JP3988282B2 - プログラマブルコントローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線基板を内蔵した外装ケースにDINレール取付用溝部が形成されたプログラマブルコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、小型のプログラマブルコントローラでは、外装ケース内に内蔵されたプリント配線基板に電子部品を高密度で実装していると共にプリント配線基板は狭スペースに配設されており、外装ケース内の温度が上昇し易いという事情から、外装ケースにスリット穴を形成することにより通風路を確保して電子部品の発熱により暖められた空気を逃がすようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、スリット穴からプログラマブルコントローラの内部が見えるので、外観の見栄えが悪くなる。また、プログラマブルコントローラをスリット穴が上面に位置するように設置した場合には、異物(切粉等の金属粉)がスリット穴を通じてプログラマブルコントローラ内部に進入して機器の誤作動を引起こす虞がある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、通風孔を利用して外装ケース内の温度上昇を抑制する構成において、外観の見栄えが悪化することがないと共に、通風孔からの異物の進入を防止することができるプログラマブルコントローラを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、外装ケースがDINレール取付用溝部によりDINレールに取付けられた状態、或いは外装ケースが盤に直接取付けられた状態の何れの場合であっても、DINレール取付用溝部が通風ダクトして機能するので、DINレール取付用溝部に形成された通風孔はDINレール取付用溝部を通じて外部と連通している。これにより、プリント配線基板の発熱により外装ケース内の空気の温度が上昇したときは、暖められた空気が通風孔から外装ケースの外部に排出されてDINレール取付用溝部を通じて放散されるので、排出された空気量に相当する空気がDINレール取付用溝部を通じて通風孔から外装ケース内に進入するようになる。従って、外装ケース内を通過する通風経路を形成することができるので、外装ケース内の温度上昇を抑制することができる。
【0006】
請求項2の発明によれば、通風孔は外装ケース内のプリント配線基板を通過する通風経路を形成するように設けられているので、プリント配線基板の温度上昇を効率よく抑制することができる。
【0007】
請求項3の発明によれば、第1のケースと第2のケースとを一体化して外装ケースを組立てると、第1のケースと第2のケースとにより補助通風孔が形成されるので、DINレール取付用溝部に形成された通風孔を通じた通風経路に加えて、補助通風路を通じた通風経路によっても外装ケースの内部の暖められた空気を排出でき、放熱効率を高めることができる。
【0008】
この場合、補助通風孔は内部を隠蔽した形状に形成されているので、外観が悪化することがないと共に、補助通風孔に異物が落下した場合であっても、異物が外装ケース内に進入してしまうことはない。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図10を参照して説明する。
図1はプログラマブルコントローラ(以下、PC)の底面斜視図、図2はPCの後面側の斜視図、図3はPCの正面側の斜視図、図4はPCの底面図、図5はPCの断面図である。これらの図1乃至図5において、PC1の外装ケース2は上ケース3と下ケース4とを組合せて形成されてなり、その外装ケース2内の下部にはプリント配線基板5(図5のみに図示)が配設されている。このプリント配線基板5には端子台6が搭載されており、その端子台6が外装ケース2から外部を臨んでいる。
【0010】
図5において、外装ケース2内の上部には表示用プリント配線基板7が配設されており、その表示用プリント配線基板7にチップLED8が実装されている。この場合、上ケース3には導光部9が設けられており、その導光部9によりチップLED8からの光が上ケース3の上面から放出されるようになっている。
外装ケース2の上面にはカバー10が回動可能に枢支されており、そのカバー10を回動することにより端子台6の上方が開放されるようになっている。
【0011】
一方、外装ケース2の底面にはDINレール取付用溝部11が形成されている。つまり、外装ケース2の底面には一対の脚部12が突出形成されており、それらの脚部12間にDINレール取付用溝部11が形成されている。この場合、一方の脚部12にはDINレールの一端を係止するための固定爪部13が形成されていると共に、他方の脚部12にはDINレールの他端を係止するための可動爪部14がスライド可能に設けられており、それらの固定爪部13及び可動爪部14の協調動作によりPC1を図6に示すようにDINレール15に係止することができる。
【0012】
ここで、図1に示すようにDINレール取付用溝部11の所定部位には通風孔16が形成されている。つまり、図1に示すように脚部12の内側壁からDINレール取付用溝部11の底面に至る部位には通風孔16が形成されており、その通風孔16によりDINレール取付用溝部11において外装ケース2の外部と内部とが連通している。この場合、通風孔16が形成されている部位は、外装ケース2内に配置されたプリント配線基板5の角部に対応している。
【0013】
また、外装ケース2には取付孔17が形成されており、その取付孔17を通じてネジ止めすることによりPC1を図7に示すように盤に直接装着できるようになっている。
【0014】
さて、PC1は小型タイプでプリント配線基板5には電子部品が高密度に実装されていると共にプリント配線基板5は狭スペースに配設されているという事情から、プリント配線基板5の発熱により外装ケース2内の空気が高温となりやすい。このため、暖められた空気を外装ケース2から外部に放散して外装ケース2内の温度が過度に上昇してしまうことを防止する必要がある。
【0015】
ここで、図6に示すようにPC1を水平方向にDINレール15に装着した場合は、DINレール取付用溝部11が通風ダクトとして機能するのに加えて、外装ケース2の脚部12と盤との間に間隙が形成されているので、図8に示すように外装ケース2内で暖められた空気は対流により上方に位置する通風孔16から排出されて脚部12と盤との間の間隙を通じて主に放散されると同時に、排出された空気量に相当する空気が脚部12と盤との間の間隙から主に進入して下方に位置する通風孔16から外装ケース2内に流入するようになる。これにより、外装ケース2に内蔵されたプリント配線基板5を通過する通風経路が形成されるので、プリント配線基板5の過度の温度上昇を抑制することができる。
【0016】
一方、図7に示すようにPC1を水平方向に盤に密着させて固定したときは、脚部12が盤に密着するものの、DINレール取付用溝部11が通風ダクトとして機能するので、図9に示すように外装ケース2内で暖められた空気は対流により上方に位置する通風孔16から排出されてDINレール取付用溝部11を通じて放散されると同時に、排出された空気量に相当する空気がDINレール取付用溝部11を通じて下方に位置する通風孔16から外装ケース2内に流入するようになる。これにより、外装ケース2に内蔵されたプリント配線基板5を通過する通風経路が形成されるので、外装ケース2内の過度の温度上昇を抑制することができる。
【0017】
同様に、PC1を垂直方向に取付けた場合は、図10に示すようにDINレール取付用溝部11が通風ダクトとして機能するので、DINレール取付用溝部11の上方に位置する通風孔16を通じて外装ケース2内の暖かい空気が排出されると同時に、下方に位置する通風孔16を通じて外装ケース2内に空気が流入するようになる。従って、外装ケース2に内蔵されたプリント配線基板5を通過する通風経路が形成されるので、外装ケース2内の過度の温度上昇を抑制することができる。
【0018】
本実施の形態によれば、外装ケース2に形成されたDIN取付用溝部11に通風路16を形成することにより外装ケース2内を通過する通風経路を形成するようにしたので、PC1をDINレール15に装着した状態、或いはPC1を盤に密着して装着した状態の何れの場合であっても、DINレール取付用溝部11は通風ダクトして機能させることができる。従って、DINレール取付用溝部11を通じてPC1内に通風経路を確実に形成することができるので、外装ケース2内の過度の温度上昇を抑制することができる。この場合、通風孔16はDINレール取付用溝部11に形成されているので、外部から隠蔽された形態となり、PC1の外観が悪化することはない。
【0019】
また、外装ケー2内に配設されたプリント配線基板5を通過する通風経路を形成するように通風孔16の位置を設定したので、プリント配線基板5からの発熱により暖められた空気を効果的に外部に放散することができ、プリント配線基板5の過度の温度上昇を防止することができる。
【0020】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図11乃至図13を参照して説明するに第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。この第2の実施の形態は、外装ケース2の側面に内部を隠蔽した形状の補助通風孔を形成したことを特徴とする。
【0021】
即ち、図11及び図12に示すように外装ケース2の正面側には補助通風孔18が形成されている。この補助通風孔18は、図12に示すように上ケース3と下ケース4とが組合わされることにより形成されており、上ケース3に形成された凹部19の前面に下ケース4の端部が位置することにより補助通風孔18は内部を隠蔽した形状に形成されている。
【0022】
このような構成によれば、図13に示すようにDINレール取付用溝部11に形成された通風孔16に加えて補助通風孔18を通じても通風経路が形成されるので、第1の実施の形態のものに比較してPC1の放熱効率を高めることができる。
【0023】
この場合、補助通風孔18は内部を隠蔽した形状に形成されているので、PC1の見栄えが悪化することもないと共に、補助通風孔18が形成された面が上面となるようにPC1が配置された場合であっても、補助通風孔18に落下した異物が外装ケース2内に侵入してPC1が誤作動してしまうことを防止することができる。
【0024】
本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、DINレール取付用溝部11にスリット状の通風孔を多数形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すプログラマブルコントローラの底面側の斜視図
【図2】プログラマブルコントローラの後面側の斜視図
【図3】プログラマブルコントローラの正面側の斜視図
【図4】プログラマブルコントローラの底面図
【図5】プログラマブルコントローラの断面図
【図6】DINレールへの取付状態で示すプログラマブルコントローラの断面図
【図7】盤への直接取付状態で示すプログラマブルコントローラの断面図
【図8】DINレールへの取付状態で示すプログラマブルコントローラの通風経路を示す模式図
【図9】盤への取付状態で示すプログラマブルコントローラの通風経路を示す図
【図10】プログラマブルコントローラを縦方向に取付けた状態で示す通風経路を示す図
【図11】本発明の第2の実施の形態を示す図2相当図
【図12】図5相当図
【図13】通風経路を示すプログラマブルコントローラの断面の模式図
【符号の説明】
1はプログラマブルコントローラ、2は外装ケース、3は上ケース(第1のケース)、4は下ケース(第2のケース)、5はプリント配線基板、11はDINレール取付用溝部、15はDINレール、18は補助通風孔である。
Claims (3)
- プリント配線基板を内蔵した外装ケースにDINレール取付用溝部が形成されたプログラマブルコントローラにおいて、
前記外装ケース内を通過する通風経路を形成する、空気の流入側の通風孔と空気の排出側の通風孔とを前記DINレール取付用溝部に設け、
前記DINレール取付用溝部を通風ダクトとして機能させることを特徴とするプログラマブルコントローラ。 - 前記通風孔は、前記プリント配線基板を通過する通風経路を形成するように設けられていることを特徴とする請求項1記載のプログラマブルコントローラ。
- 前記外装ケースは、第1のケースと第2のケースとを組合されると共に補助通風孔を有して構成され、
前記補助通風孔は、前記第1のケースの端部の前面に前記第2のケースの端部が位置することにより前記外装ケースの内部を隠蔽した形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のプログラマブルコントローラ。
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