JP2021078199A - ステージ装置、像ぶれ補正装置及び撮像装置 - Google Patents

ステージ装置、像ぶれ補正装置及び撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可動部の並進駆動と回転駆動が可能であり、低電力での中央保持と駆動が可能なステージ装置を提供する。【解決手段】ステージ装置104は、ベースユニットに対してXY平面内で移動可能に配置されたシフトユニットを備える。ベースユニットは、X軸に垂直なX1,X2平面とY軸に垂直なY1,Y2平面のそれぞれにコイル21XC、22XC、23XC、24XCとベース磁石21X、22X、23X、24Xを備え、シフトユニットはベース磁石31X、32X、33X、34Xと対向するシフト磁石を備える。ベース磁石とシフト磁石との磁石対向部に発生する力でベースユニットに対してシフトユニットを中央保持させる。X1,X2、Y1,Y2平面のうち少なくとも1つの平面において磁石対向部を少なくとも2箇所に設ける。所定のベース磁石を減磁するようにコイルを駆動することにより、シフトユニットを中央保持、並進、回転させる。【選択図】図5

Description

本発明は、ステージ装置、像ぶれ補正装置及び撮像装置に関する。
近時、デジタルカメラの多くは、撮影時の手ぶれ等による像ぶれを補正する像ぶれ補正装置を備えている。像ぶれ補正装置として、デジタルカメラの本体シャーシに固定された固定部に対して、撮像素子を実装した可動部を入射光軸と直交する面内で移動させるステージ装置を用いたものが知られている。例えば、手ぶれによる像ぶれを補正する場合には、デジタルカメラの手ぶれをジャイロセンサ等で検出し、検出情報に基づいて撮影者の意図しない手ぶれ量を求める。そして、手ぶれ量をキャンセル(相殺)するための可動部の移動量を決定し、デジタルカメラの動きに合わせてステージ装置の可動部を駆動する。可動部の駆動は、可動部に設けられた駆動部への、制御された電力の供給により行われる。
一方、像ぶれ補正を行わない場合には、常時、撮像レンズへの入射光束の中心と撮像素子の中心とを一致させる必要がある。しかし、従来のステージ装置は、撮像素子の中心と入射光束の中心を定常的に一致させる構成を備えていない。そのため、撮像素子の中心を入射光束の中心に合わせた状態で保持(以下「中央保持」という)するために、ステージ装置の駆動部を駆動している。つまり、像ぶれ補正を行わない場合であっても、撮像素子を中央保持するためにステージ装置の駆動部が電力を消費する。その結果、例えば、1個のバッテリでの撮影可能画像数が減り、また、稼働可能な時間が短くなる等の問題が生じる。
このような問題に対して、像ぶれ補正を行わない場合の駆動部による電力消費を低減させる技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたステージ装置では、固定部又は可動部の4辺に沿って各辺に永久磁石を配置し、他方に電磁石を配置して、磁路を形成している。そして、各磁路上に電磁石を構成するコイルを1つずつ配置し、コイルへの通電により各磁路における吸引力を変化させることで、可動部の移動を可能としている。こうして、4方向からの吸引力を釣り合わせることにより、可能部の被駆動時には可動部の中央保持に必要な駆動力を低減させることができため、電力消費を低減させることが可能となる。
特許第5084308号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたステージ装置では、各磁路の吸引力を変化させても可動部にモーメントが発生しないため、可動部に並進運動を生じさせることは可能であっても、回転運動を生じさせることができない。また、可動部の並進駆動時には中央保持時よりも固定部と可動部が接近する。ここで、二物体間に働くクーロン力は、距離の二乗に比例して増加することが知られている。よって、可動部の中央保持のために必要な電力を削減することはできるが、可動部の並進駆動時には中央保持時よりも消費電力が大きくなってしまう。
本発明は、可動部の並進駆動と回転駆動が可能であり、且つ、低電力での中央保持と駆動が可能なステージ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るステージ装置は、ベースユニットと、前記ベースユニットに対して第1の平面内で移動可能に配置されたシフトユニットと、を備えるステージ装置であって、前記ベースユニットは、前記第1の平面に垂直な第2の平面、前記第1の平面および前記第2の平面に垂直な第3の平面、前記第2の平面と平行な第4の平面、前記第3の平面と平行な第5の平面のそれぞれの平面に磁極面を有する複数の第1の永久磁石と、前記複数の第1の永久磁石を保持する1または複数のベース磁性体と、を有し、前記シフトユニットは、前記複数の第1の永久磁石のそれぞれと対向する第2の永久磁石と、複数の前記第2の永久磁石を保持する1または複数のシフト磁性体と、を有し、前記第2の平面、前記第3の平面、前記第4の平面および前記第5の平面のうち少なくとも1つの平面において前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石とが対向する対向部が少なくとも2箇所に設けられ、前記対向部のそれぞれに少なくとも1つのコイルが前記ベース磁性体または前記シフト磁性体に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、可動部の並進駆動と回転駆動が可能であり、且つ、低電力での中央保持と駆動が可能なステージ装置を提供することができる。
デジタルカメラの構成を示す図である。 第1実施形態に係る像ぶれ補正装置の構成を示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る像ぶれ補正装置の背面図である。 図3に示す矢視A−Aでの断面図である。 第1実施形態に係るステージ装置の磁路の構成を説明する背面図である。 デジタルカメラでの撮影処理のフローチャートである。 第2実施形態に係るステージ装置の磁路の構成を説明する背面図である。 第2実施形態に係るステージ装置での撮像素子への流入磁束を説明する図である。 第3実施形態に係るステージ装置の磁路の構成を説明する背面図である。 第4実施形態に係るステージ装置の磁路の構成を説明する背面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本発明に係るステージ装置を、撮像装置(具体的にはデジタルカメラ)の像ぶれ補正装置に適用した例について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100の概略構成を説明する図である。デジタルカメラ100は、本体シャーシ101、撮像レンズ102、撮像素子ユニット103、ステージ装置104、電子ビューファインダ105、背面液晶106、制御基板107、バッテリ108、ジャイロセンサ109及びレリーズボタン110を備える。
なお、説明の便宜上、図1に示すように互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を規定する。Z軸は入射光軸(撮像レンズ102の光軸)と平行な軸である。Y軸は、Z軸が水平方向と平行であるときに鉛直方向と平行となる軸であり、デジタルカメラ100の高さ方向を表す軸である。X軸は、Y軸及びZ軸と直交する軸であり、デジタルカメラ100の幅方向を表す軸である。なお、撮像素子ユニット103を構成する撮像素子300(図2参照)の撮像面と入射光軸との接点を座標原点とする。
本体シャーシ101に取り付けられた撮像レンズ102を介した入射光束は、撮像素子ユニット103に結像する。撮像素子ユニット103は、被写体の光学像を電気信号に変換してデジタルデータ化する撮像素子300と、撮像素子300を保持する撮像素子基板301を有する(図2参照)。撮像素子ユニット103とステージ装置104によって像ぶれ補正装置が構成される。ステージ装置104は、本体シャーシ101に固定されている。像ぶれ補正装置の詳細については後述する。
デジタルデータ化された光学像は、本体シャーシ101に備えられた電子ビューファインダ105又は背面液晶106に表示される。これにより、撮影者は光学像を、常時、視認することができる。光学像のデジタルデータ化や像ぶれ補正装置の駆動制御等は、CPU、ROM、RAM等の種々の電子部品を実装した制御基板107(制御部)によって行われる。像ぶれ補正装置での撮像素子ユニット103の駆動方向や駆動量は、本体シャーシ101に設けられたジャイロセンサ109からの入力に基づいて決定される。バッテリ108は、デジタルカメラ100の動作に必要な電力をデジタルカメラ100の各部に供給する。なお、本体シャーシ101には操作部材としてのレリーズボタン110が備えられている。
図2は、像ぶれ補正装置の構成を示す分解斜視図である。図3は、像ぶれ補正装置の背面図である。図4は、図3に示す矢視A−Aでの断面図である。図5は、ステージ装置104の磁路の構成を説明する背面図である。
像ぶれ補正装置を構成するステージ装置104は、大略的に、本体シャーシ101に固定されるベースユニット2と、ベースユニット2に対してXY平面(第1の平面)内で移動可能に配置されるシフトユニット3から構成される。ベースユニット2は、第1ベース固定部材200A、第2ベース固定部材200B、第1ベースユニット磁路21、第2ベースユニット磁路22、第3ベースユニット磁路23及び第4ベースユニット磁路24を有する。シフトユニット3は、シフト固定部材302、第1シフトユニット磁路31、第2シフトユニット磁路32、第3シフトユニット磁路33及び第4シフトユニット磁路34を有する。
シフト固定部材302に撮像素子基板301が固定されることで、撮像素子ユニット103とステージ装置104により像ぶれ補正装置が構成されている。撮像素子300は、X軸方向に走査を行うものであり、撮像素子基板301に対して電気的に接続され、且つ、固定されている。
第1ベース固定部材200Aには複数の凹部が形成されており、それぞれの凹部に転動体400Aが配置され、それぞれの転動体400Aは第1ベース固定部材200Aの凹部とシフト固定部材302との間に挟持されている。同様に、第2ベース固定部材200Bには複数の凹部が形成されており、それぞれの凹部に転動体400Bが配置され、それぞれの転動体400Bは第2ベース固定部材200B凹部とシフト固定部材302との間に挟持されている。更に、第1ベース固定部材200Aと第2ベース固定部材200Bは、XY平面内の四隅に配置された凸部で接触固定されている。こうして、シフト固定部材302は、転動体400Aと転動体400Bを介して第1ベース固定部材200Aと第2ベース固定部材200Bに挟まれた状態となっている。
第1ベースユニット磁路21、第2ベースユニット磁路22、第3ベースユニット磁路23及び第4ベースユニット磁路24は、第2ベース固定部材200Bに固定されている。これらの磁路を構成する、以下に説明する複数のベース磁石のすべてが永久磁石(第1の永久磁石)である。
第1ベースユニット磁路21は、X軸に垂直なX1平面(第2の平面)上にS極面21XSを有するX1ベース磁石21Xと、Y軸に垂直なY1平面(第3の平面)上にN極面21YNを有するY1ベース磁石21Yを有する。X1ベース磁石21XとY1ベース磁石21Yは、第1ベース磁性体211により接続されている。第1ベース磁性体211の比透磁率は、例えば、100程度である。第1ベースユニット磁路21は、X1ベース磁石21Xと隣接し、且つ、第1ベース磁性体211が芯となるように設けられたX1コイル21XCを備える。更に、第1ベースユニット磁路21は、Y1ベース磁石21Yと隣接し、且つ、第1ベース磁性体211が芯となるように設けられたY1コイル21YCを備える。
第2ベースユニット磁路22は、第1ベースユニット磁路21とYZ平面に関して面対称の構成を有する。したがって、第2ベースユニット磁路22は、X軸に垂直なX2平面(第4の平面)上にS極面22XSを有するX2ベース磁石22Xと、Y軸に垂直なY1平面上にN極面22YNを有するY2ベース磁石22Yを有する。X2ベース磁石22XとY2ベース磁石22Yは、第2ベース磁性体221により接続されている。第2ベース磁性体221の比透磁率は、例えば、100程度である。第2ベースユニット磁路22は、X2ベース磁石22Xと隣接し、且つ、第2ベース磁性体221が芯となるように設けられたX2コイル22XCを備える。更に、第2ベースユニット磁路22は、Y2ベース磁石22Yと隣接し、且つ、第2ベース磁性体221が芯となるように設けられたY2コイル22YCを備える。
第3ベースユニット磁路23は、第1ベースユニット磁路21とXZ平面に関して面対称の構成を有し、各磁石の磁極が反転している。つまり、第3ベースユニット磁路23は、X軸に垂直なX1平面上にN極面23XNを有するX1ベース磁石23Xと、Y軸に垂直なY2平面(第5の平面)上にS極面23YSを有するY2ベース磁石23Yを有する。X1ベース磁石23XとY2ベース磁石23Yは、第3ベース磁性体231により接続されている。第3ベース磁性体231の比透磁率は、例えば、100程度である。第3ベースユニット磁路23は、X1ベース磁石23Xと隣接し、且つ、第3ベース磁性体231が芯となるように設けられたX1コイル23XCを備える。更に、第3ベースユニット磁路23は、Y2ベース磁石23Yと隣接し、且つ、第3ベース磁性体231が芯となるように設けられたY2コイル23YCを備える。
第4ベースユニット磁路24は、第3ベースユニット磁路23とYZ平面に関して面対称の構成を有する。つまり、第4ベースユニット磁路24は、X軸に垂直なX2平面上にN極面24XNを有するX2ベース磁石24Yと、Y軸に垂直なY2平面上にS極面24YSを有するY2ベース磁石24Yを有する。X2ベース磁石24YとY2ベース磁石24Yは、第4ベース磁性体241により接続されている。第4ベース磁性体241の比透磁率は、例えば、100程度である。第4ベースユニット磁路24は、X2ベース磁石24Yと隣接し、且つ、第4ベース磁性体241が芯となるように設けられたX2コイル24XCを備える。更に、第4ベースユニット磁路24は、Y2ベース磁石24Yと隣接し、且つ、第4ベース磁性体241が芯となるように設けられたY2コイル24YCを備える。
第1シフトユニット磁路31、第2シフトユニット磁路32、第3シフトユニット磁路33及び第4シフトユニット磁路34は、シフト固定部材302に固定されている。これらの磁路を構成する、以下に説明する複数のシフト磁石のすべてが永久磁石(第2の永久磁石)である。
第1シフトユニット磁路31は、X1ベース磁石21XのS極面21XSと対向する異極のN極面31XNを有するX1シフト磁石31Xと、Y1ベース磁石21YのN極面21YNと対向する異極のS極面31YSを有するY1シフト磁石31Yを備える。X1シフト磁石31XとY1シフト磁石31Yは、第1シフト磁性体311で接続されている。
第2シフトユニット磁路32は、第1シフトユニット磁路31とYZ平面に関して面対称の構成となっている。第2シフトユニット磁路32は、X2ベース磁石22XのS極面22XSと対向する異極のN極面32XNを有するX2シフト磁石32Xと、Y2ベース磁石22YのN極面22YNと対向する異極のS極面32YSを有するY2シフト磁石32Yを備える。X2シフト磁石32XとY2シフト磁石32Yは、第2シフト磁性体321で接続されている。
第3シフトユニット磁路33は、第1シフトユニット磁路31とXZ平面に関して面対称で、且つ、各磁石の磁極が反転した構成となっている。第3シフトユニット磁路33は、X1ベース磁石23XのN極面23XNと対向する異極のS極面33XSを有するX1シフト磁石33Xと、Y2ベース磁石23YのS極面23YSと対向する異極のN極面33YNを有するY2シフト磁石33Yを備える。X1シフト磁石33XとY2シフト磁石33Yは、第3シフト磁性体331で接続されている。
第4シフトユニット磁路34は、第3シフトユニット磁路33とYZ平面に関して面対称の構成となっている。第4シフトユニット磁路34は、X2ベース磁石24YのN極面24XNと対向する異極のS極面34XSを有するX2シフト磁石34Xと、Y2ベース磁石24YのS極面24YSと対向する異極のN極面34YNを有するY2シフト磁石34Yを備える。X2シフト磁石34XとY2シフト磁石34Yは、第4シフト磁性体341で接続されている。
ここで、X1ベース磁石21Xの保磁力はX1シフト磁石31Xの保磁力よりも小さく、Y1ベース磁石21Yの保磁力はY1シフト磁石31Yの保磁力よりも小さい。また、X1ベース磁石21Xの対向面幅はX1シフト磁石31Xの対向面幅よりも大きく、Y1ベース磁石21Yの対向面幅はY1シフト磁石31Yの対向面幅よりも大きい。同様に、第2ベースユニット磁路22、第3ベースユニット磁路23及び第4ベースユニット磁路24のそれぞれにおいても、各磁石対向部では、ベース磁石はシフト磁石よりも保磁力が小さく、且つ、対向面幅が大きい。
撮像素子基板301上で、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間の領域とY2ベース磁石22YとY2シフト磁石32Yの間の領域とのX方向での中間点に、Xホール素子303Aが配置されている。Xホール素子303Aは、ベースユニット2に対するシフトユニット3のX方向での相対位置を検出する。また、撮像素子基板301上、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の領域とX1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の領域とのY方向での中間点に、Y1ホール素子303Bが配置されている。Y1ホール素子303Bは、ベースユニット2に対するシフトユニット3のY方向での相対位置を検出する。撮像素子基板301上で、Y1ホール素子303BとYZ平面に関して面対称となる位置には、ベースユニット2に対するシフトユニット3のY方向での相対位置を検出するためのY2ホール素子303Cが配置されている。
次に、シフトユニット3のベースユニット2に対する中央保持のための(つまり、入射光軸と撮像素子300の中心とを一致させた状態でシフトユニット3を保持するための)ステージ装置104の駆動方法について説明する。
異極で対向するX1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間と、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間のそれぞれで、X軸方向の吸引力が発生する。同様に、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間と、X2ベース磁石24YとX2シフト磁石34Xの間のそれぞれで、X軸方向の吸引力が発生する。また、異極で対向するY1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間と、Y2ベース磁石22YとY2シフト磁石32Yの間のそれぞれで、Y軸方向の吸引力が発生する。同様に、Y2ベース磁石23YとY2シフト磁石33Yの間と、Y2ベース磁石24YとY2シフト磁石34Yの間のそれぞれで、Y軸方向の吸引力が発生する。これら8箇所の磁石対向部での吸引力の大きさが釣り合うことにより、シフトユニット3はベースユニット2に対して中央保持される。
一例として、シフトユニット3を中央保持する際に、図5上でX軸左方向へ外力が加わった場合のステージ装置104の動作について説明する。この場合、X1コイル21XCにX1ベース磁石21Xの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電し、且つ、X1コイル23XCにX1ベース磁石23Xの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、X1ベース磁石21XとX1ベース磁石23Xに減磁作用がはたらく。この作用により、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の吸引力と、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の吸引力は、無通電時と比較して低下する。
その結果、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の吸引力に対して、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。同時に、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の吸引力に対して、X2ベース磁石24YとX2シフト磁石34Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。こうして、図5上でX軸右方向への力を誘引し、X軸左方向への外力をキャンセル(相殺)することで、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持することができる。
つまり、X1平面、X2平面、Y1平面及びY2平面のうち、意図した駆動方向にある平面上の磁石対向部に対し、その磁石対向部と逆向きに力を発生している磁石対向部の磁石間力(ここでは、吸引力)を減磁作用により低下させる。こうして、シフトユニット3全体に作用する力を調整することにより、シフトユニット3を任意の方向に駆動することができる。
別の例として、シフトユニット3の中央保持の際に、図5上の原点に対して時計まわり方向の外力が発生した場合について説明する。この場合、Y1コイル21YC、X2コイル22XC、X1コイル23XC、Y2コイル24YCそれぞれに、Y1ベース磁石21Y、X2ベース磁石22X、X1ベース磁石23X、Y2ベース磁石24Yの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、Y1ベース磁石21Y、X2ベース磁石22X、X1ベース磁石23X、Y2ベース磁石24Yに減磁作用がはたらく。この作用により、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間の吸引力と、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の吸引力は、無通電時と比較して低下する。また、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の吸引力と、Y2ベース磁石24YとY2シフト磁石34Yの間の吸引力も、無通電時と比較して低下する。
その結果、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間の吸引力に対して、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。また、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の吸引力に対して、Y2ベース磁石22YとY2シフト磁石32Yの間の吸引力が相対的に大きくなる。更に、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の吸引力に対して、Y2ベース磁石23YとY2シフト磁石33Yの間の吸引力が相対的に大きくなる。同様に、Y2ベース磁石24YとY2シフト磁石34Yの間の吸引力に対して、X2ベース磁石24YとX2シフト磁石34Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。こうして、図5上で反時計まわり方向のモーメントを誘引し、時計まわり方向の外力をキャンセルすることで、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持することができる。
つまり、回転方向の駆動の際には、任意の回転方向と同一方向のモーメントを発生させる。その際、X1平面、X2平面、Y1平面、Y2平面のいずれにおいても、モーメントの発生に寄与しない吸引力を減磁により低下させて任意の大きさのモーメントを発生させることにより、シフトユニット3を回転駆動することができる。
次に、デジタルカメラ100での像ぶれ補正処理を伴う撮影処理のフローについて説明する。図6は、デジタルカメラ100での撮影処理のフローチャートである。図6のフローチャートにS番号で示す各処理(ステップ)は、制御基板107に実装されているCPUがROMから所定のプログラムをRAMに読み出して、デジタルカメラ100の各部の動作を統括的に制御することにより実現される。
デジタルカメラ100の電源がオンになると、S101でCPUは、レリーズボタン110が半押しされて、被写体に対するAFやAEを行うためのSW1がオンになったか否かを判定する。CPUは、SW1がオンになったと判定した場合(S101でYES)、処理をS102へ進め、SW1がオフのままであると判定した場合(S101でNO)、S101の判定を繰り返す。
S102でCPUは、像ぶれ補正装置(ステージ装置104)を駆動する。具体的には、ジャイロセンサ109からのデジタルカメラ100のぶれ情報と、シフトユニット3のXホール素子303AからのX軸方向位置とY1ホール素子303BとY2ホール素子303CからのY軸方向位置及びその差分に基づく回転位置を取得する。そして、CPUは、取得した情報に基づき、ステージ装置104を駆動する際のぶれ補正量を算出する。S103でCPUは、S102で算出したぶれ補正量でベースユニット2に対するシフトユニット3の駆動を行う。これにより、像ぶれをキャンセルすることができる。
S104でCPUは、レリーズボタン110が全押しされて撮影動作を開始するためのSW2がオンになったか否かを判定する。CPUは、SW2がオンになったと判定した場合(S104でYES)、処理をS105へ進め、SW2がオンになっていない判定した場合(S104でNO)、処理をS101へ戻す。S105でCPUは、撮像素子300への露光を開始する。S106とS107でCPUは、S102,S103と同様に像ぶれを補正する。S108でCPUは露光を終了させ、これにより撮影は終了する。
次に、ステージ装置104の像ぶれ補正駆動(S103,S107)について説明する。ステージ装置104の駆動原理は、前述した中央保持の場合と同様であり、意図した駆動方向にある平面上の磁石対向部に対し、その磁石対向部と逆向きに力を発生している磁石対向部の磁石間力(ここでは、吸引力)を減磁作用により低下させる。こうして、シフトユニット3全体に作用する力を調整することにより、シフトユニット3を任意の方向に駆動することができる。
例えば、図5上でX軸左方向への手ぶれが発生した場合、X1コイル21XCとX1コイル23XCそれぞれに、X1ベース磁石21XとX1ベース磁石23Xの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、X1ベース磁石21XとX1ベース磁石23Xに減磁作用がはたらく。この作用により、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の吸引力と、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の吸引力は、無通電時と比較して低下する。
その結果、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の吸引力に対して、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。同時に、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の吸引力に対して、X2ベース磁石24YとX2シフト磁石34Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。こうして、図5上でX軸右方向への力を誘引し、X軸左方向への手ぶれをキャンセルすることで、手ぶれによる像ぶれを補正した状態での撮像が可能となる。
また、図5上で原点に対して時計まわり方向の手ぶれが発生した場合は、以下の通りに動作させる。即ち、Y1コイル21YC、X2コイル22XC、X1コイル23XC、Y2コイル24YCそれぞれに、Y1ベース磁石21Y、X2ベース磁石22X、X1ベース磁石23X、Y2ベース磁石24Yの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、Y1ベース磁石21Y、X2ベース磁石22X、X1ベース磁石23X及びY2ベース磁石24Yそれぞれに減磁作用がはたらく。この作用により、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間の吸引力と、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の吸引力はそれぞれ、無通電時と比較して低下する。同様に、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の吸引力と、Y2ベース磁石24YとY2シフト磁石34Yの間の吸引力も無通電時と比較して低下する。
その結果、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間の吸引力に対して、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。また、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の吸引力に対して、Y2ベース磁石22YとY2シフト磁石32Yの間の吸引力が相対的に大きくなる。更に、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の吸引力に対して、Y2ベース磁石23YとY2シフト磁石33Yの間の吸引力が相対的に大きくなる。同様に、Y2ベース磁石24YとY2シフト磁石34Yの間の吸引力に対して、X2ベース磁石24YとX2シフト磁石34Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。こうして、図5上で反時計まわり方向のモーメントを誘引し、時計まわり方向の手ぶれをキャンセルすることで、手ぶれによる像ぶれを補正した状態での撮像が可能となる。
次に、ステージ装置104が奏する効果について説明する。ステージ装置104では、各磁石対向部は等しい大きさの吸引力を発現するため、ベースユニット2に対する相対的な中央位置でシフトユニット3へ掛かる力が釣り合う。そのため、デジタルカメラ100の電源が入っていない無通電の状態でも、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持することができる。そして、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持するためには、外力に対してのみコイル通電による駆動を行えばよい。よって、無通電で定常的な中央保持力が発生しない従来のステージ装置と比較して、より少ない電力でシフトユニット3を中央保持することができる。
また、ベースユニット2とシフトユニット3の各辺には対向部が2箇所ずつ備えられており、且つ、対向部ごとに減磁用のコイルが設けられているため、並進方向の駆動だけでなく、モーメントの発生による回転方向の駆動も可能である。しかも、各シフト磁石に対して各ベース磁石の保磁力が小さいため、逆磁場による減磁が容易であり、シフト磁石とベース磁石の保磁力を同じにする構成よりも、低電力での駆動が可能となる。
更に、X1コイル21XCとY1コイル21YCの芯を第1ベース磁性体211とし、X2コイル22XCとY2コイル22YCの芯を第2ベース磁性体221としている。また、X1コイル23XCとY2コイル23YCの芯を第3ベース磁性体231とし、X2コイル24XCとY2コイル24YCの芯を第4ベース磁性体241としている。ここで、コイルが発生させる磁束の大きさは、透磁率を変数とし、他のパラメータを定数とすると、下記式1の通りに表される。なお、Φ:磁束、I:電流量、μ:芯の透磁率、A:芯の断面積、N:巻き数、l:磁路の長さ、C:定数、であり、コイルが発生させる磁束Φが透磁率μに比例することがわかる。
Figure 2021078199
比透磁率が100の第1ベース磁性体211を用いた場合、比透磁率が1である空芯や磁石を芯にした場合と比較して、コイルでの発生磁束は100倍となる。第2ベース磁性体221、第3ベース磁性体231及び第4ベース磁性体241についても、第1ベース磁性体211と同様である。よって、減磁対象の磁石を芯とする場合と比較して、より高い減磁効果を得ることが可能になることで、より少ない電力での駆動が可能になる。
また、各ベース磁石の対向面幅はそれぞれ、対向する各シフト磁石より大きい(逆に言えば、シフトユニット3を構成する磁石の幅は、ベースユニット2を構成する磁石の幅よりも小さい)。そのため、シフトユニット3が変位しても常に磁石対向面積を一定として磁石同士を対向させることができ、磁石間力は磁石間距離によってのみ変化する。その結果、ステージ装置104では制御量がシフトユニット3の位置に依存するが、磁石間距離のみに注目して制御量を決定することができるため、制御処理を簡単なものとすることが可能になる。
更に、ステージ装置104では、ベースユニット2を構成する磁石の幅よりもシフトユニット3を構成する磁石の幅を小さくしており、これにより、駆動対象であるシフトユニット3を軽量化して、駆動時の電力消費を低減することが可能となっている。また、ベースユニット2に減磁対象となる低保磁力のX1ベース磁石21X等の8個の磁石を配置している。この場合、シフトユニット3に低保磁力の磁石を配置した場合よりも、デジタルカメラ100の内部での主要な熱源の1つである撮像素子300から低保磁力の磁石までの距離を長くすることができる。よって、熱による減磁の影響を抑制することが可能になる。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態に係るステージ装置104Aの磁路の構成を説明する背面図であり、第1実施形態での図5に対応する図である。第2実施形態は、ステージ装置104Aでの磁路の構成が第1実施形態と異なる。以下では、第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第1実施形態でのステージ装置104では、ベース磁石の磁極面に対向するシフト磁石の磁極面がベース磁石の磁極面とは異極となっている。これに対して、第2実施形態に係るステージ装置104Aでは、ベース磁石の磁極面に対向するシフト磁石の磁極面がベース磁石の磁極面と同極となっている。
つまり、第1シフトユニット磁路31は、X1ベース磁石21XのS極面21XSと同極で対向するS極面31XSを有するX1シフト磁石31Xと、Y1ベース磁石21YのN極面21YNと同極で対向するN極面31YNを有するY1シフト磁石31Yを備える。同様に、第2シフトユニット磁路32は、X2ベース磁石22XのS極面22XSと同極で対向するS極面32XSを有するX2シフト磁石32Xと、Y2ベース磁石22YのN極面22YNと同極で対向するN極面32YNを有するY2シフト磁石32Yを備える。第3シフトユニット磁路33は、X1ベース磁石23XのN極面23XNと同極で対向するN極面33XNを有するX1シフト磁石33Xと、Y2ベース磁石23YのS極面23YSと同極で対向するS極面33YSを有するY2シフト磁石33Yを備える。第4シフトユニット磁路34は、X2ベース磁石24YのN極面24XNと同極で対向するN極面34XNを有するX2シフト磁石34Xと、Y2ベース磁石24YのS極面24YSと同極で対向するS極面34YSを有するY2シフト磁石34Yを備える。なお、これらの磁石は、コイルが発生する逆磁場以外の外部磁場による減磁で磁束密度を失わないものが選定される。
続いて、ステージ装置104Aの駆動方法の例について説明する。一例として、シフトユニット3を中央保持する場合に、図7上でX軸右方向へ外力が加わったとする。この場合、X1コイル21XCにX1ベース磁石21Xの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電し、且つ、X1コイル23XCにX1ベース磁石23Xの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場によりX1ベース磁石21XとX1ベース磁石23Xに減磁作用がはたらく。この作用により、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の反発力と、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の反発力は、無通電時と比較して低下する。
その結果、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の反発力に対して、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の反発力が相対的に大きくなる。同時に、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の反発力に対して、X2ベース磁石24YとX2シフト磁石34Xの間の反発力が相対的に大きくなる。こうして、図7上でX軸左方向への力を誘引し、X軸右方向への外力をキャンセルすることで、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持することができる。
つまり、X1平面、X2平面、Y1平面及びY2平面のうち、意図した駆動方向にある平面上の対向部の磁石間力(ここでは、反発力)を減磁作用により低下させる。こうして、シフトユニット3全体に作用する力を調整することにより、シフトユニット3を任意の方向に駆動することができる。
別の例として、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持する場合に、図7上で原点に対して反時計まわり方向の外力がシフトユニット3に作用したとする。この場合、Y1コイル21YC、X2コイル22XC、X1コイル23XC、Y2コイル24YCにそれぞれ、Y1ベース磁石21Y、X2ベース磁石22X、X1ベース磁石23X、Y2ベース磁石24Yの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電を行う。この磁場により、Y1ベース磁石21Y、X2ベース磁石22X、X1ベース磁石23X及びY2ベース磁石24Yのそれぞれに減磁作用がはたらく。この作用により、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間の反発力と、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の反発力は、無通電時と比較して低下する。同様に、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の反発力と、Y2ベース磁石24YとY2シフト磁石34Yの間の反発力も、無通電時と比較して低下する。
その結果、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間の反発力に対して、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の反発力が相対的に大きくなる。同様に、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の反発力に対して、Y1ベース磁石22YとY1シフト磁石32Yの間の反発力が相対的に大きくなる。また、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の反発力に対して、Y2ベース磁石23YとY2シフト磁石33Yの間の反発力が相対的に大きくなる。そして、Y2ベース磁石24YとY2シフト磁石34Yの間の反発力に対して、X2ベース磁石24XとX2シフト磁石34Xの間の反発力が相対的に大きくなる。こうして、図7上で時計まわり方向のモーメントを誘引し、反時計まわり方向の外力をキャンセルすることで、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持することができる。
つまり、回転方向の駆動の際には、任意の回転方向と同一方向のモーメントを発生させる。その際、X1平面、X2平面、Y1平面、Y2平面のいずれにおいても、モーメントの発生に寄与しない磁石反発力を減磁により低下させて任意の大きさのモーメントを発生させることにより、シフトユニット3を回転駆動することができる。
像ぶれ補正時のデジタルカメラ100のぶれ情報やシフトユニット3の位置情報の検出方法は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。像ぶれ補正時の並進駆動と回転駆動のための通電方法は、シフトユニット3の中央保持の場合と同様である。
例えば、図7上でX軸右方向への手ぶれが発生した場合、X1コイル21XCにX1ベース磁石21Xの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電し、X1コイル23XCにX1ベース磁石23Xの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、X1ベース磁石21XとX1ベース磁石23Xに減磁作用がはたらく。この作用により、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の反発力と、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の反発力は、無通電時と比較して低下する。
その結果、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の反発力に対して、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の反発力が相対的に大きくなる。同時に、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の反発力に対して、X2ベース磁石24XとX2シフト磁石34Xの間の反発力が相対的に大きくなる。その結果、図7上でX軸左方向への力を誘引し、X軸右方向への手ぶれをキャンセルすることで、手ぶれによる像ぶれを補正した状態での撮像が可能となる。
また、図7上における原点に対して反時計回りの手ぶれが発生した場合には、以下の通りに動作させる。即ち、Y1コイル21YC、X2コイル22XC、X1コイル23XC、Y2コイル24YCにそれぞれ、Y1ベース磁石21Y、X2ベース磁石22X、X1ベース磁石23X、Y2ベース磁石24Yの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、Y1ベース磁石21Y、X2ベース磁石22X、X1ベース磁石23X及びY2ベース磁石24Yのそれぞれに減磁作用がはたらく。この作用により、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間の反発力と、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の反発力は、無通電時と比較して低下する。同様に、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の反発力と、Y2ベース磁石24YとY2シフト磁石34Yの間の反発力も、無通電時と比較して低下する。
その結果、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31Yの間の反発力に対して、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31Xの間の反発力が相対的に大きくなる。同様に、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32Xの間の反発力に対して、Y1ベース磁石22YとY1シフト磁石32Yの間の反発力が相対的に大きくなる。また、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33Xの間の反発力に対して、Y2ベース磁石23YとY2シフト磁石33Yの間の反発力が相対的に大きくなる。そして、Y2ベース磁石24YとY2シフト磁石34Yの間の反発力に対して、X2ベース磁石24XとX2シフト磁石34Xの間の反発力が相対的に大きくなる。こうして、図7上で時計まわり方向のモーメントを誘引し、反時計まわり方向の手ぶれをキャンセルすることで、手ぶれによる像ぶれを補正した状態での撮像が可能となる。
次に、ステージ装置104Aが奏する効果について説明する。ステージ装置104Aは、第1実施形態に係るステージ装置104が奏するすべての効果を奏し、且つ、新たな効果を奏する。即ち、ステージ装置104Aでは、各磁石対向部は等しい大きさの反発力を発現するため、ベースユニット2に対する相対的な中央位置でシフトユニット3へ掛かる力が釣り合う。そのため、デジタルカメラ100の電源が入っていない無通電の状態でも、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持することができる。そして、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持する場合には、外力に対してのみコイル通電による駆動を行えばよい。よって、機械要素によって定常的に中央保持力が発生する構成でないステージ装置よりも低い電力でシフトユニット3を中央保持することができる。しかも、コイルを駆動してシフトユニット3を中央位置へ移動させる際にも、シフトユニット3を中央位置へ変位させる反発力がはたらいているため、第1実施形態と比較して、より低電力での中央保持が可能となる。
ところで、一般的に、撮像素子300が光学像から画像データを生成する過程で撮像素子300へ磁束が流入すると、撮影画像にノイズが生じる原因となる。第2実施形態では、磁極が同極で対向しており、磁路が閉じていないため、第1実施形態に示した異極対向に比べて、撮像素子300の内部への磁束流入が多いと考えられる。特に走査方向と平行な磁束はノイズの原因となりやすいため、X軸方向に走査を行う撮像素子300内に磁束が流入する場合には、その磁束はX成分よりもY成分の割合を大きくする必要がある。
図8は、ステージ装置104Aと撮像素子ユニット103からなる像ぶれ補正装置での、撮像素子300への流入磁束を説明する図である。ステージ装置104Aでは、上述の通りの磁石配置を採用することにより、撮像素子300への流入磁束がX成分よりもY成分の割合が大きくなるようにしている。
具体的には、X1ベース磁石21XとX1シフト磁石31XのなすS極対向部と、X1ベース磁石23XとX1シフト磁石33XのなすN極対向部の間の空間に磁路M1が形成される。同様に、X2ベース磁石22XとX2シフト磁石32XのなすS極対向部とX2ベース磁石24XとX2シフト磁石34XのなすN極対向部の間の空間に磁路M2が形成される。
更に、Y2ベース磁石23YとY2シフト磁石33YのなすS極対向部とY2ベース磁石24YとY2シフト磁石34YのなすS極対向部とが反発している。そのため、Y1ベース磁石21YとY1シフト磁石31YのなすN極対向部とY1ベース磁石22YとY1シフト磁石32YのなすN極対向部の間で反発した磁束は、Y軸方向を負方向に流入して磁路M3を形成する。こうして、撮像素子300内に流入する磁束のX成分よりもY成分の割合を大きくすることができる。なお、磁石対向部の構成と配置を工夫することにより、撮像素子300に流入する磁束の成分を任意に限定することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るステージ装置は、第1実施形態及び第2実施形態に係る各ステージ装置と比較すると、主にベース磁性体の構造、磁石数及びコイル数点で相違している。つまり、第1実施形態及び第2実施形態では、X1平面、X2平面、Y1平面及びY2平面のそれぞれに2箇所ずつの磁石対向部を設けている。これに対して、第3実施形態では、1つの平面(具体的にはY2平面)にのみ2箇所の磁石対向部を設け、他の3つの平面では磁石対向部を1箇所ずつ設けている。その結果として、第3実施形態に係るステージ装置において形成される磁路の態様とコイルへの通電方法が、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。
図9は、第3実施形態に係るステージ装置104Bの磁路の構成を説明する背面図であり、第1実施形態での図5に対応する図である。
ベースユニット2のベースユニット磁路51は、X軸に垂直なX1平面上にS極面51XSを有するX1ベース磁石51Xと、X1平面と平行なX2平面上にS極面52XSを有するX2ベース磁石52Xを備える。また、ベースユニット磁路51は、Y軸に垂直なY1平面上にN極面51YNを有するY1ベース磁石51Yを備える。更に、ベースユニット磁路51は、Y1平面と平行なY2平面上に、N極面53YNを有するY2ベース磁石53Y及びN極面54YNを有するY2ベース磁石54Yを備える。X1ベース磁石51X、Y1ベース磁石51Y、X2ベース磁石52X、Y2ベース磁石53Y及びY2ベース磁石54Yは、比透磁率が100のベース磁性体511で接続されている。
そして、ベース磁性体511を芯として、X1ベース磁石51Xと隣接する位置にX1コイル51XCが設けられ、X2ベース磁石52Xと隣接する位置にX2コイル52XCが設けられている。また、ベース磁性体511を芯として、Y1ベース磁石51Yと隣接する位置にY1コイル51YCが、Y2ベース磁石53Yと隣接する位置にY2コイル53YCが、Y2ベース磁石54Yと隣接する位置にY2コイル54YCがそれぞれ設けられている。
シフトユニット3のシフトユニット磁路61を構成する各磁石は、ベースユニット磁路51を構成する各磁石の磁極面と異極で対向する磁極面を有する。すなわち、シフトユニット磁路61は、S極面51XSと対向するN極面61XNを有するX1シフト磁石61Xと、S極面52XSと対向するN極面62XNを有するX2シフト磁石62Xを備える。また、シフトユニット磁路61は、N極面51YNと対向するS極面61YSを有するY1シフト磁石61Yを備える。更にシフトユニット磁路61は、N極面53YNと対向するS極面63YSを有するY2シフト磁石63Yと、S極面64YSでN極面54YNと対向するY2シフト磁石64Yを備える。X1シフト磁石61X、Y1シフト磁石61Y、X2シフト磁石62X、Y2シフト磁石63Y及びY2シフト磁石64Yはシフト磁性体611で接続されている。そして、各磁石対向部のベース磁石は、シフト磁石よりも保磁力が小さく、且つ、対向面幅は大きい。
次に、ステージ装置104Bの駆動方法について説明する。異極で対向する5箇所の各磁石対向部において磁石間には吸引力が発生する。シフトユニット3がベースユニット2に対して中央位置を取るときに、5箇所の対向部での吸引力の大きさが釣り合うように各磁石のパラメータが設定されている。
例えば、シフトユニット3を中央保持する際に、図9上でX軸左方向への外力が加わった場合には、X1コイル51XCにX1ベース磁石51Xの磁極方向と逆向きの磁場を発生させる。この磁場によりX1ベース磁石51Xに減磁作用がはたらく。この作用により、X1ベース磁石51XとX1シフト磁石61Xの間の吸引力は、無通電時と比較して低下する。この作用により、X1ベース磁石51XとX1シフト磁石61Xの間の吸引力に対して、X2ベース磁石52XとX2シフト磁石62Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。その結果、図9におけるX軸右方向への力を誘引し、X軸左方向への外力をキャンセルすることで、シフトユニット3を中央保持することができる。
つまり、X1平面、X2平面、Y1平面及びY2平面のうち、意図した駆動方向にある平面上の対向部に対し、その対向部と逆向きに力を発生している対向部の磁石間力(ここでは、吸引力)を減磁作用により低下させる。こうして、シフトユニット3全体に作用する力を調整することにより、シフトユニット3を任意の方向に並動することができる。
一方、図9上での原点に対して時計まわり方向の外力が発生した場合、Y2コイル54YCにY2ベース磁石54Yの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、Y2ベース磁石54Yに減磁作用がはたらく。この作用により、Y2ベース磁石54YとY2シフト磁石64Yの間の吸引力は、無通電時と比較して低下する。この作用により、Y2ベース磁石54YとY2シフト磁石64Yの間の吸引力に対して、Y2ベース磁石53YとY2シフト磁石63Yの間の吸引力が相対的に大きくなる。こうして、図9上で反時計まわり方向のモーメントを誘引し、時計まわり方向の外力をキャンセルすることで、シフトユニット3を中央保持することができる。
つまり、回転方向の駆動の際には、任意の回転方向と同一方向のモーメントを発生させる。その際、Y2コイル53YCとY2コイル54YCのうち、モーメントの発生に寄与しない吸引力を減磁により低下させて任意のモーメントを発生させることにより、シフトユニット3を回転駆動することができる。
像ぶれ補正時のデジタルカメラ100のぶれ情報やシフトユニット3の位置情報の検出方法は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。像ぶれ補正時の並進駆動と回転駆動のための通電方法は、シフトユニット3の中央保持の場合と同様である。つまり、意図した駆動方向にある平面上の対向部に対し、その対向部と逆向きに力を発生している対向部の磁石間力(ここでは、吸引力)を減磁作用により低下させる。こうして、シフトユニット3全体に作用する力を調整することにより、シフトユニット3を任意の方向に駆動することができる。
例えば、図9上でX軸左方向への手ぶれが発生した場合、X1コイル51XCにX1ベース磁石51Xの磁極方向と逆向きの磁場を発生させる。この磁場により、X1ベース磁石51Xに減磁作用がはたらく。この作用により、X1ベース磁石51XとX1シフト磁石61Xの間の吸引力は、無通電時と比較して低下する。この作用により、X1ベース磁石51XとX1シフト磁石61Xの間の吸引力に対して、X2ベース磁石52XとX2シフト磁石62Xの間の吸引力が相対的に大きくなる。こうして、図9上でX軸右方向への力を誘引し、X軸左方向への手ぶれをキャンセルすることで、手ぶれによる像ぶれを補正した状態での撮像が可能になる。
また、図9上で原点に対して時計回りの手ぶれが発生した場合、Y2コイル54YCにY2ベース磁石54Yの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、Y2ベース磁石54Yに減磁作用がはたらく。この作用により、Y2ベース磁石54YとY2シフト磁石64Yの間の吸引力は、無通電時と比較して低下する。この作用により、Y2ベース磁石54YとY2シフト磁石64Yの間の吸引力に対して、Y2ベース磁石53YとY2シフト磁石63Yの間の吸引力が相対的に大きくなる。こうして、図9上で反時計まわり方向のモーメントを誘引し、時計まわり方向の手ぶれをキャンセルすることで、手ぶれによる像ぶれを補正した状態での撮像が可能となる。
次に、第3実施形態に係るステージ装置104Bが奏する効果について説明する。なお、第3実施形態では、第1実施形態に係るステージ装置104が奏するすべての効果を奏し、且つ、新たな効果を奏する。即ち、ステージ装置104Bでは、少なくとも一辺(具体的にはY2平面)に磁石対向部を2箇所設け、各磁石対向部にコイルを備えているため、1箇所でコイルを駆動することにより、回転方向の駆動が可能となっている。また、他の辺(具体的には、X1平面、X2平面、Y1平面)に1箇所ずつ磁石対向部を設けることで、第1実施形態でのステージ装置104と比較して、磁石及びコイルの部品点数を減らすことができる。
<第4実施形態>
図10は、第4実施形態に係るステージ装置104Cの磁路の構成を説明する背面図であり、第1実施形態での図5に対応する図である。第4実施形態は、ステージ装置104Cでの磁路の構成が第3実施形態と異なる。以下では、第4実施形態において、第3実施形態と共通する構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第3実施形態でのステージ装置104Bでは、ベース磁石の磁極面に対向するシフト磁石の磁極面がベース磁石の磁極面とは異極となっている。これに対して、第4実施形態に係るステージ装置104Cでは、ベース磁石の磁極面に対向するシフト磁石の磁極面がベース磁石の磁極面と同極となっている。
つまり、ステージ装置104Cのベースユニット磁路51の構成は、ステージ装置104Bのベースユニット磁路51の構成と同じである。そのため、ステージ装置104Cのベースユニット磁路51の構成について、ここでの説明を省略する。
一方、シフトユニット磁路61は、S極面51XSと同極で対向するS極面61XSを有するX1シフト磁石61Xと、S極面52XSと同極で対向するS極面62XSを有するX2シフト磁石62Xを備える。また、シフトユニット磁路61は、N極面51YNと同極で対向するN極面61YNを有するY1シフト磁石61Yを備える。更に、シフトユニット磁路61は、N極面53YNと同極で対向するN極面63YNを有するY2シフト磁石63Yと、N極面54YNと同極で対向するN極面64YNを有するY2シフト磁石64Yを備える。
X1シフト磁石61X、Y1シフト磁石61Y、X2シフト磁石62X、Y2シフト磁石63Y及びY2シフト磁石64Yは、シフト磁性体611で接続されている。そして、各磁石対向部において、ベース磁石はシフト磁石よりも保磁力が小さく、且つ、対向面幅が大きい。
次に、ステージ装置104Cの駆動方法について説明する。同極で対向する5箇所の各磁石対向部において磁石間には反発力が発生する。シフトユニット3がベースユニット2に対して中央位置を取るときに、5箇所の対向部での反発力の大きさが釣り合うように各磁石のパラメータが設定されている。
例えば、シフトユニット3を中央保持する際に、図10上でX軸右方向への外力が加わった場合、X1コイル51XCにX1ベース磁石51Xの磁極方向と逆向きの磁場を発生させる。この磁場により、X1ベース磁石51Xに減磁作用がはたらく。この作用により、X1ベース磁石51XとX1シフト磁石61Xの間の反発力は、無通電時と比較して低下する。その結果、X1ベース磁石51XとX1シフト磁石61Xの間の反発力に対して、X2ベース磁石52XとX2シフト磁石62X間の反発力が相対的に大きくなる。こうして、図10上でX軸左方向への力を誘引し、X軸右方向への外力をキャンセルすることでシフトユニット3を中央保持することができる。
つまり、X1平面、X2平面、Y1平面及びY2平面のうち、意図した駆動方向にある平面上の磁石対向部の磁石間力を減磁作用により低下させる。こうして、シフトユニット3全体に作用する力を調整することにより、シフトユニット3を任意の方向に駆動することができる。
また、図10上で原点に対して反時計まわり方向の外力が発生した場合、Y2コイル54YCにY2ベース磁石54Yの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、Y2ベース磁石54Yに減磁作用がはたらく。この作用により、Y2ベース磁石54YとY2シフト磁石64Yの間の反発力は、無通電時と比較して低下する。その結果、Y2ベース磁石54YとY2シフト磁石64Yの間の反発力に対して、Y2ベース磁石53YとX2シフト磁石34XとY2シフト磁石63Y間の反発力が相対的に大きくなる。こうして、図10上で時計まわり方向のモーメントを誘引し、反時計まわり方向の外力をキャンセルすることで、シフトユニット3を中央保持することができる。
つまり、回転方向の駆動の際には、任意の回転方向と同一方向のモーメントを発生させる。その際、Y2コイル53YCとY2コイル54YCのうち、モーメントの発生に寄与しない磁石反発力を減磁により低下させて任意のモーメントを発生させることにより、シフトユニット3を中央保持することができる。
像ぶれ補正時のデジタルカメラ100のぶれ情報やシフトユニット3の位置情報の検出方法は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、像ぶれ補正時の並進駆動と回転駆動のための通電方法は、シフトユニット3の中央保持の場合と同様である。つまり、意図した駆動方向にある平面上の磁石対向部の磁石間力(ここでは、反発力)を減磁作用により低下させる。こうして、シフトユニット3全体に作用する力を調整することにより、シフトユニット3を任意の方向に駆動することができる。
例えば、図10上でX軸右方向への手ぶれが発生した場合、X1コイル51XCにX1ベース磁石51Xの磁極方向と逆向きの磁場を発生させる。この磁場により、X1ベース磁石51Xに減磁作用がはたらく。この作用により、X1ベース磁石51XとX1シフト磁石61Xの間の反発力は、無通電時と比較して低下する。その結果、X1ベース磁石51XとX1シフト磁石61Xの間の反発力に対して、X2ベース磁石52XとX2シフト磁石62Xの間の反発力が相対的に大きくなる。こうして、図10上でX軸左方向への力を誘引し、X軸右方向への手ぶれをキャンセルすることで、手ぶれによる像ぶれを補正した状態での撮像が可能となる。
また、図10上で原点に対して反時計まわり方向の手ぶれが発生した場合、Y2コイル54YCにY2ベース磁石54Yの磁極方向と逆向きの磁場が発生するように通電する。この磁場により、Y2ベース磁石54Yに減磁作用がはたらく。この作用により、Y2ベース磁石54YとY2シフト磁石64Yの間の反発力は、無通電時と比較して低下する。その結果、Y2ベース磁石54YとY2シフト磁石64Yの間の反発力に対して、Y2ベース磁石53YとY2シフト磁石63Yの間の反発力が相対的に大きくなる。こうして、図10上で時計まわり方向のモーメントを誘引し、反時計まわり方向の手ぶれをキャンセルすることで、手ぶれによる像ぶれを補正した状態での撮像が可能となる。
次に、ステージ装置104Cが奏する効果について説明する。なお、ステージ装置104Cは、第3実施形態に係るステージ装置104Bが奏するすべての効果を奏し、且つ、新たな効果を奏する。即ち、ステージ装置104Cでは、各磁石対向部は等しい大きさの反発力を発現するため、シフトユニット3へ掛かる力は、ベースユニット2に対する中央位置で釣り合う。そのため、デジタルカメラ100の電源が入っていない無通電の状態でも、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持することができる。そして、シフトユニット3をベースユニット2に対して中央保持する場合には、外力に対してのみコイル通電による駆動を行えばよい。よって、機械要素によって定常的に中央保持力が発生する構成でないステージ装置よりも低い電力でシフトユニット3を中央保持することができる。しかも、コイルを駆動してシフトユニット3を中央位置へ移動させる際にも、シフトユニット3を中央位置へ変位させる反発力がはたらいているため、第1実施形態と比較して、より低電力での中央保持が可能となる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
例えば、上記の各実施形態において、各転動体をバネに代えて、シフトユニット3をZ軸方向に付勢した構成としてもよい。また、各転動体を磁石に代えて、シフトユニット3をZ軸方向に付勢してもよい。更に、各ベース磁性体と各シフト磁性体には、比透磁率が1以上であればどのような値のものを用いてもよい。
ベースユニット2を構成する各磁石の対向面幅は、シフトユニット3を構成する各磁石の対向面幅より小さくしてもよいし、ベースユニット2に対してシフトユニット3の相対位置を検出する手段には、変位計やエンコーダを用いてもよい。また、シフトユニットを軽量化するためにベースユニットにコイルを配置した構成について説明したが、シフトユニット3にコイルを配置した構成とすることも可能である。磁石対向部は、1辺に少なくとも2箇所設けられていれば、他の辺上の配置数は1以上の幾つであってもよい。
上記実施形態では、ステージ装置104により撮像素子300を駆動する像ぶれ補正装置について説明したが、ステージ装置104はXY平面の中心部が空洞となっているため、シフトレンズを駆動する像ぶれ補正装置への適用も可能である。そして、ステージ装置104の構成は、撮像装置の像ぶれ補正装置への応用に限定されず、所望する駆動対象をXY平面内で移動させる種々の用途に適用することができる。
2 ベースユニット
3 シフトユニット
21X,21Y,22X,22Y,23X,23Y,24X,24Y,51X,51Y,52X,53Y,54Y ベース磁石
21XC,21YC,22XC,22YC,23XC,23YC,24XC,24YC,51XC,51YC,52XC,53YC,54YC コイル
31X,31Y,32X,32Y,33X,33Y,34X,34Y,61X,61Y,62X,63Y,64Y シフト磁石
100 デジタルカメラ
101 本体シャーシ
103 撮像素子ユニット
104,104A,104B,104C ステージ装置
211 第1ベース磁性体
221 第2ベース磁性体
231 第3ベース磁性体
241 第4ベース磁性体
300 撮像素子
311 第1シフト磁性体
321 第2シフト磁性体
331 第3シフト磁性体
341 第4シフト磁性体
511 ベース磁性体
611 シフト磁性体

Claims (10)

  1. ベースユニットと、
    前記ベースユニットに対して第1の平面内で移動可能に配置されたシフトユニットと、を備えるステージ装置であって、
    前記ベースユニットは、
    前記第1の平面に垂直な第2の平面、前記第1の平面および前記第2の平面に垂直な第3の平面、前記第2の平面と平行な第4の平面、前記第3の平面と平行な第5の平面のそれぞれの平面に磁極面を有する複数の第1の永久磁石と、
    前記複数の第1の永久磁石を保持する1または複数のベース磁性体と、を有し、
    前記シフトユニットは、
    前記複数の第1の永久磁石のそれぞれと対向する第2の永久磁石と、
    複数の前記第2の永久磁石を保持する1または複数のシフト磁性体と、を有し、
    前記第2の平面、前記第3の平面、前記第4の平面および前記第5の平面のうち少なくとも1つの平面において前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石とが対向する対向部が少なくとも2箇所に設けられ、前記対向部のそれぞれに少なくとも1つのコイルが前記ベース磁性体または前記シフト磁性体に設けられていることを特徴とするステージ装置。
  2. 前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石とは、対向するすべての対向部において同極で対向していることを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  3. 前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石とは、対向するすべての対向部において異極で対向していることを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  4. 前記コイルは、前記ベース磁性体または前記シフト磁性体が芯となるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステージ装置。
  5. 前記対向部において、前記第1の永久磁石の幅は前記第2の永久磁石の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のステージ装置。
  6. 前記コイルが設けられている前記ベース磁性体または前記シフト磁性体の比透磁率は1より大きいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のステージ装置。
  7. 前記コイルが設けられている前記ベースユニットまたは前記シフトユニットの永久磁石を減磁するように前記コイルを動作させる制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のステージ装置。
  8. 前記減磁の対象となる磁石の保磁力が、対向する磁石の保磁力より小さいことを特徴とする請求項7に記載のステージ装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のステージ装置と、
    前記ステージ装置のシフトユニットに配置された撮像素子と、を備え、
    前記ステージ装置は、前記第1の平面が前記撮像素子の撮像面と平行となるように配置されていることを特徴とする像ぶれ補正装置。
  10. 請求項9に記載の像ぶれ補正装置を備える撮像装置であって、
    前記像ぶれ補正装置を構成するステージ装置のベースユニットを固定する固定手段と、
    前記撮像素子に光学像を結像させるレンズと、
    前記撮像装置のぶれを検出するぶれ検出手段と、
    前記ぶれ検出手段により検出されたぶれをキャンセルするように前記像ぶれ補正装置を駆動する制御手段と、を備えることを特徴とする撮像装置。
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