JP2021051032A - 環状製品の外観検査装置 - Google Patents

Abstract

【課題】環状樹脂製品の外観を高精度に検査することができる外観検査装置を提供する。【解決手段】円板状のガラス板１１を水平回転させて、このガラス板１１上に供給された検査対象物Ｋを回転方向に搬送する搬送装置と、搬送装置によって搬送される検査対象物Ｋの表面を撮像する表面撮像装置２０と、表面撮像装置２０によって撮像された画像を処理して、検査対象物Ｋの外観の良否を判定する判定装置とを備える。表面撮像装置２０は、表面撮像位置Ｐ１において上方に配設される表面撮像カメラ２１と、表面撮像カメラ２１とガラス板１１との間に配設され、青色の光を検査対象物Ｋの表面に照射する表面側青色照明部２２と、表面側青色照明部２２とガラス板１１との間に配設され、検査対象物Ｋの表面側の外周面及び内周面を照明する表面側赤色照明部２５と、ガラス板１１の下方に配設され、上方に向けて緑色の光を照射する表面検査用緑色照明部２６とを備える。【選択図】図２

Description

本発明は、撮像カメラを用いて物品の外観を撮像し、得られた画像を処理して当該物品の外観の良否を判定する外観検査装置に関する。

上述した外観検査装置として、従来、特開２００７−６４８０１号公報（下記特許文献１）に開示された外観検査装置が知られている。この外観検査装置は電子部品の外観を検査するもので、前記電子部品を所定の搬送方向に搬送する搬送機構と、この搬送機構により搬送されて所定の撮像領域内を通過する電子部品の表面を撮像する撮像機構と、前記搬送機構によって撮像領域内を搬送される電子部品を照明する照明装置と、前記撮像機構によって撮像された電子部品の画像を基に、当該電子部品の外観の良否を判定する判定処理部と、前記照明装置及び撮像機構の作動を制御する制御部とを備えている。

前記照明装置は、前記電子部品に向けて光を照射する複数の投光部を有し、該投光部が環状に配置された投光手段を複数備え、各投光手段は同軸に配置されるとともに、軸線方向に並設され、各投光手段の内、少なくとも一つの投光手段は他の投光手段とは異なる色の光を電子部品に向けて照射するように構成される。

より具体的には、前記各投光手段は、軸線方向に並設された第１投光手段、第２投光手段及び第３投光手段からなり、前記第１投光手段は、その軸線に対して前記投光部の照射光軸が１５°〜３５°傾くように配置されるとともに、青色の光を前記電子部品に向けて照射するように構成され、前記第２投光手段は、その軸線に対して前記投光部の照射光軸が４０°〜５０°傾くように配置されるとともに、赤色の光を前記電子部品に向けて照射するように構成され、前記第３投光手段は、その軸線に対して前記投光部の照射光軸が５５°〜７５°傾くように配置されるとともに、赤色の光を前記電子部品に向けて照射するように構成されている。

また、前記撮像機構は、その撮像光軸が前記各投光手段の投光部の配置環内に位置するように配置され、前記制御部は、前記各投光手段を制御して、該各投光手段の内、同じ色の光を照射する投光手段から前記電子部品に向けて光を照射するとともに、前記電子部品が前記撮像領域内を通過中に、光を照射する投光手段を切り換えて該電子部品に照射される光の色を変えるように構成され、且つ、前記撮像機構を制御して、前記電子部品に照射される光の色毎に該電子部品の表面を撮像するように構成され、前記判定処理部は、前記電子部品に照射される光の色毎に撮像された各画像を基に良否判定を行うように構成される。

この外観検査装置によれば、青色の光を、投光部の照射光軸を投光手段の中心軸線から１５°〜３５°（電子部品の表面に対して５５°〜７５°）傾けて照射することで、クラックやキズといった、電子部品表面に存在する欠陥部分をより効果的に際立たせることができる。また、赤色の光を、投光部の照射光軸を投光手段の中心軸線から４０°〜５０°（電子部品の表面に対して４０°〜５０°）傾けて照射するとともに、５５°〜７５°（積層コンデンサの表面に対して１５°〜３５°）傾けて照射することで、積層コンデンサの積層された誘電体及び内部電極の浮き上がりといった、電子部品内部に存在する欠陥部分をより効果的に際立たせることができる。

斯くして、この外観検査装置では、上記のような照明を行うことで、電子部品に存在する欠陥をより強調した画像を得ることができ、このように各欠陥が強調された画像を基にして、その良否の判定を行うことで、電子部品の特性に応じた、より精度の高い外観検査を行うことができる。

特開２００７−６４８０１号公報

ところで、近年では、あらゆる部品について、高い品質性能が求められるようになってきており、特に、Ｏリングやパッキンといった環状の樹脂成形品についても、その外観上の性状（凹凸や傷）について、高い品質性能が求められている。

そこで、このような樹脂製品についても、上述した従来の外観検査装置を用いた外観検査の適用が考えられる。

ところが、上述した従来の外観検査装置は、電子部品、より具体的には積層コンデンサに適合させるべく開発されたものであり、この積層コンデンサについては、外観不良を高い精度で検出することができるものの、上述したＯリングやパッキンといった樹脂成形品については、満足が行く程度に十分に外観不良を検出することができないものであった。即ち、上記のＯリングやパッキンといった樹脂成形品は、その多くが濃色又は黒色を有するものであり、その表面に存在する凹凸や傷を、光学的な手法を用いて検出するには、そのための特別な技術開発が必要である。

本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、濃色又は黒色を有する環状樹脂成形品であってもその外観を高精度に検査することができる外観検査装置の提供を、その目的とする。

上記課題を解決するための本発明は、
環状の樹脂製品を検査対象物として、その外観を検査する外観検査装置であって、
水平に配設される透明な円板状のガラス板を備え、該ガラス板を水平回転させて、該ガラス板上に供給された前記検査対象物を該ガラス板の回転方向に搬送する搬送装置と、
前記搬送装置によって搬送される前記検査対象物の表面を撮像する表面撮像装置と、
前記表面撮像装置によって撮像された画像を処理して、前記検査対象物の外観の良否を判定する判定装置とを備え、
前記表面撮像装置は、前記検査対象物の搬送経路上に設定された表面撮像位置において、その上方に配設され、前記表面撮像位置に在る検査対象物の表面のカラー画像を撮像する表面撮像カメラと、
前記表面撮像位置の上方であって、前記表面撮像カメラと前記ガラス板との間に配設され、青色の光を前記表面撮像位置に在る検査対象物の表面に照射する表面側青色照明部と、
前記表面側青色照明部と前記ガラス板との間に配設されるとともに、前記表面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配置される環状の投光部を有し、該投光部から赤色の光を中心側に向けて照射して、前記表面撮像位置に在る検査対象物の表面側の外周面及び内周面を照明する表面側赤色照明部と、
前記表面撮像位置において、前記ガラス板の下方に配設され、上方に向けて緑色の光を照射する表面検査用緑色照明部とを備えて構成された外観検査装置に係る。

この態様（第１の態様）の外観検査装置によれば、搬送装置のガラス板上に検査対象物である環状樹脂製品が適宜供給され、当該ガラス板の水平回転によってその回転方向に搬送される。そして、検査対象物は表面撮像位置において表面撮像カメラによりその表面のカラー画像が撮像され、撮像されたカラー画像を基に、判定装置においてその外観の良否が判定される。

前記表面撮像位置では、表面側青色照明部から照射された青色の光によって、検査対象物の表面が照明され、また、表面側赤色照明部から照射された赤色の光によって、検査対象物の表面側の外周面及び内周面を照明される。また、ガラス板より下方に設けられた表面検査用緑色照明部から上方に向けた緑色の光が照射され、検査対象物はこの緑色の光をバックライトとして照明される。

前記表面側青色照明部から照射される青色の光は散乱し易く、このため検査対象物からの反射光量が少ないという特性を有し、表面側赤色照明部から照射される赤色の光は散乱し難く、このため検査対象物からの反射光量が多いという特性を有する。一方、検査対象物の表面側の外周面及び内周面は反射光量が得られ難く、逆に、検査対象物の外周面及び内周面以外の表面は反射光量が得られ易い。

本発明に係る表面撮像装置によれば、部位的に反射光量が得られ難い検査対象物の外周面及び内周面に、散乱性の低い赤色の光を照射することで、当該外周面及び内周面に存在する凹部及び傷を検出できる適度な反射光量を前記表面撮像カメラに導くことができる。また、反射光量が得られ易い、検査対象物の外周面及び内周面以外の表面には、散乱性の高い青色の光を照射することで、当該表面に存在する凹部及び傷を検出できる適度な反射光量を前記表面撮像カメラに導くことができる。また、青色及び赤色以外の緑色の光をバックライトとして照明することによって、検査対象物の輪郭を映し出すことができる。例えば、環状の樹脂成形品は成形時に外周面及び内周面にバリを生じ易いが、バックライトによって映し出される輪郭形状を解析することによってバリの有無を検出することができる。

斯くして、本発明に係る外観検査装置によれば、環状の樹脂製品の外周面及び内周面を含む表面に凹部や傷が存在する場合には、当該凹部や傷が強調されるとともに、外周面や内周面にバリが存在する場合には、当該バリが強調されたカラー画像が前記表面撮像カメラによって撮像されるので、前記判定装置では、検査対象物の表面に凹部や傷、或いはバリが存在するか否かを高精度に判定することができる。特に、濃色又は黒色の樹脂成形品の場合には、白色光による照明では凹部や傷を検出し難いが、本発明に係る外観検査装置によれば、このような濃色又は黒色の樹脂成形品の場合でも、凹部や傷の有無を高精度に検出することができる。

上記第１の態様において、前記表面側青色照明部は、上側に配設される第１表面側青色照明部、及び下側に配設された第２表面側青色照明部からなり、
前記第１表面側青色照明部は、前記表面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配設された環状の投光部を有し、該投光部から下方の前記表面撮像位置に向けて青色の光を照射するように構成され、
前記第２表面側青色照明部は、下端部が開口するとともに、上端部に、前記第１表面側青色照明部の投光部から照射された光が通過する開口を有するドーム状の反射部材であって、内面が拡散反射面となった反射部材と、該反射部材の下縁部に配設されて反射部材の内面に向けて青色の光を照射する環状の投光部とを有し、該投光部から照射され、前記拡散反射面で反射された光を前記表面撮像位置に向けて照射するように構成された態様を採ることができる。

この態様（第２の態様）ように、第１表面側青色照明部及び第２表面側青色照明部によって、環状樹脂製品を照明することで、表面をより均質に照明することができ、凹部や傷が存在する場合には、これらをより強調することができる。

前記第１又は第２の態様に係る前記外観検査装置は、更に、前記搬送装置によって搬送される前記検査対象物の裏面を撮像する裏面撮像装置を備え、
前記裏面撮像装置は、前記検査対象物の搬送経路上に設定された裏面撮像位置において、前記ガラス板より下方に配設され、前記裏面撮像位置に在る検査対象物の裏面のカラー画像を撮像する裏面撮像カメラと、
前記裏面撮像位置の下方であって、前記裏面撮像カメラと前記ガラス板との間に配設され、青色の光を前記裏面撮像位置に在る検査対象物の裏面に照射する裏面側青色照明部と、
前記裏面側青色照明部と前記ガラス板との間に配設されるとともに、前記裏面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配置される環状の投光部を有し、該投光部から赤色の光を中心側に向けて照射して、主に、前記裏面撮像位置に在る検査対象物の裏面側の外周面及び内周面を照明する裏面側赤色照明部と、
前記裏面撮像位置において、前記ガラス板の上方に配設され、下方に向けて緑色の光を照射する裏面検査用緑色照明部とを備え、
前記前記判定装置は、更に、前記裏面撮像装置によって撮像された画像を処理して、前記検査対象物の外観の良否を判定するように構成された態様を採ることができる。

この態様（第３の態様）における裏面撮像装置は、前記表面撮像装置を上下反転させた構成を備えるもので、当該裏面撮像装置を備えた外観検査装置によれば、環状の樹脂製品の外周面及び内周面を含む裏面に凹部や傷が存在する場合に、当該凹部や傷を高精度に検出することができる。また、外周面及び内周面にバリが存在する場合には、当該バリを確実に検出することができる。

また、この第３の態様の外観検査装置において、前記裏面側青色照明部は、下側に配設される第１裏面側青色照明部、及び上側に配設された第２裏面側青色照明部からなり、
前記第１裏面側青色照明部は、前記裏面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配設された環状の投光部を有し、該投光部から上方の前記裏面撮像位置に向けて青色の光を照射するように構成され、
前記第２裏面側青色照明部は、上端部が開口するとともに、下端部に、前記第１裏面側青色照明部の投光部から照射された光が通過する開口を有するドーム状の反射部材であって、内面が拡散反射面となった反射部材と、該反射部材の下縁部に配設されて反射部材の内面に向けて青色の光を照射する環状の投光部とを有し、該投光部から照射され、前記拡散反射面で反射された光を前記裏面撮像位置に向けて照射するように構成された態様を採ることができる。

この態様（第４の態様）ように、第１裏面側青色照明部及び第２裏面側青色照明部によって、環状樹脂製品を照明することで、裏面をより均質に照明することができ、凹部や傷が存在する場合には、これらをより強調することができる。

また、第１〜第４の態様の何れかの態様において、前記外観検査装置は、更に、前記搬送装置によって搬送される前記検査対象物の外側面を撮像する外側面撮像装置を備え、
前記外側面撮像装置は、前記検査対象物の搬送経路上に設定された外側面撮像位置において、前記ガラス板より上方に配設され、前記外側面撮像位置に在る検査対象物の外側面の画像を撮像する外側面撮像カメラと、
前記外側面撮像カメラの下方に、前記外側面撮像位置の中心点を通る鉛直軸を中心として放射状に等間隔に配設され、検査対象物の外側面から反射された反射光を前記外側面撮像カメラに導く光路が形成された複数のプリズムと、
前記プリズムと前記ガラス板との間に配設されるとともに、前記鉛直軸と同軸に配置される環状の投光部を有し、該投光部から赤色の光を中心側に向けて照射して、前記外側面撮像位置に在る検査対象物の外側面を照明する外側面検査用赤色照明部とを備え、
前記判定装置は、更に、前記外側面撮像装置によって撮像された画像を処理して、前記検査対象物の外観の良否を判定するように構成された態様を採ることができる。

この態様（第５の態様）における外側面撮像装置は、字句通り検査対象物である環状樹脂製品の外側面を撮像する装置である。この外側面はガラス板に近い側面であるため、外側面撮像カメラによってその画像を直接撮像することができず、また、十分な光量で照明することが難しい。

そこで、この外側面撮像装置では、照明光として反射光が散乱し難い赤色の照明光を用い、この赤色の光を照射する投光部を環状に配置して、環状の検査対象物の外側面を赤色光で照明するようにした。また、検査対象物の外側面から反射された反射光を前記外側面撮像カメラに導く光路が形成された複数のプリズムを、前記外側面撮像位置の中心点を通る鉛直軸を中心として放射状に等間隔に配設した。

斯くして、この外側面撮像装置によれば、検査部位である外側面を赤色光で照明しているので、当該外側面によって反射される十分な光量の反射光を、前記プリズムを介して前記外側面撮像カメラに導くことができる。したがって、検査対象物の外側面に凹部や傷が存在する場合には、当該凹部や傷が強調された画像が前記外側面撮像カメラによって撮像され、これにより、前記判定装置では、検査対象物の外側面に凹部や傷が存在するか否かを高精度に判定することができる。

また、第５の態様に係る外側面撮像装置は、更に、前記外側面撮像位置より上方であって、前記プリズムの内側に配設され、赤色の光を下方の前記外側面撮像位置に向けて照射する外側面用上側強調照明部と、
前記外側面撮像位置において、前記ガラス板の下方に配設され、上方に向けて赤色の光を照射する外側面用下側強調照明部とを備えた態様を採ることができる。

この態様（第６の態様）では、前記外側面用上側強調照明部及び外側面用下側強調照明部により検査対象物の外側面を斜めから照明することで、この外側面に凹部や傷が存在する場合に、当該凹部や傷がより際立つように強調することができる。

また、第１〜第６の態様の何れかの態様において、前記外観検査装置は、更に、前記搬送装置によって搬送される前記検査対象物の内側面を撮像する内側面撮像装置を備え、
前記内側面撮像装置は、前記検査対象物の搬送経路上に設定された内側面撮像位置において、前記ガラス板より上方に配設され、前記内側面撮像位置に在る検査対象物の内側面の画像を撮像する内側面撮像カメラと、
前記内側面撮像カメラの下方に、前記内側面撮像位置の中心点を通る鉛直軸を中心として放射状に等間隔に配設され、検査対象物の内側面から反射された反射光を前記内側面撮像カメラに導く光路が形成された複数のプリズムと、
前記プリズムと前記ガラス板との間に配設されるとともに、前記鉛直軸と同軸に配置される環状の投光部を有し、該投光部から赤色の光を中心側に向けて照射して、前記内側面撮像位置に在る検査対象物の内側面を照明する内側面検査用赤色照明部とを備え、
前記判定装置は、更に、前記内側面撮像装置によって撮像された画像を処理して、前記検査対象物の外観の良否を判定するように構成された態様を採ることができる。

この態様（第７の態様）における内側面撮像装置は、字句通り検査対象物である環状樹脂製品の内側面を撮像する装置であるが、上記外側面撮像装置と同様に、内側面がガラス板に近い側面であるため、内側面撮像カメラによってその画像を直接撮像することができず、また、十分な光量で照明することが難しい。

そこで、この内側面撮像装置では、上記外側面撮像装置と同様に、照明光として反射光が散乱し難い赤色の照明光を用い、この赤色の光を照射する投光部を環状に配置して、環状の検査対象物の内側面を赤色光で照明するようにした。また、検査対象物の内側面から反射された反射光を前記内側面撮像カメラに導く光路が形成された複数のプリズムを、前記内側面撮像位置の中心点を通る鉛直軸を中心として放射状に等間隔に配設した。

斯くして、この内側面撮像装置によれば、上記外側面撮像装置と同様に、検査部位である内側面を赤色光で照明しているので、内側面によって反射される十分な光量の反射光を、前記プリズムを介して前記内側面撮像カメラに導くことができる。したがって、検査対象物の内側面に凹部や傷が存在する場合には、当該凹部や傷が強調された画像が前記内側面撮像カメラによって撮像され、これにより、前記判定装置では、検査対象物の内側面に凹部や傷が存在するか否かを高精度に判定することができる。

また、第７の態様に係る内側面撮像装置は、更に、前記内側面撮像位置より上方であって、前記プリズムの内側に配設され、赤色の光を下方の前記内側面撮像位置に向けて照射する内側面用上側強調照明部と、
前記内側面撮像位置において、前記ガラス板の下方に配設され、上方に向けて赤色の光を照射する内側面用下側強調照明部とを備えた態様を採ることができる。

この態様（第８の態様）では、前記内側面用上側強調照明部及び内側面用下側強調照明部により検査対象物の内側面を斜めから照明することで、この内側面に凹部や傷が存在する場合に、当該凹部や傷がより際立つように強調することができる。

以上のように、本発明に係る外観検査装置によれば、環状の樹脂製品の外周面及び内周面を含む表面に凹部や傷が存在する場合には、当該凹部や傷が強調されるとともに、外周面や内周面にバリが存在する場合には、当該バリが強調されたカラー画像が前記表面撮像カメラによって撮像されるので、前記判定装置では、検査対象物の表面に凹部や傷、或いはバリが存在するか否かを高精度に判定することができる。特に、濃色又は黒色の樹脂成形品の場合には、白色光による照明では凹部や傷を検出し難いが、本発明に係る外観検査装置によれば、このような濃色又は黒色の樹脂成形品の場合でも、凹部や傷の有無を高精度に検出することができる。

本発明の一実施形態に係る外観検査装置の概略構成を一部ブロック図で示した平面図である。 本実施形態に係る表面撮像装置の主要構造物を示した縦断面図である。 本実施形態に係る表面撮像装置で撮像される画像を示した説明図である。 本実施形態に係る裏面撮像装置の主要構造物を示した縦断面図である。 本実施形態に係る裏面撮像装置で撮像される画像を示した説明図である。 本実施形態に係る外側面撮像装置の主要構造物を示した縦断面図である。 本実施形態に係る外側面撮像装置で撮像される画像を示した説明図である。 本実施形態に係る内側面撮像装置の主要構造物を示した縦断面図である。 本実施形態に係る内側面撮像装置で撮像される画像を示した説明図である。

以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る外観検査装置の概略構成を一部ブロック図で示した平面図である。

図１に示すように、本例の外観検査装置１は、動作機構部５、判定装置７０及び制御装置８０から構成され、前記動作機構部５は、検査対象物Ｋを搬送する搬送装置１０、この搬送装置１０の搬送方向に沿って順次配設された表面撮像装置２０、裏面撮像装置３０、外側面撮像装置４０、内側面撮像装置５０、良品回収装置６０及び不良品回収装置６５から構成される。尚、判定装置７０及び制御装置８０は、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭなどを含むコンピュータから構成される。

［搬送装置］
前記搬送装置１０は、水平に配設された透明な円板状のガラス板１１と、このガラス板１１を水平回転させる駆動モータ１２とから構成され、上流側に設けられる供給装置（図示せず）から当該ガラス板１１上に順次供給される検査対象物Ｋを当該ガラス板１１の回転方向に搬送する。尚、本例では、Ｏリング、ガスケット、パッキンなどの環状樹脂成形品を検査対象物としている。

［表面撮像装置］
前記表面撮像装置２０は、図２に示すように、表面撮像カメラ２１、表面側青色照明部２２、表面側赤色照明部２５、及び表面検査用緑色照明部２６を備えて構成される。前記表面撮像カメラ２１は、前記検査対象物Ｋの搬送経路上に設定された表面撮像位置Ｐ_１の上方に配設され、当該表面撮像位置Ｐ_１に在る検査対象物Ｋの表面のカラー画像を撮像する。尚、この表面撮像カメラ２１は３−ＣＯＭＳイメージセンサを備えた所謂カラーカメラである。

前記表面側青色照明部２２は、前記表面撮像位置Ｐ_１の上方であって、前記表面撮像カメラ２１と前記ガラス板１１との間において、上側に配設される第１表面側青色照明部２３、及び下側に配設される第２表面側青色照明部２４からなる。第１表面側青色照明部２３は、表面撮像カメラ２１の撮像光軸と同軸且つ環状に配設された複数の投光部２３ｂ、及びこの投光部２３ｂを支持する上面及び下面が開口したカップ状の支持体２３ａから成り、投光部２３ｂは支持体２３ａの凹部底面に配設され、下方の前記表面撮像位置Ｐ_１に向けて指向性のある青色の光を照射する。

また、前記第２表面側青色照明部２４は、下端部が開口するとともに、上端部に前記支持体２３ａが連結される開口を有するドーム状の反射部材であって、内面が拡散反射面となった反射部材２４ａと、この反射部材２４ａの下端部に設けられたリング部材２４ｂと、このリング部材２４ｂの上面であって前記反射部材２４ａ内に環状に配設され、前記反射部材２４ａの内面に向けて青色の光を照射する複数の投光部２４ｃとから構成される。この投光部２４ｃから照射された青色の光は、反射部材２４ａの拡散反射面で反射された後、指向性の無い均質な光として前記表面撮像位置Ｐ_１に向けて照射される。

前記表面側赤色照明部２５は、前記第２表面側青色照明部２４と前記ガラス板１１との間に、前記表面撮像カメラ２１の撮像光軸と同軸に配設されたリング状の支持体２５ａ、及びこの支持体２５ａの内周面に環状に配設されて、支持体２５ａの中心側に向けて指向性を有する赤色の光を照射する複数の投光部２５ｂを備える。この投光部２５ｂから照射された光は、主に、前記表面撮像位置Ｐ_１に在る検査対象物Ｋの表面側の外周面及び内周面を照明する。

前記表面検査用緑色照明部２６は、前記表面撮像位置Ｐ_１において、前記ガラス板１１の下方に配設されるもので、多行多列の平面状に配設され、上方に向けて緑色の光を照射する複数の投光部２６ｂと、この投光部２６ｂを支持する上面が開口したカップ状の支持体２６ａと、この支持体２６ａの上面を閉塞する拡散板２６ｃとから構成される。この表面検査用緑色照明部２６は、表面撮像位置Ｐ_１に在る検査対象物Ｋを下方から指向性の無い均質な光で照明して当該検査対象物Ｋの輪郭を映し出すバックライトとして機能する。

［裏面撮像装置］
前記裏面撮像装置３０は、図４に示すように、前記表面撮像装置２０を上下反転させた構成を備えるもので、裏面撮像カメラ３１、裏面側青色照明部３２、裏面側赤色照明部３５及び裏面検査用緑色照明部３６を備えて構成される。裏面撮像カメラ３１は、前記検査対象物Ｋの搬送経路上に設定された裏面撮像位置Ｐ_２の下方に配設され、当該裏面撮像位置Ｐ_２に在る検査対象物Ｋの裏面のカラー画像を撮像する。尚、この裏面撮像カメラ３１は３−ＣＯＭＳイメージセンサを備えた所謂カラーカメラである。

前記裏面側青色照明部３２は、前記裏面撮像位置Ｐ_２の上方であって、前記裏面撮像カメラ３１と前記ガラス板１１との間において、下側に配設される第１裏面側青色照明部３３、及び上側に配設される第２裏面側青色照明部３４からなる。第１裏面側青色照明部３３は、裏面撮像カメラ３１の撮像光軸と同軸且つ環状に配設された複数の投光部３３ｂ、及びこの投光部３３ｂを支持する上面及び下面が開口したカップ状の支持体３３ａから成り、投光部３３ｂは支持体３３ａの凹部底面に配設され、上方の前記裏面撮像位置Ｐ_２に向けて指向性を有する青色の光を照射する。

また、前記第２裏面側青色照明部３４は、上端部が開口するとともに、下端部に前記支持体３３ａが連結される開口を有する、ドームを反転した形状の反射部材であって、内面が拡散反射面となった反射部材３４ａと、この反射部材３４ａの上端部に設けられたリング部材３４ｂと、このリング部材３４ｂの下面であって前記反射部材３４ａ内に環状に配設され、前記反射部材３４ａの内面に向けて青色の光を照射する複数の投光部３４ｃとから構成される。この投光部３４ｃから照射された青色の光は、反射部材３４ａの拡散反射面で反射された後、指向性の無い均質な光として前記裏面撮像位置Ｐ_２に向けて照射される。

前記裏面側赤色照明部３５は、前記第２裏面側青色照明部３４と前記ガラス板１１との間に、前記裏面撮像カメラ３１の撮像光軸と同軸に配設されたリング状の支持体３５ａ、及びこの支持体３５ａの内周面に環状に配設されて、支持体３５ａの中心側に向けて指向性を有する赤色の光を照射する複数の投光部３５ｂを備える。この投光部３５ｂから照射された光は、主に、前記裏面撮像位置Ｐ_２に在る検査対象物Ｋの裏面側の外周面及び内周面を照明する。

前記裏面検査用緑色照明部３６は、前記表面撮像位置Ｐ_２において、前記ガラス板１１の上方に配設されるもので、多行多列の平面状に配設され、下方に向けて緑色の光を照射する複数の投光部３６ｂと、この投光部３６ｂを支持する下面が開口したカップ状の支持体３６ａと、この支持体３６ａの下面を閉塞する拡散板３６ｃとから構成される。この裏面検査用緑色照明部３６は、裏面撮像位置Ｐ_２に在る検査対象物Ｋを上方から指向性の無い均質な光で照明して当該検査対象物Ｋの輪郭を映し出すバックライトとして機能する。

［外側面撮像装置］
図６に示すように、前記外側面撮像装置４０は、外側面撮像カメラ４１、導光部４２、外側面検査用赤色照明部４５、外側面用上側強調照明部４６、外側面用下側強調照明部４７を備えて構成される。

前記外側面撮像カメラ４１は、前記検査対象物Ｋの搬送経路上に設定された外側面撮像位置Ｐ_３において、前記ガラス板１１より上方に配設され、前記外側面撮像位置Ｐ_３に在る検査対象物Ｋの外側面の画像を撮像する。この外側面撮像カメラ４１は、前記表面撮像カメラ２１及び裏面撮像カメラ３１と同様にカラーカメラであっても良いが、単色の画像を撮像するものであるため、コスト上の要請からモノクロカメラであるのが好ましい。

前記導光部４２は、前記外側面撮像カメラ４１の下方に配設されるもので、円板状の透明な支持板４３と、この支持板４３の下面に固設された６個のプリズム４４とから構成される。各プリズム４４は、前記外側面撮像位置Ｐ_３の中心点を通る鉛直軸を中心として放射状に等間隔に配設され、それぞれ支持板４３の半径方向外側に位置する第１プリズム４４ａと内側に位置する第２プリズム４４ｂからなり、第１プリズム４４ａの外側の内面、及び第２プリズム４４ｂの内側の内面がそれぞれ反射面となっている。斯くして、このプリズム４４では、検査対象物Ｋの外側面から反射された反射光が第１プリズム４４ａに入光され、その外側の内面で反射された後、第２プリズム４４ｂに入光して、その内側の内面で反射され、支持板４３を介して外側面撮像カメラ４１に入光される（図６に示した二点鎖線を参照）。

前記外側面検査用赤色照明部４５は、前記導光部４２と前記ガラス板１１との間に、前記鉛直軸と同軸に配設されたリング状の支持体４５ａ、及びこの支持体４５ａの内周面に上下２段に環状に配設されて、支持体４５ａの中心側に向けて指向性を有する赤色の光を照射する複数の投光部４５ｂを備える。この投光部４５ｂから照射された光は、主に、前記外側面撮像位置Ｐ_３に在る検査対象物Ｋの外側面及び内側面を照明する。

前記外側面用上側強調照明部４６は、前記外側面撮像位置Ｐ_３より上方であって、前記プリズム４４の内側に配設され、赤色の光を下方の前記外側面撮像位置Ｐ_３に向けて照射する複数の投光部４６ｂと、この投光部４６ｂを支持する下面が開口したカップ状の支持体４６ａと、この支持体４６ａの下面を閉塞する拡散板４６ｃとから構成される。この外側面用上側強調照明部４６は、外側面撮像位置Ｐ_３に在る検査対象物Ｋを上方から指向性の無い均質な光で照明する。

前記外側面用下側強調照明部４７は、前記外側面撮像位置Ｐ_３において、前記ガラス板１１の下方に配設され、上方に向けて赤色の光を照射する複数の投光部４７ｂと、この投光部４７ｂを支持する上面が開口したカップ状の支持体４７ａと、この支持体４７ａの上面を閉塞する拡散板４７ｃとから構成される。この外側面用下側強調照明部４７は、外側面撮像位置Ｐ_３に在る検査対象物Ｋを下方から指向性の無い均質な光で照明する。

［内側面撮像装置］
前記内側面撮像装置５０は、前記外側面撮像装置４０を上方にシフトさせた構成を備えるもので、図８に示すように、内側面撮像カメラ５１、導光部５２、内側面検査用赤色照明部５５、内側面用上側強調照明部５６、内側面用下側強調照明部５７を備えて構成される。

前記内側面撮像カメラ５１は、前記検査対象物Ｋの搬送経路上に設定された内側面撮像位置Ｐ_４において、前記ガラス板１１より上方に配設され、前記内側面撮像位置Ｐ_４に在る検査対象物Ｋの内側面の画像を撮像する。この内側面撮像カメラ４１は、前記表面撮像カメラ２１及び裏面撮像カメラ３１と同様にカラーカメラであっても良いが、単色の画像を撮像するものであるため、コスト上の要請からモノクロカメラであるのが好ましい。

前記導光部５２は、前記内側面撮像カメラ５１の下方に配設されるもので、円板状の透明な支持板５３と、この支持板５３の下面に固設された６個のプリズム５４とから構成される。各プリズム５４は、前記内側面撮像位置Ｐ_４の中心点を通る鉛直軸を中心として放射状に等間隔に配設され、それぞれ支持板５３の半径方向外側に位置する第１プリズム５４ａと内側に位置する第２プリズム５４ｂからなり、第１プリズム５４ａの外側の内面、及び第２プリズム５４ｂの内側の内面がそれぞれ反射面となっている。斯くして、このプリズム５４では、検査対象物Ｋの外側面から反射された反射光が第１プリズム５４ａに入光され、その外側の内面で反射された後、第２プリズム５４ｂに入光して、その内側の内面で反射され、支持板５３を介して内側面撮像カメラ５１に入光される（図８に示した二点鎖線を参照）。

前記内側面検査用赤色照明部５５は、前記導光部５２と前記ガラス板１１との間に、前記鉛直軸と同軸に配設されたリング状の支持体５５ａ、及びこの支持体５５ａの内周面に上下２段に環状に配設されて、支持体５５ａの中心側に向けて指向性を有する赤色の光を照射する複数の投光部５５ｂを備える。この投光部５５ｂから照射された光は、主に、前記内側面撮像位置Ｐ_４に在る検査対象物Ｋの外側面及び内側面を照明する。

前記内側面用上側強調照明部５６は、前記内側面撮像位置Ｐ_４より上方であって、前記プリズム５４の内側に配設され、赤色の光を下方の前記内側面撮像位置Ｐ_４に向けて照射する複数の投光部５６ｂと、この投光部５６ｂを支持する下面が開口したカップ状の支持体５６ａと、この支持体５６ａの下面を閉塞する拡散板５６ｃとから構成される。この内側面用上側強調照明部５６は、内側面撮像位置Ｐ_４に在る検査対象物Ｋを上方から指向性の無い均質な光で照明する。

前記内側面用下側強調照明部５７は、前記内側面撮像位置Ｐ_４において、前記ガラス板１１の下方に配設され、上方に向けて赤色の光を照射する複数の投光部５７ｂと、この投光部５７ｂを支持する上面が開口したカップ状の支持体５７ａと、この支持体５７ａの上面を閉塞する拡散板５７ｃとから構成される。この内側面用下側強調照明部５７は、内側面撮像位置Ｐ_４に在る検査対象物Ｋを下方から指向性の無い均質な光で照明する。

［良品回収装置及び不良品回収装置］
前記良品回収装置６０及び不良品回収装置６５は、それぞれ前記ガラス板１１の中心部から半径方向外側に向けた方向に圧縮空気を吐出するノズルと、このノズルから吐出された圧縮空気流によって半径方向外側に吹き飛ばされた検査対象物Ｋを回収する回収ボックスとを備えている。そして、前記制御装置８０による制御の下で、前記良品回収装置６０は良品と判断された検査対象物Ｋを回収し、不良品回収装置６５は不良品と判断された検査対象物Ｋを回収する。

［判定装置］
前記判定装置７０は、前記表面撮像装置２０、裏面撮像装置３０、外側面撮像装置４０及び内側面撮像装置５０によって撮像された各画像を処理して、例えば、得られた画像の輝度レベルから、検査対象物Ｋに凹部や傷が存在するか否かを判別するとともに、画像の輪郭形状からバリが存在するか否かを判別して、凹部、傷及びバリが存在しない場合には良品と判定し、凹部、傷及びバリの何れかが存在する場合には不良品と判定する。そして、判定装置７０は判定結果を前記制御装置８０に送信する。

［制御装置］
前記制御装置８０は、前記搬送装置１０、表面撮像装置２０、裏面撮像装置３０、外側面撮像装置４０及び内側面撮像装置５０の動作を制御するとともに、前記判定装置７０から送信された判定結果に従って前記良品回収装置６０及び不良品回収装置６５の動作を制御する。

以上の構成を備えた本例の外観検査装置１によれば、以下のようにして、検査対象物Ｋである環状樹脂製品の外観が検査される。

即ち、検査対象物Ｋは上流側に設けられる適宜供給装置（図示せず）から、順次、搬送装置１０のガラス板１１上に供給され、当該ガラス板１１の回転方向（図１に示す矢示方向）に搬送され、前記表面撮像装置２０、裏面撮像装置３０、外側面撮像装置４０及び内側面撮像装置５０に順次経由する。

そして、前記表面撮像装置２０、裏面撮像装置３０、外側面撮像装置４０及び内側面撮像装置５０において、検査対象物Ｋの表面、裏面、外側面及び内側面の画像が撮像され、撮像された画像が前記判定装置７０に送信される。

具体的には、前記表面撮像装置２０では、前記表面撮像位置Ｐ_１において、検査対象物Ｋが第１表面側青色照明部２３及び第２表面側青色照明部２４からなる表面側青色照明部２２、表面側赤色照明部２５、及び表面検査用緑色照明部２６によって照明された状態で、表面撮像カメラ２１によりその表面のカラー画像が撮像される。

即ち、前記第１表面側青色照明部２３から指向性のある青色の光が検査対象物Ｋの上面に照射され、前記第２表面側青色照明部２４から拡散された青色の光が検査対象物Ｋの上面に照射され、これらの光によって検査対象物Ｋの上面が照明される。また、前記表面側赤色照明部２５から指向性のある赤色の光が検査対象物Ｋの表面側の外周面及び内周面に照射される。更に、前記表面検査用緑色照明部２６から緑色の光がバックライトとして検査対象物Ｋを下方から照射される。斯くして、このように照明された検査対象物Ｋが表面撮像カメラ２１によって撮像され、図３に示すように、背景部ＦＧａが緑色をし、外周部及び内周部ＦＧｂが赤色をし、上面部ＦＧｃ及びＦＧｂが青色をしたカラー画像ＦＧが得られる。

青色の光は散乱し易いため、検査対象物Ｋからの反射光量が少ないという特性を有し、赤色の光は散乱し難いため、検査対象物Ｋからの反射光量が多いという特性を有する。一方、検査対象物Ｋの形状特性から、その表面側の外周面及び内周面は反射光量が得られ難く、逆に、検査対象物の外周面及び内周面以外の表面は反射光量が得られ易い傾向にある。

そこで、上記のように、反射光量が得られ難い検査対象物Ｋの外周面及び内周面に、散乱性の低い赤色の光を照射することで、当該外周面及び内周面に存在する凹部及び傷を検出できる適度な反射光量を前記表面撮像カメラ２１に導くことができる。また、反射光量が得られ易い、検査対象物Ｋの外周面及び内周面以外の表面には、散乱性の高い青色の光を照射することで、当該表面に存在する凹部及び傷を検出できる適度な反射光量を前記表面撮像カメラ２１に導くことができる。また、青色及び赤色以外の緑色の光をバックライトとして照明することによって、検査対象物Ｋの輪郭を映し出すことができ、検査対象物Ｋの外周面及び内周面にバリが存在する場合には、検査対象物Ｋの輪郭としてこのバリの形状が映し出される。

斯くして、この表面撮像装置２０では、検査対象物Ｋの表面に凹部及び傷が存在する場合には、当該凹部及び傷が強調された画像が得られ、また、検査対象物Ｋの外周面及び内周面にバリが存在する場合には、当該バリが強調された画像が得られる。そして、前記判定装置７０では、このような画像を基に検査対象物Ｋの表面に凹部や傷、バリといった欠陥が存在するか否かが判別されるので、当該判定を高精度に行うことができる。

前記裏面撮像装置３０においても、前記表面撮像装置２０と同様に、前記裏面撮像位置Ｐ_２において、検査対象物Ｋが第１裏面側青色照明部３３及び第２裏面側青色照明部３４からなる裏面側青色照明部３２、裏面側赤色照明部３５、及び裏面検査用緑色照明部３６によって照明された状態で、裏面撮像カメラ３１によりその裏面のカラー画像が撮像される。

即ち、前記第１裏面側青色照明部３３から指向性のある青色の光が検査対象物Ｋの下面に照射され、前記第２裏面側青色照明部３４から拡散された青色の光が検査対象物Ｋの下面に照射され、これらの光によって検査対象物Ｋの下面が照明される。また、前記裏面側赤色照明部３５から指向性のある赤色の光が検査対象物Ｋの裏面側の外周面及び内周面に照射される。更に、前記裏面検査用緑色照明部３６から緑色の光がバックライトとして検査対象物Ｋを上方から照射される。斯くして、このように照明された検査対象物Ｋが裏面撮像カメラ３１によって撮像され、図５に示すように、背景部ＲＧａが緑色をし、外周部及び内周部ＲＧｂが赤色をし、下面部ＲＧｃ及びＲＧｂが青色をしたカラー画像ＲＧが得られる。

上述したように、反射光量が得られ難い検査対象物Ｋの外周面及び内周面に、散乱性の低い赤色の光を照射することで、当該外周面及び内周面に存在する凹部及び傷を検出できる適度な反射光量を前記裏面撮像カメラ３１に導くことができる。また、反射光量が得られ易い、検査対象物Ｋの外周面及び内周面以外の裏面には、散乱性の高い青色の光を照射することで、当該裏面に存在する凹部及び傷を検出できる適度な反射光量を前記裏面撮像カメラ３１に導くことができる。また、青色及び赤色以外の緑色の光をバックライトとして照明することによって、検査対象物Ｋの輪郭を映し出すことができ、検査対象物Ｋの外周面及び内周面にバリが存在する場合には、検査対象物の輪郭としてこのバリの形状が映し出される。

斯くして、この裏面撮像装置３０では、検査対象物Ｋの裏面に凹部及び傷が存在する場合には、当該凹部及び傷が強調された画像が得られ、また、検査対象物Ｋの外周面及び内周面にバリが存在する場合には、当該バリが強調された画像が得られる。そして、前記判定装置７０では、このような画像を基に検査対象物Ｋの裏面に凹部や傷、バリといった欠陥が存在するか否かが判別されるので、当該判定を高精度に行うことができる。

また、前記外側面撮像装置４０では、前記外側面撮像位置Ｐ_３において、前記外側面検査用赤色照明部４５から指向性のある赤色の光が検査対象物Ｋの外側面及び内側面に照射され、前記外側面用上側強調照明部４６から拡散された均質な赤色の光が検査対象物Ｋの上側の外側面及内側面に照射されるとともに、前記外側面用下側強調照明部４７から同じく拡散された均質な赤色の光が検査対象物Ｋの下側の外側面及内側面に照射される。

そして、上記のようにして照明される検査対象物Ｋの外側面から反射された反射光が前記第１プリズム４４ａ、第２プリズム４４ｂ及び支持板４３を介して外側面撮像カメラ４１に入光され、この外側面撮像カメラ４１によって図７に示すようなモノクロの画像が撮像される。

検査対象物Ｋの外側面はガラス板１１に近い側面であるため、外側面撮像カメラ４１によってその画像を直接撮像することができないが、前記導光部４２を設けることで、検査対象物Ｋの外側面の画像を撮像することができる。また、検査対象物Ｋの外側面を十分な光量で照明することが難しいが、前記外側面撮像装置４０では、照明光として反射光が散乱し難い赤色の照明光を用い、この赤色の光を検査対象物Ｋの外側面に照射するようにしたので、当該外側面によって反射される十分な光量の反射光を、前記外側面撮像カメラ４１に導くことができる。また、前記外側面用上側赤色照明部４６及び外側面用下側赤色照明部４７により検査対象物Ｋの外側面を斜めから照明することで、この外側面に凹部や傷が存在する場合に、当該凹部や傷がより際立つように強調することができる。

斯くして、この外側面撮像装置４０では、検査対象物Ｋの外側面に凹部及び傷が存在する場合には、当該凹部及び傷が強調された画像が得られる。そして、前記判定装置７０では、このような画像を基に検査対象物Ｋの外側面に凹部や傷といった欠陥が存在するか否かが判別されるので、当該判定を高精度に行うことができる。

また、内側面撮像装置５０では、前記内側面撮像位置Ｐ_４において、前記内側面検査用赤色照明部５５から指向性のある赤色の光が検査対象物Ｋの外側面及び内側面に照射され、前記内側面用上側強調照明部５６から拡散された均質な赤色の光が検査対象物Ｋの上側の外側面及内側面に照射されるとともに、前記内側面用下側強調照明部５７から同じく拡散された均質な赤色の光が検査対象物Ｋの下側の外側面及内側面に照射される。

そして、上記のようにして照明される検査対象物Ｋの内側面から反射された反射光が前記第１プリズム５４ａ、第２プリズム５４ｂ及び支持板５３を介して内側面撮像カメラ５１に入光され、この内側面撮像カメラ５１によって図９に示すようなモノクロの画像が撮像される。

検査対象物Ｋの内側面はガラス板１１に近い側面であるため、内側面撮像カメラ５１によってその画像を直接撮像することができないが、前記導光部５２を設けることで、検査対象物Ｋの内側面の画像を撮像することができる。また、検査対象物Ｋの内側面を十分な光量で照明することが難しいが、この内側面撮像装置５０では、照明光として反射光が散乱し難い赤色の照明光を用い、この赤色の光を検査対象物Ｋの内側面に照射するようにしたので、当該内側面によって反射される十分な光量の反射光を、前記内側面撮像カメラ５１に導くことができる。また、前記内側面用上側赤色照明部５６及び内側面用下側赤色照明部５７により検査対象物Ｋの外側面を斜めから照明することで、この外側面に凹部や傷が存在する場合に、当該凹部や傷がより際立つように強調することができる。

斯くして、この内側面撮像装置５０では、検査対象物Ｋの外側面に凹部及び傷が存在する場合には、当該凹部及び傷が強調された画像が得られる。そして、前記判定装置７０では、このような画像を基に検査対象物Ｋの外側面に凹部や傷といった欠陥が存在するか否かが判別されるので、当該判定を高精度に行うことができる。

そして、前記判定装置７０は、上述したように、前記表面撮像装置２０、裏面撮像装置３０、外側面撮像装置４０及び内側面撮像装置５０によってそれぞれ撮像された画像に基づいて、検査対象物Ｋに欠陥が存在するか否かを判定し、判定結果を前記制御装置８０に送信する。そして、制御装置８０はこの判定結果を受信して、欠陥が検出されなかった検査対象物Ｋについては、当該検査対象物Ｋが良品回収装置６０に到達したタイミングで、当該良品回収装置６０を駆動して、当該検査対象物Ｋを回収し、欠陥が検出された検査対象物Ｋについては、当該検査対象物Ｋが不良品回収装置６５に到達したタイミングで、当該不良品回収装置６５を駆動して、当該検査対象物Ｋを回収する。

以上詳述したように、本例の外観検査装置１によれば、環状の樹脂製品である検査対象物Ｋの外周面及び内周面を含む表裏面に凹部や傷、バリ等の欠陥が存在する場合には、これを高精度に検出して分別することができる。特に、濃色又は黒色の樹脂成形品の場合には、白色光による照明では凹部や傷を検出し難いが、本例の外観検査装置１によれば、このような濃色又は黒色の樹脂成形品の場合でも、凹部や傷の有無を高精度に検出することができる。

以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何ら上例のものに限られるものではない。

例えば、上例では、導光部４２として６個のプリズム４４を設け、導光部５２として６個のプリズム５４を設けたが、プリズム４４及び５４の個数はこれに限られるものではなく、２以上の個数が設けられていれば良い。

１ 外観検査装置
１０ 搬送装置
２０ 表面撮像装置
２１ 表面撮像カメラ
２２ 表面側青色照明部
２３ 第１表面側青色照明部
２４ 第２表面側青色照明部
２５ 表面側赤色照明部
２６ 表面検査用緑色照明部
３０ 裏面撮像装置
３１ 裏面撮像カメラ
３２ 裏面側青色照明部
３３ 第１裏面側青色照明部
３４ 第２裏面側青色照明部
３５ 裏面側赤色照明部
３６ 裏面検査用緑色照明部
４０ 外側面撮像装置
４１ 外側面撮像カメラ
４２ 導光部
４５ 外側面検査用赤色照明部
４６ 外側面用上側強調照明部
４７ 外側面用下側強調照明部
５０ 内側面撮像装置
５１ 内側面撮像カメラ
５２ 導光部
５５ 内側面検査用赤色照明部
５６ 内側面用上側強調照明部
５７ 内側面用下側強調照明部
６０ 良品回収装置
６５ 不良品回収装置
７０ 判定装置
８０ 制御装置

Claims (8)

1. 環状の樹脂製品を検査対象物として、その外観を検査する外観検査装置であって、
   水平に配設される透明な円板状のガラス板を備え、該ガラス板を水平回転させて、該ガラス板上に供給された前記検査対象物を該ガラス板の回転方向に搬送する搬送装置と、
   前記搬送装置によって搬送される前記検査対象物の表面を撮像する表面撮像装置と、
   前記表面撮像装置によって撮像された画像を処理して、前記検査対象物の外観の良否を判定する判定装置とを備え、
   前記表面撮像装置は、前記検査対象物の搬送経路上に設定された表面撮像位置において、その上方に配設され、前記表面撮像位置に在る検査対象物の表面のカラー画像を撮像する表面撮像カメラと、
   前記表面撮像位置の上方であって、前記表面撮像カメラと前記ガラス板との間に配設され、青色の光を前記表面撮像位置に在る検査対象物の表面に照射する表面側青色照明部と、
   前記表面側青色照明部と前記ガラス板との間に配設されるとともに、前記表面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配置される環状の投光部を有し、該投光部から赤色の光を中心側に向けて照射して、前記表面撮像位置に在る検査対象物の表面側の外周面及び内周面を照明する表面側赤色照明部と、
   前記表面撮像位置において、前記ガラス板の下方に配設され、上方に向けて緑色の光を照射する表面検査用緑色照明部とを備えて構成されることを特徴とする外観検査装置。
2. 前記表面側青色照明部は、上側に配設される第１表面側青色照明部、及び下側に配設された第２表面側青色照明部からなり、
   前記第１表面側青色照明部は、前記表面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配設された環状の投光部を有し、該投光部から下方の前記表面撮像位置に向けて青色の光を照射するように構成され、
   前記第２表面側青色照明部は、下端部が開口するとともに、上端部に、前記第１表面側青色照明部の投光部から照射された光が通過する開口を有するドーム状の反射部材であって、内面が拡散反射面となった反射部材と、該反射部材の下縁部に配設されて反射部材の内面に向けて青色の光を照射する環状の投光部とを有し、該投光部から照射され、前記拡散反射面で反射された光を前記表面撮像位置に向けて照射するように構成されていることを特徴とする請求項１記載の外観検査装置。
3. 前記外観検査装置は、更に、前記搬送装置によって搬送される前記検査対象物の裏面を撮像する裏面撮像装置を備え、
   前記裏面撮像装置は、前記検査対象物の搬送経路上に設定された裏面撮像位置において、前記ガラス板より下方に配設され、前記裏面撮像位置に在る検査対象物の裏面のカラー画像を撮像する裏面撮像カメラと、
   前記裏面撮像位置の下方であって、前記裏面撮像カメラと前記ガラス板との間に配設され、青色の光を前記裏面撮像位置に在る検査対象物の裏面に照射する裏面側青色照明部と、
   前記裏面側青色照明部と前記ガラス板との間に配設されるとともに、前記裏面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配置される環状の投光部を有し、該投光部から赤色の光を中心側に向けて照射して、前記裏面撮像位置に在る検査対象物の裏面側の外周面及び内周面を照明する裏面側赤色照明部と、
   前記裏面撮像位置において、前記ガラス板の上方に配設され、下方に向けて緑色の光を照射する裏面検査用緑色照明部とを備え、
   前記前記判定装置は、更に、前記裏面撮像装置によって撮像された画像を処理して、前記検査対象物の外観の良否を判定するように構成されていることを特徴とする請求項１又は２記載の外観検査装置。
4. 前記裏面側青色照明部は、下側に配設される第１裏面側青色照明部、及び上側に配設された第２裏面側青色照明部からなり、
   前記第１裏面側青色照明部は、前記裏面撮像カメラの撮像光軸と同軸に配設された環状の投光部を有し、該投光部から上方の前記裏面撮像位置に向けて青色の光を照射するように構成され、
   前記第２裏面側青色照明部は、上端部が開口するとともに、下端部に、前記第１裏面側青色照明部の投光部から照射された光が通過する開口を有するドーム状の反射部材であって、内面が拡散反射面となった反射部材と、該反射部材の下縁部に配設されて反射部材の内面に向けて青色の光を照射する環状の投光部とを有し、該投光部から照射され、前記拡散反射面で反射された光を前記裏面撮像位置に向けて照射するように構成されていることを特徴とする請求項３記載の外観検査装置。
5. 前記外観検査装置は、更に、前記搬送装置によって搬送される前記検査対象物の外側面を撮像する外側面撮像装置を備え、
   前記外側面撮像装置は、前記検査対象物の搬送経路上に設定された外側面撮像位置において、前記ガラス板より上方に配設され、前記外側面撮像位置に在る検査対象物の外側面の画像を撮像する外側面撮像カメラと、
   前記外側面撮像カメラの下方に、前記外側面撮像位置の中心点を通る鉛直軸を中心として放射状に等間隔に配設され、検査対象物の外側面から反射された反射光を前記外側面撮像カメラに導く光路が形成された複数のプリズムと、
   前記プリズムと前記ガラス板との間に配設されるとともに、前記鉛直軸と同軸に配置される環状の投光部を有し、該投光部から赤色の光を中心側に向けて照射して、主に、前記外側面撮像位置に在る検査対象物の外側面を照明する外側面検査用赤色照明部とを備え、
   前記判定装置は、更に、前記外側面撮像装置によって撮像された画像を処理して、前記検査対象物の外観の良否を判定するように構成されていることを特徴とする請求項１乃至４記載のいずれかの外観検査装置。
6. 前記外側面撮像装置は、更に、前記外側面撮像位置より上方であって、前記プリズムの内側に配設され、赤色の光を下方の前記外側面撮像位置に向けて照射する外側面用上側強調照明部と、
   前記外側面撮像位置において、前記ガラス板の下方に配設され、上方に向けて赤色の光を照射する外側面用下側強調照明部とを備えていることを特徴とする請求項５記載の外観検査装置。
7. 前記外観検査装置は、更に、前記搬送装置によって搬送される前記検査対象物の内側面を撮像する内側面撮像装置を備え、
   前記内側面撮像装置は、前記検査対象物の搬送経路上に設定された内側面撮像位置において、前記ガラス板より上方に配設され、前記内側面撮像位置に在る検査対象物の内側面の画像を撮像する内側面撮像カメラと、
   前記内側面撮像カメラの下方に、前記内側面撮像位置の中心点を通る鉛直軸を中心として放射状に等間隔に配設され、検査対象物の内側面から反射された反射光を前記内側面撮像カメラに導く光路が形成された複数のプリズムと、
   前記プリズムと前記ガラス板との間に配設されるとともに、前記鉛直軸と同軸に配置される環状の投光部を有し、該投光部から赤色の光を中心側に向けて照射して、前記内側面撮像位置に在る検査対象物の内側面を照明する内側面検査用赤色照明部とを備え、
   前記判定装置は、更に、前記内側面撮像装置によって撮像された画像を処理して、前記検査対象物の外観の良否を判定するように構成されていることを特徴とする請求項１乃至６記載のいずれかの外観検査装置。
8. 前記内側面撮像装置は、更に、前記内側面撮像位置より上方であって、前記プリズムの内側に配設され、赤色の光を下方の前記内側面撮像位置に向けて照射する内側面用上側強調照明部と、
   前記内側面撮像位置において、前記ガラス板の下方に配設され、上方に向けて赤色の光を照射する内側面用下側強調照明部とを備えていることを特徴とする請求項７記載の外観検査装置。
   

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