JP2021052155A - ファンユニットを含む電気装置および電気装置を備える制御盤 - Google Patents

Abstract

【課題】電気機器を冷却する能力が優れた電気装置を提供する。【解決手段】電気装置１は、発熱する電気機器１１〜１５と、ファンユニット３１とを備える。電気機器１１〜１５のケース２２は、第１の開口部２４と第２の開口部２５とを有する。ファンユニット３１のケース３２は、第３の開口部３４と第４の開口部３５とを有する。電気機器１１〜１５のケース２２およびファンユニット３１のケース３２は、ケース２２の凹部２３と支持レールとに挟まれる空間およびケース３２の凹部３３と支持レールとに挟まれる空間が空気の流路を構成するように形成されている。【選択図】図３

Description

本発明は、ファンユニットを含む電気装置および電気装置を備える制御盤に関する。

工作機械またはロボット装置等の機械の制御盤の内部には、様々な電気機器が配置されている。例えば、制御装置からの信号を受信して、モーター等の機械を駆動する電気回路に信号を発信する出力ユニット、またはセンサ等の信号を受信して、制御装置に信号を送信する入力ユニットなどが配置される。

制御盤の電気機器には発熱する機器が含まれる。このために、制御盤の内部に空気の流れを生成する冷却ファンを配置して、制御盤の内部の電気機器を冷却することが知られている（例えば、特開平１０−２３６１８号公報）。

制御盤の筐体に電気機器を固定する場合に、制御盤の壁面にＤＩＮレールと称される支持ルールを配置することが知られている。電気機器は、支持レールに固定することができる（例えば、特開２０００−１３２２１１号公報）。複数の電気機器を配置する場合には、支持レールに複数の電気機器を並べて固定することができる（例えば、特開２００１−８５８７８号公報、および実開昭６１−８８２９１号公報）。

電気機器を支持レールに固定した場合にも電気機器を冷却する必要がある。従来の技術においては、電気機器のケースにスリット孔を設けて電気機器の内部に空気を供給したり、互いに隣り合う電気機器同士の間に空気を流したり、支持レールに放熱器を取り付けたりする方法が提案されている。（例えば、特許第３６１７４５２号公報、特開２０１５−１２０２５号公報、および特開２００６−２６１２１５号公報）。

特開平１０−２３６１８号公報 特開２０００−１３２２１１号公報 特開２００１−８５８７８号公報 実開昭６１−８８２９１号公報 特許第３６１７４５２号公報 特開２０１５−１２０２５号公報 特開２００６−２６１２１５号公報

従来の技術においては、支持レールに電気機器を固定する場合に、電気機器のケースにスリット孔を形成して、自然対流により電気機器を冷却する場合が多かった。自然対流では空気の流量が大きくならずに、電気機器の内部に配置されているプリント基板等を十分に冷却できない場合があった。電気機器を十分に冷却できない場合には、電気機器の温度が上昇する。制御盤の内部の空気の温度を下げるために、制御盤の内部の空気を冷却する装置を配置していた。または、電気機器の温度が上昇しないように、電気機器の出力電流または入力電流を低く設定するなどのディレーティングが必要であった。

特に、支持レールに複数の電気機器を互いに接触するように配置した場合には、電気機器は温度が上昇しやすくなる。ところが、電気機器同士が接触している面に、温度が上昇した空気を放出するためのスリット孔を形成したとしても温度を下げる効果があまりないという問題がある。

例えば、複数の電気機器を鉛直方向に並べて支持レールに固定した場合には、電気機器のケースに形成されるスリット孔は電気機器の側面に形成される。電気機器の上側および下側には、他の電気機器が配置されているために、ケースの上面または下面にスリット孔を形成したとしても、自然対流による冷却方法では、電気機器の内部に空気が十分に流れない。この結果、電気機器の温度が上昇するという問題がある。

本開示の第１の態様は、支持レールに固定される電気装置である。電気装置は、駆動することにより発熱する電気機器と、空気の流れを生じさせるファンを含むファンユニットとを備える。電気機器は、支持レールが配置される凹部を有するケースを含む。ファンユニットは、支持レールが配置される凹部を有するケースを含む。電気機器のケースは、凹部の底面に形成されている第１の開口部と、電気機器の外側の空間に接触する表面に形成されている第２の開口部とを有する。ファンユニットのケースは、凹部の底面に形成されている第３の開口部と、ファンユニットの外側の空間に接触する表面に形成されている第４の開口部とを有する。電気機器のケースおよびファンユニットのケースは、電気機器およびファンユニットを支持レールに固定した時に、電気機器のケースの凹部と支持レールとに挟まれる空間およびファンユニットのケースの凹部と支持レールとに挟まれる空間が空気の流路を構成するように形成されている。空気の流路が延びる方向の両側の端部は、電気機器のケース、ファンユニットのケース、または空気の流路を閉止する閉止部材のうち少なくとも一つの部材により閉止される。

本開示の第２の態様は、前述の電気装置と、電気装置が内部に配置される筐体と、筐体に固定された支持レールとを備える制御盤である。

本開示の一態様によれば、電気機器を冷却する能力が優れた電気装置および電気装置を備える制御盤を提供することができる。

実施の形態における制御盤の内部に配置される制御装置と電気装置との概略図である。 実施の形態における第１の電気装置の斜視図である。 第１の電気装置の分解斜視図である。 実施の形態における第１のファンユニットの内部に配置されているファンの斜視図である。 電気機器同士を固定する構造を説明する電気装置の概略平面図である。 実施の形態における第１の電気機器と支持レールの拡大断面図である。 実施の形態における第２の電気機器の底面図である。 実施の形態における第３の電気機器の底面図である。 実施の形態における第４の電気機器の斜視図である。 第４の電気機器の概略断面図である。 第４の電気機器のスライド部材が配置される部分の拡大断面図である。 実施の形態における第２のファンユニットの斜視図である。 実施の形態における第２の電気装置の分解斜視図である。 実施の形態における第３の電気装置の斜視図である。

図１から図１４を参照して、実施の形態における電気装置および電気装置を備える制御盤について説明する。本実施の形態における制御盤は、ロボットおよび工作機械などの機械を制御するための制御盤である。

図１に、本実施の形態における制御盤に配置される装置の概略図を示す。本実施の形態の制御盤３は、制御装置２を備える。制御装置２は、プロセッサとしてのＣＰＵ（Central Processing Unit）を含む演算処理装置（コンピューター）、ＣＰＵを含む数値制御装置、およびＰＬＣ（Programmable Logic Controller）等にて構成されている。

制御盤３は、制御装置２からの信号を受信したり、制御装置２に信号を送信したりする電気装置１を備える。電気装置１は、矢印９１に示すように、制御装置２と互いに通信できるように形成されている。また、複数の電気装置１を制御装置２に接続することができる。電気装置１は、例えば、制御する装置ごとに配置することができる。制御盤３が複数の電気装置１を備える場合には、それぞれの電気装置１は、制御装置２と通信可能に形成されている。図１に示す例では、矢印９２に示すように、電気装置１同士が互いに通信可能に形成されている。

図２に、本実施の形態における第１の電気装置の拡大斜視図を示す。本実施の形態における電気装置１は、支持レール５１を介して制御盤３の筐体６９に固定されている。電気装置１は、支持レール５１に固定されている。本実施の形態の支持レール５１は、ＤＩＮ（Deutsche Industrie Normen）レールと称される。支持レール５１は、断面形状がＵ字形の基部５１ａを含む。基部５１ａは両側の端部が曲がる形状を有する。支持レール５１は、基部５１ａの端部から側方に延びる張出し部５１ｂを含む。基部５１ａは、ボルトなどの締結部材により、制御盤３の筐体６９に固定されている。第１の電気装置１を支持する支持レール５１は、矢印９３に示す鉛直方向に沿って延びるように固定されている。

本実施の形態の第１の電気装置１は、検出器からの信号を受信したり駆動機の電気回路に信号を送信したりする入出力装置である。第１の電気装置１は、複数の電気機器１１〜１５を含む。第１の電気装置１では、複数の電気機器１１〜１５が積層された積層体が支持レール５１に固定されている。

電気機器１１は、制御装置２からの信号を受信して電気機器１２〜１５に信号を送信したり、電気機器１２〜１５から信号を受信して制御装置２に信号を送信したりする通信ユニットである。電気機器１２は、電気機器１１，１３〜１５およびファンユニット３１に電気を供給する電源ユニットである。

電気機器１３〜１５は、センサ等からの外部の機器からの信号を受信して、通信ユニットとしての電気機器１１に信号を送信する入力ユニットを含む。入力ユニットとしては、デジタル入力ユニットまたはアナログ入力ユニットを例示することができる。または、電気機器１３〜１５は、制御装置２からの指令を受信して、モーターなどの装置を駆動する電気回路等に信号を送出する出力ユニットを含む。出力ユニットとしては、デジタル出力ユニットまたはアナログ出力ユニットを例示することができる。または、電気機器１３〜１５は、信号の入力および信号の出力の両方を行う機能を有する入出力ユニットであっても構わない。

それぞれの電気機器１３〜１５は、入力ユニット、出力ユニット、または入出力ユニットのいずれかの電気ユニットである。それぞれの電気機器１３〜１５には、バラ線などの信号ケーブルが接続される端子が配置されている。

複数の電気機器１１〜１５は、互いに接触するように配置されている。本実施の形態における電気機器１１〜１５は、箱型に形成されている電気ユニットである。電気機器１１〜１５は、互いに接触することにより、電気の供給または通信が可能なように形成されている。このような電気機器１１〜１５は、スライスＩＯまたはＩＯカード等と称される。

電気機器は、上記の形態に限られず、駆動することにより発熱する機器を採用することができる。例えば、モーターに電気を供給するアンプを採用することができる。複数のアンプを積層して支持レールに固定することができる。

図３に、本実施の形態における第１の電気装置の分解斜視図を示す。図４に、ファンユニットの内部に配置されているファンの斜視図を示す。図２から図４を参照して、第１の電気装置１は、電気機器１１〜１５を冷却するための空気の流れを生成する第１のファンユニット３１を含む。ファンユニット３１の内部には、ファン３７が配置されている。ファン３７が回転することにより、空気の流れを形成することができる。本実施の形態のファンユニット３１は、箱型に形成されている。ファンユニット３１は、電気機器１１に接触した状態で支持レール５１に固定されている。

図５に、本実施の形態における第１の電気装置の概略平面図を示す。図２、図３、および図５を参照して、それぞれの電気機器１１〜１５は、ケース２２を有する。ケース２２の表面のうち、他の電気機器と接触する一つの面には、凸部５３が形成されている。また、凸部５３が形成されている表面と反対側の表面には、凹部５４が形成されている。電気機器の凸部５３は、互いに隣り合う電気機器の凹部５４に嵌合する。また、ファンユニット３１は、ケース３２を有する。ケース３２には、凸部５３が形成されている。凸部５３は、電気機器１１のケース２２に形成された凹部５４に嵌合するように形成されている。また、後述する閉止部材６１には、凹部５４が形成されている。凹部５４は、電気機器１５の凸部５３と嵌合するように形成されている。

このように、複数の電気機器１１〜１５、ファンユニット３１、および閉止部材６１は、凸部と凹部とが嵌合することにより、互いに接触して固定されている。なお、電気機器１１〜１５、ファンユニット３１、および閉止部材６１を互いに固定する固定機構は、この構造に限られず、任意の機構を採用することができる。固定機構により、電気機器１１〜１５およびファンユニット３１の積層体が構成されている。

電気機器１１〜１５は、隣接する電気機器に接触する面に形成された電極７２を有する。互いに隣り合う電気機器１１〜１５の電極７２同士が接触する。また、ファンユニット３１は、電気機器１１に接触する面に形成された電極７２を有する。電気機器１１の電極７２とファンユニット３１の電極７２とが接触する。複数の電極７２は、例えば、０Ｖの電極、電気を供給するために電圧が印加される電極、および通信を行うための電極を有する。電源ユニットとしての電気機器１２は、電極７２を介して、それぞれの電気機器１１，１３〜１５およびファンユニット３１に電気を供給する。

通信ユニットとしての電気機器１１は、電極７２を介して、電気機器１３〜１５およびファンユニット３１に信号を送信したり受信したりする。例えば、制御装置２からの信号は、通信ユニットとしての電気機器１１が受信する。そして、信号を伝送する経路を構成する電極７２を介して、出力ユニットとして機能する電気機器に信号が送信される。例えば、電気機器１４が出力ユニットの場合には、電気機器１２に形成された電極７２および電気機器１３に形成された電極７２を介して制御装置２からの指令が電気機器１４に送信される。

それぞれの電気機器１１〜１５の内部には、集積回路および抵抗などが配置された電気回路基板が配置されている。このような電気回路基板は駆動することにより発熱する。すなわち、それぞれの電気機器１１〜１５は、駆動することにより発熱する。本実施の形態の電気装置１は、電気機器１１〜１５を冷却する構造を有する。

図６に、本実施の形態における１つの電気機器を切断した概略断面図を示す。図６では、電気機器１１が示されている。図２、図３、および図６を参照して、電気機器１１の内部には、電気回路基板７１が配置されている。電気機器１１のケース２２は、支持レール５１が配置される凹部２３を有する。支持レール５１は、凹部２３の内側に配置される。支持レール５１の張出し部５１ｂは、凹部２３の底面２３ａに接触する。

ケース２２は、支持レール５１の張出し部５１ｂを固定するための係止爪３８ａ，３８ｂを有する。係止爪３８ａは、断面形状が三角形になるように形成されている。係止爪３８ａは、矢印９４に示すように、ケース２２の内部に向かって移動するように形成されている。係止爪３８ａは、ケース２２の外側に向かって付勢されている。係止爪３８ｂは、ケース２２の本体に固定されている。

電気機器１１を支持レール５１に固定する場合には、凹部２３の内部に支持レール５１が配置されるように、支持レール５１に向かって電気機器１１を移動する。そして、係止爪３８ｂと凹部２３の底面２３ａとの間に張出し部５１ｂを挿入する。次に、矢印９５に示すように、ケース２２を支持レール５１に向かって押し付ける。係止爪３８ａは、矢印９４に示す向きに移動する。張出し部５１ｂは、係止爪３８ａと凹部２３の底面２３ａとの間に配置される。

このように、支持レール５１に対して電気機器１１を固定することができる。その他の電気機器１２〜１５およびファンユニット３１においても、同様の構造により、支持レール５１に固定することができる。なお、支持レール５１に固定する構造としては、この形態に限られず、任意の構造を採用することができる。

電気機器１１〜１５のケース２２は、凹部２３の底面２３ａに形成されている第１の開口部２４を有する。第１の開口部２４は、支持レール５１に対向する面に形成されている。また、電気機器１１〜１５のケース２２は、電気機器１１〜１５の外側の空間に接触する表面に形成されている第２の開口部２５を有する。第２の開口部２５は、制御盤３の筐体６９に対向する表面、および他の電気機器と接触する表面とは異なる表面に形成されている。すなわち、ケース２２の内部の空間が制御盤３の筐体６９の内部の空間に連通するように第２の開口部２５が形成されている。本実施の形態においては、鉛直方向に延びる側面に、第２の開口部２５が形成されている。

ファンユニット３１のケース３２は、凹部３３の底面３３ａに形成されている第３の開口部３４を有する。開口部３４は、支持レール５１と対向する表面に形成されている。また、ファンユニット３１のケース３２は、ファンユニット３１の外側の空間に接触する表面に形成されている第４の開口部３５を有する。第４の開口部３５は、ケース３２の表面のうち、電気機器１１に接触する表面、および制御盤の筐体６９に対向する表面以外の表面に形成されている。すなわち、ケース３２の内部の空間が制御盤３の筐体６９の内部の空間に連通するように第４の開口部３５が形成されている。本実施の形態のファン３７は、開口部３５に対向して配置されている。ファン３７は、開口部３５から空気を噴出することができるように配置されている。

本実施の形態におけるそれぞれの電気機器１１〜１５のケース２２の凹部２３は、互いに大きさが同じになるように形成されている。ファンユニット３１のケース３２の凹部３３は、電気機器１１〜１５のケース２２の凹部２３と、大きさが同じになるように形成されている。電気機器１１〜１５を支持レールに固定した時に、ケース２２の凹部２３と支持レール５１とに挟まれる空間により、空気の流路７５が構成されている。また、ファンユニット３１を支持レール５１に固定した時に、ケース３２の凹部３３と、支持レール５１とに挟まれる空間により、空気の流路７５が構成されている。本実施の形態では、支持レール５１に沿って、直線状の空気の流路７５が形成されている。

電気機器１１〜１５のケース２２の内部の空間は、開口部２４を介して空気の流路７５に連通する。また、ファンユニット３１のケース３２の内部の空間は、開口部３４を介して空気の流路７５に連通する。

なお、電気機器１１〜１５の凹部２３およびファンユニット３１の凹部３３は、互いに大きさが異なっていても構わない。凹部２３，３３は、支持レール５１と凹部２３，３３とにより囲まれる空間が連通するように形成されていれば構わない。

本実施の形態の電気装置１において、空気の流路７５の延びる方向の両側の端部は、閉止されるように形成されている。電気装置１は、電気機器１１〜１５の積層体の端部に配置される閉止部材６１を有する。本実施の形態の閉止部材６１は、板状に形成されている。閉止部材６１は、空気の流路７５の端部を閉止する閉止部６１ａを有する。閉止部材６１は、電気機器１５に固定されている。また、ファンユニット３１のケース３２は、空気の流路７５の端部を閉止する閉止部３６を有する。閉止部３６は、凹部３３の一方の端部を閉止するように形成されている。閉止部６１ａ，３６により、電気装置１の外側の空間から流路７５に空気が吸入したり、流路７５から電気装置１の外側の空間に空気が流出したりすることを抑制することができる。

空気の流路の端部を閉止する部材としては、上記の形態に限られない。空気の流路の両側の端部は、電気機器のケース、ファンユニットのケース、または空気の流路を閉止する閉止部材のうち少なくとも一つの部材により閉止されることができる。例えば、電気機器１１〜１５の積層体の端部に配置される電気機器１５のケース２２に、閉止部を形成しても構わない。または、ファンユニット３１の端面に、閉止部を有する閉止部材を固定しても構わない。

ファンユニット３１のファン３７が駆動すると、矢印８１に示すように、それぞれの電気機器１１〜１５の開口部２５から、ケース２２の内部に空気が流入する。ケース２２の内部の空気は、矢印８２に示すように、ケース２２の開口部２４から空気の流路７５に流入する。空気は、空気の流路７５を通って、開口部３４からファンユニット３１のケース３２の内部に流出する。ファンユニット３１のケース３２の内部の空気は、矢印８３に示すように、開口部３５から放出される。

このように、本実施の形態の電気装置１では、ファン３７が駆動することにより、電気機器１１〜１５の内部に空気の流れを生じさせることができる。電気機器１１〜１５の内部に配置された電気回路基板７１等の部品を効果的に冷却することができる。すなわち、電気装置１は、電気機器１１〜１５を冷却する能力に優れる。また、電気装置１では、支持レール５１と、電気機器１１〜１５のケース２２との間の空間を空気の流路７５として用いるために、電気装置が大きくなることを抑制できる。

さらに、第１の電気装置１では、鉛直方向に電気機器１１〜１５が積層されている。このために、電気機器１１〜１５の内部に空気を導入するための開口部２５は、鉛直方向に延びる側面に形成されている。電気機器の上側の表面および下側の表面に開口部が形成されている場合には、温度が上昇した空気は上側の開口部から放出されるために自然に空気の流れが生じる。一方で、第１の電気装置１のように、ケース２２の鉛直方向に延びる側面に開口部２５が形成されている場合には、一方の開口部から他方の開口部に向かって水平方向に空気が流れることは難しい。本実施の形態の第１の電気装置１においては、ファン３７が駆動することにより、電気機器１１〜１５の内部に空気の流れを生じることができる。電気機器１１〜１５を鉛直方向に積層した場合に、効果的に電気機器１１〜１５を冷却することができる。このために、それぞれの電気機器において入力される電流または出力される電流の最大値を制限するようなディレーティングを抑制することができる。または、制御盤３の内部の空気の温度の制限値を高く設定することができる。

なお、上記の実施の形態においては、ファン３７は、ファンユニット３１のケース３２の内部から外側に空気を噴出するように形成されているが、この形態に限られない。ファン３７は、逆の方向に空気の流れを生じるように形成されていても構わない。すなわち、ファン３７は、外側の空気がファンユニット３１の内部に噴出されるように形成されていても構わない。この場合に、空気の流路７５を通った空気は、それぞれの電気機器１１〜１５の開口部２５から空気が放出される。

また、上記の実施の形態においては、ファンユニット３１は、電気機器１１〜１５の積層体の上側に配置されているが、この形態に限られない。ファンユニットは、電気機器の積層体の下側に配置されても構わない。この場合には、閉止部材は、積層体の上側に配置されることができる。

次に、それぞれの電気機器１１〜１５において、第１の開口部としての開口部２４の開口面積の大きさを変更する流量調整部材について説明する。流量調整部材を配置することにより、電気機器１１〜１５の内部に流れる空気の流量を調整することができる。

図７に、本実施の形態における第１の調整部材を説明する電気機器のケースの底面図を示す。ここでは、電気機器１１を例に取り上げて説明する。第１の流量調整部材は、開口部２４の少なくとも一部を覆うように形成され、電気機器１１のケース２２に接続された蓋部材２７にて構成されている。図７に示す蓋部材２７は、開口部２４のほぼ全体を覆うように形成されている。なお、蓋部材２７は、開口部２４の一部を覆うように形成されていても構わない。例えば、開口部２４の半分を塞ぐように、蓋部材２７が形成されていても構わない。

蓋部材２７は、接続部２６ｂを介してケース２２に固定されている。作業者は、蓋部材２７をつまんで外側に傾けることにより、接続部２６ｂを切断することができる。作業者は、蓋部材２７をケース２２から取り外すことができる。このような蓋部材２７は、ケース２２を切断線２６ａにて切断することにより形成することができる。

図３を参照して、本実施の形態においては、それぞれの電気機器１１〜１５において、同一の形状の開口部２４が形成されている。それぞれの電気機器１１〜１５において、空気の流量に差が生じる場合がある。例えば、ファンユニット３１の近くに配置されている電気機器１１においては、空気の流量が大きくなる場合がある。一方で、ファンユニット３１から遠くに配置されている電気機器１５では、空気の流量が小さくなる場合がある。このような場合に、空気の流量が小さな電気機器の蓋部材２７を取り外すことにより、開口面積を大きくして空気の流量を大きくするこができる。

図８に、本実施の形態における第２の流量調整部材を説明する電気機器のケースの底面図を示す。第２の流量調整部材は、複数の蓋部材２７にて構成されている。それぞれの蓋部材２７は、接続部２６ｂを介してケース２２に固定されている。図８に示す例では、開口部２４に、３個の蓋部材２７が配置されている。それぞれの蓋部材２７は、ケース２２から取り外すことができるように形成されている。第２の流量調整部材においては、蓋部材２７を取り除く個数により、開口部２４の大きさを調整することができる。開口部２４の開口面積を大きくする時には、多くの蓋部材２７をケース２２から取り除くことができる。第２の流量調整部材を採用することにより、電気機器の内部を流れる流量を細かく調整することができる。

開口部２４の開口面積の大きさを定める方法としては、例えば、それぞれの電気機器１１〜１５の内部に、温度センサなどの温度を検出するセンサを配置することができる。次に、実際に電気装置１を駆動する。電気機器１１〜１５の内部の空気の温度が予め定められた判定値を超えた場合には、蓋部材２７を切り取る作業を実施することができる。第２の流量調整部材においては、電気機器の内部の空気の温度が判定値未満になるまで、１枚ずつ蓋部材２７を切り取った後に温度を測定することができる。または、過去の実績情報に基づいて開口面積の大きさを算出しても構わない。

図９に、本実施の形態における第３の流量調整部材を説明する電気機器の斜視図を示す。第３の流量調整部材は、凹部２３の底面２３ａに沿って移動するように形成されたスライド部材６２を含む。図１０に、スライド部材が配置されている部分を切断した時の電気機器の断面図を示す。図１０は、スライド部材６２が延びる方向に垂直な方向に沿って切断したときの断面図である。図１１に、スライド部材が配置されている部分を切断した時の拡大断面図を示す。図１１は、スライド部材６２が延びる方向に沿って切断したときの断面図である。

図９から図１１を参照して、スライド部材６２は、平板状に形成されている。スライド部材６２は、ケース２２を貫通するように形成されている。ケース２２は、スライド部材６２を支持する支持部４１を有する。支持部４１は、スライド部材６２を挟むように形成されている。スライド部材６２は、支持部４１に固定された板ばね４２により押圧されている。板ばね４２が配置されていることにより、スライド部材６２を所望の位置にて停止させることができる。

スライド部材６２は、矢印９５に示す方向に移動可能に形成されている。スライド部材６２を移動することにより、開口部２４の開口面積を調整することができる。この結果、開口部２４の開口面積を任意の大きさに調整することができる。それぞれの電気機器１１〜１５の内部を流れる空気の流量を調整することができる。例えば、図３に示す電気装置１においては、ファンユニット３１に近いほど開口部２４を覆う面積が大きくなるように、スライド部材６２の位置を調整しても構わない。スライド部材６２の位置は、第１の流量調整部材および第２の流量調整部材と同様に、実際に電気装置１を駆動して定めることができる。

図３を参照して、第１のファンユニット３１において、第４の開口部３５は、電気機器１１が配置される表面と反対側の表面に形成されているが、この形態に限られない。第４の開口部３５は、電気装置の外部の空間に空気を放出できる任意の位置に配置することができる。

図１２に、本実施の形態における第２のファンユニットの斜視図を示す。第２のファンユニット４３においては、第４の開口部３５は、鉛直方向に延びる側面に形成されている。この場合には、ファン３７は、開口部３５が形成される部分の近くに配置することができる。ファン３７は、開口部３５から空気を流出するように配置することができる。

図３を参照して、第１の電気装置１においては、電気機器１１〜１５の積層体の端面に、第１のファンユニット３１が固定されているが、この形態に限られない。ファンユニットは、電気機器１１〜１５の積層体の任意の位置に配置することができる。

図１３に、本実施の形態における第２の電気装置の分解斜視図を示す。第２の電気装置４は、第１の電気装置１と同様の構造により、支持レールに固定される。第２の電気装置４において、第２のファンユニット４３は、電気機器１１〜１５の積層体の中央部に配置されている。すなわち、電気機器１１〜１５同士の間に、ファンユニット４３が配置されている。図１３に示すファンユニット４３のケース３２には、空気の流れを阻害する閉止部は形成されていない。また、ケース３２の上面および下面に電極７２が形成されている。第４の開口部３５は、鉛直方向に延びる側面に形成されている。

第２の電気装置４では、ファンユニット４３の上側に配置される電気機器１１〜１５の積層体の端面に、閉止部材６１が配置されている。さらに、ファンユニット４３の下側に配置される電気機器１３〜１５の積層体の端面に閉止部材６１が配置されている。

ファンユニット４３が駆動することにより、矢印８１に示すように、それぞれの電気機器１１〜１５の開口部２５から空気が流入する。そして、空気は、矢印８２に示すように、開口部２４および空気の流路を通って、ファンユニット４３のケース３２の開口部３４に流入する。空気は、ファンユニット４３の内部を通って、矢印８３に示すように開口部３５から放出される。このように、電気機器１１〜１５同士の間に、ファンユニット４３を配置しても構わない。ファンユニット４３は、電気機器１１〜１５の積層体の任意の位置に配置することができる。この場合に、ファンユニット４３は、発熱量が大きな電気機器の近くに配置することが好ましい。

図１４に、本実施の形態における第３の電気装置の斜視図を示す。第３の電気装置５は、１個の電気機器１６とファンユニット３１とを含む。電気機器１６としては、ＰＬＣまたはモーター用の入出力ユニットを例示することができる。電気機器１６の水平方向の一方の端面には、ファンユニット３１が配置されている。電気機器１６の水平方向の他方の端面には、閉止部材６１が配置されている。

電気機器１６は、支持レール５１が配置される凹部を有するケース２８を含む。ケース２８に形成される第２の開口部２５は、支持レール５１と対向する面を避けた面に形成することができる。図１４に示す例においては、ケース２８の上面および下面に開口部２５が形成されている。その他の電気機器１６のケース２８の構造は、電気機器１１〜１５のケース２２の構造と同様である。

ファンユニット３１が駆動することにより、矢印８１に示すように、電気機器１６の内部に空気が流入する。そして、空気は、ケース２８の凹部と支持レール５１とに挟まれる空気の流路を通ってファンユニット３１に流入する。空気は、矢印８３に示すようにファンユニット３１に形成された開口部から流出する。

第３の電気装置５においては、複数の電気機器が積層されておらずに、１つの電気機器およびファンユニット３１が支持レール５１に固定されている。このような電気装置にも本実施の形態の構造を適用することができる。特に、電気機器の発熱量が大きい場合には、本実施の形態の構造は好適である。また、第３の電気装置５を備える制御盤においては、支持レール５１は、水平方向に延びるように配置されている。このように、支持レールは、水平方向に延びるように配置されていても構わない。

上記の実施の形態は、適宜組み合わせることができる。上述のそれぞれの図において、同一または相等する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、特許請求の範囲に示される実施の形態の変更が含まれている。

１，４，５ 電気装置
２ 制御装置
３ 制御盤
１１，１２，１３，１４，１５，１６ 電気機器
２２ ケース
２３ 凹部
２３ａ 底面
２４，２５ 開口部
２７ 蓋部材
２８ ケース
３１，４３ ファンユニット
３２ ケース
３３ 凹部
３３ａ 底面
３４，３５ 開口部
３６ 閉止部
５１ 支持レール
６１ 閉止部材
６１ａ 閉止部
６２ スライド部材
７５ 流路

Claims (10)

1. 支持レールに固定される電気装置であって、
   駆動することにより発熱する電気機器と、
   空気の流れを生じさせるファンを含むファンユニットと、を備え、
   電気機器は、前記支持レールが配置される凹部を有するケースを含み、
   ファンユニットは、前記支持レールが配置される凹部を有するケースを含み、
   電気機器のケースは、凹部の底面に形成されている第１の開口部と、電気機器の外側の空間に接触する表面に形成されている第２の開口部とを有し、
   ファンユニットのケースは、凹部の底面に形成されている第３の開口部と、ファンユニットの外側の空間に接触する表面に形成されている第４の開口部とを有し、
   電気機器のケースおよびファンユニットのケースは、電気機器およびファンユニットを前記支持レールに固定した時に、電気機器のケースの凹部と前記支持レールとに挟まれる空間およびファンユニットのケースの凹部と前記支持レールとに挟まれる空間が空気の流路を構成するように形成されており、
   前記空気の流路が延びる方向の両側の端部は、電気機器のケース、ファンユニットのケース、または前記空気の流路を閉止する閉止部材のうち少なくとも一つの部材により閉止される、電気装置。
2. 前記空気の流路を閉止する閉止部材を備え、
   前記閉止部材は、電気機器の端面またはファンユニットの端面に固定されている、請求項１に記載の電気装置。
3. 電気機器は、前記第１の開口部の開口面積を変更して空気の流量を調整する流量調整部材を含む、請求項１または２に記載の電気装置。
4. 前記流量調整部材は、電気機器のケースの凹部の底面に沿って移動するように形成されたスライド部材を含む、請求項３に記載の電気装置。
5. 前記流量調整部材は、前記第１の開口部の少なくとも一部を覆うように形成され、電気機器のケースに固定された蓋部材を含み、
   前記蓋部材は、電気機器のケースから取り外すことができるように形成されている、請求項３に記載の電気装置。
6. 前記第１の開口部に複数の前記蓋部材が配置されており、
   それぞれの前記蓋部材は、電気機器のケースから取り外すことができるように形成されている、請求項５に記載の電気装置。
7. 複数の電気機器を備え、
   ファンユニットおよび複数の電気機器は積層されている、請求項１に記載の電気装置。
8. ファンユニットは、電気機器同士の間に配置されている、請求項７に記載の電気装置。
9. 請求項１の記載の電気装置と、
   前記電気装置が内部に配置される筐体と、
   前記筐体に固定された前記支持レールとを備える、制御盤。
10. 前記支持レールは、鉛直方向に延びるように前記筐体に固定されている、請求項９に記載の制御盤。

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