JP2021086100A - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】導体パターンの発熱に起因する加熱部材の温度のばらつきに起因する不具合を抑制することを課題とする。【解決手段】無端状の定着ベルト20と、定着ベルト20に接触して定着ニップNを形成する加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する長手状のヒータ22と、定着ベルト20あるいは加圧ローラ21を加圧して、当該定着ベルト20と加圧ローラ21との間に定着ニップNを形成するための加圧機構80A,80Bとを備えた定着装置であって、加圧機構80A,80Bは、ヒータ22の長手方向における発熱量が大きい側の加圧力を、発熱量の小さい側の加圧力に対して相対的に小さくすることを特徴とする。【選択図】図18

Description

本発明は、加熱装置および画像形成装置に関する。
複写機、プリンタなどの画像形成装置に搭載される加熱装置として、用紙上のトナーを熱により定着させる定着装置や用紙上のインクを乾燥させる乾燥装置などが知られている。
例えば、下記特許文献1には、長手状の基板に、発熱体や電気接点、これらを電気的に接続する導体パターンなどが設けられた加熱部材(ヒータ)を備える定着装置が開示されている。
ところで、このような導体パターンが基板に設けられている加熱部材においては、発熱体を発熱させる際、導体パターンへの通電により導体パターンでもわずかながら発熱が生じる。このため、厳密には、加熱部材全体の発熱分布は、導体パターンの発熱の影響を受けることになる。
従って、導体パターンの発熱分布によっては、それが原因で加熱部材の温度分布にばらつきが生じる虞がある。従って、このような加熱部材を備える装置においては、導体パターンの発熱に起因する加熱部材の温度のばらつきに起因する不具合を抑制する対策が求められる。
上記課題を解決するため、本発明は回転部材と、前記回転部材に接触してニップ部を形成する対向部材と、前記回転部材を加熱する加熱部材と、前記回転部材と前記対向部材の少なくとも一方を加圧して他方に押し当てる加圧機構とを備えた加熱装置であって、前記加圧機構は、前記加熱部材の長手方向の発熱量が大きい側の加圧力を、発熱量の小さい側の加圧力に対して相対的に小さくすることを特徴とする。
本発明によれば、加熱部材の長手方向の一方側と他方側との温度偏差に起因する不具合を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 定着装置の概略構成図である。 定着装置の斜視図である。 定着装置の分解斜視図である。 加熱ユニットの斜視図である。 加熱ユニットの分解斜視図である。 ヒータの平面図である。 ヒータの分解斜視図である。 ヒータにコネクタが接続された状態を示す斜視図である。 ヒータへの電力供給を示す図である。 通常の通電経路を示す図である。 意図しない分流が生じた場合の通電経路を示す図である。 意図しない分流が生じた場合のブロックごとの給電線の発熱量を示す図である。 図13の場合について、ブロックごとの給電線の合計発熱量を示すグラフである。 全発熱部に通電した場合のブロックごとの給電線の発熱量を示す図である。 図15の場合について、ブロックごとの給電線の合計発熱量を示すグラフである。 等加圧条件での加圧機構による加圧力を示す図である。 小サイズ紙通紙時の様子を示す図で、上側がヒータ、中央が定着装置の長手方向の位置関係を示す図で、下側が定着ベルトの長手方向の温度分布を示す図である。 大サイズ紙通紙時の様子を示す図で、上側がヒータ、中央が定着装置の長手方向の位置関係を示す図で、下側が定着ベルトの長手方向の温度分布を示す図である。 加圧条件の変更のタイミングを示すフローチャートである。 図20とは異なる実施形態で、加圧条件の変更のタイミングを示すフローチャートである。 長手方向に複数の温度検知手段を設けた定着装置を示す図で、上側がヒータ、中央が定着装置の長手方向の位置関係を示す図で、下側が定着ベルトの長手方向の温度分布を示す図である。 温度検知手段の検知結果に基づいた、加圧条件の変更のタイミングを示すフローチャートである。 長手方向に複数の温度検知手段を設けた定着装置を示す図で、上側がヒータ、中央が定着装置の長手方向の位置関係を示す図で、下側が定着ベルトの長手方向の温度分布を示す図である。 温度検知手段の検知結果に基づいた、加圧条件の変更のタイミングを示すフローチャートである。 等加圧条件の加圧機構を示す図である。 第1加圧条件の加圧機構を示す図である。 第2加圧条件の加圧機構を示す図である。 異なる実施形態の加圧機構を示す図である。 さらに異なる実施形態の加圧機構を示す図である。 加圧ローラを加圧する加圧機構を設けた定着装置を示す図である。 ヒータの短手方向寸法と抵抗発熱体の短手方向寸法を示す平面図である。 (a)、(b)図はそれぞれ、ヒータの変形例を示す平面図である。 他の定着装置の構成を示す図である。 別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。 異なる構成のヒータの電力供給を示す図である。 図37のヒータにおいて、意図しない分流が生じた場合のブロックごとの給電線の発熱量を示す図である。 図38の場合について、ブロックごとの給電線の合計発熱量を示すグラフである。 図37のヒータにおいて、全発熱部に通電した場合のブロックごとの給電線の発熱量を示す図である。 図40の場合について、ブロックごとの給電線の合計発熱量を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。以下、各実施形態の説明において、加熱装置として、トナーを熱により定着させる定着装置として説明する。
図1に示すモノクロの画像形成装置1には、感光体ドラム10が設けられている。感光体ドラム10は、表面上に現像剤としてのトナーを担持可能なドラム状の回転体であり、図の矢印方向に回転する。感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させる帯電ローラ11と、感光体ドラム10の表面にトナーを供給する現像ローラ7等を備えた現像装置12と、感光体ドラム10の表面をクリーニングするためのクリーニングブレード13等で構成されている。
プロセスユニット2の上方には、露光部3が配置されている。露光部3が画像データに基づいて発したレーザ光Lbが、ミラー14を介して感光体ドラム10の表面に照射される。
また、感光体ドラム10に対向する位置に配置され、転写チャージャを備えた転写手段15が配置されている。転写手段15は、感光体ドラム10表面上の画像を用紙Pに転写する。
画像形成装置1の下部には給紙部4が位置しており、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙カセット16や、給紙カセット16から用紙Pを搬送路5へ搬出する給紙ローラ17等からなっている。給紙ローラ17の搬送方向下流側にはレジストローラ18が配置されている。
定着装置9は、後述する加熱部材によって加熱される定着ベルト20、その定着ベルト20を加圧可能な加圧ローラ21等を有している。
以下、図1を参照して上記画像形成装置1の基本的動作について説明する。
印刷動作(画像形成動作)が開始されると、まず感光体ドラム10が帯電ローラ11によってその表面を帯電される。そして、画像データに基づいて露光部3からレーザービームLbが照射され、照射された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム10には、現像装置12から表面部分にトナーが供給され、トナー画像(現像剤像)として可視像化される。そして、転写後の感光体ドラム10に残されたトナー等は、クリーニングブレード13によって取り除かれる。
一方、印刷動作が開始されると、画像形成装置1の下部では、給紙部4の給紙ローラ17が回転駆動することによって、給紙カセット16に収容された用紙Pが搬送路5に送り出される。
搬送路5に送り出された用紙Pは、レジストローラ18によってタイミングを計られ、感光体ドラム10表面上のトナー画像と向かい合うタイミングで転写手段15と感光体ドラム10との対向部である転写部へ搬送され、転写手段15による転写バイアス印加によりトナー画像が転写される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、加熱されている定着ベルト20と加圧ローラ21とによって加熱および加圧されて、トナー画像が用紙Pに定着される。そして、トナー画像が定着された用紙Pは、定着ベルト20から分離され、定着装置9の下流側に設けられた搬送ローラ対によって搬送され、装置外側に設けられた排紙トレイへと排出される。
続いて、定着装置9のより詳細な構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、回転部材あるいは定着部材としての定着ベルト20と、定着ベルト20の外周面に接触してニップ部Nを形成する、対向部材あるいは加圧部材としての加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する加熱ユニット19と、を備えている。また、加熱ユニット19は、加熱部材としての面状のヒータ22と、ヒータ22を保持する保持部材としてのヒータホルダ23と、ヒータホルダ23を支持する支持部材としてのステー24とを有する。
定着ベルト20は、無端状のベルト部材で構成され、例えば外径が25mmで厚みが40〜120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂による厚みが5〜50μmの離型層が形成される。基体と離型層の間に厚さ50〜500μmのゴム等からなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。
定着ベルト20は、後述する加圧機構によって加圧ローラ21の側へ加圧され、加圧ローラ21に圧接されている。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ21は、画像形成装置本体に設けられた駆動手段から駆動力が伝達されて回転駆動する駆動ローラとして機能する。一方、定着ベルト20は、加圧ローラ21の回転に伴って従動回転するように構成されている。定着ベルト20が回転すると、定着ベルト20はヒータ22に対して摺動するため、定着ベルト20の摺動性を高めるために、ヒータ22と定着ベルト20との間にオイルやグリースなどの潤滑剤を介在させてもよい。
ヒータ22は、定着ベルト20の回転軸方向あるいは長手方向(以下、「ベルト長手方向」ともいう。)に渡って長手状に設けられ、加圧ローラ21に対応する位置で定着ベルト20の内周面に接触している。ヒータ22は、被加熱部材としての定着ベルト20を加熱し、定着ベルト20を所定の定着温度まで加熱するための部材である。
本実施形態とは異なり、発熱部60を基材50の定着ベルト20側とは反対側(ヒータホルダ23側)に設けてもよい。その場合、発熱部60の熱が基材50を介して定着ベルト20に伝達されることになるため、基材50は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で構成されることが望ましい。また、本実施形態に係るヒータ22の構成において、さらに基材50の定着ベルト20とは反対側(ヒータホルダ23側)の面に、絶縁層を設けてもよい。
ヒータ22は、定着ベルト20に対して、非接触あるいは低摩擦シートなどを介して間接的に接触する場合であってもよいが、定着ベルト20への熱伝達効率を高めるには、本実施形態のように、ヒータ22を定着ベルト20に対して直に接触させる方が好ましい。また、ヒータ22を定着ベルト20の外周面に接触させることもできるが、定着ベルト20の外周面がヒータ22との接触により傷付くと定着品質が低下する虞があるため、ヒータ22が接触する面は定着ベルト20の内周面とすることが望ましい。
ヒータホルダ23およびステー24は、定着ベルト20の内側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置9の両側壁部に支持されている。ステー24によってヒータホルダ23のヒータ22側とは反対側の面が支持されていることで、ヒータ22およびヒータホルダ23は加圧ローラ21の加圧力に対して大きく撓むことなく保たれ、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制され効率的に定着ベルト20を加熱することができる。
印刷動作が開始されると、ヒータ22に電力が供給されることで、発熱部60が発熱し、定着ベルト20が加熱される。また、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に搬送される(図2の矢印A方向参照)ことで、未定着トナー画像が加熱および加圧されて用紙Pに定着される。
図3は、定着装置の斜視図、図4は、その分解斜視図である。
図3および図4に示すように、定着装置9の装置フレーム40は、一対の側壁部28と前壁部27とから成る第1装置フレーム25と、後壁部29から成る第2装置フレーム26と、を備えている。一対の側壁部28は、ベルト長手方向の一端部側と他端部側とに配置されており、両側壁部28によって、定着ベルト20、加圧ローラ21および加熱ユニット19の両端部側が支持される。各側壁部28には、複数の係合突起28aが設けられ、各係合突起28aが後壁部29に設けられた係合孔29aに係合することで、第1装置フレーム25と第2装置フレーム26とが組み付けられる。
また、各側壁部28は、加圧ローラ21の回転軸などを挿通させるための挿通溝28bが設けられている。挿通溝28bは、後壁部29側で開口し、これとは反対側では開口しない突き当て部となっている。この突き当て部側の端部には、加圧ローラ21の回転軸を支持する軸受30が設けられている。加圧ローラ21は、その回転軸の両端部がそれぞれ軸受30に装着されることで、両側壁部28によって回転可能に支持される。
また、加圧ローラ21の回転軸の一端部側には、駆動伝達部材としての駆動伝達ギヤ31が設けられている。駆動伝達ギヤ31は、加圧ローラ21が両側壁部28に支持された状態で、側壁部28よりも外側に露出した状態で配置される。これにより、定着装置9が画像形成装置本体に搭載された際、駆動伝達ギヤ31が画像形成装置本体に設けられているギヤと連結し、駆動源からの駆動力を伝達可能な状態となる。なお、加圧ローラ21に駆動力を伝達する駆動伝達部材としては、駆動伝達ギヤ31のほか、駆動伝達ベルトを張架するプーリやカップリング機構などであってもよい。
加熱ユニット19の長手方向の両端部には、定着ベルト20やヒータホルダ23、ステー24などを支持する一対のフランジ32が設けられている。各フランジ32には、ガイド溝32aが設けられている。このガイド溝32aを側壁部28の挿通溝28bの縁に沿って進入させることで、フランジ32が側壁部28に対して組み付けられる。
また、各フランジ32には、付勢部材としての一対のバネ33が当接している。各バネ33によってステー24やフランジ32が加圧ローラ21側に付勢されることで、定着ベルト20が加圧ローラ21に押し当てられ、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部が形成される。バネ33は、フランジ32に当接する側とは反対側の端部が、後述する加圧レバーによって加圧されている。
また、図4に示すように、第2装置フレーム26を構成する後壁部29の長手方向の一端部側には、画像形成装置本体に対する定着装置本体の位置決めを行う位置決め部としての孔部29bが設けられている。一方、画像形成装置本体には、位置決め部としての突起101が設けられている。この突起101が、定着装置9の孔部29bに対して挿入されることで、突起101と孔部29bが嵌合し、画像形成装置本体に対する定着装置本体のベルト長手方向の位置決めがなされる。なお、後壁部29の孔部29bが設けられた端部側とは反対の端部側には、位置決め部は設けられていない。これにより、温度変化に伴う定着装置本体のベルト長手方向の伸縮が拘束されないようにしている。
図5は、加熱ユニット19の斜視図、図6は、その分解斜視図である。
図5および図6に示すように、ヒータホルダ23の定着ベルト側の面(図5および図6における手前側の面)には、ヒータ22を収容するための矩形の収容凹部23aが設けられている。収容凹部23aは、ヒータ22とほぼ同等の形状およびサイズに形成されているが、収容凹部23aの長手方向寸法L2はヒータ22の長手方向寸法L1よりも若干長く設定されている。このように、収容凹部23aがヒータ22よりも若干長く形成されていることで、熱膨張によりヒータ22がその長手方向に伸びても、ヒータ22と収容凹部23aとが干渉しないように構成されている。また、ヒータ22は、この収容凹部23a内に収容された状態で、給電部材としての後述のコネクタによってヒータホルダ23と一緒に挟まれて保持される。
一対のフランジ32は、定着ベルト20の内側に挿入されて定着ベルト20を支持するC字状のベルト支持部32bと、定着ベルト20の端面に接触してベルト長手方向の移動(片寄り)を規制するフランジ状のベルト規制部32cと、ヒータホルダ23およびステー24の両端部側が挿入されてこれらを支持する支持凹部32dと、を有している。定着ベルト20は、その両端部側にベルト支持部32bが挿入されることで、ベルト非回転時においては基本的に周方向(ベルト回転方向)の張力は生じない、いわゆるフリーベルト方式で支持される。
図5および図6に示すように、ヒータホルダ23の長手方向一端部側には、位置決め部としての位置決め凹部23eが設けられている。この位置決め凹部23eに対して、図5および図6の左側に示されるフランジ32の嵌合部32eが嵌合することで、ヒータホルダ23とフランジ32とのベルト長手方向の位置決めがなされる。一方、図5および図6の右側に示されるフランジ32には、嵌合部32eは設けられておらず、ヒータホルダ23とのベルト長手方向の位置決めはされない。このように、フランジ32に対するヒータホルダ23の位置決めをベルト長手方向の片側のみとすることで、温度変化に伴ってヒータホルダ23がベルト長手方向へ伸縮したとしても、その伸縮が拘束されないようにしている。
また、図6に示すように、ステー24の長手方向の両端部側には、各フランジ32に対するステー24の移動を規制する段差部24aが設けられている。各段差部24aはフランジ32に突き当たることでフランジ32に対するステー24の長手方向の移動を規制する。ただし、これら段差部24aのうち少なくとも一方は、フランジ32に対して隙間(ガタ)を介して配置される。このように、少なくとも一方の段差部24aがフランジ32に対して隙間を介して配置されることで、温度変化に伴ってステー24がベルト長手方向に伸縮したとしても、その伸縮が拘束されないようにしている。
図7は、ヒータ22の平面図、図8は、その分解斜視図である。
図8に示すように、ヒータ22は、基材50と、基材50上に設けられた第1絶縁層51と、第1絶縁層51上に設けられた発熱部60などを有する導体層52と、導体層52を被覆する第2絶縁層53と、を有している。本実施形態では、定着ベルト20側(ニップ部N側)に向かって、基材50、第1絶縁層51、導体層52(発熱部60)、第2絶縁層53の順で積層されており、発熱部60から発された熱は、第2絶縁層53を介して定着ベルト20へと伝達される(図2参照)。
基材50は、ステンレス(SUS)や鉄、アルミニウム等の金属材料で構成された長手状の板材である。また、基材50の材料として、金属材料のほか、セラミック、ガラス等を用いることも可能である。基材50にセラミックなどの絶縁材料を用いた場合は、基材50と導体層52との間の第1絶縁層51を省略することが可能である。一方、金属材料は、急速加熱に対する耐久性に優れ、加工もしやすいため、低コスト化を図るのに好適である。金属材料の中でも、特にアルミニウムや銅は熱伝導性が高く、温度むらが発生しにくい点で好ましい。また、ステンレスはこれらに比べて安価に製造できる利点がある。
各絶縁層51,53は、耐熱性ガラスなどの絶縁性を有する材料で構成されている。また、これらの材料として、セラミックあるいはポリイミド(PI)等を用いてもよい。
導体層52は、複数の抵抗発熱体59を有する発熱部60と、複数の電極部61と、これらを電気的に接続する複数の、導電体としての給電線62と、で構成されている。各抵抗発熱体59は、基材50上に設けられた複数の給電線62を介して3つの電極部61のいずれか2つに対して電気的に並列接続されている。
発熱部60は、例えば、銀パラジウム(AgPd)やガラス粉末などを調合したペーストをスクリーン印刷等により基材50に塗工し、その後、当該基材50を焼成することによって形成される。発熱部60の材料として、これら以外に、銀合金(AgPt)や酸化ルテニウム(RuO)の抵抗材料を用いてもよい。
給電線62は、発熱部60よりも小さい抵抗値の導体で構成されている。給電線62や電極部61の材料としては、銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)などを用いることができ、このような材料をスクリーン印刷するなどによって給電線62や電極部61が形成されている。
図9は、ヒータ22にコネクタ70が接続された状態を示す斜視図である。
図9に示すように、コネクタ70は、樹脂製のハウジング71と、ハウジング71に設けられた複数のコンタクト端子72と、を有している。各コンタクト端子72は、板バネで構成され、給電用のハーネス73が接続されている。
図9に示すように、コネクタ70は、ヒータ22とヒータホルダ23とを表側と裏側から一緒に挟むようにして取り付けられる。この状態で、各コンタクト端子72の先端に設けられた接触部72aが、それぞれ対応する電極部61に弾性的に接触(圧接)することで、コネクタ70を介して発熱部60と画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続される。これにより、電源から発熱部60へ電力が供給可能な状態となる。なお、各電極部61は、コネクタ70との接続を確保するため、少なくとも一部が第2絶縁層53に被覆されておらず、露出した状態になっている(図7参照)。
図10に示すように、本実施形態では、基材50の長手方向に並ぶ複数の抵抗発熱体59のうち、両端以外の各抵抗発熱体59で構成される第1の発熱部(第1の抵抗発熱体群)60Aと、両端の各抵抗発熱体59で構成される第2の発熱部(第2の抵抗発熱体群)60Bとは、それぞれ独立して発熱制御可能に構成されている。具体的に、第1の発熱部60Aを構成する両端以外の各抵抗発熱体59は、それぞれ基材50の長手方向の一端部側に設けられた第1の電極部61Aに対して第1の給電線62Aを介して接続されている。また、第1の発熱部60Aを構成する各抵抗発熱体59は、第1の電極部61A側とは反対の端部側に設けられた第2の電極部61Bに対して第2の給電線62Bを介して接続されている。一方、第2の発熱部60Bを構成する両端の各抵抗発熱体59は、基材50の長手方向の一端部側に設けられた(第1の電極部61Aとは別の)第3の電極部61Cに対して第3の給電線62C又は第4の給電線62Dを介して接続されている。また、これら両端の各抵抗発熱体59は、第1の発熱部60Aの各抵抗発熱体59と同様に第2の給電線62を介して第2の電極部61Bに接続されている。
また、それぞれの電極部61A〜61Cは、前述のコネクタ70を介して電源64に接続され、電源64から電力を供給される。電極部61Aは、電源64との間に、切替え部としてのスイッチ65Aが設けられており、スイッチ65AのONOFFにより、電圧の印加の有無を切り替えることができる。同様に、電極部61Cは、電源64との間に、切替え部としてのスイッチ65Cが設けられており、スイッチ65CのONOFFにより、電圧の印加の有無を切り替えることができる。さらに、これらのスイッチ65A,65CのONOFFやヒータ22への電力供給のタイミングは制御回路66によって制御されている。また制御回路66は、画像形成装置内の各種センサーの検知結果に基づいて、これらの制御を行う。例えば、定着ニップNの入口や出口に設けられたセンサーの検知結果に基づいて用紙の通紙タイミングを判断し、ヒータ22への電力の供給の有無やスイッチ65A,65Cの切り替えを行うことができる。
第1電極部61Aおよび第2電極部61Bに電圧を印加した場合は、両端以外の各抵抗発熱体59が通電することで、第1の発熱部60Aのみが発熱する。一方、第2電極部61Bよび第3電極部61Cに電圧を印加した場合は、両端の各抵抗発熱体59が通電することで、第2の発熱部60Bのみが発熱する。また、全ての電極部61A〜61Cに電圧を印加すれば、第1の発熱部60Aおよび第2の発熱部60Bの両方の(全ての)抵抗発熱体59を発熱させることができる。例えば、A4サイズ(通紙幅:210mm)以下の比較的小さい幅サイズの用紙を通紙する場合は、第1の発熱部60Aのみを発熱させ、A4サイズ(通紙幅:210mm)を超える比較的大きい幅サイズの用紙を通紙する場合は、第1の発熱部60Aに加え第2の発熱部60Bも発熱させることで、用紙幅に応じた発熱領域とすることができる。
ところで、画像形成装置や定着装置のさらなる小型化を図るにあたっては、定着ベルトの内側に配置される部材の一つであるヒータの小型化が重要である。すなわち、ヒータをその短手方向(図10中の矢印Y方向:ヒータ22の発熱部60A,60Bが設けられている面に沿って長手方向と交差する方向、あるいは、ヒータ22の長手方向に直交する方向で、図10の紙面に直交する方向であるヒータ22の厚み方向とは異なる方向)に小さくすることで、定着ベルトを小径化することができ、ひいては定着装置および画像形成装置の小型化を実現できるようになる。具体的に、ヒータを短手方向に小さくする方法として、例えば次の3つの方法が挙げられる。
1つは、発熱部(抵抗発熱体)を短手方向に小さくする方法である。しかしながら、発熱部を短手方向に小さくすると、定着ベルトが加熱される加熱領域の幅が小さくなるため、定着ベルトに与える熱量を同様に確保しようとした場合に、昇温ピーク値が高くなるといった問題が生じる。昇温ピーク値が高くなると、ヒータの裏面に設けられているサーモスタットやヒューズなどの過昇温検知装置の温度が耐熱温度を超えたり、過昇温検知装置が誤作動したりする虞がある。また、昇温ピーク値が高くなると、ヒータから定着ベルトへの伝熱効率も低下するため、エネルギー効率の観点からも好ましくない。このように、発熱部を短手方向に小さくする方法は採用し難い事情がある。
2つ目の方法として、発熱部や電極部、給電線が設けられていない部分を短手方向に小さくする方法がある。しかしながら、この方法では、発熱部と給電線との間や電極部と給電線との間の間隔が小さくなるため、絶縁性の確保ができなくなる虞がある。現状のヒータの構造から鑑みれば、発熱部と給電線との間や電極部と給電線との間の間隔をさらに小さくすることは厳しい状況にある。
残る3つ目の方法としては、給電線を短手方向に小さくする方法である。この方法は、上記2つの方法に比べて実現の余地がある。ただし、給電線を短手方向に小さくすると、給電線の抵抗値が大きくなるため、ヒータの導電経路上で意図しない分流が発生する虞がある。特に、画像形成装置の高速化に対応すべく発熱部の発熱量を増大させるために、発熱部の抵抗値を小さくすると、給電線の抵抗値と発熱部の抵抗値が相対的に近づくため、意図しない分流が発生しやすくなる。このような意図しない分流を回避する方法として、給電線を短手方向に小さくした分、反対に厚さ方向(長手方向および短手方向に交差する方向)に大きくすることで、断面積を確保し、給電線の抵抗値が大きくなるのを抑制することも考えられる。しかしながら、その場合、給電線をスクリーン印刷することが困難になり、給電線の形成方法の変更を強いられることになる。このため、給電線を厚くする解決策は採用し難い。従って、ヒータの短手方向の小型化を実現するには、抵抗値が上昇するのを見越したうえで給電線を短手方向に小さくし、これに伴って発生し得る意図しない分流に対しては別途対策を講じる必要がある。
以下、上述のヒータ22と同じレイアウトのヒータを例に、意図しない分流と、これによる弊害について説明する。
図11に示すヒータ22において、第1の発熱部60Aの各抵抗発熱体59のみを発熱させるために第1の電極部61Aと第2の電極部61Bとに電圧を印加すると、通常、電流は、第1の給電線62Aに流れ、両端以外の各抵抗発熱体59を通過して、第2の給電線62Bに流れる。
しかしながら、上述の小型化に伴う給電線の抵抗値の増大や、発熱量向上に伴う発熱部の抵抗値の低下によって、給電線と発熱部のそれぞれの抵抗値の差が小さくなると、図12に示すように、意図しない経路の分流が発生する。すなわち、図12における左から2番目の抵抗発熱体59を通過した電流の一部が、その先の第2の給電線62Aの分岐部Xにて第2の電極部61B側とは反対側に流れる。そして、分流した電流は、図12における左端の抵抗発熱体59を通過し、さらに、第3の給電線62C、第3の電極部61C、第4の給電線62D、右端の抵抗発熱体59を順に通過した後、第2の給電線62Bに合流する。
このように、図12に示すヒータ22において、第2の給電線62Bのうち分岐部Xから図の左側に伸びる部分と、第2の発熱部60Bを構成する両端の各抵抗発熱体59と、第3の電極部61Cと、第3の給電線62Cおよび第4の給電線62Dを含む部分は、意図しない経路で電流を流す分岐導電経路E3を構成する。
また、このような意図しない分流は、ヒータ22の導電経路が、第1の発熱部60Aと第1の電極部61Aとを接続する第1の導電部E1と、第1の発熱部60Aからヒータ22の長手方向のうち第1の方向S1(図12の右側)に伸びて第2の電極部61Bに接続される第2の導電部E2と、第2の導電部E2から第1の方向S1とは反対の第2の方向S2(図12の左側)に分岐して第1の導電部E1を介さずに第2の導電部E2又は第2の電極部61Bに接続される分岐導電経路E3と、を少なくとも有する構成であれば、第1の発熱部60Aに通電した際に生じ得る。本実施形態では、分岐導電経路E3上に、第2の発熱部60Bと第3の電極部61Cとが設けられているが、第2の発熱部60Bおよび第3の電極部61Cが設けられていない導電経路や、これら以外の導電部材が設けられた導電経路であっても、意図しない分流は生じる可能性がある。
そして、意図しない分流が生じた場合、これまで想定されていなかった経路で電流が流れるため、給電線の発熱によりヒータ22の温度分布にばらつきが発生する。例えば、図13に示すヒータ22において、第1の電極部61Aから第1の発熱部60Aの各抵抗発熱体59へ電流が20%ずつ均等に流れ、このうち図の左から2番目の抵抗発熱体59を通過する電流が、その先の分岐部Xにおいて5%分流した場合、抵抗発熱体59ごとに区画された各ブロック内で発生する給電線の発熱量は、同図中の表に示すようになる。
ここでは、各給電線のヒータ22の短手方向に伸びる部分は短く、その部分における発熱量はわずかであることからその発熱量は無視し、各給電線のヒータ22の長手方向に伸びる部分で発生する発熱量のみを算出している。具体的には、第1の給電線62Aと、第2の給電線62Bと、第4の給電線62Dの、それぞれのヒータ22の長手方向に伸びる部分で発生する発熱量を算出している。また、発熱量(W)は下記式(1)で表されることから、図13の表に示す発熱量は、便宜的に各給電線に流れる電流(I)の二乗として算出している。よって、図13の表に示す発熱量の数値は、あくまで簡易的に算出された値であり、実際の発熱量とは異なるものである。
Figure 2021086100
図13に基づき、発熱量の算出方法について具体的に説明すると、第1ブロックにおいては、第1の給電線62Aに流れる電流が100%、第4の給電線62Dに流れる電流が5%であるので、それぞれの二乗の合計値である10025(10000+25)が第1ブロックにおける給電線の合計発熱量となる。また、第2ブロックにおいては、第1の給電線62Aに流れる電流が80%、第2の給電線62Bに流れる電流が5%、第4の給電線62Dに流れる電流が5%であるので、これらの二乗の合計値である6450(6400+25+25)が第2ブロックにおける給電線の合計発熱量となる。また、他のブロックにおいても、同様にして発熱量を算出している。
そして、図13の表に示す各ブロックの合計発熱量をグラフ化したものが図14である。図14に示すように、各ブロックの合計発熱量は、上記の意図しない分流の影響により、発熱領域中央の第4ブロックを基準に左右非対称となる。
また全ての発熱部に通電した場合にも、導電部に流れる電流の大きさの差から、ヒータ22の長手方向の発熱量が左右非対称になる。つまり、上記のようにヒータ22を小型化しようとした場合、電極部や導電部の配置も制約を受けるため、ヒータ22の長手方向の発熱量が左右対称にすることも難しくなる。また前述のように装置の高速化を実現しようとした場合にも、導電部に流れる電流値の値が大きくなって左右の差も大きくなることから、その差を無視できなくなる。以下、全ての発熱部に通電した場合について説明する。
図15に示すように、全ての発熱部に通電した場合、左右両端の抵抗発熱体59、および、これに接続された給電線62C,62Dにも20%の電流が流れる点が前述の場合と異なる。対して、給電線62Aに流れる電流の値は先ほどと同様である。この場合、第1ブロックにおいては、第1の給電線62Aに流れる電流が100%、第4の給電線62Dに流れる電流が20%であるので、それぞれの二乗の合計値である10400(10000+400)が第1ブロックにおける給電線の合計発熱量となる。また、第2ブロックにおいては、第1の給電線62Aに流れる電流が80%、第2の給電線62Bに流れる電流が20%、第4の給電線62Dに流れる電流が20%であるので、これらの二乗の合計値である7200(6400+400+400)が第2ブロックにおける給電線の合計発熱量となる。また、他のブロックにおいても、同様にして発熱量を算出している。
そして、図16に示すように、各ブロックの合計発熱量は、発熱領域中央の第4ブロックを基準に左右非対称となる。特に、全ての抵抗発熱体59に接続された第2の給電線62Bが、その下流側、つまり第7ブロックで電流値が120%と大きくなり、左右の発熱量に差が生じている。
このような左右非対称になる給電線の発熱量のばらつきは、ヒータ22の長手方向に渡る温度のばらつきの原因となる。ヒータ22の温度が長手方向に渡ってばらつくと、用紙に定着される画像が温度の高い部分で光沢度が高く、温度の低い部分では反対に光沢度が低くなるので、全体的に光沢むらが発生し、画質の低下につながる虞がある。なお、本実施形態では、小サイズ紙と大サイズ紙を均等に加熱できるように、各ブロックの長さは同じに設けている。
そこで本実施形態では、上記の部分的な通電をした場合(小サイズ紙を通紙する場合)と全ての発熱部に通電した場合(大サイズ紙を通紙した場合)のそれぞれについて、ヒータ22の長手方向に渡る温度のばらつきに起因する不具合(たとえば、定着むらや画像光沢むら)を抑制するために、以下に説明する対策を講じている。
図17に示すように、定着ベルト20の長手方向一方側の端部および他方側の端部をそれぞれ支持するフランジ321、322は、それぞれ独立した加圧機構によって加圧されており、この加圧により定着ベルト20が加圧ローラ21に圧接され、ニップ部Nが形成される。
加圧条件を変更する必要がない場合(詳しくは後述する)には、フランジ321に対する加圧力Fとフランジ322に対する加圧力Fは同じに設定される(以下、この加圧力の設定を等加圧条件と呼ぶ)。
図18は、ヒータ22と定着装置9内の他の部材との長手方向の位置関係を示した図であり、図の上側にヒータ22を、真ん中に定着装置9内の各部材を示し、その長手方向の位置関係を示している。また、図の下側に各長手方向の位置における定着ベルト20の温度(温度T)の分布を示している。図18で通紙される用紙Pは、ヒータ22が対応する小サイズの用紙で、例えばA4サイズの用紙である。
図18の上側に示すように、小サイズの用紙に対応して、ヒータ22では第1の発熱部60Aのみ通電される。この場合、前述のように長手方向の一方側(図の左側)でヒータ22の発熱量が大きくなり、図18の下側に示すように、定着ベルト20の温度Tも図の左側で大きくなる。ここで、「ヒータ22の長手方向の一方側の発熱量が大きい」とは、ヒータ22単体で測定した場合の発熱量が大きいことを意味する。
本実施形態では、加圧機構による各フランジ321、322への加圧力を前述した等加圧条件から変更することができ、定着ベルト20の温度Tの分布(あるいはヒータ22の発熱量の分布)に応じて加圧力を変更する。具体的には、図18の真ん中に示すように、定着ベルト20の長手方向一方側の端部を支持するフランジ321に対する加圧力を、加圧力Fよりも小さい加圧力FL1に変更し、他方側のフランジ322に対する加圧力は加圧力Fのままに設定する(以下、この加圧力の設定を第1加圧条件と呼ぶ)。つまり、フランジ321に対する加圧力がフランジ322に対する加圧力よりも小さく設定される。これにより、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側における、ニップ部Nのニップ圧(ニップ部での定着ベルト20と加圧ローラ21との圧接力)が相対的に小さくなる。さらに、ヒータ22の長手方向と直交する方向(ニップ部での用紙Pの搬送方向でもある)におけるニップ部Nの幅(以下、ニップ幅)が、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側が相対的に小さくなる。したがって、ヒータ22の長手方向の一方側と他方側の温度偏差に起因する不具合を抑制することができる。つまり、長手方向一方側と他方側とでの定着性の差を抑制、および、長手方向での光沢偏差を抑制することができる。従って、用紙の画像むらや光沢むらを抑制することができる。
また図19に示すように、大サイズ紙(例えばA3サイズの用紙)が通紙される場合、つまり全発熱部に通電時には、長手方向他方側が一方側よりも温度T(ヒータ22の発熱量)が大きくなる。この場合、フランジ321に対する加圧力を等加圧条件から変更せずに加圧力Fに設定し、フランジ322に対する加圧力を加圧力Fよりも小さい加圧力FR1に変更する(以下、この加圧力の設定を第2加圧条件と呼ぶ)。つまり、フランジ322に対する加圧力がフランジ321に対する加圧力よりも小さく設定される。これにより、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側のニップ圧が相対的に小さくなる。さらに、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側のニップ幅が相対的に小さくなる。したがって、ヒータ22の長手方向の一方側と他方側の温度偏差に起因する不具合を抑制することができる。つまり、長手方向一方側と他方側とでの定着性の差を抑制、および、長手方向での光沢偏差を抑制することができる。
加圧力とニップ圧は圧力分布測定システムを用いて面圧測定を行い、加圧領域における加重を面積で割り、算出することができる。具体的には、面圧分布測定システム(I−SCAN、ニッタ製)などを用いることができる。
ニップ幅の測定方法は、あらかじめ別の画像形成装置で作成したべた黒画像を定着装置に通紙している途中で、定着装置を強制停止し、10秒間停止させた後に、べた黒画像を引き抜くとべた黒画像上に、ニップ幅で光沢部分ができる。 この光沢部分の幅を測定することにより、ニップ幅を知ることができる。また、ニップ幅の測定方法は、ニップ部にOHP用紙を通紙し、一定時間接触状態を継続した後で、OHP用紙を抜き出し、形成されたニップの痕跡の幅を測定することで、ニップ幅を知ることもできる。
次に、以上で説明したそれぞれの加圧条件の切り換えのタイミングの具体例について、図20を用いて以下に説明する。
図20に示すように、まず画像形成装置1に電源が投入されると(ステップS0)、定着装置に電力が供給される。この際、加圧機構が稼働して定着ベルト20が加圧ローラ21に等加圧条件で押し当てられる(ステップS1)。
画像形成装置1に印刷指令がなされると(ステップS2)、画像形成装置1は印刷する用紙のサイズを認識し、印刷動作(画像形成動作)を開始する(ステップS3)。なお、ここでいう印刷動作(画像形成動作)とは、上記のように画像形成装置に印刷指令が到達し、印刷のための各種動作(定着ベルトの定着温度までの加熱や、用紙を搬送する各種ローラの回転動作など)を開始してから、最後の用紙に印刷が終了して装置外に排紙され、印刷のための各種動作を終了するまでを言う。
印刷動作が開始されると、ヒータ22によって定着ベルト20が目標温度まで加熱およびその温度で維持され、定着動作が可能な状態が形成される。印刷動作の開始の後に、印刷される用紙サイズによって、定着ベルト20を加圧する加圧機構の加圧条件が変更される(ステップS4)。具体的には、前述のように、小サイズ紙の場合には第1加圧条件に設定され、大サイズ紙の場合には第2加圧条件に設定される(ステップS5A,5B)。なお、本実施形態では第1加圧条件か第2加圧条件のいずれかに設定するものとしたが、用紙のサイズなどの印刷条件によって、等加圧条件に設定する場合を設けてもよい。なお、上記の印刷動作開始後の加圧条件を変更するタイミングとしては、例えば、印刷動作開始直後や定着装置に最初の用紙が進入するまでの所定のタイミング、などのタイミングを設定することができる。
そして、加圧機構がステップS5A、5Bで設定された加圧条件の状態で、定着装置に用紙が通紙される。そして、全ての用紙への定着動作が終了し、印刷動作が終了すると(ステップS6)、加圧機構を等加圧条件に変更する(ステップS7)。
以上のように、通紙される用紙のサイズに応じて加圧条件を変更することで、定着動作時の用紙に対する定着性を定着ベルトの長手方向の一方側と他方側とで揃えることができ、用紙に形成された画像の光沢むらや定着むらを抑制することができる。また、印刷動作実行時以外には等加圧条件に設定することで、加圧力の左右偏差が生じる時間を極力少なくし、定着ベルト20や加圧ローラ21の摩耗の左右偏差を抑制することができる。
次に、上記と異なる加圧条件の切り換えのタイミングを設定した実施例について、順に説明する。
図21に示すフローチャートの実施例では、印刷動作開始後(ステップS3)、定着装置にB枚の用紙を通紙するまでは加圧条件の変更を行わず、等加圧条件に設定する(ステップS11)。なお、定着装置にB枚の用紙を通紙時とは、定着ニップNの出口側に設けられたセンサーがB枚目の用紙の後端を検知した時点を言う。そして、B枚通紙後、用紙サイズに応じて加圧条件の変更を行う(ステップS5A,5B)。その後、印刷動作終了後に再び等加圧条件に変更する点などは同様である。なお、図21では印刷される用紙がB枚以上である場合を示したが、B枚より少ない場合には等加圧条件から変更せずに印刷動作を終了する。
印刷動作を開始直後はヒータ22や定着ベルト20の温度偏差が少ない。従って、本実施形態のようにB枚通紙まで加圧条件を等加圧条件に設定することで、画像の光沢むらや定着むらが生じにくい時間帯を等加圧条件で加圧させることができる。従って、前述の印刷動作開始直後に加圧条件を変更する場合と比較すると、加圧偏差を生じる時間をより少なくし、定着ベルト20や加圧ローラ21の摩耗の左右偏差をより抑制することができる。
上記の実施形態では、定着装置にB枚目の用紙が通紙後に加圧条件を変更するものとしたが、これに限らず、B枚目の用紙が機外に排紙された後や定着装置の入口側を通過した後等、対応する位置にセンサーを設けることで、これらのタイミングを選択することができる。また、印刷動作開始から所定のC時間経過後に用紙サイズに応じて加圧条件を変更するものとすることもできる。この場合でも、画像の光沢むらや定着むらの生じにくい時間帯を等加圧条件に設定し、定着ベルト20や加圧ローラ21の摩耗の左右偏差をより抑制することができる。またC時間についても、印刷動作開始時からに限らず、最初の用紙が所定のレジストローラを通過した時からや定着装置に到達した時から等のタイミングを選択することができる。なお、B枚やC時間は、画像形成装置の生産性や定着ベルトの熱容量、用紙の線速や用紙厚さなどに応じて最適な値を選択することができ、例えばB=2枚、C=10秒に設定することができる。
次に、温度検知手段の検知温度に基づいて、加圧条件を変更する場合について説明する。
図22に示すように、本実施形態では、定着ベルト20の長手方向(ヒータ22の長手方向、用紙の搬送方向と直交する方向でもある)の一方側と他方側にそれぞれ、定着ベルト20に対向して、定着ベルト20表面の温度を検知するための温度検知手段41a、41bが設けられる。温度検知手段41a、41bとしては、例えばサーミスタを採用することができ、その他、公知の温度検知手段を適宜用いることもできる。
本実施形態では、温度検知手段41a、41bは、ヒータ22の長手方向において、定着ニップに通紙される小サイズの用紙Pの長手方向一方側端部および他方側端部に対応する位置、言い換えると、第2ブロックと第6ブロックに対応する位置にそれぞれ設けられる。
この温度検知手段41a、41bにより検知した温度Tbと温度Taの差が設定した閾値の温度差T1を超えるか否かにより、加圧条件の変更の有無を判断する。本実施形態では、温度検知手段41a、41bによる温度検知結果は、小サイズ紙が通紙された場合の加圧条件の判断に用いられる。
具体的には、図23に示すように、印刷指令がなされて小サイズ紙の印刷動作が開始されると(ステップS2,S3)、所定の時間ごとに温度検知手段41a、41bによって温度Ta、Tbが検知される。そして、温度Taが温度Tbよりも温度T1以上大きくなった場合には(ステップS41)、加圧機構を第1加圧条件に変更し、長手方向一方側の加圧力を小さくする。つまり、温度検知手段41a、41bが検知した温度の高い側の加圧力を小さくする。その後、印刷動作終了後に再び等加圧条件に変更する点などは同様である。また、印刷動作中に温度差がT1を超えなかった場合には、そのまま印刷動作を終了する(ステップS43)。
また、大サイズ紙の幅方向端部に対応した位置に温度検知手段を設けることもできる。例えば、図24に示すように、温度検知手段41a、41bは大サイズの用紙Pの長手方向一方側端部および他方側端部に対応する位置、言い換えると、第1ブロックと第7ブロックに対応する位置にそれぞれ設けられる。本実施形態では、温度検知手段41a、41bによる温度検知結果は、大サイズ紙が通紙された場合の加圧条件の判断に用いられる。
具体的には、図25に示すように、大サイズ紙の印刷動作が開始されると(ステップS2,S3)、所定の時間ごとに温度検知手段41a、41bによって温度Ta、Tbが検知される。そして、温度Tbが温度Taよりも温度T2以上大きくなった場合には(ステップS42)、加圧機構を第2加圧条件に変更し、長手方向他方側の加圧力を小さくする。つまり、温度検知手段41a、41bが検知した温度の高い側の加圧力を小さくする。
以上のように、温度検知手段41a、41bによって定着ベルト20の温度を検知することで、より適切なタイミングで加圧条件の変更が可能であり、ヒータ22の長手方向の一方側と他方側との温度偏差に起因する不具合を抑制することができる。つまり、画像の光沢むらや定着むらを効果的に抑制することができる。さらに、加圧偏差が生じる時間をより少なくし、定着ベルト20や加圧ローラ21の摩耗の左右偏差をより抑制することができる。
温度T1、T2は、画像の光沢むらや定着性のむらを効果的に防止するために、20deg以下に設定することが好ましい。また温度T1、T2は、温度検知手段41a、41bの温度検知誤差や配置の誤差、定着ニップに対する用紙搬送位置のばらつきや各抵抗発熱体59の配置の誤差を考慮して設定する必要がある。つまり、これらの要因による誤検知を抑制するために、温度T1、T2は10deg程度に設定することがより好ましい。
以上のようにして、大サイズ紙、小サイズ紙のそれぞれの場合について、各タイミングで加圧条件を変更することができる。1つの画像形成装置において、第1加圧条件に変更する条件と第2加圧条件に変更する条件は共通であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、小サイズ紙の場合には印刷動作開始直後に第1加圧条件に変更するが、大サイズ紙の場合にはB枚通紙後に変更するといったことも可能であり、それぞれの温度偏差の生じ方によって適宜選択することができる。また、いずれか一方のサイズの用紙の場合だけ、加圧条件を変更することも可能である。
また、前述したタイミングと異なるタイミングとして、定着装置に通紙中(用紙Pが図2の定着ニップNを通過中)だけ加圧条件を変更することもできる。これにより、画像の光沢むらや定着性のむらを防止する効果を極力損なうことなく、加圧偏差が生じる時間をより少なくすることができる。
また以上の実施形態では、等加圧条件の場合と比較して、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側の定着ベルト20(を保持するフランジ)に対する加圧力を小さくするものとしたが、これとは逆に、ヒータ22の長手方向の発熱量が小さい側の加圧力を大きくする構成とすることもできる。
さらに、以上の実施形態では加圧条件を等加圧条件に戻すタイミングを印刷動作終了後としたが、最後の用紙が画像形成装置本体から排紙された直後(図1の画像形成装置1の機外へ排紙された直後)や、最後の用紙が定着装置を通過した直後(用紙Pの後端が図2の定着ニップNを通過した直後)としてもよい。これにより、画像の光沢むらや定着性のむらを防止する効果を極力損なうことなく、加圧偏差が生じる時間をより少なくすることができる。
次に、フランジ321、322を加圧し、その加圧力を変更するための加圧機構について説明する。
図26(a)に示すように、定着装置9は、定着ベルト20の長手方向一方側に設けられたフランジ321を加圧するための加圧機構80Aを有する。加圧機構80Aは、付勢部材としてのバネ33と、加圧手段としての加圧レバー81と、加圧力調整機構としてのカム82等を有する。
バネ33は、その一端をフランジ321に接続され、他端を加圧レバー81に接続されている。
加圧レバー81は、その長手方向一端部に支点81aを有する。支点81aは定着装置9のフレーム部(例えば図3の側壁部28)に固定され、加圧レバー81は、支点81aを中心に回転可能に設けられる(図26aの両矢印参照)。加圧レバー81は、長手方向他端側にカム82が当接し、カム82が当接する側(図26aの右側)と反対側の面をバネ33に接続している。
カム82は、カム軸82aを中心に回転可能に設けられる。また、カム軸82aは、駆動制御機構83に接続されている。
駆動制御機構83は、カム軸82aに回転駆動力を与えるモータ84と、モータを制御する制御部85とを備える。
加圧レバー81の一端側がカム82によって加圧されることで、この加圧力がバネ33を介してフランジ321に伝達され、定着ベルト20が加圧ローラ21の側へ加圧される。
図26(b)に示すように、フランジ321を加圧する加圧機構80Aと同様に、定着ベルト20の長手方向他端側には、フランジ322を加圧する加圧機構80Bが設けられる。加圧機構80Bは、加圧機構80Aと基本的に同様の構成をしている。加圧機構80A、80Bに設けられたそれぞれのカム82は共通のカム軸82aを有しており、共通の駆動制御機構83によって駆動力を与えられて同じ位相だけ回転する。2つのカム82,82は、本実施形態では120度その位相がずれている。カム軸82aを回転させる駆動制御機構は、120度間隔で駆動させるパルスモータ駆動機構によって構成される。また、それぞれの加圧レバー81は、支点81aを中心に独立して回転可能に設けられる。
加圧機構80Aがフランジ321を、加圧機構80Bがフランジ322をそれぞれ加圧することで、定着ベルト20と加圧ローラ21とが圧接され、定着ニップNが形成される。
フランジ321,322に対する加圧力の変更は、駆動制御機構83によりカム軸82aを回転させることにより行われる。つまり、各カム82は、カム軸82aを中心に回転することで、加圧レバー81に当接する面を変更し、その加圧力を変更する。
等加圧条件の場合には、図26(a)および図26(b)に示すように、加圧機構80A,80Bの両方のカム82が、その長径側(径R1の側)を加圧レバー81に向けており、それぞれの加圧力が同じ加圧力である加圧力F、Fに設定される。加圧機構80Aのカム82と加圧機構80Bのカム82は、その回転位相が異なっており、異なるタイミングで短径側を加圧レバー81に当接させる。なお、図26(a)および図26(b)は同方向から見た図である。
図27(a)および図27(b)に示すように、カム軸82aを所定の回転量(本実施形態では、図26aの位相から時計回りに120度)回転させることにより、第1加圧条件に変更することができる。具体的には、加圧機構80Aのカム82は短径側(径R2の側)を、加圧機構80Bのカム82は長径側を、それぞれ加圧レバー81に当接させる。加圧機構80Aのカム82が加圧レバー81に当接する面を長径側から短径側に変化することで、カム82の加圧レバー81に対する加圧力が小さくなり、その分だけバネ33のフランジ321に対するバネ荷重が小さくなる。つまり、フランジ321を加圧する力が小さくなる。一方、加圧機構80Bの側の加圧力は変化しない。これらにより、それぞれの加圧力が加圧力FL1、Fに設定される。なお、図26(a)から図27(a)において加圧レバー81が図の左右方向への変位に応じて、バネ33の伸縮量が変化している。
また、図28(a)および図28(b)に示すように、カム軸82aを第1加圧条件へ変更する際とは異なる所定の回転量(本実施形態では、図26aの位相から時計回りに240度)回転させることにより、第2加圧条件に変更することができる。具体的には、加圧機構80Aのカム82は長径側を、加圧機構80Bのカム82は短径側を、それぞれ加圧レバー81に当接させ、それぞれの加圧力が加圧力F、FR1に設定される。
このように、加圧機構80A,80Bのそれぞれのカム82,82の位相をずらすことで、カム82,82を共通のカム軸82aで回転させ、それぞれの加圧条件を変更することが可能になり、加圧機構80A,80Bの駆動力を小さくすることができると共に、各カム82,82の回転位相のずれが生じることを防止できる。
上記の説明では、長手方向の発熱量が大きい側の加圧力を小さくする構成の加圧機構を示したが、発熱量が小さい側の加圧力を大きくする構成の加圧機構であってもよい。つまり、第1加圧条件では加圧機構80Bの加圧力を大きくし、第2加圧条件では加圧機構80Aの加圧力を大きくする構成であってもよい。
一例として、図29(a)および図29(b)に示す加圧機構80Aおよび加圧機構80Bを採用することができる。前述の加圧機構との違いとして、カム82の短径側(半径R2側)の範囲が大きく、長径側(半径R1側)の範囲が小さくなっている。加圧機構80Aと加圧機構80Bとでその位相が120度異なる点は同様である。図29(a)および図29(b)は等加圧条件の場合を示しており、図の状態から時計回りに120度回転させることで、加圧機構80Bのカム82が長径側を加圧レバー81に当接させ、加圧機構80Bによる加圧力Fが加圧機構80Aによる加圧力Fよりも大きくなる条件に変更される。また、図の状態から時計回りに240度回転させることで、加圧機構80Aのカム82が長径側を加圧レバー81に当接させ、加圧機構80Aによる加圧力Fが加圧機構80Bによる加圧力Fよりも大きくなる条件に変更される。
以上の実施形態では、加圧機構80A,80Bによる加圧力のみを変更する場合を示したが、加圧機構80A,80Bによる加圧力を変更することで、定着ベルト20の加圧ローラ21に対する押し込み量が変化し、定着ニップ幅が変化する構成としてもよい。
例えば図30に示すように、本実施形態の加圧機構80Aでは、バネ33に代えて、加圧レバー81に、フランジ321の側に突出し、フランジ321に当接する加圧部81bが設けられる。なお、加圧機構80Bも基本的に同様の構成をしている。
前述のバネ33を用いた構成では、加圧レバー81の位置が変化しても、バネ33の圧縮量が変化することで、その変化量が吸収されていた。これに対して本実施形態では、加圧レバー81が図の左右方向へ移動した分だけ、フランジ321が移動し、定着ベルト20の加圧ローラ21に対する加圧状態が変化する。つまり、定着ニップNの幅が変化することになる。
なお、図30では短径側の範囲が狭いカム82の場合を例示したが、図29のように、長径側の範囲が狭いカム82を採用し、長手方向の発熱量の小さい側の定着ニップNの幅を大きくする構成としてもよい。
以上のように本発明では、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側において、加圧機構の加圧力を相対的に小さくすることで、ヒータ22や定着ベルト20の長手方向の温度偏差起因による不具合を抑制することができる。つまり、画像光沢むらや定着むらを抑制することができる。従って、画像形成装置の高速化や小型化にも対応することができる。
上記の実施形態では、加圧機構が定着ベルトを支持するフランジを加圧する例を示したが、図31に示すように、加圧機構が加圧ローラ21の軸21dを加圧して、加圧ローラ21を定着ベルト20へ押し付けるようにしても良い。なお、図31では、加圧機構が加圧ローラ21の軸21dを加圧する構成を示したが、加圧ローラ21の軸を支持するベアリングを加圧するようにしても良い。
また本発明は、特に短手方向に小型化したヒータに好適である。具体的には、図32に示すヒータ22(基材50)の短手方向寸法Qに対する抵抗発熱体59の短手方向寸法Rの比(R/Q)が25%以上となるヒータ22に本発明を適用することが好ましい。さらに、本発明は、前記短手方向の寸法比(R/Q)が40%以上となるヒータ22に適用されることがより好ましい。このような小型のヒータ22に本発明を適用することでより大きな効果を期待できる。
また、前述のヒータ22の温度のばらつきを抑制するために、PTC特性を有する抵抗発熱体を用いてもよい。PTC特性とは、温度が高くなると抵抗値が高くなる(一定電圧をかけた場合に、ヒータ出力が下がる)特性である。PTC特性を有する発熱部とすることで、低温では高出力によって高速で立ち上がり、高温では低出力により過昇温を抑制することができる。例えば、PTC特性のTCR係数を300〜4000ppm/度程度にすれば、ヒータに必要な抵抗値を確保しながら、低コスト化を図れる。より好ましくは、TCR係数を500〜2000ppm/度とするのがよい。
抵抗温度係数(TCR)は、下記式(2)を用いて算出することができる。式(2)中のT0は基準温度、T1は任意温度、R0は基準温度T0における抵抗値、R1は任意温度T1における抵抗値である。例えば、図7に示す上述のヒータ22において、第1の電極部61Aと第2の電極部61Bとの間の抵抗値が、25℃(基準温度T0)で10Ω(抵抗値R0)であり、125℃(任意温度T1)で12Ω(抵抗値R1)であった場合は、式(2)から抵抗温度係数は2000ppm/℃となる。
Figure 2021086100
また、本発明を適用するヒータは、図7などに示すようなブロック状(四角形状)の抵抗発熱体59を有するヒータ22に限らず、例えば、図33(a)あるいは図33(b)に示すような、直線を折り返したような形状の抵抗発熱体59を有するヒータ22や、その他の形状の抵抗発熱体を有するヒータにも適用可能である。なお、図中において、着色した箇所が抵抗発熱体59を示している。図33(a)では、ヒータ22の長手方向に沿って形成されている給電線62A、62Dから、長手方向と交差する方向に給電線が一部延びている例である。一方、図33(b)は、ヒータ22の長手方向に沿って形成されている給電線62A、62Dから長手方向と交差する方向に折れ曲がった領域も含めて抵抗発熱体59として形成されている例である。
また、本発明は、前述の定着装置のほか、図34〜図36に示すような定着装置にも適用可能である。以下、図34〜図36に示す各定着装置の構成について簡単に説明する。
まず、図34に示す定着装置9は、定着ベルト20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ90が配置されており、この押圧ローラ90とヒータ22とによって定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材91が配置されている。ニップ形成部材91は、ステー24によって支持されており、ニップ形成部材91と加圧ローラ21とによって定着ベルト20を挟んでニップ部Nを形成している。
図34に示す定着装置9においても、前述の実施形態で説明したように、定着ベルト20と加圧ローラ21の少なくとも一方を加圧して他方に押し付ける加圧機構を設けて、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側の加圧力を発熱量が小さい側の加圧力に対して相対的に小さくする。これにより、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側のニップ圧が相対的に小さくなる。さらに、ニップ幅がヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側が相対的に小さくなる。したがって、ヒータ22の長手方向の一方側と他方側の温度偏差に起因する不具合を抑制することができる。つまり、長手方向一方側と他方側とでの定着性の差を抑制、および、長手方向での光沢偏差を抑制することができる。従って、用紙の画像むらや光沢むらを抑制することができる。
次に、図35に示す定着装置9では、前述の押圧ローラ90が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図34に示す定着装置9と同じ構成である。
最後に、図36に示す定着装置9について説明する。定着装置9は、加熱アセンブリ92、回転部材(定着部材)である定着ローラ93、対向部材である加圧アセンブリ94からなる。加熱アセンブリ92は、先の実施形態で説明したヒータ22および加熱ユニット19、加熱ベルト120を有する。また、定着ローラ93は、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。また、定着ローラ93に対して加熱アセンブリ92側とは反対側に、加圧アセンブリ94が設けられている。加圧アセンブリ94は、ニップ形成部材95とステー96とを配置し、これらニップ形成部材95とステー96を内包するように加圧ベルト97を回転可能に配置している。そして、加圧ベルト97と定着ローラ93との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱および加圧して画像を定着する。
図36に示す定着装置9において、加熱アセンブリ92は定着ローラ93を加熱するため、前述のようにヒータ22の長手方向(図の奥行方向)において一方側と他方側と発熱量の偏差があると、定着ローラ93においても、長手方向の一方側と他方側とで温度の偏差が生じる。
そこで、図36に示す定着装置9においても、回転部材(定着部材)である定着ローラ93と対向部材である加圧アセンブリ94の少なくとも一方を加圧して他方に押し付ける加圧機構を設けて、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側の加圧力を発熱量が小さい側の加圧力に対して相対的に小さくする。これにより、ヒータ22の長手方向の発熱量が大きい側のニップ圧が相対的に小さくなる。さらに、ニップ幅がヒータ22の発熱量が大きい側が相対的に小さくなる。したがって、ヒータ22の長手方向の一方側と他方側の温度偏差に起因する不具合を抑制することができる。つまり、長手方向一方側と他方側とでの定着性の差を抑制、および、長手方向での光沢偏差を抑制することができる。従って、用紙の画像むらや光沢むらを抑制することができる。
また、ヒータ22の基材50上に配置される電極部等のレイアウトについても、上記の実施形態に限らず、長手方向の一方側と他方側とで温度偏差が生じるヒータに対して本発明を適用することができる。
例えば、本発明を適用するその他のヒータの例として、図37に示すヒータ22は、前述の実施形態と異なり、全ての電極部が長手方向の一方側に設けられる。つまり、図10等のヒータ22と比較すると、第2の電極部61Bが長手方向一方側に設けられる点が異なる。また、図37に示すように、第2の電極部61Bが長手方向一方側に設けられるため、第2の電極部61Bに直に接続される給電線が長手方向他方側まで延在して折り返し、各抵抗発熱体59に接続されている。本実施形態では、これらの第2の電極部61Bと各抵抗発熱体59を接続する給電線のうち、各抵抗発熱体59に接続される部分から長手方向他方側の折り返し部分までを第2の給電線62Bと称し、折り返し部分に連続した長手方向一方側へ延在する部分から第2の電極部61Bまでの部分を第5の給電線(導電体)62Eと称する。
このようなヒータ22においても、第1の発熱部60Aのみに通電した場合、そして、第1の発熱部60Aおよび第2の発熱部60Bに通電した場合のそれぞれについて、前述したような長手方向の温度偏差が生じる。
まず、第1の発熱部60Aのみに通電した場合には、図38および図39に示すように、意図しない分流が第3の給電線62Cの側へ生じる。従って、各ブロックの合計発熱量は、発熱領域中央の第4ブロックを基準に左右非対称となり、長手方向一方側の発熱量が他方側に比べて大きくなる。また、第1の発熱部60Aおよび第2の発熱部60Bに通電した場合にも、図40および図41に示すように、第4ブロックを基準に合計発熱量が左右非対称となり、長手方向他方側の発熱量が一方側に比べて大きくなる。
そして前述の実施形態と同様、ヒータ22の長手方向において、ヒータ22の発熱量が大きい側の加圧機構による加圧力を発熱量が小さい側よりも相対的に小さくすることで、ヒータ22の発熱量が大きい側のニップ部Nにおけるニップ圧やニップ幅を小さくし、ヒータ22の長手方向一方側と他方側との温度偏差に起因する不具合を抑制することができる。つまり、長手方向一方側と他方側とでの定着性の差を抑制、および、長手方向での光沢偏差を抑制することができる。従って、用紙の画像むらや光沢むらを抑制することができる。
また、本発明は、上記の実施形態で説明したような定着装置に限らず、用紙に塗布されたインクを乾燥させる乾燥装置、さらには、被覆部材としてのフィルムを用紙等のシートの表面に熱圧着するラミネータや、包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの熱圧着装置のような加熱装置にも適用可能である。このような装置にも本発明を適用することで、ヒータ22の長手方向の一方側と他方側の温度偏差に起因する不具合を抑制することができる。
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
1 画像形成装置
9 定着装置(加熱装置)
19 加熱ユニット
20 定着ベルト(被加熱部材あるいは回転部材あるいは定着部材)
21 加圧ローラ(対向部材あるいは加圧部材)
22 ヒータ(加熱部材)
31 駆動ギヤ(駆動伝達部材)
40 装置フレーム
41a、41b 温度検知手段
59 抵抗発熱体(発熱体)
60 発熱部
60A 第1の発熱部
60B 第2の発熱部
61 電極部
61A 第1の電極部
61B 第2の電極部
61C 第3の電極部
62 給電線(導電体)
62A 第1の給電線
62B 第2の給電線
62C 第3の給電線
62D 第4の給電線
62E 第5の給電線
65A,65C スイッチ(切替え部)
70 コネクタ(給電部材)
80A,80B 加圧機構
E1 第1の導電部
E2 第2の導電部
E3 分岐導電経路
A 通紙方向
N 定着ニップ(ニップ部)
P 用紙(記録媒体)
Q ヒータの短手方向寸法
R 抵抗発熱体の短手方向寸法
S1 第1の方向
S2 第2の方向
Y ヒータの短手方向
特開2016−62024号公報

Claims (14)

  1. 回転部材と、
    前記回転部材に接触してニップ部を形成する対向部材と、
    前記回転部材を加熱する加熱部材と、
    前記回転部材と前記対向部材の少なくとも一方を加圧して他方に押し当てる加圧機構とを備えた加熱装置であって、
    前記加圧機構は、前記加熱部材の長手方向の発熱量が大きい側の加圧力を、発熱量の小さい側の加圧力に対して相対的に小さくすることを特徴とする加熱装置。
  2. 回転部材と、
    前記回転部材に接触してニップ部を形成する対向部材と、
    前記回転部材を加熱する加熱部材と、
    前記回転部材と前記対向部材の少なくとも一方を加圧して他方に押し当てる加圧機構とを備えた加熱装置であって、
    前記ニップ部でのニップ圧が、前記加熱部材の長手方向において前記加熱部材の発熱量が大きい側が発熱量の小さい側に対して相対的に小さくなるように、前記加圧機構は前記ベルト部材と前記対向部材の少なくとも一方を加圧することを特徴とする加熱装置。
  3. 回転部材と、
    前記回転部材に接触してニップ部を形成する対向部材と、
    前記回転部材を加熱する加熱部材と、
    前記回転部材と前記対向部材の少なくとも一方を加圧して他方に押し当てる加圧機構とを備えた加熱装置であって、
    前記加熱部材の長手方向と直交する方向の前記ニップ部の幅であるニップ幅が、前記加熱部材の長手方向において前記加熱部材の発熱量が大きい側が発熱量の小さい側に対して相対的に小さくなるように、前記加圧機構は前記ベルト部材と前記対向部材の少なくとも一方を加圧することを特徴とする加熱装置。
  4. 前記加熱部材は、
    少なくとも1つの抵抗発熱体を含む第1の発熱部と、
    前記第1の発熱部よりも前記加熱部材の長手方向両端部側にそれぞれ位置する少なくとも2つの抵抗発熱体を含む第2の発熱部と、
    複数の導電体と、
    前記導電体を介して前記第1の発熱部と接続される第1の電極部と、
    前記導電体を介して前記第1の発熱部および前記第2の発熱部に共通に接続される第2の電極部と、
    前記導電体を介して前記第2の発熱部と接続される第3の電極部とを有する請求項1から3いずれか1項に記載の加熱装置。
  5. 回転部材と、
    前記回転部材に接触してニップ部を形成する対向部材と、
    前記回転部材を加熱する加熱部材と、
    前記回転部材と前記対向部材の少なくとも一方を加圧して他方に押し当てる加圧機構とを備えた加熱装置であって、
    前記加熱部材は、
    少なくとも1つの抵抗発熱体を含む第1の発熱部と、
    前記第1の発熱部よりも前記加熱部材の長手方向両端部側にそれぞれ位置する少なくとも2つの抵抗発熱体を含む第2の発熱部と、
    複数の導電体と、
    前記導電体を介して前記第1の発熱部と接続される第1の電極部と、
    前記導電体を介して前記第1の発熱部および前記第2の発熱部に共通に接続される第2の電極部と、
    前記導電体を介して前記第2の発熱部と接続される第3の電極部と、を有し、
    前記第1の発熱部と前記第2の発熱部の両方に通電した状態では、前記加圧機構は、前記加熱部材の長手方向において、前記第1の電極部が配置されている側とは反対側の加圧力を、前記第1の電極部が配置されている側の加圧力に対して相対的に小さくし、
    前記第1の発熱部および前記第2の発熱部のうち、前記第1の発熱部のみに通電した状態では、前記加圧機構は、前記加熱部材の長手方向において、前記第1の電極部が配置されている側の加圧力を、前記第1の電極部が配置されている側とは反対側の加圧力に対して相対的に小さくすることを特徴とする加熱装置。
  6. 画像形成装置の画像形成動作が開始された後に、前記加圧機構が、前記加熱部材の長手方向の発熱量が大きい側の加圧力を、発熱量の小さい側の加圧力に対して相対的に小さくする請求項1から5いずれか1項に記載の加熱装置。
  7. 画像形成装置が画像形成動作を開始してから所定の枚数の記録媒体に定着動作が行われた後、前記加圧機構が、前記加熱部材の長手方向の発熱量が大きい側の加圧力を、発熱量の小さい側の加圧力に対して相対的に小さくする請求項6記載の加熱装置。
  8. 画像形成装置が画像形成動作を開始してから所定の時間経過後、前記加圧機構が、前記加熱部材の長手方向の発熱量が大きい側の加圧力を、発熱量の小さい側の加圧力に対して相対的に小さくする請求項6記載の加熱装置。
  9. 画像形成装置の画像形成動作終了後、前記加圧機構が、前記長手方向の一方側と他方側との加圧力を同じに変更する請求項1から8いずれか1項に記載の加熱装置。
  10. 回転部材と、
    前記回転部材に接触してニップ部を形成する対向部材と、
    前記回転部材を加熱する加熱部材と、
    前記回転部材と前記対向部材の少なくとも一方を加圧して他方に押し当てる加圧機構と、
    前記回転部材に対向し、前記加熱部材の長手方向の一方側と他方側とに設けられた温度検知手段を備えた加熱装置であって、
    前記一方側と他方側の温度検知手段が検知した温度差が所定の値以上の場合に、前記加圧機構が、前記温度検知手段が検知した温度が高い側の加圧力を、温度が低い側の加圧力に対して相対的に小さくする加熱装置。
  11. 前記加熱部材の長手方向と直交する方向で、前記加熱部材の厚み方向と異なる方向を短手方向とすると、
    前記加熱部材の短手方向寸法に対する前記抵抗発熱体の短手方向寸法の比が、25%以上である請求項1から10のいずれか1項に記載の加熱装置。
  12. 前記加熱部材の長手方向と直交する方向で、前記加熱部材の厚み方向と異なる方向を短手方向とすると、
    前記加熱部材の短手方向寸法に対する前記抵抗発熱体の短手方向寸法の比が、40%以上である請求項1から10のいずれか1項に記載の加熱装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の加熱装置は、記録媒体上のトナーを熱により定着させる加熱装置。
  14. 請求項1から13いずれか1項に記載の加熱装置を備えた画像形成装置。
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