に配した直径が吐出口よりも径大な冷却用マンドレルに供し、発泡体の内面を冷却用マンドレルの外周面に摺接させつつ発泡体に引取りをかけ、冷却用マンドレルで発泡体を拡径するとともに発泡体を内側から冷却し、冷却用マンドレルの下流側に設けたカッターで発泡体を押出方向に向けて連続的に切断して平坦なシートとなるように展開し、長尺帯状となるようにして作製する。
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムの製造・ラミネート工程においては、代表的には、ポリスチレン系樹脂(III)を、必要に応じて加えられる各種の添加剤と共に押出機内で加熱溶融、混練し、所定温度に冷却後、ダイからフィルム状に押し出し、冷却しきらないうちに、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)の表面に積層する。これにより、ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)と耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムの積層体が得られる。
前述したように、熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおけるポリスチレン系樹脂発泡シート(A)から見て耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムと反対側や、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおける耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムから見てポリスチレン系樹脂発泡シート(A)と反対側に積層する場合は、熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを共押出して積層する方法や、加熱ロール、バインダー、接着剤等を用いて熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムを積層する方法などにより行えばよい。
ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)と耐衝撃性ポリスチレン系樹脂フィルムの積層体(必要に応じて、さらに上記の熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムの積層がなされたもの)が得られた後、求められる物性に応じて、任意の適切なタイミングにおいて、任意の適切な処理を行ってもよい。
最終的に、ロール等の巻取り機器によって巻取り工程を行ってもよい。これにより、ロール状のポリスチレン系樹脂積層発泡シートが得られ得る。
≪ポリスチレン系樹脂積層発泡容器≫
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡容器は、図2に示すように、本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートが、第1ポリスチレン系樹脂発泡層側が容器内側、第2ポリスチレン系樹脂発泡層側が容器外側となるように容器形状に成形されたものである。図2において、ポリスチレン系樹脂積層発泡容器1000の容器内側が200、容器外側が300である。また、容器内側および容器外側の最表面には、それぞれ、熱可塑性樹脂を含む非発泡フィルムが配置されていてもよい。
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用いて本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡容器を製造するには、ロール状に巻き取られた該ポリスチレン系樹脂積層発泡シートを成形機の加熱ゾーンで一定温度に加熱した後、成形ゾーンで所望の容器形状に成形して製造される。この容器形状としては、例えば、丼形、コップ形、箱形、トレー形などの種々の形状とすることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法および評価方法は以下の通りである。
<厚み>
幅方向(押出流れ方向に直交する方向)における任意の21箇所の位置を測定点とした。この測定点を厚み測定器(株式会社テクロック社製、型式:SM-125)で、0.01mm単位で測定した。この測定値の相加平均を厚みとした。
また、第1発泡層(第1ポリスチレン系樹脂発泡層)および第2発泡層(第2ポリスチレン系樹脂発泡層)の厚みは、各層の境界をスライサー(フォーチュナ社(ドイツ)製スプリッティングマシン、型式AB-320-D)にてスライスし、上記の測定方法で測定した。
<坪量>
幅方向(押出流れ方向に直交する方向)の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定した。各切片の質量(g)の平均値を1m当たりの質量に換算した値を、坪量(g/m)とした。
また、第1発泡層(第1ポリスチレン系樹脂発泡層)および第2発泡層(第2ポリスチレン系樹脂発泡層)の坪量は、各層の境界をスライサー(フォーチュナ社(ドイツ)製スプリッティングマシン、型式AB-320-D)にてスライスし、上記の測定方法で測定した。
<見掛け密度>
気泡構造を変えないように、50cmのシートを切り出して試験片とし、この試験片の質量と体積を測定し、下記式により全体の見掛け密度を算出した。ただし、試験片は、製造後72時間以上経過(最大90日間)したシートから切り出され、23℃±2℃、50RH%±5RH%の雰囲気条件に24時間放置されたものとした。
見掛け密度(g/cm)=試験片の質量(g)÷試験片の体積(cm
<第1発泡層(第1ポリスチレン系樹脂発泡層)および第2発泡層(第2ポリスチレン系樹脂発泡層)の表層密度>
スライサー(フォーチュナ社(ドイツ)製スプリッティングマシン、型式AB-320-D)にて、第1発泡層(第1ポリスチレン系樹脂発泡層)および第2発泡層(第2ポリスチレン系樹脂発泡層)のそれぞれの表面から200μmの厚みにスライスし、これを幅25mm、長さ150mmにカットして、表層を得た。得られた表層の質量および体積を測定し、下記式により表層密度を算出した。ただし、表層は、製造後72時間以上経過(最大90日間)した発泡シートから切り出され、23℃±2℃、50RH%±5RH%の雰囲気条件に24時間放置されたものとした。
表層密度(g/cm)=表層の質量(g)÷表層の体積(cm
<平均気泡径>
シートの原反の幅方向中央部からMD方向(押出方向)およびTD方向(シートの表面において押出方向と直交する方向)に沿って、シートの原反の表面に垂直に切リ出した。
断面を走査型電子顕微鏡(SU1510、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、50倍に拡大して撮影した。このとき、顕微鏡画像は、横向きのA4用紙1枚に縦横2画像(合計4画像)並んだ状態で印刷した際に所定の倍率となるように撮影した。
具体的には、画像上に、MD、TDの各方向に平行する60mmの任意の直線及び各方向に直交する方向(VD方向)に60mmの直線を描き、MD方向に沿って切断した断面(MD断面)およびTD方向に沿って切断した断面(TD断面)のそれぞれに対し、2視野ずつ合計4視野の顕微鏡画像を撮影し、A4用紙に印刷した。MD断面の2つの画像のそれぞれにMD方向に平行な3本の任意の直線(長さ60mm)を描くと共に、TD断面の2つの画像のそれぞれにTD方向に平行な3本の任意の直線(長さ60mm)を描いた。また、MD断面の1つの画像とTD断面の1つの画像とにVD方向に平行な3本の直線(60mm)を描き、MD方向、TD方向、及び、VD方向に平行な60mmの任意の直線を各方向6本ずつ描いた。なお、任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにし、接してしまう場合には、この気泡も数に加えた。MD方向、TD方向、VD方向の各方向の6本の任意の直線について数えた気泡数Dを算術平均し、各方向の気泡数とした。気泡数を数えた画像倍率とこの気泡数から気泡の平均弦長tを次式より算出した。
・平均弦長t(mm)=60/(気泡数×画像倍率)
画像倍率は画像上のスケールバーをデジマチックキャリパ(ミツトヨ社製)にて1/100mmまで計測し、次式により求めた。
・画像倍率=スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)
次式により各方向における気泡径を算出した。
・気泡径D(mm)=t/0.616
さらに、それらの積の3乗根を平均気泡径とした。
・平均気泡径(mm)=(DMD×DTD×DVD)1/3
DMD:MD方向の気泡径(mm)。
DTD:TD方向の気泡径(mm)。
DVD:VD方向の気泡径(mm)。
<第1発泡層(第1ポリスチレン系樹脂発泡層)および第2発泡層(第2ポリスチレン系樹脂発泡層)のガラス転移温度>
第1発泡層(第1ポリスチレン系樹脂発泡層)および第2発泡層(第2ポリスチレン系樹脂発泡層)のガラス転移温度を下記のようにして測定した。
(前処理)
ガラス転移温度の測定に先立ち、第1発泡層(第1ポリスチレン系樹脂発泡層)および第2発泡層(第2ポリスチレン系樹脂発泡層)をそれぞれ5~6g天秤で量り取り、2枚のポリテトラフロロエチレンシートの間に挟みこんで下記の要領でプレスして脱泡する前処理を実施した。
プレス装置:東洋精機社製、小型プレス装置「ラボプレス10T」
上ヒータ温度:180℃
下ヒータ温度:180℃
プレス工程:0.54MPaで3分間プレスし、「0.54MPaで2秒間プレス」および「圧力開放2秒間」を1サイクルとして5サイクルのプレスを実施し、その後、15.5MPaで2分間プレスした。
(ガラス転移温度:Tg)
上記のようにして脱泡を行った試料に対するガラス転移温度(中間点ガラス転移温度)(Tg)の測定は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定した。
ただし、サンプリング方法と温度条件に関しては以下のように行った。
示差走査熱量計装置としてDSC6220型(エスアイアイナノテクノロジー社製)を用い、アルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんして、窒素ガス流量20mL/minのもと、20℃/minの昇温速度で30℃から220℃まで昇温し、10分間保持後速やかに取出し、25±10℃の環境下にて放冷させた後、20℃/minの昇温速度で30℃から220℃まで昇温した時に得られたDSC曲線より、中間点ガラス転移温度を算出した(9.3「ガラス転移温度の求め方」)。基準物質としてはアルミナを用いた。
中間点ガラス転移温度は該規格(9.3「ガラス転移温度の求め方」)より求めた。
<表面粗さ>
ミツトヨ製サーフテストSJ201を用いて、第1ポリスチレン系樹脂発泡層および第2ポリスチレン系樹脂発泡層のMD方向、TD方向について、それぞれ幅方向N=5で表面粗さを測定した。
第1ポリスチレン系樹脂発泡層のMD方向の表面粗さRa1(MD)とTD方向の表面粗さRa1(TD)の平均表面粗さをR1(=(Ra1(MD)+Ra1(TD))/2)とし、第2ポリスチレン系樹脂発泡層のMD方向の表面粗さRa2(MD)とTD方向の表面粗さRa2(TD)の平均表面粗さをR2(=(Ra2(MD)+Ra2(TD))/2)とした。
<発泡容器の成形>
実施例、比較例で得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用いて、図2のような発泡容器を作製した。
なお、容器は、第1ポリスチレン系樹脂発泡層が発泡容器内側、第2ポリスチレン系樹脂発泡層が発泡容器外側となるように作製した。
発泡容器としては、開口部の内径:140mm、底部の内径:100mm、深さ:80mm、絞り比:0.57の碗形のものを作製した。
発泡容器の作製について、より詳しく説明する。
発泡容器の外形に対応する凹部を6×6=36個備えたキャビティ(凹型)と、容器の内形に対応する凸部を同数備えたプラグ(凸型)とを有するプレス成形装置に、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートを連続的に供給しながら発泡容器の作製を行った。
成形条件としては、1ショット(=36個)の成形サイクルを10.0秒、キャビティ側のヒータの設定温度を300℃、プラグ側のヒータの設定温度を370℃とした。
また、成形のタイミングは、キャビティとプラグとがほぼ同時にポリスチレン系樹脂積層発泡シートと接触して成形を開始するように設定した。
<プラグとの張り付き評価>
キャビティとプラグが成形品から離形する際に、第1発泡層にあたる面にシートとプラグの張り付きがないものを「〇」、張り付きが発生したものを「×」として評価した。
<成形性評価>
プレス成形装置の運転を開始した直後である1ショット目の25個の発泡容器と、成形を繰り返して型が十分に温まったと思われる30ショット目の25個の発泡容器について、外観を観察した。そして、発泡容器にシワやナキ(内部割れ)などが見られないか、外観の異常を観察した。
異常が見られなかったものを「○」、異常があったものを「×」として評価した。
<第1発泡層(第1ポリスチレン系樹脂発泡層)のベースポリマーの材料の一覧>
商品名「T080」:東洋スチレン社製、スチレン-メタクリル酸共重合体樹脂、スチレン単量体含有量=92質量%、メタクリル酸単量体含有量=8質量%
商品名「G9001」:PSJ社製、スチレン-メタクリル酸共重合体樹脂、スチレン単量体含有量=92質量%、メタクリル酸単量体含有量=8質量%
商品名「タフプレン125」:旭化成ケミカルズ社製、スチレン-ブタジエンブロック共重合体樹脂(SBS)
商品名「AMM11」:PSJ社製、スチレン-メタクリル酸共重合体とMBS樹脂(トランス型ブタジエンブロック含有品)とのブレンド品
商品名「H8117」:PSJ社製、シス型スチレン-ブタジエンブロック共重合体樹脂
<第2発泡層(第2ポリスチレン系樹脂発泡層)のベースポリマーの材料の一覧>
商品名「HRM12」:東洋スチレン社製、汎用ポリスチレン系樹脂(GPPS)
商品名「E641N」:東洋スチレン社製、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)
[実施例1]
第1発泡層のベースポリマーとしてスチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(スチレン単量体含有量=92質量%、メタクリル酸単量体含有量=8質量%)(商品名「T080」、東洋スチレン社製)と、スチレン-ブタジエンブロック共重合体樹脂(SBS:スチレンブロック共重合体)(商品名「タフプレン125」、旭化成ケミカルズ社製)とを、95:5(T080:タフプレン125)の質量割合で混合した混合樹脂を用意するとともに、そのベースポリマーとは別に、タルク(気泡調整剤)練り込みマスターバッチ(商品名「DSM1401M」)を用意した。
上記混合樹脂100質量部に対し上記マスターバッチを0.6質量部の割合でブレンドしてバッチ式連続混合装置に投入し、十分に混合した後に、スクリュー径90mmとスクリュー径115mmとのタンデム押出機の内の上流側押出機(スクリュー径90mm)のホッパーに供給した。
上流側の押出機では、シリンダー温度の最高設定温度を280℃とし、発泡剤として混合ブタン(イソブタン:ノルマルブタン=70:30(質量比))約3.3質量部(対混合樹脂100質量部)を途中で加え、混合樹脂などとともに溶融混練し、下流側の押出機に供給するようにした。
下流側の押出機では、上流側の押出機から供給された溶融混練物を120kg/hの割合で合流金型へと供給させるようにした。
その一方で、別の、スクリュー径90mmとスクリュー径115mmとのタンデム押出機において、第2発泡層の形成材料を溶融混練し、上記の合流金型へと供給させた。
第2発泡層の形成材料としては、ベースポリマーとしてGPPS(商品名「HRM12」、東洋スチレン社製)とHIPS(商品名「E641N」、東洋スチレン社製、耐衝撃性ポリスチレン)とを、95:5(HRM12:E641N)の質量割合で混合した混合樹脂を用意するとともに、そのベースポリマーとは別に、タルク(気泡調整剤)練り込みマスターバッチ(商品名「DSM1401M」)を用意した。
上記混合樹脂100質量部に対し上記マスターバッチを0.5質量部の割合でブレンドしてバッチ式連続混合装置に投入し、十分に混合した後に、スクリュー径90mmとスクリュー径115mmとのタンデム押出機の内の上流側押出機(スクリュー径90mm)のホッパーに供給した。
上流側の押出機では、シリンダー温度の最高設定温度を260℃とし、発泡剤として混合ブタン(イソブタン:ノルマルブタン=70:30(質量比))約3.0質量部(対混合樹脂100質量部)を途中で加え、混合樹脂などとともに溶融混練し、下流側の押出機に供給するようにした。
下流側の押出機では、上流側の押出機から供給された溶融混練物を120kg/hの割合で合流金型へと供給させるようにした。
合流金型に供給された上記2種類の溶融混練物を当該合流金型内で合流、積層した後に発泡後の混合物を直径200mm、スリットクリアランス0.6mmの環状ダイに供給し、ダイのスリットを通して円筒状の発泡体を形成した。その直後に、円筒状の発泡体にエアーをかけて調整して冷却するとともに、直径675mmの冷却装置(マンドレル)の外面に沿って引取り、さらに押出方向に沿って2枚に切り開き、幅1050mmの、ポリスチレン系樹脂発泡シート(1)の原反を得た。
エアー温度は34℃とし、吹き付け量は、内側の第2発泡層側では0.021m/m、外側の第1発泡層側では0.061m/mとした。
発泡ガスの置換のため、得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート(1)の原反を製造後14日間保管した。このポリスチレン系樹脂積層発泡シート(1)の原反の第2発泡層にCPS20μm(大石産業SPH)、第1発泡層にCPP25μm(サントックスKT)とCPS20μm(大石産業SPH)がドライラミネートによって積層されたフィルム「CPP/PS45μm無地」をラミネートし、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート(1)を作製した。
結果を表1に示した。
[実施例2]
第1発泡層のベースポリマーとしてスチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(スチレン単量体含有量=92質量%、メタクリル酸単量体含有量=8質量%)(商品名「G9001」、PSJ社製)と、スチレン-ブタジエンブロック共重合体樹脂(SBS:スチレンブロック共重合体)(商品名「タフプレン125」、旭化成ケミカルズ社製)とを、95:5(T080:タフプレン125)の質量割合で混合した混合樹脂を用い、押出条件を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリスチレン系樹脂発泡シート(2)の原反を得た。
発泡ガスの置換のため、得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート(2)の原反を製造後14日間保管した。このポリスチレン系樹脂積層発泡シート(2)の原反の第2発泡層にCPS20μm(大石産業SPH)、第1発泡層にCPP25μm(サントックスKT)とCPS20μm(大石産業SPH)がドライラミネートによって積層されたフィルム「CPP/PS45μm無地」をラミネートし、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート(2)を作製した。
結果を表1に示した。
[実施例3]
第1発泡層のベースポリマーとしてスチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(スチレン単量体含有量=92質量%、メタクリル酸単量体含有量=8質量%)(商品名「T080」、東洋スチレン社製)と、シス型スチレン-ブタジエンブロック共重合体樹脂(商品名「H8117」、PSJ社製)とを、80:20(T080:H8117)の質量割合で混合した混合樹脂を用い、押出条件を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリスチレン系樹脂発泡シート(3)の原反を得た。
発泡ガスの置換のため、得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート(3)の原反を製造後14日間保管した。このポリスチレン系樹脂積層発泡シート(3)の原反の第2発泡層にCPS20μm(大石産業SPH)、第1発泡層にCPP25μm(サントックスKT)とCPS20μm(大石産業SPH)がドライラミネートによって積層されたフィルム「CPP/PS45μm無地」をラミネートし、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート(3)を作製した。
結果を表1に示した。
[実施例4]
第1発泡層のベースポリマーとしてスチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(スチレン単量体含有量=92質量%、メタクリル酸単量体含有量=8質量%)(商品名「T080」、東洋スチレン社製)と、スチレン-メタクリル酸共重合体とMBS樹脂(トランス型ブタジエンブロック含有品)とのブレンド品(商品名「AMM11」、PSJ社製)と、シス型スチレン-ブタジエンブロック共重合体樹脂(商品名「H8117」、PSJ社製)とを、80:11:9(T080:AMM11:H8117)の質量割合で混合した混合樹脂を用い、押出条件を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリスチレン系樹脂発泡シート(4)の原反を得た。
発泡ガスの置換のため、得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート(4)の原反を製造後14日間保管した。このポリスチレン系樹脂積層発泡シート(4)の原反の第2発泡層にCPS20μm(大石産業SPH)、第1発泡層にCPP25μm(サントックスKT)とCPS20μm(大石産業SPH)がドライラミネートによって積層されたフィルム「CPP/PS45μm無地」をラミネートし、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート(4)を作製した。
結果を表1に示した。
[実施例5]
第1発泡層のベースポリマーとしてスチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(スチレン単量体含有量=92質量%、メタクリル酸単量体含有量=8質量%)(商品名「T080」、東洋スチレン社製)と、シス型スチレン-ブタジエンブロック共重合体樹脂(商品名「H8117」、PSJ社製)とを、80:20(T080:H8117)の質量割合で混合した混合樹脂を用い、押出条件を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリスチレン系樹脂発泡シート(5)の原反を得た。
発泡ガスの置換のため、得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート(5)の原反を製造後14日間保管した。このポリスチレン系樹脂積層発泡シート(5)の原反の第2発泡層にCPS20μm(大石産業SPH)、第1発泡層にCPP25μm(サントックスKT)とCPS20μm(大石産業SPH)がドライラミネートによって積層されたフィルム「CPP/PS45μm無地」をラミネートし、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート(5)を作製した。
結果を表1に示した。
[実施例6]
第1発泡層のベースポリマーとしてスチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(スチレン単量体含有量=92質量%、メタクリル酸単量体含有量=8質量%)(商品名「G9001」、PSJ社製)と、シス型スチレン-ブタジエンブロック共重合体樹脂(商品名「H8117」、PSJ社製)とを、80:20(T080:H8117)の質量割合で混合した混合樹脂を用い、押出条件を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリスチレン系樹脂発泡シート(6)の原反を得た。
発泡ガスの置換のため、得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート(6)の原反を製造後14日間保管した。このポリスチレン系樹脂積層発泡シート(6)の原反の第2発泡層にCPS20μm(大石産業SPH)、第1発泡層にCPP25μm(サントックスKT)とCPS20μm(大石産業SPH)がドライラミネートによって積層されたフィルム「CPP/PS45μm無地」をラミネートし、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート(6)を作製した。
結果を表1に示した。
[比較例1]
第1発泡層のベースポリマーとしての混合樹脂100質量部に対し、タルク(気泡調整剤)練り込みマスターバッチ(商品名「DSM1401M」)を0.2質量部の割合でブレンドし、押出条件を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリスチレン系樹脂発泡シート(C1)の原反を得た。
発泡ガスの置換のため、得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート(C1)の原反を製造後14日間保管した。このポリスチレン系樹脂積層発泡シート(C1)の原反の第2発泡層にCPS20μm(大石産業SPH)、第1発泡層にCPP25μm(サントックスKT)とCPS20μm(大石産業SPH)がドライラミネートによって積層されたフィルム「CPP/PS45μm無地」をラミネートし、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート(C1)を作製した。
結果を表1に示した。
[比較例2]
第1発泡層のベースポリマーとしてスチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(スチレン単量体含有量=92質量%、メタクリル酸単量体含有量=8質量%)(商品名「T080」、東洋スチレン社製)と、シス型スチレン-ブタジエンブロック共重合体樹脂(商品名「H8117」、PSJ社製)とを、80:20(T080:H8117)の質量割合で混合した混合樹脂を用い、上記混合樹脂100質量部に対し上記マスターバッチを1.0質量部の割合でブレンドし、押出条件を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリスチレン系樹脂発泡シート(C2)の原反を得た。
発泡ガスの置換のため、得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート(C2)の原反を製造後14日間保管した。このポリスチレン系樹脂積層発泡シート(C2)の原反の第2発泡層にCPS20μm(大石産業SPH)、第1発泡層にCPP25μm(サントックスKT)とCPS20μm(大石産業SPH)がドライラミネートによって積層されたフィルム「CPP/PS45μm無地」をラミネートし、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート(C2)を作製した。
結果を表1に示した。
Figure 2023049240000002
本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、カップ入り即席麺などの容器の材料として好適に利用し得る。本発明の実施形態によるポリスチレン系樹脂積層発泡容器は、カップ入り即席麺などの容器として好適に利用し得る。
100 ポリスチレン系樹脂積層発泡シート
10 ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)
11 第1ポリスチレン系樹脂発泡層
12 第2ポリスチレン系樹脂発泡層
30 非発泡フィルム
30a 非発泡フィルム30の表面
40 非発泡フィルム
40a 非発泡フィルム40の表面
1000 ポリスチレン系樹脂積層発泡容器
200 容器内側
300 容器外側

Claims (4)

  1. ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)を含むポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、
    該ポリスチレン系樹脂発泡シート(A)は、ガラス転移温度が110℃以上である第1ポリスチレン系樹脂発泡層と該第1ポリスチレン系樹脂発泡層よりもガラス転移温度が低い第2ポリスチレン系樹脂発泡層の積層体を含み、
    該第1ポリスチレン系樹脂発泡層のMD方向の表面粗さRa1(MD)とTD方向の表面粗さRa1(TD)の平均表面粗さをR1(=(Ra1(MD)+Ra1(TD))/2)とし、該第2ポリスチレン系樹脂発泡層のMD方向の表面粗さRa2(MD)とTD方向の表面粗さRa2(TD)の平均表面粗さをR2(=(Ra2(MD)+Ra2(TD))/2)としたときに、(R1/R2)が1.1~3.0である、
    ポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  2. 見掛け密度が0.05g/cm~0.16g/cmである、請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  3. 前記第1ポリスチレン系樹脂発泡層が耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡層であり、前記第2ポリスチレン系樹脂発泡層が汎用ポリスチレン系樹脂発泡層である、請求項1または2に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートが容器形状に成形された、ポリスチレン系樹脂積層発泡容器。

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