JP2015066917A - 積層発泡シート、及び、シート成形品 - Google Patents

積層発泡シート、及び、シート成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】シート成形品においてポリスチレン系樹脂発泡層の割れが生じることを抑制し得る積層発泡シートを提供し、ひいては良質なシート成形品を提供すること。
【解決手段】熱成形によるシート成形品の形成に用いられ、直接積層された2層のポリスチレン系樹脂発泡層が少なくとも備えられてなる積層発泡シートであって、前記ポリスチレン系樹脂発泡層が所定の状態に調整されてなる積層発泡シートなどを提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱成形によるシート成形品の形成に用いられる積層発泡シート、及び、該積層発泡シートが熱成形されてなるシート成形品に関し、より詳しくは、直接積層された2層のポリスチレン系樹脂発泡層が少なくとも備えられてなる積層発泡シート、及び、シート成形品に関する。
従来、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)などと呼ばれるスチレンホモポリマーを主成分としたポリスチレン系樹脂組成物によって形成されたポリスチレン系樹脂発泡層単層の発泡シートは、ポリスチレンペーパー(PSP)などと呼ばれて熱成形によるシート成形品を形成させるための原反シートとして広く用いられている。
なお、シート成形品に耐熱性が求められるような場合には、ポリスチレン系樹脂に比べて耐油性に優れたポリプロピレン系樹脂フィルムをドライラミネートフィルムのような形でPSPに積層した積層発泡シートが前記原反シートとして採用されたりしている。
また、シート成形品に耐熱性が求められるような場合には、GPPSよりも高いガラス転移温度を有するポリスチレン系樹脂組成物よって形成された発泡シートや当該発泡シートとPSPとを積層した積層発泡シートが原反シートとして用いられたりしている(下記特許文献1参照)。
この耐熱性に優れた発泡シートを形成させるためのポリスチレン系樹脂組成物としては、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂をベースポリマーとしたものや、GPPSとポリフェニレンエーテル系樹脂との混合樹脂をベースポリマーとしたものなどが知られている(下記特許文献1、2参照)。
ところで、積層発泡シートを熱成形したシート成形品においては、従来、“ナキ”などと呼ばれるポリスチレン系樹脂発泡層の“割れ”による不良が発生することが知られている。
特開2001−277442号公報 特開2008−94919号公報
前記のようなポリスチレン系樹脂発泡層の“割れ”については、熱成形時の温度条件を調整することなどによって、ある程度の抑制が可能であることが知られているが、特にガラス転移温度の異なるポリスチレン系樹脂組成物で形成された2層のポリスチレン系樹脂発泡層を有するような積層発泡シートを原反シートとしている場合には、一方のポリスチレン系樹脂組成物に対して温度条件が最適化されても、他方のポリスチレン系樹脂組成物に対して温度条件が最適化されるとは限らず、温度条件等の調整だけで“割れ”の問題を解決することは難しい。
しかも、製造条件の調整には限界があることから、従来、割れの発生し難くなる工夫が原反シート自体に施されることが求められている。
しかし、直接積層された2層のポリスチレン系樹脂発泡層が備えられてなる積層発泡シートで、従来のものに比べて熱成形時の割れの発生防止に特に有効なものは見出されていない。
従って、この種の積層発泡シートにおいては、ポリスチレン系樹脂発泡層の割れがシート成形品に形成されてしまうことを抑制することが困難であるという問題を有している。
本発明は、このような問題を解決することを課題としており、熱成形によるシート成形品の形成に際してポリスチレン系樹脂発泡層の割れが生じることを抑制し得る積層発泡シートを提供し、ひいては良質なシート成形品を提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、2層のポリスチレン系樹脂発泡層が備えられてなる積層発泡シートにおいて、この2層のポリスチレン系樹脂発泡層の内の第1のポリスチレン系樹脂発泡層と第2のポリスチレン系樹脂発泡層との間に所定の関係性を保たせることにより当該積層発泡シートを熱成形における成形性が良好なものとすることができ、ポリスチレン系樹脂発泡層の割れの抑制に有効になることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、積層発泡シートに係る本発明は、熱成形によるシート成形品の形成に用いられ、直接積層された2層のポリスチレン系樹脂発泡層が少なくとも備えられてなる積層発泡シートであって、前記2層のポリスチレン系樹脂発泡層の内の第1のポリスチレン系樹脂発泡層と第2のポリスチレン系樹脂発泡層とは、2層全体での見掛け密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下で、第1のポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度をd1(g/cm3)、第2のポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度をd2(g/cm3)とした際に下記式(1)〜(3)を全て満足し、

0.05 ≦ d1 ≦ 0.3 ・・・(1)
0.04 ≦ d2 ≦ 0.2 ・・・(2)
0.15 ≦(d2/d1) ≦ 0.9 ・・・(3)

且つ、前記第1のポリスチレン系樹脂発泡層を構成する第1のポリスチレン系樹脂組成物のガラス転移温度をTg1(℃)、200℃における溶融粘度をη1(Pa・s)とし、前記第2のポリスチレン系樹脂発泡層を構成する第2のポリスチレン系樹脂組成物のガラス転移温度をTg2(℃)、220℃における溶融粘度をη2(Pa・s)とした際に、下記式(4)及び(5)の両方を満足することを特徴としている。

10 ≦ (Tg2−Tg1) ≦ 30 ・・・(4)
0.75 < (η2/η1) < 2.0 ・・・(5)
また、シート成形品に係る本発明は、上記のような積層発泡シートに熱成形が施されて形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、シート成形品の形成に際してポリスチレン系樹脂発泡層の割れが生じることを抑制し得る積層発泡シートを提供しうる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について、2層の熱可塑性樹脂フィルム層の間に、2層のポリスチレン系樹脂発泡層を有する4層構造の積層発泡シートを例にして説明する。
即ち、本実施形態の積層発泡シートは、最表面側から順に、第1の熱可塑性樹脂フィルム層(以下、「第1フィルム層」ともいう)、第1のポリスチレン系樹脂発泡層(以下、「第1発泡層」ともいう)、第2のポリスチレン系樹脂発泡層(以下、「第2発泡層」ともいう)、及び、第2の熱可塑性樹脂フィルム層(以下、「第2フィルム層」ともいう)の4層構造を有している。
また、以下においては、第1発泡層を構成する第1のポリスチレン系樹脂組成物(以下、「第1組成物」ともいう)と第2発泡層を構成する第2のポリスチレン系樹脂組成物(以下、「第2組成物」ともいう)とがそれぞれ別の押出機で溶融混練され、これらが一つのサーキュラーダイから同時に押出発泡される共押出が実施されてなる積層発泡シートを例にして本発明の好ましい実施の形態について説明する。
まず、この第1発泡層、及び、第2発泡層について説明する。
本実施形態の積層発泡シートは、第1発泡層、及び、第2発泡層の2層全体での見掛け密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下となっている。
即ち、本実施形態の積層発泡シートは、第1発泡層の見掛け密度をd1(g/cm3)、第1発泡層の厚みをt1(mm)、第2発泡層の見掛け密度をd2(g/cm3)、第2発泡層の厚みをt2(mm)とした際に下記式(0)を満足するように形成されている。

0.05≦〔(d1×t1)+(d2×t2)〕/(t1+t2)≦0.2 ・・(0)
また、本実施形態の積層発泡シートは、前記見掛け密度(d1、d2)が、下記式(1)〜(3)を全て満足するように形成されている。

0.05 ≦ d1 ≦ 0.3 ・・・(1)
0.04 ≦ d2 ≦ 0.2 ・・・(2)
0.15 ≦ (d2/d1) ≦ 0.9 ・・・(3)
さらに、本実施形態の積層発泡シートは、前記第1発泡層を構成する第1組成物のガラス転移温度をTg1(℃)、該第1組成物の200℃における溶融粘度をη1(Pa・s)とし、前記第2発泡層を構成する第2組成物のガラス転移温度をTg2(℃)、該第2組成物の220℃における溶融粘度をη2(Pa・s)とした際に、下記式(4)及び(5)の両方を満足するように形成されている。

10 ≦ (Tg2−Tg1) ≦ 30 ・・・(4)
0.75 < (η2/η1) < 2.0 ・・・(5)
なお、本実施形態における溶融粘度(η1,η2)とは、後述するようにツインボアタイプのキャピラリーレオメーターによって測定される値を意図しており、せん断速度:1843.2sec-1によって測定される値を意図している。
前記第1発泡層と前記第2発泡層とを上記のような関係とするには、例えば、後述するように前記第1組成物としてGPPSを主成分としたものを採用し、GPPSよりもガラス転移温度の高い樹脂とGPPSとの混合樹脂やGPPSよりもガラス転移温度の高いポリスチレン系樹脂を前記第2組成物の主成分とするようにし、これらを所定の条件で押出発泡(共押出)させれば良い。
なお、前記のように本実施形態において、第1発泡層、及び、第2発泡層の2層全体での見掛け密度が0.05g/cm3以上となっているのは、2層全体での密度を0.05g/cm3以上とすることで、押出発泡時における気泡の連通化を抑制することができ、熱成形時の伸びが悪くなって発泡層に割れが生じることをより確実に抑制することができるためである。
また、本実施形態の積層発泡シートは、2層全体での前記密度が0.05g/cm3以上となっていることで、シート成形品に優れた剛性の付与が容易であるという利点を有している。
本実施形態において、第1発泡層、及び、第2発泡層の2層全体での見掛け密度が0.2g/cm3以下となっているのは、2層全体での密度を0.2g/cm3以下とすることで、積層発泡シートを断熱性や軽量性に優れたシート成形品を形成容易なものとすることができるためである。
また、第1発泡層や第2発泡層は、通常、単位面積当たりの樹脂量(坪量)が一定であれば密度が高くなるほど厚みが薄くなり、強度も低下する傾向にある。
したがって、本実施形態の積層発泡シートは、2層全体での前記密度が0.2g/cm3以下となっていることで、軽量性に優れ、且つ、優れた強度のシート成形品を形成容易であるという利点を有している。
前記のように本実施形態において、第1発泡層の見掛け密度(d1)が0.05g/cm3以上となっているのは、当該密度を0.05g/cm3以上とすることで、押出発泡時における気泡の連通化を抑制することができ、熱成形時の伸びが悪くなって当該第1発泡層に割れが生じることをより確実に抑制することができるためである。
また、第1発泡層の見掛け密度(d1)が0.3g/cm3以下となっているのは、当該密度を0.3g/cm3以下とすることで、第1発泡層を断熱性や軽量性に優れた状態にすることができるためである。
また、第2発泡層の見掛け密度(d2)が0.04g/cm3以上となっているのは、当該密度を0.04g/cm3以上とすることで、押出発泡時における気泡の連通化を抑制することができ、熱成形時の伸びが悪くなって当該第2発泡層に割れが生じることをより確実に抑制することができるためである。
そして、本実施形態において、第2発泡層の見掛け密度(d2)が0.2g/cm3以下となっているのは、当該密度を0.2g/cm3以下とすることで、第2発泡層を断熱性や軽量性に優れた状態にすることができるためである。
なお、本実施形態の積層発泡シートは、前記の式(3)に示されているように第2発泡層の方が第1発泡層よりも低密度になっている。
これは、前記の式(4)にも示されているように、第2発泡層を構成する第2組成物の方が、第1発泡層を構成する第1組成物よりもガラス転移温度が高いことを主たる理由としている。
即ち、第2組成物の方が第1組成物に比べて熱成形時に軟化し難いことから、本実施形態においては、第2発泡層を低密度なものとして易変形性を付与し熱成形時における第1発泡層と第2発泡層との変形挙動を近似させるようにしている。
ただし、密度差が僅かでは、熱成形時における第1発泡層と第2発泡層との変形挙動を近似させることが難しく、かといって密度差を大きく付け過ぎると却って熱成形時における変形挙動をミスマッチさせるおそれを有する。
即ち、本実施形態において、第1発泡層の密度(d1)に対する第2発泡層の密度(d2)の比率(d2/d1)を0.15以上0.90以下としているのは、熱成形時における第1発泡層と第2発泡層との変形挙動を近似させて、第1発泡層や第2発泡層に割れが生じることを抑制するためである。
なお、前記のように第2発泡層は、第1発泡層に比べてガラス転移温度が高い樹脂組成物によって形成されている。
したがって、本実施形態の積層発泡シートを用いて形成させるシート成形品に優れた耐熱性を発揮させる上において、前記第2発泡層は一定以上の割合で積層発泡シートに備えられていることが好ましい。
具体的には、前記第2発泡層は、前記第1発泡層との合計に占める質量割合が20%以上80%以下であることが好ましい。
なお、前記第1発泡層や前記第2発泡層に、熱成形時に割れが生じることを防止する上においては、前記第2発泡層を形成する前記第2組成物が、前記第1組成物に比べて過度に高耐熱でないことが好ましい。
即ち、本実施形態においては、積層発泡シートを熱成形容易なものとし得る点において、第2組成物のガラス転移温度(Tg2(℃))と第1組成物のガラス転移温度(Tg1(℃))との差を、10℃以上30℃以下としている。
なお、本実施形態の積層発泡シートは、通常、耐熱性の高い第2発泡層側を第1発泡層側よりも高温に加熱して熱成形を行うことになるが、一般的な熱成形において積層発泡シートの一面側を他面側に比べて過度に高温にすることは難しい。
したがって、本実施形態においては、一般的な熱成形において与えうる温度差において第1発泡層と第2発泡層との溶融粘度の割合が所定範囲内となるようにし、積層発泡シートを熱成形するのに特別な設備が必要とならないようにしている。
即ち、本実施形態においては、積層発泡シートを熱成形容易なものとし得る点において、第1組成物と第2組成物とのガラス転移温度の関係を上記のように規定しているだけでなく、200℃における第1組成物の溶融粘度(η1(Pa・s))と、前記第2組成物の220℃における溶融粘度(η2(Pa・s))との間に所定の関係を保たせている。
本実施形態においては、特に限定されるものではないが、前記第1組成物としては、通常、ガラス転移温度(Tg1)が、90℃以上110℃以下のものを採用することができる。
また、前記第1組成物としては、通常、200℃における溶融粘度(η1)が、120Pa・s以上220Pa・s以下のものを採用することができる。
前記第2組成物としては、通常、ガラス転移温度(Tg2)が、115℃以上135℃以下のものを採用することができる。
また、前記第2組成物としては、通常、220℃における溶融粘度(η2)が、120Pa・s以上350Pa・s以下のものを採用することができる。
このような特性を示す第1組成物、及び、第2組成物は、例えば、ベースポリマー、該ベースポリマーを発泡状態にさせるための発泡剤や気泡調整剤、及び、その他の添加剤などにより構成させることができる。
前記ベースポリマーは、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体、若しくは、これらの共重合体、又は、該スチレン系単量体と共重合可能な、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートなどの(メタ)アクリル酸エステルの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性単量体と、前記スチレン系単量体との共重合体などといったポリスチレン系樹脂を採用することができる。
該ポリスチレン樹脂としては、例えば、ブタジエンやイソプレンをなどのゴム成分ブロックとスチレンブロックとを有するブロック共重合体、前記ゴム成分ブロックをスチレンからなる分子鎖にグラフトさせたグラフト共重合体で、ハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)などとして市販されているものなどを採用することができる。
上記のポリスチレン系樹脂とともにベースポリマーを構成させることができるその他の樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロルフェニレン−1,4−エーテル)等のポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体ゴム(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム(SIPS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体ゴム(SBBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴム(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体ゴム(SEPS)などのスチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
なお、上記のようなものの中でも優れた耐熱性を前記第2発泡層に発揮させうる点において、前記第2組成物のベースポリマーは、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)及びハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)の一方又は両方とポリフェニレンエーテル系樹脂との混合樹脂であることが好ましい。
また、前記第2組成物のベースポリマーは、優れた耐熱性を前記第2発泡層に発揮させうる点において、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルの1種以上との共重合体、又は、該共重合体とハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)との混合樹脂であることが好ましい。
一方で、前記第1組成物のベースポリマーは、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)及びハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)の一方又は両方によって構成させることが好ましい。
なお、第2組成物のベースポリマーを汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)やハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)と、ポリフェニレンエーテル系樹脂との混合樹脂とする場合、第1組成物のベースポリマーは、第2組成物のベースポリマーと同種の混合樹脂としてもよい。
その場合、第1組成物のベースポリマーにおけるポリフェニレンエーテル系樹脂の含有割合を第2組成物のベースポリマーよりも減少させて第1組成物のガラス転移温度と第2組成物のガラス転移温度との間に所定の温度差(10〜30℃)が形成されるようにすれば良い。
また、第2組成物のベースポリマーをスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とする場合においても、第1組成物のベースポリマーを同種の共重合体樹脂とすることができる。
この場合、(メタ)アクリル酸エステルの割合を調整したり、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を汎用ポリスチレン樹脂やハイインパクトポリスチレン樹脂である程度希釈したりして、ガラス転移温度を樹脂第2組成物と異ならせるようにすれば良い。
前記発泡剤としては、分解型発泡剤または物理的発泡剤が挙げられる。
分解型発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド、ホウ水素ナトリウム等の無機系分解性発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル及びジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタンメチレンテロラミン及びN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
前記物理的発泡剤としては、窒素、炭酸ガス、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ノルマルへキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソヘプタン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、メチルエーテル、水などが挙げられる。
前記気泡調整剤としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物からなる粉末を採用させ得る。
前記第1組成物や前記第2組成物に含有させるその他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、抗菌剤、消臭剤等が挙げられる。
前記第1発泡層及び前記第2発泡層とともに本実施形態の積層発泡シートを形成させるための前記第1フィルム層や前記第2フィルム層は、第1発泡層や第2発泡層のベースポリマーと同種の熱可塑性樹脂によって形成させることができる。
例えば、第1発泡層のベースポリマーがGPPSやHIPSである場合には、該第1発泡層に積層される前記第1フィルム層は、GPPSやHIPSによって構成させることができる。
また、第2フィルム層は、耐熱性に優れた第2発泡層に積層されるものであるため、一般的なポリスチレン系樹脂に比べて耐熱性に優れたポリプロピレン系樹脂や高密度ポリエチレン樹脂といったポリオレフィン系樹脂によって構成させることができる。
ただし、ポリオレフィン系樹脂は、一般にポリスチレン系樹脂との接着性が乏しいことから、ポリオレフィン系樹脂フィルムを第2発泡層に積層させるのであれば、GPPSやHIPSとのドライラミネートフィルムの形で積層させることが好ましい。
即ち、本実施形態における第1フィルム層や第2フィルム層は、ラミネートフィルムなどの積層構造を有するものであっても良い。
前記第1フィルム層や前記第2フィルム層は、第1発泡層や第2発泡層とともに共押出によって積層一体化させて積層発泡シートの最表面側に配することができる。
また、前記第1フィルム層や前記第2フィルム層は、一旦共押出によって第1発泡層と第2発泡層とが積層一体化された積層発泡シートを形成させた後に、該積層発泡シートに熱ラミネートや押出ラミネートを行ってそれぞれ第1発泡層や第2発泡層に積層させることができる。
このようにして得られる積層発泡シートは、通常、0.5mm〜5mmの厚みとされ、第1フィルム層や第2フィルム層は、通常、それぞれ5μm〜200μmの厚みとされ得る。
なお、本実施形態においては、2層のポリスチレン系樹脂発泡層の両面に第1フィルム層や第2フィルム層といった熱可塑性樹脂フィルム層を備えた4層構造の積層発泡シートを例示しているが、第1フィルム層及び第2フィルム層の内の一方、又は、両方が設けられていない3層構造や2層構造の積層発泡シートも本発明の積層発泡シートとして意図する範囲のものである。
即ち、本実施形態の積層発泡シートは、直接積層された2層のポリスチレン系樹脂発泡層で、且つ、ガラス転移温度の異なるポリスチレン系樹脂組成物で形成された2層のポリスチレン系樹脂発泡層を少なくとも有するものであれば、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、マッチモールド成形、プレス成形などといった熱成形において前記2層のポリスチレン系樹脂発泡層の間に極端に乖離した熱変形挙動が発揮されることを防止することができ、いずれかのポリスチレン系樹脂発泡層が割れることを抑制することができる。
したがって、本実施形態の積層発泡シートは、“ナキ”などと称される不具合の無い、良質なシート成形品を作製することができる。
なお、本実施形態においては、第1発泡層と第2発泡層とを接着剤などを用いずに直接的に積層させることが容易で、且つこれらを良好な接着状態にさせることが容易である点においてこれらを共押出によって積層一体化させた場合を例示しているが、本発明の積層発泡シートは、第1発泡層と第2発泡層とが共押出によって積層一体化されたものに限定されるものではない。
なお、ここでは詳述しないが、積層発泡シートの形成材料や製造設備、製造方法といったことに関して従来公知の技術事項は、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において本発明において適宜採用が可能なものである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下のような実施例に限定されるものでもない。
第1発泡層のベースポリマーとしてGPPS(商品名「XC−515」 、DIC社製)とHIPS(商品名「E641N、東洋スチレン社製)とを85質量部:15質量部(GPPS:HIPS)の質量割合で混合した混合樹脂を用意するとともに、該ベースポリマーとは別にタルク(気泡調整剤)練り込みマスターバッチ(商品名「DSM1401M」)を用意した。
前記混合樹脂100質量部に対し前記マスターバッチを0.8質量部の割合でブレンドしてバッチ式連続混合装置に投入し、該混合装置で十分に混合した後に、スクリュー径90mmと115mmとのタンデム押出機の内の上流側押出機(スクリュー径90mm)のホッパーに供給した。
この上流側の押出機では、シリンダー温度の最高設定温度を260℃とし、発泡剤として混合ブタン約3.8質量部(対混合樹脂100質量部)を途中で加えて前記GPPSなどとともに溶融混練し、下流側の押出機に供給するようにした。
また、下流側の押出機では、上流側の押出機から供給された溶融混練物を120kg/hの割合で合流金型へと供給させるようにした。
その一方で、別のタンデム押出機(90mm+115mm)で第2発泡層形成用材料を溶融混練して前記の合流金型へと供給させた。
こちらのタンデム押出機では、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)とポリスチレン系樹脂(PS)との混合物(商品名「ノリルEFN4230」 サビック社製 PPE/PS=70/30)とGPPS(商品名「HP−555」 DIC社製)とを30質量部:70質量部(EFN4230:HP−555)の質量割合で混合した混合樹脂、及び、タルク(気泡調整剤)練り込みマスターバッチ(商品名「DSM1401M」)を用意した。
この混合樹脂(EFN4230/HP−555)100質量部に対し前記マスターバッチ(DSM1401M)を1.0質量部の割合でブレンドしてバッチ式連続混合装置に投入し、該混合装置で十分に混合した後に、上流側のスクリュー径90mm押出機のホッパーに供給した。
この上流側の押出機では、シリンダー温度の最高設定温度を300℃とし、発泡剤として混合ブタン約5.0質量部(対混合樹脂100質量部)を途中で加えて前記混合樹脂とともに溶融混練し、下流側の押出機に供給するようにした。
また、下流側のスクリュー径115mmの押出機では、上流側の押出機から供給された溶融混練物を120kg/hの割合で前記合流金型へと供給させるようにした。
合流金型に供給された上記2種類の溶融混練物を当該合流金型内で合流、積層した後に口径125mmの円形のダイに供給し、ダイのスリットを通して、内側が第2発泡層、外側が第1発泡層となるように円筒形に押出発泡させた直後に、その内側と外側にエアーをかけて冷却した。
エアー温度は27℃とし、吹き付け量は、内側の第2発泡層側では0.087m3/m2、外側の第1発泡層側では0.068m3/m2とした。
そして、冷却後の円筒状発泡体を切り開いて、第1実施形態の積層発泡シートを製造した。
該積層発泡シートは、厚みが1.6mmであり、見掛け密度(JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」)が0.075g/cm3であった。
また、積層発泡シートの坪量は、120g/m2であった。
そして、前記積層発泡シートにおける第1発泡層の厚みは、0.5mmで第2発泡層の厚みは、1.1mmであった。
該積層発泡シートをスライサーにて厚み方向に分割して第1発泡層及び第2発泡層のそれぞれの見掛け密度と坪量とを測定したところ、第1発泡層は、その見掛け密度が0.120g/cm3で、坪量が60g/m2であった。
また、第2発泡層は、その見掛け密度が0.055g/cm3で、坪量が60g/m2であった。
さらに、この第1発泡層と第2発泡層とについては、ガラス転移温度と溶融粘度とを測定した。
なお、それぞれの測定方法は次の通りとした。
(前処理)
ガラス転移温度の測定に先立ち、第1発泡層と第2発泡層とをそれぞれ5〜6g天秤で量り取り、2枚のポリテトラフロロエチレンシートの間に挟みこんで下記の要領でプレスして脱泡する前処理を実施した。

プレス装置:東洋精機社製、小型プレス装置「ラボプレス10T」
温 度:上ヒータ180℃、下ヒータ180℃
プレス工程:
0.54MPa×3分間プレス⇒ 「0.54MPa×2秒」及び「圧力開放2秒」を1サイクルとして5サイクルのプレスを実施⇒15.5MPa×2分間プレス
(ガラス転移温度:Tg)
前記のようにして脱泡を行った試料に対するガラス転移温度(中間点ガラス転移温度)の測定は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定した。
但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行った。
示差走査熱量計装置 DSC6220型(エスアイアイナノテクノロジー社製)を用いアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんして、窒素ガス流量20mL/minのもと20℃/minの昇温速度で30℃から220℃まで昇温し、10分間保持後速やかに取出し、25±10℃の環境下にて放冷させた後、20℃/minの昇温速度で30℃から220℃まで昇温した時に得られたDSC曲線より中間点ガラス転移温度を算出した。
この時に基準物質としてアルミナを用いた。
この中間点ガラス転移温度は該規格(9.3「ガラス転移温度の求め方」)より求めた。
(前処理)
溶融粘度の測定に使用する樹脂ペレットは株式会社東洋精機製作所製のペレタイザ(商品名「ハンドトゥルーダ 型式PM−1」を使用して、シリンダ温度を第1発泡層は205℃、第2発泡層は220℃で試料充填から押出しまでの待機時間2.5分の条件で、必要な試料量が確保できるまで第1発泡層と第2発泡層とを50、60gずつ作製した。
(溶融粘度:η)
溶融粘度の測定は、JIS K 7199:1999「プラスチック−キャピラリーレオメーター及びスリットダイレオメーターによるプラスチックの流れ特性試験方法」記載の方法により測定した。
即ち、ツインボアキャピラリーレオメーター(Rheologic 5000T(イタリア チアスト社製))を用いて測定した。
具体的には、キャピラリーレオメーターの垂直方向に配された内径15mmのバレル内に試料を収容させて、第1発泡層の試料については200℃、第2発泡層の試料については220℃の温度で5分間予備加熱して溶融させた後に、バレルの上部からピストンを挿入して、該ピストンの降下速度を0.032mm/sから4.096mm/sまで段階的に変化させ、前記バレルの下端に設けたキャピラリー(ダイ径:1.0mm、ダイ長さ:10mm、流入角度:90度(コニカル))から溶融樹脂を紐状に押出ながらせん断圧力(Pa)を測定した。
なお、せん断圧力は、ピストンの降下速度を一定させている間において試験圧力が所定の時間一定圧力になったところで測定した。
そして、前記降下速度が1.024mm/s(せん断速度1843.2sec-1)におけるせん断圧力(Pa)の値から、下記式によって溶融粘度を算出した。

溶融粘度(Pa・s)=せん断圧力(Pa)/せん断速度(sec-1
上記測定の結果、第1発泡層(第1組成物)のガラス転移温度が102℃で、第2発泡層(第2組成物)のガラス転移温度が120.3℃であることがわかった。
また、第1発泡層(第1組成物)の200℃における溶融粘度が155.6Pa・sで、第2発泡層(第2組成物)の220℃における溶融粘度が252.6Pa・sであることがわかった。
この実施例1の積層発泡シートについて、157℃に温度設定されたヒーターで第1発泡層側を加熱するとともに、178℃に温度設定されたヒーターで第2発泡層側を加熱し、長辺200mm、短辺100mm、深さ30mmの角型トレーとなるように熱成形を実施した。
なお、当該熱成形は、前記第2発泡層が容器内側となるように実施した。
得られたトレーを目視観察して成形性の評価を実施し、成形品に“ナキ”が発生しなかった場合を「○」、“ナキ” が発生した場合を「×」と判定した。
(層間剥離)
前記のようにして得られた積層発泡シートに対し、さらに熱可塑性樹脂フィルムを熱ラミネートして層間剥離の発生状況を目視にて観察した。
そして、第1発泡層と第2発泡層との間に、層間剥離が見られなかった場合を「○」、見られた場合を「×」と判定した。
(実施例2〜5)
第1発泡層や第2発泡層の見掛け密度や坪量を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様に積層発泡シートを作製して同様に成形性と層間剥離とについて評価した。
(実施例6)
第1発泡層のベースポリマーとなるGPPS(商品名「XC−515」 、DIC社製)とHIPS(商品名「E641N、東洋スチレン社製)とを80:20(GPPS:HIPS)の質量割合としたこと、及び、第2発泡層のベースポリマーとして、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)とポリスチレン系樹脂(PS)との混合物(商品名「ノリルEFN4230」 サビック社製 PPE/PS=70/30)とGPPS(商品名「XC−515」 DIC社製)とを32:68(EFN4230:XC−515)の質量割合としたこと以外は実施例1と同様に積層シートを作製して同様に成形性と層間剥離の状況を評価した。
(実施例7)
第1発泡層のベースポリマーとしてGPPS(商品名「XC−515」 、DIC社製)を用意するとともに、該ベースポリマーとは別にタルク(気泡調整剤)練り込みマスターバッチ(商品名「DSM1401M」)を用意した。
前記のGPPS(XC−515)100質量部に対し前記マスターバッチを0.8質量部の割合でブレンドしてバッチ式連続混合装置に投入し、該混合装置で十分に混合した後に、スクリュー径90mmと115mmとのタンデム押出機の内の上流側押出機(スクリュー径90mm)のホッパーに供給した。
この上流側の押出機では、シリンダー温度の最高設定温度を260℃とし、発泡剤として混合ブタン約3.0質量部(対GPPS100質量部)を途中で加えて前記GPPSとともに溶融混練し、下流側の押出機に供給するようにした。
また、下流側の押出機では、上流側の押出機から供給された溶融混練物を120kg/hの割合で合流金型へと供給させるようにした。
その一方で、別のタンデム押出機(90mm+115mm)で第2発泡層形成用材料を溶融混練して前記の合流金型へと供給させた。
こちらのタンデム押出機では、スチレン―メタクリル酸共重合体樹脂(スチレン単量体含有量92質量%、メタクリル酸単量体含有量8質量%)(商品名「T080」 東洋スチレン社製)とスチレン―ブタジエンブロック共重合体樹脂(SBS:スチレンブロック共重合体)(商品名「タフプレン125」 旭化成ケミカルズ社製)とを95:5(T080:タフプレン125)の質量割合で混合した混合樹脂を用意した。
この混合樹脂(T080/タフプレン125)100質量部に対し前記マスターバッチ(DSM1401M)を1.0質量部の割合でブレンドしてバッチ式連続混合装置に投入し、該混合装置で十分に混合した後に、上流側のスクリュー径90mm押出機のホッパーに供給した。
この上流側の押出機では、シリンダー温度の最高設定温度を280℃とし、発泡剤として混合ブタン約3.5質量部(対混合樹脂100質量部)を途中で加えて前記混合樹脂とともに溶融混練し、下流側の押出機に供給するようにした。
また、下流側のスクリュー径115mmの押出機では、上流側の押出機から供給された溶融混練物を120kg/hの割合で前記合流金型へと供給させるようにした。
得られた実施例7の積層発泡シートについては、実施例1〜6と同様に成形性と層間剥離との評価を実施した。
実施例1〜7の結果を表1に示す。
(比較例1〜4)
第1発泡層や第2発泡層の見掛け密度や坪量を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様に積層発泡シートを作製して同様に評価した。
なお、比較例2、4については押出機内の樹脂圧が過大となって良好な積層発泡シートを得ることができなかったために評価を行っていない。
比較例1については、熱ラミネート時に2層間の剥離が発生した。
また、比較例3については、成形の際に第2発泡層で“ナキ”が発生し、良品を得ることができなかった。
(比較例5)
第1発泡層の形成に用いたGPPS(商品名「XC−515」 、DIC社製)とHIPS(商品名「E641N、東洋スチレン社製)との質量割合を70:30(GPPS:HIPS)としたこと、及び、第2発泡層の形成に用いた混合物(商品名「ノリルEFN4230」 サビック社製 PPE/PS=70/30)とGPPS(商品名「HP−555」 DIC社製)との質量割合を40:60(EFN4230:HP−555)としたこと以外は実施例1と同様に積層シートを作製して同様に評価した。
その結果、成形の際に第2発泡層に割れ(ナキ)が発生し、良品を得ることができなかった。
(比較例6)
第2発泡層のベースポリマーとして用いたスチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を、スチレン単量体含有量96質量%、メタクリル酸単量体含有量4質量%のもの(商品名「T040」 東洋スチレン社製)に変更したこと以外は実施例7と同様に積層シートを作製して同様に評価した。
その結果、成形の際に第2発泡層表面に過熱が原因と見られる肌荒れ(熱ヤケ)が生じ、良品を得られることができなかった。
比較例1〜6の評価結果をそれぞれ表1に示す。
Figure 2015066917
上記の表に示された結果からも、本発明によればシート成形品の形成時においてポリスチレン系樹脂発泡層の割れなどが生じることを抑制することができ、良質なシート成形品が得られることがわかる。

Claims (5)

  1. 熱成形によるシート成形品の形成に用いられ、直接積層された2層のポリスチレン系樹脂発泡層が少なくとも備えられてなる積層発泡シートであって、
    前記2層のポリスチレン系樹脂発泡層の内の第1のポリスチレン系樹脂発泡層と第2のポリスチレン系樹脂発泡層とは、2層全体での見掛け密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下で、第1のポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度をd1(g/cm3)、第2のポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度をd2(g/cm3)とした際に下記式(1)〜(3)を全て満足し、
    0.05 ≦ d1 ≦ 0.3 ・・・(1)
    0.04 ≦ d2 ≦ 0.2 ・・・(2)
    0.15 ≦(d2/d1) ≦ 0.9 ・・・(3)

    且つ、前記第1のポリスチレン系樹脂発泡層を構成する第1のポリスチレン系樹脂組成物のガラス転移温度をTg1(℃)、200℃における溶融粘度をη1(Pa・s)とし、前記第2のポリスチレン系樹脂発泡層を構成する第2のポリスチレン系樹脂組成物のガラス転移温度をTg2(℃)、220℃における溶融粘度をη2(Pa・s)とした際に、下記式(4)及び(5)の両方を満足することを特徴とする積層発泡シート。
    10 ≦ (Tg2−Tg1) ≦ 30 ・・・(4)
    0.75 < (η2/η1) < 2.0 ・・・(5)
  2. 前記第1のポリスチレン系樹脂発泡層と前記第2のポリスチレン系樹脂発泡層との合計に占める前記第2のポリスチレン系樹脂発泡層の質量割合が20%以上80%以下である請求項1記載の積層発泡シート。
  3. 前記第1のポリスチレン系樹脂発泡層と前記第2のポリスチレン系樹脂発泡層とが共押出により積層一体化されている請求項1又は2記載の積層発泡シート。
  4. 熱可塑性樹脂フィルム層をさらに有し、少なくとも一方の表面が前記熱可塑性樹脂フィルム層によって形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層発泡シート。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層発泡シートに熱成形が施されてなるシート成形品。
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