JP2022098386A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

Abstract

【課題】還元剤添加部をエルボ部に配設する構造において、エルボ部を通過する排気ガスと還元剤を均一に混合できる排気ガス浄化装置を提案する。【解決手段】排気ガス浄化装置１０１のエルボ部１１０には、チャンバ１３０を指向する凸部１１２および還元剤添加部１２０が配設される。凸部１１２の側面１１２ｂとハウジング１１１の内壁１１１ａの間の環状流路１１４には、側面１１２ｂと内壁１１１ａの間で架橋し旋回流を抑止する板状部材１１３が配設される。【選択図】図３

Description

本発明は、排気ガス浄化装置に関する。

ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気には、例えば煤等からなる粒子状物質（ＰＭ）及び窒素酸化物（ＮＯｘ）等の物質が含まれる。これらを除去するために、例えばディーゼル酸化触媒（ＤＯＣ）、ディーゼル微粒子捕集フィルタ（ＤＰＦ）や選択触媒還元脱硝装置（ＳＣＲ）等の排気ガス浄化装置が用いられる。

近年は排気ガス浄化装置の省スペース化が求められており、排気ガスが流れる経路をＵ字状やＳ字状に折り返し、その折り返し部に、還元剤添加部を配設する構造が提案されている。

しかし、排気ガスが上記のような曲折部分を通過する際には慣性により外側に偏って流れるので、排気ガスと還元剤を均一に混合することは困難である。その課題を解決するために、例えば特許５６３５７０２の構造が開示されている。

特許５６３５７０２

特許５６３５７０２に開示される構造では、図８に示すように排気ガスの流路となるライン２とその下流側へ曲折するとともに排気ガスと還元剤を混合する混合導管６がＬ字型で配設され、ライン２の曲折部内には混合導管６を指向して膨出部分１６が形成される。そして、膨出部分１６の頂面を貫通して噴射手段７が設けられている。そして膨出部分から間隔を置いてコーン状のカウル１３も、混合導管６を指向して配設されている。すなわち、曲折部分での排気ガス流れの円滑化と還元剤の混合促進を狙って、膨出部分１６およびカウル１３は略円錐状に形成され、その周囲の環状流路内を排気ガスが旋回することが企図されている。

しかしながら、膨出部分１６およびカウル１３周りを一方向へ旋回する強い排気ガス流れが環状流路内に定在的に発生してしまうため、排気ガスの円滑な曲折を阻害してしまう。それにより、曲折後の排気ガスは混合導管６内を断面において不均一に（一方の壁方向へ偏流して）流れてしまい、噴射された還元剤の拡散と一致せず、結果として還元剤の良好な混合を得られ難いという問題がある。

そこで本発明は、還元剤添加部をエルボ部に配設する構造において、曲折部分であるエルボ部を通過する排気ガスと還元剤とを均一に混合できる排気ガス浄化装置を提案する。

前記の課題を解決するために、本発明の排気ガス浄化装置は、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する排気浄化部材と、排気浄化部材の上流で排気ガスの流れを曲折させるエルボ部と、エルボ部内に還元剤を添加する還元剤添加部と、エルボ部と排気浄化部材の間に介装され排気ガスと還元剤を混合するチャンバと、を備える排気ガス浄化装置であって、エルボ部内にチャンバを指向して突出する凸部を設け、凸部の頂面にチャンバを指向して還元剤添加部を貫通配設し、凸部の側面とエルボ部の内壁の間に形成される環状流路内に、凸部の側面とエルボ部の内壁とを架橋して旋回流を抑止する板状部材が少なくとも１つ以上配設されている。

また、板状部材は平板状であって、チャンバの中心軸に対して平行に配設されていてもよい。

また、板状部材は、中心軸に対して非平行面を更に有していてもよい。

また、チャンバ内にミキシング部材を備えていてもよい。

本発明によれば、凸部の側面とエルボ部の内壁との間の環状流路内を旋回しようとする排気ガス流を、板状部材が邪魔板となって旋回を抑止するとともに、下流方向へ強制的に変向せることが出来る。変向された排気ガス流は下流のチャンバ内を断面において均一に（偏流なく）流れるので、噴射添加された還元剤と均一に混合される。

本発明の第１の実施形態に係る排気ガス浄化装置のハウジングの斜視図である。 本発明の第１の実施形態に係る排気ガス浄化装置のハウジングの正面図である。 本発明の第１の実施形態に係る排気ガス浄化装置のエルボ部の断面図である。 本発明の第１の実施形態に係る排気ガス浄化装置のハウジングの正面視におけるガス流れの概念図である。 本発明の第１の実施形態に係る排気ガス浄化装置のエルボ部の断面視におけるガス流れの概念図である。 本発明の第２の実施形態に係る排気ガス浄化装置のエルボ部の断面図である。 本発明の第２の実施形態に係る排気ガス浄化装置のエルボ部の断面図である。 従来技術に係る排気ガス浄化装置の模式断面図である。 本発明の第１の実施形態に係る排気ガス浄化装置から板状部材を除去した、ハウジングの正面視におけるガス流れの仮想図である。 本発明の第１の実施形態に係る排気ガス浄化装置から板状部材を除去した、エルボ部の断面視におけるガス流れの仮想図である。

以下、本発明の望ましい実施形態について図１乃至図７を参照して説明する。図３、図５乃至図７において、排気ガスは図の下側から流入し左側へと流れる。

図１乃至図５に本発明の第１の実施形態を示す。図１は排気ガス浄化装置１０１のハウジング１１１の斜視図であり、図２はハウジング１１１の正面図であり、図３はエルボ部１１０の断面図である。図３はチャンバ１３０の中心軸ｃとハウジング１１１の上流側に接続されるケースの中心軸ａと凸部１１２の中心軸ｂを通過する平面を含む断面図である。ハウジング１１１の曲折部を形成するエルボ部１１０は、凸部１１２と板状部材１１３を備えている。排気ガスは、図示しない上流側の排気浄化部材を通過した後にエルボ部１１０を通過し、チャンバ１３０内に流入する。

凸部１１２はハウジング１１１の一部を下流側へ向けて膨出させ一体形成されており、その頂面中央に穿設された開口部１１２ａは、チャンバ１３０の中心軸ｃと同軸である。開口部１１２ａには下流側のチャンバ１３０を指向するように、還元剤添加部１２０が嵌挿される。そしてエルボ部１１０内において、凸部１１２の側面１１２ｂとハウジング１１１の内壁１１１ａの間には、凸部１１２を中心として排気ガスが旋回する環状流路１１４が形成される。環状流路１１４内の特定部位には、側面１１２ｂと内壁１１１ａの間を架橋し環状流路１１４を閉塞する形で、板状部材１１３が配設されている。

本発明の構造によれば、入口部１１５から流入し環状流路１１４で旋回しようとする旋回流を、邪魔板である板状部材１１３で抑止して、かつ、強制的に後流側へ向きを変えさせることで、チャンバ１３０の中心軸ｃに沿って下流へ指向する流れへと変える。すなわち、チャンバ１３０内における排気ガス流は中心軸ｃとほぼ同軸の均一な流れとなり易く、同軸で拡散する還元剤とチャンバ内全域において混合が促進される。

図４及び図５は本発明における排気ガス流れの概念図を示しており、その比較として図９及び図１０には、本発明の構造から板状部材１１３を除去した場合の排気ガス流れの仮想図を示す。図４及び図５に示すように、環状流路１１４に流入した排気ガスは板状部材１１３によって旋回を抑止され、行き場を失って下流側（図の手前側）へ強制的に向きを変えさせられる。

これに対して図９に示す仮想例においては、環状流路１１４内に図示で右回りの強い定在旋回流が発生してしまい、この定在旋回流によって、図１０に示すように、チャンバ１３０内へ流入する排気ガス流は図示で上側の偏流となってしまう。

なお、板状部材１１３を平板状としてチャンバ１３０の中心軸ｃに対して平行に配置すると、排気ガスの（板状部材１１３までの）旋回流に対して略垂直に当接するので、旋回流を効果的に抑止できるとともに、整流作用により中心軸ｃに沿った流れへと変向し易い。また、板状部材１１３を平板状部位と非平板状部位とを併設し、非平板状部位を中心軸ｃに対して非平行とすることで、チャンバ１３０内へ流入する排気ガス流れを微細にチューニングすることも可能となる。非平板状部位の形状は、曲面でも凸凹でも折曲り段差形状でも、チューニング要請に応じて任意の形状とすれば良い。

次に図６及び図７に本発明の第２の実施形態を示す。図６及び図７は図３と同じ平面を含む断面図である。排気ガス浄化装置１０２及び１０３はチャンバ１３０に、強制的に排気ガス流を変化させるためにミキサ１４０又はミキサ１４１を増設したものであり、ミキサ１４０およびミキサ１４１以外は、排気ガス浄化装置１０１の構成と同じである。

第２の実施形態においても、第１の実施形態と同様にチャンバ１３０内に流入する排気ガスの流れは略均一となるが、後流の排気浄化部材などのために意図的に乱流や旋回流を付加させたい場合に、ミキサ１４０又はミキサ１４１を設置するものである。ミキサ１４０又はミキサ１４１に当接する排気ガスが偏流の無い均一流であるので、ミキサ１４０又はミキサ１４１の本来機能を一層発揮させることができ、相乗効果が大きい。なお、リアクタやフィン等と呼称が異なる部材も、本件のミキサは包含する。

また、第１および第２の実施形態においては、環状流路１１４内で板状部材１１３を排気ガスの流入方向とは逆の方向（図３における略最上部位）に設置したが、必要に応じて、環状流路１１４内のどこに（任意の割出し位置で）設置しても良い。また、環状流路１１４内に、複数位置で複数枚の板状部材１１３を架橋設置しても構わない。

以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し範囲の変更があっても本発明に包含される。

１、１０１、１０２、１０３ 排気ガス浄化装置
１１０ エルボ部
１１１ ハウジング
１１１ａ 内壁
１１２ 凸部
１１２ａ 開口部
１１２ｂ 側面
１１３ 板状部材
１１４ 環状流路
１１５ 入口部
１１６ 出口部
１２０ 還元剤添加部
１３０ チャンバ
ｃ チャンバの中心軸

Claims (4)

1. 内燃機関から排出される排気ガスを浄化する排気浄化部材と、
   前記排気浄化部材の上流で排気ガスの流れを曲折させるエルボ部と、
   前記エルボ部内に還元剤を添加する還元剤添加部と、
   前記エルボ部と前記排気浄化部材の間に介装され前記排気ガスと前記還元剤を混合するチャンバと、
   を備える排気ガス浄化装置であって、
   前記エルボ部内に前記チャンバを指向して突出する凸部を設け、
   前記凸部の頂面に前記チャンバを指向して前記還元剤添加部を貫通配設し、
   前記凸部の側面と前記エルボ部の内壁の間に形成される環状流路内に、前記凸部の側面と前記エルボ部の内壁とを架橋して旋回流を抑止する板状部材が少なくとも１つ以上配設されている
   ことを特徴とする排気ガス浄化装置。
2. 前記板状部材は平板状であって前記チャンバの中心軸に対して平行に配設されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の排気ガス浄化装置。
3. 前記板状部材は中心軸に対して非平行面を更に有する
   ことを特徴とする請求項２に記載の排気ガス浄化装置。
4. 前記チャンバ内にミキシング部材を備える
   ことを特徴とする請求項１乃至３に記載の排気ガス浄化装置。

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