JP2022150899A - 連続焼成システム - Google Patents

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【課題】焼成物の品質向上【解決手段】連続焼成システム1は、連続焼成炉10と、連続焼成炉10に対して焼成容器Aを循環させる循環ライン20とを備えている。循環ライン20は、連続焼成炉10の外側で、連続焼成炉10の搬出口12から搬入口11に至る循環空間22を外部空間と隔てるフード21と、少なくとも1つの作業ブースとを有している。作業ブースは、作業空間503と外部空間とを遮断するカバー53と、シャッタ55とを有している。カバー53で囲われた作業空間503は、循環空間22のフード21で囲まれた空間と連続している。カバー53で囲まれた作業空間503と循環空間22のフード21で囲まれた循環空間22とは、シャッタ55によって仕切られている。【選択図】図1

Description

本開示は、連続焼成システムに関する。
特開2019-184211号公報には、焼成装置に関する発明が開示されている。ここで開示された焼成装置は、供給部と、焼成炉と、搬送部と、排出部とを備えている。供給部は、焼成する被焼成物が載せられるセッターに被焼成物を供給する部位である。焼成炉は、セッターに供給された被焼成物を焼成する炉である。搬送部は、供給部から被焼成物が供給されたセッターを焼成炉に搬入し、被焼成物が焼成されたセッターを焼成炉から搬出する部位である。排出部は、焼成炉から搬出された高温の焼成物をセッターから除去する部位である。同公報では、搬送部は、供給部、焼成炉、排出部の順にセッターを移動させるものである。供給部は、被焼成物を加熱する加熱機構を備えており、加熱された被焼成物をセッターに供給する。かかる焼成装置によれば、予め加熱された被焼成物を高温のセッターに供給して焼成炉に供給するので、被焼成物やセッターの昇温に要する時間を短縮することができる。しかも、高温のままで焼成物をセッターから除去するので、焼成後に、焼成物をセッターから除去するまでの時間も短縮することができる。したがって、焼成物の生産効率を高くすることができる、とされている。
特開2019-184211号公報
ところで、本発明者は、焼成物の品質を高くしたいと考えている。
ここに開示される一態様の連続焼成システムは、連続焼成炉と、連続焼成炉に対して焼成容器を循環させる循環ラインとを備えている。連続焼成炉は、搬入口から搬出口に至る焼成容器が搬送される搬送空間を形成するトンネル型の炉体を有している。循環ラインは、焼成容器から焼成物を取り出す取出ユニットと、焼成容器に未焼成の被焼成物を供給する供給ユニットと、連続焼成炉の外側で、連続焼成炉の搬出口から搬入口に至る循環空間を外部空間と隔てるフードとを備えている。
かかる連続焼成システムによれば、外部空間から隔てられた循環空間において、焼成容器から焼成物を取り出したり、焼成容器に被焼成物を供給したりすることができる。このため、連続焼成炉で焼成された焼成物や、連続焼成炉に導入される被焼成物の品質を高く維持しつつ、焼成処理することができる。
供給ユニットは、循環ラインにおいて取出ユニットよりも連続焼成炉の搬入口側に設けられていてもよい。連続焼成炉の搬送経路は、直線に沿って設定されていてもよい。循環ラインは、直線搬送部と、第1接続部と、第2接続部とを有していてもよい。直線搬送部は、連続焼成炉の搬送経路と平行な直線に沿った搬送部位である。第1接続部は、連続焼成炉の搬出口側に連続し、かつ、連続焼成炉の搬送経路と直線搬送部とを接続する部位である。第2接続部は、連続焼成炉の搬入口側に連続し、かつ、連続焼成炉の搬送経路と直線搬送部とを接続する部位である。この場合、取出ユニットは、直線搬送部に配置されていてもよい。また、供給ユニットは、直線搬送部に配置されていてもよい。
取出ユニットは、焼成容器を上下に反転させる反転機構と、焼成容器が反転される位置の下方で焼成容器の内容物を収集する収集部と、焼成容器が反転される空間と外部とを遮断する第1カバーとを備えた取出装置を少なくとも1つ含んでいてもよい。第1カバーで囲まれた空間は、循環ラインのフードで囲まれた空間と連続していてもよい。
連続焼成システムは、焼成容器が反転される空間と循環空間とを仕切るシャッタを有していてもよい。焼成容器が反転される空間は、循環ラインに沿った入口と出口にそれぞれシャッタが設けられていてもよい。
連続焼成システムは、制御装置をさらに備え、反転機構において、焼成容器が上下に反転する際には、シャッタが閉じられているように構成されていてもよい。シャッタは、循環ラインに沿った入口と出口に焼成容器が反転される空間の外側から被さる閉そく部材を備えていてもよい。
供給ユニットは、被焼成物を収容するホッパーと、ホッパーから焼成容器に被焼成物を供給するフィーダーと、焼成容器に被焼成物が供給される空間と外部空間とを遮断する第2カバーとを備えていてもよい。この場合、第2カバーで囲まれた空間は、循環ラインのフードで囲まれた空間と連続しているとよい。
図1は、連続焼成システム1を模式的に示す平面図である。 図2は、循環ライン20のうち直線搬送部41を模式的に示す側面図である。 図3は、反転機構51を模式的に示す側面図である。 図4は、反転機構51を模式的に示す正面図である。 図5は、反転機構51を模式的に示す側面図である。 図6は、反転機構51を模式的に示す正面図である。 図7は、他の実施形態における循環ライン20Aを示す側面図である。 図8は、取出装置50aを拡大した図である。
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚みなど)は実際の寸法関係を反映するものではない。上、下、左、右、前、後の向きは、図中、U、D、L、R、F、Rrの矢印でそれぞれ表されている。ここで、上、下、左、右、前、後の向きは、説明の便宜上、定められているに過ぎず、特に言及されない限りにおいて本願発明を限定しない。
図1は、連続焼成システム1を模式的に示す平面図である。連続焼成システム1は、図1に示されているように、連続焼成炉10と、循環ライン20とを備えている。
〈連続焼成炉10〉
連続焼成炉10は、トンネル型の炉体13を有している。トンネル型の炉体13は、一端に搬入口11を有し、他端に搬出口12を有している。図1では、連続焼成炉10の搬出口12側を前、搬入口11側を後とし、連続焼成炉10の搬入口11から搬出口12に向かって左右が定められている。トンネル型の炉体13には、搬入口11から搬出口12に至る焼成容器Aが搬送される搬送空間13aが形成されている。炉体13は、搬送空間13aの搬送方向周りを全周に亘って断熱材によって構成された炉壁で囲われている。炉壁は、例えば、所定の形状に成形されたセラミックファイバーボードが重ねられているとよい。セラミックファイバーボードは、例えば、いわゆるバルクファイバーに無機フィラーと無機・有機結合材とが添加されて板状に成形された板材である。炉壁の厚さは、搬送空間13aの熱が十分に断熱される程度の所要の厚さに設定されている。
この実施形態では、図示は省略するが、炉体13の内部には、搬入口11から搬出口12に至る搬送空間13aに焼成容器Aを搬送するための搬送ローラが並べられている。この実施形態では、連続焼成炉10の搬送経路は直線に沿って設定されている。搬送ローラは、円筒軸状のローラであり、搬送空間13aを直交する方向に沿って炉体13を貫通している。搬送ローラには、セラミックローラが用いられる。搬送ローラは、焼成容器Aを支持できるように高さを揃えて、予め定められたピッチで、搬送空間13aに並べられている。搬送ローラを回転させる駆動装置は、炉体13の外部に設けられている。また、炉体13の内部には、複数のヒータやガス導入管や排気管などが配置されている。ヒータは、搬送空間13aにおいて被処理物を加熱する装置である。また、炉体13の搬送空間13aには、搬送空間13aを適当な長さのゾーンに区切る仕切りが設けられていてもよい。そして、ゾーン毎に温度や雰囲気ガスなどが制御できるように構成されているとよい。また、炉体13内部に配置される部材は、全てセラミックで構成されていてもよい。
ここでは、炉体13に搬送経路に沿って複数のセラミックローラ(搬送ローラ)が高さを揃えて予め定められたピッチで並べられている。そして、各セラミックローラがそれぞれ回転駆動し、焼成容器Aを搬送経路に沿って搬送する構造を備えている。このように、セラミックローラによって、製品を搬送する連続式焼成炉は、ローラーハースキルン(RHK)と称される。なお、連続焼成炉10の構造は、特に言及されない限りにおいて、ここで例示される構造に限定されない。連続焼成炉10には、種々の構造が採用されうる。連続焼成炉10は、いわゆるプッシャー炉でもよい。プッシャー炉では、ローラーハースキルン(RHK)のように焼成容器Aを搬送するための駆動する搬送ローラはなく、台に乗せられた製品は、セラミックレールの上を滑りながら搬送される。台は、順次プッシャーで押されることによって、搬送される。
ここでは、図示は省略するが、この実施形態では、連続焼成炉10の炉体13は、予め定められた高さに設定されたベースの上に配置されている。ベースは、炉体13が配置されるスペースの下に、空間を有しているよい。ベースで構成される炉体13の下の空間には、連続焼成炉10内の雰囲気ガスを調整するための給気用の配管が設けられたり、モーターなど、搬送ローラを駆動させる駆動装置が設けられたりしてもよい。
《循環ライン20》
循環ライン20は、連続焼成炉10に対して焼成容器Aを循環させる搬送ラインである。循環ライン20には、搬送ローラや駆動装置など、焼成容器Aを搬送するための搬送装置26が設けられている。この実施形態では、循環ライン20は、連続焼成炉10の外側で、連続焼成炉10の搬出口12から搬入口11に至る循環空間22を有している。循環空間22には、焼成容器Aを搬送する搬送装置が組み込まれている。循環空間22は、連続焼成炉10の搬送空間13aに連なっており、連続焼成炉10の搬送空間13aとともに焼成容器Aが循環する環状の搬送経路を形成している。かかる循環空間22は、全体としてフード21によって、外部空間と隔てられている。
〈フード21〉
フード21は、循環空間22の周囲を覆い、外部空間と隔てるものであればよい。例えば、フード21は、搬送ローラなど、循環空間22の内部に配置される搬送装置をトンネル状に覆うものでもよい。また、例えば、循環空間22が設けられるスペースの床が、気密性が確保されているような場合には、フード21は、循環空間22が設けられるスペースの床と合わせて、循環空間22を外部空間から隔てるものであってもよい。この場合、スペースの床は、帯電防止床材などが塗られた塗り床などで、気密性が確保されていてもよい。
フード21は、外気を遮断できる気密性を有しているとよい。これにより、フード21を覆われた循環空間22の雰囲気を予め定められた雰囲気に維持することができる。かかる観点で、フード21は、気密性を有するとともに、化学的に安定したポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートやガラス製のパネル部材などで構成されているとよい。また、パネル部材は、より確実な気密性(ガス透過性)が確保されるように適当な金属が基材として用いられていてもよい。また、フード21を構成する部材やフード21と他の装置との繋ぎ目は、適宜にシール材が介在しているとよい。このようなフード21は、例えば、試験室内を所定の雰囲気に調整できる環境試験室を構成するパネル材などが適宜に使用される。
この実施形態では、循環ライン20は、連続焼成炉10の外側で、連続焼成炉10の搬出口12から搬入口11に至る循環空間22が、フード21によって外部空間と隔てられている。つまり、循環ライン20にフード21が設けられていることによって、焼成容器Aが循環する循環空間22が外部空間から遮断される。また、フード21が設けられていることによって、循環空間22の雰囲気を調整できる。例えば、焼成される前の被焼成物や焼成された焼成物が、空気中の酸素や水蒸気と反応するような材料である場合でも、循環空間22の雰囲気が調整されていることによって、空気中の酸素や水蒸気と反応を抑制できる。このため、焼成される前の被焼成物の品質を維持したまま、連続焼成炉10に供給することができ、かつ、連続焼成炉10によって焼成された焼成物の品質が維持されたまま、取り出すことができる。このため、より安定した製品が創出される。
循環ライン20は、少なくとも1つの置換室31~35を備えているとよい。ここで置換室31~35は、他の空間と室内とを仕切ることができる部屋をいう。置換室31~35は、室内の雰囲気を調整できる空間でありうる。置換室31~35は、それぞれ循環ライン20の搬送経路上に設けられており、搬送経路の前後(つまり、第1置換室31の連続焼成炉10側とその反対側)にそれぞれ空間を仕切るシャッタ31a~35a,31b~35b(図1および図2参照)が設けられている。置換室31~35は、循環ライン20を適宜に仕切る仕切りとして機能する。この実施形態では、循環ライン20は、全体としてフード21で覆われているので、循環ライン20内の雰囲気を制御することができる。循環ライン20に少なくとも1つの置換室31~35が設けられていることによって、循環ライン20を部分的に区切ることができる。このため、循環ライン20の雰囲気を部分的に調整することができる。また、例えば、循環ライン20のいずれかのエリアで焼成容器Aの破損などのトラブルが生じた場合には、置換室31~35に設けられたシャッタ31a~35a,31b~35bによって、循環ライン20の当該トラブルが生じたエリアを仕切ることができる。これによって、循環ライン20内で生じたトラブルを容易に解消させることができる。
〈第1置換室31〉
例えば、この実施形態では、循環ライン20には、連続焼成炉10の炉体13の搬入口11側の一端に第1置換室31が設けられている。かかる第1置換室31に焼成容器Aが導入される際には、例えば、第1置換室31の連続焼成炉10側のシャッタ31bが閉じられた状態で、その反対側のシャッタ31aが開けられる。そして、この状態で第1置換室31に焼成容器Aが導入される。次に、連続焼成炉10側とは反対側のシャッタ31aが閉じられて、第1置換室31に焼成容器Aが留められるとともに、第1置換室31のガス雰囲気が調整される。例えば、連続焼成炉10の搬入口11に導入されるのに適した所定のガス雰囲気に、第1置換室31が調整されるとよい。例えば、第1置換室31のガス組成や温度や圧力などが適宜に調整されるとよい。第1置換室31には、ガス雰囲気を調整するための機構が適宜に組み込まれていてもよい。第1置換室31は、このように循環ライン20の雰囲気が、連続焼成炉10の炉体13内の雰囲気に入り込みにくくするための調整室として機能する。例えば、第1置換室31は、連続焼成炉10の炉体13内よりも負圧に調整されるとよい。第1置換室31の雰囲気が調整された後、連続焼成炉10の搬入口11側のシャッタ31bが開けられて、第1置換室31から連続焼成炉10の搬入口11に焼成容器Aが搬出されるとよい。これにより、第1置換室31の雰囲気が、連続焼成炉10の炉体13内に影響を及ぼしにくい。第1置換室31と連続焼成炉10の搬入口11との間は、フード11aで覆われており、外部雰囲気から遮断されているとよい。
〈第2置換室32〉
また、この実施形態では、循環ライン20には、連続焼成炉10の炉体13の搬出口12側の一端に第2置換室32が設けられている。かかる第2置換室32に焼成容器Aが導入される際には、例えば、第2置換室32の連続焼成炉10側とは反対側のシャッタ32bが閉じられた状態で、連続焼成炉10側のシャッタ32aが開かれる。そして、この状態で第2置換室32に焼成容器Aが導入される。次に、連続焼成炉10側のシャッタ32aが閉じられて、第2置換室32に焼成容器Aが留められるとともに、第2置換室32のガス雰囲気が調整される。例えば、循環ライン20に導入されるのに適した所定のガス雰囲気に、第2置換室32が調整されるとよい。第2置換室32は、連続焼成炉10の雰囲気ガスが、循環ライン20に入り込みにくくするための調整室として機能する。例えば、焼成によって、硫化水素のような有毒ガスが連続焼成炉10内で発生する場合でも、第2置換室32が設けられていることによって、そのような連続焼成炉10内で発生するガスが循環ライン20に入り込むのを抑止できる。連続焼成炉10の搬出口12と第2置換室32との間は、フード12aで覆われており、外部雰囲気から遮断されているとよい。第2置換室32の雰囲気が調整された後、連続焼成炉10の搬入口11側のシャッタ32aが閉じられ、循環ライン20側のシャッタ32bが開かれて、第2置換室32から循環ライン20に焼成容器Aが搬出されるとよい。
循環ライン20は、取出ユニット23と供給ユニット24とを備えている。取出ユニット23は、焼成容器Aから焼成物を取り出す装置ユニットである。供給ユニット24は、焼成容器に未焼成の被焼成物を供給する装置ユニットである。取出ユニット23と供給ユニット24とは、それぞれフード21で囲まれた循環空間22に繋がっている。外部空間と隔てられた処理空間23a,24aを有しているとよい。これによって、循環ライン20では、外部空間から隔てられた空間において、焼成容器Aから焼成物を取り出したり、焼成容器Aに被焼成物を供給したりすることができる。このため、連続焼成炉10で焼成された焼成物や、連続焼成炉10に導入される被焼成物の品質を高く維持しつつ、焼成処理することができる。
供給ユニット24は、循環ライン20において取出ユニット23よりも連続焼成炉10の搬入口11側に設けられている。これによって、取出ユニット23において処理済みの焼成物を循環ライン20から取り出してから、供給ユニット24において未焼成の焼成物が供給される。このため、取出ユニット23から取り出される処理済みの焼成物に未焼成の焼成物が混じりにくい。
この実施形態では、循環ライン20は、第3置換室33と、第4置換室34と、第5置換室35とを備えている。第3置換室33と、第4置換室34と、第5置換室35とは、それぞれ隔壁で囲われている。第3置換室33は、循環ライン20のうち取出ユニット23の上流側に設けられている。換言すると、第3置換室33は、循環ライン20のうち炉体13の搬出口12と取出ユニット23との間に設けられている。このため、取出ユニット23でトラブルがあった場合や、取出ユニット23の上流側でトラブルがあった場合に、第3置換室33を閉じることによって、取出ユニット23の上流側で、循環ライン20と取出ユニット23とを仕切ることができる。このため、取出ユニット23や取出ユニット23の上流側でのトラブルの解消が容易になる。
第4置換室34は、取出ユニット23と供給ユニット24との間に設けられている。このため、取出ユニット23でトラブルがあった場合や、供給ユニット24でトラブルがあった場合に、取出ユニット23と供給ユニット24との間で、循環ライン20を仕切ることができる。取出ユニット23や供給ユニット24でのトラブルの解消が容易になる。
第5置換室35は、循環ライン20のうち供給ユニット24の下流側に設けられている。このため、供給ユニット24でトラブルがあった場合や、供給ユニット24の下流側でトラブルがあった場合に、供給ユニット24の下流側の循環ライン20を仕切ることができる。このため、供給ユニット24や供給ユニット24の下流側でのトラブルの解消が容易になる。
〈外部分岐ライン81~84〉
また、この実施形態では、循環ライン20は、少なくとも一部に循環ライン20から分岐し、循環空間22の外に延びた少なくとも1つの外部分岐ライン81~84を備えている。かかる外部分岐ライン81~84が設けられていることによって、循環ライン20からの焼成容器Aの取出しや、循環ライン20への焼成容器Aの導入が容易になる。また、循環ライン20に外部分岐ライン81~84が複数設けられていることによって、複数の位置において、焼成容器Aの取出しや導入ができる。このため、特にフード21を覆われた循環ライン20のトラブルの解消が容易になる。
〈置換室91~94〉
さらにこの実施形態では、外部分岐ライン81~84は、循環ライン20に合流する端部に置換室91~94を備えている。かかる置換室91~94は、それぞれ外部分岐ライン81~84側と循環ライン20に合流する側にそれぞれシャッタ91a~94a,91b~94b(図1および図2参照)を備えている。置換室91~94は、通常は、シャッタ91a~94a,91b~94bが閉じられているとよい。そして、循環ライン20からの焼成容器Aの取出しや、循環ライン20への焼成容器Aの導入の際には、焼成容器Aを導入する側の一方のシャッタが開かれる。そして、置換室91~94に焼成容器Aが導入された際に、シャッタが閉じられ、置換室91~94の雰囲気が調整される。その後、他方のシャッタが開かれて焼成容器Aが置換室91~94から搬出される。このように、置換室91~94は、外部分岐ライン81~84を通じて焼成容器Aの取出しや導入が行われる際に、循環ライン20に外部分岐ライン81~84の雰囲気が影響しないように、雰囲気を調整できる。
次に、この実施形態における循環ライン20の構成をさらに説明する。この実施形態では、連続焼成炉10の搬送経路は、図1に示されているように、直線に沿って設定されている。これに対して、循環ライン20は、直線搬送部41と、第1接続部42と、第2接続部43とを有している。循環ライン20は、直線搬送部41を有している。図2は、循環ライン20のうち直線搬送部41を模式的に示す側面図である。
〈直線搬送部41〉
直線搬送部41は、図1に示されているように、循環ライン20のうち、連続焼成炉10から離れた位置に設けられており、連続焼成炉10の搬送経路と平行な直線に沿った搬送部位である。第1接続部42は、循環ライン20のうち、連続焼成炉10の搬出口12側に連続し、かつ、連続焼成炉10の搬送経路と直線搬送部41とを接続する接続部位である。第2接続部43は、連続焼成炉10の搬入口側に連続し、かつ、連続焼成炉10の搬送経路と直線搬送部41とを接続する接続部位である。このように、循環ライン20は、直線に沿った連続焼成炉10と平行な直線搬送部41を有している。循環ライン20を含めて、連続焼成システム全体を略矩形のスペースに設置でき、連続焼成炉10を中心として全体として省スペース化が図られている。
〈第1接続部42〉
この実施形態では、第1接続部42は、第1延出部42aと、架橋部42bとを備えている。第1延出部42aは、連続焼成炉10の搬出口12において、連続焼成炉10の搬送経路から連続して直線状に延びた搬送部である。図1に示された形態では、第1延出部42aは、短いが、直線搬送部41の態様によって長さは適宜に調整されうる。架橋部42bは、連続焼成炉10の搬出口12側において循環ライン20の第1延出部42aの一端と直線搬送部41の一端とを繋ぐ搬送部である。架橋部42bには、ローラコンベアおよびその駆動装置が組み込まれている。架橋部42bの両端、つまり、第1延出部42aと架橋部42bとが交わる部位、および、架橋部42bと直線搬送部41とが交わる部位には、それぞれ分岐部42b1,42b2が設けられている。
〈分岐部42b1〉
分岐部42b1には、第1延出部42aが延びる方向と架橋部42bが延びる方向に焼成容器Aを移動させるように、それぞれ向きの異なるローラコンベアが組み込まれている。この実施形態では、第1延出部42aが延びる方向に焼成容器Aを移動させるローラ群の隙間から、架橋部42bが延びる方向に焼成容器Aを移動させるローラが迫り出す構造を有している。分岐部42b1において、架橋部42bが延びる方向に焼成容器Aを移動させるローラを適宜に迫り出させて駆動させる。これによって、第1延出部42aから分岐部42b1に導入された焼成容器Aが架橋部42bに搬出される。
〈分岐部42b2〉
分岐部42b2には、直線搬送部41が延びる方向と架橋部42bが延びる方向に焼成容器Aを移動させるように、それぞれ向きの異なるローラコンベアが組み込まれている。この実施形態では、直線搬送部41が延びた方向に沿って焼成容器Aを移動させるローラ群の隙間から、架橋部42bが延びる方向に焼成容器Aを移動させるローラが迫り出す構造を有している。そして、分岐部42b1において、架橋部42bが延びる方向に焼成容器Aを移動させるローラを迫り出させることによって、架橋部42bから分岐部42b2に焼成容器Aが導入される。そして、架橋部42bが延びる方向に焼成容器Aを移動させるローラを直線搬送部41が延びる方向に焼成容器Aを移動させるローラ群の下に引っ込め、直線搬送部41が延びた方向に沿って焼成容器Aを移動させるローラ群を駆動させる。これによって、架橋部42bから分岐部42b2に導入された焼成容器Aが直線搬送部41に搬送される。
〈第2接続部43〉
この実施形態では、第2接続部43は、第2延出部43aと、架橋部43bとを備えている。第2延出部43aは、連続焼成炉10の搬入口11において、連続焼成炉10の搬送経路から連続して直線状に延びた搬送部である。架橋部43bは、連続焼成炉10の搬入口11側において循環ライン20の第2延出部43aの一端と直線搬送部41の一端とを繋ぐ搬送部である。架橋部43bには、ローラコンベアおよびその駆動装置が組み込まれている。架橋部43bの両端、つまり、第2延出部43aと架橋部43bとが交わる部位、および、架橋部43bと直線搬送部41とが交わる部位には、それぞれ分岐部43b1,43b2が設けられている。架橋部43bは、トンネル状のフード21によって囲われている。分岐部43b1,43b2は、上述した搬出口12側の分岐部42b1,42b2と同様の構造を有している。このうち、分岐部43b2では、直線搬送部41から分岐部43b2に導入された焼成容器Aを架橋部43bに送り出すことができるように、向きの異なるローラコンベアが組み込まれている。また、分岐部43b1では、架橋部43bから分岐部43b1に導入された焼成容器Aを第2延出部43aに送り出すことができるように、向きの異なるローラコンベアが組み込まれている。
かかる循環ライン20によれば、図1に示されているように、焼成容器Aは、連続焼成炉10の搬出口12から搬出された後、第1延出部42a、分岐部42b1、架橋部42b、分岐部42b2、直線搬送部41、分岐部43b1、架橋部43b、分岐部43b2、第2延出部43aを通って、連続焼成炉10の搬入口11へ導入される。ここで循環ライン20を構成する第1延出部42a、分岐部42b1、架橋部42b、分岐部42b2、直線搬送部41、分岐部43b1、架橋部43b、分岐部43b2、第2延出部43aは、それぞれ循環空間22を外部空間と隔てるフード21を有しているとよい。このように、循環ライン20を構成する各部位においてフード21を有していることによって、焼成容器Aが循環する循環空間22を適切な雰囲気に調整できる。例えば、焼成容器Aを外部雰囲気に晒すことなく、循環させることができる。このため、被焼成物や焼成物の品質を高く維持できる。また、被焼成物や焼成物を特異な雰囲気で扱う必要がある場合でも、雰囲気が外部に漏れることが抑えられる。このため、外部環境に与える影響が小さく抑えられる。
この実施形態では、連続焼成炉10の搬入口11側に設けられる循環ライン20の第2延出部43aの端部に第1置換室31が設けられている。また、連続焼成炉10の搬出口12側に設けられる循環ライン20の第1延出部42aの端部に第2置換室32が設けられている。第1置換室31と第2置換室32とは、連続焼成炉10と循環ライン20とで雰囲気を区切る調整室として機能する。
また、分岐部42b1には、外部分岐ライン82が設けられている。分岐部42b2には、外部分岐ライン83が設けられている。分岐部43b1には、外部分岐ライン83が設けられている。分岐部43b2には、外部分岐ライン81が設けられている。このため、分岐部42b1,42b2,43b1,43b2において、それぞれ焼成容器Aを取り出したり、導入したりすることができる。また、外部分岐ライン81~84には、それぞれ置換室91~94が設けられている。置換室91~94が閉じられていることによって、外部分岐ライン81~84は、循環ライン20から適宜に仕切られている。なお、外部分岐ラインや置換室は、循環ライン20において適当な位置に設けられているよい。外部分岐ラインや置換室が設けられる位置は、図1に示された形態に限定されず、適宜に追加されてもよく、また、適宜に省略されてもよい。
図2は、直線搬送部41を示す側面図である。図2に示されているように、この実施形態では、直線搬送部41は、搬出口12側に配置された架橋部42bの一端の分岐部42b2から搬入口11側に配置された架橋部43bの一端の分岐部43b1に至る直線に沿った搬送ラインを構成している。直線搬送部41には、焼成容器Aを搬送するためのローラが並べられたローラコンベアが設けられている。焼成容器Aが搬送される循環空間22は、フード21で覆われている。直線搬送部41に、取出ユニット23と供給ユニット24が設けられている。供給ユニット24は、循環ライン20の循環経路において、取出ユニット23よりも連続焼成炉10の搬入口11側に設けられている。このように、循環ライン20内で装置構成が複雑となる、取出ユニット23と供給ユニット24がそれぞれ連続焼成炉10に平行に設けられた直線搬送部41に設けられている。このため、連続焼成炉10に焼成容器Aを循環させる循環ライン20の省スペース化が図られる。
《第3置換室33,第4置換室34,第5置換室35》
直線搬送部41には、取出ユニット23の上流側に第3置換室33が設けられている。具体的には、第3置換室33は、架橋部42bと直線搬送部41との分岐部42b2から直線搬送部41に導入される部位に設けられている。かかる部位に第3置換室33が設けられていることによって、架橋部42bおよび分岐部42b2と直線搬送部41とを仕切ることができる。さらに、直線搬送部41には、供給ユニット24の下流側に第5置換室35が設けられている。具体的には、第5置換室35は、直線搬送部41と架橋部43bとの分岐部43b1から直線搬送部41に導入される部位に設けられている。かかる部位に第5置換室35が設けられていることによって、架橋部42bおよび分岐部43b1と直線搬送部41とを仕切ることができる。さらに、取出ユニット23と供給ユニット24との間に第4置換室34が設けられている。かかる第4置換室34によって、直線搬送部41のうち取出ユニット23が設けられた部分と、供給ユニット24が設けられた部分とをそれぞれ仕切ることができる。
《取出ユニット23》
取出ユニット23は、取出装置を少なくとも一つ備えている。この実施形態では、焼成容器Aは、容器と蓋が一組のセットになっている。取出ユニット23は、焼成容器Aから蓋を取り外す蓋外し機構70aを備えている。この実施形態では、取出ユニット23は、直線搬送部41の上流側から順に、蓋外し機構70aと、第1の取出装置50aと、第2の取出装置50bとを備えている。
〈蓋外し機構70a〉
蓋外し機構70aは、直線搬送部41に設けられ、導入された焼成容器Aを所定の位置で止めるストッパを有している。蓋外し機構70aの上部には、焼成容器Aから蓋を取り外す機構が設けられている。蓋外し機構70aは、例えば、蓋を保持するハンドと、ハンドを焼成容器Aの上部に引き上げるリフトとを備えているとよい。この実施形態では、蓋外し機構70aは、焼成容器Aから蓋が取り外される空間と外部空間と遮断する第3カバー71を備えている。第3カバー71で囲まれた空間は、循環ライン20のフード21で囲まれた空間と連続している。このため、焼成容器Aは、外部雰囲気に触れずに蓋が外される。蓋が外された焼成容器Aは、取出装置50a,50bに順に送られる。この実施形態では、蓋は、焼成容器Aが取出装置50a,50bに送られた後も、蓋外し機構70aに保持されている。そして、取出装置50a,50bで処理された後、焼成容器Aは、蓋外し機構70aに戻され、蓋がセットされてから、供給ユニット24に送られる。このため、直線搬送部41のうち、少なくとも蓋外し機構70aから取出装置50a,50bまでの間は、焼成容器Aを適宜に逆方向に搬送できるように構成されている。このように、取出ユニット23は、蓋外し機構70aを備えている。このため、蓋を備えた焼成容器Aからも適切に焼成物が取り出される。
〈取出装置50a,50b〉
取出装置50a,50bは、反転機構51と、収集部52と、第1カバー53とを備えている。
〈反転機構51〉
反転機構51は、焼成容器Aを上下に反転させる機構である。この実施形態では、反転機構51は、直線搬送部41のローラと一緒に焼成容器Aを上下に反転させる機構である。上下に反転した焼成容器Aからは、内容物(焼成物)が排出される。収集部52は、焼成容器Aが反転される位置の下方で焼成容器Aの内容物を収集する部位である。第1カバー53は、焼成容器Aが反転される空間と外部空間とを遮断するカバーである。第1カバー53で囲まれた空間は、循環ライン20のフード21で囲まれた空間と連続している。焼成容器Aは、かかる第1カバー53で外部空間から仕切られた空間で上下に反転される。このように取出装置50a,50bは、焼成容器Aを上下に反転させる空間が、第1カバー53によって外部空間から仕切られている。このため、焼成容器Aの内容物が排出される際の空間の雰囲気が適切に保たれる。
この実施形態では、収集部52には、反転機構51の下方にすり鉢状の収集管52aが設けられている。収集管52aの下端には収集管路52bが取り付けられており、収集管路52bの先に収集容器52cが設けられている。反転された焼成容器Aから落とされた焼成物は、収集管52aおよび収集管路52bを通じて収集容器52cに収容される。ここで、収集管52aのすり鉢状の収集部は、第1カバー53の内部に配置されており、焼成物は、外部雰囲気に触れることなく収集容器52cに収容される。
図3および図5は、反転機構51を模式的に示す側面図である。図4および図6は、反転機構51を模式的に示す正面図である。図4では、図3におけるIV-IV断面から見た図が示されている。図3および図4には、反転機構51が反転する前の状態がそれぞれ示されている。図5および図6には、図3および図4に示された反転機構51が上下に反転した状態がそれぞれ示されている。図6では、図5におけるVI-VI断面から見た図が示されている。なお、ここでは、図1に合わせて、連続焼成炉10の搬出口12側を前、搬入口11側を後とし、連続焼成炉10の搬入口11から搬出口12に向かって左右が定められている。図3~図6では、これに従って、前後左右が規定されている。ただし、直線搬送部41の搬送方向A1の前後は、図中に規定された前後と逆になる。焼成容器Aは、図3中の矢印で示された直線搬送部41の搬送方向A1に沿って反転機構51に導入される。
反転機構51は、図3および図4に示されているように、左右一対の回転板51a,51bと、ロータリーアクチュエータ51cと、左右一対のクランプ部材51dと、アンクランプ機構51eと、ローラ51fと、ストッパ51gとを備えている。
一対の回転板51a,51bは、直線搬送部41の幅方向の左右両側に配置されている。回転板51a,51bは、それぞれ円板状の部材である。回転板51a,51bの回転軸51a1,51b1は、取出装置50aの第1カバー53に取り付けられている。回転板51a,51bの回転軸51a1,51b1は、直線搬送部41の幅方向に向けられている。ローラ51fは、直線搬送部41のローラコンベアの一部を成す。ローラ51fは、一対の回転板51a,51bに掛け渡された軸に装着されている。この実施形態では、焼成容器Aを支持するための4つのローラ51fが、一対の回転板51a,51bに取り付けられている。4つのローラ51fは、図3に示されているように、直線搬送部41のローラコンベアのローラに高さが合わせられている。
ストッパ51gは、回転板51a,51bに設けられたローラ51fの上の所定の位置に焼成容器Aを停止させる機構である。図3に示されているように、この実施形態では、左右一対の回転板51a,51bには、ストッパ51gの回動軸51g1が設けられている。回動軸51g1は、ローラ51fの下側で、直線搬送部41における焼成容器Aの進行方向のやや後ろ側に設けられている。ストッパ51gは、左右一対の回転板51a,51bの間に配置されている。ストッパ51gは、回動軸51g1からローラ51fの下を延び、かつ、焼成容器Aの搬送方向A1の前方に配置されたローラ51fの前において立ち上がるストッパ片51g2を有する。また、左右一対の回転板51a,51bの外側には、ストッパ51gを動かす駆動機構が設けられている。
図3では、ストッパ51gが上昇し、左右一対の回転板51a,51bの間に配置されたローラ51fの上で、焼成容器Aが停止した状態が図示されている。また、焼成容器Aは、2点鎖線で示されている。この実施形態では、ストッパ51gは、回動軸51g1よりも搬送方向A1の前方に、下からストッパ51gを持ち上げるプッシャー51g3が設けられている。プッシャー51g3は、バネが圧縮された状態で内装されており、ストッパ51gが上方に回動し、ストッパ片51g2がローラ51fよりも上方に突出し、焼成容器Aを予め定められた所定位置で停止させる。ストッパ片51g2には、焼成容器Aが当たる部分に、緩衝材が取り付けられているとよい。
他方で、回動軸51g1は、後方に延びた操作片51g4を有している。操作片51g4の下には、操作片51g4を持ち上げる方向に駆動するシリンダ機構51g5が設けられている。図示は省略するが、シリンダ機構51g5が操作片51g4を持ち上げることによって、回動軸51g1が回転し、ストッパ51gが下方に回動する。これによって、ストッパ片51g2がローラ51fよりも下方に下がる。そして、ローラ51fが回転することによって、直線搬送部41の搬送方向A1に沿って焼成容器Aが搬送される。なお、ローラ51fは、モーターが内蔵されたいわゆるモーターローラが採用されている。ローラ51fの端部には、端子が設けられている。例えば、図3および図4に示されているように、ローラ51fが、直線搬送部41のローラコンベアの一部を成す姿勢において、ローラの端部に設けられた端子が接続され、内蔵されたモーターに電気信号が送られてローラ51fが適宜に駆動するように構成されているとよい。
なお、図3では、左右一対の回転板51a,51bの51b1の軸方向から見た図であり、ストッパ51gを含む反転機構51の構造が模式的に示されている。ここで、ストッパ51g、回動軸51g1、プッシャー51g3、操作片51g4は、左右一対の回転板51a,51bに取り付けられており、左右一対の回転板51a,51bと一緒に回転する。シリンダ機構51g5は、左右一対の回転板51a,51bとは独立して別途固定されている。
反転機構51は、ロータリーアクチュエータ51cと、左右一対のクランプ部材51dと、アンクランプ機構51eとを備えている。左右一対のクランプ部材51dは、左右一対の回転板51a,51bに取り付けられている。左右一対のクランプ部材51dは、左右一対の回転板51a,51bの内側にクランプ51d1が設けられている。クランプ51d1は、回転板51a,51bを貫通した軸を有しており、回転板51a,51bの外側にアンクランプ機構51eに連結される連結部51d2が設けられている。クランプ51d1と回転板51a,51bとの間には、バネ51d3が圧縮された状態で内装されている。
このため、アンクランプ機構51eが作用していない状態では、左右のクランプ51d1は、それぞれ回転板51a,51bから内側に押し出される。このため、図3および図4に示されているように、ローラ51fの上で所定の位置に配置された焼成容器Aは、左右のクランプ51d1によって挟まれて保持される。クランプ51d1には、焼成容器Aに当たる部分に、緩衝材が取り付けられているとよい。アンクランプ機構51eは、反転機構51の第1カバー53に設けられている。アンクランプ機構51eは、シリンダ51e1と、シリンダ51e1によって駆動する操作軸51e2とを備えている。操作軸51e2の先端は、径方向に広がったつまみ部を備えている。これに対して、連結部51d2は、箱状の部材であり、操作軸51e2が収まる凹み51d4を有し、当該凹み51d4は、回転板51a,51bの周方向において反転方向の後方側に開口している。
図3および図4に示されているように、回転板51a,51bが反転する前は、クランプ51d1の連結部51d2の凹み51d4に、アンクランプ機構51eの操作軸51e2が収まっている。このとき、アンクランプ機構51eのシリンダ51e1は、回転板51a,51bに対して内側に延びている。このとき、アンクランプ機構51eは、クランプ51d1を開放しており、クランプ51d1は、バネ51d3の作用によって左右の回転板51a,51bに対して内側に突出する。ストッパ51gによって、回転板51a,51bのローラ51fの上の予め定められた位置で停止された焼成容器Aは、かかるクランプ51d1によってその位置で保持される。クランプ51d1には、焼成容器Aの上縁に対向するように延びた脱落防止片が設けられているとよい。
アンクランプ機構51eは、クランプ51d1の連結部51d2を回転板51a,51bに対して外側に引っ張る機構である。この実施形態では、回転板51a,51bが反転する前は、図3および図4に示されているように、クランプ51d1の連結部51d2の凹み51d4に、アンクランプ機構51eの操作軸51e2が収まっている。この状態で、アンクランプ機構51eのシリンダ51e1によって、回転板51a,51bに対して操作軸51e2が外側に引き込まれると、クランプ51d1が外側に引っ張られる。このため、クランプ51d1で挟まれた焼成容器Aが開放される。このため、直線搬送部41の搬送方向A1に沿って焼成容器Aが取出装置50aに導入される際や、焼成容器Aが取出装置50aから搬出される際には、アンクランプ機構51eによって焼成容器Aが開放されているとよい。そして、焼成容器Aが取出装置50aに導入され、ストッパ51gによって予め定められた位置に停止した状態で、アンクランプ機構51eを開放する。アンクランプ機構51eが開放されると、バネ51d3の弾性反力によってクランプ51d1が回転板51a,51bに対して内側に動き、図4に示されているように、焼成容器Aが保持される。
ロータリーアクチュエータ51cは、回転板51aの回転軸51a1に接続されている。回転板51aの回転軸51a1は、第1カバー53を貫通している。ロータリーアクチュエータ51cは、第1カバー53の外側に設けられている。他方、回転板51bの回転軸51b1は、第1カバー53に従動回転するように第1カバー53に軸受51b2を介して支持されている。左右の回転板51a,51bには、周方向に複数本のサポート軸51hが設けられている。サポート軸51hは、左右の回転板51a,51bの間隔を維持するものである。左右の回転板51a,51bは、サポート軸51hやローラ51fの支持する軸で繋がっている。このため、回転板51aに対して他方の回転板51bは同期して回転する。ロータリーアクチュエータ51cは、サーボモータが内装されている。ロータリーアクチュエータ51cは、回転軸51a1を通じて一対の回転板51a,51bを所定の向きに回転させる。
この取出装置50aでは、図3および図4に示されているように、反転機構51は、ローラ51fの上の予め定められた位置で、回転板51a,51bに取り付けられたクランプ51d1によって焼成容器Aを保持する。そして、ロータリーアクチュエータ51cによって、一対の回転板51a,51bを所定の反転方向に回転させることによって、図5および図6に示されているように、ローラ51fと焼成容器Aとが一緒に上下反転する。これによって、焼成容器Aの内容物が落下する。取出装置50aの下には、上述のように、収集管52aのすり鉢状の収集部が設けられている。これにより、連続焼成炉10から焼成容器Aによって運ばれてきた焼成物は、収集管52aおよび収集管路52bを通じて、収集容器52cに収容される。
ここで、取出装置50aの反転機構51を説明した。同様の反転機構51は、取出装置50bにも採用されている。なお、反転機構51の一実施形態を説明したが、反転機構51の具体的な構造はかかる形態に限定されない。
〈清掃機構54〉
取出装置50は、焼成容器Aを清掃する清掃機構54(図2参照)をさらに備えていてもよい。この実施形態では、2つの取出装置50a,50bのうち、進行方向後方に配置された取出装置50bに清掃機構54が設けられている。このように取出ユニット23は、清掃機構54を備えていない取出装置50aと、清掃機構54を備えた取出装置50bとを備えている。
この実施形態では、清掃機構54は、焼成容器A内をブラッシングするブラッシング機構で構成されている。ブラッシング機構は、上向きに置かれた焼成容器A内を上からブラッシングする機構である。清掃機構54は、ブラシとブラシを操作するアームとを備え、ブラシを回転または小刻みに振動させつつ、焼成容器Aの内部に沿って動かすことで、焼成容器Aの内部を全体的にブラッシングできるように構成されている。かかる清掃機構54を備えた取出装置50bは、焼成容器Aの内部を全体的にブラッシングした後で、焼成容器Aを上下反転させるとよい。焼成容器A内に残留した焼成物が収集管52aに落とされる。これによって、焼成物が焼成容器Aに残留しにくくなり、焼成物を収集容器52cに収集することができる。なお、清掃機構54として焼成容器Aをブラッシングする機構を例示した。清掃機構54は、かかる形態に限定されない。清掃機構54は、例えば、焼成容器A内にエアを吹き付けるエアブラシでもよい。また、焼成容器A内の残留した焼成物を吸引する吸引装置でもよい。
取出装置50a,50bは、第1カバー53で囲まれた空間と、循環ライン20のフード21で囲まれた空間とを仕切るシャッタ55を備えている。シャッタ55は、取出装置50a,50bの前後にそれぞれ設けられているとよい。シャッタ55は、取出装置50a,50bに焼成容器Aが導入されてから、搬出されるまで閉じられているとよい。このように取出装置50a,50bでは、焼成容器Aを上下に反転させる空間が、第1カバー53によって外部空間から仕切られており、さらに第1カバー53で囲まれた空間と、循環ライン20のフード21で囲まれた空間とを仕切るシャッタ55が設けられている。シャッタ55が閉じられていることによって、反転機構51が上下反転して、焼成容器Aがひっくり返される時や、清掃機構54で焼成容器A内が清掃される時、例えば、ブラッシングされる時に、焼成物が取出装置50a,50bの外に飛び散るのが防止できる。
取出装置50a,50bで、焼成物が取り出された焼成容器Aは、供給ユニット24に送られる。この実施形態では、焼成容器Aは、蓋外し機構70aで蓋が取り外され、取出装置50aおよび取出装置50bで焼成物が取り出された後、蓋外し機構70aに戻され、蓋がセットされる。そして、蓋がセットされた後、直線搬送部41を通じて供給ユニット24に送られる。この実施形態では、取出ユニット23と供給ユニット24との間に第3置換室33が設けられている。このため、第3置換室33で雰囲気が調整されて供給ユニット24に送られる。例えば、取出ユニット23では、焼成物の性質に合わせて雰囲気が調整されているとよい。供給ユニット24では、被焼成物の性質に合わせて雰囲気が調整されるとよい。例えば、被焼成物が、酸素や水蒸気と反応する性質を有する場合には、供給ユニット24では、酸素濃度や露点が調整されるとよい。
〈供給ユニット24〉
供給ユニット24は、被焼成物を供給する供給装置60を備えている。供給装置60は、ホッパー61と、フィーダー62と、第2カバー63とを備えている。この実施形態では、供給ユニット24は、焼成容器Aから蓋を取り外す第2の蓋外し機構70bを備えている。蓋外し機構70bは、供給ユニット24の上流側に設けられている。蓋外し機構70bの構成は、上述した蓋外し機構70aと同じである。ここでは蓋外し機構70bの説明を省略する。供給ユニット24では、焼成容器Aは、蓋外し機構70bで蓋が取り外された後、供給装置60の下に移動する。このように、供給ユニット24は、蓋外し機構70bを備えているので、蓋がある焼成容器Aに対しても適切に被焼成物を供給することができる。
ホッパー61は、焼成容器Aに供給される被焼成物を収容する容器である。ホッパー61は、上部に被焼成物が導入される投入口があり、下部に被焼成物が排出される排出口が設けられている。排出口には、フィーダー62が接続されている。フィーダー62は、ホッパー61から焼成容器Aに被焼成物を供給する装置である。ホッパー61から焼成容器Aに予め定められた量の被焼成物が供給される。第2カバー63は、焼成容器Aに被焼成物が供給される空間と外部空間とを遮断するカバーである。第2カバー63で囲まれた空間は、循環ライン20のフード21で囲まれた空間と連続している。第2カバー63で囲まれた空間は、所要の雰囲気ガスで調整されているとよい。これによって被焼成物の品質が維持される。供給ユニット24は、さらに、焼成容器Aに投入された被焼成物を均す機構が設けられていてもよい。均す機構は、例えば、焼成容器Aを振動させて内容物を均す機構であってもよい。また、焼成容器Aに沿って操作されるブレードを備えていてもよい。
供給ユニット24では、取出ユニット23で焼成物が取り出された焼成容器Aが導入される。供給ユニット24では、蓋外し機構70bにおいて、焼成容器Aから蓋が外される。その後、供給装置60に送られ、被焼成物が供給された後、蓋外し機構70bに戻されて、蓋がセットされる。そして、蓋がセットされた後、焼成容器Aは、直線搬送部41を通じて連続焼成炉10に送られる。
連続焼成システム1は、図2に示されているように、制御装置100を備えているとよい。制御装置100は、例えば、連続焼成炉10と循環ライン20での焼成容器Aの搬送を制御するように構成されているとよい。例えば、循環ライン20に配置される取出ユニット23では、蓋外し機構70aと、第1の取出装置50aと、第2の取出装置50bでの各処理、および、焼成容器Aの搬送などが、それぞれ予め定められたシーケンス制御で制御されるとよい。また、供給ユニット24では、蓋外し機構70bと、フィーダー62、および、焼成容器Aの搬送などが、それぞれ予め定められたシーケンス制御で制御されるとよい。さらに、各置換室31~35の開閉、雰囲気ガスの制御、分岐部42b1,42b2,43b1,43b2での搬送なども、シーケンス制御で制御されるとよい。これにより、人為的な操作の介在が少ない連続焼成システムが提供されうる。なお、ここではシーケンス制御を挙げているが、シーケンス制御に限定されず、焼成容器Aをセンシングして制御されてもよい。連続焼成システム1は、適宜に種々の制御手法が採用されるとよい。
このように、連続焼成システム1は、連続焼成炉10に対して焼成容器Aを循環させる循環ライン20を備えている。循環ライン20は、連続焼成炉10の外側で、連続焼成炉10の搬出口12から搬入口11に至る循環空間22を外部空間と隔てるフード21を有している。このため、循環ライン20において、被焼成物や焼成物の品質を高く維持できる。
循環ライン20には、取出ユニット23や供給ユニット24が設けられている。取出ユニット23や供給ユニット24は、それぞれ内部の空間と外部空間とを遮断するカバーを備えている。カバーで囲まれた空間は、循環ライン20のフード21で囲まれた空間と連続している。このため、焼成物を外部雰囲気に晒さずに取り出すことができる。また、被焼成物を外部雰囲気に晒さずに焼成容器Aに供給できる。かかる観点において、連続焼成システム1は、上述した実施の形態に限定されない。
図7は、他の実施形態における循環ライン20Aを示す側面図である。図7に示された循環ライン20Aは、全体として低い位置に配置されているが、直線搬送部41に配置される取出ユニット23は、取出ユニット23の下に作業者が入り込めるように高い位置に配置されている。これにより、収集容器52cの扱いが容易になる。また、循環ライン20Aを他の部位で低くできる。このため、供給ユニット24のホッパー61の高さを低く抑えることができる。また、収集容器52cを大型化できる。この場合、取出ユニット23の前後に、それぞれ焼成容器Aを昇降させるリフター101,102が設けられているとよい。
また、この実施形態では、循環ライン20Aのフード21Aのうち、前後のリフター101,102および取出ユニット23が設けられた部分のフード21A1が、一体的に構成されている。当該部分のフード21A1は、各設備が置かれるスペースの床から立ち上げられている。このように循環ライン20のフード21A1は、循環空間22が設けられるスペースの床と合わせて、循環空間22を外部空間から隔てるものであってもよい。この場合、スペースの床は、帯電防止床材などが塗られた塗り床などで、気密性が確保されていてもよい。この場合、フード21A1内の装置には、個別のカバーやシャッタなどは適宜になくてもよい。
また、この実施形態では、取出ユニット23について、反転機構51を備えた取出装置50が2つ設けられている。一方の取出装置50bには、清掃機構54が設けられている。取出ユニット23の構成はかかる形態に限定されない。例えば、取出ユニット23は、反転機構51と清掃機構54が設けられた取出装置50を1つ設けられていてもよい。この場合、反転機構51によって焼成容器Aを1回反転させる。次に、清掃機構54で焼成容器Aを清掃(例えば、ブラッシング)した後で、焼成容器Aを反転させる。このように、1つの取出装置50で、焼成容器Aを2回に分けて反転させてもよい。この場合、1つの焼成容器Aを反転させて焼成物を取り出す際に取出装置50は、1つでもよい。
また、この実施形態では、循環ライン20のうち、取出ユニット23と供給ユニット24が1つの直線搬送部41に設けられている。循環ライン20には、取出ユニット23と供給ユニット24が複数個ずつ配置され、焼成容器Aが複数個同時に処理されるように構成されていてもよい。また、循環ライン20は、複数列並列に設けられた搬送経路を備えていてもよい。
また、この実施形態では、取出ユニット23と供給ユニット24が、それぞれ循環ライン20の直線搬送部41に設けられている。取出ユニット23や供給ユニット24が設けられる位置は、かかる部位に限定されない。取出ユニット23は、例えば、循環ライン20の第1接続部42、例えば、架橋部42bに設けられてもよい。供給ユニット24は、例えば、循環ライン20の第2接続部43、例えば、架橋部43bに設けられてもよい。このように、循環ライン20における取出ユニット23や供給ユニット24の配置は、上述した実施形態に限定されない。
上述のように、連続焼成炉10は、搬入口11から搬出口12に至る焼成容器Aが搬送される搬送空間13aを形成するトンネル型の炉体13を有している。循環ライン20は、連続焼成炉10の外側で、連続焼成炉10の搬出口12から搬入口11に至る循環空間21aを外部空間と隔てるフード21と、少なくとも1つの作業ブースとを有している。ここで、「作業ブース」は、図1および図2に示された形態では、取出装置50a,50bが設けられたブースである。
図1および図2に示されているように、取出装置50a,50bは、焼成容器Aから焼成物を取り出す作業空間と外部空間とを遮断する第1カバー53とシャッタ55とを有している。第1カバー53で囲われた空間は、循環ライン20のフード21で囲まれた空間と連続している。第1カバー53で囲まれた空間と循環ライン20ラインのフード21で囲まれた空間とは、シャッタ55によって仕切られている。このように作業ブースは、循環ライン20に沿って搬送される焼成容器Aから焼成物を取り出す取出装置50a,50bが設けられたブースであってもよい。
かかる取出装置50a,50bが設けられた作業ブースでは、焼成容器Aから焼成物を取り出す際にシャッタ55が適宜に閉じられるとよい。これによって、焼成容器Aから焼成物を取り出す作業空間の雰囲気が、外部空間から遮断される。このため、取出装置50a,50bでの作業が取出装置50a,50bの外の循環ライン20の雰囲気に影響されにくくなる。また、取出装置50a,50bでの作業が循環ライン20の雰囲気に影響を与えにくくなる。これにより、取り出される焼成物の品質が向上する。ここでは、循環ライン20に設けられる作業ブースの一例として、取出装置50a,50bを例示しているが、作業ブースは、焼成容器Aから焼成物を取り出す取出装置50a,50bが設けられるブースに限定されない。循環ライン20に設けられる他の作業ブースとして、例えば、焼成容器Aに被焼成物を供給するブースや焼成容器Aから蓋を外すブースにシャッタが取り付けられていてもよい。
ここでは、作業ブースとして、取出装置50a,50bが設けられた取出し作業が行なわれるブースを例示しているが、作業ブースは、取出し作業が行なわれるブースに限定されない。かかる連続焼成システム1によれば、取出装置50a,50bのように作業ブースは、作業空間と外部空間とを遮断するカバー53と、シャッタ55とを有しているとよい。カバー53で囲われた空間は、循環ライン20のフード21で囲まれた循環空間22と連続している。カバー53で囲まれた空間と循環ライン20のフード21で囲まれた循環空間22とは、シャッタ55によって適宜に仕切られる。シャッタ55が閉じられることによって、作業ブースでの作業が作業ブースの外の循環ライン20の雰囲気に影響されにくくなる。また、作業ブースでの作業が循環ライン20の雰囲気に影響を与えにくくなる。
図2に示された形態では、取出装置50a,50bは、循環ライン20に沿った入口と出口にそれぞれシャッタ55が設けられている。図8は、取出装置50aを拡大した図である。取出装置50bについて、拡大した図は省略するが、取出装置50bは、取出装置50aと同様の構造を有している。
図8に示されているように、取出装置50aは、循環ライン20に沿った入口501と出口502にそれぞれシャッタ55が設けられている。このことによって、取出装置50a,50bにおいて焼成物の取出し作業が行なわれる作業空間503が、循環ライン20から完全に仕切られる。このため、焼成物が、作業空間503の外、この実施形態では、取出装置50aの第1カバー53外の循環ライン20に飛び散りにくい。特に、上述した形態では、取出装置50a,50bは、焼成容器Aを上下に反転させる反転機構51と、焼成容器Aが反転される位置の下方で焼成容器Aの内容物を収集する収集部52とを備えている。このように、反転機構51を備えている場合には、焼成物が飛び散りやすい。これに対して、この実施形態では、シャッタ55によって、取出装置50a,50bにおいて焼成物の取出し作業が行なわれる作業空間503、つまり、焼成容器Aが反転される空間が、循環ライン20に対して完全に仕切られる。また、作業空間503は、第1カバー53によって囲われている。このため焼成物が作業空間503の外に飛び散りにくく、循環ライン20が清潔に保たれやすい。
また、連続焼成システム1は、制御装置100をさらに備えていてもよい。この制御装置100は、反転機構51において、焼成容器Aが上下に反転する際には、シャッタ55が閉じられているように構成されているとよい。つまり、制御装置100によって、反転機構51において、焼成容器Aが上下に反転するタイミングと、シャッタ55が閉じられるタイミングとが制御されているとよい。かかる制御によって、焼成容器Aが上下に反転するタイミングに対して、焼成物が作業空間503の外に飛び散るのが抑制されるように、適切なタイミングでシャッタ55が閉じられるように構成されているとよい。例えば、焼成容器Aが上下に反転する際には、入口501と出口502のシャッタ55が両方とも閉じられているとよい。そして、焼成容器Aが上向きに戻された後で、さらに作業空間503内での焼成物の動きが収まった後で、シャッタ55が開かれるとよい。これにより、作業空間503の外に焼成物が飛び散りにくくなり、循環ライン20がさらに清潔に保たれやすくなる。また、図2に示された取出装置50bのように、取出装置50bが清掃機構54(ここでは、ブラッシング機構)を備えている場合には、清掃作業が行なわれるときには、シャッタ55が閉じられているとよい。これにより、作業空間503の外の循環ライン20が清潔に保たれる。
シャッタ55は、図8に示されているように、循環ライン20に沿った入口501と出口502に対して作業ブースの外側から被さる閉そく部材55aを備えているとよい。この実施形態では、閉そく部材55aは、シリンダ機構55bによって上下に昇降するとともに、リンク機構55cによって焼成物の取出し作業が行なわれる作業空間503の外側から作業空間503の入口501と出口502に押し付けられる。つまり、この実施形態では、取出装置50a,50bにおいて、シャッタ55は、作業空間503の外側から被さる。そして、循環ライン20に沿った、作業空間503の入口501と出口502を塞ぐ。この実施形態では、取出装置50aは、内部で反転機構51が反転し、焼成容器Aの内容物が、下方に配置されたすり鉢状の収集管52aおよび収集管路52bを通じて、収集容器52cに収容される。この際、作業空間503から収集容器52cに向けた気流が生じる。これに対して、シャッタ55は、作業空間503の外側から被さっている。このため、例えば、取出し作業において、作業空間503に負圧が生じても、シャッタ55が塞ぐ入口501と出口502とに隙間が生じ難く、焼成容器Aの内容物が外に飛び散りにくい。
特に、ここで開示される連続焼成システム1では、連続焼成炉10に対して焼成容器Aを循環させる循環ライン20を備えている。循環ライン20は、連続焼成炉10の外側で、連続焼成炉10の搬出口12から搬入口11に至る循環空間22を外部空間と隔てるフード21を有している。このため、循環ライン20において、被焼成物や焼成物の品質を高く維持できる。これに対して、取出装置50a,50bのような作業ブースにおいて、作業空間と外部空間とを遮断するカバー53とシャッタ55とを有している。シャッタ55は、作業空間と循環ライン20とにおいて焼成容器Aが移動する際に適宜に開かれるとよい。そして、作業ブースにおいて、作業空間と外部空間とを遮断するカバー53とシャッタ55とが設けられていることによって、作業ブースの作業空間内の雰囲気を制御できる。また、作業ブースの作業空間で実施される作業時にシャッタ55が閉じられるので、循環ライン20のフード21で囲まれた搬送空間13aの雰囲気に与える影響が小さく抑えられる。
ここで、図1および図2に示された形態を基に示されているが、図7に示された形態では、取出ユニット23全体がフード21A1で覆われている。フード21A1は、取出ユニット23の作業空間と外部空間とを遮断するカバーとして機能している。また、当該カバーとしてのフード21A1で囲われた取出ユニット23の作業空間503は、その入口501と出口502にそれぞれ置換室33,34が設けられている。そして、置換室33の出口側のシャッタ33bと、置換室34の入口側のシャッタ34aとによって取出ユニット23の作業空間503が循環ライン20から遮断される。このように、ここで提案される発明に関し、連続焼成システム1への適用形態は、図1および図2に示された形態に限定されず、適宜に変更されうる。
以上、具体的な実施形態を挙げて詳細な説明を行ったが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。また、ここでの開示は、種々変更でき、特段の問題が生じない限りにおいて、各構成要素やここで言及された各処理は適宜に省略され、または、適宜に組み合わされうる。
1 連続焼成システム
10 連続焼成炉
11 搬入口
11a フード
12 搬出口
12a フード
13 炉体
13a 搬送空間
20,20A 循環ライン
21,21A フード
21A1 リフター101,102および取出ユニット23が設けられた部分のフード
22 循環空間
23 取出ユニット
23a,24a 処理空間
24 供給ユニット
31 第1置換室
32 第2置換室
33 第3置換室
34 第4置換室
35 第5置換室
31a~35a,31b~35b シャッタ
41 直線搬送部
42 第1接続部
42a 第1延出部
42b 架橋部
42b1,42b2 分岐部
43 第2接続部
43a 第2延出部
43b 架橋部
43b1,43b2 分岐部
50a,50b 取出装置
51 反転機構
51a,51b 回転板
51a1,51b1 回転軸
51b2 軸受
51c ロータリーアクチュエータ
51d クランプ部材
51d1 クランプ
51d2 連結部
51d3 バネ
51d4 凹み
51e アンクランプ機構
51e1 シリンダ
51e2 操作軸
51f ローラ
51g ストッパ
51g1 回動軸
51g2 ストッパ片
51g3 プッシャー
51g4 操作片
51g5 シリンダ機構
51h サポート軸
52 収集部
52a 収集管
52b 収集管路
52c 収集容器
53 第1カバー
54 清掃機構
55 シャッタ
60 供給装置
61 ホッパー
62 フィーダー
63 第2カバー
70a,70b 蓋外し機構
71 第3カバー
81~84 外部分岐ライン
91~94 置換室
91a~94a,91b~94b シャッタ
100 制御装置
101,102 リフター
501 作業空間の入口
502 作業空間の出口
503 作業空間
A 焼成容器
A1 搬送方向

Claims (10)

  1. 連続焼成炉と、
    前記連続焼成炉に対して焼成容器を循環させる循環ラインと
    を備え、
    前記連続焼成炉は、
    搬入口から搬出口に至る前記焼成容器が搬送される搬送空間を形成するトンネル型の炉体を有し、
    前記循環ラインは、
    前記焼成容器から焼成物を取り出す取出ユニットと、
    前記焼成容器に未焼成の被焼成物を供給する供給ユニットと、
    前記連続焼成炉の外側で、前記連続焼成炉の前記搬出口から前記搬入口に至る循環空間を外部空間と隔てるフードと、
    を備えた、
    連続焼成システム。
  2. 前記供給ユニットは、前記循環ラインにおいて前記取出ユニットよりも前記連続焼成炉の搬入口側に設けられた、請求項1に記載された連続焼成システム。
  3. 前記連続焼成炉の搬送経路は、直線に沿って設定されており、
    前記循環ラインは、
    前記連続焼成炉の搬送経路と平行な直線に沿った直線搬送部と、
    前記連続焼成炉の搬出口側に連続し、かつ、前記連続焼成炉の搬送経路と前記直線搬送部とを接続する第1接続部と、
    前記連続焼成炉の搬入口側に連続し、かつ、前記連続焼成炉の搬送経路と前記直線搬送部とを接続する第2接続部と
    を有し、
    前記取出ユニットは、前記直線搬送部に配置されている、請求項1または2に記載された連続焼成システム。
  4. 前記供給ユニットは、前記直線搬送部に配置されている、請求項3に記載された連続焼成システム。
  5. 前記取出ユニットは、
    前記焼成容器を上下に反転させる反転機構と、
    前記焼成容器が反転される位置の下方で前記焼成容器の内容物を収集する収集部と、
    前記焼成容器が反転される空間と外部とを遮断する第1カバーと
    を備えた取出装置を少なくとも1つ含み、
    前記第1カバーで囲まれた空間は、前記循環ラインのフードで囲まれた空間と連続している、請求項1から4までの何れか一項に記載された連続焼成システム。
  6. 前記焼成容器が反転される空間と前記循環空間とを仕切るシャッタを有する、
    請求項5に記載された連続焼成システム。
  7. 前記焼成容器が反転される空間は、前記循環ラインに沿った入口と出口にそれぞれシャッタが設けられた、請求項6に記載された連続焼成システム。
  8. 制御装置をさらに備え、
    前記反転機構において、前記焼成容器が上下に反転する際には、前記シャッタが閉じられているように構成された、請求項6または7に記載された連続焼成システム。
  9. 前記シャッタは、
    前記循環ラインに沿った入口と出口に前記焼成容器が反転される空間の外側から被さる閉そく部材を備えた、請求項6から8までの何れか一項に記載された連続焼成システム。
  10. 前記供給ユニットは、
    被焼成物を収容するホッパーと、
    前記ホッパーから前記焼成容器に被焼成物を供給するフィーダーと、
    前記焼成容器に被焼成物が供給される空間と外部空間とを遮断する第2カバーと
    を備え、
    前記第2カバーで囲まれた空間は、前記循環ラインのフードで囲まれた空間と連続している、
    請求項1から9までの何れか一項に記載された連続焼成システム。

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