JP2020065834A - 紙筒 - Google Patents

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Akira Kanefusa
朗 兼房
濱田 薫
Kaoru Hamada
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【課題】環境への負荷が小さく、かつ、耐水性に優れた紙筒を提供することを課題とする。【解決手段】第一の矩形状原紙の長辺が対向するように巻回されてなる内層と、第二の矩形状原紙の長辺が対向するように巻回されてなる外層と、前記内層と前記外層とを接着する接着剤層とを有し、前記内層の長辺対向縁と、前記外層の長辺対向縁とが、円周方向にずれている紙筒。【選択図】図1

Description

本発明は、紙筒、特に耐水性に優れた紙筒に関する。
プラスチックは、安価で成形が容易なため、様々な製品の材料として広く用いられており、年間3億トン以上のプラスチック製品が生産されている。
プラスチック製品の多くは、適切に処分されているが、その一部は、管理不十分や不法投棄により、環境中にごみとして流出してしまい、最終的に海に到達する。海洋中に流出するプラスチックごみの量は、年間800万トン以上にのぼると推測されている。これらのプラスチックごみの多くは非生分解性であるため、そのほとんどが海洋中に蓄積され、2050年には、海洋中のプラスチック総量は魚類の総量(重量ベース)を上回ると予測されている。
プラスチックごみによる環境破壊を防ぐための動きが始まっており、プラスチック製使い捨て製品を、環境への負荷が小さい材料で代替することが求められている。中でもプラスチック製のストローは、1日に米国で5億本、世界で10億本以上が消費されているが、海鳥や海亀の誤飲による死亡例が報告されており、環境保護団体等が、プラスチック製ストローを使用しないように呼びかける運動を始めている。
プラスチック製ストローの、環境への負荷が小さい代替材料としては、生分解性プラスチックと並んで紙が注目されており、例えば、特許文献1、2には、紙製のストローが提案されている。
特開平6−133840号公報 特開2009−233348号公報
環境への負荷が小さく、かつ、耐水性に優れた紙筒を提供することを課題とする。
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.第一の矩形状原紙の長辺が対向するように巻回されてなる内層と、
第二の矩形状原紙の長辺が対向するように巻回されてなる外層と、
前記内層と前記外層とを接着する接着剤層とを有し、
前記内層の長辺対向縁と、前記外層の長辺対向縁とが、円周方向にずれていることを特徴とする紙筒。
2.前記第一および第二の矩形状原紙が、耐水面と非耐水面とを備え、
内面が前記第一の矩形状原紙の耐水面、外面が前記第二の矩形状原紙の耐水面から形成されていることを特徴とする1.に記載の紙筒。
3.前記接着剤層が、前記第一の矩形状原紙上に設けられた第一の接着剤層と、前記第二の矩形状原紙上に設けられた第二の接着剤層とからなることを特徴とする1.または2.に記載の紙筒。
4.前記第一および第二の矩形状原紙の坪量が、50g/m以上200g/m以下であることを特徴とする1.〜3のいずれかに記載の紙筒。
5.前記第一の矩形状原紙の短辺の長さが、前記第二の矩形状原紙の短辺の長さの95%以上99.5%以下であることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の紙筒。
6.内径が3mm以上25mm以下であることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の紙筒。
7.前記第一の矩形状原紙の長辺対向縁と、前記第二の矩形状原紙の長辺対向縁とが、円周方向に0.5mm以上ずれていることを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の紙筒。
本発明の紙筒は、紙を主体としており、環境への負荷が小さい。本発明の紙筒は、内層の長辺対向縁と外層の長辺対向縁が、それぞれ円周方向にずれた位置に設けられているため、紙筒の壁面における水漏れを防ぐことができる。第一および第二の矩形状原紙として、耐水面と非耐水面とを備える原紙を使用し、紙筒の内面、外面のいずれもが耐水面となるように貼り合わせることにより、紙筒の壁面内部に水が浸透しにくい耐水性に優れた紙筒を製造することができる。この際、接着性に優れる非耐水面同士が貼り合わされるため、内層と外層とが強固に接着されて剥がれにくい紙筒を得ることができる。第一の矩形状原紙上に第一の接着剤層、第二の矩形状原紙上に第二の接着剤層を設け、第一の接着剤層と第二の接着剤層とを貼り合わせることにより、円周方向に隙間なく接着剤層を形成することができ、長辺対向縁の間に水が侵入できる隙間が存在したとしても、この水が矩形状原紙の接着剤層側の面に直接接触することを防ぐことができる。
本発明の一実施態様である紙筒の部分分解図。 本発明の一実施態様である紙筒の断面図。
<紙筒>
本発明の紙筒は、第一の矩形状原紙の長辺が対向するように巻回されてなる内層と、第二の矩形状原紙の長辺が対向するように巻回されてなる外層とを有し、内層の長辺対向縁と、外層の長辺対向縁とが、円周方向にずれた状態で固定されていることを特徴とする。
本発明の一実施態様である紙筒の部分分解図を図1に、断面図を図2に示す。なお、図1、2は、概略図であり、本発明の紙筒の寸法を正確に表したものではない。
一実施態様である紙筒1は、内層11と外層12と接着剤層13(図1では図示せず)とを有する。内層11は、第一の矩形状原紙110からなり、その長辺が対向する長辺対向縁111を有する。また、外層12は、第二の矩形状原紙120からなり、その長辺が対向する長辺対向縁121を有する。なお、図1は、紙筒の構造を理解しやすくするため、内層11が外層12より突出するように記載しているが、本発明の紙筒の内層と外層の長さは同一である。
一実施態様である紙筒1において、第一、および第二の矩形状原紙110、120は、それぞれ耐水面112、122と非耐水面113、123を備えている。紙筒1は、その内面が第一の矩形状原紙の耐水面112、外面が第二の矩形状原紙の耐水面122からなる。一実施態様である紙筒1は、外部に露出する内面と外面の両方が耐水面112、122から形成されており、紙筒1の壁面内部へ水が浸透しにくいため、水と接触してもふやけにくい。さらに、一実施態様である紙筒1は、耐水面と比較して接着性に優れた非耐水面113、123同士が接着剤13で貼り合わされているため、内層11と外層12とが剥離しにくく、耐水性に優れている。
本発明の紙筒は、内層の長辺対向縁と外層の長辺対向縁とが、円周方向にずれた状態で固定されている。本発明の紙筒は、隙間が生じやすい内層の長辺対向縁と外層の長辺対向縁とが、円周方向にずれた状態で固定されているため、紙筒の壁面での水漏れを防ぐことができる。内層の長辺対向縁と外層の長辺対向縁とのずれ幅は、円周方向で0.5mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることがより好ましく、2.0mm以上であることがさらに好ましい。また、内層、外層の長辺対向縁は、対向する長辺間の隙間が小さい方が好ましく、この隙間の最大幅が0.2mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがより好ましく、0.01mm以下であることがさらに好ましく、隙間なく接していることが最も好ましい。
接着剤層は、第一の矩形状原紙と第二の矩形状原紙とを貼り合わせるものである。
接着剤層は、第一の矩形状原紙、第二の矩形状原紙のいずれか、または両方に塗布等により設けられる。この際、例えば、第一の矩形状原紙のみに接着剤層を設けると、外層の長辺対向縁の間には第一の矩形状原紙に設けられた接着剤層が存在するが、内層の長辺対向縁の間には接着剤層が存在しない。そして、内層の長辺対向縁の間に水が侵入できる隙間が存在すると、この隙間から侵入した水が、第二の矩形状原紙の接着剤層側表面に接触してしまう場合がある。
長辺対向縁の隙間に侵入した水が、矩形状原紙の接着剤層側表面に直接接触することを防ぐために、第一の矩形状原紙上に第一の接着剤層を、第二の矩形状原紙上に第二の接着剤層を設け、第一及び第二の接着剤層とを貼り合わせることが好ましい。このような構成とすることにより、紙筒の円周方向に接着剤層を切れ目なく設けることができ、長辺対向縁の隙間に侵入した水が、直接矩形状原紙の接着剤層側表面に接触することを防ぐことができる。
本発明において、紙筒の長さと径は特に制限されず、その用途に応じて適宜調整することができる。例えば、本発明の紙筒は、耐水性に優れているため、ストローやマドラー等の飲食品や口に接触する用途(以下、食器用途という)に好適に使用することができる。本発明の紙筒をこれらの食器用途に使用する場合、長さ12〜25cm程度、内径3〜25mm程度にすればよい。
<矩形状原紙・紙筒用原紙>
本発明において、矩形状原紙は、紙筒用原紙を所定の長さ(長辺)と幅(短辺)に裁断し、矩形状とすることにより製造される。矩形状原紙の長辺と短辺の長さは特に制限されず、製造する紙筒の長さと径に応じて適宜調整することができる。ただし、紙筒において、内層は、外層と比較してその円周がわずかに短いため、内層となる第一の矩形状原紙の短辺の長さは、第二の矩形状原紙の短辺の長さの95%以上99.5%以下であることが好ましい。第一の矩形状原紙の短辺の長さを第二の矩形状原紙の短辺の長さより短くすることにより、内層の長辺対向縁、外層の長辺対向縁に生じる隙間を狭くすることができる。なお、内層を形成する第一の矩形状原紙と、外層を形成する第二の矩形状原紙とは、同一の原紙でもよく、異なる原紙でもよい。
矩形状原紙の坪量は、50g/m以上200g/m以下であることが好ましい。坪量が50g/m未満では、得られる紙筒の剛度が不足する場合がある。坪量が200g/mを超えると、巻回しにくくなる場合がある。矩形状原紙の坪量は、70g/m以上180g/m以下であることがより好ましく、80g/m以上150g/m以下であることがさらに好ましい。
第一および第二の矩形状原紙は、両面が耐水面であってもよいが、一方の面が耐水面、他方の面が非耐水面であることがより好ましい。耐水面と非耐水面とを備える紙筒用原紙を用い、非耐水面同士を接着することで、紙筒用原紙を強固に接着することができる。また、得られる紙筒の外面と内面とが、耐水面で形成されるため、水が浸透しにくい紙筒を得ることができる。
ここで、本発明において、耐水面とは、JIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)により得られる吸水度の値が20g/m以下である面をいい、非耐水面とは、耐水面の裏面であり、かつ、耐水面よりもこのコッブ吸水度の値が大きい面をいう。
耐水面は、この吸水度の値が15g/m以下であることがより好ましく、10g/m以下であることがさらに好ましい。また、非耐水面は、この吸水度の値が、耐水面の吸水度の値より1g/m以上大きいことが好ましく、3g/m以上大きいことがより好ましく、5g/m以上大きいことがさらに好ましい。
耐水面と非耐水面とを備える紙筒用原紙としては、特に制限することなく使用することができ、例えば、基紙の片面のみに、耐水性樹脂を塗工、ラミネート等して耐水層を形成したもの、外添サイズ剤を含む塗工液を塗工してサイズ面としたもの等を用いることができる。
・基紙
基紙は、パルプ、填料、各種助剤等からなる。
本発明の紙筒を、食器用途に使用する場合、各材料としては、食品添加物として認可を受けている、またはFDA認証取得済み等、食品安全性に適合したものを使用することが好ましい。
パルプとしては、針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹の未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹の未晒クラフトパルプ(LUKP)、サルファイトパルプ(SP)等の木材の化学パルプ、グランドパルプ(GP)、リファイナグランドパルプ(RGP)、ストーングランドパルプ(SGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の木材の機械パルプ、ケナフ、バガス、竹、麻、ワラなどから得られた非木材パルプ、古紙を原料とし、脱墨工程にて古紙に含まれるインキを除去した古紙パルプなど、公知のパルプを適宜配合して用いることが可能である。
ただし、本発明の紙筒を、食器用途に使用する場合、異物混入が発生し難いLBKP、NBKP等の化学パルプが好ましく、また、古紙パルプの配合量が少ないことが好ましい。具体的には、化学パルプの配合量が80%以上であることが好ましく、化学パルプの配合量が100%であることが特に好ましい。
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料等の公知の填料を使用することができる。なお、填料は、必須材料ではなく、使用しなくてもよい。
各種助剤としては、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)などの内添サイズ剤、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの乾燥紙力増強剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルアミン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂などの湿潤紙力増強剤、歩留剤、濾水性向上剤、凝結剤、硫酸バンド、嵩高剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等が例示でき、必要に応じて適宜選択して使用可能である。
・抄紙工程
基紙の製造(抄紙)方法、抄紙機の型式は特に限定されるものではなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、ギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー(オントップフォーマー)等の公知の製造(抄紙)方法、抄紙機が選択可能である。
また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれでもよく、酸性領域で抄紙した後、紙層の表面にアルカリ性薬剤を塗布してもよい。
・耐水面
基紙に耐水性樹脂を含む組成物を、塗工、ラミネート等して耐水層を形成する場合、耐水性樹脂としては、上記したコッブ法による吸水度の値を満足する耐水面を得られる樹脂を、特に制限することなく使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び、これらの誘導体であるポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系、シリコーン系、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系、セルロース系、ウレタン系等の耐水性樹脂を含む塗料を使用することができる。これらの中で、生分解性である耐水性樹脂が、環境への点から好ましい。また、白色の基紙上に、透明または白色の耐水層を設けると、ピンホール等の欠陥が発見しにくいため、耐水層は、顔料、染料等により、白色以外の色に着色されていることが好ましい。このような組成物を、基紙の片面のみに塗工、ラミネート等することにより、耐水面と非耐水面とを備える紙筒用原紙を製造することができる。
耐水層を形成する組成物は、耐水性樹脂以外にも、顔料、染料、硬化剤、レベリング剤、溶剤等を含むことができる。溶剤を含む場合は、溶剤が水であることが、安全性に優れるため好ましい。
また、基紙に外添サイズ剤を含む塗工液を塗布してサイズ面を形成する場合は、外添サイズ剤として、上記したコッブ法による吸水度の値を満足する耐水面を得られるものを特に制限することなく使用することができる。例えば、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、スチレン―マレイン酸共重合体、スチレン―アクリル酸共重合体、オレフィン系などの各種サイズ剤を使用することができる。このような外添サイズ剤を含む塗工液を、基紙の片面のみに塗工することにより、耐水面と非耐水面とを備える紙筒用原紙を製造することができる。この際、基紙の他面は、外添サイズ剤を含む塗工液が塗工されなければよく、外添サイズ剤を含まない塗工液を塗工してもよい。
塗工液の外添サイズ剤濃度は、塗工方式と求める耐水性等に応じて適宜調整することができるが、塗布するサイズ剤の量は、0.01g/m以上1.0g/m以下であることが好ましい。また、外添サイズ剤を含む塗工液は、外添サイズ剤以外にも、澱粉、酸化澱粉、加工澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等の表面処理剤として通常使用される水溶性高分子や、表面強度向上を目的とした紙力増強剤などを含むことができる。
<接着剤>
本発明の紙筒は、内層と外層とが接着剤で貼り合わされてなる。この接着剤としては、公知の接着剤を特に制限することなく使用することができる。例えば、酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、澱粉系、アクリル系、エポキシ系等の接着剤を使用することができる。これらの中で、水溶性、または、水分散性の接着剤が、製造時の環境負荷が小さく、また、食器用途として安心して使用できるため好ましく、水分散性の接着剤が、水溶性接着剤と比較して固形分濃度を高くすることができ、水が揮発して接着強度が発現するまでの時間を短くすることができるためより好ましい。さらに、生分解性である接着剤が、環境への負荷が小さい点から好ましい。なお、上記したように、第一、および第二の矩形状原紙の両方に接着剤層を設けることが好ましいが、使用する接着剤は、第一、および第二の矩形状原紙を強固に接着できるものであれば特に限定されず、第一、および第二の矩形状原紙のそれぞれに同一、あるいは異種の接着剤からなる接着剤層を設けることができる。
接着剤層の塗工量は、第一の矩形状原紙と第二の矩形状原紙とを、強固に接着できる量であれば特に制限されないが、例えば、乾燥重量で、0.1g/m以上10g/m以下が挙げられる。
・製造方法
本発明の紙筒の製造方法は、特に限定されないが、例えば下記方法が挙げられる。
まず、所定の寸法に断裁した第一、および第二の矩形状原紙のいずれか、または両方に接着剤層を設け、これらを短辺方向にずれた状態で貼り合わせる。次いで、このズレが嵌合するように筒状に巻き回し、露出している接着剤層で2枚の矩形状原紙を貼り合わせることにより、紙筒を製造することができる。
また、上記方法において、2枚の帯状原紙を幅方向にずれた状態で貼り合わせ、このズレが嵌合するように筒状に巻回して接着剤で貼り合わせた後に、長さ方向で断裁することにより、紙筒を製造することもできる。この際、抄紙ラインに連続して、スリット、接着剤塗布、貼り合わせ、筒加工、断裁を行なう装置を設けることにより、紙筒を連続製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
「実施例1」
坪量104g/mの基紙に、ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、L716)を16g/mでラミネートし、ポリエチレン側が耐水面、基紙側が非耐水面である紙筒用原紙を得た。なお、JIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による吸水度は、耐水面が0.14g/m、非耐水面が23.3g/mであった。
この紙筒用原紙から、長辺の長さ20cm、短辺の長さ25.1mmである第一の矩形状原紙、長辺の長さ20cm、短辺の長さ25.8mmである第二の矩形状原紙を得た。
第一の矩形状原紙、第二の矩形状原紙の非耐水面にポリ酢酸ビニル系接着剤を塗工した後、第二の矩形状原紙を、短辺方向で2mmずらして第一の矩形状原紙に貼り合わせ、このズレが嵌合するように筒状に巻き回し、露出している接着剤層で、2枚の矩形状原紙を貼り合わせることにより直径約8mmの紙筒を得た。
「実施例2」
ポリエチレンに変えて、耐水ニス(櫻宮化学株式会社製、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含む)を5.1g/mで塗工した面を耐水面とした紙筒用原紙を使用した以外は、実施例1と同様にして直径約8mmの紙筒を得た。なお、この紙筒用原紙のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による吸水度は、耐水面が1.55g/m、非耐水面が18.9g/mであった。
「実施例3」
坪量80g/mの基紙の片面に酸化澱粉(日本コーンスターチ株式会社 SK100)を2.1g/mで塗工し非耐水面を作製した。ついでこの基紙のもう一方の面に、酸化澱粉(日本コーンスターチ株式会社 SK100)およびスチレンアクリルサイズ剤(栗田工業株式会社 PERGLUTIN A288)を固形分重量比15:3となるよう混合した塗料を2.6g/mで塗工し耐水面を作製することで紙筒用原紙を得た。この紙筒用原紙を使用した以外は、実施例1と同様にして直径約8mmの紙筒を得た。なお、紙筒用原紙のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)による吸水度は、耐水面が18.7g/m、非耐水面が24.3g/mであった。
「実施例4」
サイズ面のスチレンアクリルサイズ剤をAKDサイズ剤(星光PMC株式会社 SE2366)とし、塗工量を2.5g/mとした紙筒用原紙を使用した以外は、実施例3と同様にして紙筒を得た。なお、この紙筒用原紙のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)によるサイズ面の吸水度は16.7g/mであった。
「実施例5」
サイズ面の酸化澱粉をエチレン変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ エクセバールRS4104)とし、塗工量を2.6g/mとした紙筒用原紙を使用した以外は、実施例3と同様にして紙筒を得た。この紙筒用原紙のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)によるサイズ面の吸水度は14.8g/mであった。
「実施例6」
サイズ面の酸化澱粉をエチレン変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ エクセバールRS4104)、スチレンアクリルサイズ剤をAKDサイズ剤(星光PMC株式会社 SE2366)とし、塗工量を2.7g/mとした紙筒用原紙を使用した以外は、実施例1と同様にして紙筒を得た。この紙筒用原紙のJIS P8140に規定されるコッブ法(接触時間30秒)によるサイズ面の吸水度は13.6g/mであった。
・耐水性評価
上記実施例で製造した紙筒を常温の水を入れたコップに30分浸漬し、浸漬部分で剥離の有無を目視で確認した。
実施例1から実施例6で製造した紙筒はすべて、30分浸漬した後も、内層と外層との間で剥離が生じず、紙ストローとして好適に使用することが可能であった。
1 紙筒
11 内層
111 内層の長辺対向縁
12 外層
121 外層の長辺対向縁
13 接着剤層

110 第一の矩形状原紙
112 第一の矩形状原紙の耐水面
113 第一の矩形状原紙の非耐水面

120 第二の矩形状原紙
122 第二の矩形状原紙の耐水面
123 第二の矩形状原紙の非耐水面

Claims (7)

  1. 第一の矩形状原紙の長辺が対向するように巻回されてなる内層と、
    第二の矩形状原紙の長辺が対向するように巻回されてなる外層と、
    前記内層と前記外層とを接着する接着剤層とを有し、
    前記内層の長辺対向縁と、前記外層の長辺対向縁とが、円周方向にずれていることを特徴とする紙筒。
  2. 前記第一および第二の矩形状原紙が、耐水面と非耐水面とを備え、
    内面が前記第一の矩形状原紙の耐水面、外面が前記第二の矩形状原紙の耐水面から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の紙筒。
  3. 前記接着剤層が、前記第一の矩形状原紙上に設けられた第一の接着剤層と、前記第二の矩形状原紙上に設けられた第二の接着剤層とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の紙筒。
  4. 前記第一および第二の矩形状原紙の坪量が、50g/m以上200g/m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙筒。
  5. 前記第一の矩形状原紙の短辺の長さが、前記第二の矩形状原紙の短辺の長さの95%以上99.5%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙筒。
  6. 内径が3mm以上25mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紙筒。
  7. 前記第一の矩形状原紙の長辺対向縁と、前記第二の矩形状原紙の長辺対向縁とが、円周方向に0.5mm以上ずれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の紙筒。
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