JP2020063344A - 新規ブロックポリマー、樹脂組成物、およびシート - Google Patents

新規ブロックポリマー、樹脂組成物、およびシート Download PDF

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宗大 和田
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純平 早川
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豪 宮沢
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Abstract

【課題】本発明は(メタ)アクリル共重合体とポリイミドを複合してなる新規なブロックポリマーを、工業的に利用可能な方法で提供することを目的とする。さらに溶解性や耐熱性に優れたブロックポリマーを提供する。【解決手段】上記課題は、(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)とポリイミドユニット(B)が連結された、下記一般式(1)または(2)で表されることを特徴とするブロックポリマー(C)、ブロックポリマー(C)を含んでなる樹脂組成物、および樹脂組成物から形成される塗料またはコーティング剤、および基材上に塗工されたシートにより解決できる。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なブロックポリマー、およびそれを用いてなる樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、(メタ)アクリル共重合体ユニットとポリイミドユニットが連結された構造を有するポリマーに関する。本発明のブロックポリマーは、高い安定性と種々の汎用溶媒に対する高い溶解性を有するために樹脂組成物に好適に使用することが可能であり、例えば塗料やコーティング剤などの用途において、優れた耐久性(熱・光・天候)を有する塗膜を得ることが可能である。
ブロックポリマーは、性質の異なる複数のポリマーユニットを連結させた構造体であり、様々な性質を一つの素材に組み合わせることで新しい機能を発現させることが可能である。例えば、溶液中でのミセル形成やバルク中での相分離構造形成などの特性を利用して、粘接着剤やエラストマー、機能性顔料分散剤、相溶化剤、ドラックデリバリーシステムなどの分野で広く検討されている。
従来のブロックポリマーを作る方法では、組み合わせる高分子素材が限定されており、特に、付加重合体からなるユニットと重縮合体からなるユニットを組み合わせることは合成上の観点から難しかった。
一方で特許文献1には、付加重合体としてポリ(メタ)アクリル酸エステルと重縮合体としてポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタンからなるブロックポリマーが報告されている。しかしながらこのブロックポリマーを作る方法では、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類をリビング重合した後にさらに官能基を化学変換する必要がある。また、一般にポリマー中の官能基の化学変換は定量的ではない場合が多く、変換率を高めるために重合に使用した触媒や残モノマー類の除去をするための再沈殿による精製が必要である。さらに、ブロックポリマー化する際の定量性、選択性を向上するために、化学変換に使用した原料や副製生物の除去するための再沈殿が必要になるなど、多大な工程を要するため工業的に利用することは極めて難しい。
さらに得られたブロックポリマーについては強誘電性液晶セルとしての評価はなされているが、ポリマー単体としての基本性状については記載がない。ポリイミド前駆体を基材へ塗工した後にイミド化する一般的なポリイミドと同じ成膜方法で行っていることから、イミド化したものは不溶であり、イミド化したものを塗料やコーティング用途へ用いることは難しい。また耐熱性に関しては一切の記載がない。
特開平3−167226
本発明は(メタ)アクリル共重合体とポリイミドを複合してなる新規なブロックポリマーを、工業的に利用可能な方法で提供することを目的とする。さらに溶解性や耐熱性に優れたブロックポリマーを提供する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、片末端にアミノ基を有する(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)と末端に無水物を有するポリイミドユニット(B)が連結されたブロックポリマー(C)により、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。本反応の連結方法は(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)のアミノ基と無水物との反応を利用するため、特別な触媒を必要とせず高い選択率でブロックポリマーを得ることが可能である。
本発明は、(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)とポリイミドユニット(B)が連結された、下記一般式(1)または(2)で表されることを特徴とするブロックポリマー(C)に関する。
一般式(1)


一般式(2)

(式中、XおよびX’はそれぞれ独立に(メタ)アクリル酸エステルとラジカル共重合性単量体との共重合体を表す。R1およびR1’はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキレン基を表す。R2およびR2’はそれぞれ独立に4価の連結基を表す。R3は2価の連結基を表す。nは1以上の整数である。)
また本発明は、XまたはX’が下記一般式(3)で表されることを特徴とする上記記載のブロックポリマー(C)に関する。
一般式(3)


(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子またはメチル基であり、R6およびR7は、いずれか一方が水素原子、他の一方がアリール基、または−C(=O)−R8であり、R8は水素原子、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、または置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基であり、mは2以上の整数である。)
また本発明は、上記記載のブロックポリマー(C)を含む樹脂組成物に関する。
また本発明は、塗料またはコーティング用である、上記記載の樹脂組成物に関する。
また本発明は、基材上に、上記記載の樹脂組成物から形成された層を有するシートに関する。
本発明により、分散剤、相溶化剤、接合剤、多孔質材、担持材、分離膜、光学材料、電子材、医療材料、炭素材等への利用が期待できる、(メタ)アクリル共重合体とポリイミドを複合してなる新規なブロックポリマーを提供することができた。特に種々の塗料やコーティング用途に好適に使用可能な溶解性や耐熱性に優れたブロックポリマーを提供することができた。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に特定されない。
<(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)>
本発明の(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)は、ポリイミドとの複合化のために、(メタ)アクリル共重合体に−S−R1−N(H)で示される連結基を有することが特徴である。すなわち、(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)はX−S−R1−N(H)で示される構造で示される。ここでXは(メタ)アクリル酸エステルと、その他のラジカル共重合性単量体との共重合体を表す。連結基の位置は特に限定されないが、合成的な観点から、主鎖の片末端に導入されることが好ましい。
(メタ)アクリル共重合体に連結基を導入する方法としては、アミノ基を有する連鎖移動剤の存在化に(メタ)アクリル酸エステル類を重合する方法が好ましい。アミノ基を有する連鎖移動剤としてより好ましくは、下記一般式(4)で表されるチオール化合物が好ましい。
一般式(4)


(式中、R1は炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)
一般式(4)中、R1における炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリドデシレン基、テトタドデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコシレン基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、炭素数1〜10のアルキレン基である。
アミノ基を有する連鎖移動剤の使用量は、重合の際用いる(メタ)アクリル酸エステルとラジカル共重合性単量体(合計100質量部)に対して、任意に0.001〜15質量部の連鎖移動剤を使用することができる。使用量により分子量の調節が可能である。
本発明の(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)に使用可能な、(メタ)アクリル酸エステルとラジカル共重合性単量体を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。また、これらはただ1種のみを用いてもよいし、任意の比率で2種以上を使用しても良い。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及びアダマンチル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類または環状アルケニル(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5)等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート類;
(2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加(メタ)アクリレート、及びパーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジオキソラン(メタ)アクリレート、アクリロイルフルフリル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート変性フルフリルアルコール、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート変性フルフリルアミン、2―ブロモフランEO付加(メタ)アクリレート、及び3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、クレジルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する(メタ)アクリレート類;
3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン、及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン等のオキセタニル基を有する(メタ)アクリレート類;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビニル、及び(メタ)アクリル酸アリル等のビニル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルホリン等の(メタ等のアクリルアミド類
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のエーテル基を有するビニルエーテル類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、又はテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
商品名「サイラプレーンFM−0711」(JNC(株)社製)、商品名「サイラプレーンFM−0721」(JNC(株)社製)商品名「サイラプレーンFM−0725」(JNC(株)社製)、商品名「X−22−174DX」(信越シリコーン社製)「X−22−2426」(信越シリコーン社製)、商品名「X−22−174ASX」(信越シリコーン社製)、などのポリシロキサン(メタ)アクリレート類;
2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、及び4−イソシアネートブチルアクリレート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類;
イソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
その他の重合性単量体としては、酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
重合温度については、用いる重合開始剤の種類や溶媒の沸点に応じて適宜調整することが望ましいが、20℃〜150℃が好ましく、40℃〜120℃がより好ましく、さらに好ましくは、50℃〜100℃である。
反応時間については、用いる重合開始剤や(メタ)アクリル酸エステルとラジカル共重合性単量体の種類等に応じて適宜調整する事が望ましいが、好ましくは2〜30時間、より好ましくは3〜15時間である。
重合を行う環境については、着色低減や重合開始剤の失活などを防ぐ目的で、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましく、入手の容易さ、コストなどの観点から窒素ガスが好ましいが、これらに限定されるものではない。
重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカーボキシレート)及び2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられるが、これらに限定されない。
有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルペロオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジラウロキシペロオキサイド、パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、及びジアセチルパーオキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの重合開始剤は、単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができ、使用量としては、重合の際用いるメタ)アクリル酸エステルとラジカル共重合性単量体(合計100質量部)に対して、0.001〜20質量部の範囲で任意に調整することが可能である。
また、重合の際、重合溶媒として従来公知の有機溶剤を使用することができる。有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−プロピル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエトキシジエチレングリコール、及び3−メトキシ−1−ブタノール等が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても構わない。
<ポリイミドユニット(B)>
ポリイミドユニットを構成する主骨格について説明する。ポリイミドを合成する工程は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させポリアミック酸を得る工程と、続いてポリアミック酸を脱水環化させポリイミドを得る工程からなる。詳細は後述するが、本発明のブロックポリマー(C)を得るには、ポリアミック酸を得る工程でアクリルユニット(A)と結合するか、脱水環化によりポリイミドを得た後にアクリルユニット(A)と結合する方法があるが、合成面や工程数などの観点からポリアミック酸を得る工程でアクリルユニット(A)と結合する方法が好ましい。
テトラカルボン酸二無水物としては、従来のポリイミド合成に用いられている各種テトラカルボン酸二無水物を使用することができ。一般式(5)で表される。
一般式(5)

(式中、R2は4価の連結基である)
テトラカルボン酸二無水物として好ましいものとしては以下の構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアミン化合物としては、従来のポリイミド合成に用いられている各種ジアミン化合物を使用することができ。一般式(6)で表される。
一般式(6)

(式中、R3は2価の連結基である)
ジアミン化合物として、より好ましいものとしては以下の構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。




テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行うことができる。非プロトン性極性溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキサノン、1,4-ジオキサンなどが例示できる。非プロトン性極性溶媒は、一種類のみ用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。この時、上記非プロトン性極性溶媒と相溶性がある非極性溶媒を混合して使用しても問題なく、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素が良く使用される。混合溶媒における非極性溶媒の割合は、30質量%以下であることが好ましい。これは非極性溶媒が30質量%以上では溶媒の溶解力が低下しポリアミック酸が析出する恐れがあるためである。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製した前述反応溶媒に溶解し、これに良く乾燥したテトラカルボン酸二無水物を添加して反応を進める方法が好ましい。
本発明のポリアミック酸を得る場合に、テトラカルボン酸二無水物の無水物基のモル数αを、ジアミン化合物のアミノ基のモル数βで割った値Tが、0.5〜2の範囲であること好ましい。さらに本発明においてはブロックポリマーを形成する際に、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸共重合体と反応するために、ポリイミドユニットの末端が無水物であることが好ましい。そのため、Tは1〜1.5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜1.3の範囲である。
本発明において、ポリアミック酸を脱水閉環させる方法は、特に限定されないが、通常のポリアミック酸と同様に、加熱による閉環または公知の脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法を採用することができる。前記加熱による方法は、100〜300℃、好ましくは120〜250℃の任意の温度で行うことができる。
化学的に閉環する方法は、例えば、ピリジンやトリエチルアミンなどの有機塩基と、無水酢酸などの存在下で行うことができる。このときの温度としては−20〜200℃の任意の温度を選択することができる。この反応では、ポリアミック酸の重合溶液をそのまま、または希釈して使用することができる。また、後述する方法により、ポリアミック酸の重合溶液からポリアミック酸を回収し、これを適当な有機溶媒に溶解させた状態で行ってもよい。このときの有機溶媒としては、上述したポリアミック酸の重合溶媒を挙げることができる。
<ブロックポリマー(C)>
本発明のブロックポリマー(C)は、(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)とポリイミドユニット(B)が連結されたブロックポリマーであり、下記一般式(1)または(2)で表される新規構造を有することが特徴である。
一般式(1)


一般式(2)

(式中、XおよびX’はそれぞれ独立に(メタ)アクリル酸エステルとラジカル共重合性単量体との共重合体を表す。R1およびR1’はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキレン基を表す。R2およびR2’はそれぞれ独立に4価の連結基を表す。R3は2価の連結基を表す。nは1以上の整数である。)
一般式(1)および(2)中、XおよびX‘における(メタ)アクリル酸エステルとラジカル共重合性単量体との共重合体とは、(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)で述べたものと同義である。
一般式(1)及び(2)中、R1およびR1’は、一般式(4)中のR1と同義である。
一般式(1)及び(2)中、R2およびR2’は一般式(5)中のR2と同義である。
一般式(1)及び(2)中、R3は一般式(6)中のR3と同義である。
ここで、本発明のブロックポリマーとしての性能面や合成面などの観点から、XまたはX’が下記一般式(3)であることが好ましい。
一般式(3)


(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子またはメチル基であり、R6およびR7は、いずれか一方が水素原子、他の一方が置換もしくは未置換のアリール基、または−C(=O)−R8であり、R8は水素原子、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、または置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基であり、mは2以上の整数である。)
R4およびR5中、ハロゲン原子として好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。より好ましくはフッ素原子である。
R6およびR7中、置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基、シンナミル基アントラニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R8中、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基、または炭素数2から18であり場合により1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキルオキシ基の具体例としては、−O−CH2−O−CH3、−O−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−(CH2−CH2−O)j−CH3(ここでjは1から8である)、−O−(CH2−CH2−CH2−O)p−CH3(ここでpは1から5である)、−O−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−O−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R8中、置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられる。具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R8中、置換もしくは未置換のアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
ここで、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前述した、R6およびR7における置換もしくは未置換のアリール基、R8における置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、または置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基はの水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
本発明のブロックポリマー(C)は(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)とポリイミドユニット(B)が連結され、一般式(1)または(2)に示す構造であれば合成法に制限はないが、前述の通り(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)は末端にアミノ基を有することが合成上好ましい。すなわち(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)としては、X−S−R1−N(H2)であり、末端のアミノ基を利用してポリイミドユニット(B)とブロックポリマーを作ることが好ましい。
一般式(1)に示すブロックポリマー(C)を作る好適な合成例としては、第1工程として、テトラカルボン酸二無水物に対して末端にアミノ基を有する(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)を少量ずつ加える。第2工程として、ジアミン化合物を加えることによりアクリル末端からポリアミック酸が形成されていく。第3工程として、イミド化を実施する。
一般式(2)に示すブロックポリマーを作る好適な合成例としては、第1工程としてトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させポリアミック酸を得る。この時Tを1以上にすることで末端に無水物構造を有するポリアミック酸が得られる。第2工程としては末端にアミノ基を有する(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)を加え、ポリアミック酸の末端無水物と反応させる。第3工程として、イミド化を実施する。
これらの工程はワンポットで連続合成が
可能であり、工業的利用価値は高い。また本発明のブロックポリマーを作る方法はこれらに限定されるものではない。
本発明のブロックポリマー(C)における(メタ)アクリル共重合体ユニット(A)とポリイミドユニット(B)の質量比(連結部位の質量は含まない)は、1:99〜99:1の範囲が好ましく、より好ましくは10:90〜90:10の範囲である。さらに好ましくは20:80〜80:20が好ましい。
こうして得られたブロックポリマー(C)を含む溶液は、そのまま使用することもでき、また、メタノール、エタノールなどの溶媒を加えてポリマーを沈殿させ、これを単離して粉末として、またはその粉末を適当な溶媒に再溶解させて使用することもできる。再溶解用溶媒は、得られたポリマーを溶解させるものであれば特に限定されず、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、NMP、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、DMAc、DMF、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、ブロックポリマー(C)のみでも構わないが、コーティング剤またはインキとして使用する際の諸物性を得るために、重合開始剤、重合性化合物、架橋剤、バインダー樹脂、染料、有機および無機顔料、顔料分散剤、ホスフィン、ホスホネート、ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、カブリ防止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、着色剤、増量剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、色素前駆体、紫外線吸収剤、発砲剤、防カビ剤、帯電防止剤、磁性体、樹脂型分散剤等の分散剤、シランカップリング剤や4級アンモニウムクロライド等の貯蔵安定剤、可塑剤、表面張力調整剤、スリッピング剤、アンチブロッキング剤、光安定化剤、レベリング剤、消泡剤、赤外吸収剤、界面活性剤、チキソトロピー剤、抗菌剤、シリカ等の微粒子やその他種々の特性を付与する添加剤、希釈溶剤等と混合して使用しても良い。それら種類に関しては、特に限定されない。
本発明のシートは、本発明の樹脂組成物からなる層が基材上に形成されていれば特に制限はない。基材上に直接形成されてもよいし、別の剥離基材上で形成したものを転写しても構わないし、別の基材と粘・接着剤等で接合したものでも構わない。さらに本発明の樹脂組成物からなる層は、最外層である必用はなく、中塗り層としても使用することも可能である。
本発明に使用可能な基材としては、無機系基材、樹脂系基材、木質系基材などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
無機系基材としては、例えば、ガラス基材;セラミック基材;珪酸カルシウム板、石綿スレート板、セメントスレート板などの無機質基材;アルミニウム板、銅板、ステンレス鋼板、めっき鋼板などの金属基材などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
樹脂系基材としては、例えば、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリ(p−メチルスチレン)などのスチレン系樹脂;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリエーテルスルホン;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ノルボルネン樹脂などの環状オレフィン系樹脂;塩化ビニル樹脂、塩素化ビニル樹脂などのハロゲン含有樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド;セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース系樹脂;ポリアセタール系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルニトリル;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリオキシベンジレン;ポリアミドイミド;シリコーン樹脂などが挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。これらの樹脂の中では、耐候性を向上させ、コストを低減させる観点から、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、セルロース系樹脂およびフッ素樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂およびフッ素樹脂がより好ましい。樹脂系基材の厚さは、特に限定されないが、通常、10〜800μm程度であることが好ましい。
木質系基材としては、合板、MDF(中密度繊維板)、パーティクルボードなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
またこれら基材は、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理等の表面改質を必要に応じて行っても良い。
本発明の成膜方法としては、例えば基材上に組成物を塗工した後、必要に応じてプレ乾燥を行い、さらに必要に応じて熱乾燥(架橋)や活性エネルギー線照射により、硬化させる方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗工方法としては、既知の印刷あるいは塗工方法を用いることが可能であり、例えばグラビアコート法、グラビアオフセット法、キスコート法、ロッドコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、トップコート法、ダイコート法、ナイフコート法、リップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
プレ乾燥は、塗工膜に含まれる溶媒を抜くために使用される。乾燥のみで成膜する場合において、急激な乾燥は発泡の要因になり成膜不良を引き起こすため望ましくない。また、硬化や架橋を利用する場合においても、多量の溶媒が存在すると硬化や架橋を阻害することによる成膜不良を引き起こすため望ましくない。よって、本発明においてはプレ乾燥を行うことが好ましい。
プレ乾燥させる方法としては、真空乾燥機などを用いた減圧による真空乾燥、コンベクションオーブン(熱風乾燥器)、IRオーブン、ホットプレート等を使用したベークによる乾燥、またはその複合により実施することが可能である。
熱乾燥または熱架橋する場合は、プレ乾燥と同様の機器や設備を用いて、適切な温度・時間で実施することが可能である。
本発明の活性エネルギー線照射とは、熱または紫外線や可視光線、近赤外線等、電子線等である。活性エネルギー線の付与の光源としては、100nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源が好ましい。100nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源の例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、パルス発光キセノンランプ、重水素ランプ、蛍光灯、ND−YAG3倍波レーザー、HE−CDレーザー、窒素レーザー、XE−Clエキシマレーザー、XE−Fエキシマレーザー、半導体励起固体レーザー、365nm、375nm、385nmに発行波長を有するLEDランプ光源などの各種光源が挙げられる。なお本明細書において、紫外線や可視光、近赤外線等の定義は、久保亮五ら編「岩波理化学辞典第4版」(1987年、岩波)による。
本発明の樹脂組成物からなる層の乾燥・架橋・硬化後の膜厚としては、1〜200μmが好ましく、より好ましくは5〜100μmである。
本発明のシートは、さらに成型されても構わない。成型方法としては、真空成型、圧空成型、メンブレンプレス成型、インモールド成型、インサート成型、インサートモールド成型、オーバーレイ真空成型などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ表す。
なお、実施例中の樹脂固形分濃度、数平均分子量(Mn)の測定方法は次の通りである。
<数平均分子量(Mn)>
数平均分子量の測定は、東ソー社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)「GPC−8020」を用いた、カラムはSHODEX KF−806L 2本、KF−804L 1本、KF−802 1本を用い、溶媒はテトラヒドロフランを用いた。数平均分子量は標準ポリスチレン換算で行った。
<アクリルユニット(A)>
合成例1:化合物(A)−1
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、溶媒としてNメチルピロリドン65部、メタクリル酸メチル100部、システアミン0.5部を仕込み、窒素雰囲気下で75℃に昇温した。開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部、溶媒としてNメチルピロリドン25部を予め混合した溶液を5時間かけて滴下した。モノマーの添加率が98%以上になるまで行った後、室温まで冷却し、Nメチルピロリドンを加えることにより、固形分50%の樹脂(A)−1を得た。数平均分子量は16,000であった。
合成例2:化合物(A)−2
合成例1におけるメタクリル酸メチル100部をメタクリル酸ブチル100部に変更した以外は同様に合成することにより、固形分50%の樹脂(A)−2を得た。数平均分子量は16,500であった。
合成例3:化合物(A)−3
合成例1におけるメタクリル酸メチル100部をメタクリル酸ブチル100部に、システアミンの部を0.25に変更した以外は同様に合成することにより、固形分50%の樹脂(A)−3を得た。数平均分子量は32,000であった。
合成例4:化合物(A)−4
合成例1におけるメタクリル酸メチル100部を、メタクリル酸メチル80部とメタクリル酸20部に、システアミンの部を2に変更した以外は同様に合成することにより、固形分50%の樹脂(A)−4を得た。数平均分子量は4,100であった。
合成例5:化合物(A)−5
合成例1におけるメタクリル酸メチル100部を、メタクリル酸ブチル60部とスチレン40部に、システアミンの部を1に変更した以外は同様に合成することにより、固形分50%の樹脂(A)−5を得た。数平均分子量は7,900であった。
<ブロックポリマー(C)>
一般式(1)で表されるブロックポリマーである化合物(C)−1〜20を以下の方法で合成した。
実施例1:化合物(C)−1
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、溶媒としてNメチルピロリドン50部、カルボン酸二無水物としてピロメリット酸無水物78.2部を仕込み80℃に昇温した。化合物(A)−1溶液100.5部を3時間かけて滴下した。続いて1時間撹拌した後に、ジアミン化合物としてジアミノジフェニルエーテル71.8部を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌を実施した。IRによりアミック酸由来のピーク(1649、1557cm−1)を確認した。
反応容器の還流冷却器へディーンスターク管を取り付け、トルエン50部、トリエチルアミン5部を加え、150℃に昇温することにより脱水が確認された。理論収量と同量の水が出たことを確認し、さらにIRによりアミック酸由来のピークの消失を確認したことから終点と判断し、50℃まで放冷した。別の反応溶液にメタノール1000部を入れ撹拌しながら、反応液を滴下することにより、固体の析出を確認した。固体をろ別し、適当量のメタノールで振りかけ洗浄を行った後、80℃下真空オーブンで乾燥を実施することにより、ブロックポリマー(C)−1を得た。数平均分子量は40,000であった。ブロックポリマーであることは以下の(1)―(3)から判定した。
(1)GPCのRI検出器によるクロマトグラムにおいてアクリルユニット(A)由来のピーク(分子量16,000)が消失し、プロックポリマー(C)として単峰性のピークが確認された。(分子量39,000)
(2)GPCのUV検出器によるクロマトグラムにおいて、ブロックポリマー(C)が単峰性のピークを示した。アクリルにはUV吸収性がなく、ポリイミドにはUV吸収性があることから、アクリルとポリイミドが複合するとこのピークが確認される。また単峰性であることから目的の構造体が選択的に合成していることが確認された。
(3)GPCの測定溶液(THF)に一切の不溶物が見られなかった。ブロックポリマーが形成されていない場合、THFに不溶なポリイミド単体が生成するため不溶物として確認できる。
実施例2〜20:化合物(C)−2〜(C)−20
実施例1におけるアクリルユニット(A)、カルボン酸二無水物、ジアミン化合物を表1に示す種類・配合に変更した以外は同様に合成することにより、表1に示す数平均分子量を持つブロックポリマーである化合物(C)−2〜(C)−20を得た。
一般式(2)で表されるブロックポリマーである化合物(C)−21〜(C)−40を以下の方法で合成した。
実施例21:化合物(C)−21
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、溶媒としてNメチルピロリドン50部、カルボン酸二無水物としてピロメリット酸無水物10.0部を仕込み、30℃に昇温した。ジアミン化合物としてジアミノジフェニルエーテル7.5部を1時間かけて滴下した後、80℃へ昇温し2時間撹拌を実施した。IRによりアミック酸由来のピークを確認した。続いて、化合物(A)−1溶液511.9部を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌した。
反応容器の還流冷却器へディーンスターク管を取り付け、トルエン50部、トリエチルアミン5部を加え、150℃に昇温することにより脱水が確認された。理論収量と同量の水が出たことを確認し、さらにIRによりアミック酸由来のピークの消失を確認したことから終点と判断し、50℃まで放冷した。別の反応溶液にメタノール1000部を入れ撹拌しながら、反応液を滴下することにより、固体の析出を確認した。固体をろ別し、適当量のメタノールで振りかけ洗浄を行った後、80℃下真空オーブンで乾燥を実施することにより、ブロックポリマーである化合物(C)−21を得た。数平均分子量は33,000であった。ブロックポリマーであることは化合物(C)−1と同様にして結果から判断した。
実施例22〜40:化合物(C)−22〜(C)−40
実施例21におけるアクリルユニット(A)、カルボン酸二無水物、ジアミン化合物を表2に示す種類・配合に変更した以外は同様に合成することにより、表1に示す数平均分子量を持つブロックポリマーである化合物(C)−22〜(C)−40を得た。

比較例に用いる化合物(1)〜(2)については以下の方法で得た。
比較例1:化合物(1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、溶媒としてNメチルピロリドン50部、カルボン酸二無水物としてピロメリット酸無水物10.0部を仕込み、30℃に昇温した。ジアミン化合物としてジアミノジフェニルエーテル9.0部を1時間かけて滴下した後、80℃へ昇温し2時間撹拌を実施した。IRによりアミック酸由来のピークを確認した。
無水酢酸15部、トリエチルアミン5部を加えることにより、固体が析出してスラリー状になった。そのまま2時間撹拌を行った後に50℃まで放冷した。別の反応溶液にメタノール1000部を入れ撹拌しながら、反応液を滴下した後、固体の洗浄を行った。固体をろ別し、適当量のメタノールで振りかけ洗浄を行った後、80℃下真空オーブンで乾燥を実施することにより、ポリイミドである化合物(1)を得た。化合物(1)はテトラヒドロフランに対して不溶のため分子量を測定することはできなかった。
比較例2:化合物(2)
特開平03−167226号公報記載の方法を参考にして得た。
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、溶媒としてテトラヒドロフラン250部、トリスジメチルアミノスルホニウムビフルオライド0.04モルアセトニトリル溶液5mL、[(2−メチル−1−[2−(トリメチルシロキシ)エトキシ]−1−プロペニル)オキシ]トリメチルシラン2部を仕込み、反応温度が50℃を超えないようにしながら、メタクリル酸メチル67部を10分かけて滴下した。30℃以下に温度を保ちながら3時間撹拌を行った後、メタノール10部を添加することにより反応停止を行った。反応停止と同時に反応末端が水酸基が形成される。反応液をヘキサン1000部中へ滴下することにより再沈殿を行った。ろ過した後、適当量のヘキサンを用いて振りかけ洗浄を行い、80℃真空オーブンを用いて乾燥を行うことにより、ポリマー固体を得た。数平均分子量は12,000であった。
続いて、攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器にポリマー固体18.6部、テトラヒドロフラン200部を仕込み、窒素雰囲気下で0℃を保ちながら、無水トリメット酸クロリド4.3部、トリエチルアミン2.0部を加えることにより、白色固体の析出が確認された。ろ過により析出固体を除いた後、反応液をヘキサン1000部中へ滴下することにより再沈殿を行った。ろ過した後、適当量のヘキサンを用いて振りかけ洗浄を行い、80℃真空オーブンを用いて乾燥を行うことにより、末端に無水物構造を有するメタクリルポリマーを得た。数平均分子量は12,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、溶媒としてNメチルピロリドン40部、ジアミン化合物としてジアミノジフェニルエーテル1.3部を仕込み、30℃に昇温した。無水ピロメリット酸無水物1.1部を30分かけて徐々に加えた後、80℃へ昇温し2時間撹拌を実施した。IRによりアミック酸由来のピークを確認した。続いて、末端に無水物構造を有するメタクリルポリマー6.2部/NMP20部溶液を1時間かけて滴下した後、さらに2時間撹拌した。
無水酢酸3部、トリエチルアミン1部を加えることにより、固体が析出してスラリー状になった。そのまま2時間撹拌を行った後に50℃まで放冷した。別の反応溶液にメタノール1000部を入れ撹拌しながら、反応液を滴下した後、固体の洗浄を行った。固体をろ別し、適当量のメタノールで振りかけ洗浄を行った後、80℃下真空オーブンで乾燥を実施することにより、以下に示すブロックポリマーである化合物(2)を得た。アクリルとポリイミドの比は87:13であった。本発明のブロックポリマーとは連結基の構造が大きく異なり、ジエステル構造を有することが特徴である。化合物(2)は、テトラヒドロフランに対して不溶のため分子量を測定することはできなかった。
<溶解性試験>
ポリマー固体を5部に対して、表3に示す溶媒95部を加えた後、超音波処理を20分行った。以下の判断基準に基づき目視で溶解状態を確認した結果を表3に示す。

判定基準
〇:溶解
×:不溶

本発明のブロックポリマーは溶解性が非常に向上し、シクロヘキサノンのようなケトン系の溶剤やテトラヒドロフランのような比較的沸点の低い溶媒に溶解できることが明らかとなった。比較例1が示すように一般的なポリイミドは不溶性であるが、同じ部分骨格を持つ本発明のブロックポリマーにおいては溶解性が明らかに向上している。また、比較例(2)に使用したブロックポリマーにおいても化合物(1)と同様に不溶性であった。ゆえに本発明のブロックポリマーの連結基構造であることが、溶解性の向上に寄与していることが明らかとなった。
本発明のブロックポリマー(C)は、ケトン系の溶剤や沸点の低い溶剤に溶けるため、塗料やコーティング用途に展開することが可能である。
<樹脂組成物の調整>
化合物(C)−1〜(C)−40、比較として、化合物(A)−1〜(A)−4のポリマー固体15部に対して、テトラヒドロフラン85部を加え、60℃で溶解させた後、室温まで放冷を行うことにより樹脂組成物を得た。
化合物(1)および(2)は、いかなる汎用溶媒に不溶であるため、樹脂組成物を得ることが出来なかった。
<コーティング膜の調整>
得られた樹脂組成物をガラス基板上へ、バーコーターを用いて塗工した後、熱風乾燥器を用いて100℃、1分間乾燥させることにより膜厚10μmの塗工膜を得た。
比較例2は、イミド化前の反応溶液をガラス基板上へバーコーターを用いて塗工した後、熱風乾燥器を用いて150℃、1分間のプレ乾燥を行った後、無水酢酸とピリジンの体積比1:1 の混合溶媒中に15分程度浸漬した後、無水酢酸とピリジンとベンゼンの混合溶媒(1:1:8)で洗浄し200℃で1時間加熱乾燥することにより、イミド化した化合物(2)のコート膜を膜厚10μmの塗工膜を得た。
<耐熱性評価>
ガラス基材と塗工膜を合わせた重さを精密天秤を用いて計量した後、熱風乾燥器を用いて250℃、1ヶ月の間暴露を行った。室温まで放冷した後、再びガラス基材と塗工膜を合わせた重さの計量を行い、初期値を100とした場合の減少%を算出した。以下の判断基準に基づき確認した結果を表4に示す。

判断基準
〇:95%以上
×:94%以下

表4に示す通り、本発明のブロックポリマーである化合物(C)を含んでなる樹脂組成物を基材に塗工した膜は、耐熱性が非常に優れており、化合物の熱分解が抑制されていることが明らかである。比較例3〜6の結果が示すように、アクリルユニット単独では熱分解が起きるが、本発明のブロック構造をとることで化合物全体として耐熱性の向上が見られている。さらに、比較例2が示す本発明とは異なるブロックポリマーである化合物(2)は、明らかに耐熱性が劣る結果となった。これは、連結基に比較的弱い結合であるエステル結合を有するためと考えられる。よって本発明のブロックポリマー(C)の新規構造が、耐熱性などの物性面でも向上に寄与していることが明らかとなった。
<プラスチック基材の塗工性確認>
実施例1で使用した樹脂組成物、および比較例2で使用したイミド化前反応溶液を用いて、ポリカーボネート基材(厚み1mm:三菱ガス化学社製「ユーピロン・シートNF−2000)に、バーコーターを用いて塗工した後、熱風乾燥器を用いて100℃、1分間乾燥させることにより膜厚10μmの塗工膜を得た。
得られた塗工膜を熱風乾燥器を用いて80℃、24時間の静置を実施した後に塗膜外観を確認した結果を表5に示す。

判断基準
透明性
〇:変化なし
×:白化や気泡などが確認された

塗膜の形状変化
〇:変化なし
×:基材と共に反りや凸凹が発生


本発明のブロックポリマーである化合物(C)−1を用いた樹脂組成物をプラスチック基材に塗工膜した膜は、加温経時試験において特に変化は見られなかった。一方、比較例2の化合物を用いた樹脂組成物はプラスチック基材に塗工後、加温により塗膜の変化や基材の変形等が著しかった。これは、高沸点かつ高極性なジメチルアセトアミド溶媒を用いているため、膜中に溶媒が多量に残っていることが基材や塗工膜を浸食することが要因と考えられる。さらに本乾燥条件の温度ではイミド化されることはないため、イミド化するために200℃以上の高温を必要とする。しかしそのような条件ではポリイミド基材の著しい変形・収縮が起きる。よって化合物(2)をプラスチック上にコートされた塗工物を得ることは極めて難しい。
したがって、本発明のブロックポリマーである化合物(C)は、沸点の低い溶媒やケトン系の溶媒に溶解するため、基材を選ばす塗料やコーティング分野などにおいて展開可能な樹脂として機能することが明らかとなった。
さらに本発明のブロックポリマーである化合物(C)は、耐熱性に優れており、塗料やコーティング剤などの各種塗工膜に優れた耐久性を付与できることが明らかとなった。




















Claims (5)

  1. (メタ)アクリル共重合体ユニット(A)とポリイミドユニット(B)が連結された、下記一般式(1)または(2)で表されることを特徴とするブロックポリマー(C)。
    一般式(1)


    一般式(2)

    (式中、XおよびX’はそれぞれ独立に(メタ)アクリル酸エステルとラジカル共重合性単量体との共重合体を表す。R1およびR1’はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキレン基を表す。R2およびR2’はそれぞれ独立に4価の連結基を表す。R3は2価の連結基を表す。nは1以上の整数である。)
  2. XまたはX’が下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項1記載のブロックポリマー(C)。
    一般式(3)


    (式中、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子またはメチル基であり、R6およびR7は、いずれか一方が水素原子、他の一方がアリール基、または−C(=O)−R8であり、R8は水素原子、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、または置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基であり、mは2以上の整数である。)
  3. 請求項1または2記載のブロックポリマー(C)を含む樹脂組成物。
  4. 塗料またはコーティング用である、請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 基材上に、請求項3または4記載の樹脂組成物から形成された層を有するシート。





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