JP2022136874A - 半導体加工用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】切削片のチップへの付着を抑制する効果に優れた半導体加工用シートを提供する。【解決手段】基材と、前記基材における片面側に積層された半導体貼付層とを備える半導体加工用シートであって、前記半導体加工用シートを長辺60mm×短辺15mmの矩形に切り出し、半導体貼付層の面側から、基材の残りの厚さが40μmとなるまで、長辺の中央の位置に、短辺と平行な切り込みを入れてなる試験片について、23℃および50℃の環境下で、チャック間距離30mm、引張速度1000mm/minにて引張試験を行った場合に、23℃および50℃のそれぞれの環境下で測定された破断伸度が、以下の式(1)50℃における破断伸度/23℃における破断伸度≧3.0 …(1)を満たす半導体加工用シート。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウエハ等の加工に使用される半導体加工用シートに関するものである。
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハや各種パッケージ類(以下、「被加工物」という場合がある。)は、大径の状態で製造され、チップに切断(ダイシング)され、剥離(ピックアップ)された後に、次の工程であるマウント工程に移される。この際、半導体ウエハ等の被加工物は、基材と、粘着剤層等の半導体貼付層とを備えるシート(以下、「半導体加工用シート」という場合がある。)上に積層された状態で、バックグラインド、ダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップ、マウンティング等の加工が行われる。
上述したダイシングの具体的な手法として一般的なフルカットダイシングでは、回転する丸刃(ダイシングブレード)によって、被加工物の切断が行われる。通常、半導体加工用シートに積層された被加工物が確実に切断されるように、被加工物のみならず半導体貼付層も切断され、さらに基材の一部も切断される。このとき、半導体貼付層および基材を構成する材料からなる切削片が半導体加工用シートから発生し、当該切削片によって、切断後の被加工物が汚染される場合がある。当該切削片の典型的な形態の一つとしては、ダイシングライン上、またはダイシングにより分離されたチップの断面付近に付着する糸状の切削片がある。
上記糸状の切削片がチップに多量に付着したままチップの封止を行うと、チップに付着する糸状の切削片が封止の熱で分解し、この熱分解物がパッケージを破壊したり、得られるデバイスにて動作不良の原因となったりする。この糸状の切削片は、そのサイズが大きいほど洗浄により除去することが困難であるため、糸状の切削片の付着によってダイシング工程の歩留まりは著しく低下する。それゆえ、半導体加工用シートを用いてダイシングを行う場合には、糸状の切削片のチップへの付着を防止することが求められている。
上記切削片の付着を抑制することを目的として、特許文献1には、所定の条件で電子線を照射して得られるポリオレフィン系フィルムをダイシングシートの基材フィルムとして用いることが開示されている。
特開2014-187244号公報
しかしながら、半導体デバイスの微細化が益々進む状況下において、切削片の付着をさらに抑制できる半導体加工用シートが求められている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、切削片のチップへの付着を抑制する効果に優れた半導体加工用シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、前記基材における片面側に積層された半導体貼付層とを備える半導体加工用シートであって、前記半導体加工用シートを長辺60mm×短辺15mmの矩形に切り出し、半導体貼付層の面側から、基材の残りの厚さが40μmとなるまで、長辺の中央の位置に、短辺と平行な切り込みを入れてなる試験片について、23℃および50℃の環境下で、チャック間距離30mm、引張速度1000mm/minにて引張試験を行った場合に、23℃および50℃のそれぞれの環境下で測定された破断伸度が、以下の式(1)
50℃における破断伸度/23℃における破断伸度≧3.0 …(1)
を満たすことを特徴とする半導体加工用シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る半導体加工用シートは、破断伸度に関する上述した条件を満たすことにより、切削片のチップへの付着を良好に抑制することができる。
上記発明(発明1)において、前記試験片について前記引張試験を行った場合に、23℃および50℃のそれぞれの環境下で測定された破断エネルギーが、以下の式(2)
50℃における破断エネルギー/23℃における破断エネルギー≧2.0…(2)
を満たすことが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記基材の材料は、ポリオレフィン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂の少なくとも一種を含むことが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1~3)において、前記半導体貼付層は、粘着剤層、接着剤層および保護膜形成層の少なくとも一層を含むことが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1~4)においては、ダイシングのために使用されることが好ましい(発明5)。
本発明に係る半導体加工用シートを用いてダイシングを行った場合、切削片のチップへの付着を良好に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る半導体加工用シートは、基材と、当該基材における片面側に積層された半導体貼付層とを備える。
そして、本実施形態に係る半導体加工用シートは、所定の引張試験を行って測定される23℃における破断伸度(%)および50℃における破断伸度(%)について、以下の式(1)
50℃における破断伸度/23℃における破断伸度≧3.0 …(1)
を満たすものである。
ここで、上記引張試験とは、まず、本実施形態に係る半導体加工用シートを長辺60mm×短辺15mmの矩形の形状に切り出す。この切り出しによって得られた裁断片について、半導体貼付層の面側から、基材の残りの厚さが40μmとなるまで、長辺の中央の位置に、短辺と平行な切り込みを入れる。ここで、半導体加工用シートが後述する剥離シートを備える場合には、剥離シートを剥離・除去する。このようにして得られた試験片について、23℃および50℃という2つの温度環境下で、チャック間距離30mm、引張速度1000mm/minにて引張試験をそれぞれ行う。これによって測定される破断伸度(%)が、上記式(1)に係る23℃における破断伸度および50℃における破断伸度である。
本実施形態に係る半導体加工用シートは、破断伸度に関する上記式(1)の条件を満たすことにより、ダイシングブレードを用いてダイシングした際に生じる切削片(特に、糸状の切削片)がチップに付着することを良好に抑制することができる。この理由のとしては、以下のことが考えられる。但し、以下の理由に限定されるものではなく、その他の事象も相まった複合的理由や全く異なる理由の可能性も否定されない。
通常のダイシングでは、回転するダイシングブレードと、半導体ウエハや半導体加工用シートとの接触部位では、それらの摩擦によって、温度が50℃以上まで上昇する。それと同時に、回転するダイシングブレードによって掻き上げられることにより、上記接触部位において、半導体加工用シートを構成する材料に対して、引き伸ばそうとする力が印加される。その一方、通常のダイシングでは、過度な加熱を抑制するため、上記接触部位に対して流水(切削水)を供給して、ダイシングブレード等の冷却が行われる。ここで、本実施形態に係る半導体加工用シートは、上記式(1)を満たしていることにより、50℃といった高温の場合に比べて、23℃といった低温の場合において、半導体加工用シートの切断(破断)が生じ易い。このような半導体加工用シートでは、上記接触部位、すなわち引き伸ばしの力が印加されている部位では伸長し易い。その一方、接触部位から離れた位置では、引き伸ばしの力が弱まるとともに、熱源から離れて切削水による冷却され易くなることにより、切断され易くなる。その結果、本実施形態に係る半導体加工用シートの場合、長く引き伸ばされた糸状の切削片が発生し難くなり、当該切削片がチップに付着することが効果的に抑制される。
切削片の付着をより効果的に抑制する観点から、上述した破断伸度の比(50℃における破断伸度/23℃における破断伸度)は、5.0以上であることが好ましく、特に6.0以上であることが好ましい。なお、上述した破断伸度の比の上限値については特に限定されず、例えば30以下であってよく、特に20以下であってよく、さらには10以下であってよい。
また、上述した23℃における破断伸度は、10%以上であることが好ましく、特に20%以上であることが好ましく、さらには30%以上であることが好ましい。また、23℃における破断伸度は、100%以下であることが好ましく、特に70%以下であることが好ましく、さらには50%以下であることが好ましい。23℃における破断伸度がこれらの範囲であることで、上述した破断伸度の比を達成し易いものとなる。
さらに、上述した50℃における破断伸度は、100%以上であることが好ましく、特に200%以上であることが好ましく、さらには250%以上であることが好ましい。また、50℃における破断伸度は、600%以下であることが好ましく、特に350%以下であることが好ましく、さらには300%以下であることが好ましい。50℃における破断伸度がこれらの範囲であることで、上述した破断伸度の比を達成し易いものとなる。
また、本実施形態に係る半導体加工用シートでは、上述した破断伸度の測定と同様に試験片を作製し、上述した引張試験を行った場合に測定される、23℃における破断エネルギーおよび50℃における破断エネルギーについて、以下の式(2)
50℃における破断エネルギー/23℃における破断エネルギー≧2.0 …(2)
を満たすことも好ましい。
特に、上記破断エネルギーの比(50℃における破断エネルギー/23℃における破断エネルギー)は、特に2.4以上であることが好ましく、さらには5.0以上であることが好ましい。上記破断エネルギーの比がこれらの範囲であることにより、前述した破断伸度の比を満たし易くなり、切削片のチップへの付着を効果的に抑制し易いものとなる。なお、上述した破断エネルギーの比の上限値については特に限定されず、例えば25以下であってよく、特に21以下であってよく、さらには10以下であってよい。
上述した23℃における破断エネルギーは、20N・mm以上であることが好ましく、特に40N・mm以上であることが好ましく、さらには100N・mm以上であることが好ましい。また、23℃における破断エネルギーは、300N・mm以下であることが好ましく、特に200N・mm以下であることが好ましく、さらには150N・mm以下であることが好ましい。23℃における破断エネルギーがこれらの範囲であることで、上述した破断エネルギーの比を達成し易いものとなる。
さらに、上述した50℃における破断エネルギーは、300N・mm以上であることが好ましく、特に500N・mm以上であることが好ましく、さらには700N・mm以上であることが好ましい。また、50℃における破断エネルギーは、2000N・mm以下であることが好ましく、特に1500N・mm以下であることが好ましく、さらには1000N・mm以下であることが好ましい。50℃における破断エネルギーがこれらの範囲であることで、上述した破断エネルギーの比を達成し易いものとなる。
以上の破断伸度および破断エネルギーの測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。なお、上述の通り、上記破断伸度および破断エネルギーを測定するための引張試験においては、基材の残りの厚さが40μmとなるまで半導体加工用シートに切り込みを入れる。このことは、本実施形態に係る半導体加工用シートにおける基材の厚さが、必ず40μm以上となっていることを意味するものではない。すなわち、本実施形態における基材の厚さは40μm未満であってもよい。基材の厚さが40μm未満である場合、破断伸度および破断エネルギーは、当該基材と同一の材料により厚さが40μm以上となるよう作製した試験用基材を備える半導体加工用シートを用いて測定されたものとする。
1.基材
本実施形態における基材は、前述した破断伸度の比を満たすとともに、半導体加工用シートの使用時における所望の機能を発揮し得るものである限り、特に限定されない。
本実施形態における基材は、前述した破断伸度の比を満たし易いという観点から、樹脂系の材料を主材とする樹脂フィルムであることが好ましい。特に、本実施形態における基材は、ポリオレフィン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂の少なくとも一種を含むことが好ましい。基材がこれらの樹脂を含むことにより、半導体加工用シートが前述した破断伸度の比を満たし易いものとなる。
上記ポリオレフィン系樹脂の好ましい例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、エチレン-ノルボルネン共重合体、ノルボルネン樹脂等が挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂の好ましい例として、エチレンとα-オレフィンとの共重合体、およびα-オレフィンとプロピレンとの共重合体も挙げられる。
上記ポリエチレンの好ましい例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。これらの中でもでも、LDPEおよびHDPEが好ましい。
上記エチレンとα-オレフィンとの共重合体の好ましい例としては、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。当該エチレン-プロピレン共重合体としては、当該共重合体を構成するエチレンモノマーとプロピレンモノマーとの質量比は、1:99~50:50であることが好ましく、特に5:95~40:60であることが好ましく、さらには8:92~30:70であることが好ましい。このような構成のエチレン-プロピレン共重合体を使用することで、半導体加工用シートが前述した破断伸度の比を満たし易いものとなる。
以上の樹脂の中でも、前述した破断伸度の比を良好に満たし易くなるという観点から、LDPE、HDPEおよびエチレン-プロピレン共重合体の少なくとも一種を使用することが好ましく、特に、これらの樹脂のうち2種以上を混合して使用することが好ましい。
基材の材料としてLDPEを使用する場合、基材中のLDPEの含有量は、5質量%以上であることが好ましく、特に10質量%以上であることが好ましく、さらには15質量%以上であることが好ましい。また、基材中のLDPEの含有量は、99質量%以下であることが好ましく、特に97質量%以下であることが好ましく、さらには95質量%以下であることが好ましい。LDPEの含有量が上記範囲であることで、半導体加工用シートが前述した破断伸度の比を良好に満たし易いものとなる。
基材の材料としてHDPEを使用する場合、基材中のHDPEの含有量は、5質量%以上であることが好ましく、特に10質量%以上であることが好ましく、さらには15質量%以上であることが好ましい。また、基材中のHDPEの含有量は、90質量%以下であることが好ましく、特に80質量%以下であることが好ましく、さらには70質量%以下であることが好ましい。HDPEの含有量が上記範囲であることで、半導体加工用シートが前述した破断伸度の比を良好に満たし易いものとなる。
基材の材料としてエチレン-プロピレン共重合体を使用する場合、基材中のエチレン-プロピレン共重合体の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、特に10質量%以上であることが好ましく、さらには15質量%以上であることが好ましい。また、基材中のエチレン-プロピレン共重合体の含有量は、90質量%以下であることが好ましく、特に85質量%以下であることが好ましく、さらには80質量%以下であることが好ましい。エチレン-プロピレン共重合体の含有量が上記範囲であることで、半導体加工用シートが前述した破断伸度の比を良好に満たし易いものとなる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂の好ましい例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・エチレン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの中でも、前述した破断伸度の比を良好に満たし易くなるという観点から、ポリ塩化ビニルを使用することが好ましい。
基材の材料としてポリ塩化ビニルを使用する場合、基材中のポリ塩化ビニルの含有量は、40質量%以上であることが好ましく、特に50質量%以上であることが好ましく、さらには60質量%以上であることが好ましい。また、基材中のポリ塩化ビニルの含有量は、99質量%以下であることが好ましく、特に97質量%以下であることが好ましく、さらには95質量%以下であることが好ましい。ポリ塩化ビニルの含有量が上記範囲であることで、半導体加工用シートが前述した破断伸度の比を良好に満たし易いものとなる。
本実施形態における基材は、上述した樹脂とともにその他の樹脂を含有してもよく、あるいは、上述した樹脂の代わりにその他の樹脂からなるものであってもよい。当該その他の樹脂の例としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体;エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、その他のエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;(メタ)アクリル酸エステル共重合体;ポリウレタン;ポリイミド;ポリスチレン;ポリカーボネート;フッ素樹脂等が挙げられる。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。
本実施形態における基材は、以上の樹脂からなるフィルムの架橋フィルム、アイオノマーフィルムといった変性フィルムであってもよい。また、本実施形態における基材は、以上の樹脂からなるフィルムが複数積層されてなる積層フィルムであってもよい。この積層フィルムにおいて、各層を構成する材料は同種であってもよく、異種であってもよい。
本実施形態における基材は、以上の樹脂とともにコアシェルゴムを含有することが好ましい。特に、本実施形態における基材がポリ塩化ビニル系樹脂(特にポリ塩化ビニル)を含有する場合には、コアシェルゴムを含有することが好ましい。
上記コアシェルゴムの例としては、メタクリル酸エステル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル・スチレン/スチレン・ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/スチレン・ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/エチレン・プロピレンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル・スチレン/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、およびメタクリル酸エステル・アクリロニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体等が挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸エステル・スチレン/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体が好ましく、特にメタクリル酸メチル・スチレン/アクリル酸エチルゴムグラフト共重合体が好ましい。
基材の材料としてコアシェルゴムを使用する場合、基材中のコアシェルゴムの含有量は、1質量%以上であることが好ましく、特に3質量%以上であることが好ましく、さらには5質量%以上であることが好ましい。また、基材中のコアシェルゴムの含有量は、50質量%以下であることが好ましく、特に40質量%以下であることが好ましく、さらには30質量%以下であることが好ましい。コアシェルゴムの含有量が上記範囲であることで、半導体加工用シートが前述した破断伸度の比を良好に満たし易いものとなる。
本実施形態における基材は、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、イオン捕捉剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤の含有量としては、特に限定されないものの、基材が所望の機能を発揮する範囲とすることが好ましい。
基材の半導体貼付層が積層される面には、半導体貼付層との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理が施されてもよい。
本実施形態における基材の厚さは、40μm以上であることが好ましく、特に50μm以上であることが好ましく、さらには60μm以上であることが好ましい。基材の厚さが40μm以上であることで、基材の強度が十分なものとなり、被加工物をシート上に良好に保持し易いものとなる。また、当該厚さは、300μm以下であることが好ましく、特に200μm以下であることが好ましく、さらには150μm以下であることが好ましい。基材の厚さが300μm以下であることで、エキスパンド工程等の際に良好に伸張し易くなる。
2.半導体貼付層
本実施形態における半導体貼付層は、本実施形態に係る半導体加工用シートを用いて被加工物を加工する際に、当該被加工物を保持可能である限り、その種類は特に限定されない。半導体貼付層の好ましい例としては、接着剤層、粘着剤層、保護膜形成層、およびこれらの2層以上の積層体等が挙げられる。
半導体貼付層が接着剤層である場合、本実施形態に係る半導体加工用シートは、例えばダイボンディングシートとして使用することができる。当該接着剤層を構成する材料としては、ダイシングの際にウエハを固定し、さらに、個片化されたチップに対して接着剤層を形成できるものであれば、特に制限はなく使用することができる。このような接着剤層を構成する材料としては、熱可塑性樹脂と低分子量の熱硬化性接着成分とからなるものや、Bステージ(半硬化状)の熱硬化型接着成分からなるもの等が用いられる。これらの中でも、接着剤層を構成する材料としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性接着成分とを含むものであることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル系共重合体、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミドなどが挙げられるが、中でも、粘着性および造膜性(シート加工性)の点から(メタ)アクリル系共重合体が好ましい。熱硬化性接着成分としては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、シアネート系樹脂、ビスマレイミドトリアジン系樹脂、アリル化ポリフェニレンエーテル系樹脂(熱硬化性PPE)、ホルムアルデヒド系樹脂、不飽和ポリエステルまたはこれらの共重合体などが挙げられるが、中でも、接着性の観点からエポキシ系樹脂が好ましい。
半導体貼付層が粘着剤層である場合、本実施形態に係る半導体加工用シートは、例えばダイシングシートとして使用することができる。当該粘着剤層は、非活性エネルギー線硬化性粘着剤から構成されてもよいし、活性エネルギー線硬化性粘着剤から構成されてもよい。非活性エネルギー線硬化性粘着剤としては、所望の粘着力および再剥離性を有するものが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤等を使用することができる。これらの中でも、ダイシング工程等にて被加工物やチップ等の脱落を効果的に抑制することのできるアクリル系粘着剤が好ましい。
半導体貼付層は、粘着剤層と接着剤層とからなる積層体であることも好ましい。この場合、粘着剤層は基材に近位な側に位置し、接着剤層は基材に遠位な側に位置することが好ましい。このような本実施形態に係る半導体加工用シートは、例えばダイシング・ダイボンディングシートとして使用することができる。粘着剤層を構成する粘着剤としては、例えば前述したものを使用することができる。また、接着剤層を構成する接着剤としては、例えば前述したものを使用することができる。
半導体貼付層は、粘着剤層と保護膜形成層とからなる積層体であることも好ましい。この場合、粘着剤層は基材に近位な側に位置し、保護膜形成層は基材に遠位な側に位置することが好ましい。このような本実施形態に係る半導体加工用シートは、被加工物のダイシングに使用でき、さらにはダイシング後、保護膜形成層を加熱等することより、得られたチップに保護膜を形成することができる。保護膜形成層は、未硬化の硬化性接着剤からなることが好ましい。また、保護膜形成層は、常温で粘着性を有するか、加熱により粘着性を発揮することが好ましい。これらの特性を有する保護膜形成層を構成する硬化性接着剤としては、例えば、硬化性成分とバインダーポリマー成分とを含有するものが挙げられる。
半導体貼付層の厚さは、3μm以上であることが好ましく、特に5μm以上であることが好ましく、さらには10μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、40μm以下であることが好ましく、特に30μm以下であることが好ましく、さらには20μm以下であることが好ましい。半導体貼付層の厚さがこれらの範囲であることで、半導体加工用シートが、半導体加工における所望の性能を発揮し易いものとなる。
3.剥離シート
本実施形態に係る半導体加工用シートでは、半導体貼付層における被加工物が貼付される面を被加工物に貼付するまでの間、当該面を保護する目的で、当該面に剥離シートが積層されていてもよい。
上記剥離シートの構成は任意であり、樹脂フィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
上記剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができ、これらの中でも、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。
上記剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20μm以上、250μm以下である。
4.半導体加工用シートの製造方法
本実施形態に係る半導体加工用シートの製造方法は特に限定されず、一般的な方法を使用することができる。
基材の作製方法としては、例えば、Tダイ法、丸ダイ法等の溶融押出法;カレンダー法;乾式法、湿式法等の溶液法等が挙げられる。これらのうち、溶融押出法により作製する場合には、基材の材料を混練し、得られた混練物から直接、または一旦ペレットを製造したのち、公知の押出機を用いて製膜すればよい。
半導体貼付層が粘着剤層または接着剤層からなる場合には、例えば、剥離シートの剥離面上に半導体貼付層を形成し、当該半導体貼付層上に基材を圧着して積層させることで、半導体加工用シートを製造することができる。
この場合、剥離シートの剥離面上における半導体貼付層の形成は、一般的な方法により行うことができる。まず、粘着剤層または接着剤層の材料を含む組成物と、所望によりさらに溶媒または分散媒とを含有する塗液を調製する。続いて、当該塗液を、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等の塗工機を用いて、剥離シートの剥離面上に塗布し、乾燥等させることにより半導体貼付層を形成することができる。
半導体貼付層が、粘着剤層と接着剤層とからなる積層体、または粘着剤層と保護膜形成層とからなる積層体である場合、まず、上述した方法により、剥離シートと粘着剤層と基材とが順に積層された第1の積層体を得る。これと並行して、接着剤層または保護膜形成層の材料を含む組成物と、所望によりさらに溶媒または分散媒とを含有する塗液を、上述した塗工機を用いて、剥離シートの剥離面上に塗布し、乾燥等させ、剥離シートと接着剤層または保護膜形成層とからなる第2の積層体を得る。次に、第1の積層体から剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層側の面と、第2の積層体の接着剤層または保護膜形成層側の面とを貼り合せることで、半導体加工用シートを得ることができる。
5.半導体加工用シートの使用方法
本実施形態に係る半導体加工用シートは、半導体材料の加工のために使用することができる。すなわち、本実施形態に係る半導体加工用シートの半導体貼付層側の面を被加工物(半導体材料)に貼付した後、半導体加工用シート上にて当該被加工物の加工を行うことができる。被加工物(半導体材料)の例としては、半導体チップ、半導体ウエハ、半導体パッケージ等が挙げられる。また、加工の例としては、バックグラインド、ダイシング、エキスパンド、ピックアップ等が挙げられる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、基材と半導体貼付層との間、または基材における半導体貼付層とは反対側の面には、その他の層が設けられてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔調製例1〕(接着剤組成物の調製)
以下のアクリル系重合体、エポキシ樹脂、硬化剤/硬化促進剤、フィラー、熱可塑性樹脂、光重合開始剤およびシランカップリング剤を混合して接着剤組成物を得た後、固形分濃度が40質量%となるようにメチルエチルケトン中で混合して、接着剤組成物の塗布液を調製した。
<アクリル系重合体>
アクリル酸n-ブチル55質量部(固形分換算,以下同じ)、アクリル酸メチル10質量部、メタクリル酸グリシジル18質量部およびアクリル酸2-ヒドロキシエチル17質量部を溶液重合法により共重合させて得たアクリル系重合体(重量平均分子量:70万)を100質量部
<エポキシ樹脂>
トリフェニレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製,製品名「EPPN-502H」,エポキシ当量:167,軟化点:54℃,重量平均分子量:1200)を150質量部
アクリルゴム微粒子分散エポキシ樹脂(日本触媒社製,製品名「アクリセットBPA328」,エポキシ当量:235,液状)を150質量部
<硬化剤/硬化促進剤>
ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子社製,製品名「BRG-556」,水酸基当量:104,軟化点:80℃)を140質量部
2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成社製,製品名「キュアゾール2PHZ-PW」)を2質量部
<フィラー>
シリカフィラー(アドマテックス社製,製品名「アドマファインSC2050MA」,表面修飾:エポキシ基修飾,平均粒子径:500nm)を90質量部
<熱可塑性樹脂>
ポリエステル樹脂(東洋紡社製,製品名「バイロン220」,数平均分子量:3000,ガラス転移温度:53℃)を135質量部
<紫外線硬化性成分>
トリシクロデカンジメチロールジアクリレート(日本化薬社製,製品名「KAYARAD R-684」,分子量:304)を35質量部
<光重合開始剤>
1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製,製品名「IRGACURE 184」)を1質量部
<シランカップリング剤>
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを付加させたシリケート化合物(三菱ケミカル社製,製品名「MSEP2」)を4質量部
フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ社製,製品名「DOWSIL Z-6883 Silane」)を1.5質量部
〔調製例2〕(粘着剤組成物の調製)
アクリル酸n-ブチル95質量部およびアクリル酸2-ヒドロキシエチル5質量部を溶液重合法により共重合させ、アクリル系重合体(重量平均分子量:80万)を得た。当該アクリル系重合体100質量部と、架橋剤としてのトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(トーヨーケム社製,製品名「BHS8515」)5質量部とを、固形分濃度が30質量%となるように酢酸エチル中で混合して、粘着剤組成物の塗布液を調製した。
〔実施例1〕
(1)基材の作製
低密度ポリエチレン52.5質量部、高密度ポリエチレン22.5質量部、およびエチレン-プロピレン共重合体(エチレンモノマーとプロピレンモノマーとの質量比は10:90)25質量部を、小型Tダイ押出機(東洋精機製作所社製,製品名「ラボプラストミル」)によって押出成形し、厚さ80μmの基材を得た。
(2)接着剤層の形成
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる第1の剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET381031」,厚さ:38μm)と、厚さ38μmのPETフィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる第2の剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET381130」,厚さ:38μm)とを用意した。
次に、第1の剥離シートの剥離面上に、調製例1で調製した接着剤組成物の塗布液を、ナイフコーターを用いて塗布し、乾燥させ、第1の剥離シートの剥離面上に、厚さ5μmの接着剤層を形成した。その後、当該接着剤層に第2の剥離シートの剥離面を重ねて両者を貼り合わせ、第1の剥離シートと、接着剤層(厚さ:5μm)と、第2の剥離シートとからなる積層体を得た。その後、当該積層体を、温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生した。
(3)半導体加工用シートの作製
上記工程(2)で形成した積層体から第2の剥離シートを剥がし、接着剤層を露出させた。この接着剤層の露出面を、上記工程(1)で作製した基材の片面に貼り合わせた。この貼り合わせによって得られた積層体を、23℃、50%の環境下で1週間保管した。これにより、剥離シートと、半導体貼付層としての接着剤層と、基材とが順に積層されてなる半導体加工用シートを得た。
〔実施例2~4〕
基材の材料の種類および配合比を表1に記載の通り変更した以外、実施例1と同様にして半導体加工用シートを得た。
〔実施例5〕
厚さ38μmのPETフィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET3801」)の剥離面に対して、コンマコーターを用いて、調製例2で調製した粘着剤組成物の塗布液を塗布し、90℃で1分間乾燥させることで、剥離シート上に、厚さ10μmの粘着剤層を形成した。これにより、半導体貼付層としての粘着剤層と剥離シートとからなる積層体を得た。
一方、低密度ポリエチレン50質量部、およびエチレン-プロピレン共重合体(エチレンとプロピレンとの質量比は10:90)50質量部を、小型Tダイ押出機(東洋精機製作所社製,製品名「ラボプラストミル」)によって押出成形し、厚さ80μmの基材を得た。
上記の通り得られた基材の片面に、上記の通り得られた粘着剤層と剥離シートとからなる積層体における粘着剤層側の面を貼り合わせた後、23℃、50%の環境下で1週間保管した。これにより、剥離シートと、半導体貼付層としての粘着剤層と、基材とが順に積層されてなる半導体加工用シートを得た。
〔実施例6〕
実施例1の工程(2)と同様にして、第1の剥離シートと接着剤層と第2の剥離シートとからなる積層体を得た。当該積層体から第2の剥離シートを剥離し、接着剤層を露出させた。
一方、実施例5と同様にして、剥離シートと、粘着剤層と、基材とが順に積層されてなる半導体加工用シートを得た。当該半導体加工用シートから剥離シートを剥離し、粘着剤層を露出させた。
そして、上述した接着剤層の露出面と、上述した粘着剤層の露出面とを貼り合わせた後、23℃、50%の環境下で1週間保管した。これにより、剥離シートと、半導体貼付層としての接着剤層と、半導体貼付層としての粘着剤層と、基材とが順に積層されてなる、実施例6としての半導体加工用シートを得た。
〔比較例1~4〕
基材の材料の種類および配合比を表1に記載の通り変更した以外、実施例1と同様にして半導体加工用シートを得た。
〔比較例5〕
エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)(三井デュポンポリケミカル社製,製品名「ニュクレルN0903HC」)を、小型Tダイ押出機(東洋精機製作所社製,製品名「ラボプラストミル」)によって押出成形し、厚さ80μmのEMAAフィルムを得た。
得られたフィルムを、45m/分の速度で、電子線照射装置(ESI社製,製品名「TYPE300/165/800」)を通過させることにより、当該フィルムの一方の主面側から電子線を照射した。照射条件は次のとおりとした。
照射量:110kGy
照射時間:2.2秒
なお、照射回数は1回であったため、上記の照射量および照射時間は、それぞれ、積算照射量および積算照射時間に相当する。
以上により得られた、電子線(EB)照射済みのEMAAフィルムを基材として用いた以外、実施例1と同様に半導体加工用シートを得た。
〔試験例1〕(破断伸度および破断エネルギーの測定)
実施例および比較例で製造した半導体加工用シートを、長辺60mm×短辺15mmの矩形の形状に裁断し、裁断片を得た。このとき、当該裁断片の長辺が、基材のMD方向(基材の製造時の流れ方向)と平行となるように裁断した。
続いて、上記裁断片において、長辺方向に二分する位置(長辺30mm×短辺15mmの矩形を2つ生じさせる位置)に切り込みを入れた。すなわち、裁断片における長辺の中央の位置に、短辺と平行な切り込みを入れた。当該切り込みは、剥離シート側の面から入れ、切り込みの深さは、基材の残りの厚さが40μmとなる深さとした。その後、剥離シートを剥離・除去することにより、試験片を得た。
得られた試験片について、23℃の環境下で、引張試験機(島津製作所製,製品名「オートグラフAG-IS 500N」)を用いて、チャック間の距離を30mmとした上で、1000mm/minの速度で、試験片を長辺方向に引っ張る引張試験を行い、破断伸度(%)および破断エネルギー(N・mm)を測定した。それらの結果を、23℃における破断伸度および破断エネルギーとして、表1に示す。
また、上記と同様に得た試験片について、50℃の環境下において、上記と同様に引張試験を行い、破断伸度(%)および破断エネルギー(N・mm)を測定した。それらの結果も、50℃における破断伸度および破断エネルギーとして、表1に示す。
さらに、上述の通り測定された破断伸度および破断エネルギーに基づいて、50℃における破断伸度と23℃における破断伸度との比(50℃における破断伸度/23℃における破断伸度)、および50℃における破断エネルギーと23℃における破断エネルギーとの比(50℃における破断エネルギー/23℃における破断エネルギー)を算出した。これらの結果も、表1に示す。
〔試験例2〕(切削片の数の測定)
実施例および比較例にて製造した半導体加工用シートから剥離シートを剥離して露出した半導体貼付層(接着剤層または粘着剤層)の露出面を、半導体ウエハ(厚さ40μmの8インチを1/4にカットしたもの)の片面に貼付した。そして、以下のダイシング条件で、半導体ウエハのダイシングを行い、8mm×8mmのチップサイズに個片化した。
<ダイシング条件>
・ダイシング装置 :ディスコ社製,製品名「DFD-651」
・ブレード :ディスコ社製,製品名「27HEEE」
・刃の厚さ :0.020~0.025mm
・刃先出し量 :0.510~0.640mm
・ブレード回転数 :30000rpm
・切削速度 50mm/秒
・切り込み深さ:基材に対して20μm
・切削水量 :1.0L/分
・切削水温度 :20℃
得られた半導体チップを半導体加工用シートから取り外し、当該半導体チップにおける半導体加工用シートに貼付された面のダイシングライン付近に付着している切削片の数を計測した。このとき、基材のMD方向に平行なダイシングラインに沿って付着している切削片と、当該MD方向に直交する方向(CD方向)に平行なダイシングラインに沿って付着している切削片とを分けた計測した。また、計測は、MD方向およびCD方向のそれぞれのダイシングラインの測定総距離が40cmとなるまで、複数の導体チップを用いて行った。MD方向に係る切削片の数、CD方向に係る切削片の数、およびこれらの合計数を表1に示す。
なお、表1に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
LDPE:低密度ポリエチレン
HDPE:高密度ポリエチレン
PP-PE共重合体:エチレン-プロピレン共重合体(エチレンとプロピレンとの質量比は10:90)
PVC:ポリ塩化ビニル
コアシェルゴム:メタクリル酸メチル・スチレン/アクリル酸エチルゴムグラフト共重合体(三菱ケミカル社製,製品名「メタブレンW-300A」)
TPO:オレフィン系熱可塑性エラストマー
EMAA:エチレン-メタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル社製,製品名「ニュクレルN0903HC」)
Figure 2022136874000001
表1から分かるように、実施例で製造して半導体加工用シートでは、比較例に比べて、切削片の数が大幅に少なかった。
本発明の半導体加工用シートは、半導体ウエハ等の加工に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材における片面側に積層された半導体貼付層とを備える半導体加工用シートであって、
    前記半導体加工用シートを長辺60mm×短辺15mmの矩形に切り出し、半導体貼付層の面側から、基材の残りの厚さが40μmとなるまで、長辺の中央の位置に、短辺と平行な切り込みを入れてなる試験片について、23℃および50℃の環境下で、チャック間距離30mm、引張速度1000mm/minにて引張試験を行った場合に、23℃および50℃のそれぞれの環境下で測定された破断伸度が、以下の式(1)
    50℃における破断伸度/23℃における破断伸度≧3.0 …(1)
    を満たすことを特徴とする半導体加工用シート。
  2. 前記試験片について前記引張試験を行った場合に、23℃および50℃のそれぞれの環境下で測定された破断エネルギーが、以下の式(2)
    50℃における破断エネルギー/23℃における破断エネルギー≧2.0…(2)
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の半導体加工用シート。
  3. 前記基材の材料は、ポリオレフィン系樹脂およびポリ塩化ビニル系樹脂の少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体加工用シート。
  4. 前記半導体貼付層は、粘着剤層、接着剤層および保護膜形成層の少なくとも一層を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体加工用シート。
  5. ダイシングのために使用されることを特徴とする請求項1~4のいずれ一項に記載の半導体加工用シート。
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