JP2021134360A - ブリード防止プライマー、ブリード防止プライマーを用いたブリード防止構造及びその防止工法 - Google Patents

ブリード防止プライマー、ブリード防止プライマーを用いたブリード防止構造及びその防止工法 Download PDF

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Abstract

【課題】既存防水材を改修する際に、下地層となるべき既存防水材を劣化又は破壊することなく、下地層からの可塑剤のブリードを抑制できるブリード防止プライマーを提供する。【解決手段】エポキシ樹脂を含有する主剤と、活性水素基を有する化合物を含有する硬化剤から構成され、改修の対象である可塑剤含有防水材の改修面に適用されるブリード防止プライマーであって、当該プライマーは、不可避的に含まれるものを除き、有機溶剤及び水を含有しておらず、前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂及びビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂の少なくとも一方を含有する、プライマー。【選択図】なし

Description

本発明は、ブリード防止プライマー、ブリード防止プライマーを用いたブリード防止構造及びそのブリード防止工法に関する。
建物の屋根及び駐車場は、勾配屋根、陸屋根及び平場、立体問わず、様々な防水材からなる防水層を有する。屋根の防水材は種々あるが、アスファルト防水材、アスファルトコンクリ−ト防水材、塩ビシ−ト防水材、ウレタン樹脂防水材等が主要なものである。これらの材料は、可塑性または耐久性を向上させるため、材料に柔軟性を付与する必要があり、可塑剤成分を含有している。
それぞれの防水材は以下のような可塑剤を含有している。すなわち、アスファルト及びアスファルトコンクリ−ト防水材はアスファルテンを、塩ビシ−ト防水材及びウレタン樹脂防水材はフタル酸系可塑剤(DOP、DINP)またはアジピン酸系可塑剤(DINA等)を含有している。これらの可塑剤は、防水材の構成樹脂成分と相溶しているが、化学的な結合を有していない。
そのため、これら既存防水層を密着工法で改修する場合、改修をうける既存防水層(以下、下地層ともいう)から新たな防水層である上塗層に可塑剤がブリードし、上塗層の耐久性を大きく低下させるだけでなく、層表面の意匠性を損なう問題が生じていた。既存防水層を改修防水する方法は、一般的に、絶縁工法と密着工法に大別される。絶縁工法は、既存防水層の上に、絶縁シートを張り付け、下地層の影響を最大限少なくし、絶縁シート上に新たな防水層を施工する方法である。一方、密着工法は、既存防水層の上に、絶縁シートを張り付けることなく、直接防水層を施工する方法である。絶縁工法は、既存防水層の影響を受けにくいが、絶縁シートを張り付ける工程があり、工数、人工及び材料費が多くかかるため、既存防水層の影響を受けにくい密着工法の開発が望まれている。
上記問題を解決するため、下地層からのブリードを抑制するプライマーを設ける手法が提案されている(特許文献1および2)。しかしながら、プライマーが有機溶剤含有エポキシ樹脂を使用する場合(特許文献1)、有機溶剤が下地層を溶解するため、下地層を劣化又は破壊する欠点がある。さらに有機溶剤が揮発するため、塗膜形成時に塗膜が収縮し、下地層の平滑性を低下させ、下地層状態を悪化させる。また、プライマーが水系樹脂エマルジョンを使用する場合(特許文献2)、水分が揮発するまでに多くの時間を要する欠点を有している。さらに水分および水分揮発補助材料が揮発するため、有機溶剤含有エポキシ樹脂を使用した場合と同様に塗膜形成時に塗膜の収縮し、下地層の平滑性を低下させ、下地層状態を悪化させる欠点を有している。
特開平6−226203号公報 特開2016−53130号公報
本発明は、既存防水材を改修する際に、下地層となるべき既存防水材を劣化又は破壊することなく、下地層からの可塑剤のブリードを抑制できるブリード防止プライマー、ブリード防止プライマーを用いたブリード防止構造及びそのブリード防止工法を提供することを目的とする。
本発明は以下内容とする。
[1]防水材を改修する際に用いられるブリード防止プライマーであって、
エポキシ樹脂と硬化剤を含有し、前記エポキシ樹脂がビスフェノールF構造を有する無溶剤エポキシ樹脂を含有することを特徴とするブリード防止プライマー。
[2]前記エポキシ樹脂がさらに、ビスフェノールA構造を有する無溶剤エポキシ樹脂を含有することを特徴とする[1]のブリード防止プライマー。
[3]前記硬化剤がアミン系硬化剤を含有することを特徴とする[1]または[2]のブリード防止プライマー。
[4]前記硬化剤が変性脂肪族ポリアミン硬化剤を含有することを特徴とする[1]〜[3]いずれかのブリード防止プライマー。
[5]ウレタン樹脂材料、塩化ビニルシ−ト材料又はアスファルト材料のいずれかを含む防水材からなる下地層と、[1]〜[4]いずれかのブリード防止プライマーの硬化物からなる塗膜層と、前記塗膜層の表面に形成された防水層とを積層してなるブリード防止構造。
[6][1]〜[4]いずれかのブリード防止プライマーを調製する工程と、
下地層に前記ブリード防止プライマーを塗布する工程と、
塗布したブリード防止プライマーを硬化させ塗膜を形成する工程と、
前記塗膜層の表面に防水層を形成する工程と、
を含む[5]のブリード防止構造の製造方法。
本実施形態の他の態様としては、以下が含まれる。
[i]エポキシ樹脂を含有する主剤と、活性水素基を有する化合物を含有する硬化剤から構成され、改修の対象である可塑剤含有防水材の改修面に適用されるブリード防止プライマーであって、当該プライマーは、不可避的に含まれるものを除き、有機溶剤及び水を含有しておらず、前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂及びビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂の少なくとも一方を含有する、プライマー。
上記プライマーは、既存防水材(改修の対象である可塑剤含有防水材)を改修する際に、下地層となるべき既存防水材を劣化又は破壊することなく、下地層からの可塑剤のブリードを抑制できる。また、ブリード防止プライマーの硬化物の上に形成される防水層(上塗層)との接着性にも優れる。なお、有機溶剤及び水としては、不可避的に含まれるものが除かれる。ここで「不可避的に含まれるもの」とは、例えば、主剤や硬化剤に含まれる原料を製造する上で使用された有機溶媒や水であって、分離や揮発等によっても取り除くことのできないものを意味する。また、活性水素基とは、少なくとも主剤のエポキシ樹脂(エポキシ基)と反応する、水素原子を有する官能基を意味する。
[ii]前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、活性水素基を有する前記化合物の活性水素当量の2〜10倍である、[i]に記載のプライマー。
ブリード防止プライマーに含まれる、エポキシ樹脂と硬化剤は反応し、硬化物を形成する。硬化物は通常架橋構造を有しており、そのような硬化物の構造に基づいて可塑剤の移行が防止されると考えられる。この場合、架橋密度を向上させるためには、官能基間の分子量の小さいエポキシ樹脂を使用する方が有利に思われるが、可塑剤含有防水材の改修においては意外にも、官能基間の分子量が比較的大きい上記のエポキシ樹脂が有効であることが見出された。なお、上記倍率は2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、2.5〜5が更に好まく、2.6〜4.6が特に好ましい。
[iii]前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂及びビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂の双方を含有する、[i]又は[ii]に記載のプライマー。
エポキシ樹脂が、ビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂及びビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂の双方を含有することによって、下地の劣化や破壊が生じないのはもちろんとして、下地層との接着性、ブリード抑制効果、上塗層(プライマー硬化物の上に形成される新規防水層)との接着性が特に優れるようになる。
[iv]前記活性水素基を有する化合物(硬化剤)として、アミン系硬化剤を含有する、[i]〜[iii]のいずれかに記載のプライマー。
[v]前記アミン系硬化剤は、脂肪族ポリアミン硬化剤である、[iv]に記載のプライマー。
活性水素基を有する化合物を含有する硬化剤としては、反応性の点からも、硬化物のブリード抑制効果の点からもアミン系硬化剤が特に優れており、なかでも、脂肪族ポリアミン硬化剤を用いることが好ましい。
[vi]前記エポキシ樹脂の23℃における粘度は、3000〜25000mPa・sである、[i]〜[v]のいずれかに記載のプライマー。
改修の対象である可塑剤含有防水材は、経時変化により、表面が荒れたり、凹凸が生じていることが一般的である。プライマーが上記の粘度を有することにより、改修面の全体を被覆することが容易になる。すなわち、粘度が低すぎて、凹部に流れ込むが凸部から容易に流れ出すといったことがなく、また粘度が高すぎて、凹部に侵入しなくなるといったことも防止される。
[vii]前記可塑剤含有防水材は、ウレタン樹脂材料、塩化ビニルシ−ト材料又はアスファルト材料からなる、[i]〜[vi]のいずれかに記載のプライマー。
ウレタン樹脂材料や塩化ビニルシ−ト材料は、フタル酸系可塑剤又はアジピン酸系可塑剤を含有していることが一般的であり、アスファルト材料は可塑剤に相当するアスファルテンを含んでいるために、上記プライマーは、このような材料からなる防水材の改修用に特に適している。
[viii][i]〜[vii]のいずれかに記載のプライマーであって、該プライマーの硬化物上に形成される新規防水材から、改修の対象である前記可塑剤含有防水材への可塑剤の移動、及び、改修の対象である前記可塑剤含有防水材から、前記新規防水材への可塑剤の移動、の双方を防止する、プライマー。
改修対象の防水材は経時変化により、含有する可塑剤の量が減少する場合がある。このような場合に、プライマーを塗布せずに同一又は類似種の防水材を重ね塗りすると、可塑剤の濃度差に基づいて、新たに形成された防水材から改修対処の防水材へ可塑剤が移行するが、上記プライマーであれば、このような現象が防止できる。
また、重ね塗りする防水材の種類や成分によっては、改修対象の防水材から重ね塗りされた防水材へ可塑剤が移行することもあるが、上記プライマーであれば、このような現象も防止可能である。
本実施形態の他の態様としては、上述したプライマーの他、以下のブリード防止構造(積層構造)及びブリード防止構造の製造方法(積層構造の製造方法)が含まれる。
[ix]ウレタン樹脂材料、塩化ビニルシ−ト材料又はアスファルト材料のいずれかからなる、改修の対象の防水材である下地層と、前記下地層の改修面に形成された、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプライマーの硬化物からなる塗膜層と、前記塗膜層上に形成された、新規防水材からなる防水層と、を備える、ブリード防止構造。
[x][i]〜[viii]のいずれか一項に記載のプライマーを、ウレタン樹脂材料、塩化ビニルシ−ト材料又はアスファルト材料のいずれかからなる、改修の対象の防水材である下地層に塗布する工程と、塗布した前記プライマーを硬化させ塗膜層を形成する工程と、前記塗膜層上に、新規防水材からなる防水層を形成する工程と、を含む、ブリード防止構造の製造方法。
本発明によれば、既存防水材を改修する際に、下地層となるべき既存防水材を劣化又は破壊することなく、下地層からの可塑剤のブリードを抑制できるブリード防止プライマーが提供可能になる。また、ブリード防止プライマーを用いたブリード防止構造及びそのブリード防止工法が提供可能になる。
以下、本発明に係るブリード防止プライマー、ブリード防止プライマーを用いたブリード防止構造及びそのブリード防止工法について説明する。
[定義]
主剤は、エポキシ樹脂を必須成分として含む成分をいい、硬化剤は、活性水素基を有する化合物を必須成分として含む成分をいう。ここで、硬化剤は主剤を硬化させる成分を意味し、活性水素基を有する化合物はエポキシ樹脂を硬化させる成分である。
<ブリード防止プライマー>
ブリード防止プライマーは、主剤と硬化剤とから構成されており、これらが別々に存在する2液型ブリード防止プライマーであっても、これらが共存する1液型ブリード防止プライマーであってもよい。なお、2液型ブリード防止プライマーは使用直前に主剤と硬化剤を混合するが、この混合した状態も本発明のブリード防止プライマーに含まれる。なお、硬化剤の反応性成分として、活性水素基を有する化合物のみを用い、主剤の反応性成分として、エポキシ樹脂のみ、或いは、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂以外の活性水素基と反応性の成分との組み合わせにしてもよい。更には、主剤の反応性成分をエポキシ樹脂のみとし、硬化剤の反応性成分を、活性水素基を有する化合物のみとしてもよい。なお、主剤の反応性成分としては、活性水素基と反応性の化合物以外の反応性成分(他の反応性成分)を添加することを禁ずるものではないが、その場合は、硬化剤には他の反応性成分と反応する化合物を含有させることになるため、主剤には他の反応性成分を使用しない方が反応系が複雑化しない。
ブリード防止プライマーは、不可避的に含まれるものを除き、有機溶剤及び水を含有していない。有機溶剤及び水はエポキシ樹脂に由来することが多いため、主剤として使用するエポキシ樹脂は、有機溶剤系でも水分散系でもない、無溶剤エポキシ樹脂を使用することが好ましい。主剤は、上述のように、エポキシ樹脂以外の反応性成分を含有していてもよいが、主剤の反応性成分としては、1種又は2種以上のエポキシ樹脂のみを含有することが好ましい。主剤は、後述する「更なる成分」に記載の成分を含有していてもよい。
硬化剤に含まれる活性水素基を有する化合物としては、アミン系硬化剤が好ましく、脂肪族ポリアミン硬化剤が特に好ましい。活性水素基を有する化合物としては、アミン系硬化剤以外に、水酸基を有する化合物、カルボキシ基を有する化合物、メルカプト基を有する化合物が挙げられ、アミン系硬化剤に代えて、或いは、アミン系硬化剤と共に、これらを用いることもできる。硬化剤に含まれる活性水素基を有する化合物は、アミン系硬化剤のみとすることもできる。硬化剤は、後述する「更なる成分」に記載の成分を含有していてもよい。
(無溶剤エポキシ樹脂)
無溶剤エポキシ樹脂は、溶剤を含まないエポキシ樹脂を意味する。また、粘性の観点から、ビスフェノールF構造を有する無溶剤エポキシ樹脂が好ましい。さらに、寸法安定性、接着性、機械的強度、耐摩耗性、耐薬品性、耐水性及び耐湿性の観点から、ビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂をさらに添加することが好ましい。更に、耐熱性、耐薬品性の観点から、多官能エポキシ樹脂を、耐クラック性の観点から、可とう性エポキシ樹脂を、機械加工性の観点から、高分子型エポキシ樹脂を、耐熱性、低応力性の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂を組み合わせることが好ましい。なお、「無溶剤」及び「溶剤を含まない」とは、不可避的に含まれるものを除き、有機溶剤及び水を含有していないことを意味する。
主剤には、上述の通り、ビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂を用いることができる。本発明において、ビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ビスフェノールFジグリシジルエーテル、DGEBF)の他、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の変性物も含む。すなわち、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DGEBF)、EO変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、PO変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が含まれる。また上述の通り、これらのビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂は無溶剤であることが好ましく、DGEBFが好ましい。もともと無溶剤であるものを用いることで、プライマー製造中又は製造後に、有機溶剤や水を除去する工程が不要になる。
主剤には、上述の通り、ビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂に代えて、又は、ビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂と共に、ビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂を用いることができる。本発明において、ビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、DGEBA)の他、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の変性物も含む。すなわち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DGEBA)、EO変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、PO変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が含まれる。また上述の通り、これらのビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂は無溶剤であることが好ましく、DGEBAが好ましい。もともと無溶剤であるものを用いることで、プライマー製造中又は製造後に、有機溶剤や水を除去する工程が不要になる。
エポキシ樹脂の粘度が低すぎる場合、ブリード防止プライマーの塗工時に塗膜層が薄すぎることがあり、施行場所により膜厚にムラが生じる可能性が高く、塗膜層が薄い場合、ブリード防止能力が低下する場合がある。また、粘度が高すぎる場合、ブリード防止プライマーを下地層に塗布する際、施工性が悪く、作業性の低下が懸念される。そのため、エポキシ樹脂(無溶剤状態のエポキシ樹脂)の粘度(3号ローター、20rpm)は、23℃において、3000〜25000mPa・sが良く、より好ましくは、23℃において、4000〜24000mPa・sが良く、更に好ましくは、23℃において、5000〜23000mPa・sであることが好ましい。なお、ブリード防止プライマーの主剤は、エポキシ樹脂以外の成分も含み得るが、主剤全体としての粘度の好適範囲も、上記の通りである。ブリード防止プライマーの硬化剤の粘度は制限なく、主剤と混合直後、及び改修面に適用されるときに流動性を有していればよい。すなわち、ブリード防止プライマーが流動性を有している間に改修面に塗布を行えばよい。
(アミン系硬化剤)
アミン系硬化剤は、第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基を有し、第1級アミノ基及び第2級アミノ基はこれらのアミノ基に由来する活性水素を有する。アミン系硬化剤は、常温でエポキシ樹脂と反応し、ブリード防止プライマーを硬化させる。すなわち、アミン系硬化剤は、活性水素基を有する化合物に相当する。
アミン系硬化剤は、特に限定されないが、アミン成分は、例えば、ジエチルトルエンジアミン、(2、4−ジエチルトルエンジアミン、2,6−ジエチルトルエンジアミン)、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、MOCA系ポリアミン(MOCA及び変性MOCA)、ポリアルキレンエ−テルポリオ−ル−p−アミノベンゾエ−ト、ポリテトラメチレングリコ−ルアミノベンゾエ−ト、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジイソプロピル−2,6−ジアミノベンゼン、1−エチル−3,5−ジイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−エチル−3,5−ジイソプロピル−2,6−ジアミノベンゼン、メチレンビス(メチルチオ)ベンゼンジアミン、N,N'−ジセ カンダリ−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ビス(sec−ブチルアミン)ジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジメチル−5,5'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトラ イソプロピル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジメチル −5,5'−ジイソプロピル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジメチル−5,5'−ジイソブチル−4,4'−ジアミノジフェニル メタン、3,3'−ジエチル−5,5'−ジイソプロピル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジエチル−5,5'−ジイソブチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル4,4’−メチレンビス(シクロへキシルアミン)、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、N,N'−(ジシクロヘキシルメタン4,4'−ジイル)−ビスアスパラギン酸テトラエチルエステル等の脂環式ポリアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N'−(2−メチルペンタン−1,5−ジイル)−ビスアスパラギン酸テトラエチルエステル、ポリオキシアルキレンアミン、ポリエ−テルアミンの脂肪族ポリアミンであってよい。これらの架橋剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いられてよい。特に、反応時間の観点から、変性脂肪族ポリアミンが好ましい。
ここで、変性脂肪族ポリアミンとは、脂肪族ポリアミンの変性物をいい、変性の方法としては、(1)フェノール化合物とアルデヒド化合物とのマンニッヒ反応による変性、(2)エポキシ化合物との反応による変性、(3)カルボキシ基を有する化合物(カルボキシ化合物)との反応による変性、(4)(メタ)アクリル化合物とのマイケル付加反応による変性、及び(5)これらの組み合わせによる変性等が挙げられる。すなわち、脂肪族ポリアミンを、(1)フェノール化合物及びアルデヒド化合物、(2)エポキシ化合物、(3)カルボキシ化合物、並びに(4)(メタ)アクリル化合物の少なくとも1種で反応させた変性物、を硬化剤として使用することが好ましい。なお、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味する。
(組成)
ブリード防止プライマーは、2液型の場合、主剤と硬化剤を混合攪拌して使うことができる。主剤と硬化剤の重量混合比率は特に制限はないが、主剤中のグリシジルエ−テル基(エポキシ基)と硬化剤中の活性水素基(硬化剤にアミン系硬化剤を含む場合は、アミノ基)は、例えば、0.5〜4.0:1、又は、1:0.1〜1.5の範囲が好ましく、より好ましくは、0.6〜3.8:1、又は、1:0.2〜1.4、更に好ましくは、0.7〜3.6:1、又は、1:0.3〜1.3である。
なお、ブリード防止プライマーにおいて、主剤におけるエポキシの当量数と、硬化剤のおける活性水素の当量数は、前者を1としたときに、後者を0.1〜1.5にすることが好ましく、後者は0.2〜1.2であることがより好ましい。また、主剤におけるエポキシの当量数と、硬化剤における活性水素の当量数は、1:1であることが更に好ましい。
<更なる成分>
ブリード防止プライマーは、本発明の効果を損なわない範囲で、添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、希釈剤、無機フィラー、有機フィラー等がある。希釈剤としては、例えば、エポキシシンナ−等の反応性希釈剤がある。無機系フィラーとしては、例えば、炭酸ナトリウム等が挙げられる。有機系フィラーとしては、例えば、ケミベスト等が挙げられる。
<ブリード防止プライマーを用いたブリード防止構造>
ブリード防止プライマーを用いたブリード防止構造は、可塑剤を含有する下地層(層1)と、ブリード防止プライマーの硬化物からなる塗膜層(層2)と、塗膜層の表面に形成される防水層(層3)とをこの順に積層してなる防止構造である。
(層1:下地層)
可塑剤を含有する下地層は、ウレタン樹脂防水材、アスファルト防水材、アスファルトコンクリ−ト防水材、改質アスファルト防水材、または塩ビシ−ト防水材から構成され得る。ウレタン樹脂防水材及び塩ビシ−ト防水材については、フタル酸系可塑剤(DOP、DINP)及びアジピン酸系可塑剤(DINA)等の可塑剤がブリード成分の主成分となる。アスファルト防水材、アスファルトコンクリ−ト防水材及び改質アスファルト防水材については、アスファルテン等の可塑剤がブリード成分となる。
(層3:防水層)
防水層(層3)は、例えば、ウレタン樹脂防水材、ポリマ−セメント防水材、ビニルエステル樹脂防水材、FRP防水材、アスファルト防水材、シ−ト防水材等が挙げられる。ウレタン樹脂防水材の場合、例えば、HCパ−ク(保土谷建材株式会社製)又はHCセルディ(保土谷建材株式会社製)、JISA6021高伸長形ウレタン樹脂に適合するHCエコプル−フ(保土谷建材株式会社製)又はミリオネ−トC(保土谷建材株式会社製)、JISA6021高伸長形及び高強度形ウレタン樹脂の両方に適合する凄極膜(保土谷建材株式会社製)等が挙げられる。好ましくは、JISAに適合する高伸長形ウレタン樹脂、JISAに適合する高強度形ウレタン樹脂及びJISAに適合する高伸長形及び高強度形ウレタン樹脂が良く、より好ましくは、JISAに適合する高強度形ウレタン樹脂及びJISAに適合する高伸長形及び高強度形ウレタン樹脂が良く、更に好ましくは、JISAに適合する高伸長形及び高強度形ウレタン樹脂がよい。
(更なる層)
ブリード防止プライマーを用いた防止構造は、層3の表面に仕上げ層(層4)を設けてもよい。仕上げ層としては、塗膜層(層2)の種類により区別することができ、ウレタン樹脂防水材の場合、例えば、HCエコトップ(保土谷建材株式会社製)、HCトップアクア(保土谷建材株式会社製)、HCトップSi(保土谷建材株式会社製)、HCエコトップク−ルE(保土谷建材株式会社製)、HCエコトップク−ルSi、(保土谷建材株式会社製)、HCエコトップゼロ(保土谷建材株式会社製)、HCエコトップゼロSi(保土谷建材株式会社製)、HCエコトップゼロク−ル(保土谷建材株式会社製)、HCエコトップゼロク−ルSi(保土谷建材株式会社製)、HCトップ20(保土谷建材株式会社製)、HCエコトップシルバ−(保土谷建材株式会社製)、ミリオカラ−トップ(保土谷建材株式会社製)等が挙げられる。好ましくは環境調和型仕上げ層がよい。
<ブリード防止工法>
ブリード防止工法としては、主剤と硬化剤を混合する工程(混合工程)と、下地層に前記ブリード防止プライマーを塗布する工程(塗布工程)と、塗布したブリード防止プライマーを硬化させ塗膜層を形成する工程(塗膜形成工程)と、塗膜層の表面に防水層を形成する工程(防水層形成工程)と、を有することができる。
(混合工程)
混合工程は、エポキシ樹脂を含む主剤(好ましくは、無溶剤エポキシ樹脂を含む。)と、硬化剤(好ましくは、変性脂肪族ポリアミン硬化剤を含む。)と、を混合して行う。混合工程(1液型ブリード防止プライマーのプライマー調製工程)は、施工現場で塗布直前に行うのが好ましい。
(塗布工程)
塗布工程は、プライマー調整工程により混合したブリード防止プライマーを、例えば、ロ−ラ−、刷毛、櫛ごて、ゴムベラ等を用いて下地層(層1)に塗布する。塗布膜厚は、下地層(層1)に均一に塗布された方が良く、その膜厚は、0.1〜0.5mmがよく、より好ましくは、0.15〜0.4mmがよく、更に好ましくは0.2〜0.5mmがよい。ブリード防止プライマーの膜厚が0.1mm未満の場合、所望のブリード防水効果が得られにくく、また、0.5mm超の場合は、気候変動による下地層(層1)の動きにより、ブリード防止プライマーが追従できず、割れてしまう可能性がある。塗布量は、下地層(層1)に均一に塗布された方が良く、その塗布量は、0.3〜0.8kg/mが良く、より好ましくは、0.3〜0.7kg/mがよく、更に好ましくは0.3〜0.6kg/mがよい。塗布量が0.3kg/m未満であると、下地の凹凸がある場合、プライマー量が少なく、膜厚が確保できない場合がある。塗布量が0.8kg/mを超える場合、気候変動による下地層(層1)の動きにより、ブリード防止プライマーが追従できず、割れてしまう可能性がある。
(塗膜形成工程)
ブリード防止プライマーの硬化工程は、23℃において、例えば、0.2〜24時間以内が好ましく、より好ましくは、0.5〜20時間、更に好ましくは、1.0〜15時間の乾燥時間を設けるのがよい。乾燥時間が0.2時間未満の場合、塗布する時間が確保することができないため、大面積を塗布することが難しく、施工性に難がある。乾燥時間が24時間を超える場合、次工程である上塗り層工程を実施できるまでに時間を掛かり過ぎて、施工性に問題があり、硬化を待つ間に、降雨等により、エポキシ樹脂が流れる可能性があるため、好ましくない。
(更なる層)
ブリード防止工法は、さらに塗膜層よりも上側に仕上げ層を形成する工程(仕上げ層形成工程)を含んでもよい。
<用途>
ブリード防止プライマーを使用することで下地層(層1)のブリードを抑制することができ、例えば、建築分野では、露出アスファルト防水材、アスファルトコンクリ−ト防水、ウレタン塗膜防水材、ゴムアスファルト防水材、シ−ト防水材、または塩ビシ−ト防水材を下地層(層1)とする防水材を、直接ウレタン樹脂防水材で改修することが可能となる。また、ブリード成分が多いウレタン樹脂防水材を下地層(層1)とする防水材の改修も可能となる。さらに、土木分野では、ウレタン樹脂系スプレ−材を用いた後やり工法及び高速道路などのコンクリ−トを防水する床版防水工法等が可能となる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例によりその範囲が限定されるものではない。
<実施例1〜28>
[ブリード防止プライマーの調整]
下記の主剤及び硬化剤を表1に記載の重量比で混合して作成した。
実施例1、3、5に用いた主剤は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(アイカ工業株式会社、ダイナミックレジンJDB−EX冬用主剤、エポキシ当量:184)。硬化剤は、変性脂肪族ポリアミン(アイカ工業株式会社、ダイナミックレジンJDB−EX冬用硬化剤、活性水素当量:71)。実施例7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27に用いた主剤は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂およびビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合物(保土谷建材株式会社、HCプライマーEPO主剤、エポキシ当量:202)、硬化剤は、変性脂肪族ポリアミン(保土谷建材株式会社、HCプライマーEPO硬化剤、活性水素当量:61)。実施例2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28に用いた主剤は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(保土谷建材株式会社、HCプライマーEPO21主剤、エポキシ当量:234)、硬化剤は、変性脂肪族ポリアミン(保土谷建材株式会社、HCプライマーEPO21硬化剤、活性水素当量:51)。比較例1、3、5に用いた主剤は、ポリウレタンプレポリマ−(保土谷建材株式会社、HCプライマーNB主剤通年用)、硬化剤は特殊ポリオ−ル樹脂(保土谷建材株式会社、HCプライマーNB硬化剤通年用)。比較例2,4,6の主剤は、水系エポキシ樹脂溶液(株式会社ダイフレックス、オ−プライマーバリア主剤)、硬化剤は、アミン混合物(株式会社ダイフレックス、オ−プライマーバリア硬化剤)。
なお実施例において、エポキシの当量数と活性水素の当量数は1:1になるようにした。したがって、主剤としてダイナミックレジンJDB−EX冬用主剤を用い、硬化剤としてダイナミックレジンJDB−EX冬用硬化剤を用いたものは、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、活性水素基を有する化合物の活性水素当量の2.6倍であった。また、主剤としてHCプライマーEPO主剤を用い、硬化剤としてHCプライマーEPO硬化剤を用いたものは、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、活性水素基を有する化合物の活性水素当量の3.3倍であった。そして、主剤としてHCプライマーEPO21主剤を用い、硬化剤としてHCプライマーEPO21硬化剤を用いたものは、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、活性水素基を有する化合物の活性水素当量の4.6倍であった。
[ブリード防止プライマーの粘度測定]
BH型粘度計を用いて、主剤の粘度測定(23℃)を行った。
[硬化膜収縮性試験]
ブリード防止プライマーを、PETフィルム(膜厚:20μm)上に0.2mm膜厚になるように塗布し、23℃で24時間乾燥させた。塗膜が乾燥後、PETフィルムに皺が無ければ、又は、少なければ、塗膜形成時、硬化膜の収縮が無かったとして、○とした。塗膜が乾燥後、PETフィルムに大きく皺があった場合、塗膜形成時、硬化膜の収縮があったとして、×とした。
[下地劣化又は破壊性試験]
下地層にブリード防止プライマーを塗布(0.3kg/m)し、塗布したブリード防止プライマーが下地層を溶解又は破壊するかを試験した。
ブリード防止プライマーを塗布直後、ブリード防止プライマーが着色しなかった場合、下地層を溶解又は破壊していないとして、○とした。ブリード防止プライマーを塗布直後、ブリード防止プライマーが着色した場合、下地層を溶解したとして、×とした。
[下地層との接着性試験]
下地層にブリード防止プライマーを、ピ−ル布を浸漬させながら塗布(0.3〜0.8kg/m)し、一週間後、層間の接着試験(180℃ピ−ル試験)を実施した。
接着試験後、ピ−ル布が切れた場合、下地層とブリード防止プライマーとの接着性が良好として、○とした。また、下地層が破壊された場合、その接着強度が50N/3cm以上の場合、接着強度が高いため、〇とした。一方、下地層が破壊された場合でも、その接着強度が50N/3cm以下の場合、接着強度が低いため、×とした。下地層とブリード防止プライマーとの層間で剥離した場合、下地層とブリード防止プライマーとの接着性が低いとして、×とした。
[ブリード抑制効果試験]
下地層にブリード防止プライマーを塗布(0.3〜0.8kg/m)し、23℃にて3日間放置後、表に記載の塗布量で防水層を塗布した。一週間放置後、試験体を60℃環境下にて一か月間静置した。
一ヵ月静置後、防水層表面に油成分が無く、更に、防水層に変色が無い場合、各種下地層のブリード成分が遮断できているとして、○とした。一方、防水層表面に油成分がある場合、及び、油分がなくても、防水層に変色がある場合、各下地層のブリード成分が遮断されず、表面に移行したとして、×とした。
[層3との接着性試験]
表面を研磨処理したモルタル板にブリード防止プライマーを塗布(0.3〜0.8kg/m)し、23℃にて3日間放置した。得られたブリード防止プライマー層の上に、ピ−ル布を浸漬させながら防水層を塗布した。翌日、表に記載の上塗り層を防水層上に塗布し、一週間後、層間の接着試験(180℃ピ−ル試験)を実施した。
接着試験後、ピ−ル布が切れた場合、防水層が破壊された場合、ブリード防止プライマーと防水層との接着性が良好として、○とした。ブリード防止プライマーと防水層との層間で剥離した場合、又は、プライマー層が破壊された場合、ブリード防止プライマーと防水層との接着性が不十分、又は、プライマー層の膜強度が不足しているとして、×とした。

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[試験に用いた下地層、防水層、仕上げ層]
下地層の種類、メ−カ−名、工法、商品名、及び、防水層及び仕上げ層の種類、メ−カ−名、工法、商品名及び塗布量は、実施例及び比較例の表中に記載した。
<比較例1〜6>
比較例は、比較例1、3、5に用いた主剤は、ポリウレタンプレポリマ−(保土谷建材株式会社、HCプライマーNB主剤通年用)、硬化剤は特殊ポリオ−ル樹脂(保土谷建材株式会社、HCプライマーNB硬化剤通年用)。比較例2,4,6の主剤は、水系エポキシ樹脂溶液(株式会社ダイフレックス、オ−プライマーバリア主剤)、硬化剤は、アミン混合物(株式会社ダイフレックス、オ−プライマーバリア硬化剤)を使用した以外は、実施例に準じて試験した。
実施例及び比較例の通り、本発明のブリード防止プライマーを使用し、ブリード構造体を施工することで、下地層を溶解及び破壊することなく、各下地層からのブリード成分を抑制可能であることは明白である。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂を含有する主剤と、活性水素基を有する化合物を含有する硬化剤から構成され、改修の対象である可塑剤含有防水材の改修面に適用されるブリード防止プライマーであって、
    当該プライマーは、不可避的に含まれるものを除き、有機溶剤及び水を含有しておらず、
    前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂及びビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂の少なくとも一方を含有する、プライマー。
  2. 前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、
    活性水素基を有する前記化合物の活性水素当量の2〜10倍である、請求項1に記載のプライマー。
  3. 前記エポキシ樹脂として、ビスフェノールA構造を有するエポキシ樹脂及びビスフェノールF構造を有するエポキシ樹脂の双方を含有する、請求項1又は2に記載のプライマー。
  4. 前記活性水素基を有する化合物として、アミン系硬化剤を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプライマー。
  5. 前記アミン系硬化剤は、脂肪族ポリアミン硬化剤である、請求項4に記載のプライマー。
  6. 前記エポキシ樹脂の23℃における粘度は、3000〜25000mPa・sである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプライマー。
  7. 前記可塑剤含有防水材は、ウレタン樹脂材料、塩化ビニルシ−ト材料又はアスファルト材料からなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプライマー。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のプライマーであって、
    該プライマーの硬化物上に形成される新規防水材から、改修の対象である前記可塑剤含有防水材への可塑剤の移動、及び、
    改修の対象である前記可塑剤含有防水材から、前記新規防水材への可塑剤の移動、の双方を防止する、プライマー。
  9. ウレタン樹脂材料、塩化ビニルシ−ト材料又はアスファルト材料のいずれかからなる、改修の対象の防水材である下地層と、
    前記下地層の改修面に形成された、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプライマーの硬化物からなる塗膜層と、
    前記塗膜層上に形成された、新規防水材からなる防水層と、を備える、ブリード防止構造。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のプライマーを、ウレタン樹脂材料、塩化ビニルシ−ト材料又はアスファルト材料のいずれかからなる、改修の対象の防水材である下地層に塗布する工程と、
    塗布した前記プライマーを硬化させ塗膜層を形成する工程と、
    前記塗膜層上に、新規防水材からなる防水層を形成する工程と、
    を含む、ブリード防止構造の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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