JP2022144005A - 画像処理装置、表示装置、画像処理方法、及び、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像の階調分布(明暗の分布)の変化を抑制して画像のダイナミックレンジを変換することのできる技術を提供する。【解決手段】本発明の画像処理装置は、第一画像のダイナミックレンジに含まれる、所定の輝度よりも高い第一輝度レンジを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果に基づいて、前記第一画像を、ダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い第二画像に変換する第一変換手段とを有し、前記第一変換手段は、前記判断手段により判断された前記第一輝度レンジに基づいて、前記第二画像のダイナミックレンジに含まれる、前記第一輝度レンジに対応する第二輝度レンジを決定することを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、画像処理装置、表示装置、画像処理方法、及び、プログラムに関する。
現在、HDR(High Dynamic Range)画像の取り扱いが広まってきている。HDR画像は、比較的広いダイナミックレンジ(輝度レンジ)を有する画像である。ITU REC.2100規格では、HDR画像の方式の一種として、HLG(Hybrid Log-Gamma)方式が規定されている。
1000nits以下の輝度レンジはナローレンジ(Narrow Range)などと呼ばれ、1000nitsよりも高い輝度レンジはオーバーレンジなどと呼ばれ、オーバーレンジの白色はオーバーホワイトなどと呼ばれる。HLG方式のHDR画像では、一般的にはナローレンジが使用され、階調値940が1000nitsに対応する。940よりも大きい階調値を使用することで、約1800nitsまでの輝度を扱うことができる。
映像制作では、HDR画像とSDR(Standard Dynamic Range)画像のサイマル制作(同時制作)が行われることがある。SDR画像は、HDR画像のダイナミックレンジよりも狭いダイナミックレンジを有する画像である。このサイマル制作では、例えば、HDR画像からSDR画像への変換(HDR-SDR変換)が行われる。
従来のHDR-SDR変換では、ナローレンジがSDR画像のフルレンジ(10bitの場合には64~1023の階調値)に変換される。そのため、HDR画像のダイナミックレンジがオーバーレンジを含む場合には、SDR画像の階調分布(明暗の分布)がHDR画像と大きく異なってしまう。具体的には、HDR画像のうちのオーバーレンジの領域が、SDR画像では白飛びの領域となる。
特許文献1には、HDR画像の輝度レンジに基づくHDR-SDR変換が開示されている。HDR画像の信号(データ)には、MAX_CLL(Maximum Content Light Level)と呼ばれるコンテンツの最大輝度を示すメタデータが付加されることがある。ここで、MAX_CLLに応じた変換特性でHDR画像をSDR画像に変換すると、HDR画像の暗部領域が、SDR画像では黒潰れの領域となる。このような黒潰れを抑制するために、特許文献1に開示の技術では、MAX_CLL(コンテンツの最大輝度)と、MAX_CLLよりも低い仮想輝度とに基づいて、HDR-SDR変換を行っている。
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、オーバーレンジとナローレンジを区別しておらず、HDR画像のダイナミックレンジがオーバーレンジを含む場合を想定していない。そのため、SDR画像のダイナミックレンジにおいて、オーバーレンジに対応する輝度レンジが広すぎたり、狭すぎたりすることがある。そのような場合には、SDR画像の
階調分布(明暗の分布)がHDR画像と大きく異なってしまう。
階調分布(明暗の分布)がHDR画像と大きく異なってしまう。
本発明は、画像の階調分布(明暗の分布)の変化を抑制して画像のダイナミックレンジを変換することのできる技術を提供することである。
本発明の第一態様は、第一画像のダイナミックレンジに含まれる、所定の輝度よりも高い第一輝度レンジを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果に基づいて、前記第一画像を、ダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い第二画像に変換する第一変換手段とを有し、前記第一変換手段は、前記判断手段により判断された前記第一輝度レンジに基づいて、前記第二画像のダイナミックレンジに含まれる、前記第一輝度レンジに対応する第二輝度レンジを決定することを特徴とする画像処理装置である。
本発明の第二態様は、第一画像を、各々のダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い第二画像と第三画像に変換する変換手段と、前記第二画像と前記第三画像を共に表示するように制御する制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置である。
本発明の第三態様は、上述した画像処理装置と、画像を表示する表示部とを有することを特徴とする表示装置である。
本発明の第四態様は、第一画像のダイナミックレンジに含まれる、所定の輝度よりも高い第一輝度レンジを判断する判断ステップと、前記判断ステップでの判断結果に基づいて、前記第一画像を、ダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い第二画像に変換する第一変換ステップとを有し、前記第一変換ステップでは、前記判断ステップで判断された前記第一輝度レンジに基づいて、前記第二画像のダイナミックレンジに含まれる、前記第一輝度レンジに対応する第二輝度レンジを決定することを特徴とする画像処理方法である。
本発明の第五態様は、第一画像を、各々のダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い第二画像と第三画像に変換する変換ステップと、前記第二画像と前記第三画像を共に表示するように制御する制御ステップとを有することを特徴とする画像処理方法である。
本発明の第六態様は、コンピュータを上述した画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、画像の階調分布(明暗の分布)の変化を抑制して画像のダイナミックレンジを変換することができる。
<実施例1>
以下、本発明の実施例1について説明する。実施例1では、HDR画像(第一画像)をSDR画像(第二画像)に変換する際に、HDR画像のオーバーレンジ(第一輝度レンジ)が広いほど、SDR画像のオーバー対応レンジ(第二輝度レンジ)を広くする。HDR(High Dynamic Range)画像は、比較的広いダイナミックレンジ(輝度レンジ)を有する画像である。SDR(Standard Dynamic Range)画像は、HDR画像のダイナミックレンジよりも狭いダイナミックレンジを有する画像である。オーバーレンジは、HDR画像のダイナミックレンジに含まれる、所定の輝度(例えば1000nits)よりも高い輝度レンジであり、オーバーホワイトの輝度レンジである。オーバー対応レンジは、SDR画像のダイナミックレンジに含まれる、オーバーレンジに対応する輝度レンジである。なお、HDR画像からSDR画像への変換(HDR-SDR変換;第一変換)が表示装置で行われる例を説明するが、HDR-SDR変換は表示装置とは別体の画像処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)で行われてもよい。
以下、本発明の実施例1について説明する。実施例1では、HDR画像(第一画像)をSDR画像(第二画像)に変換する際に、HDR画像のオーバーレンジ(第一輝度レンジ)が広いほど、SDR画像のオーバー対応レンジ(第二輝度レンジ)を広くする。HDR(High Dynamic Range)画像は、比較的広いダイナミックレンジ(輝度レンジ)を有する画像である。SDR(Standard Dynamic Range)画像は、HDR画像のダイナミックレンジよりも狭いダイナミックレンジを有する画像である。オーバーレンジは、HDR画像のダイナミックレンジに含まれる、所定の輝度(例えば1000nits)よりも高い輝度レンジであり、オーバーホワイトの輝度レンジである。オーバー対応レンジは、SDR画像のダイナミックレンジに含まれる、オーバーレンジに対応する輝度レンジである。なお、HDR画像からSDR画像への変換(HDR-SDR変換;第一変換)が表示装置で行われる例を説明するが、HDR-SDR変換は表示装置とは別体の画像処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)で行われてもよい。
図1は、実施例1に係る表示装置100の構成例を示すブロック図である。表示装置100は、例えば、液晶表示装置や、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置、投影装置(プロジェクタ)などである。表示装置100は、画像入力部101、制御部102、出力ダイナミックレンジ決定部103、出力ダイナミックレンジ変換部104、オーバーホワイト判断部105、SDRガンマ計算部106、階調変換部107、及び、表示部108を有する。
画像入力部101には、SDI(Serial Digital Interface)伝送により、入力画像の信号(画像信号)が入力される。入力画像の信号(データ)は、例えば、HLG(Hybrid Log-Gamma)方式の信号(データ)である。なお、信号の伝送はSDI伝送に限られず、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)伝送であってもよい。信号の伝送は、LAN(Local Area Network)経由のIP(Internet Protocol)伝送などであってもよい。
画像入力部101は、入力画像の信号に付加された付加情報(付加データ;メタデータ)を取得することができる。付加情報は、例えば、HDMIで規定されるInfoframe情報であり、色域の情報や、HDRかSDRかの情報などを含む。HDRの情報は、HDRの方式(PQ(Perceptual Quantization)方式やHLG方式など)を示してもよい。入力画像がHDR画像である場合には、付加情報に、MAX_CLL(Maximum Content Light Level)や、MAX_FALL(Maximum Frame Average Light Level)などが含まれてもよい。MAX_CLLは、コンテンツの最大輝度を示す輝度情報であり、MAX_FALLは、フレームの平均輝度の最大値を示す輝度情報である。MAX_CLLとMAX_FALLは、コンテンツ全体に対して用意されてもよいし、コンテンツのシーン毎に用意されてもよい。また、画像入力部101は、入力画像の統計量を取得することもできる。入力画像の統計量は、例えば、入力画像の階調値のヒストグラムや、入力画像の最大階調値、入力画像の平均階調値などである。
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、不図示のメモリに格納されたプログラムを実行して、表示装置100の各機能部を制御する。
出力ダイナミックレンジ決定部103は、出力ダイナミックレンジ(表示部108に表示するダイナミックレンジ;HDR画像のダイナミックレンジ)を決定する。出力ダイナミックレンジ決定部103は、表示装置100に対するユーザー操作に応じて出力ダイナミックレンジを決定してもよい。例えば、ユーザーが、図3に示すようなGUI(Graphical User Interface)を用いて出力ダイナミックレンジを指定(設定)してもよい。出力ダイナミックレンジ決定部103は、入力画像のデータに付加された付加データ(メタデータ)に基づいて出力ダイナミックレンジを決定してもよい。例えば、出力ダイナミックレンジ決定部103は、MAX_CLL(コンテンツの最大輝度)以下の輝度レンジを出力ダイナミックレンジとして決定してもよい。出力ダイナミックレンジ決定部103は、入力画像の階調値(統計量)に基づいて出力ダイナミックレンジを決定してもよい。例えば、出力ダイナミックレンジ決定部103は、入力画像の最大階調値を取得し、図2の特性(階調値と輝度の対応関係)に従って最大階調値に対応する輝度を求め、求めた輝度以下の輝度レンジを出力ダイナミックレンジとして決定してもよい。
出力ダイナミックレンジ変換部104は、出力ダイナミックレンジ決定部103で決定された出力ダイナミックレンジに基づいて、出力ダイナミックレンジを有するHDR画像に入力画像を変換する(第二変換)。例えば、出力ダイナミックレンジ変換部103は、出力ダイナミックレンジの最大輝度よりも高い輝度に対応する階調値を、当該最大輝度に対応する階調値に制限(クリップ)する。こうすれば、入力画像における、出力ダイナミックレンジに対応する領域の階調分布(明暗の分布)を維持することができる。出力ダイナミックレンジ変換部104は、ゲイン処理やニー補正などにより、入力画像のダイナミックレンジを全体的に圧縮してもよい。こうすれば、変換による白飛びや黒潰れの発生を抑制できる。
オーバーホワイト判断部105は、出力ダイナミックレンジ決定部103で決定された出力ダイナミックレンジに含まれるオーバーレンジ(オーバーホワイトの輝度レンジ)を判断する。図2は、HLG方式の特性(階調値と輝度の対応関係)を示す。実施例1では、階調値が0~1023の10bitの値であるとする。階調値64~940がナローレンジに対応し、941以上がオーバーレンジに対応するとする。階調値940が輝度1000nitsに対応するとする。そして、940よりも大きい階調値を使用することで、約1800nitsまでの輝度を扱うことができるとする。なお、階調値のbit数は特に限定されず、HDR画像では10bit、SDR画像では8bit(0~255)のように、HDR画像とSDR画像とでbit数が異なっていてもよい。
ここで、出力ダイナミックレンジ決定部103で決定された出力ダイナミックレンジの最大輝度(1001~1800nits)をHLGOWRangeとし、ナローレンジの最大輝度(1000nits)をMaxNRangeとする。オーバーホワイト判断部105は、MaxNRangeよりも高く且つHLGOWRange以下の輝度レンジを、オーバーレンジとして判断する。
SDRガンマ計算部106は、オーバーホワイト判断部105の判断結果(判断されたオーバーレンジ)に基づいて、オーバー対応レンジを決定し、変換テーブルTを生成する。オーバー対応レンジは、SDR画像のダイナミックレンジに含まれる、オーバーレンジに対応する輝度レンジである。変換テーブルTは、出力ダイナミックレンジ変換部104が変換して得たHDR画像の階調値を、SDR画像の階調値に変換する変換テーブルである。変換テーブルTは、表示部108の特性を考慮して生成される。例えば、表示装置100が液晶表示装置である場合には、変換テーブルTは、バックライトの発光輝度と、液晶パネルの特性とを考慮して生成される。また、変換テーブルTは、ダイナミックレンジ
だけでなく、色域も狭めるように生成される。例えば、変換テーブルTは、BT.2020の色域からBT.709の色域への変換が行えるように生成される。変換テーブルTの具体的な生成方法は後述する。
だけでなく、色域も狭めるように生成される。例えば、変換テーブルTは、BT.2020の色域からBT.709の色域への変換が行えるように生成される。変換テーブルTの具体的な生成方法は後述する。
階調変換部107は、SDRガンマ計算部106で生成された変換テーブルTを用いて、出力ダイナミックレンジ変換部104が変換して得たHDR画像の階調値を、SDR画像の階調値に変換する(階調変換;HDR-SDR変換;第一変換)。なお、変換テーブルTを用いる例を説明したが、階調変換部107は、変換式などを用いてHDR画像をSDR画像に変換してもよい。
表示部108は、階調変換部107で得られたSDR画像を表示する。
表示装置100の動作の一例について説明する。ここでは、入力画像がHLG方式のHDR画像であるとする。入力画像が画像入力部101に入力されると、画像入力部101は取得したメタデータや統計量を出力ダイナミックレンジ決定部103に送信し、入力画像を出力ダイナミックレンジ変換部104へ送信する。出力ダイナミックレンジ決定部103は、ユーザー操作や、画像入力部101からのメタデータや統計量などに基づき出力ダイナミックレンジを決定し、出力ダイナミックレンジを出力ダイナミックレンジ変換部104とオーバーホワイト判断部105へ通知する。出力ダイナミックレンジ変換部104は、画像入力部101から入力画像を受信すると、出力ダイナミックレンジ決定部103から通知された出力ダイナミックレンジに基づいて、出力ダイナミックレンジを有するHDR画像に入力画像を変換する。そして、出力ダイナミックレンジ変換部104は、変換により得たHDR画像を、階調変換部107へ送信する。オーバーホワイト判断部105は、出力ダイナミックレンジ決定部103から出力ダイナミックレンジが通知されると、出力ダイナミックレンジに含まれるオーバーレンジを判断し、判断結果(判断されたオーバーレンジ)をSDRガンマ計算部106へ送信する。SDRガンマ計算部106は、オーバーホワイト判断部105から判断結果を受信すると、当該判断結果に基づいて変換テーブルTを生成し、変換テーブルTを階調変換部107へ送信する。階調変換部107は、SDRガンマ計算部106から受信した変換テーブルTに基づいて、出力ダイナミックレンジ変換部104から受信したHDR画像をSDR画像に変換する。そして、階調変換部107は、SDR画像を表示部108へ送信する。表示部108は、階調変換部107からSDR画像を受信すると、当該SDR画像を表示する。
変換テーブルTの生成方法の一例について説明する。図4(a)~4(c)は、出力ダイナミックレンジと、SDR画像のダイナミックレンジとの一例を示す。出力ダイナミックレンジのうち、白抜き部はナローレンジを示し、ハッチング部はオーバーレンジを示す。SDR画像のダイナミックレンジのうち、白抜き部はナローレンジに対応する輝度レンジ(ナロー対応レンジ)を示し、ハッチング部はオーバーレンジに対応する輝度レンジ(オーバー対応レンジ)を示す。
図4(a)では、出力ダイナミックレンジ401aの最大輝度が1000nitsであり、出力ダイナミックレンジ401aにオーバーレンジは含まれていない。この場合には、SDRガンマ計算部106は、出力ダイナミックレンジ401aをダイナミックレンジ402aに変換する(狭める)変換テーブルTを生成する。出力ダイナミックレンジ401aにオーバーレンジが含まれていないため、ダイナミックレンジ402aにはオーバー対応レンジを含めない(ダイナミックレンジ402aの全体をナロー対応レンジとする)。こうすることで、ナローレンジが過度に圧縮されることを抑制して、SDR画像の階調分布(明暗の分布)をHDR画像に近づけることができる。
図4(b)では、出力ダイナミックレンジ401bの最大輝度が1200nitsであ
り、出力ダイナミックレンジ401bに1001~1200nitsのオーバーレンジが含まれている。この場合には、SDRガンマ計算部106は、出力ダイナミックレンジ401bをダイナミックレンジ402bに変換する変換テーブルTを生成する。出力ダイナミックレンジ401bにオーバーレンジが含まれているため、ダイナミックレンジ402bにオーバー対応レンジを含める。こうすることで、HDR画像のうちのオーバーレンジの領域がSDR画像で白飛びの領域となることを抑制して、SDR画像の階調分布をHDR画像に近づけることができる。
り、出力ダイナミックレンジ401bに1001~1200nitsのオーバーレンジが含まれている。この場合には、SDRガンマ計算部106は、出力ダイナミックレンジ401bをダイナミックレンジ402bに変換する変換テーブルTを生成する。出力ダイナミックレンジ401bにオーバーレンジが含まれているため、ダイナミックレンジ402bにオーバー対応レンジを含める。こうすることで、HDR画像のうちのオーバーレンジの領域がSDR画像で白飛びの領域となることを抑制して、SDR画像の階調分布をHDR画像に近づけることができる。
図4(c)では、出力ダイナミックレンジ401cの最大輝度が1800nitsであり、出力ダイナミックレンジ401cに1001~1800nitsのオーバーレンジが含まれている。この場合には、SDRガンマ計算部106は、出力ダイナミックレンジ401cをダイナミックレンジ402cに変換する変換テーブルTを生成する。出力ダイナミックレンジ401cにオーバーレンジが含まれているため、ダイナミックレンジ402cにオーバー対応レンジを含める。さらに、出力ダイナミックレンジ401cのオーバーレンジは出力ダイナミックレンジ401bのオーバーレンジよりも広いため、ダイナミックレンジ402cのオーバー対応レンジをダイナミックレンジ402bのオーバー対応レンジよりも広くする。こうすることで、HDR画像のうちのオーバーレンジの領域がSDR画像で白飛びの領域となることや、オーバー対応レンジが狭くなりすぎることなどを抑制して、SDR画像の階調分布をHDR画像に近づけることができる。
以上述べたように、実施例1によれば、HDR画像のオーバーレンジに基づいて、SDR画像のオーバー対応レンジ(オーバーレンジに対応する輝度レンジ)が決定される。これにより、画像の階調分布(明暗の分布)の変化を抑制して画像のダイナミックレンジを変換することができる。具体的には、オーバーレンジが広いほどオーバー対応レンジを広くすることにより、オーバー対応レンジが狭く/広くなりすぎることを抑制して、SDR画像の階調分布をHDR画像に近づけることができる。換言すれば、HDR画像の階調分布の再現度(再現性)が高いSDR画像を得ることができる。
<実施例2>
以下、本発明の実施例2について説明する。なお、以下では、実施例1と異なる点(構成や処理など)について詳しく説明し、実施例1と同様の点についての説明は適宜省略する。実施例2では、ナローレンジの最大輝度とオーバーレンジの最大輝度との比率に基づいてオーバー対応レンジを決定する。
以下、本発明の実施例2について説明する。なお、以下では、実施例1と異なる点(構成や処理など)について詳しく説明し、実施例1と同様の点についての説明は適宜省略する。実施例2では、ナローレンジの最大輝度とオーバーレンジの最大輝度との比率に基づいてオーバー対応レンジを決定する。
ここで、以下のように定義する。
HLGOWRange:出力ダイナミックレンジ決定部103で決定された出力ダイナミックレンジの最大輝度(1001~1800nits)
MaxNRange:ナローレンジの最大輝度(1000nits)
MaxSDRRange:SDR画像のダイナミックレンジの最大輝度(130nits)
SDROWThreshold:SDR画像のダイナミックレンジにおけるナロー対応レンジとオーバー対応レンジとの境界の輝度
HLGOWRange:出力ダイナミックレンジ決定部103で決定された出力ダイナミックレンジの最大輝度(1001~1800nits)
MaxNRange:ナローレンジの最大輝度(1000nits)
MaxSDRRange:SDR画像のダイナミックレンジの最大輝度(130nits)
SDROWThreshold:SDR画像のダイナミックレンジにおけるナロー対応レンジとオーバー対応レンジとの境界の輝度
オーバー対応レンジは、SDROWThresholdよりも高く且つMaxSDRRange以下の輝度レンジであり、SDRガンマ計算部106は、MaxNRangeがSDROWThresholdに変換されるように変換テーブルTを生成する。SDROWThresholdは以下の式1を用いて算出できる。
SDROWThreshold
=MaxSDRRange×MaxNRange/HLGOWRange
・・・(式1)
SDROWThreshold
=MaxSDRRange×MaxNRange/HLGOWRange
・・・(式1)
変換テーブルTの生成方法の一例について説明する。図5は、変換テーブルTの変換特性(HDR画像の輝度とSDR画像の輝度との対応関係)の一例を示す。
出力ダイナミックレンジの最大輝度HLGOWRangeが1000nitsである場合には、SDRガンマ計算部106は、変換特性501のHDR-SDR変換が行われるように、変換テーブルTを生成する。式1によれば、SDROWThreshold=MaxSDRRange×MaxNRange/HLGOWRange=130×1000/1000=130nitsが算出される。このため、変換特性501のHDR-SDR変換では、HDR画像の1000nitsはSDR画像の130nitsに変換される。
出力ダイナミックレンジの最大輝度HLGOWRangeが1500nitsである場合には、SDRガンマ計算部106は、変換特性502のHDR-SDR変換が行われるように、変換テーブルTを生成する。式1によれば、SDROWThreshold=MaxSDRRange×MaxNRange/HLGOWRange=130×1000/1500=87nitsが算出される。このため、変換特性502のHDR-SDR変換では、HDR画像の1000nitsはSDR画像の87nitsに変換される。
出力ダイナミックレンジの最大輝度HLGOWRangeが1800nitsである場合には、SDRガンマ計算部106は、変換特性503のHDR-SDR変換が行われるように、変換テーブルTを生成する。式1によれば、SDROWThreshold=MaxSDRRange×MaxNRange/HLGOWRange=130×1000/1800=72nitsが算出される。このため、変換特性503のHDR-SDR変換では、HDR画像の1000nitsはSDR画像の72nitsに変換される。
以上述べたように、実施例2によれば、ナローレンジの最大輝度とオーバーレンジの最大輝度との比率に基づいてオーバー対応レンジが決定される。これにより、画像の階調分布(明暗の分布)の変化を抑制して画像のダイナミックレンジを変換することができる。
なお、ナローレンジの最大輝度に対応するHDR画像の階調値と、オーバーレンジの最大輝度に対応するHDR画像の階調値との比率に基づいて、オーバー対応レンジを決定してもよい。
ここで、以下のように定義する(階調値は10bitの値であるとする)。
HLGOWVal:出力ダイナミックレンジ決定部103で決定された出力ダイナミックレンジの最大輝度に対応するHDR画像の階調値
MaxNVal:ナローレンジの最大輝度に対応するHDR画像の階調値(940)
MaxSDRVal:SDR画像のダイナミックレンジの最大輝度に対応するSDR画像の階調値(1023)
SDROWThresholdVal:SDR画像のダイナミックレンジにおけるナロー対応レンジとオーバー対応レンジとの境界の輝度に対応するSDR画像の階調値
HLGOWVal:出力ダイナミックレンジ決定部103で決定された出力ダイナミックレンジの最大輝度に対応するHDR画像の階調値
MaxNVal:ナローレンジの最大輝度に対応するHDR画像の階調値(940)
MaxSDRVal:SDR画像のダイナミックレンジの最大輝度に対応するSDR画像の階調値(1023)
SDROWThresholdVal:SDR画像のダイナミックレンジにおけるナロー対応レンジとオーバー対応レンジとの境界の輝度に対応するSDR画像の階調値
HLGOWValは、例えば、図2の特性から求めることができる。出力ダイナミックレンジの最大輝度が1500nitsの場合には、図2の特性から、HLGOWVal=1000を求めることができる。オーバー対応レンジの階調範囲は、SDROWThresholdValよりも高く且つMaxSDRVal以下の階調範囲である。SDRガンマ計算部106は、MaxNValがSDROWThresholdValに変換されるように変換テーブルTを生成してもよい。SDROWThresholdValは以下の式2を用いて算出できる。
SDROWThresholdVal
=MaxSDRVal×MaxNVal/HLGOWVal
・・・(式2)
SDROWThresholdVal
=MaxSDRVal×MaxNVal/HLGOWVal
・・・(式2)
また、線形的な比率(輝度または階調値の比率)を用いた演算ではなく、重みづけや係数を用いた演算により、オーバー対応レンジが決定されてもよい。また、オーバー対応レンジはユーザー操作に応じて決定されてもよい。その場合に、ユーザーは、オーバーレンジに基づいて、オーバーレンジが広いほど広いオーバー対応レンジを指定するとよい。
<実施例3>
以下、本発明の実施例3について説明する。なお、以下では、実施例1,2と異なる点(構成や処理など)について詳しく説明し、実施例1,2と同様の点についての説明は適宜省略する。実施例3では、出力ダイナミックレンジのうちの、オーバーレンジの広さと、ナローレンジ(残りの輝度レンジ)から所定の輝度レンジを除いた輝度レンジの広さとの比率に基づいて、オーバー対応レンジを決定する。
以下、本発明の実施例3について説明する。なお、以下では、実施例1,2と異なる点(構成や処理など)について詳しく説明し、実施例1,2と同様の点についての説明は適宜省略する。実施例3では、出力ダイナミックレンジのうちの、オーバーレンジの広さと、ナローレンジ(残りの輝度レンジ)から所定の輝度レンジを除いた輝度レンジの広さとの比率に基づいて、オーバー対応レンジを決定する。
HDR-SDR変換では、低輝度領域の階調性を考慮して、出力ダイナミックレンジの一部をリニアレンジとして扱うことがある。リニアレンジは、HDR画像の輝度の変化に対してSDR画像の輝度が線形に変化する輝度レンジである。リニアレンジを設定せずに、低輝度領域の輝度レンジを圧縮すると、低輝度領域の階調性が大きく損なわれてしまう可能性がある。そこで、実施例3では、上述した所定の輝度レンジとして低輝度側のリニアレンジを用い、リニアレンジを除いてオーバー対応レンジを決定し、変換テーブルTを生成する。
変換テーブルTの生成方法の一例について説明する。図6は、変換テーブルTの変換特性(HDR画像の輝度とSDR画像の輝度との対応関係)の一例を示す。ハッチングの領域601はリニアレンジの領域である。
出力ダイナミックレンジの最大輝度が1000nitsである場合には、SDRガンマ計算部106は、変換特性602のHDR-SDR変換が行われるように、変換テーブルTを生成する。オーバーレンジが存在しないため、オーバー対応レンジは設定されない。
出力ダイナミックレンジの最大輝度が1500nitsである場合には、SDRガンマ計算部106は、変換特性603のHDR-SDR変換が行われるように、変換テーブルTを生成する。オーバーレンジは1001~1500nitsの輝度レンジであり、約120nits~130nitsの輝度レンジがオーバー対応レンジとして設定される。変換特性603では、ナローレンジから領域601のリニアレンジを除いた輝度レンジにおいて、変換後の輝度(SDR画像の輝度)が変換特性602よりも低くなる。
出力ダイナミックレンジの最大輝度が1800nitsである場合には、SDRガンマ計算部106は、変換特性604のHDR-SDR変換が行われるように、変換テーブルTを生成する。オーバーレンジは1001~1800nitsの輝度レンジであり、約110nits~130nitsの輝度レンジがオーバー対応レンジとして設定される。変換特性604では、ナローレンジから領域601のリニアレンジを除いた輝度レンジにおいて、変換後の輝度(SDR画像の輝度)が変換特性602,603よりも低くなる。
変換特性603,604は、例えば、出力ダイナミックレンジの最大輝度がSDR画像のダイナミックレンジの最大輝度に変換されるように、変換特性602(図6の破線部分も含む変換特性602で示されたSDR画像の輝度)にゲインを掛けた特性である。
図6では、オーバーレンジが変わっても、リニアレンジにおける変換特性(HDR画像
の輝度とSDR画像の輝度との対応関係)は変わらない。そのため、HDR-SDR変換によって低輝度領域の階調性が大きく損なわれることはない。
の輝度とSDR画像の輝度との対応関係)は変わらない。そのため、HDR-SDR変換によって低輝度領域の階調性が大きく損なわれることはない。
以上述べたように、実施例3によれば、出力ダイナミックレンジのうちの、オーバーレンジの広さと、ナローレンジ(残りの輝度レンジ)から所定の輝度レンジを除いた輝度レンジの広さとの比率に基づいて、オーバー対応レンジが決定される。これにより、画像の階調分布(明暗の分布)の変化を抑制して画像のダイナミックレンジを変換することができる。また、実施例3によれば、オーバーレンジが変わっても、所定の輝度レンジ(低輝度側のリニアレンジ)における変換特性(HDR画像の輝度とSDR画像の輝度との対応関係)は変わらない。そのため、HDR-SDR変換によって低輝度領域の階調性が大きく損なわれることはない。
なお、所定の輝度レンジはリニアレンジに限られない。例えば、HDR画像の基準白の輝度などの基準輝度以下の輝度レンジが、所定の輝度レンジとして使用されてもよい。また、ゲインを用いた演算ではなく、重みづけや係数を用いた演算により、変換特性(変換テーブルT)が生成されてもよい。
<実施例4>
以下、本発明の実施例4について説明する。なお、以下では、実施例1~3と異なる点(構成や処理など)について詳しく説明し、実施例1~3と同様の点についての説明は適宜省略する。実施例4では、SDR画像のダイナミックレンジが変更可能であり、オーバーレンジが広いほどSDR画像のダイナミックレンジを広くする。
以下、本発明の実施例4について説明する。なお、以下では、実施例1~3と異なる点(構成や処理など)について詳しく説明し、実施例1~3と同様の点についての説明は適宜省略する。実施例4では、SDR画像のダイナミックレンジが変更可能であり、オーバーレンジが広いほどSDR画像のダイナミックレンジを広くする。
図7は、変換テーブルTの変換特性(HDR画像の輝度とSDR画像の輝度との対応関係)の一例を示す。変換特性701は、HDR画像の輝度1000nits(ナローレンジの最大輝度)をSDR画像の輝度130nitsに変換する特性である。最大輝度が1001nitsよりも高い出力ダイナミックレンジ(オーバーレンジを含む出力ダイナミックレンジ)が設定されると、130nitsよりも高いオーバー対応レンジが設定される。そして、オーバーレンジの輝度(1001nitsよりも高い)は、130nitsよりも高い輝度に変換される。例えば、最大輝度が1500nitsの出力ダイナミックレンジが設定された場合は、1001~1500nitsのオーバーレンジに対して、131~約140nitsのオーバー対応レンジが設定される。最大輝度が1800nitsの出力ダイナミックレンジが設定された場合は、1001~1800nitsのオーバーレンジに対して、131~約150nitsのオーバー対応レンジが設定される。
表示部108は、出力ダイナミックレンジの設定に基づいて、SDR画像の輝度が表示できるように動作する(表示輝度を設定する)。SDRガンマ計算部106は、表示部108における表示輝度の設定を考慮して、図7の変換特性701でのHDR-SDR変換が行われるように、変換テーブルTを生成する。
以上述べたように、実施例4によれば、オーバーレンジが広いほどSDR画像のダイナミックレンジが広くなる。これにより、画像の階調分布(明暗の分布)の変化をより抑制して画像のダイナミックレンジを変換することができる。また、図7を用いて説明した方法では、出力ダイナミックレンジの設定(オーバーレンジの有無や、オーバーレンジの広さなど)に依らず、ナローレンジの変換特性は一定(固定)である。そのため、ナローレンジの領域については、出力ダイナミックレンジの設定に依らず、SDR画像の輝度を一定に保つことができ、HDR画像の階調分布の再現度(再現性)を一定に保つことができる。
なお、変換特性を延長する例を説明したが、重みづけや係数を用いた演算により、変換
特性(変換テーブルT)が生成されてもよい。
特性(変換テーブルT)が生成されてもよい。
<実施例5>
以下、本発明の実施例5について説明する。なお、以下では、実施例1~4と異なる点(構成や処理など)について詳しく説明し、実施例1~4と同様の点についての説明は適宜省略する。実施例5では、複数のSDR画像を比較表示する。こうすることで、ユーザーは、オーバー対応レンジの有無や違いによるSDR画像の違いを容易に把握することができる。
以下、本発明の実施例5について説明する。なお、以下では、実施例1~4と異なる点(構成や処理など)について詳しく説明し、実施例1~4と同様の点についての説明は適宜省略する。実施例5では、複数のSDR画像を比較表示する。こうすることで、ユーザーは、オーバー対応レンジの有無や違いによるSDR画像の違いを容易に把握することができる。
図8は、実施例5に係る表示装置800の構成例を示すブロック図である。図8において、実施例1~4(図1)と同じ機能部には、実施例1~4と同じ符号を付している。表示装置800は、実施例1~4の表示装置100と同様に、画像入力部101、出力ダイナミックレンジ決定部103、出力ダイナミックレンジ変換部104、オーバーホワイト判断部105、及び、表示部108を有する。さらに、表示装置800は、制御部801、SDRガンマ計算部802、階調変換部803、及び、比較画面生成部804を有する。
制御部801は、実施例1~4の制御部102と同様の処理を行う。さらに、制御部801は、SDRガンマ計算部802と比較画面生成部804に対して、画面分割の指示を行う。画面分割の指示は、例えば、2画面表示や4画面表示などの指示である。
SDRガンマ計算部802は、実施例1~4のSDRガンマ計算部106と同様の処理を行う。さらに、SDRガンマ計算部802は、制御部801から画面分割の指示があった場合に、異なる複数の変換テーブルTを生成し、複数の変換テーブルTを階調変換部803へ出力する。複数の変換テーブルTは、例えば、以下の変換テーブルを含む。
・オーバーホワイト判断部105で判断されたオーバーレンジを用いて得られる変換テーブル、すなわち実施例1~4と同様の方法で得られる変換テーブル
・オーバーレンジが存在しないと仮定して得られる変換テーブル、すなわちオーバー対応レンジを含まない変換テーブル
・オーバーホワイト判断部105で判断されたオーバーレンジの代わりに、当該オーバーレンジよりも広い輝度レンジを用いて得られる変換テーブル、すなわち実施例1~4と同様の方法で得られる変換テーブルよりも、オーバー対応レンジが広い変換テーブル
・オーバーホワイト判断部105で判断されたオーバーレンジの代わりに、当該オーバーレンジよりも狭い輝度レンジを用いて得られる変換テーブル、すなわち実施例1~4と同様の方法で得られる変換テーブルよりも、オーバー対応レンジが狭い変換テーブル
・オーバーホワイト判断部105で判断されたオーバーレンジを用いて得られる変換テーブル、すなわち実施例1~4と同様の方法で得られる変換テーブル
・オーバーレンジが存在しないと仮定して得られる変換テーブル、すなわちオーバー対応レンジを含まない変換テーブル
・オーバーホワイト判断部105で判断されたオーバーレンジの代わりに、当該オーバーレンジよりも広い輝度レンジを用いて得られる変換テーブル、すなわち実施例1~4と同様の方法で得られる変換テーブルよりも、オーバー対応レンジが広い変換テーブル
・オーバーホワイト判断部105で判断されたオーバーレンジの代わりに、当該オーバーレンジよりも狭い輝度レンジを用いて得られる変換テーブル、すなわち実施例1~4と同様の方法で得られる変換テーブルよりも、オーバー対応レンジが狭い変換テーブル
階調変換部803は、実施例1~4の階調変換部107と同様の処理を行う。さらに、階調変換部803は、SDRガンマ計算部802から複数の変換テーブルTが出力された場合に、当該複数の変換テーブルTにそれぞれ対応する複数のSDR画像を生成し、複数のSDR画像を比較画面生成部804へ出力する。複数のSDR画像は、実施例1~4と同様の変換テーブルTを用いて得られたSDR画像(第二画像)と、実施例1~4とは異なる変換テーブルTを用いて得られたSDR画像(第三画像)とを含む。
比較画面生成部804は、制御部801から出力される画面分割の指示に従い、階調変換部803から出力された複数のSDR画像を表示部108に共に表示するように、複数のSDR画像が配置された比較画面を生成し、比較画面を表示部108へ出力する。
図9(a)~9(f)は、比較画面の一例を示す。
図9(a)は、従来の比較画面を示す。図9(a)に示すように、従来の比較画面では
、出力ダイナミックレンジ変換部104が変換して得たHDR画像900と、オーバー対応レンジが設定されていないSDR画像901とが共に表示される。図9(a)の表示では、ユーザーは、HDR-SDR変換による画質変化を把握(確認)することはできるが、オーバー対応レンジの有無によるSDR画像の違いを把握することはできない。
、出力ダイナミックレンジ変換部104が変換して得たHDR画像900と、オーバー対応レンジが設定されていないSDR画像901とが共に表示される。図9(a)の表示では、ユーザーは、HDR-SDR変換による画質変化を把握(確認)することはできるが、オーバー対応レンジの有無によるSDR画像の違いを把握することはできない。
そこで、実施例5では、オーバー対応レンジの有無や違いによるSDR画像の違いを把握することができるように、オーバー対応レンジが異なる複数のSDR画像を共に表示する。図9(b)~9(f)は、実施例5に係る比較画面を示す。
図9(b)は、2つSDR画像901,902を共に表示する比較画面(2画面表示の比較画面)を示す。SDR画像901は、オーバー対応レンジが設定されていないSDR画像であり、SDR画像902は、オーバー対応レンジが設定されているSDR画像である。SDR画像901,902の一方は、実施例1~4と同様の変換テーブルTを用いて得られたSDR画像(第二画像)であり、SDR画像901,902の他方は、実施例1~4とは異なる変換テーブルTを用いて得られたSDR画像(第三画像)である。図9(b)の表示によれば、ユーザーは、オーバー対応レンジの有無によるSDR画像の違いを把握することができる。なお、SDR画像901の代わりに、SDR画像902とは異なるオーバー対応レンジが設定されているSDR画像が表示されてもよい。そうすることで、ユーザーは、オーバー対応レンジの違いによるSDR画像の違いを把握することができる。
図9(c)に示すように、SDR画像902などにおいて、オーバー対応レンジの領域903を識別可能にしてもよい。そうすることで、ユーザーは、オーバー対応レンジの有無や違いによるSDR画像の違いをより容易に把握することができる。識別可能にする方法は特に限定されず、例えば、オーバー対応レンジの領域903を着色することで領域903を識別可能にすることができる。着色の方法や色などは特に限定されない。例えば、領域903の画素値を固定値に置き換えることで、領域903を着色することができる。SDR画像902の階調値が8bitの値(0~255)の場合には、領域903のRGB値(R値,G値,B値)を(255,0,0)に置き換えることで、領域903を赤色に着色することができる。領域903の輪郭の画素値を固定値にするなどし、領域903の輪郭を縁取って目立たせてもよい。領域903をゼブラパターンなどの所定のパターンで表示してもよい。SDR画像902の階調値または輝度のヒストグラムをさらに表示し、当該ヒストグラムのうち領域903に対応する部分を、着色などにより識別可能にしてもよい。
図9(d)に示すように、複数のSDR画像のいずれかを選択するユーザー操作が受け付け可能であってもよい。カーソル904は、SDR画像を選択するためのカーソルであり、ユーザーは4方向キーなどを用いてカーソル904を移動させることで、複数のSDR画像のいずれかを選択することができる。表示装置800は、例えば、ユーザー操作に応じて複数のSDR画像のいずれかを選択し、選択したSDR画像を外部機器に出力する。
図9(e)に示すように、表示装置800は、複数のSDR画像のうち、ユーザー操作に応じて選択したSDR画像は表示せず、HDR画像900と、選択したSDR画像とを共に表示してもよい。選択前の画面が図9(d)の画面である場合には、図9(e)の領域905に、SDR画像901またはSDR画像902が表示される。こうすることで、ユーザーは、オーバー対応レンジの違いによるSDR画像の違いを把握した後に、HDR-SDR変換による画質変化を把握することができる。
図9(f)は、HDR900と、3つのSDR画像901,902,906とを共に表
示する比較画面(4画面表示の比較画面)を示す。HDR900とSDR画像901,902とについては、上述したとおりである。SDR画像906は、SDR画像902とは異なるオーバー対応レンジが設定されているSDR画像である。例えば、SDR画像902は、最も広いオーバー対応レンジ(最も広いオーバーレンジに対応するオーバー対応レンジ)が設定されいるSDR画像であり、SDR画像906は、SDR画像902よりも狭いオーバー対応レンジが設定されているSDR画像である。SDR画像901,902,906のうちのいずれかは、実施例1~4と同様の変換テーブルTを用いて得られたSDR画像(第二画像)である。SDR画像901,902,906のうちの残りは、実施例1~4とは異なる変換テーブルTを用いて得られたSDR画像(第三画像)である。3つのSDR画像901,902,906のうちの2つが類似する場合には、類似する2つのSDR画像のうちの一方を表示せず、3画面表示としてもよい。空き領域(SDR画像が非表示となった領域)には、各種情報を表示してもよい。
示する比較画面(4画面表示の比較画面)を示す。HDR900とSDR画像901,902とについては、上述したとおりである。SDR画像906は、SDR画像902とは異なるオーバー対応レンジが設定されているSDR画像である。例えば、SDR画像902は、最も広いオーバー対応レンジ(最も広いオーバーレンジに対応するオーバー対応レンジ)が設定されいるSDR画像であり、SDR画像906は、SDR画像902よりも狭いオーバー対応レンジが設定されているSDR画像である。SDR画像901,902,906のうちのいずれかは、実施例1~4と同様の変換テーブルTを用いて得られたSDR画像(第二画像)である。SDR画像901,902,906のうちの残りは、実施例1~4とは異なる変換テーブルTを用いて得られたSDR画像(第三画像)である。3つのSDR画像901,902,906のうちの2つが類似する場合には、類似する2つのSDR画像のうちの一方を表示せず、3画面表示としてもよい。空き領域(SDR画像が非表示となった領域)には、各種情報を表示してもよい。
なお、オーバーホワイト判断部105によりオーバーレンジが存在しないと判断された場合には、制御部801は、HDR画像と、実施例1~4と同様の変換テーブルTを用いて得られたSDR画像との2つの画像のみ共に表示するように制御してもよい。そして、オーバーホワイト判断部105によりオーバーレンジが存在すると判断された場合には、制御部801は、図9(b),9(c),9(d),9(f)のように複数のSDR画像を共に表示するように制御してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。本発明によれば、オーバーホワイトを含んだSDR信号とオーバーホワイトを含まないSDR信号を視覚的に比較することが可能となり、また、好みのSDR信号を比較表示状態から選択し出力することが可能となる。
以上、本発明をその好適な実施形態(実施例)に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100,800:表示装置 105:オーバーホワイト判断部
106,802:SDRガンマ計算部 107,803:階調変換部
106,802:SDRガンマ計算部 107,803:階調変換部
Claims (30)
- 第一画像のダイナミックレンジに含まれる、所定の輝度よりも高い第一輝度レンジを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果に基づいて、前記第一画像を、ダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い第二画像に変換する第一変換手段と
を有し、
前記第一変換手段は、前記判断手段により判断された前記第一輝度レンジに基づいて、前記第二画像のダイナミックレンジに含まれる、前記第一輝度レンジに対応する第二輝度レンジを決定する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記第一輝度レンジは、オーバーホワイトの輝度レンジである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記第一変換手段は、前記第一輝度レンジが広いほど前記第二輝度レンジを広くする
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記第一変換手段は、前記所定の輝度と前記第一輝度レンジの最大輝度との比率に基づいて、前記第二輝度レンジを決定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第一変換手段は、前記所定の輝度に対応する前記第一画像の階調値と、前記第一輝度レンジの最大輝度に対応する前記第一画像の階調値との比率に基づいて、前記第二輝度レンジを決定する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第一変換手段は、前記第一画像のダイナミックレンジのうちの、前記第一輝度レンジの広さと、残りの輝度レンジから所定の輝度レンジを除いた輝度レンジの広さとの比率に基づいて、前記第二輝度レンジを決定する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記所定の輝度レンジは、前記第一画像の輝度の変化に対して前記第二画像の輝度が線形に変化する輝度レンジである
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記所定の輝度レンジは、前記第一画像の基準白の輝度以下の輝度レンジである
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記第一輝度レンジが変わっても、前記所定の輝度レンジにおける前記第一画像の輝度と前記第二画像の輝度との対応関係は変わらない
ことを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第二画像のダイナミックレンジは変更可能であり、
前記第一変換手段は、前記第一輝度レンジが広いほど前記第二画像のダイナミックレンジを広くする
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第一画像のダイナミックレンジを決定する決定手段と、
前記決定手段により決定されたダイナミックレンジに基づいて、入力画像を前記第一画
像に変換する第二変換手段と
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記入力画像のデータは、HLG(Hybrid Log-Gamma)方式のデータである
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、前記入力画像のデータに付加された付加データに基づいて前記第一画像のダイナミックレンジを決定する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、前記入力画像の階調値に基づいて前記第一画像のダイナミックレンジを決定する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、ユーザー操作に応じて前記第一画像のダイナミックレンジを決定することを特徴とする請求項11または12に記載の画像処理装置。
- 前記第一変換手段は、ユーザー操作に応じて、前記第一輝度レンジに基づく第二輝度レンジを決定する
ことを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第一画像はHDR(High Dynamic Range)画像であり、前記第二画像はSDR(Standard Dynamic Range)画像である
ことを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第二画像を表示するように制御する制御手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記制御手段は、前記判断手段の判断結果に基づいて得られた前記第二画像と、前記第一画像を変換して得られた、ダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い画像であり、且つ、前記第二画像とは異なる画像である第三画像とを共に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記制御手段は、前記第二画像と前記第三画像を共に表示した後に、ユーザー操作に応じて前記第二画像または前記第三画像を選択し、選択した画像を外部機器に出力するように制御する
ことを特徴とする請求項19に記載の画像処理装置。 - 前記制御手段は、前記第二画像と前記第三画像を共に表示した後に、ユーザー操作に応じて前記第二画像または前記第三画像を選択し、前記第二画像と前記第三画像のうち、選択しなかった画像は表示せず、選択した画像と、前記第一画像とを共に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項19または20に記載の画像処理装置。 - 前記制御手段は、
前記判断手段により前記第一輝度レンジが存在しないと判断された場合には、前記第三画像は表示せず、前記第一画像と前記第二画像を共に表示するように制御し、
前記判断手段により前記第一輝度レンジが存在すると判断された場合には、前記第二画像と前記第三画像を共に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項19~21のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記制御手段は、前記第三画像として、
前記第一輝度レンジが存在しないと仮定して得られる画像、
前記所定の輝度よりも高い輝度レンジであり且つ前記第一輝度レンジよりも狭い輝度レンジである第三輝度レンジを前記第一輝度レンジの代わりに用いて得られる画像、及び、
前記所定の輝度よりも高い輝度レンジであり且つ前記第一輝度レンジよりも広い輝度レンジである第四輝度レンジを前記第一輝度レンジの代わりに用いて得られる画像
の少なくともいずれかを表示するように制御する
ことを特徴とする請求項19~22のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記制御手段は、前記第二画像と前記第三画像を共に表示する際に、前記第一画像をさらに表示するように制御する
ことを特徴とする請求項19~23のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記制御手段は、表示する画像のうち、前記第二輝度レンジに対応する領域を識別可能にするように制御する
ことを特徴とする請求項18~24のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 第一画像を、各々のダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い第二画像と第三画像に変換する変換手段と、
前記第二画像と前記第三画像を共に表示するように制御する制御手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1~26のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
画像を表示する表示部と
を有することを特徴とする表示装置。 - 第一画像のダイナミックレンジに含まれる、所定の輝度よりも高い第一輝度レンジを判断する判断ステップと、
前記判断ステップでの判断結果に基づいて、前記第一画像を、ダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い第二画像に変換する第一変換ステップと
を有し、
前記第一変換ステップでは、前記判断ステップで判断された前記第一輝度レンジに基づいて、前記第二画像のダイナミックレンジに含まれる、前記第一輝度レンジに対応する第二輝度レンジを決定する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 第一画像を、各々のダイナミックレンジが前記第一画像のダイナミックレンジよりも狭い第二画像と第三画像に変換する変換ステップと、
前記第二画像と前記第三画像を共に表示するように制御する制御ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを、請求項1~26のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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