JP2022152524A - 燃料電池用シール部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温~高温の広い温度領域において、圧縮割れ耐性および低へたり性に優れる、燃料電池用シール部材を提供する。【解決手段】燃料電池シール体に使用されるシール部材4aであって、上記シール部材4aが、下記の(A)および(B)成分を含有するゴム組成物の架橋体からなり、反発弾性率40~70%を示すものである。(A)エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、およびエチレン-ブテン-ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分。(B)BET比表面積(m2/g)×DBP吸油量(cm3/100g)の値が1500~15000の、カーボンブラック。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用構成部材をシールするために用いられる燃料電池用シール部材に関するものである。
燃料電池は、ガスの電気化学反応により電気を発生させ、発電効率が高く、排出されるガスがクリーンで環境に対する影響が極めて少ない。なかでも固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動させることができ、大きな出力密度を有する。このため、上記固体高分子型燃料電池は、発電用、自動車用電源等、種々の用途が期待される。
固体高分子型燃料電池においては、膜電極接合体(MEA)等をセパレータで挟持したセルが発電単位となる。MEAは、電解質となる高分子膜(電解質膜)と、電解質膜の厚さ方向両面に配置された一対の電極触媒層(燃料極(アノード)触媒層、酸素極(カソード)触媒層)と、からなる。一対の電極触媒層の表面には、さらにガスを拡散させるための多孔質層が配置される。燃料極側には水素等の燃料ガスが、酸素極側には酸素や空気等の酸化剤ガスがそれぞれ供給される。供給されたガスと電解質と電極触媒層との三相界面における電気化学反応により、発電が行われる。固体高分子型燃料電池は、上記セルを多数積層したセル積層体を、セル積層方向の両端に配置したエンドプレート等により締め付けて構成される。
セパレータには、各々の電極に供給されるガスの流路や、発電の際の発熱を緩和するための冷媒の流路が形成される。例えば、各々の電極に供給されるガスが混合すると、発電効率が低下する等の問題が生じる。また、電解質膜は、水を含んだ状態でプロトン導電性を有する。このため、作動時には、電解質膜を湿潤状態に保つ必要がある。したがって、ガスの混合、ガスおよび冷媒の漏れを防止すると共に、セル内を湿潤状態に保持するためには、MEAおよび多孔質層の周囲や、隣り合うセパレータ間のシール性を確保することが重要となる。これらの構成部材をシールするシール部材としては、例えば、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム等からなるシール部材(ゴムガスケット)が提案されている(特許文献1~3参照)。
特開2009-94056号公報 特開2010-146781号公報 特許第6334870号公報
ところで、上記燃料電池は、200~300枚のセルを積層して、上記のようなシール部材(ゴムガスケット)を高圧縮させながら締結して構成されたものであるため、上記シール部材においては、圧縮割れ耐性(耐圧縮破壊性)、および低へたり性(優れた圧縮永久歪み特性)が求められる。また、燃料電池は、バス、トラック等の長距離を走る商用車向けに世界的に拡大すると予測され、上記シール部材においては、寒冷地や熱地で上記各物性を維持できることが、より一層求められる。
つまり、上記シール部材においては、高圧縮された状態での、圧縮割れ耐性、低へたり性が、低温~高温の広い温度領域で満たされることが課題である。
従来、耐低温性と圧縮割れ耐性を解消する手法としては、シール部材の材料中に、流動点の低い軟化剤(可塑剤)を多量に添加する手法がとられている。
しかしながら、燃料電池用シール部材の厚みは通常1mm程度と薄いため、上記の手法では、軟化剤の揮発等による体積収縮の影響が大きく、へたりが生じやすい。
また、例えば、先の特許文献3に開示されているように、樹脂成分を添加して引張伸びを大きくすることにより圧縮割れ耐性を高める手法も検討されているが、この手法では、シール性能に不可欠な圧縮永久歪みや強度などの特性とトレードオフの関係となるという課題が残る。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低温~高温の広い温度領域において、圧縮割れ耐性および低へたり性に優れる、燃料電池用シール部材の提供を、その目的とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、燃料電池用シール部材のゴム成分として優れた特性を示す、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、エチレン-ブテン-ジエンゴムといったゴム成分を用いるとともに、低温~高温の広い温度領域において、圧縮割れ耐性および低へたり性を全て満足することができるよう、各種添加剤の配合および実験を繰り返し行った。その結果、特定のカーボンブラックを加え、かつ上記シール部材の反発弾性率が特定の範囲内となるようにしたところ、低温~高温における耐圧縮破壊性(圧縮割れ耐性)と低へたり性を両立することができることを見いだし、本発明に到達した。
しかるに、本発明は、以下の[1]~[7]を、その要旨とする。
[1] 下記の(A)および(B)成分を含有するゴム組成物の架橋体からなり、その反発弾性率が40~70%であることを特徴とする燃料電池用シール部材。
(A)エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、およびエチレン-ブテン-ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分。
(B)BET比表面積(m2/g)×DBP吸油量(cm3/100g)の値が1500~15000の、カーボンブラック。
[2] 上記ゴム成分(A)が、エチレン-プロピレン-ジエンゴムを含有し、そのエチレン量が50重量%以下で、かつプロピレン量が42重量%以上である、[1]に記載の燃料電池用シール部材。
[3] 上記ゴム成分(A)が、エチレン-プロピレンゴムを含有し、そのエチレン量が55重量%以下で、かつプロピレン量が45重量%以上である、[1]または[2]に記載の燃料電池用シール部材。
[4] 上記ゴム組成物における上記(B)成分の含有量が、上記(A)成分100重量部に対し15~95重量部の範囲である、[1]~[3]のいずれかに記載の燃料電池用シール部材。
[5] 上記ゴム組成物が、さらに下記(C)成分を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の燃料電池用シール部材。
(C)有機過酸化物。
[6] 上記ゴム組成物における上記(C)成分の含有量が、上記(A)成分100重量部に対し1.5~14重量部(原体換算)である、[1]~[5]のいずれかに記載の燃料電池用シール部材。
[7] 上記ゴム組成物が、さらに下記(D)成分を含有する、[1]~[6]のいずれかに記載の燃料電池用シール部材。
(D)流動点が-30℃以下の可塑剤。
本発明の燃料電池用シール部材は、低温~高温の広い温度領域において、圧縮割れ耐性および低へたり性に優れた性能を発揮することができる。
本発明の燃料電池シール体の一例を示す断面図である。 本発明の燃料電池用シール部材を使用した一例を示す断面図である。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の燃料電池用シール部材(以下、単に「シール部材」という場合がある。)は、燃料電池の構成部材をシールするために用いられるものであって、先に述べたように、下記の(A)および(B)成分を含有するゴム組成物の架橋体からなり、その反発弾性率が40~70%の範囲内を示すものである。
(A)エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、およびエチレン-ブテン-ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分。
(B)BET比表面積(m2/g)×DBP吸油量(cm3/100g)の値が1500~15000の、カーボンブラック。
ここで、上記の「反発弾性率」は、JIS K 6255にて記載されている、リュプケ式試験機を用い、標準試験温度にて測定される反発弾性率をいう。そして、上記ゴム組成物の架橋体の反発弾性率(上記シール部材の反発弾性率)は、45~70%の範囲であることが好ましく、より好ましくは45~65%の範囲である。すなわち、上記反発弾性率の値が小さすぎると、本発明に要求される、低温~高温の広い温度領域での圧縮永久歪み特性(低へたり性)が充分に得られず、逆に上記反発弾性率の値が大きすぎると、本発明に要求される圧縮割れ耐性(特に、低温条件と高温条件に交互に晒された際の圧縮割れ耐性)が充分に得られないからである。
以下、本発明のシール部材の構成材料について詳しく説明する。
《ゴム成分(A)》
上記ゴム成分(A)は、上記ゴム組成物の主たる成分であって、通常、上記ゴム組成物全体の40重量%以上を占める。好ましくは上記ゴム組成物全体の40~80重量%、より好ましくは上記ゴム組成物全体の45~75重量%を、上記ゴム成分(A)が占めることである。
そして、上記のように、ゴム成分(A)としては、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、およびエチレン-ブテン-ジエンゴム(EBT)が、単独であるいは二種以上併せて用いられる。燃料電池の作動環境における耐酸性、耐水性および圧縮永久歪みの観点からは、上記ゴム成分(A)としては、EPDMおよびEBTを用いるのが好ましく、また、反発弾性が有利に働く等の観点からは、上記ゴム成分(A)としては、EBTを用いることがより好ましい。
上記EPMは、そのエチレン量(エチレン成分の重量割合)が55重量%以下で、かつプロピレン量(プロピレン成分の重量割合)が45重量%以上であることが、ポリマーの結晶性を下げ、極低温下におけるシール性の向上および反発弾性を抑制する観点から好ましい。さらに、より耐低温性とシール部材に必要な引張特性を高める観点から、上記エチレン量は、より好ましくは35~55重量%、さらに好ましくは40~53重量%の範囲であり、上記プロピレン量は、より好ましくは45~65重量%、さらに好ましくは47~60重量%の範囲である。
上記EPDMは、そのエチレン量(エチレン成分の重量割合)が50重量%以下で、かつプロピレン量(プロピレン成分の重量割合)が42重量%以上であることが、ポリマーの結晶性を下げ、極低温下におけるシール性の向上および反発弾性を抑制する観点から好ましい。さらに、より耐低温性とシール部材に必要な引張特性を高める観点から、上記エチレン量は、より好ましくは35~50重量%、さらに好ましくは40~50重量%の範囲であり、上記プロピレン量は、より好ましくは42~55重量%、さらに好ましくは44~50重量%の範囲である。
また、上記EBTは、そのエチレン量(エチレン成分の重量割合)が55重量%以下で、かつブテン量(ブテン成分の重量割合)が35重量%以上であることが、ポリマーの結晶性を下げ、極低温下におけるシール性の向上の観点から好ましい。さらに、より耐低温性とシール部材に必要な引張特性を高める観点から、上記エチレン量は、より好ましくは35~55重量%、さらに好ましくは40~53重量%の範囲であり、上記ブテン量は、より好ましくは35~55重量%、さらに好ましくは38~50重量%の範囲である。
また、上記EPDMおよびEBTの少なくとも一方を含有する場合、そのEPDMやEBT中のジエン含有量が多くなれば、それに比例して架橋体であるシール部材の架橋密度が高くなり、より一層、シール性能において重要な圧縮永久歪み性(低へたり性)が向上することとなる。このようなことから、そのジエン含有量(ジエン成分の質量割合)は、1~20重量%の範囲が好ましく、より好ましくは3~15重量%の範囲が好ましい。
上記ジエン成分としては、例えば、炭素数5~20のジエン系モノマーが好ましく、具体的には、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-1,5-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,4-シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、5-ブチリデン-2-ノルボルネン、2-メタリル-5-ノルボルネン、2-イソプロペニル-5-ノルボルネン等があげられる。
《カーボンブラック(B)》
本発明のシール部材の材料に用いられるカーボンブラック(B)としては、先にも述べたように、BET比表面積(m2/g)×DBP吸油量(cm3/100g)の値が1500~15000のカーボンブラックが用いられる。上記の、BET比表面積(m2/g)×DBP吸油量(cm3/100g)の値は、好ましくは1750~14000の範囲であり、より好ましくは2000~13000の範囲である。すなわち、上記の、BET比表面積(m2/g)×DBP吸油量(cm3/100g)の値が大きすぎると、低温~高温の広い温度領域における低へたり性が得られないからであり、逆に小さすぎると、本発明に要求される圧縮割れ耐性(特に、低温条件と高温条件に交互に晒された際の圧縮割れ耐性)が得られないからである。
ここで、上記カーボンブラック(B)のBET比表面積は、例えば、試料を200℃で15分間脱気した後、吸着気体として混合ガス(N2:70%、He:30%)を用いて、BET比表面積測定装置(マイクロデータ社製、4232-II)により測定することができる。そして、上記BET比表面積は、20~125m2/gであることが好ましく、より好ましくは25~120m2/gの範囲である。
また、上記カーボンブラック(B)のDBP吸油量は、JIS K 6217-4によって測定した値である。そして、上記DBP吸油量は、50~200cm3/100gであることが好ましく、より好ましくは70~175cm3/100gの範囲である。
上記カーボンブラック(B)のグレードは、特に限定されるものではないが、好ましくは、SRF級、SRF-HS級、GPF級、GPF-HS級、GPF-LS級、FEF級、FEF-HS級、FEF-LS級、HAF級、HAF-HS級、HAF-LS級、LI-HAF級、N351級、N339級、IISAF-HS級、ISAF-LS級、ISAF級のカーボンブラックがあげられる。なかでも、SRF-HS級、GPF級、GPF-HS級、GPF-LS級、FEF級、FEF-HS級、FEF-LS級、HAF級、HAF-HS級、HAF-LS級、LI-HAF級、N351級のカーボンブラックがより好ましい。
上記カーボンブラック(B)の配合量は、所望の圧縮割れ耐性および低へたり性を得る観点から、前記ゴム成分(A)100重量部に対し、15~95重量部であることが好ましい。
なお、前記ゴム成分(A)がEPMやEPDMの場合、前記ゴム成分(A)100重量部に対する上記カーボンブラック(B)の配合量は、より好ましくは20~95重量部の範囲であり、さらに好ましくは30~95重量部の範囲である。
また、前記ゴム成分(A)がEBTの場合、前記ゴム成分(A)100重量部に対する上記カーボンブラック(B)の配合量は、より好ましくは15~90重量部の範囲であり、さらに好ましくは25~90重量部の範囲である。
ここで、本発明のシール部材に使用するゴム組成物には、上記(A)および(B)成分以外に、下記に示す有機過酸化物(C)、可塑剤(D)や、架橋助剤、老化防止剤、加工助剤、シリカ等の補強材等といった、各種添加剤を配合しても差し支えない。
なお、上記ゴム組成物には、接着成分(シランカップリング剤等)、粘着成分、熱可塑性樹脂等の樹脂成分を含まないようにする(不含とする)ことが、上記シール部材のシール性能において重要な圧縮永久歪み性(低へたり性)を保持する観点から好ましい。
《有機過酸化物(C)》
前記のゴム成分(A)の架橋剤としては、燃料電池の発電を阻害しないことから、有機過酸化物(C)が好ましい。上記有機過酸化物としては、例えば、パーオキシケタール、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。このような有機過酸化物のなかでも、例えば、1時間半減期温度が160℃以下の有機過酸化物からなるものが好ましく用いられ、これらのなかでも、架橋剤を加えて混練したゴム組成物の耐スコーチ性および架橋効率に優れるという理由から、1時間半減期温度が100℃~160℃の、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステルからなる群から少なくとも一つを用いることが好ましく、1時間半減期温度が110℃~160℃の、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステルからなる群から少なくとも一つを用いることが特に好ましい。
本発明において、上記有機過酸化物(C)での、1時間半減期温度が160℃以下の有機過酸化物における「半減期」とは、有機過酸化物の濃度(活性酸素量)が初期値の半分になるまでの時間である。よって、「半減期温度」は、有機過酸化物の分解温度を示す指標となる。上記「1時間半減期温度」は、半減期が1時間となる温度である。つまり、1時間半減期温度が低いほど、低温で分解しやすく、反応速度が速い。1時間半減期温度が低すぎると、ゴム組成物のスコーチが発生しやすくなり、架橋効率も低下する。
上記パーオキシケタールとしては、例えば、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ジ(4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキサン等があげられる。
上記パーオキシエステルとしては、例えば、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等があげられる。
上記ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、ジ(2-t-ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ヘキシルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等があげられる。
これらのうち、上記ゴム成分(A)との反応性が高いという理由から、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブタン、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(2-t-ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ヘキシルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3が好ましい。特に好ましくは、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(2-t-ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイドである。
上記有機過酸化物(C)(純度100%の原体の場合)の配合量は、上記ゴム成分(A)100重量部に対して、1.5~14重量部の範囲が好ましく、1.5~12重量部の範囲がより好ましく、2.0~10重量部の範囲が特に好ましい。上記有機過酸化物(C)の配合量が少なすぎると、架橋反応を充分に進行させることが困難となる傾向がみられ、上記有機過酸化物(C)の配合量が多すぎると、架橋密度が高くなりすぎ、圧縮割れ耐性の低下を招く傾向がみられる。
なお、上記有機過酸化物(C)として、純度100%の原体を用いない場合、原体換算した割合が上記範囲内となるよう、配合される。
《可塑剤(D)》
本発明のシール部材の材料として必要に応じて加えられる可塑剤(D)としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン等の石油系可塑剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系可塑剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリン等のワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記可塑剤(D)の配合量は、上記ゴム成分(A)100重量部に対して、通常60重量部以下であり、5~50重量部の範囲が好ましい。
上記可塑剤(D)のなかでも、流動点が-30℃以下の可塑剤が好ましく、流動点が-40℃以下の可塑剤がより好ましい。このような可塑剤としては、例えば、ポリ-α-オレフィン、ジオクチルフタレート(DOP)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルセバケート(DOS)、ジブチルセバケート(DBS)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、ゴム成分(A)との相溶性が良好で、ブリードしにくいという観点から、ポリ-α-オレフィンが好ましい。ポリ-α-オレフィンは、炭素数6~16のα-オレフィンを重合させたものである。ポリ-α-オレフィンにおいては、分子量が小さいほど、粘度が小さく流動点も低い。
上記のように、流動点が低い可塑剤ほど、極低温下において硬化しにくい。したがって、流動点が低い可塑剤ほど、極低温下におけるゴム成分の結晶化抑制効果が大きい。一方、流動点が低すぎると、燃料電池の作動時等において揮発しやすくなる。よって、可塑剤の流動点は、-80℃以上であることが望ましい。
なお、流動点の測定は、JIS K 2269(1987)に準じて行うことができる。
また、上記可塑剤(D)の40℃における動粘度は、好ましくは8~500mm2/sの範囲であり、より好ましくは9~460mm2/sの範囲である。すなわち、このような動粘度を示す可塑剤を用いると、ゴムとの相溶が良い、かつ揮発性が小さいため、圧縮永久歪み性(低へたり性)に優れるからである。なお、上記可塑剤(D)の動粘度は、JIS K 2283に準拠して測定されたものである。
《架橋助剤》
本発明のシール部材の材料として必要に応じて加えられる架橋助剤としては、例えば、マレイミド化合物、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、2官能(メタ)アクリレート、1,2-ポリブタジエン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋密度や強度の向上効果が大きいという理由から、マレイミド化合物、TAICを用いることが好ましい。
上記架橋助剤の配合量は、上記ゴム成分(A)100重量部に対して5重量部以下の範囲が好ましい。上記架橋助剤の配合量が多すぎると、架橋密度が高くなりすぎ、圧縮割れ耐性の低下を招く傾向がみられる。
《老化防止剤》
本発明のシール部材の材料として必要に応じて加えられる老化防止剤としては、フェノール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、リン酸系老化防止剤、ワックス等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、酸化防止に対する効力等の観点から、フェノール系老化防止剤(特にビスフェノール系老化防止剤)、アミン系老化防止剤が好ましく用いられる。
上記老化防止剤の配合量は、前記ゴム成分(A)100重量部に対し、0.05~10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~5重量部の範囲である。
〈燃料電池用シール部材の作製〉
本発明の燃料電池用シール部材は、例えば、前記(A)および(B)成分、さらには必要に応じて、前記(C)成分や(D)成分等といった他の各種添加剤を配合して、ゴム組成物を調製した後、これを架橋することにより作製することができる。なお、上記シール部材の架橋成形は、通常、金型内による一次架橋(130~200℃で3~30分間保持することにより架橋)して脱型した後、オーブンにて二次架橋(130~180℃で60~240分間加熱して架橋)させることにより、行われる。
上記シール部材は、シール部の形状に応じて、所定形状に成形しておくことが好ましい。例えば、フィルム状に成形すると、燃料電池の各種構成部材にシール部材を、接着剤により貼り付けて、利用に供することができる。なお、本発明のシール部材は、燃料電池の各種構成部材間に接着せずに配置するといった使用態様であってもよい。また、本発明のシール部材は、その架橋成形されたものを接着剤により貼り付ける(後接着する)他、接着剤の塗布面に対し、本発明のシール部材を架橋成形(架橋接着)することにより、後述のように、燃料電池のMEA、セパレータ等の構成部材と、本発明のシール部材とを、金型内で一体成形することも可能である。
〈燃料電池シール体〉
本発明の燃料電池シール体としては、燃料電池用構成部材と、それをシールするシール部材(本発明の燃料電池用シール部材)とが、接着層を介して接着されてなるもの等があげられる。
本発明のシール部材によりシールされる燃料電池用構成部材は、燃料電池の種類、構造等により様々であるが、例えば、セパレータ(金属セパレータ等)、ガス拡散層(GDL)、MEA(電解質膜、電極)等があげられる。
本発明の燃料電池シール体の一例を図1に示す。図1は、複数枚のセルが積層されてなる燃料電池における単一のセル1を主として示したものであり、セル1は、MEA2と、ガス拡散層(GDL)3と、シール部材4aと、セパレータ5と、接着層6を備えている。
本発明の燃料電池シール体としては、例えば、図1に示すように、セパレータ5とシール部材4aとが接着層6を介して接着されてなるもの、MEA2とシール部材4aとが接着層6を介して接着されてなるもの、ガス拡散層3とシール部材4aとが接着層6を介して接着されてなるもの、隣接するシール部材4a同士が接着層6を介して接着されてなるもの等があげられる。
MEA2は、図示しないが、電解質膜と、電解質膜を挟んで積層方向両側に配置されている一対の電極からなる。電解質膜および一対の電極は、矩形薄板状を呈している。上記MEA2を挟んで積層方向両側には、ガス拡散層3が配置されている。上記ガス拡散層3は、多孔質層で、矩形薄板状を呈している。
上記セパレータ5は、チタン、ステンレス(SUS304等)等からなる金属製のものや、導電樹脂(黒鉛、ポリアクリロニトリル系炭素繊維等を混入させた熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂)からなるものが好ましい。また、上記セパレータ表面に、PVD法、CVD法などの処理により形成された、DLC膜やグラファイト膜等の炭素薄膜を有するものは、導通信頼性の観点からより好ましい。上記炭素薄膜の厚みは、10~500nmが好ましい。
上記セパレータ5は、矩形薄板状を呈しており、長手方向に延在する溝が合計六つ凹設されており、この溝により、セパレータ5の断面は、凹凸形状を呈している。セパレータ5は、ガス拡散層3の積層方向両側に、対向して配置されている。ガス拡散層3とセパレータ5との間には、凹凸形状を利用して、電極にガスを供給するためのガス流路7が区画されている。
上記シール部材4aは、矩形枠状を呈している。そして、上記シール部材4aは、接着層6を介して、MEA2やガス拡散層3の周縁部、およびセパレータ5に接着され、MEA2やガス拡散層3の周縁部を封止している。なお、図1の例において、シール部材4aは、上下に分かれた2個の部材を使用しているが、両者を合わせた単一のシール部材であっても差し支えない。
固体高分子型燃料電池等の燃料電池の作動時には、燃料ガスおよび酸化剤ガスが、各々ガス流路7を通じて供給される。ここで、MEA2の周縁部は、接着層6を介して、シール部材4aによりシールされている。このため、ガスの混合や漏れは生じない。
本発明の燃料電池シール体は、例えば、つぎのようにして作製することができる。まず、前述のように、本発明の燃料電池用シール部材を作製する。
つぎに、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材、およびこれをシールするシール部材のいずれか一方もしくは双方に、上記接着層形成材料(接着剤)を塗布することにより、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材と、シール部材とが、接着層を介して接着されてなる、本発明の燃料電池シール体を得ることができる。
上記接着層形成材料(接着剤)としては、例えば、ゴム糊、常温(23℃)で液状のゴム組成物、プライマー等が用いられる。上記液状のゴム組成物としては、ゴム成分、有機過酸化物(架橋剤)等を含有するゴム組成物があげられる。上記ゴム成分の一例としては、液状を呈するゴムがあげられ、具体的には、液状EPM、液状EPDM、液状アクリロニトリル-ブタジエンゴム(液状NBR)、液状水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(液状H-NBR)等が、単独であるいは二種以上併せて用いられる。上記プライマーとしては、例えば、シランカップリング剤の共重合オリゴマーを含有するプライマー等があげられる。
上記接着層形成材料の塗布方法としては、例えば、スプレー法、浸漬法、ロールコート法等があげられ、また、通常は常温の条件下で塗布すればよい。
本発明の燃料電池シール体における接着層の厚みは、上記液状ゴム組成物を用いる場合、通常、0.01~0.5mmであり、好ましくは0.05~0.3mmである。また、上記プライマーを用いる場合、接着層の厚みは、通常、0.01~25μmであり、好ましくは0.02~2μmである。
また、シール部材の架橋接着により、燃料電池用構成部材とシール部材とを一体化して、燃料電池シール体を製造するのであれば、以下のようにして製造することができる。すなわち、シール部材の成形用金型内に、接着層が形成された燃料電池用構成部材を配置し、上記金型内で、シール部材形成用のゴム組成物を、燃料電池用構成部材に接触させた状態で架橋成形するといった製造方法である。
さらに、本発明の燃料電池用シール部材を用いた他の使用例を図2に示す。図2は、矩形薄板状を呈し、長手方向に延在する溝が合計六つ凹設された、上述の断面凹凸形状を呈するセパレータ5の周縁部に、接着層6を介して、矩形状で断面凸部形状のリップ4bが設けられてなる部材である。そして、上記リップ4bとして、本発明の燃料電池用シール部材が用いられる。なお、セパレータ5形成材料、接着層6形成材料としては、いずれも先に述べた材料と同様のものが用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示すゴム組成物の材料を準備した。なお、下記のカーボンブラックにおける「比表面積×吸油量」は、そのカーボンブラックの、BET比表面積(m2/g)×DBP吸油量(cm3/100g)の値を示すものである。そして、上記BET比表面積(m2/g)は、前述の記載に基づき、BET比表面積測定装置(マイクロデータ社製、4232-II)により測定した値であり、上記DBP吸油量は、JIS K 6217-4によって測定した値である。
〔ゴム(i)(A成分)〕
エチレン含有量50重量%、ブテン量42.9重量%、ジエン含有量7.1重量%の、エチレン-ブテン-ジエンゴム(三井化学社製、EBT-K9330M)
〔ゴム(ii)(A成分)〕
エチレン含有量46重量%、プロピレン含有量48重量%、ジエン含有量6.0重量%の、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(keltan2650C、ARLANXEO社製)
〔ゴム(iii)(A成分)〕
エチレン含有量51重量%、プロピレン含有量49重量%の、エチレン-プロピレンゴム(三井化学社製、EPT-0045)
〔老化防止剤〕
ビスフェノール系老化防止剤(大内新興化学工業社製、ノクラックNS-5)
〔カーボンブラック(i)〕
東海カーボン社製、シーストSO(FEF級、BET比表面積:42m2/g、DBP吸油量:115cm3/100g、比表面積×吸油量:4830)
〔カーボンブラック(ii)〕
東海カーボン社製、シーストV(GPF級、BET比表面積:27m2/g、DBP吸油量:87cm3/100g、比表面積×吸油量:2349)
〔カーボンブラック(iii)〕
東海カーボン社製、シースト6(ISAF級、BET比表面積:119m2/g、DBP吸油量:114cm3/100g、比表面積×吸油量:13566)
〔カーボンブラック(iv)〕
キャンカーブ社製、サーマックスN990(MT級、BET比表面積:10m2/g、DBP吸油量:44cm3/100g、比表面積×吸油量:440)
〔カーボンブラック(v)〕
東海カーボン社製、シースト9(SAF級、BET比表面積:142m2/g、DBP吸油量:115cm3/100g、比表面積×吸油量:16330)
〔可塑剤〕
ポリ-α-オレフィン(PAO601、日鉄ケミカル&マテリアル社製、40℃動粘度:30.7mm2/s、流動点(JIS K 2269):-63℃)
〔有機過酸化物〕
1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサC-80、日油社製、純度80%、1時間半減期温度:111.1℃)
〔架橋助剤〕
トリアリルイソシアヌレート(TAIC、三菱ケミカル社製)
[実施例1~9、比較例1~4]
後記の表1および表2に示す各成分を、同表に示す割合で配合し、バンバリーミキサーおよびオープンロールを用いて混練することにより、ゴム組成物を調製した。
つぎに、上記ゴム組成物に対し、下記の基準に従って、反発弾性率を測定した。その結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
《反発弾性率》
上記調製のゴム組成物を、所定の金型を用いて170℃で15分間保持することにより架橋して脱型した後、オーブンにて150℃で120分加熱して二次架橋させることにより、直径29mm、厚み12.5mmの、円柱状の架橋ゴムサンプルを作製した。
そして、上記架橋ゴムサンプルに対し、JIS K 6255にて記載されている、リュプケ式試験機を用い、標準試験温度にて、反発弾性率を測定した。
そして、上記ゴム組成物を用いて、下記の基準に従って、各特性の評価用サンプルを作製し、各特性の測定および評価を行った。その結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
<高温圧縮永久歪み、低温圧縮永久歪み>
上記調製のゴム組成物を、所定の金型を用いて170℃で15分間保持することにより架橋して脱型した後、オーブンにて150℃で120分加熱して二次架橋させることにより、直径29mm、厚み12.5mmの、円柱状の架橋ゴムサンプルを作製した。
そして、上記架橋ゴムサンプルに対し、JIS K 6256に従って圧縮永久歪みを測定し、下記の基準に従い評価した。なお、下記の高温圧縮永久歪み評価は、上記架橋ゴムサンプルを120℃雰囲気下に240時間静置した後に圧縮永久歪みを測定し評価したものであり、下記の低温圧縮永久歪み評価は、上記架橋ゴムサンプルを-40℃雰囲気下に24時間静置した後に圧縮永久歪みを測定し評価したものである。
(高温圧縮永久歪み評価基準)
◎:圧縮永久歪みが20%未満。
〇:圧縮永久歪みが20~25%。
×:圧縮永久歪みが25%を超える。
(低温圧縮永久歪み評価基準)
◎:圧縮永久歪みが50%未満。
〇:圧縮永久歪みが50~60%。
×:圧縮永久歪みが60%を超える。
<圧縮割れ耐性>
上記調製のゴム組成物を、所定の金型を用いて170℃で15分間保持することにより架橋して脱型した後、オーブンにて150℃で120分加熱して二次架橋させることにより、直径15mm、厚み1mmの、円板状の架橋ゴムサンプルを作製した。
そして、上記架橋ゴムサンプルに対し、JIS K 6256に規定の治具と同様のものを使用し、所定の圧縮率(50%または55%)で上記架橋ゴムサンプルを圧縮し、その状態で、高温雰囲気下での静置と低温雰囲気下での静置を繰り返し行う、といった処理を行った。詳しくは、上記架橋ゴムサンプルを上記圧縮率で圧縮した状態で、110℃雰囲気下に5分間静置した後-40℃雰囲気下に5分間静置するといったサイクル(冷熱サイクル)を1サイクルとし、これを10サイクル実施した。そして、この処理を行った後、解放し、架橋ゴムサンプルに外観割れが無いかを、目視により確認した。そして、以下の基準で、圧縮割れ耐性の評価を行った。
◎:圧縮率55%であっても、外観割れが認められない。
〇:圧縮率55%では外観割れがみられたが、圧縮率50%では外観割れが認められない。
×:圧縮率50%であっても、外観割れが認められる。
Figure 2022152524000002
Figure 2022152524000003
上記表1および表2の結果から、実施例の架橋ゴム(シール部材)は、低温~高温の広い温度領域において、圧縮永久歪み特性(低へたり性)および圧縮割れ耐性(冷熱サイクルを伴う圧縮割れ耐性)に優れていることがわかる。
これに対し、比較例1の架橋ゴムは、本発明の基準を満たさないカーボンブラック(比表面積×吸油量:440)を使用し、反発弾性率も大きいことから、所望する圧縮割れ耐性(冷熱サイクルを伴う圧縮割れ耐性)が得られない結果となった。比較例2の架橋ゴムは、本発明の基準を満たさないカーボンブラック(比表面積×吸油量:16330)を使用し、高温圧縮永久歪みおよび低温圧縮永久歪みの双方ともに劣る結果となった。比較例3の架橋ゴムは、本発明の基準を満たすカーボンブラック(比表面積×吸油量:4830)を使用しているが、その反発弾性率が大きいことから、所望する圧縮割れ耐性(冷熱サイクルを伴う圧縮割れ耐性)が得られない結果となった。比較例4の架橋ゴムも、本発明の基準を満たすカーボンブラック(比表面積×吸油量:4830)を使用しているが、その反発弾性率が小さく、低温圧縮永久歪みが劣る結果となった。
本発明の燃料電池用シール部材は、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材と、それをシールするゴム製のシール部材とが接着層を介して接着されてなる燃料電池シール体、もしくは上記シール部材同士が接着層を介して接着されてなる燃料電池シール体の上記シール部材に用いられる。
1 セル
2 MEA
3 ガス拡散層
4a シール部材
4b リップ
5 セパレータ
6 接着層
7 ガス流路

Claims (7)

  1. 下記の(A)および(B)成分を含有するゴム組成物の架橋体からなり、その反発弾性率が40~70%であることを特徴とする燃料電池用シール部材。
    (A)エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、およびエチレン-ブテン-ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分。
    (B)BET比表面積(m2/g)×DBP吸油量(cm3/100g)の値が1500~15000の、カーボンブラック。
  2. 上記ゴム成分(A)が、エチレン-プロピレン-ジエンゴムを含有し、そのエチレン量が50重量%以下で、かつプロピレン量が42重量%以上である、請求項1記載の燃料電池用シール部材。
  3. 上記ゴム成分(A)が、エチレン-プロピレンゴムを含有し、そのエチレン量が55重量%以下で、かつプロピレン量が45重量%以上である、請求項1または2記載の燃料電池用シール部材。
  4. 上記ゴム組成物における上記(B)成分の含有量が、上記(A)成分100重量部に対し15~95重量部の範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の燃料電池用シール部材。
  5. 上記ゴム組成物が、さらに下記(C)成分を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池用シール部材。
    (C)有機過酸化物。
  6. 上記ゴム組成物における上記(C)成分の含有量が、上記(A)成分100重量部に対し1.5~14重量部(原体換算)である、請求項1~5のいずれか一項に記載の燃料電池用シール部材。
  7. 上記ゴム組成物が、さらに下記(D)成分を含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の燃料電池用シール部材。
    (D)流動点が-30℃以下の可塑剤。
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