JP2005213842A - コンクリート表面構造体及びその構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コンクリート構造物表層が湿潤状態においても施工が可能で、短時間の施工で、しかも繊維シートを用いることなく形成することができる剥落防止用の表面構造体及びその構築方法を提供する。
【解決手段】 コンクリート構造物表層に、シランカップリング剤配合のエポキシ樹脂プライマーの層を設け、その上に引張強度が7N/mm2以上、引張破断伸びが50〜800%のポリウレタン又はポリウレアからなる0.8〜4mmの層を設ける。
【選択図】 なし
【解決手段】 コンクリート構造物表層に、シランカップリング剤配合のエポキシ樹脂プライマーの層を設け、その上に引張強度が7N/mm2以上、引張破断伸びが50〜800%のポリウレタン又はポリウレアからなる0.8〜4mmの層を設ける。
【選択図】 なし
Description
本発明は、コンクリート構造物からコンクリート片が剥落することを防止するための表面構造体及びその構築方法に関する。
コンクリート構造物においては、施工時の欠陥、地震や衝突による損傷、中性化、塩害、アルカリ骨材反応などの化学的劣化などに基づき、コンクリート部材の一部が破片として剥落することがある。このようなコンクリート片の剥落防止のために、従来、鉄板等の金属でコンクリート表面を覆う方法を始めとして、ガラスクロス、合成樹脂繊維シート、炭素繊維シートなどの連続繊維シートを、合成樹脂系材料あるいはセメントなどの無機系材料を用いてコンクリート表面に貼りつける工法が提案され、実施されてきた。
このような工法においては、コンクリート表層部を単に高強度材料で覆うだけでは充分な剥落防止効果を得ることができない。例えば劣化のモデルケースであるひび割れからの鉄筋腐蝕に基づく膨張によりコンクリート片が変位を起こした場合に、剥落防止層がその変位に追随し、かつ、相当の応力に耐え、剥落片を保持することが必要である。このような要求性能を発現するところから、繊維シートを用いた剥落防止システムが広く実施されるようになってきた(非特許文献1)。
日本道路公団著「コンクリート片はく落防止対策マニュアル」平成12年11月発行
ところが繊維シートを使用する工法においては、シートの切断や貼り付けに多大の労力を必要とすると共に、凹凸面への貼り付けや構造物への寸法合わせなどに困難を伴っていたため、施工時間が長くなるという難点があり、より簡便な工法の開発が求められていた。このような工法の開発に当ってはまた、剥落防止対策が求められるコンクリート構造物は、気象条件や設置環境などにより表面が濡れている場合が多々あるところから、こうした条件下においても施工可能なものであることが求められていた。さらに日本国内においては、コンクリート構造物の表面温度が−20〜+60℃程度の範囲の変動が想定されるところから、こうした広い温度条件下において充分な剥落防止性能を有することが求められていた。また、コンクリート橋の桁端部周辺などの塗膜防水が必要とされる箇所が交通交差部の上部にある場合などは、剥落防止性能と共に防水性能、塩素イオン又は炭酸ガスの遮蔽性能などが塗膜に求められていた。
そこで本発明の目的は、繊維シートを用いることなく上記要求性能を満たし、簡単な作業により構築可能なコンクリート表面構造体及びその構築方法を提供することにある。
すなわち本発明によれば、コンクリート構造物の表層に、引張強度が1N/mm2以上のエポキシ樹脂プライマー層と、引張強度が7N/mm2以上、引張破断伸びが50〜800%である厚みが0.8〜4mmのポリウレタン又はポリウレアの層が積層されてなるコンクリート表面構造体が提供される。上記エポキシ樹脂プライマーとしては、シランカップリング剤、とりわけエポキシ基を有するシランカップリング剤を含有するものを使用することが好ましい。また上記ポリウレタン又はポリウレアとしては、とくにぜい化温度が−25℃以下のものを使用するのが好ましい。
本発明によればまた、コンクリート構造物の表層に、粘度が20〜5000mPa・sの範囲にあり、硬化時の引張強度が1N/mm2以上のエポキシ樹脂プライマーを塗布し、その上に、硬化時の引張強度が7N/mm2以上、引張破断伸びが50〜800%であるポリウレタン又はポリウレアの硬化性組成物を吹きつけ、厚みが0.8〜4mmのポリウレタン又はポリウレア層を形成させることを特徴とするコンクリート表面構造体の構築方法が提供される。上記ポリウレタン又はポリウレアにおいてもまた、とくにぜい化温度が−25℃以下のものが好ましい。
また上記コンクリート表面構造体の構築方法においては、エポキシ樹脂プライマーとして、プライマー100重量部当り、シランカップリング剤を0.1〜5重量部含有する無溶剤型エポキシ樹脂プライマーを用いることが好ましい。この場合、表層が湿潤状態にあるコンクリート表面構造体にも適用することができる。さらにポリウレタン又はポリウレアの硬化性組成物としては、指触乾燥時間が1〜120秒の範囲にあるものを使用することが好ましい。
尚、本発明において、引張強度及び引張破断伸びはJIS K7113及びJIS K6251により、ぜい化温度はJIS K7216により、指触乾燥時間はJIS K5600−1−1により、それぞれ準拠して測定されるものであり、また上記プライマーの粘度は、B型粘度計を用いて測定した20℃における粘度を意味する。
本発明によれば、コンクリート構造物表層が乾燥状態にあるときのみならず、湿潤状態にある場合であっても、−5℃〜+40℃の温度で短時間に施工することができ、コンクリート片の変位に追随し、相当の応力に耐え、剥離片を保持することが可能なコンクリート表面構造体を構築することができる。具体的には、後記実施例において示す日本道路公団の試験方法である押し抜き試験において、50mm変位まで測定を行なったときに、10mm以上の変位で1.5kN以上の最大応力を示すコンクリート表面構造体を構築することができる。このような表面構造体はまた、−20〜+60℃程度の温度範囲内において充分なコンクリート剥落防止性能を発揮することができる。さらに、防水性能を持ち、水蒸気、塩素イオン、炭酸ガスなどの透過抵抗性が高いので、躯体コンクリートの化学的劣化を抑制することができる。例えばこのような表面構造体は、日本道路公団試験研究所規格 JHERI410−15で規定する遮水性試験で漏水が認められず、遮塩性試験での塩素イオン透過量が5.0×10−3mg/cm2・日以下、中性阻止性試験で中性化深さが0.5mm以下、酸素透過阻止性試験による酸素透過量が2×10−2mg/cm2・日以下、水蒸気透過阻止性試験による水蒸気透過量が5.0mg/cm2・日以下にすることができる。したがって本発明は、橋梁の上部構造の壁高欄又は外面、床板下面及び主桁下面、橋脚とくに張出し部の下面及び側面、などの橋梁構造、カルバートの内空及び妻部、その他の構造物のコンクリート床板下部又はコンクリート梁又はコンクリート側壁、コンクリート堰堤、コンクリート砂防ダム、トンネル、ビルなどのコンクリート構造物に好適に利用することができる。
本発明のコンクリート表面構造体は、上記のようなコンクリート構造物の表層に、引張強度が1N/mm2以上、好ましくは1.5N/mm2以上のエポキシ樹脂プライマー層と、引張強度が7N/mm2以上、好ましくは10N/mm2以上、引張破断伸びが50〜800%、好ましくは100〜500%のポリウレタン又はポリウレアの層が積層されているものである。
上記プライマー層としては、コンクリート表層に浸透してコンクリート下地及びポリウレタン又はポリウレアの層と強固に接着し、かつ上記物性を発現できるところから、エポキシ樹脂プライマーが使用される。またコンクリート表面が湿潤状態にある場合においても、エポキシ樹脂プライマーとシランカップリング剤を併用することによって同様の物性を発現できるので好ましい。
上記目的に使用可能なエポキシ樹脂プライマーは、エポキシ樹脂を主成分とする主剤(A液)とその硬化剤を主成分とするB液とからなる2液型のものを挙げることができる。そして両液混合後の組成物において、B型粘度計により測定した20℃における粘度が、20〜5000mPa・s、とくに50〜3000mPa・sの範囲内にあるものが好ましい。両液混合後の組成物の粘度が小さすぎると、塗布時における垂れが著しくなり、作業性が悪くなる。一方、その粘度が大きくなり過ぎると、コンクリート表層への浸透性が不足気味となり、強固な接着面を得ることが難しくなる。
A液としては、主剤であるエポキシ樹脂と共に、必要に応じ反応性希釈剤、チクソトロピー性付与剤、表面張力低下剤、カップリング剤などが配合される。
A液に使用されるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン系樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、複素環式エポキシ樹脂、含ブロムエポキシ樹脂などを挙げることができる。これらの中ではビスフェノールF型エポキシ樹脂を単独で使用することが好ましいが、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂を併用することもできる。
A液に配合することが可能な反応性希釈剤としては、多価アルコールのモノ又はポリグリシジルエーテルが好ましく、エチレングリコールモノ又はジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノ又はジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールモノ又はジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノ又はジグリシジルエーテル、炭素数が8以上、さらには10以上の長鎖アルキレングリコールのモノ又はジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。反応性希釈剤としては、そのほか、オクチレンオキサイドのようなオレフィンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、3−(ペンタデシル)フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、シクロヘキセンビニルモノオキサイド、ジペンテンモノオキサイド、α−ピネンオキサイド等のモノエポキシ化合物をはじめとする低粘度のモノまたはポリエポキシ化合物、フルフリルアルコールのような反応性の基を有するアルコール類などを挙げることができる。
A液に使用可能なチクソトロピー性付与剤としては、ケイ酸系(微粒子無水ケイ酸ないしヒュームドシリカ)、含水ケイ素マグネシウム系(セピオライト、クリソスタイル等)、ケイ酸アルミニウム系(モンモリロナイト系ベントナイト、ゼオライト等)などの無機化合物、層間に有機分子を吸着させた有機ベントナイトのような有機化した無機化合物、ポリヒドロキシカルボン酸またはそのアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ジベンザルソルビット、ある種の界面活性剤などの有機化合物などを例示することができる。
A液に使用可能な表面張力低下剤としては、例えば、ポリヒドロキシカルボン酸アミド、シリコーン変性ポリアクリレート、ポリシロキサンなどを挙げることができる。上記チクソトロピー性付与剤の中にも表面張力低下作用を有するものがあるので、そのチクソトロピー性付与剤を表面張力低下剤として兼用することもできる。
A液に配合可能なカップリング剤としては、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、クロムカップリング剤、有機リン酸カップリング剤などが挙げられるが、とくにシランカップリング剤の使用が好ましい。シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、メタクリロキシトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどの不飽和基又はエポキシ基含有珪素化合物などを挙げることができる。これらの中ではとくにエポキシ基を有するシランカップリング剤を使用すると、コンクリート表層が湿潤状態にある場合においても、優れた特性を有するプライマー層を形成させることができるので好ましい。
A液の配合組成として、例えばエポキシ樹脂及び反応性希釈剤の合計量を100重量部とするときに、エポキシ樹脂の割合を60〜100重量部、好ましくは65〜90重量部に対し、反応性希釈剤を40〜0重量部、好ましくは35〜10重量部の割合とし、またエポキシ樹脂及び反応性希釈剤の合計量を100重量部に対し、チクソトロピー性付与剤を0〜10重量部、表面張力低下剤を0〜3重量部、カップリング剤を0.1〜5重量部となるような割合とすることができる。
エポキシ樹脂プライマーを構成するB液としては、脂肪族第一アミン(脂肪族ジアミン、脂肪族ポリアミン、芳香環含有脂肪族ポリアミン、脂環ポリアミン、環状ポリアミン等)、芳香族第一アミン、第三アミン硬化剤、含リンまたは含ハロゲンアミン硬化剤、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の低級アルキレンオキサイド又はその混合物を反応させて得られるポリエーテルの末端に有するヒドロキシル基をアンモニアと反応させてアミノ基に置換することによって得られるポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシブチレンジアミンなどのポリエーテルポリアミン、又はこれらアミン硬化剤のエポキシ化合物のアダクト、アクリロニトリルの付加物またはマンニッヒ付加物などの変性物などのアミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、脂肪族カルボン酸無水物、脂環式カルボン酸無水物、芳香族カルボン酸無水物などの酸または酸無水物系硬化剤などの硬化剤を主成分として用いる。好ましい硬化剤は、脂肪族ポリアミン、芳香環含有脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン又はこれらに上述の変性を施した変性ポリアミンが挙げられる。これらのポリアミン系硬化剤は、単独で用いてもよいし2種以上を混合して用いてもよい。
上記硬化剤を主成分とするB液にも、先に述べたチクソトロピー性付与剤、表面張力低下剤、カップリング剤などを配合しておくこともできる。例えばカップリング剤として、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基含有珪素化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有珪素化合物などを配合することができる。
また、A液及びB液の一方あるいは双方に、必要に応じ可塑剤、軟化剤をはじめとする粘度低下ないし相溶性向上のための添加剤を含有させることができる。そのほかにも、エポキシ樹脂接着剤に用いられる種々の添加剤を含有させることもできる。
コンクリート構造物表面にエポキシ樹脂プライマーを塗布するに当って、A液とB液が配合される。A液とB液の配合割合は、使用するエポキシ樹脂や硬化剤の種類やその含有量などによっても異なるが、エポキシ当量/活性水素当量の比に基く必要量に、実験的に定めた最適量を参考にして決めればよく、例えばA液100重量部に対し、B液10〜100重量部、とくに20〜80重量部となるような割合で使用することができる。
エポキシ樹脂や硬化剤、あるいはその他添加剤の種類及び配合量を適宜選択することにより、A液とB液の混合後の20℃における粘度が20〜5000mPa・s、好ましく50〜3000mPa・sとなるように調製することが好ましい。この場合、A液及びB液のいずれにも有機溶剤を希釈剤として使用しない無溶剤型とするのが好ましい。すなわち一般には粘度調整の目的で有機溶剤を使用することが多いが、有機溶剤を使用した場合には、それがプライマー層中に残留しないようにするために、プライマー塗布後、充分な溶剤の放散時間を取らないと、膨れなどの不具合が生じる虞があるからである。とくに低温時に施工する場合には、溶剤を放散させる時間を十分確保する必要があり、工事時間が長くなるという問題が生じる。
エポキシ樹脂プライマーとしてはまた、コンクリート構造物表層が湿潤状態にあるようなものに塗布する場合には、エポキシ樹脂及び/又は硬化剤にポリエーテル骨格のような親水性基を有するものを少なくとも一部に使用するのがよい。このような混合液を、はけ塗り等の手段によりコンクリート構造物表層に塗布することにより、所望の引張強度を有するプライマー層を形成させることができる。プライマー層の層厚みとしては、0.02〜0.4mm程度が好適である。このようなプライマー層を有することにより、コンクリート構造物とポリウレタン又はポリウレア層を強固に接着させることができると共に、後記するポリウレタン又はポリウレアと積層構造にすることより、−20〜60℃の範囲において、コンクリート片の変位に追随し、相応の応力に耐えることができる表面構造体を形成することができる。
本発明のコンクリート表面構造体に使用されるポリウレタン又はポリウレアは、引張強度が7N/mm2以上、好ましくは10N/mm2以上、引張破断伸びが50〜800%、好ましくは100〜500%のものである。ポリウレタン又はポリウレアとしてはまた、ぜい化温度が−25℃以下、とくに−30℃以下のものが好ましい。ポリウレタン又はポリウレアとして上記のような性状のものを使用することにより、−20〜60℃の範囲において、コンクリート片の変位に追随し、相応の応力に耐えることができる表面構造体を形成することができる。
ポリウレタン又はポリウレアとして具体的には、イソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーと水酸基及び/又はアミノ基を2個以上有する硬化剤を混合することによって形成させることができる。
このようなウレタンプレポリマーは、イソシアネート基を1分子中に2個以上有するポリイソシアネート化合物と、イソシアネート基と反応する活性水素を1分子中に2個以上有する化合物とを反応させることによって得ることができる。とくに活性水素化合物として、アルコール性水酸基を1分子中に2個以上有するポリオール化合物、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールあるいはその他のポリオール等を1種又は2種以上組み合わせて形成させたウレタンプレポリマーが好適である。
ウレタンプレポリマーの調製に使用できる上記ポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類;p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類;上記各ポリイソシアネートをカルボジイミド変性又はイソシアヌレート変性したもの等が挙げられ、これらは単独で又は二種以上混合して用いることができる。好ましくは、取り扱い易さの点から2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類が用いられる。
ウレタンプレポリマーの調製に使用可能なポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコールなどの他に、活性水素を二個以上有する低分子量活性水素化合物、例えばビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類;アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアミン類等の一種又は二種以上の存在下でプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを開環重合させて得られるランダム共重合体を挙げることができる。
ウレタンプレポリマーの調製に使用可能なポリエステルポリオールとしては、例えば多塩基酸と多価アルコールを脱水縮合させて得られる重合体;ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールの縮合体;ラクトンの開環重合体等が好適に用いられる。上記多塩基酸としては、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、二量化リノレイン酸、マレイン酸、等を挙げることができる。また多価アルコールとしては、例えばビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール類;グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類が用いられ得る。より具体的には両末端がジオール成分であるポリエチレンアジぺート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケート、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)、ポリ(ヘキサメチレングリコール−1,6−カーボネート)、ポリカプロラクトンなどを例示することができる。
ウレタンプレポリマーの調製に使用可能なその他のポリオールとしては、例えばアクリルポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、ヒマシ油の誘導体、トール油の誘導体、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール等の他、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオール等も好適に用いられる。
これらポリオール化合物としては、数平均分子量が100〜10,000、とくに300〜5000のものが好ましく、所望に応じ単独であるいは二種以上混合して用いることができる。
ウレタンプレポリマーは、ポリオール化合物中に含まれるヒドロキシル基1モルに対して、ポリイソシアネート化合物中に含まれるイソシアネート基が1モルを越える割合で、すなわち、化学当量比(NCO/OH)が1を越える配合として、ポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物とを、必要に応じて加熱して、反応させることで得ることができる。このようなウレタンプレポリマーは、通常、その分子両末端にイソシアネート基を有する。ウレタンプレポリマーとして、ポリオール化合物中に含まれるヒドロキシル基とポリイソシアネート化合物の中に含まれるイソシアネート基の化学当量比(NCO/OH)を1.6〜20の割合でポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させ、23℃において液状を呈するものが、作業性、硬化物の物性等といった点からより好ましい。
本発明のコンクリート表面構造体を形成するポリウレタン又はポリウレアは、上記ウレタンプレポリマーに硬化剤、必要に応じその他添加剤を配合した硬化性組成物を硬化させることによって形成させることができる。ウレタンプレポリマーを硬化させる硬化剤として、イソシアネート基と反応する活性水素を1分子中に2個以上有する化合物が挙げられる。このような化合物として、分子量が18〜3000、好ましくは30〜300である低分子化合物が好ましく、例えば水;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1、6−へキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,4−トリヒドロキシブタン、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、1,1,1−トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ポリカプロラクトン、フラクトース、キシリトール、アラビトール、ソルビトール及びマンニトールなどの多価アルコール;エタノールアミンのような低分子アミノアルコール;アンモニア、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレエンヘキサミン、m−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、3,3′−ジクロロ−4、4′−ジアミノ−ジフェニルメタンなどの低分子ポリアミン化合物、また先に挙げたウレタンプレポリマーの調製の際に使用できる、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどのポリオール;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド又はその混合物を反応させて得られるポリエーテル末端に有するヒドロキシル基をアンモニアと反応させてアミノ基に置換することによって得られるポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシブチレンジアミンなどのポリエーテルポリアミンを挙げることができる。これら硬化剤の中では、ポリエーテルポリオール又はポリエーテルポリアミンを使用することが好ましいが、ポリエーテルポリオール又はポリエーテルポリアミンに他の1種類以上の低分子ポリオール又は低分子ポリアミンを組み合わせて使用することもできる。これら硬化剤として、水以外の場合には、ウレタンプレポリマーに含まれるイソシアネート基1モルに対して、低分子化合物中の活性水素が、約0.8モル以上の割合、好ましくは約0.95〜1.2モルとなるように硬化剤が添加される。
ウレタンプレポリマー及び硬化剤のほかに、任意に配合することができる添加剤としては、可塑剤、界面活性剤、顔料、染料、充填剤、硬化促進触媒、老化防止剤などを例示することができる。
可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、トリメリット酸エステル等のカルボン酸エステルの他、リン酸エステル、ノルマルパラフィン、塩素化パラフィン、アルキルベンゼン及びその他各種液状成分が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して用いられ得る。
界面活性剤としては、消泡剤、顔料や充填剤の湿潤分散剤、乳化剤、粘性改良剤などの特性に応じて各種界面活性剤が単独もしくは二種以上混合して添加され得る。
硬化物を着色するために、顔料としてはアゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料や、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化クロム、ベンガラ等各種無機顔料を用いることができる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、クレー、タルク、シリカ、ケイ藻土、及びこれらを脂肪酸や脂肪酸エステル等の表面処理剤で処理したもの等を挙げることができる。
ウレタンプレポリマーと硬化剤の反応を促進するための硬化促進触媒としては、N−アルキルベンジルアミン、N−アルキル脂肪族ポリアミン、トリエチレンジアミン、N−アルキルピペラジン、N−アルキルモルホリン、ジモルホリノジエチルエーテル、オクテン酸錫やジブチル錫ジラウレートのような有機金属化合物等が挙げられ、これらは単独もしくは二種以上混合して用いられ得る。
老化防止剤はポリウレタン又はポリウレアの層を、光、酸素、熱等から保護するために用いられ、老化防止剤として一般的に用いられるものには光安定剤や酸化防止剤等があり、光安定剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、ヒンダードアミン系、ニッケル系等が挙げられる。また、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、アミン系、硫黄系、リン系等が挙げられる。
本発明のコンクリート表面構造体は、コンクリート構造物に形成させたエポキシ樹脂プライマー層上に、上記のようなウレタンプレポリマー、硬化剤及び任意に配合される添加剤からなる硬化性組成物を塗布し、硬化させることによって、ポリウレタン又はポリウレアの0.8〜4mm、好ましくは1〜3mmの層を形成させることによって構築される。塗布方法はスプレー塗布、はけ塗りなど任意の方法によって行なうことができるが、短時間で施工が可能であるところから、スプレー塗布によるのが好ましい。ウレタンプレポリマー、硬化剤及び任意に配合される添加剤からなる硬化性組成物は、塗布作業性を考慮すると、コテ塗り等スプレー装置を使わずに手作業又はこれに準ずる方法で塗布する場合には、23℃における粘度が500〜2000mPa・s程度となるように調製されるのが好ましい。またウレタンプレポリマーの分子量、硬化剤や硬化促進触媒の種類、添加量等を選択することによって、23℃においてJIS K5600−1−1で規定される指触乾燥時間が、2液衝突混合型スプレー装置を使用する場合は1〜120秒となるように、また手作業又はこれに準ずる方法で塗布する場合は10〜200分となるように、それぞれ調製するのが好ましい。さらにウレタンプレポリマーや硬化剤の種類、及びその他添加剤の種類や配合量によって、引張強度、引張破断伸び、ぜい化温度等が所望の値となるように調製することができる。
本発明のコンクリート表面構造体は、上記のようなエポキシ樹脂プライマー層とポリウレタン又はポリウレアの層との積層構造とすることにより、繊維シートを使用することなく、充分な剥落防止効果を発揮することができる。具体的には、後記実施例において示す日本道路公団の試験方法である押し抜き試験において、50mm変位まで測定を行なったときに、10mm以上の変位で1.5kN以上の最大応力を示すコンクリート表面構造体とすることができる。
上記のごとく構築された表面構造体の耐候性、その他の性質を付与する目的で、ポリウレタン又はポリウレアの層の表面にトップコート層を設けてもよい。このようなトップコート層として、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂あるいはこれらの変性樹脂などを使用することができる。トップコート層としては、例えば0.05〜0.4mm程度の厚みに形成するのが効果的である。また上記ポリウレタン又はポリウレアの層を保護する目的で、ポリウレタン又はポリウレアの層の表面に、あるいはトップコート層の表面に、直接又はプライマー層を介して、厚みが2mm程度以下、好ましくは1〜2mm程度の保護層を設けることができる。保護層は、上記ポリウレタン又はポリウレアの層への接着性が良好で、通常の改修サイクルでは劣化せず、上記表面構造体の保護の目的を果たすものであれば材質を選ばないが、上記ポリウレタン又はポリウレアと同じ材料を使用することができる。この場合は改修で保護層を除去するときに、表面構造体における上記ポリウレタン又はポリウレアの層と保護層の相違が明確となるように、両者を異なる色に着色しておくのがよい。このような保護層を設ける場合には、さらにその上に上記のようなトップコート層を設けることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
<プライマーの調製>
液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンR4901、旭電化工業(株)製)を100重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.5重量部配合し、攪拌機で十分攪拌してプライマーの主剤とした。
また液状のアミン系硬化剤(商品名:ダイトクラールI−5476、大都産業(株)製)をプライマーの硬化剤とした。
[実施例1]
<プライマーの調製>
液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンR4901、旭電化工業(株)製)を100重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.5重量部配合し、攪拌機で十分攪拌してプライマーの主剤とした。
また液状のアミン系硬化剤(商品名:ダイトクラールI−5476、大都産業(株)製)をプライマーの硬化剤とした。
<プライマーの性状測定>
上記プライマーの主剤を100.5重量部に対して硬化剤を50重量部配合し、攪拌して均一な配合物とし、直ちにB型粘度計にて20℃での粘度を測定したところ、2000mPa・sであった。同じ配合物を型枠に流し硬化させて、JIS K7113に規定する2号ダンベルを作成した。材令7日にてJIS K7113に準拠して、試験機にて引張特性を測定したところ、引張強度が32N/mm2であった。
上記プライマーの主剤を100.5重量部に対して硬化剤を50重量部配合し、攪拌して均一な配合物とし、直ちにB型粘度計にて20℃での粘度を測定したところ、2000mPa・sであった。同じ配合物を型枠に流し硬化させて、JIS K7113に規定する2号ダンベルを作成した。材令7日にてJIS K7113に準拠して、試験機にて引張特性を測定したところ、引張強度が32N/mm2であった。
<ポリウレタンの性状測定>
2液スプレー用のポリウレタン樹脂(商品名:リムスプレーF1000、指触乾燥時間13秒(23℃)、三井化学産資(株)製)を、2液衝突混合型スプレー機(H−2000/GX7スプレーガン付、GUSMER社製)を使用して、アルミ板の上に吹きつけて2mm厚のシートを得た。7日後、打ち抜き加工にて、JIS K6251に規定する3号ダンベルを作製した。材令7日にてJIS K6251に準拠して、試験機にて引張特性を測定したところ、引張強度が12N/mm2、引張破断伸び(標線間)が370%であった。また同様にシートから作製した試験片を用いて、材令7日にてJIS K7216に準拠してぜい化温度を測定したところ、−53℃であった。
2液スプレー用のポリウレタン樹脂(商品名:リムスプレーF1000、指触乾燥時間13秒(23℃)、三井化学産資(株)製)を、2液衝突混合型スプレー機(H−2000/GX7スプレーガン付、GUSMER社製)を使用して、アルミ板の上に吹きつけて2mm厚のシートを得た。7日後、打ち抜き加工にて、JIS K6251に規定する3号ダンベルを作製した。材令7日にてJIS K6251に準拠して、試験機にて引張特性を測定したところ、引張強度が12N/mm2、引張破断伸び(標線間)が370%であった。また同様にシートから作製した試験片を用いて、材令7日にてJIS K7216に準拠してぜい化温度を測定したところ、−53℃であった。
<押し抜き試験>
JIS A5334に規定する鉄筋コンクリートU形用ふた(400×600×60mm)の中央部に、φ100mmの円筒状の溝を、コンクリートコアカッターにて55mmの深さで形成させた。次に溝を形成した反対側の面をJIS B6252で規定される#150の研摩紙にて十分磨き処理をした後、20℃の水中に浸漬させた。
JIS A5334に規定する鉄筋コンクリートU形用ふた(400×600×60mm)の中央部に、φ100mmの円筒状の溝を、コンクリートコアカッターにて55mmの深さで形成させた。次に溝を形成した反対側の面をJIS B6252で規定される#150の研摩紙にて十分磨き処理をした後、20℃の水中に浸漬させた。
24時間後に水中から取り出した後、U形ふたの研摩した面を上にして、下端から30mm水に浸漬させた状態に設置し、表面の水滴をウエスで除去した。3分後に研摩した面へ、主剤と硬化剤を調合した上記プライマーをローラーにて、200g/m2の量を中央400×400mmの領域に塗布した。2週間後に、水に半浸漬させたままの状態で、プライマー塗布面の上に上記ポリウレタン樹脂(リムスプレーF−1000)を平均2mm厚となるようにスプレー機にて吹きつけた。
7日間そのままの状態で保持した後、U形ふたをH鋼の上でスパン400mmとなるように塗布面を下にして圧縮試験機(島津万能試験機UH−I、島津製作所(株)製)へ設置し、円筒状の溝の内部コアの中央部に球座をはさんで載荷した。まず1mm/分の速さでU形ふたコア下部の、溝が達してない部分が破壊されるまで載荷し、初期の応力ピークを越えて破壊されたことを確認後、5mm/分で載荷し、50mm変位までの変位と応力の関係を記録した。結果、50mm変位時で最大応力3.2kNを示した。
[実施例2]
実施例1において、U形ふたが乾燥した状態で一連の塗布及び保持を行ない、押し抜き試験を実施した。結果、50mm変位時で最大応力3.4kNを示した。
実施例1において、U形ふたが乾燥した状態で一連の塗布及び保持を行ない、押し抜き試験を実施した。結果、50mm変位時で最大応力3.4kNを示した。
[実施例3]
実施例1において、ポリウレタン樹脂(リムスプレーF−1000)の代わりにポリウレア樹脂(商品名:スワエールAR−100、指触乾燥時間5秒(23℃)、三井化学産資(株)製)を実施例1と同じスプレー装置で吹きつけて試験体を作製し、押し抜き試験を実施した。結果、50mm変位時で最大応力6.2kNを示した。
尚、上記ポリウレア樹脂の引張特性は、引張強度が24N/mm2、引張破断伸び(標線間)が200%であり、ぜい化温度が−55℃であった。
実施例1において、ポリウレタン樹脂(リムスプレーF−1000)の代わりにポリウレア樹脂(商品名:スワエールAR−100、指触乾燥時間5秒(23℃)、三井化学産資(株)製)を実施例1と同じスプレー装置で吹きつけて試験体を作製し、押し抜き試験を実施した。結果、50mm変位時で最大応力6.2kNを示した。
尚、上記ポリウレア樹脂の引張特性は、引張強度が24N/mm2、引張破断伸び(標線間)が200%であり、ぜい化温度が−55℃であった。
[比較例1]
実施例1において、ポリウレタン樹脂(リムスプレーF−1000)の代わりにエポキシ樹脂(商品名:シリカルEC1、三井化学産資(株)製)を2mm、ゴムヘラにて塗布して試験体を作製し、押し抜き試験を実施した。結果、5mm変位時に最大応力を示した後、塗膜が破壊し、以降急激に応力が低下し、0.2kN以下となった。
実施例1において、ポリウレタン樹脂(リムスプレーF−1000)の代わりにエポキシ樹脂(商品名:シリカルEC1、三井化学産資(株)製)を2mm、ゴムヘラにて塗布して試験体を作製し、押し抜き試験を実施した。結果、5mm変位時に最大応力を示した後、塗膜が破壊し、以降急激に応力が低下し、0.2kN以下となった。
[比較例2]
実施例1において、そこで使用したプライマーの代わりにアクリル系プライマー(商品名:シリカルMP2、引張強度30N/mm2、三井化学産資(株)製)を使用して試験体を作製し、押し抜き試験を実施した。結果、15mm変位時に最大応力0.9kNを示し、以後急激な応力低下は無かったものの、それ以上の応力上昇は認められなかった。
実施例1において、そこで使用したプライマーの代わりにアクリル系プライマー(商品名:シリカルMP2、引張強度30N/mm2、三井化学産資(株)製)を使用して試験体を作製し、押し抜き試験を実施した。結果、15mm変位時に最大応力0.9kNを示し、以後急激な応力低下は無かったものの、それ以上の応力上昇は認められなかった。
Claims (9)
- コンクリート構造物の表層に、引張強度が1N/mm2以上のエポキシ樹脂プライマー層と、引張強度が7N/mm2以上、引張破断伸びが50〜800%である厚みが0.8〜4mmのポリウレタン又はポリウレアの層が積層されてなるコンクリート表面構造体。
- エポキシ樹脂プライマーが、シランカップリング剤を含有していることを特徴とする請求項1記載のコンクリート表面構造体。
- シランカップリング剤が、エポキシ基を有するシランカップリング剤である請求項2記載のコンクリート表面構造体。
- ポリウレタン又はポリウレアが、ぜい化温度が−25℃以下のものである請求項1〜3記載のコンクリート表面構造体。
- ポリウレタン又はポリウレアの層の上に、さらにトップコート層及び/又は厚みが2mm以下のポリウレタン又はポリウレアからなる保護層が設けられてなる請求項1〜4記載のコンクリート表面構造体。
- コンクリート構造物の表層に、粘度が20〜5000mPa・sの範囲にあり、硬化時の引張強度が1N/mm2以上のエポキシ樹脂プライマーを塗布し、その上に、硬化時の引張強度が7N/mm2以上、引張破断伸びが50〜800%であるポリウレタン又はポリウレアの硬化性組成物を吹きつけ、厚みが0.8〜4mmのポリウレタン又はポリウレア層を形成させることを特徴とするコンクリート表面構造体の構築方法。
- エポキシ樹脂プライマーが、その100重量部に対し、シランカップリング剤を0.1〜5重量部の割合で含有する無溶剤型エポキシ樹脂プライマーである請求項6記載のコンクリート表面構造体の構築方法。
- コンクリート構造物表層が、湿潤状態にある請求項6又は7記載のコンクリート表面構造体の構築方法。
- ポリウレタン又はポリウレアの硬化性組成物として、指触乾燥時間が1〜120秒のものを使用することを特徴とする請求項6〜8記載のコンクリート表面構造体の構築方法。
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