JP2012006356A - 熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び、容器 - Google Patents
熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び、容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012006356A JP2012006356A JP2010146867A JP2010146867A JP2012006356A JP 2012006356 A JP2012006356 A JP 2012006356A JP 2010146867 A JP2010146867 A JP 2010146867A JP 2010146867 A JP2010146867 A JP 2010146867A JP 2012006356 A JP2012006356 A JP 2012006356A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- thermoplastic resin
- container
- foam sheet
- heating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【解決手段】ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とが含有されており、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂が、前記ポリスチレン系樹脂と前記ポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下となる割合で含有されているポリスチレン系樹脂組成物が用いられてなるポリスチレン系樹脂発泡シートと、熱可塑性樹脂フィルムとが積層されてなる熱可塑性樹脂積層発泡シートであって、145℃で2.5分加熱した際のMD方向の加熱後の長さを加熱前の長さで割った加熱変形比をXMD、TD方向の加熱後の長さを加熱前の長さで割った加熱変形比をXTDとしたときにXMD、及びXTDがいずれも0.95〜l.10であり、XMD/XTDの値が0.90〜l.10であることを特徴とする熱可塑性樹脂積層発泡シートを提供する。
【選択図】 なし
Description
このような深絞り容器をポリスチレン系樹脂積層発泡シートで形成させるための手段として、発泡シートの単位面積あたりの質量を増やすことも行われているが、この方法では、容器1個あたりの質量が増すためコストアップとなるとともに容器の厚みが設計によって決まっているために低発泡にさせなければならず断熱性能を低下させるおそれも有する。
しかしながら、このように平均気泡数、残存発泡剤量を特定の値に調整するだけでは深底の容器を得るには不十分であり、成形性や容器強度に問題を生じさせるおそれがある。
より具体的には、例えば、ポリスチレン発泡シートを押出発泡成形する時に押出し金型の円環状のスリットとプラグ(冷却用マンドレル)との間での延伸をコントロールするなどして、成形時の発泡シートのMD(発泡シートの押出方向)及びTD(発泡シートの押出方向と直角の方向。周方向。)両方の歪みをできるだけ小さく、かつバランス良くし、成形の際に行うヒーターなどでの加熱によって所定以上の変形が生じないようにさせることが重要であることを見出した。
したがって、得られる容器も強度に優れたものとなる。
そして、本実施形態に係る熱可塑性樹脂積層発泡シートは、145℃で2.5分加熱した際のMD方向の加熱後の長さを加熱前の長さで割った加熱変形比をXMD、TD方向の加熱後の長さを加熱前の長さで割った加熱変形比をXTDとしたときにXMD、及びXTDがいずれも0.95〜l.10であり、XMD/XTDの値が0.90〜l.10となるものである。
例示すれば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロルフェニレン−1,4−エーテル)等が本実施形態において用いられ得る。
また、重合度nは、通常10〜5000の範囲内である。
また、一般的にはポリスチレン系樹脂に比べて高価であるために上記範囲を超えてポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させると材料コストの観点においても問題を生じさせるおそれを有する。
一方で、上記のようにポリフェニレンエーテル系樹脂をブレンドする方法は、単に発泡成形品に耐熱性を付与することができるばかりでなく、優れた靱性を付与することができる点においても優れている。
この消臭成分としては、ゼオライト系やリン酸ジルコニウム系の無機物粒子が挙げられる。
なかでも、消臭効果の点においては、リン酸ジルコニウム系の成分を採用することが好ましい。
このゴム成分は、ポリスチレン系樹脂発泡シートの靱性を向上させるのに有効である。
なかでも、脂肪族炭化水素が好ましい。
なお、これらのガス成分は単独で使用されても複数併用されてもよい。
ポリスチレン系樹脂発泡シートの厚みは、この種のトレー、容器を構成する壁面厚みによって適宜選択可能なものではあるが、通常、0.3〜5.0mm程度であり、好ましくは、0.5〜3.0mm程度である。
その他には、例えば、分子内にゴム成分を有する耐衝撃性ポリスチレン樹脂、ポリスチレン系樹脂と耐衝撃性ポリスチレンとの混合樹脂、耐衝撃性ポリスチレンにスチレン−ブタジエンブロック共重合体を海島状に分散させたものなどからなるフィルムなどが挙げられる。
さらには、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との混合樹脂フィルムを採用することもできる。
また、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との混合樹脂フィルムを使用する場合には、ポリスチレン系樹脂発泡シートと同様に、スチレンホモポリマーなどのスチレン系樹脂(PS)とポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)との割合を(PS/PPE)=50/50〜90/10とすることが好ましい。
なお、熱可塑性樹脂フィルムは、その厚みが5〜600μmであることが好ましい。
上記フイルムの厚みが5μm未満では、成形の際の伸びが悪くなり、さらに得られた成形品の機械的強度が十分なものにならないおそれを有する。
また、600μmを超えると成形後、製品を打抜く時に、外縁部の気泡がつぶされて連通状態になりやすく、このことによってフィルムと発泡シートとが剥がれ易くなるという問題を発生させ得る。
さらに好ましい熱可塑性樹脂フィルムの厚みとしては30〜500μmである。
シリコーンオイルが0.01質量%以下では、容器を成形した時の離型性の向上やブロッキング防止等の効果があまり期待できず、また、容器と印刷機のブランケットとの滑りが悪くなり、印刷性も低下するおそれを有する。
また、3質量%以上では、フイルム製造時の押出安定性が悪くなり、また、フィルムの外観も悪くなるので好ましくない。
そこで、0.2質量%を超え3質量%までシリコーンオイルを混合するには、カレンダーロールのようなミキシングロールで樹脂に練り込んで一旦ペレット化したり押出し機の途中で圧入するいわゆる注入方式で行うことが好ましい。
0.01質量%〜0.2質量%のシリコーンオイルが含有されたフィルムは、さらに、シリコーンオイルを塗布しても塗布むらが生じにくく、このようにしてシリコーンオイルを含有させることで印刷むらの少ない熱可塑性フィルムとすることができる。
また、シリコーンオイルと共にさらにステアリン酸モノグリセライド等を同時に練り込むこともできる。
また、熱可塑性樹脂フィルムに、チタンホワイト、炭酸カルシウム等の白色充填材を0.1〜3.0質量%混合すると、印刷性が良くなる。
この場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等を熱可塑性樹脂フイルムに押出しラミネートすることにより接着層を形成させたり、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等にポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を混合させたものを熱可塑性樹脂フイルムに押出しラミネートすることにより接着層を形成させたりすることができる。
このバリヤ性フィルムとしては、具体的には、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、塩化ビニリデン系・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル系メチルメタアクリレート・ブタジエン共重合体、ナイロン6、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン.高密度ポリエチレン、アイオノマー樹脂(例えば、登録商標サーリン)、あるいは、金属蒸着フィルムの単独、もしくは、これらを積層したものが挙げられる。
これらの条件は、熱可塑性樹脂積層発泡シートの表裏面の少なくとも一面において測定した際に適合されていることが必要であるが、表側、裏側ともに適合していることが特に好ましい。
押出量は使用する押出機により異なるが、一般的には、使用する押出機に応じて75〜500kg/hで適宜設定すればよい。
さらに、サーキュラーダイから押出して筒状に発泡成形した後、温度を約10℃〜80℃に調整したエアーにより冷却させ、しかも、この時の冷却のエアー量を約0.1〜5.0m3/m2として押出した直後から5秒以内に行うことが好ましい。
特に、ブローアップ比を発泡倍率の1/2乗と2/3乗の間とし、発泡シートの押出方向のしま模様がダイリップから冷却マンドレルまでの距離の1/3以内で消えるように押出量、引き取り速度、冷却条件を調整するのがよい。
また、この発泡シートの厚みの中心部2/3の領域における気泡形状を、0.9≦TD/VD≦1.5、0.9≦MD/VD≦1.1、且つTD/VD≧MD/VDとなるように調整することが好ましい(MD:押出し方向の気泡長さ、TD:周方向の気泡長さ、VD:厚み方向の気泡長さ)。
この熱可塑性樹脂積層発泡シートは、例えば、熱可塑性樹脂フィルム面が外側になるようにプレス成形機などで熱成形して深絞り形状を付与し、深絞り容器とすることができる。
この熱可塑性樹脂積層発泡シートを用いることで、例えば、容器の深さを容器の開口部内寸で割った深絞り率が1.0〜1.8の容器も歩留り良く作製することが可能である。
また、作製される容器の強度も十分なものとなる。
しかも、ポリスチレン系樹脂発泡シートの形成材料としてポリフェニレンエーテル系樹脂を含有するポリスチレン系樹脂組成物が用いられていることで、耐熱性に優れるとともに靱性の高い割れ難い容器を得ることができる。
(実施例l〜4)
口径が115mmと口径が150mmの押出機を連結したタンデム型押出機を使用して、以下のようにポリスチレン系樹脂発泡シートを押出発泡成形した。
まず、口径115mmの押出機のホッパーにポリスチレン系樹脂(DIC社製GPPS(スチレンホモポリマー)、商品名「XC−515」)70質量%、及び、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)とポリスチレン系樹脂(PS)との混合樹脂(サビック社製、商品名「ノリルEFN4230」、PPE/PS=70/30)30質量%からなる樹脂成分100質量部に対してタルクのマスターバッチ(東洋スチレン社製、商品名「DSM1401A」、(タルク40質量%、ポリスチレン樹脂60質量%))を用いて、タルク0.3〜2質量部になるように添加して混合したものを投入して、押出機で90℃〜310℃に加熱しながら混合溶融した後、ノルマルブタン/イソブタンの比率が7/3である発泡剤をポリスチレンに対し1.0〜4.0質量%を注入して、混合した後、連結された口径150mmの押出機に導入し、約140〜110℃にまで冷却して円筒状金型(ダイリップ口径160〜240mm、ダイリップ間隔0.3〜0.7mm)より押出して、内筒状の冷却マンドレルで冷却成形後、これを2ヶ所で切断して、2枚の巾約1050mmのポリスチレン発泡シートを得た。また、押出した直後に、発泡シートを冷却したが、この冷却のエアー量は1.0〜1.5m3/m2、エアーの温度は20〜70℃に調整した。
得られた積層シートのフィルム側を外側になるように成形して、開口部の口径110mm、深さ121mmの容器を得た。
得られた積層シートの代表物性、及び成形性評価を表Iに示した。なお、成形のための加熱した時間は、実施例1、2、3、4でそれぞれ25、21、21、28秒とした。
口径150mmの押出機の温度を約155〜129℃とし、ダイリップクリアランス間隔0.5〜0.8mmとして、押出した直後の発泡シートの冷却エアー量は0.5〜1.0m3/m2にする以外は実施例1〜4と同様にして製造した。
口径115mmの押出機にポリスチレン系樹脂(DIC社製GPPS(スチレンホモポリマー)、商品名「XC−515」)70質量%、及び、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)とポリスチレン系樹脂(PS)との混合樹脂(サビック社製、商品名「ノリルEFN4230」、PPE/PS=70/30)30質量%からなる樹脂成分100質量部に対してタルクのマスターバッチ(東洋スチレン社製、商品名「DSM1401A」、(タルク40質量%、ポリスチレン樹脂60質量%))を用いて、タルク0.3〜2質量部になるように添加して混合したものを投入して、混合溶融した後、ポリスチレンに対し発泡剤としてノルマルブタン/イソブタンの比率が6/4である発泡剤を2.8質量%を注入して混合した後冷却した。一方、口径65mmの押出機にハイインパクトポリスチレン(商標名:東洋スチレン社製 E641N)をホッパーより投入し、溶融させた後、前記の発泡剤を含んだポリスチレンと合流させ、ダイリップの間隙が0.6mm、サーキュラーダイの口径が215mmである金型より約110kg/時間で押出発泡して、冷却のエアー量は1.0m3/m2、冷却エアーの温度50℃で冷却し、円筒状のプラグで冷却して成形後、切断して巾1050mmの積層シートを得た。フィルムの厚みを剥離して測定すると、厚みは140μm、発泡シートの厚みは2.2mm、発泡倍率は9.1倍であった。得られた積層シートのフィルム側を外側になるように成形して、開口部の口径110mm、深さ121mmの容器を得た。得られた積層シートの代表物性、及び成形性評価を表1に示した。
実施例5で得た積層シートの発泡シート側に、ハイインパクトポリスチレンの厚み25μm(商品名:Dタイプ,東和化工株式会社製)のフィルムを熱ロールを使用して積層して3層の積層のシートを得た。得られた積層シートの25μmフィルム側を外側になるように成形して、開口部の口径110mm、深さ121mmの容器を得た。得られた積層シートの代表物性、及び成形性評価を表1に示した。
実施例1で得た発泡シートにバリヤ性フィルムとして、厚み90μmのエバール系多層フィルム(住友ベークライト株式会社製)を熱ロールでラミネートして積層して積層シートを得た。得られた積層シートのフィルム側を外側になるように成形して、開口部の口径110mm、深さ121mmの容器を得た。得られた積層シートの代表物性、及び成形性評価を表1に示した。
実施例1で使用した装置、原料で厚み1.5mm、倍率6.6の発泡シートを得た。
その発泡シートに実施例1で使用した装置、原料で70μmフィルムをラミネートした。その2層シートのフィルム側が外側となるように成型して、開口部の内径45mm、深さ50mmの容器を得た。
得られた積層シートの代表物性、及び成形性評価を表1に示した。
口径65mmの押出機を使用して、ハイインパクトポリスチレンをエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(日本ポリエチレン社製、商品名「LV244A」)に変更した以外は実施例5と同様に押出した。
得られた積層シートを電顕を使用して写真を撮り測定した結果、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の厚み15μm、発泡シートの厚み2.1mmで発泡倍率は8.4倍であった。得られた積層シートに、高密度ポリエチレンフィルム(密度0.952、厚み100μm)を熱ロールでエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂側にラミネートして積層し、積層シートを得た。成形性については、積層シートのフィルム側を外側となるように成形して、開口部の内径45mm、深さ50mmの容器を得た。得られた積層シートの代表物性、及び成形性評価を表1に示した。
実施例1で得た発泡シート(厚み2.1、倍率9.3倍)にウレタン系接着剤を塗布した後、溶液を完全に蒸発させた後、熱ロールで120μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを積層した。得られた積層シートのフィルム側を外側になるように成形して、開口部の口径45mm、深さ50mmの容器を得た。得られた積層シートの代表物性、及び成形性評価を表1に示した。
(加熱変形比)
その測定方法はMD方向600mm、TD方向600mmのサンプルの4方をクランプして、そのクランプのセンターに辺500mmの正方形を書き、145℃×2.5分の加熱条件で熱成形時の加熱条件を模擬した加熱を実施した後、クランプを外し、その正方形のほぼ中心におけるMDの長さとTDの長さの数値を測定した。
上記のように、成形加熱後のMD、TDの長さを測定して、それを加熱前の長さ500mmで割った数値をそれぞれXMD、XTDとした。
成形機加熱ゾーンの加熱器と発泡シートとの中間の雰囲気温度。
(オーバーヒート時間)
成形機加熱ゾーンの雰囲気温度に発泡シートを入れ加熱しその表面が溶融する状態或いは厚みが減少を始める時間を示し、その短い方をいう。
(加熱時間)
成形のための加熱温度におけるオーバーヒート時間に対して、約80〜95%に経験的に設定した。
実施例1〜7及び比較例1〜4において、1辺600mmの各積層発泡シートを4方クランプして、18個の容器を成形した。
容器の形状は、開口部内寸110mm、開口部リップの幅4mm、底部外寸75mm、容器の深さ121mmの逆円錐台状である。深絞り率は、容器の深さ/容器開口部の内寸であるから、1.1である。
○:全て成形が良好
△:カップ内部に亀裂があるか側壁が薄くなる。
×:成形できない。
圧縮強度:上記成形された容器を底部から、テンシロン測定器を用いてスピード400mm/分で圧縮して、容器が座屈した時の強度を測定する。
リップ強度:容器の開口部の外側から、テンシロン測定器の押しスピード400mm/分で、10mm圧縮した時の強度を測定する。
以下に、樹脂成分がスチレン系樹脂単体のポリスチレン系樹脂組成物で作製したポリスチレン系樹脂発泡シートと、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させたポリスチレン系樹脂組成物で作製したポリスチレン系樹脂発泡シートとにおいて割れ難さを評価した事例を示す。
ポリスチレン系樹脂(DIC社製GPPS(スチレンホモポリマー)、商品名「XC−515」)70質量%、及び、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)とポリスチレン系樹脂(PS)との混合樹脂(サビック社製、商品名「ノリルEFN4230」、PPE/PS=70/30)30質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、消臭成分として東亜合成社製のリン酸ジルコニウム系消臭剤(商品名「ケスモンNS−10」)を0.5質量部含有する樹脂組成物を押出し発泡して、厚み2.0mm、目付け180g/m2のポリスチレン系樹脂発泡シート(シート1)を作製した。
GPPS、PPE、及び、消臭成分を含む樹脂組成物に代えてアクリル系モノマーとスチレンモノマーとの共重合体を押出し発泡してシート1と同じ厚みで同じ目付けのポリスチレン系樹脂発泡シート(シート2)を作製した。
GPPS、PPE、及び、消臭成分を含む樹脂組成物に代えてGPPSのみを押出し発泡してシート1と同じ厚みで同じ目付けのポリスチレン系樹脂発泡シート(シート3)を作製した。
上記シートから6.5±0.5mgのサンプルを採取し、JIS K7121に基づいて示差走査熱量測定を実施した(使用装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、示差走査熱量計装置、型名「DSC6220」)。
その結果、シート1、シート2のサンプルにおいては、JIS K7121 9.3(1)に記載の「中間点ガラス転移温度(Tmg)」が120℃付近に観察され、シート3のサンプルでは、106℃に観察された。
上記シート1〜3から、100×100mmのテストピースを採取して、該テストピースに対して、ASTM D3763に基づくダイナタップ衝撃試験を実施した(使用装置:General Research Corp.社製、ダイナタップ衝撃試験装置、型名「GRC8250」)。
その結果、シート2のテストピースについては、最大点変位3.2mm、最大荷重29Nという結果となり、シート3のテストピースについては、最大点変位4.0mm、最大荷重36Nという結果となった。
一方でシート1のテストピースについては、最大点変位4.4mm、最大荷重42Nという結果となった。
このことからもシート1は、PPE系樹脂が含有されることによって変位と荷重が大きな割れ難い状態となっていることがわかる。
Claims (5)
- ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とが含有されており、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂が、前記ポリスチレン系樹脂と前記ポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下となる割合で含有されているポリスチレン系樹脂組成物が用いられてなるポリスチレン系樹脂発泡シートと、熱可塑性樹脂フィルムとが積層されてなる熱可塑性樹脂積層発泡シートであって、
145℃で2.5分加熱した際のMD方向の加熱後の長さを加熱前の長さで割った加熱変形比をXMD、TD方向の加熱後の長さを加熱前の長さで割った加熱変形比をXTDとしたときにXMD、及びXTDがいずれも0.95〜l.10であり、XMD/XTDの値が0.90〜l.10であることを特徴とする熱可塑性樹脂積層発泡シート。 - XMD、及びXTDがいずれも0.92〜l.08である請求項1に記載の熱可塑性樹脂積層発泡シート。
- 前記ポリスチレン系樹脂組成物には、ゴム分が0質量%を超え15.0質量%以下含有されている請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂積層発泡シート。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂積層発泡シートを熱成形してなることを特徴とする容器。
- 容器の深さを容器の開口部内寸で割った深絞り率が1.0〜1.8である請求項4に記載の容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010146867A JP2012006356A (ja) | 2010-06-28 | 2010-06-28 | 熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び、容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010146867A JP2012006356A (ja) | 2010-06-28 | 2010-06-28 | 熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び、容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012006356A true JP2012006356A (ja) | 2012-01-12 |
Family
ID=45537465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010146867A Pending JP2012006356A (ja) | 2010-06-28 | 2010-06-28 | 熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び、容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012006356A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013180778A (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-12 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 耐熱・耐油性容器 |
JP2014189700A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Sekisui Plastics Co Ltd | 樹脂発泡シート及び成形体 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1067074A (ja) * | 1996-05-16 | 1998-03-10 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 自動車用内装材 |
JPH10324759A (ja) * | 1997-03-24 | 1998-12-08 | Sekisui Plastics Co Ltd | 熱可塑性樹脂積層発泡シートおよびその容器 |
JP2007296686A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Kaneka Corp | 多層押出発泡積層シートおよびそれを用いた自動車内装材 |
-
2010
- 2010-06-28 JP JP2010146867A patent/JP2012006356A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1067074A (ja) * | 1996-05-16 | 1998-03-10 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 自動車用内装材 |
JPH10324759A (ja) * | 1997-03-24 | 1998-12-08 | Sekisui Plastics Co Ltd | 熱可塑性樹脂積層発泡シートおよびその容器 |
JP2007296686A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Kaneka Corp | 多層押出発泡積層シートおよびそれを用いた自動車内装材 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013180778A (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-12 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 耐熱・耐油性容器 |
JP2014189700A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Sekisui Plastics Co Ltd | 樹脂発泡シート及び成形体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007154172A (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡シート、積層発泡シートおよびポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法ならびにそれらの成形体 | |
JP2006130814A (ja) | ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートおよびその成形体 | |
JP5427708B2 (ja) | 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートを用いた食品用容器 | |
JP3448759B2 (ja) | 熱可塑性樹脂積層発泡シートおよびその容器 | |
JP5934564B2 (ja) | スチレン系樹脂耐熱発泡シートの製造方法 | |
JP7315571B2 (ja) | 発泡シート | |
JP2012006356A (ja) | 熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び、容器 | |
JP5193105B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形体 | |
JP2009214372A (ja) | ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート及びその成形体 | |
JP2016069449A (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡シート | |
JP2015193784A (ja) | スチレン−メタクリル酸系樹脂シート、樹脂成形品、及び、容器 | |
JP6717599B2 (ja) | スチレン系樹脂、スチレン系樹脂発泡シート、及び食品容器 | |
JP2015071678A (ja) | 耐熱性樹脂組成物およびその発泡成形体 | |
JP2004122717A (ja) | ポリプロピレン系樹脂押出発泡シート、その製造方法、およびその成形体 | |
JP3448757B2 (ja) | 積層ポリスチレン系樹脂発泡容器 | |
JPH11129369A (ja) | 合成樹脂発泡シートおよびその製造方法 | |
JP2007131766A (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡シート、ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートおよびそれらを熱成形して得られる容器 | |
WO2013031271A1 (ja) | 容器製造方法 | |
JP2008120979A (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡シートおよびその成形体 | |
JP6266571B2 (ja) | 樹脂発泡シート、及び、樹脂発泡成形品 | |
JP2014101432A (ja) | 発泡体、成形体、および発泡体の製造方法 | |
JP2004331722A (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡シートおよび成形体 | |
JP4990585B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡シート | |
JP7457619B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器 | |
JP2012077160A (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡シート、成形品、ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20121210 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130805 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130823 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130925 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131101 |