JP7319899B2 - 燃料電池用シール部材 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用構成部材をシールするために用いられる燃料電池用シール部材に関するものである。
燃料電池は、ガスの電気化学反応により電気を発生させ、発電効率が高く、排出されるガスがクリーンで環境に対する影響が極めて少ない。なかでも固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動させることができ、大きな出力密度を有する。このため、上記固体高分子型燃料電池は、発電用、自動車用電源等、種々の用途が期待される。
固体高分子型燃料電池においては、膜電極接合体(MEA)等をセパレータで挟持したセルが発電単位となる。MEAは、電解質となる高分子膜(電解質膜)と、電解質膜の厚さ方向両面に配置された一対の電極触媒層(燃料極(アノード)触媒層、酸素極(カソード)触媒層)と、からなる。一対の電極触媒層の表面には、さらにガスを拡散させるための多孔質層が配置される。燃料極側には水素等の燃料ガスが、酸素極側には酸素や空気等の酸化剤ガスがそれぞれ供給される。供給されたガスと電解質と電極触媒層との三相界面における電気化学反応により、発電が行われる。固体高分子型燃料電池は、上記セルを多数積層したセル積層体を、セル積層方向の両端に配置したエンドプレート等により締め付けて構成される。
セパレータには、各々の電極に供給されるガスの流路や、発電の際の発熱を緩和するための冷媒の流路が形成される。例えば、各々の電極に供給されるガスが混合すると、発電効率が低下する等の問題が生じる。また、電解質膜は、水を含んだ状態でプロトン導電性を有する。このため、作動時には、電解質膜を湿潤状態に保つ必要がある。したがって、ガスの混合、ガスおよび冷媒の漏れを防止すると共に、セル内を湿潤状態に保持するためには、MEAおよび多孔質層の周囲や、隣り合うセパレータ間のシール性を確保することが重要となる。これらの構成部材をシールするシール部材としては、例えば、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)等からなるシール部材(ゴムガスケット)が提案されている(特許文献1、2参照)。
特開2009-94056号公報 特開2010-146781号公報
ところで、上記燃料電池は、200~300枚のセルを積層して、上記のようなシール部材(ゴムガスケット)を圧縮させながら締結して構成されたものであるため、上記シール部材においては、高伸び性(圧縮割れ耐性)が求められる。また、燃料電池は、バス、トラック等の長距離を走る商用車向けに世界的に拡大すると予測され、上記シール部材において、寒冷地や熱地での物性低下に対する耐性、長寿命化の要因となる低へたり性が、より一層求められる。
つまり、上記シール部材においては、圧縮割れ耐性、低へたり性、低温~高温の広い温度領域での耐性を全て満足することが、課題である。
従来、耐低温性と圧縮割れ耐性を解消する手法としては、シール部材の材料中に、流動点の低い軟化剤(可塑剤)を多量に添加する手法がとられている。
しかしながら、燃料電池用シール部材の厚みは通常1mm程度と薄いため、上記の手法では、軟化剤の揮発等による体積収縮の影響が大きく、へたりが生じやすい。
一方、上記軟化剤の添加量を減らすと、シール部材が伸びにくくなり、圧縮割れ耐性が落ちるという課題が生じる。
また、上記シール部材の耐低温性を向上させるために、ゴム成分にエチレン-ブテン-ジエンゴムを用い、さらにポリαオレフィンを軟化剤として使用することが知られているが、充分な高温特性が得られなかったことから、未だ改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低温~高温の広い温度領域において、圧縮割れ耐性および低へたり性に優れる、燃料電池用シール部材の提供を、その目的とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、燃料電池用シール部材のゴム成分として優れた特性を示す、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、エチレン-ブテン-ジエンゴムといったゴム成分を用いるとともに、燃料電池の発電が阻害されることのないよう、有機過酸化物を、その架橋剤として用いることを検討した。そして、圧縮割れ耐性、低へたり性、低温~高温の広い温度領域での耐性を全て満足することができるよう、各種添加剤の配合および実験を繰り返し行った結果、流動点および動粘度が特定の範囲内にある直鎖構造の炭化水素系軟化剤(B)と、2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)とを併用して加えたところ、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
しかるに、本発明は、以下の[1]~[5]を、その要旨とする。
[1]燃料電池の構成部材をシールするために用いられる燃料電池用シール部材であって、下記の(A)~(D)成分を含有するゴム組成物の架橋体からなることを特徴とする燃料電池用シール部材。
(A)エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴムおよびエチレン-ブテン-ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分。
(B)流動点が-30℃以下であり、かつ40℃における動粘度が8~500mm2/sである、直鎖構造の炭化水素系軟化剤。
(C)2官能の(メタ)アクリレートモノマー。
(D)有機過酸化物からなる架橋剤。
[2]上記炭化水素系軟化剤(B)がポリαオレフィンである、[1]に記載の燃料電池用シール部材。
[3]上記2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)の主鎖が脂肪族炭化水素である、[1]または[2]に記載の燃料電池用シール部材。
[4]上記ゴム組成物における炭化水素系軟化剤(B)の含有量が、上記ゴム成分(A)100重量部に対し5~60重量部の範囲である、[1]~[3]のいずれかに記載の燃料電池用シール部材。
[5]上記ゴム組成物における2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)の含有量が、上記ゴム成分(A)100重量部に対し0.1~10重量部の範囲である、[1]~[4]のいずれかに記載の燃料電池用シール部材。
本発明の燃料電池用シール部材は、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴムおよびエチレン-ブテン-ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分(A)と、流動点が-30℃以下であり、かつ40℃における動粘度が8~500mm2/sである、直鎖構造の炭化水素系軟化剤(B)と、2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)と、有機過酸化物からなる架橋剤(D)と、を含有するゴム組成物の架橋体からなる。このことから、本発明の燃料電池用シール部材は、低温~高温の広い温度領域において、圧縮割れ耐性および低へたり性に優れた性能を発揮することができる。
本発明の燃料電池シール体の一例を示す断面図である。 本発明の燃料電池用シール部材を使用した一例を示す断面図である。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の燃料電池用シール部材(以下、単に「シール部材」という場合がある。)は、燃料電池の構成部材をシールするために用いられるものであって、先に述べたように、下記の(A)~(D)成分を含有するゴム組成物の架橋体からなる。なお、下記の(B)成分における「流動点」は、JIS K 2269で規定された方法で冷却したときに、(B)成分が流動する最低の温度をいう。また、下記の(B)成分における「動粘度」は、JIS K 2283に準拠して測定されたものである。
(A)エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴムおよびエチレン-ブテン-ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分。
(B)流動点が-30℃以下であり、かつ40℃における動粘度が8~500mm2/sである、直鎖構造の炭化水素系軟化剤。
(C)2官能の(メタ)アクリレートモノマー。
(D)有機過酸化物からなる架橋剤。
以下、本発明のシール部材の構成材料について詳しく説明する。
〔ゴム成分(A)〕
上記ゴム成分(A)は、上記ゴム組成物の主成分であって、通常、ゴム組成物全体の過半を占める。そして、上記のように、ゴム成分(A)としては、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、およびエチレン-ブテン-ジエンゴム(EBT)が、単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記ゴム成分(A)におけるエチレン含有量は、極低温下におけるシール性の向上の観点から、60重量%以下であることが好ましく、より好ましくは53重量%以下である。一方で、上記エチレン含有量が少なすぎると、ゴム物性が低下し、シール部材に必要な伸びや引張り特性を確保することが困難となることから、上記エチレン含有量が40重量%以上であることが好ましい。
そして、燃料電池の作動環境における耐酸性および耐水性の観点からは、上記ゴム成分(A)としては、EPDMを用いることが好ましく、また、低温シール性の観点からは、上記ゴム成分(A)としては、EBTを用いることが好ましい。
そして、上記EPDMやEBT中のジエン含有量が多くなれば、それに比例して架橋体であるシール部材の架橋密度が高くなり、より一層低温シール性が向上することとなる。このようなことから、そのジエン含有量(ジエン成分の質量割合)は、1~20重量%の範囲が好ましく、より好ましくは3~15重量%の範囲が好ましい。
上記ジエン成分としては、例えば、炭素数5~20のジエン系モノマーが好ましく、具体的には、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-1,5-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,4-シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-ブチリデン-2-ノルボルネン、2-メタリル-5-ノルボルネン、2-イソプロペニル-5-ノルボルネン等があげられる。
〔炭化水素系軟化剤(B)〕
上記炭化水素系軟化剤(B)としては、流動点が-30℃以下であり、かつ40℃における動粘度が8~500mm2/sである、直鎖構造の炭化水素系軟化剤が用いられる。上記炭化水素系軟化剤(B)の流動点は、低温性、揮発性の観点から、好ましくは-35~-80℃以下、より好ましくは-40~-80℃以下である。また、上記炭化水素系軟化剤(B)の、40℃における動粘度は、揮発性およびゴム成分(A)との相溶性等の観点から、好ましくは9~460mm2/s、より好ましくは10~420mm2/sである。また、上記炭化水素系軟化剤(B)は、ゴム成分(A)との相溶性等の観点から、上記のように、直鎖構造の炭化水素系軟化剤が用いられる。
また、上記炭化水素系軟化剤(B)としては、250℃で1時間加熱したときに揮発する量が80重量%未満であることが好ましい。より好ましくは60重量%未満、さらに好ましくは40重量%未満である。すなわち、このような揮発しにくい軟化剤であると、本発明のシール部材は耐へたり性により優れるようになる。
上記のような炭化水素系軟化剤(B)としては、例えば、パラフィン、流動パラフィン、エチレンープロピレン共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリαオレフィン等があげられる。そして、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
そして、上記炭化水素系軟化剤(B)は、低へたり性の観点から、直鎖構造のオレフィンであることが好ましく、ポリαオレフィン、エチレンープロピレン共重合体であることが、より好ましい。
前記ゴム組成物における上記炭化水素系軟化剤(B)の含有量は、練り加工性、ブリードアウトの抑制、低温~高温の広い温度領域での圧縮割れ耐性および低へたり性を良好に得る等の観点から、前記ゴム成分(A)100重量部に対し、5~60重量部であることが好ましく、より好ましくは5~55重量部、さらに好ましくは5~50重量部の範囲である。
〔2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)〕
上記2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)は、(メタ)アクリル基を2つ有する(メタ)アクリレートモノマーである。なお、本発明において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基あるいはメタクリロイル基を意味し、(メタ)アクリレートモノマーとは、アクリレートモノマーあるいはメタクリレートモノマーを意味する。
上記2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)のなかでも、ゴム成分(A)との相溶性、耐熱性等の観点から、上記2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)の主鎖が炭化水素系であるものが好ましい。
また、上記2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)の主鎖は、脂肪族炭化水素であることが好ましく、その炭素数は、好ましくは2~14、より好ましくは2~10の範囲である。
そして、上記2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタジオールジ(メタ)アクリレート等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。なお、上記化合物名における「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートあるいはメタクリレートを意味する。
前記ゴム組成物における2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)の含有量は、架橋反応を適切にし、圧縮割れ耐性、低へたり性、低温~高温の広い温度領域での耐性を良好に得る観点から、前記ゴム成分(A)100重量部に対し、0.1~10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.15~7.5重量部、さらに好ましくは0.2~5重量部の範囲である。
〔架橋剤(D)〕
前記のゴム成分(A)の架橋剤(D)は、有機過酸化物からなるものである。上記有機過酸化物としては、例えば、パーオキシケタール、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。このような有機過酸化物のなかでも、例えば、1時間半減期温度が160℃以下の有機過酸化物からなるものが好ましく用いられ、シール部材と電解質膜とを接着させるためには、1時間半減期温度が130℃以下の有機過酸化物を用いることが好ましい。さらには、130℃程度の温度で架橋しやすく、架橋剤を加えて混練したゴム組成物の取扱性にも優れるという理由から、1時間半減期温度が100℃以上のパーオキシケタールおよびパーオキシエステルの少なくとも一方が好ましく、特に好ましくは、1時間半減期温度が110℃以上のものが好適である。また、パーオキシエステルを用いると、より短時間で架橋を行うことができる。
本発明において、上記架橋剤(D)での、1時間半減期温度が160℃以下の有機過酸化物における「半減期」とは、有機過酸化物の濃度(活性酸素量)が初期値の半分になるまでの時間である。よって、「半減期温度」は、有機過酸化物の分解温度を示す指標となる。上記「1時間半減期温度」は、半減期が1時間となる温度である。つまり、1時間半減期温度が低いほど、有機過酸化物は低温で分解しやすい。例えば、1時間半減期温度が160℃以下の有機過酸化物を用いることにより、架橋をより低温(具体的には150℃以下)で、かつ短時間で行うことができる。したがって、例えば、固体高分子型燃料電池の電解質膜の近傍においても、本発明の燃料電池シール体を使用することができる。
上記パーオキシケタールとしては、例えば、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ジ(4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキサン等があげられる。
上記パーオキシエステルとしては、例えば、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等があげられる。
これらのうち、上記ゴム成分(A)との反応が比較的速いという理由から、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートが好適である。なかでも、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを用いると、より短時間で架橋を行うことができる。
上記架橋剤(D)(純度100%の原体の場合)の配合量は、上記ゴム成分(A)100重量部に対して0.4~12重量部の範囲が好ましい。上記特定の架橋剤(D)の配合量が少なすぎると、架橋反応を充分に進行させることが困難となる傾向がみられ、上記特定の架橋剤(D)の配合量が多すぎると、架橋反応時に架橋密度が上昇して、伸びの低下を招く傾向がみられる。
なお、本発明のシール部材に使用するゴム組成物には、上記(A)~(D)成分以外に、補強剤、老化防止剤、接着成分、粘着付与剤、加工助剤等の、各種添加剤を配合しても差し支えない。
上記補強剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ等があげられる。なかでも、へたり性等の観点から、カーボンブラックが好ましく用いられる。
上記カーボンブラックのグレードは、特に限定されるものではなく、SAF級、ISAF級、HAF級、MAF級、FEF級、GPF級、SRF級、FT級、MT級等から適宜選択すればよい。
上記補強剤の配合量は、前記ゴム成分(A)100重量部に対し、5~150重量部であることが好ましく、より好ましくは10~120重量部の範囲である。
上記老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス等があげられる。なかでも、酸化防止に対する効力等の観点から、アミン系老化防止剤が好ましく用いられる。
上記老化防止剤の配合量は、前記ゴム成分(A)100重量部に対し、0.05~10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~5重量部の範囲である。
上記接着成分としては、レゾルシノール系化合物、メラミン系化合物、アルミネート系カップリング剤、シランカップリング剤等があげられる。なかでも、接着性等の観点から、シランカップリング剤が好ましく用いられる。
上記接着成分の配合量は、前記ゴム成分(A)100重量部に対し、0.5~20重量部であることが好ましく、より好ましくは1~10重量部の範囲である。
なお、本発明のシール部材に使用するゴム組成物には、前記炭化水素系軟化剤(B)と併用するかたちで、必要に応じ、プロセスオイル、潤滑油、ワセリン等の石油系軟化剤、ひまし油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリン等のワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等の軟化剤を任意で使用することも可能である。ただし、この場合、上記任意の軟化剤の使用量は、上記炭化水素系軟化剤(B)の使用量100重量部に対し、50重量部未満とする必要があり、好ましくは40重量部未満、より好ましくは30重量部未満である。
また、本発明のシール部材に使用するゴム組成物には、架橋助剤として、前記の、2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)と併用するかたちで、必要に応じ、単官能の(メタ)アクリレートモノマーや3官能の(メタ)アクリレートモノマーを任意で使用することも可能である。ただし、この場合、上記任意の(メタ)アクリレートモノマーの使用量は、2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)の使用量100重量部に対し、100重量部未満とする必要があり、好ましくは75重量部未満、より好ましくは50重量部未満である。
〈燃料電池用シール部材の作製〉
本発明の燃料電池用シール部材は、例えば、前記(A)~(D)成分、および必要に応じて、その他の各種添加剤を配合して、ゴム組成物を調製した後、これを架橋することにより作製することができる。なお、上記シール部材の架橋成形は、通常、金型内による熱架橋(130~190℃で1~30分間の熱架橋)により行われる。なお、前記(C)成分を含有することから、本発明の燃料電池用シール部材は、上記熱架橋と併用して、電子線架橋を行うことも可能である。
上記シール部材は、シール部の形状に応じて、所定形状に成形しておくことが好ましい。例えば、フィルム状に成形すると、燃料電池の各種構成部材にシール部材を、接着剤により貼り付けて、利用に供することができる。なお、本発明のシール部材は、燃料電池の各種構成部材間に接着せずに配置するといった使用態様であってもよい。また、本発明のシール部材は、その架橋成形されたものを接着剤により貼り付ける(後接着する)他、接着剤の塗布面に対し、本発明のシール部材を架橋成形(架橋接着)することにより、後述のように、燃料電池のMEA、セパレータ等の構成部材と、本発明のシール部材とを、金型内で一体成形することも可能である。
〈燃料電池シール体〉
本発明の燃料電池シール体としては、燃料電池用構成部材と、それをシールするシール部材(本発明の燃料電池用シール部材)とが、接着層を介して接着されてなるもの等があげられる。
本発明のシール部材によりシールされる燃料電池用構成部材は、燃料電池の種類、構造等により様々であるが、例えば、セパレータ(金属セパレータ等)、ガス拡散層(GDL)、MEA(電解質膜、電極)等があげられる。
本発明の燃料電池シール体の一例を図1に示す。図1は、複数枚のセルが積層されてなる燃料電池における単一のセル1を主として示したものであり、セル1は、MEA2と、ガス拡散層(GDL)3と、シール部材4aと、セパレータ5と、接着層6を備えている。
本発明の燃料電池シール体としては、例えば、図1に示すように、セパレータ5とシール部材4aとが接着層6を介して接着されてなるもの、MEA2とシール部材4aとが接着層6を介して接着されてなるもの、ガス拡散層3とシール部材4aとが接着層6を介して接着されてなるもの、隣接するシール部材4a同士が接着層6を介して接着されてなるもの等があげられる。
MEA2は、図示しないが、電解質膜と、電解質膜を挟んで積層方向両側に配置されている一対の電極からなる。電解質膜および一対の電極は、矩形薄板状を呈している。上記MEA2を挟んで積層方向両側には、ガス拡散層3が配置されている。上記ガス拡散層3は、多孔質層で、矩形薄板状を呈している。
上記セパレータ5は、チタン等の金属製のものが好ましく、導通信頼性の観点から、DLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)やグラファイト膜等の炭素薄膜を有する金属セパレータが特に好ましい。上記セパレータ5は、矩形薄板状を呈しており、長手方向に延在する溝が合計六つ凹設されており、この溝により、セパレータ5の断面は、凹凸形状を呈している。セパレータ5は、ガス拡散層3の積層方向両側に、対向して配置されている。ガス拡散層3とセパレータ5との間には、凹凸形状を利用して、電極にガスを供給するためのガス流路7が区画されている。
上記シール部材4aは、矩形枠状を呈している。そして、上記シール部材4aは、接着層6を介して、MEA2やガス拡散層3の周縁部、およびセパレータ5に接着され、MEA2やガス拡散層3の周縁部を封止している。なお、図1の例において、シール部材4aは、上下に分かれた2個の部材を使用しているが、両者を合わせた単一のシール部材であっても差し支えない。
固体高分子型燃料電池等の燃料電池の作動時には、燃料ガスおよび酸化剤ガスが、各々ガス流路7を通じて供給される。ここで、MEA2の周縁部は、接着層6を介して、シール部材4aによりシールされている。このため、ガスの混合や漏れは生じない。
本発明の燃料電池シール体は、例えば、つぎのようにして作製することができる。まず、前述のように、本発明の燃料電池用シール部材を作製する。
つぎに、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材、およびこれをシールするシール部材のいずれか一方もしくは双方に、上記接着層形成材料(接着剤)を塗布することにより、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材と、シール部材とが、接着層を介して接着されてなる、本発明の燃料電池シール体を得ることができる。
上記接着層形成材料(接着剤)としては、例えば、ゴム糊、常温(23℃)で液状のゴム組成物、プライマー等が用いられる。上記液状のゴム組成物としては、ゴム成分、有機過酸化物(架橋剤)等を含有するゴム組成物があげられる。上記ゴム成分の一例としては、液状を呈するゴムがあげられ、具体的には、液状EPM、液状EPDM、液状アクリロニトリル-ブタジエンゴム(液状NBR)、液状水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(液状H-NBR)等が、単独であるいは二種以上併せて用いられる。上記プライマーとしては、例えば、アミノ基含有シランカップリング剤と、ビニル基含有シランカップリング剤との共重合オリゴマーを含有するプライマー等があげられる。
上記接着層形成材料の塗布方法としては、例えば、ディスペンサー塗布等があげられ、通常は常温の条件下で塗布すればよい。
本発明の燃料電池シール体における接着層の厚みは、上記液状ゴム組成物を用いる場合、通常、0.01~0.5mmであり、好ましくは0.05~0.3mmである。また、上記プライマーを用いる場合、接着層の厚みは、通常、10~500nmであり、好ましくは30~200nmである。
また、シール部材の架橋接着により、燃料電池用構成部材とシール部材とを一体化して、燃料電池シール体を製造するのであれば、以下のようにして製造することができる。すなわち、シール部材の成形用金型内に、接着層が形成された燃料電池用構成部材を配置し、上記金型内で、シール部材形成用のゴム組成物を、燃料電池構成部材に接触させた状態で架橋成形するといった製造方法である。
さらに、本発明の燃料電池用シール部材を用いた他の使用例を図2に示す。図2は、矩形薄板状を呈し、長手方向に延在する溝が合計六つ凹設された、上述の断面凹凸形状を呈するセパレータ5の周縁部に、接着層6を介して、矩形状で断面凸部形状のリップ4bが設けられてなる部材である。そして、上記リップ4bとして、本発明の燃料電池シール部材が用いられる。なお、セパレータ5形成材料、接着層6形成材料としては、いずれも先に述べた材料と同様のものが用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示すゴム組成物の材料を準備した。なお、下記の軟化剤における「流動点」は、JIS K 2269で規定された方法で冷却したときに、軟化剤が流動する最低の温度を示す。また、下記の軟化剤における「動粘度」は、JIS K 2283に準拠して測定された値である。
〔ゴム(i)(A成分)〕
エチレン含有量41重量%、ジエン含有量14重量%の、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(三井化学社製、EPT-9090M)
〔ゴム(ii)(A成分)〕
エチレン含有量50重量%、ジエン含有量7.1重量%の、エチレン-ブテン-ジエンゴム(三井化学社製、EBT-K-9330M)
〔ゴム(iii)(A成分)〕
エチレン含有量46重量%、ジエン含有量8.5重量%の、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(住友化学社製、エスプレン5365)
〔ゴム(iv)(A成分)〕
エチレン含有量51重量%の、エチレン-プロピレンゴム(三井化学社製、EPT 0045)
〔軟化剤(i)(B成分)〕
流動点が-68℃、40℃における動粘度が17.4mm2/s、250℃で1時間加熱したときに揮発する量が13.2重量%である、ポリαオレフィン系軟化剤(日鉄ケミカル&マテリアル社製、PAO401)
〔軟化剤(ii)(B成分)〕
流動点が-54℃、40℃における動粘度が65.3mm2/s、250℃で1時間加熱したときに揮発する量が2.0重量%である、ポリαオレフィン系軟化剤(日鉄ケミカル&マテリアル社製、PAO10)
〔軟化剤(iii)(B成分)〕
流動点が-57℃、40℃における動粘度が31mm2/s、250℃で1時間加熱したときに揮発する量が6.4重量%である、ポリαオレフィン系軟化剤(エクソン社製、スペクトラシン+6)
〔軟化剤(iv)(B成分)〕
流動点が-36℃、40℃における動粘度が396mm2/sである、ポリαオレフィン系軟化剤(エクソン社製、スペクトラシン40)
〔軟化剤(v)(B成分)〕
流動点が-40℃、40℃における動粘度が400mm2/sである、エチレン-プロピレン共重合体系軟化剤(三井化学社製、ルーカント LX004)
〔軟化剤(vi)〕
流動点が-70℃、40℃における動粘度が5.1mm2/s、250℃で1時間加熱したときに揮発する量が99.0重量%である、ポリαオレフィン系軟化剤(日鉄ケミカル&マテリアル社製、PAO210)
〔軟化剤(vii)〕
流動点が-42℃、40℃における動粘度が614mm2/sである、ポリαオレフィン系軟化剤(エクソン社製、スペクトラシン Elite65)
〔軟化剤(viii)〕
流動点が-42.5℃、40℃における動粘度が20.1mm2/sである、ナフテン系軟化剤(日本サン石油社製、サンセン410)
〔軟化剤(ix)〕
流動点が-17.5℃、40℃における動粘度が30.6mm2/sである、パラフィン系軟化剤(出光興産社製、ダイアナプロセスPW-32)
〔架橋助剤(i)(C成分)〕
下記の化学式に示す、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート#230)
Figure 0007319899000001
〔架橋助剤(ii)(C成分)〕
下記の化学式に示す、1,9-ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート#260)
Figure 0007319899000002
〔架橋助剤(iii)〕
下記の化学式に示す、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製、A-TMMT)
Figure 0007319899000003
〔カーボンブラック〕
キャボットジャパン社製、SPHERON5200(GPF級)
〔有機過酸化物(D成分)〕
日油社製、パーヘキサC
〔老化防止剤〕
アミン系老化防止剤(精工化学株式会社社製、ノンフレックスRD)
[実施例1~13、比較例1~5]
(シール部材用の架橋ゴムの作製)
後記の表1および表2に示す各成分を、同表に示す割合で配合し、バンバリーミキサーおよびオープンロールを用いて混練することにより、ゴム組成物を調製した。そして、得られたゴム組成物を、所定の金型を用いて160℃で10分間保持することにより架橋し、直径15mm、厚み1mmの、円板状の架橋ゴム(サンプル)を作製した。
上記のようにして得られた架橋ゴム(サンプル)に関し、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
<高温へたり性>
上記架橋ゴム(サンプル)に対し、JIS K 6262に準拠して、高温での圧縮永久歪み試験を行った。すなわち、上記架橋ゴムを、圧縮率25%で圧縮し、その状態で120℃×24時間の加熱を行った後、解放し、室温(25℃)下で30分経過した後の架橋ゴムの厚みを測定して、圧縮永久歪み(%)を算出した。そして、以下の基準で、高温へたり性の評価を行った。
◎:圧縮永久歪みが10%以下。
○:圧縮永久歪みが15%以下。
△:圧縮永久歪みが20%以下。
×:圧縮永久歪みが20%を上回る。
<低温へたり性>
上記架橋ゴム(サンプル)に対し、JIS K 6262に準拠して、低温での圧縮永久歪み試験を行った。すなわち、上記架橋ゴムを、圧縮率25%で圧縮し、その状態で-30℃×24時間の放置を行った後、解放し、室温(25℃)下で30分経過した後の架橋ゴムの厚みを測定して、圧縮永久歪み(%)を算出した。そして、以下の基準で、低温へたり性の評価を行った。
◎:圧縮永久歪みが40%以下。
○:圧縮永久歪みが50%以下。
△:圧縮永久歪みが60%以下。
×:圧縮永久歪みが60%を上回る。
<高温圧縮割れ性>
上記架橋ゴム(サンプル)に対し、JIS K 6262に規定の圧縮永久歪み試験に用いる冶具と同様のものを使用し、所定の圧縮率(50%、55%、または60%)で圧縮した状態で120℃×24時間の加熱を行った後、解放し、架橋ゴムに外観割れが無いかを、目視により確認した。そして、以下の基準で、高温圧縮割れ性の評価を行った。
◎:圧縮率60%であっても、外観割れが認められない。
○:圧縮率55%および50%で外観割れが認められない。
△:圧縮率50%で外観割れが認められない。
×:圧縮率50%であっても、外観割れが認められる。
<低温圧縮割れ性>
上記架橋ゴム(サンプル)に対し、JIS K 6262に規定の圧縮永久歪み試験に用いる冶具と同様のものを使用し、所定の圧縮率(50%、55%、または60%)で圧縮した状態で-30℃×24時間の放置を行った後、解放し、架橋ゴムに外観割れが無いかを、目視により確認した。そして、以下の基準で、低温圧縮割れ性の評価を行った。
◎:圧縮率60%であっても、外観割れが認められない。
○:圧縮率55%および50%で外観割れが認められない。
△:圧縮率50%で外観割れが認められない。
×:圧縮率50%であっても、外観割れが認められる。
≪総合評価≫
以下の基準で、総合評価を行った。
◎:上記各特性の評価が○,◎のいずれかであり、かつ、3つ以上の評価が◎であった。
○:上記各特性の評価が○,◎のいずれかであった。
△:上記各特性の評価が、△を1つ以上含む、△,○,◎のいずれかであった。
×:上記各特性のいずれかの評価が×であった。
Figure 0007319899000004
Figure 0007319899000005
上記表1および表2の結果から、実施例の架橋ゴム(シール部材)は、低温~高温の広い温度領域において、圧縮割れ耐性および低へたり性に優れていることがわかる。
これに対し、比較例1の架橋ゴムは、本発明に規定の軟化剤(B成分)とは異なる動粘度の低い軟化剤を使用しているため、特に高温条件下での圧縮割れ耐性および低へたり性が得られない結果となった。比較例2の架橋ゴムは、本発明に規定の軟化剤(B成分)とは異なる動粘度の高い軟化剤を使用しているため、特に高温条件下での圧縮割れ耐性および低へたり性が得られない結果となった。比較例3の架橋ゴムは、本発明に規定の軟化剤(B成分)とは異なる環状構造の軟化剤を使用しているため、特に高温条件下での圧縮割れ耐性および低へたり性が得られない結果となった。比較例4の架橋ゴムは、2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C成分)ではなく、4官能の(メタ)アクリレートモノマーを架橋助剤として使用しているため、特に高温および低温条件下での圧縮割れ耐性に劣る結果となった。比較例5の架橋ゴムは、本発明に規定の軟化剤(B成分)とは異なる流動点の高い軟化剤を使用しているため、特に低温条件下での圧縮割れ耐性および低へたり性が得られない結果となった。
本発明の燃料電池用シール部材は、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材と、それをシールするゴム製のシール部材とが接着層を介して接着されてなる燃料電池シール体、もしくは上記シール部材同士が接着層を介して接着されてなる燃料電池シール体の上記シール部材に用いられる。
1 セル
2 MEA
3 ガス拡散層
4a シール部材
4b リップ
5 セパレータ
6 接着層
7 ガス流路

Claims (5)

  1. 燃料電池の構成部材をシールするために用いられる燃料電池用シール部材であって、下記の(A)~(D)成分を含有し、(B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対し5~60重量部の範囲であり、(C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対し0.1~10重量部の範囲であり、(D)成分(純度100%の原体の場合)の含有量が(A)成分100重量部に対し0.4~12重量部の範囲である、ゴム組成物の架橋体からなることを特徴とする燃料電池用シール部材。
    (A)エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴムおよびエチレン-ブテン-ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分。
    (B)流動点が-30℃以下であり、かつ40℃における動粘度が8~500mm2/sである、直鎖構造の炭化水素系軟化剤。
    (C)2官能の(メタ)アクリレートモノマー。
    (D)有機過酸化物からなる架橋剤。
  2. 上記炭化水素系軟化剤(B)がポリαオレフィンである、請求項1記載の燃料電池用シール部材。
  3. 上記2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)の主鎖が脂肪族炭化水素である、請求項1または2記載の燃料電池用シール部材。
  4. 上記ゴム組成物における炭化水素系軟化剤(B)の含有量が、上記ゴム成分(A)100重量部に対し5~55重量部の範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の燃料電池用シール部材。
  5. 上記ゴム組成物における2官能の(メタ)アクリレートモノマー(C)の含有量が、上記ゴム成分(A)100重量部に対し0.17.5重量部の範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池用シール部材。
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