JP2020122175A - ナノ銀粒子を用いた接合材料及び接合方法 - Google Patents

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圭祐 熊谷
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信邦 深江
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Takatoshi Nishimura
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Abstract

【課題】本発明の目的は、加熱・焼成時に還元性ガスや還元性ガス導入のための装置を必要とせず、且つAgナノ粒子を含む接合材に還元剤を添加することなく、被接合材料と金属表面からなる基板の良好な接合を実施可能な接合方法を提供することである。【解決手段】本発明は、有機保護層で被覆されたAgナノ粒子と金属粒子を含む接合材を、被接合部材と金属表面からなる被接合基板の間に保持した状態で加熱・焼成することにより被接合部材同士を接合する接合方法であって、加熱時に所定の脱離温度以上で前記有機保護層が前記Agナノ粒子から脱離して還元剤として機能し、前記金属粒子の表面及び前記被接合基板の表面を還元することを特徴とする接合材、接合方法及び接合体である。【選択図】図3

Description

本発明は、金属粒子を含む接合材を用いた接合方法に関し、さらに詳細には、金属粒子とAgナノ粒子を含む接合材を加熱・焼成して被接合材料を接合する接合方法に関するものである。
鉛フリー化が進んでいなかった高温鉛はんだの代替品として、Agナノ粒子からなる接合材の開発が盛んに行われている。しかし、Agのような貴金属からなるナノ粒子は高価であるため、有機被覆を有するCuナノ粒子からなる接合材(特許文献1)やCuフィラーとAgナノ粒子を混合した接合材(特許文献2)などが提案されている。CuフィラーやCuナノ粒子等の卑金属粒子は、酸化し易いため、酸化を防止することが必要となり、特許文献1には、ギ酸などの還元性ガスを不活性ガスと混合して導入することが記載されている。また、半導体チップ等の電子部品を接合する基板は、Cu基板等が用いられるため、焼成時に酸化防止を行う必要性があり、特許文献1では、還元性ガスにより基板の酸化も防止している。その他に焼成時に基板の酸化を防止するため、Agナノ粒子を含む接合材に還元剤を添加するといった方法がある(特許文献3)。
特開2018−170228 特許第5393935号公報 特開2017−111975
前述のように、接合材により被接合材料と接合基板を接合する際に、加熱・焼成時の金属粒子やCu基板等の酸化を防止するため還元性ガスを導入する方法がある。この場合、水素やギ酸といった危険又は有害なガスを取り扱うため、不活性ガスの供給や排ガスの処理を行う設備が必要となり、接合作業がより煩雑になると共に、設備費用と共にランニングコストがかかるため接合のコストを増加させている。また、接合材に還元剤を添加することは、接合材の有機成分が増加し、ボイドの原因となっている。金属ナノ粒子は安定化のため、有機保護層により被覆されると共に、粘度調整用の溶剤を含むことから、少なからず有機成分を含んでおり、可能な限り有機成分の比率を低減させることが要求されている。
本発明の目的は、加熱・焼成時に還元性ガスや当該還元性ガスを導入するための装置を必要とせず、且つAgナノ粒子を含む接合材に還元剤を添加することなく、被接合材料と金属表面からなる基板の良好な接合を実施可能な接合方法を提供することである。
なお、金属表面からなる基板とは、セラミック等の成分を主成分とする基板の表面を銅やニッケル、銀等で表面処理して導電性を担保した基板や銅等の金属からなる基板のことを言う。
本発明は、有機保護層で被覆されたAgナノ粒子と卑金属粒子含み、被接合部材と卑金属表面からなる被接合基板の間に保持した状態で加熱・焼成して前記被接合部材を前記被接合基板に接合する接合材であって、前記有機保護層が加熱時に所定の脱離温度以上で前記Agナノ粒子から脱離して還元剤として機能するカルボン酸由来の有機化合物であり、前記卑金属粒子の酸化表面及び前記被接合基板の酸化表面を還元する還元性を有する接合材である。
本発明の他の形態は、有機保護層で被覆されたAgナノ粒子と金属粒子を含む接合材を、被接合部材と金属表面からなる被接合基板の間に保持した状態で加熱・焼成することにより被接合部材同士を接合する接合方法であって、加熱時に所定の脱離温度以上で前記有機保護層が前記Agナノ粒子から脱離して還元剤として機能し、前記金属粒子の表面及び前記被接合基板の表面を還元する接合方法であり、より好ましい形態は、前記還元剤が
化学式:R-COO(式中、Rは炭化水素を表す)
で表されるカルボキシラートイオンであり、より好ましい形態は、前記接合材に含まれる前記Agナノ粒子の量が前記金属粒子に対して重量比で50wt%以上である接合方法である。
本発明の他の形態は、前記接合方法によって被接合材料と被接合基板を接合した接合体である。
本発明に係る接合材によれば、前記有機保護層が加熱時に所定の脱離温度以上で前記Agナノ粒子から脱離して還元剤として機能するカルボン酸由来の有機化合物であり、前記卑金属粒子の酸化表面及び前記被接合基板の酸化表面を還元するから、余計な有機成分の添加や、加熱・焼成時に還元性ガスの導入するための装置を用いることなく、卑金属基板に被接合材料を接合することができる。前記脱離温度とは、前記有機保護層を形成する有機化合物がAgナノ粒子から離脱を開始する温度であり、例として、前記有機保護層がドデカン酸由来の有機化合物である場合、Agナノ粒子単体の測定から、昇温速度5℃/minでは220℃程度で脱離・分解が開始され、約260℃で脱離・分解のピークとなることが分かっている。昇温速度を遅くする又は長時間の加熱により低温で有機保護層を脱離・分解させることも可能である。
本発明の接合方法によれば、有機保護層が脱離して還元剤として機能し、加熱・焼成時に金属粒子及び被接合基板の表面を還元するから、表面酸化を抑制することができる。
加熱・焼成時に還元性ガスの導入するための装置を必要としないため、接合に掛かるコストが増加することを回避することができる。且つ接合材に還元剤を添加することなく、被接合材料と金属からなる被接合基板を接合することができ、接合材の有機成分が増加しないことから、ボイドの発生等を抑制することができる。前記有機保護層は、焼成温度に近づくまでAgナノ粒子に吸着しており、揮発することなく、焼成温度近くで還元剤として機能するため、効率的に酸化を抑制することができる。特に前記金属粒子がCuやNiといった卑金属粒子からなる場合、酸化し易いため、還元剤により酸化を抑制することが重要となる。前記還元剤としては、カルボキシラートイオンR−COO-(Rは炭化水素を表す)を含む有機化合物が好ましく、還元性と共に有機保護層としても優れた安定性を有している。より好ましくは、前記還元剤は、化学式:R1−COO(R1はアルキル基)及び/又はR−R−COO(Rは炭化水素、Rはアルコール、ケトン、カルボン酸、アミン又はエーテルを表す)で表される有機化合物を用いることができ、カルボキシラートイオンが還元剤として機能すると共に、側鎖を溶剤の種類等に応じて選択することが可能である。
前記還元剤が化学式:R−COO(式中、Rは炭化水素を表す)で表されるカルボキシラートイオンである接合方法では、有機保護層としてカルボン酸が被覆されたAgナノ粒子を接合材の材料として用いることができる。カルボン酸被覆のAgナノ粒子は安定で焼成温度の近くまで有機保護層が吸着しているため、焼成時に金属粒子表面と被接合基板表面をより確実に還元することができる。前記カルボキシラートイオンは金属錯体を形成し、酸化と還元を繰り返すことにより還元剤として機能し、金属粒子表面及び被接合基板表面の酸化を抑制することができる。アルキル基の炭素数は2〜18であることが好ましく、安定な有機保護層を形成することができる。
本発明の前記接合材に含まれる前記Agナノ粒子の量が前記金属粒子に対して重量比で50%以上である接合方法であるから、確実に前記金属粒子の表面酸化を抑止し、良好な接合状態を提供することができる。本発明者らは、鋭意研究の結果、有機保護層で被覆されたAgナノ粒子が前記金属粒子に対して重量比で50wt%以上、接合材に含まれることにより酸化が抑制され良好な接合が実施できることを実験的に確認し、上記下限を決定している。
Agナノ粒子Aを溶媒に再分散させTEMを測定した観察写真図である。 Agナノ粒子Bを粉末のままFE−SEMで形態を観測した観察写真図である。 接合材ペースト1におけるAgナノ粒子Bの含有量に対する接合強度をプロットしたグラフ図である。 接合材ペースト1の焼結体のX線回折のスペクトル(a)とその拡大図(b)とである。 接合材ペースト2におけるAgナノ粒子Aの含有量に対する接合強度をプロットしたグラフ図である。 接合材ペースト1の焼結体のX線回折のスペクトル(a)とその拡大図(b)とである。 Agナノ粒子AのTG-MSの解析結果であるPI−MS−3D像を示す。 図7のPI−MS−3D像から切り取ったMSを示す。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
<Agナノ粒子>
銀化合物を湿式で還元し、それぞれ異なる有機カルボン酸で保護したAgナノ粒子AとAgナノ粒子Bの2種類を作製した。作製したナノ粒子を粉末化し、Agナノ粒子Aは溶媒に再分散させTEMを測定した。図1に観察写真図を示す。Agナノ粒子Bは粉末のままFE−SEMで形態を観測した。図2に観察写真図を示す。粉末化されたAgナノ粒子Aは青色で、トルエンへ容易に再分散した。TEM(図1)で確認すると約5nmの均一なサイズの粒子であった。Agナノ粒子Bは緑色の粉末でFE−SEM(図2)で確認すると、約25nmの粒子であった。有機保護層は、主としてヘキサン酸やドデカン酸等の有機カルボン酸由来のカルボキシラートイオンから形成されている。
<接合材ペースト1>
以下に接合材ペースト1の組成に関して説明する。Agナノ粒子BとCu粒子2um (日本アトマイズ加工,SPF−Cu)を使用し、金属含有率が約85%になるようにバインダーと溶媒を添加し複数の粒子を表1の組成(重量比)で配合し混錬することで接合材ペースト1のSample1〜5を作製した。表1では、Agナノ粒子BとCu粒子2umの全量を100%としている。ペーストのSample2〜4を用いた接合が本発明の実施例に対応している。
Figure 2020122175
<接合材ペースト1の接合実験及び焼結体の作製>
せん断試験には無酸素Cuを使用した。各ペーストを5mmφ50umtのメタルマスクを用いて 10 mmφ5mmtCu試験片に塗布し、130℃、2分間乾燥させたのち5 mmφ2mmtのCu試験片をマウントした。接合には加圧接合装置(日本アビオニクス,NA−155) を用いて大気雰囲気下300℃2.5分間保持し30MPaで加圧接合を行った。せん断強度試験は速度6 mm/minで接合試験片に対して行い3個の接合試験片の平均値からシェア強度を測定した。図3には比較例1、2及び実施例 1〜3の接合強度の結果を示す。実施例1〜3では、接合強度の平均値が20MPaを越え、接合材としての使用が可能になる。より好ましくは、接合強度が40MPaを越える配合で接合材を製造することが求められ、比較的大きな半導体チップ(10mm□程度)をCu基板に接合することができる。尚、Agナノ粒子B100%の場合にも接合強度が40MPa以上となるが、本発明はAgナノ粒子以外の金属粒子が含まれる接合材ペーストを対象としている。
前記接合材の結晶構造を解析するため、次の焼結体フィルムを作製している。接合材ペースト1のSample1〜5を用いて、ペーストをアルミホイルで挟み込み接合サンプルと同様に大気雰囲気下300℃2.5分間保持し30MPa加圧焼結することで焼結体フィルムを作製した。焼結フィルムをX線回折(リガク,MiniFlex600)で測定することで結晶構造の解析を実施した。図4の(a)にはX線回折のスペククトルを示す。スペクトルにおいて、黒丸はAgのピーク、黒四角はCuのピーク、一番低角度に見える黒菱形はCuOのピークを示している。グラフの下から上に向かって、接合材ペーストにおけるAgナノ粒子Bの含有量(Ag10%〜100%)が増加しており、それに伴ってスペクトルのAgのピーク強度が増加してCuのピーク強度が減少している。図4の(b)には、CuOのピーク付近を拡大したグラフ示す。Agナノ粒子Bの含有量が10%の場合、CuOのピーク強度が大きく、CuOの酸化層がCu粒子に形成されていることがわかる。図4の(b)から明らかなように、Agナノ粒子Bを34%含有するペーストでは、急激にCuOのピーク強度が減少しており、減少量は、Cu粒子の減少量の割合より大きくなっている。即ち、Agナノ粒子Aを被覆する有機保護層が脱離して、Cu粒子の酸化を抑制する還元剤として機能していることがわかる。
<接合材ペースト2>
上記2種類のAgナノ粒子とCu粒子は2um (日本アトマイズ加工,SPF−Cu)を使用し、同様に金属含有率が約85%になるようにバインダーと溶媒を添加し複数の粒子を表1の組成で配合し混錬することで接合材ペースト2のSample6〜10を作製した。
Figure 2020122175
<接合材ペースト2の接合実験及び焼結体の作製>
接合材ペースト2のせん断試験は、接合材ペースト1と同様に無酸素Cuを使用した。以下の同様に、各ペーストを5mmφ50umtのメタルマスクを用いて 10mmφ5mmtCu試験片に塗布し、130℃、2分間乾燥させたのち5mmφ2mmtのCu試験片をマウントした。接合には加圧接合装置(日本アビオニクス,NA−155) を用いて大気雰囲気下300℃2.5分間保持し30MPaで加圧接合を行った。せん断強度試験は速度6mm/minで接合試験片に対して行い3個の接合試験片の平均値からシェア強度を測定した。図5にはSample 6〜10の接合強度の結果を示す。焼結体フィルムは、前述のようにペーストをアルミホイルで挟み込み接合サンプルと同様に大気雰囲気下300℃2.5分間保持し30MPa加圧焼結することで作製した。焼結フィルムをX線回折(リガク,MiniFlex600)で測定することで結晶構造の解析を実施した。図6の(a)にはX線回折のスペククトルを示し、図6の(b)には、CuOのピーク付近を拡大して掲載している。
<せん断強度と焼結体>
Agナノ粒子Aが添加されていないSample6はSample2と同じ組成であり、せん断強度は22.4 MPaであった。Agナノ粒子Aを添加するに従い1%添加までは接合強度は向上し、Sample8では、せん断強度が約2倍の55.0 MPaまで向上した。2%以上添加すると低下する傾向があり、4%添加した場合、せん断強度は31.4 MPaとなった。いずれのSampleも本発明の実施例に対応し、実用可能な接合強度20MPa以上を有している。接合強度の観点から、Agナノ粒子Aの好ましい添加量は1〜2%であることが分かる。
図6の(b)に示した焼結体のXRDの結果より、Sample6ではCuOに由来するピークが観測され、Agナノ粒子Aを添加した実施例であるSample7〜10では、さらに酸化が抑制されていることが判明した。従って、酸化抑制の観点から、Agナノ粒子Aを少なくとも0.5%以上含有することが好ましい。Scherrerの式を用いてAg[111]の結晶子サイズを解析するとSample6では111.7nmに対してSample5では90.8nmと約20nm小さいことが分かった。このとこから、Agナノ粒子を4%添加しているのにも関わらずSample10のせん断強度が低い理由はAgナノ粒子Aの有機保護層の脂肪酸の脱離及び焼結が促進していないことが推測される。このことから、脂肪酸で保護されたAgナノ粒子Aはペースト中に極微量添加されることで大気中の加圧焼成において、Cuへのダイレクトボンディングを加速させ、なおかつ大気焼成中の酸化を抑制する機能を持つことが判明した。
さらに、Agナノ粒子Bの熱挙動を詳細に調査するためTG-MSを利用して脱離した有機保護層の質量分析を実施しており、図7の(a)には、比較のため測定したドデカン酸のPI−MS−3Dの結果を、図7の(b)には、Agナノ粒子AのPI−MS−3Dの結果を示している。TG−MSの試験条件は、イオン化がPI法、雰囲気がHe、昇温速度が5.0℃/min、サンプリング時間が1.0s、サンプルパンがAl、リファレンスがAlである。
図8の(a)と(b)には、それぞれ、PI−MS−3Dにおけるピークが現れる温度でのマススペクトル(MS)を示しており、図8の(a)はドデカン酸の167.6℃でのMS、図8の(b)はAgナノ粒子Bの261.0℃でのM示している。ドデカン酸とAgナノ粒子BのPI−MS−3Dを比較するとそれぞれ発生ガスの挙動が異なるこが判明した。ドデカン酸のMSからはm/Z=200のドデカン酸由来の分子団が検出された。一方で、Agナノ粒子Bからはm/Z=200のドデカン酸由来の分子団が検出されるとともに、低分子のカルボン酸のフラグメントやMcLafferty転位に由来するフラグメントが確認された。TG-MSにおけるソフトイオン化にもかかわらず多くのフラグメントが検出されたことから、Agナノ粒子Bの有機保護層は脱離時に分解し、低分子のカルボン酸を生成していることが示唆された。
一般的に有機カルボン酸とCuは次のような関係がある。
(1)有機カルボン酸のカルボキシラートイオン[化学式:R-COO-(Rは炭化水素)]とCuは容易に錯体を形成する。
(2)Cuカルボン酸錯体は酸素によってCu第2カルボン酸錯体とCuOを生成する。
(3)Cu第2カルボン酸錯体は熱分解によってCuを生成するとともにCuOを還元する。
従って、Agナノ粒子の有機保護層が脱離・分解し、Cuの酸化と還元の繰り返しに作用することで焼結が促進されることがわかる。

Claims (5)

  1. 有機保護層で被覆されたAgナノ粒子と卑金属粒子含み、被接合部材と卑金属表面からなる被接合基板の間に保持した状態で加熱・焼成して前記被接合部材を前記被接合基板に接合する接合材であって、
    前記有機保護層が加熱時に所定の脱離温度以上で前記Agナノ粒子から脱離して還元剤として機能するカルボン酸由来の有機化合物であり、前記卑金属粒子の酸化表面及び前記被接合基板の酸化表面を還元することを特徴とする還元性を有する接合材。
  2. 有機保護層で被覆されたAgナノ粒子と金属粒子を含む接合材を、被接合部材と金属表面からなる被接合基板の間に保持した状態で加熱・焼成することにより前記被接合部材を被接合基板に接合する接合方法であって、
    加熱時に所定の脱離温度以上で前記有機保護層が前記Agナノ粒子から脱離して還元剤として機能し、前記金属粒子の表面及び前記被接合基板の表面を還元することを特徴とする接合方法。
  3. 前記還元剤が化学式:R-COO−(式中、Rは炭化水素を表す)で表されるカルボキシラートイオンである請求項2に記載の接合方法。
  4. 前記接合材に含まれる前記Agナノ粒子の量が前記金属粒子に対して重量比で50wt%以上である請求項2又は3に記載の接合方法。
  5. 請求項2、3又は4に記載の接合方法によって被接合材料と被接合基板を接合したことを特徴とする接合体。





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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013125604A1 (ja) * 2012-02-20 2013-08-29 株式会社応用ナノ粒子研究所 酸素供給源含有複合ナノ金属ペースト及び接合方法

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