JP2020148943A - 加熱部材、加熱装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱部材、加熱装置、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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祐介 古市
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健一 長谷川
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健一 長谷川
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知哉 足立
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Abstract

【課題】加熱部材とこれに対して摺動する相手部材との間でのスティックスリップによる異音の発生を抑制する。【解決手段】基材層51と、基材層51に設けられた発熱部60と、基材層51に設けられ相手部材20に対して相対的に摺動する摺動層50と、を備え、摺動層50が、フッ素を含有する材料で形成された加熱部材22であって、摺動層50の相手部材20に対して接触する摺動面の表面粗さは、相手部材20の摺動層50に対して接触する摺動面の表面粗さよりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、加熱部材、加熱部材を備える加熱装置、定着装置及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置において、用紙上のトナーを熱により定着させる定着装置や用紙上のインクを乾燥させる乾燥装置などに用いられる加熱部材として、板状の基材層に抵抗発熱体(発熱部)などが設けられたヒータが知られている。
例えば、特許文献1(特開2004−198448号公報)には、円筒状の定着フィルムの内側にセラミックヒータを配置し、セラミックヒータと加圧ローラとによって定着フィルムを挟んでニップ部を形成する定着装置が開示されている。この定着装置においては、加圧ローラが回転駆動することで、これに伴って定着フィルムが回転し、ニップ部に導入された記録材が加圧ローラと定着フィルムとによって搬送されながら、定着フィルムを介してセラミックヒータの熱が記録材に付与される。これにより、記録材上の未定着トナー画像が加熱及び加圧されて、記録材に定着される。
また、特許文献1では、定着フィルムと接触するセラミックヒータの表面をフッ素系樹脂で形成することで、定着フィルムの摺動抵抗を低減させる技術が提案されている。
上記のような定着装置に用いられる定着フィルムやセラミックヒータなど、相対的に摺動する部材間の摺動部においては、スティックスリップによる異音が発生するといった問題がある。
上記課題を解決するため、本発明は、基材層と、前記基材層に設けられた発熱部と、前記基材層に設けられ相手部材に対して相対的に摺動する摺動層と、を備え、前記摺動層が、フッ素を含有する材料で形成された加熱部材であって、前記摺動層の前記相手部材に対して接触する摺動面の表面粗さは、前記相手部材の前記摺動層に対して接触する摺動面の表面粗さよりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、加熱部材とこれに対して摺動する相手部材との間でのスティックスリップによる異音の発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 定着装置の斜視図である。 定着装置の分解斜視図である。 加熱装置の斜視図である。 加熱装置の分解斜視図である。 ヒータの平面図である。 ヒータの分解斜視図である。 ヒータに接続されるコネクタの構成を示す図である。 ヒータと定着ベルの互いに摺動する摺動部の拡大図である。 粗さ曲線のスキューネスを示す図である。 粗さ曲線のクルトシスを示す図である。 ヒータの他の例を示す図である。 ヒータの別の例を示す図である。 ヒータのさらに別の例を示す図である。 他の定着装置の構成を示す図である。 別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。 乾燥装置を備えるインクジェット式画像形成装置の概略構成図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。なお、画像形成装置としては、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などであってもよい。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成部である4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkを備える。各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、画像形成装置本体103に対して着脱可能に構成され、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的には、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電する帯電装置3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング装置5と、を備える。
また、画像形成装置100は、各感光体2の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体としての用紙Pを供給する給紙装置7と、各感光体2に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する転写装置8と、用紙Pに転写されたトナー画像を定着する定着装置9と、用紙Pを装置外に排出する排紙装置10と、を備える。
転写装置8は、複数のローラによって張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト11と、各感光体2上のトナー画像を中間転写ベルト11へ転写する一次転写部材としての4つの一次転写ローラ12と、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像を用紙Pへ転写する二次転写部材としての二次転写ローラ13と、を有する。複数の一次転写ローラ12は、それぞれ、中間転写ベルト11を介して感光体2に接触している。これにより、中間転写ベルト11と各感光体2とが互いに接触し、これらの間に一次転写ニップが形成されている。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架するローラの1つに接触している。これにより、二次転写ローラ13と中間転写ベルト11との間には二次転写ニップが形成されている。
また、画像形成装置100内には、給紙装置7から送り出された用紙Pが搬送される用紙搬送路14が形成されている。この用紙搬送路14における給紙装置7から二次転写ニップ(二次転写ローラ13)に至るまでの途中には、一対のタイミングローラ15が設けられている。
次に、図1を参照して上記画像形成装置の印刷動作について説明する。
印刷動作開始の指示があると、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電装置3によって感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6が各感光体2の表面を露光することで、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4からトナーが供給され、各感光体2上にトナー画像が形成される。
各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、図1の反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト11に順次重なり合うように転写される。そして、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、二次転写ニップにおいて搬送されてきた用紙Pに転写される。この用紙Pは、給紙装置7から供給されたものである。給紙装置7から供給された用紙Pは、タイミングローラ15によって一旦停止された後、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに至るタイミングに合わせて二次転写ニップへ搬送される。かくして、用紙P上にフルカラーのトナー画像が担持される。また、トナー画像が転写された後、各感光体2上に残留するトナーは各クリーニング装置5によって除去される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、定着装置9によって用紙Pにトナー画像が定着される。その後、用紙Pは排紙装置10によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
続いて、定着装置9の構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、定着部材としての無端状のベルト部材から成る定着ベルト20と、定着ベルト20の外周面に対向して配置される対向部材としての加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する加熱装置19と、を備えている。加熱装置19は、加熱部材としての面状のヒータ22と、ヒータ22を保持する加熱部材保持部材としてのヒータホルダ23と、ヒータホルダ23に接触しこれを長手方向に渡って補強する補強部材としてのステー24と、温度検知部材としてのサーミスタ17と、を備えている。
定着ベルト20は、例えば外径が25mmで厚みが40〜120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFEなどのフッ素系樹脂による厚みが5〜50μmの離型層が形成される。基体と離型層の間に厚さ50〜500μmのゴムなどからなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。なお、定着ベルト20の外周面に対向する対向部材として、加圧ローラ21に代えて無端状の加圧ベルトなどの部材を適用することも可能である。
ヒータ22は、定着ベルト20の回転軸方向であるベルト長手方向に渡って長手状に設けられ、定着ベルト20の内周面に対して直接接触するように配置されている。また、ヒータ22を定着ベルト20の外周面に接触させることもできるが、定着ベルト20の外周面がヒータ22との接触により傷付くと定着品質が低下する虞があるため、ヒータ22は定着ベルト20の内周面に接触している方がよい。ヒータ22は、定着ベルト20に対して接触する面側からこれとは反対の面側に向かって順に、摺動層50、基材層51、発熱部60を有する導体層52、絶縁層53で構成されている。
ヒータホルダ23及びステー24は、定着ベルト20の内側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置9の両側壁部に支持されている。ステー24によってヒータホルダ23のヒータ22側とは反対側の面が支持されていることで、ヒータ22及びヒータホルダ23は加圧ローラ21の加圧力に対して大きく撓むことなく保たれ、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPやPEEKなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制され効率的に定着ベルト20を加熱することが可能である。
加圧ローラ21と定着ベルト20は、付勢部材としてのバネによって互いに圧接されている。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ21は、画像形成装置本体103に設けられた駆動手段から駆動力が伝達されて回転駆動する駆動ローラとして機能する。一方、定着ベルト20は、加圧ローラ21の回転に伴って従動回転するように構成されている。回転時、定着ベルト20はヒータ22に対して摺動するので、定着ベルト20の摺動性を高めるため、ヒータ22と定着ベルト20との間にオイルやグリースなどの潤滑剤を介在させてもよい。
印刷動作が開始されると、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。また、ヒータ22に電力が供給されることで、定着ベルト20が加熱される。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に搬送されることで、未定着トナー画像が加熱及び加圧されて用紙Pに定着される。
図3は、定着装置の斜視図、図4は、その分解斜視図である。
図3及び図4に示すように、定着装置9の装置フレーム40は、一対の側壁部28と前壁部27とから成る第1装置フレーム25と、後壁部29から成る第2装置フレーム26と、を備えている。一対の側壁部28は、ベルト長手方向の一端部側と他端部側とに配置されており、両側壁部28によって、加圧ローラ21及び加熱装置19の両端部側が支持される。各側壁部28には、複数の係合突起28aが設けられ、各係合突起28aが後壁部29に設けられた係合孔29aに係合することで、第1装置フレーム25と第2装置フレーム26とが組み付けられる。
また、各側壁部28は、加圧ローラ21の回転軸などを挿通させるための挿通溝28bが設けられている。挿通溝28bは、後壁部29側で開口し、これとは反対側では開口しない突き当て部となっている。この突き当て部側の端部には、加圧ローラ21の回転軸を支持する軸受30が設けられている。加圧ローラ21は、その回転軸の両端部がそれぞれ軸受30に装着されることで、両側壁部28によって回転可能に支持される。
また、加圧ローラ21の回転軸の一端部側には、駆動伝達部材としての駆動伝達ギヤ31が設けられている。駆動伝達ギヤ31は、加圧ローラ21が両側壁部28に支持された状態で、側壁部28よりも外側に露出した状態で配置される。これにより、定着装置9が画像形成装置本体103に搭載された際、駆動伝達ギヤ31が画像形成装置本体103に設けられているギヤと連結し、駆動源からの駆動力を伝達可能な状態となる。なお、加圧ローラ21に駆動力を伝達する駆動伝達部材としては、駆動伝達ギヤ31のほか、駆動伝達ベルトを張架するプーリやカップリング機構などであってもよい。
加熱装置19の長手方向の両端部には、定着ベルト20やヒータホルダ23、ステー24などを支持する一対の支持部材32が設けられている。各支持部材32には、ガイド溝32aが設けられている。このガイド溝32aを側壁部28の挿通溝28bの縁に沿って進入させることで、支持部材32が側壁部28に対して組み付けられる。
また、各支持部材32と後壁部29との間には、付勢部材としての一対のバネ33が設けられている。各バネ33によってステー24や支持部材32が加圧ローラ21側に付勢されることで、定着ベルト20が加圧ローラ21に押し当てられ、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。
また、図4に示すように、第2装置フレーム26を構成する後壁部29の長手方向の一端部側には、画像形成装置本体103に対する定着装置本体の位置決めを行う位置決め部としての孔部29bが設けられている。一方、画像形成装置本体103には、位置決め部としての突起101が設けられている。この突起101が、定着装置9の孔部29bに対して挿入されることで、突起101と孔部29bが嵌合し、画像形成装置本体103に対する定着装置本体のベルト長手方向の位置決めがなされる。なお、後壁部29の孔部29bが設けられた端部側とは反対の端部側には、位置決め部は設けられていない。これにより、温度変化に伴う定着装置本体のベルト長手方向の伸縮が拘束されないようにしている。
図5は、加熱装置19の斜視図、図6は、その分解斜視図である。
図5及び図6に示すように、ヒータホルダ23の定着ベルト20側の面(図5及び図6における手前側の面)には、ヒータ22を収容するための矩形の収容凹部23aが設けられている。ヒータ22は、この収容凹部23a内に収容された状態で、給電部材としての後述のコネクタによってヒータホルダ23と一緒に挟まれることで保持される。
一対の支持部材32は、定着ベルト20の内側に挿入されて定着ベルト20を支持するC字状のベルト支持部32bと、定着ベルト20の端面に接触してベルト長手方向の移動(片寄り)を規制するフランジ状のベルト規制部32cと、ヒータホルダ23及びステー24の両端部側が挿入されてこれらを支持する支持凹部32dと、を有している。定着ベルト20は、その両端部側にベルト支持部32bが挿入されることで、ベルト非回転時においては基本的に周方向(ベルト回転方向)の張力は生じない、いわゆるフリーベルト方式で支持されている。
図5及び図6に示すように、ヒータホルダ23の長手方向一端部側には、位置決め部としての位置決め凹部23eが設けられている。この位置決め凹部23eに対して、図5及び図6の左側に示される支持部材32の嵌合部32eが嵌合することで、ヒータホルダ23と支持部材32とのベルト長手方向の位置決めがなされる。なお、図5及び図6の右側に示される支持部材32には、嵌合部32eは設けられておらず、ヒータホルダ23とのベルト長手方向の位置決めはされない。このように、支持部材32に対するヒータホルダ23の位置決めをベルト長手方向の片側のみとすることで、温度変化に伴うヒータホルダ23のベルト長手方向の伸縮が拘束されないようにしている。
図6に示すように、ステー24は、その長手方向の両端部側に、各支持部材32に対するステー24の移動を規制する段差部24aが設けられている。各段差部24aは支持部材32に突き当たることで支持部材32に対するステー24の長手方向の移動を規制するものであるが、一対の段差部24aのうち少なくとも一方は、支持部材32に対して隙間(ガタ)を介して配置される。このように、少なくとも一方の段差部24aが支持部材32に対して隙間を介して配置されることで、温度変化に伴うステー24のベルト長手方向の伸縮が拘束されないようにしている。
図7は、ヒータ22の平面図、図8は、その分解斜視図である。
図8に示すように、ヒータ22は、板状の基材層51と、基材層51の定着ベルト20側の面(図8における下面)に設けられた摺動層50と、基材層51の摺動層50側とは反対側の面に設けられた導体層52と、導体層52を被覆する絶縁層53との、複数の構成層が積層されて構成されている。導体層52は、面状の抵抗発熱体で構成された複数の発熱部60と、基材層51の長手方向両端部側に設けられた複数の電極部61と、電極部61と発熱部60とを接続する複数の給電線62と、で構成されている。また、図7に示すように、各電極部61は、後述のコネクタとの接続を確保するため、少なくとも一部が絶縁層53によって被覆されておらず露出した状態となっている。
基材層51は、アルミナや窒化アルミニウムなどのセラミック、ガラスなど絶縁材料で構成されている。また、基材層51を、ステンレス(SUS)や鉄、銅、アルミニウムなどの金属材料で構成し、基材層51と導体層52との間に別途絶縁層を設けて絶縁性を確保してもよい。金属材料は、急速加熱に対する耐久性に優れ、加工もしやすいため、低コスト化を図るのに好適である。中でも、アルミニウムや銅は熱伝導性が高く、温度ムラが発生しにくい点で好ましい。また、ステンレスはこれらに比べて安価に製造できる利点がある。また、本実施形態の場合、発熱部60の熱が基材層51を介して定着ベルト20に伝達されることになるため(図2参照)、基材層51は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で構成されることが望ましい。また、基材層51を熱伝導率の良い材料で構成することで、発熱部60を基材層51の定着ベルト20側とは反対側に配置しても、定着ベルト20を十分に加熱できるようになる。
摺動層50は、基材層51の定着ベルト20側の面に設けられ、定着ベルト20の内周面に接触する。摺動層50は、定着ベルト20との間での摺動性を確保するため、PTFEなどのフッ素を含有する材料で構成されている。さらに、摺動層50を、架橋構造を有するPTFEなどで構成することで、摺動層50の耐摩耗性が向上させることが可能である。
絶縁層53は、耐熱性ガラスで構成されている。その他に、絶縁層53の材料として、セラミックあるいはポリイミド(PI)などを用いることも可能である。
各発熱部60は、例えば、銀パラジウム(AgPd)やガラス粉末などを調合したペーストをスクリーン印刷などにより基材層51に塗工し、その後、当該基材層51を焼成することによって形成することができる。発熱部60の材料として、これら以外に、銀合金(AgPt)や酸化ルテニウム(RuO2)の抵抗材料を用いてもよい。
給電線62は、発熱部60よりも小さい抵抗値の導体で構成されている。給電線62や電極部61の材料としては、銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)などを用いることができる。このような材料をスクリーン印刷するなどによって給電線62や電極部61を形成することが可能である。
本実施形態では、発熱部60や電極部61及び給電線62に銀やパラジウムなどの合金を用い、PTC特性(正の抵抗温度係数)を有する発熱部60としている。PTC特性とは、温度が高くなると抵抗値が高くなる(一定電圧をかけた場合に、ヒータ出力が下がる)特性である。PTC特性を有する発熱部60とすることで、低温では高出力によって高速で立ち上がり、高温では低出力により過昇温を抑制することができる。例えば、PTC特性の抵抗温度係数(TCR)を200〜4000ppm/度程度、好ましくは400〜2000ppm/℃にすれば、ヒータに必要な抵抗値を確保しながら、ヒータの長寿命化や温度制御の簡素化を図れるようになる。
抵抗温度係数(TCR)は、下記式(1)を用いて算出することができる。式1中のT0は基準温度、T1は任意温度、R0は基準温度T0における抵抗値、R1は任意温度T1における抵抗値である。例えば、本実施形態において、図7に示す電極部61A,61B,61C間の抵抗値、あるいは、電極部61B,61C,61D間の抵抗値が、25℃(基準温度T0)で10Ω(抵抗値R0)、125℃(任意温度T1)で12Ω(抵抗値R1)であった場合は、式(1)から抵抗温度係数は2000ppm/℃となる。
Figure 2020148943
また、本実施形態では、発熱部60が、基材層51の長手方向に渡って3つ設けられている。3つの発熱部60のうちの1つは、基材層51の長手方向中央に配置された第1発熱部としての中央発熱部60Aであり、残りの2つは、中央発熱部60Aの長手方向両側に配置された第2発熱部としての端部発熱部60Bである。中央発熱部60Aと端部発熱部60Bとは、互いに独立して発熱制御可能に構成されている。
図7において、複数の電極部61を、左から順に、第1電極部61A、第2電極部61B、第3電極部61C、第4電極部61Dとすると、第2電極部61B及び第4電極部61Dに電圧を印加した場合、中央発熱部60Aのみが発熱する。また、第1電極部61A及び第2電極部61Bに電圧を印加した場合は、図7の左側の端部発熱部60Bのみが発熱し、第2電極部61Bと第3電極部61Cに電圧を印加した場合は、図7の右側の端部発熱部60Bのみが発熱する。また、第1電極部61Aと第3電極部61Cとを外部で並列に接続し同時に電圧を印加できるようにしておけば、これらの電極部61A,61Cと第2電極部61Bとに電圧を印加することで、両方の端部発熱部60Bを同時に発熱制御することが可能である。なお、図7中の矢印は、各発熱部60A,60Bの長手方向に流れる電流の方向を示す。
通紙する用紙の幅が、中央発熱部60Aの幅L1以下である場合は、中央発熱部60Aのみ発熱させ、また、通紙する用紙の幅が、中央発熱部60Aの幅L1よりも大きい幅である場合は、中央発熱部60Aに加えて各端部発熱部60Bをそれぞれ発熱させることで、通紙領域の大きさに応じて発熱領域の大きさを変更することができる。さらに、中央発熱部60Aの幅L1を、小サイズの用紙幅(例えば、A4紙幅:215mm)に合わせ、一方の端部発熱部60Bから他方の端部発熱部60Bまでを含む発熱領域の幅L2を、大サイズの用紙幅(例えば、A3紙幅:301mm)に合わせることで、これらの用紙を通紙する際は、非通紙領域における過度な温度上昇が生じにくくなるので(発熱部60A,60B上の非通紙領域がほとんど生じないので)、印刷生産性を高めることができる。
また、一方の端部発熱部60Bから他方の端部発熱部60Bまでを含む発熱領域の幅L2は、最大通紙幅Wよりも大きいことが望ましい。このようにすることで、温度上昇しにくい定着ベルト20の長手方向端部側で、温度を効果的に上げることができるようになり、定着可能な温度状態となるまでの立ち上げ時間を短くすることができる。また、最大通紙幅W内での温度ムラも抑制できるようになる。
図7に示すように、加圧ローラ21のローラ部分の軸方向長さLpは、一方の端部発熱部60Bから他方の端部発熱部60Bまでを含む発熱領域の幅L2よりも長く設定されていることが望ましい。反対に、この発熱領域の幅L2がローラ部分の軸方向長さLpよりも長いと、ローラ部分よりも軸方向外側の領域でヒータ22の温度が過剰上昇する虞がある。従って、加圧ローラ21のローラ部分の軸方向長さLpを、一方の端部発熱部60Bから他方の端部発熱部60Bまでを含む発熱領域の幅L2よりも長くすることで、ヒータ22の過剰な温度上昇を抑制できるようになる。
また、図7に示すように、本実施形態において、各発熱部60A,60Bは、それぞれの両端部において、通紙方向(図7の上下方向)に対して傾斜する傾斜部601を有している。さらに、互いに隣り合う傾斜部601の少なくとも一部は、ヒータ22の長手方向の所定領域G(図7の拡大図参照)内で互いにオーバーラップしている。このように、傾斜部601同士がオーバーラップして配置されていることで、発熱部60A,60B同士の間での温度低下を抑制できるので、紙幅方向の定着ムラを低減することが可能である。
図9に、ヒータ22に接続されるコネクタ70の構成を示す。
コネクタ70は、樹脂製のハウジング71と、ハウジング71に固定された板バネのコンタクト端子72と、コンタクト端子72に接続された給電用のハーネス(導線)73と、を有している。コンタクト端子72は、例えば板ばねであって、ヒータ22の各電極部61に接触する接点部72aを有する。
図9の二点鎖線に示すように、コネクタ70は、ヒータ22とヒータホルダ23とを図の上側と下側とから一緒に挟むようにして取り付けられる。本実施形態では、コネクタ70の図9における上側の部分が、ヒータ22の電極部61側とは反対側の面に対してスペーサ部材68を介して接触しているが、スペーサ部材68を介さずコネクタ70とヒータ22とが直接接触する構成であってもよい。ヒータホルダ23の収容凹部23aの底面には孔部23bが設けられており、この孔部23bを通してコンタクト端子72の接点部72aが電極部61に対して弾性的に接触(圧接)する。これにより、電極部61が画像形成装置に設けられた電源に対して電気的に接続され、電源から発熱部60へ電力が供給可能な状態となる。
ところで、本実施形態のようなヒータ22に対して定着ベルト20が摺動する構成においては、定着ベルト20とヒータ22との間の摩擦が小さい方が、定着ベルト20の摺動抵抗を低減することができるので望ましい。しかしながら、摩擦抵抗を小さくするために、定着ベルト20の内周面とこれに対向するヒータ22の面との両方を鏡面化すると、ヒータ22と定着ベルト20との間での密着度合いが増し、スティックスリップによる異音(ビビリ音)が発生しやすくなるといった問題がある。
そこで、本実施形態に係る定着装置においては、定着ベルト20とヒータ22との間でのスティックスリップによる異音を抑制するため、以下のような対策を講じている。
本実施形態に係る定着装置においては、スティックスリップによる異音を抑制するため、ヒータ22の摺動層50における定着ベルト20側の面50a(図10参照)の表面粗さを、定着ベルト20のヒータ22側の面20a(図10参照)の表面粗さよりも大きくしている。この摺動層50の表面粗さと定着ベルト20の表面粗さは、例えば、JIS B0601−1994で規定される十点平均粗さ(Rz)で特定することができる。十点平均粗さ(Rz)は、JIS B0601−2001に準拠した方法で、評価長さ(Ln)を1.5mm、基準長さ(L)を0.25mm、カットオフ値を0.8mmとし、表面粗さ計サーフコム1400A(東京精密社製)を用いて測定することが可能である。
このように、摺動層50の定着ベルト20側の面50aの表面粗さを、定着ベルト20のヒータ22側の面20aの表面粗さよりも大きくすることで、摺動層50と定着ベルト20との密着度合いを緩和することができ、これらの間でのスティックスリップによる異音の発生を抑制することができる。特に、スティックスリップによる異音は、定着ベルト20の内周面とこれに対向するヒータ22の面の両方の表面粗さが小さく鏡面状である場合に顕著となる傾向にあるので、本発明は、定着ベルト20の内周面(ヒータ22側の面20a)の表面粗さが小さい場合に大きな効果が期待できる。また、定着ベルト20の内周面の表面粗さが大きいと、ヒータ22と定着ベルト20の接触面積が少なくなり、ヒータ22から定着ベルト20への熱伝達が行いにくくなるので、定着ベルト20の内周面の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で5.5μm以下が好ましく、さらに2.5μm以下がより好ましい。また、スティックスリップによる異音は、定着ベルト20とヒータ22との互いに接触する摺動面同士の間で発生することから、上述のヒータ22の摺動層50と定着ベルト20の表面粗さの関係は、少なくとも定着ベルト20とヒータ22の互いに接触する摺動面において成立していればよい。すなわち、少なくとも摺動層50の定着ベルト20に対して接触する摺動面の表面粗さが、ヒータ22の摺動層50に対して接触する摺動面の表面粗さよりも大きければよい。
ヒータ22の摺動層50は、図7中の点線で示すように、加圧ローラ21のローラ部分(軸方向長さLp)よりもベルト長手方向に長く形成されていることが望ましい。定着ベルト20がヒータ22に対して摺動する範囲は、加圧ローラ21が定着ベルト20に対して接触する範囲、すなわち、加圧ローラ21のローラ部分の軸方向長さLpに相当する。このため、ヒータ22の摺動層50を、加圧ローラ21のローラ部分よりもベルト長手方向に長くすることで、ヒータ22と定着ベルト20との間の摺動性をこれらの摺動範囲全体に渡って良好に確保することができるようになる。
ここで、本発明の作用効果を確認するために行った試験について説明する。
本試験では、定着ベルトとして、ニッケル電鋳の筒状の基材の外周面に、厚さ300μmのシリコーンゴムを被覆し、さらに最外層に厚さ30μmのPFA製のチューブを被覆し、基材の内周面には、厚さ20μmのポリイミド(PI)膜を形成したものを用いた。このポリイミド膜(ベルト内周面)の十点平均粗さRzは1.5μmであった。
また、本試験では、ヒータとして、下記表1に挙げられる比較例1及び実施例1〜4の各サンプルを用いた。表1に示す各サンプルのヒータは、図7及び図8に示すヒータ22と同様の構成であり、基材層の定着ベルト側の面にフッ素を含有する摺動層が設けられている。表1に示すように、各サンプルのヒータにおいては、摺動層の定着ベルト側の面の十点平均粗さ(Rz)を異ならせている。
さらに、本試験で用いられた各サンプルのヒータにおいては、摺動層の十点平均粗さ(Rz)のほかに、摺動方向の粗さ曲線のスキューネス(Rsk)、及び摺動方向の粗さ曲線のクルトシス(Rku)も異ならせている。なお、本明細書で言う「摺動方向」とは、ヒータに対して定着ベルトが摺動する摺動方向(ベルト回転方向)を意味する。
粗さ曲線のスキューネス(Rsk)は、JIS B0601−2013の4.2.3で規定される表面粗さの指標の1つであり、平均線を中心としたときの山部と谷部の対称性の度合いを示す。粗さ曲線のスキューネス(Rsk)は、下記式(2)に示すように、断面曲線の二乗平均平方根粗さ(Rq)の三乗によって無次元化した基準長さにおけるz(x)の三乗平均で表される。
Figure 2020148943
図11に示すように、粗さ曲線のスキューネス(Rsk)が、Rsk>0の場合は、粗さ曲線が平均線(点線)に対して図の下側に偏り、反対に、Rsk<0の場合は、粗さ曲線が平均線(点線)に対して図の上側に偏った形状となる。
粗さ曲線のクルトシス(Rku)は、JIS B0601−2013の4.2.4で規定される表面粗さの別の指標であり、表面の凹凸の高さ分布の尖り(鋭さ)の度合いを示す。粗さ曲線のクルトシス(Rku)は、下記式(3)の示すように、断面曲線の二乗平均平方根粗さ(Rq)の四乗によって無次元化した基準長さにおけるz(x)の四乗平均で表される。
Figure 2020148943
図12に示すように、粗さ曲線のクルトシス(Rku)が、Rku>3の場合は、表面の凹凸の高さ分布が突出した山部と谷部が存在する形状となり、反対に、Rku<3の場合は、表面凹凸の高さ分布がつぶれているような形状となる。
粗さ曲線のスキューネス(Rsk)や粗さ曲線のクルトシス(Rku)の測定は、十点平均粗さ(Rz)の測定と同様に、JIS B0601−2001に準拠した方法で、評価長さ(Ln)を1.5mm、基準長さ(L)を0.25mm、カットオフ値を0.8mmとし、表面粗さ計サーフコム1400A(東京精密社製)を用いて行った。
本試験では、上記のように作製された定着ベルト及び各サンプルヒータを定着装置に搭載し、ヒータと定着ベルトとの間に、潤滑剤として動粘度が150mm2/secのシリコーンオイルを介在させた。各装置おける定着ベルトの表面温度が140℃になった状態で、A4サイズの普通紙を横向きに通紙速度150mm/secで連続500枚ずつ合計30万枚通紙し、そのときのスティックスリップによる異音の発生の有無と、定着ベルトの回転トルク、及び定着ベルトの表面温度が30℃から140℃に上昇するまでの昇温時間の評価を行った。本試験の結果を表1に示す。また、各項目の評価基準は、下記の通りである。
[異音の有無及び回転トルクの評価基準]
×:30万枚通紙完了までに、異音が発生した、又は、定着ベルトの回転トルクが1.0Nmを超えたもの
○:30万枚通紙完了まで、異音が発生せず、定着ベルトの回転トルクが1.0Nm以下であったが、0.6Nmを超えたもの
◎:30万枚通紙完了まで、異音が発生せず、定着ベルトの回転トルクが0.6Nm以下であったもの
[昇温時間の評価基準]
×:定着ベルトの表面温度が30℃か140℃に達するまでの上昇時間が、5秒を超えたもの
△:定着ベルトの表面温度が30℃から140℃に達するまでの上昇時間が、4秒よりも長く5秒以下であったもの
○:定着ベルトの表面温度が30℃から140℃に達するまでの上昇時間が、3秒以上4秒以下であったもの
◎:定着ベルトの表面温度が30℃から140℃に達するまでの上昇時間が、3秒未満であったもの
Figure 2020148943
表1に示すように、比較例1では、それ以外の実施例1〜4とは反対に、ヒータ摺動層の十点平均粗さが定着ベルトの内周面の十点平均粗さ(1.5μm)よりも小さい値(0.311μm)に設定されている。すなわち、比較例1では、定着ベルトの内周面の方がヒータの摺動層よりも粗く構成されている。このような比較例1においては、通紙枚数が2万枚程度の時点でスティックスリップによる異音が発生したため、表1に示すように、その評価が×となった。
一方、各実施例1〜4においては、スティックスリップによる異音は発生せず、また、定着ベルトの回転トルクも1.0Nmを超えることはなかった。特に、実施例4においては、定着ベルトの回転トルクが0.6Nm以下となり、表1に示すように、その評価が◎となった。これは、実施例4だけが、他の実施例とは異なり、粗さ曲線のクルトシス(Rku)が3未満となっているからと考えらえる。すなわち、Rku<3の場合は、ヒータ摺動層の表面(摺動面)における尖り度合いが小さくなるため(図12の下図参照)、摺動層が摩耗しにくくなり、低トルクが維持されたと考えられる。
また、実施例3や実施例4のように、粗さ曲線のスキューネス(Rsk)が0未満の場合は、特に定着ベルトの上昇時間が3秒未満となり早く、表1に示すように、その評価が◎となった。これは、Rsk<0の場合、粗さ曲線が細かい山部を多く有するので(図11の下図参照)、定着ベルトに対する摺動層の接触面積を多く確保することができ、摺動層から定着ベルトへの熱伝達が効率的に行われたからと考えられる。また、Rsk<0の場合は、粗さ曲線の細かい山部において定着ベルトとヒータ摺動層との間に介在する潤滑剤の膜厚が薄くなるため、潤滑剤による熱伝達抵抗が抑制され、熱伝達が効率的に行われたことも、昇温時間が短くなった理由と考えられる。これに対して、実施例1の場合は、粗さ曲線のスキューネス(Rsk)が0より大きいことに加え、十点平均粗さ(Rz)も他の実施例に比べて大きいので、定着ベルトとヒータとの接触面積が少なくなると共に、摺動層の粗さ曲線の谷部に保持される潤滑剤の膜厚も厚くなり、昇温時間が長くなったものと考えられる。
以上、本試験結果によれば、ヒータ摺動層の摺動面(定着ベルト側の面)を、定着ベルトの摺動面(ヒータ側の面)よりも粗くすることで、スティックスリップによる異音の発生を抑制できると言える。特に、スティックスリップによる異音は、定着ベルトとヒータのそれぞれの摺動面が表面粗さの小さい鏡面である場合に、摺動面同士の密着度合いが高まることで発生しやすくなる。すなわち、ヒータ摺動層の摺動面の表面粗さが小さいと、スティックスリップによる異音を抑制する効果が得られにくくなるので、ヒータ摺動層の摺動面における十点平均粗さ(Rz)は、0.5μm以上が好ましく、さらに3μm以上がより好ましい。
一方で、ヒータ摺動層の摺動面を粗くしすぎると、定着ベルトとヒータとの接触面積が少なくなるため、ヒータから定着ベルトへの伝熱が行われにくくなり、定着ベルトの昇温時間が長くなってしまう。そのため、ヒータ摺動層の摺動面における十点平均粗さ(Rz)は、上記実施例2〜4のように、20μm以下であることが好ましい。このように、ヒータ摺動層の摺動面における十点平均粗さ(Rz)を20μm以下にすることで、ヒータと定着ベルトとの接触面積を多く確保でき、ヒータから定着ベルトへの熱伝達を効率良く行うことができるようになる。さらに、熱伝達効率を高めるには、ヒータ摺動層の摺動面における十点平均粗さ(Rz)を、10μm以下とすることが望ましい。
また、実施例3や実施例4のように、摺動方向の粗さ曲線のスキューネス(Rsk)を0未満にすることで、熱伝達効率を高め、定着ベルトの昇温時間を短くすることが可能である。さらに好ましくは、実施例4のように、摺動方向の粗さ曲線のスキューネス(Rsk)を−1未満にするのがよい。
また、実施例4のように、摺動方向の粗さ曲線のクルトシス(Rku)を3未満にすることで、ヒータ摺動層が摩耗しにくくなり、低トルクを実現できるようになる。
また、摺動層50の十点平均粗さ(Rz)や粗さ曲線のスキューネス(Rsk)を上述のように設定すれば、ヒータから定着ベルトへ効率良く熱伝達することができるようになることから、摺動層50、特に定着ベルト20の内周面よりも粗く形成された領域は、図2に示す一方の端部発熱部60Bから他方の端部発熱部60Bまでを含む発熱領域の幅L2よりもベルト長手方向に長く配置されていることが望ましい。このようにすることで、ヒータ22から定着ベルト20への熱伝達を発熱部60の領域全体に渡って良好に行うことができるので、省エネ性の向上や立ち上げ時間の短縮をより効果的に図れるようになる。また、ヒータ22から定着ベルト20へ効率良く熱伝達できることで、特に本実施形態に係るヒータ22のようなPTC特性を有する構成においては、定着ベルト20の昇温速度を速めることができると共に、ヒータ22の過昇温による熱劣化も抑制でき、ヒータ22の長寿命化を図れるようになる。
ヒータ摺動層と定着ベルトとの間に介在する潤滑剤としては、増ちょう剤を含有するグリースよりも、増ちょう剤を含有しない(基油と添加剤とから成る)オイルの方が好ましい。オイルは、グリースよりも膜厚が小さくなるので、ヒータから定着ベルトへの熱伝達効率を向上させることが可能である。しかしながら、オイルの動粘度が高いと、定着ベルトの回転トルクが大きくなったり、オイルの膜厚が厚くなることによってヒータから定着ベルトへの熱伝達効率が低下したりする可能性がある。また、反対にオイルの動粘度が低いと、潤滑剤の固形物が発生し、ヒータや定着ベルトの摩耗が生じやすくなる。このことから、オイルの動粘度は、25℃で100mm2/sec以上600mm2/sec以下が好ましく、さらに100mm2/sec以上300mm2/sec以下がより好ましい。また、定着装置においては、定着ベルトの外周面の温度が140℃程度になる場合、潤滑剤が存在する定着ベルトの内周面の温度は150℃程度になるので、潤滑剤としては耐熱性を有するシリコーンオイルなどが好ましい。
ヒータ摺動層の摺動面を粗くする方法としては、例えば、摺動面に砥粒を吹き付けるサンドブラスト処理などが挙げられる。また、別の方法として、ヒータ摺動層を形成する際に、フッ素樹脂中にグラファイト又はグラフェンなどの炭素繊維を含ませてもよい。この場合、炭素繊維によって、ヒータ摺動層の摺動面に微小凹凸が形成されるので、炭素繊維の微小凹凸によってヒータ摺動層の摺動面を所望の表面粗さに調整することが可能である。しかも、炭素繊維を含ませる方法によれば、ブラスト処理などの二次加工が不要になるため、製造工程を簡素化できる。また、炭素繊維は、熱伝導率も良いので、ヒータから定着ベルトへの熱伝達向上にも寄与できる利点がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係る加熱部材は、図7に示すヒータ22のほか、図13、図14、又は図15に示すような構成のヒータであってもよい。
図13に示すヒータ22は、中央発熱部60Aが、その長手方向に渡って複数の発熱ブロック59に分割されている。このように、中央発熱部60Aを、1つの長い発熱ブロックではなく、複数の短い発熱ブロック59に分割することで、発熱ブロック59と端部発熱部60Bとのそれぞれの幅がほぼ同じとなり、これらの抵抗値をほぼ同じにすることができる。例えば、中央発熱部60Aの幅L1がA4紙幅(215mm)で、両端部発熱部60Bを含む発熱領域の幅L2がA3紙幅(301mm)である場合は、中央発熱部60Aを5つの発熱ブロック59に分割することで、発熱ブロック59と端部発熱部60Bとのそれぞれの幅を同じ幅(43mm)にすることができる。これにより、各発熱ブロック59と各端部発熱部60Bとのそれぞれの抵抗値がほぼ同じとなり、定着ベルト20を幅方向に渡って均一に加熱することができるようになる。
図14に示すヒータ22は、中央発熱部60Aの各発熱ブロック59と、各端部発熱部60Bとが、それぞれ折り返しパターンに形成されている。この場合、折り返しパターンに沿って電流が流れる。
また、図15に示すヒータ22は、各発熱部60A,60Bの短手方向の端部(図の上側の端部及び下側の端部)が給電線62と接続されている。この場合、図15中の矢印で示すように、各発熱部60A,60Bの長手方向及び短手方向(斜め方向)に電流が流れるようになる。
上記のような複数の発熱部60を有するヒータ22において、互いに隣り合う発熱部60同士の間隔、又は互いに隣り合う発熱ブロック59同士の隙間は、これら間の絶縁性を確保する観点から、0.2mm以上が好ましく、さらに0.4mm以上がより好ましい。また、これらの隙間は、大きすぎると、その隙間の部分で温度低下が生じやすくなるため、長手方向に渡る温度ムラを抑制する観点から、5mm以下が好ましく、さらに1mm以下がより好ましい。
また、本発明は、上述のような複数の発熱部(中央発熱部60A及び端部発熱部60B)が互いに独立して制御されるヒータ22に限らず、発熱部を1つのみ有するヒータにも適用可能である。
また、本発明は、上述の定着装置のほか、図16〜図22に示すような定着装置にも適用可能である。以下、図16〜図22に示す各定着装置の構成について簡単に説明する。
図16に示す定着装置9は、定着ベルト20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ90が配置されており、この押圧ローラ90とヒータ22とによって定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材91が配置されている。ニップ形成部材91は、ステー24によって支持されており、ニップ形成部材91と加圧ローラ21とによって定着ベルト20を挟んでニップ部Nを形成している。
図17に示す定着装置9は、上述の押圧ローラ90が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図16に示す定着装置9と同じ構成である。
図18に示す定着装置9は、定着ベルト20のほかに加圧ベルト92が設けられ、加熱ニップ(第1ニップ部)N1と定着ニップ(第2ニップ部)N2とを分けて構成している。すなわち、加圧ローラ21に対して定着ベルト20側とは反対側に、ニップ形成部材91とステー93とを配置し、これらニップ形成部材91とステー93を内包するように加圧ベルト92を回転可能に配置している。そして、加圧ベルト92と加圧ローラ21との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱及び加圧して画像を定着する。その他は、図2に示す定着装置9と同じ構成である。
図19に示す定着装置9は、ステー24が、断面L字型に形成された2つの部材を加締め、溶接、又はねじ止めなどにより接合されて構成されている。ヒータホルダ23のステー24側の面には、凹部23fが形成されている。このような凹部23fが形成されていることで、凹部23fの箇所でヒータホルダ23はステー24に対して非接触となり、ヒータホルダ23からステー24への熱伝達を低減することができる。その他は、図2に示す定着装置9と同じ構成である。
図20に示す定着装置9は、ステー24が、断面L字型に形成された1つの部材で構成され、ヒータホルダ23によって片持ち支持されている。また、ステー24には、定着ベルト20の内周面に接触して定着ベルト20をガイドするベルトガイド部材44が取り付けられている。この例では、ベルトガイド部材44が、定着ベルト20に対してニップ部Nよりもベルト回転方向の上流側で接触している。また、ベルトガイド部材44は、サーミスタ17をヒータ22に接触させるコイルばね39を支持する支持部材としての機能も兼ねている。このようなベルトガイド部材44の材料としては、例えば耐熱性に優れるLCP(液晶ポリマー)などの樹脂材料が好ましい。その他は、図2に示す定着装置9と同じ構成である。
図21に示す定着装置9は、ステー24が、図2に示すステー24の向きとは図の左右方向に反転されて配置されている。また、この定着装置9では、ベルトガイド部材44が、定着ベルト20に対してニップ部Nとは反対側で接触している。また、このベルトガイド部材44は、上述の図20に示すベルトガイド部材44と同様に、コイルばね39を支持する支持部材としての機能も兼ねる。また、図21に示す定着装置9では、上記図19に示す定着装置9と同様に、ヒータホルダ23のステー24側の面に凹部23fが形成され、ヒータホルダ23からステー24への熱伝達を低減している。その他は、図2に示す定着装置9と同じ構成である。
図22に示す定着装置9は、上述の各定着装置とは異なり、発熱部60が定着ベルト20側を向くように配置されている。すなわち、図22に示す例では、基材層51の定着ベルト20側の面に、発熱部60(導体層52)、絶縁層53、摺動層50が順次積層されている。このような構成の場合、発熱部60の熱は、絶縁層53及び摺動層50を介して定着ベルト20に伝達されるので、絶縁層53及び摺動層50は熱伝導率の良い材料で構成されることが望ましい。
また、本発明に係る加熱部材は、電子写真方式の画像形成装置に搭載される定着装置に適用される場合に限らない。本発明に係る加熱部材は、図23に示すようなインクジェット式画像形成装置に搭載される乾燥装置にも適用可能である。図23に示す例のインクジェット式画像形成装置200は、用紙Pにインクを吐出して画像を形成するインクジェット画像形成部205と、画像形成部205に用紙Pを供給する給紙部201と、用紙Pに吐出されたインクを乾燥する乾燥装置202と、画像に汚れや抜けなどがないかを検査する検査装置203と、画像が形成された用紙Pをロール状に巻き取る排紙部204などを備えている。このようなインクジェット式画像形成装置200に搭載される乾燥装置202においても、本発明に係る加熱部材を適用することで、加熱部材とこれに対して摺動する相手部材との間でのスティックスリップによる異音の発生を抑制することが可能である。
また、本発明に係る加熱部材は、画像形成装置に搭載される定着装置や乾燥装置のほか、シートの表面に被覆部材としてのフィルムを重ねてこれらを加熱して圧着する被覆装置(ラミネータ)などにも適用可能である。
さらに、本発明は、定着ベルトなどのベルト部材が加熱部材に対して摺動する構成に限らず、ベルト部材以外の相手部材が加熱部材に対して相対的に摺動する構成にも適用可能である。
9 定着装置
19 加熱装置
20 定着ベルト(ベルト部材、相手部材)
21 加圧ローラ(対向部材)
22 ヒータ(加熱部材)
50 摺動層
51 基材層
60 発熱部
P 用紙(記録媒体)
N ニップ部
特開2004−198448号公報

Claims (16)

  1. 基材層と、
    前記基材層に設けられた発熱部と、
    前記基材層に設けられ相手部材に対して相対的に摺動する摺動層と、
    を備え、
    前記摺動層が、フッ素を含有する材料で形成された加熱部材であって、
    前記摺動層の前記相手部材に対して接触する摺動面の表面粗さは、前記相手部材の前記摺動層に対して接触する摺動面の表面粗さよりも大きいことを特徴とする加熱部材。
  2. 前記表面粗さは、十点平均粗さである請求項1に記載の加熱部材。
  3. 前記相手部材の摺動面の十点平均粗さが、5.5μm以下である請求項2に記載の加熱部材。
  4. 前記摺動層の摺動面の十点平均粗さが、0.5μm以上20μm以下である請求項2又は3に記載の加熱部材。
  5. 前記摺動層の摺動面における摺動方向の粗さ曲線のスキューネスが、0未満である請求項1から4のいずれか1項に記載の加熱部材。
  6. 前記摺動層の摺動面における摺動方向の粗さ曲線のスキューネスが、−1未満である請求項1から4のいずれか1項に記載の加熱部材。
  7. 前記摺動層の摺動面における摺動方向の粗さ曲線のクルトシスが、3未満である請求項1から6のいずれか1項に記載の加熱部材。
  8. 前記摺動層が、架橋構造を有するフッ素を含有する材料で形成されている請求項1から7のいずれか1項に記載の加熱部材。
  9. 前記摺動層が、炭素繊維を含有する材料で形成され、
    前記炭素繊維によって、前記摺動層の摺動面に微小凹凸が形成される請求項1から8のいずれか1項に記載の加熱部材。
  10. 前記発熱部は、200〜4000ppm/度の正の抵抗温度係数を有する請求項1から9のいずれか1項に記載の加熱部材。
  11. 相対的に摺動する相手部材を加熱する加熱部材を備える加熱装置であって、
    前記加熱部材として、請求項1〜10のいずれか1項に記載の加熱部材を備えることを備えることを特徴とする加熱装置。
  12. 前記摺動層とこれに対して摺動する相手部材との間に介在する潤滑剤を備える請求項11に記載の加熱装置。
  13. 前記潤滑剤が、増ちょう剤を含有しないオイルである請求項12に記載の加熱装置。
  14. 前記潤滑剤が、25℃で100mm2/s以上600mm2/s以下の動粘度のシリコーンオイルである請求項13に記載の加熱装置。
  15. 回転可能な無端状のベルト部材と、
    前記ベルト部材の外周面に接触してニップ部を形成する対向部材と、
    前記ベルト部材に接触して前記ベルト部材を加熱する加熱装置と、
    を備える定着装置であって、
    前記加熱装置として、請求項11から14のいずれか1項に記載の加熱装置を備えることを特徴とする定着装置。
  16. 請求項1から10のいずれか1項に記載の加熱部材、又は請求項11から14のいずれか1項に記載の加熱装置、あるいは請求項15に記載の定着装置と、
    画像を形成する画像形成部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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