JPH08248423A - 液晶配向膜用材料 - Google Patents

液晶配向膜用材料

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JPH08248423A
JPH08248423A JP7052471A JP5247195A JPH08248423A JP H08248423 A JPH08248423 A JP H08248423A JP 7052471 A JP7052471 A JP 7052471A JP 5247195 A JP5247195 A JP 5247195A JP H08248423 A JPH08248423 A JP H08248423A
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JP
Japan
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polyimide
resin
segment
liquid crystal
acid
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JP7052471A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tokuda
博之 徳田
Atsushi Hosoda
篤 細田
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリイミド系樹脂(A)と(メタ)アクリロイ
ル基等のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体を構
成成分とする重合体(B)とを含む樹脂を必須の樹脂成
分として含有してなる液晶配向膜用材料に関する。 【効果】本発明の液晶配向膜用材料は、高温時でも高い
電圧保持率を有するため、安定で良好な表示が得られる
液晶表示素子を作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶配向膜用材料に関
するものであり、更に詳しくは高温での駆動時において
も良好な電圧保持特性の得られる液晶配向膜用材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子とは液晶の電気光学的変化
を利用した表示素子をいい、例えば電卓、電子時計、パ
ソコン、テレビなどの各分野に利用されている。
【0003】現在、ツイステッドネマティック型および
スーパーツイステッドネマティック型などの液晶表示素
子が知られているが、これら液晶表示素子においては、
用いる液晶分子の長軸を一定方向に配向させることが重
要である。
【0004】一般的には、この液晶分子の配向性制御の
ために、配向性、化学的安定性などの点に優れるポリイ
ミド薄膜、特にラビングされたポリイミド薄膜が液晶配
向膜として使用されている。この目的のために使用され
るポリイミドは、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸
一無水物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン
酸モノエステル、テトラカルボン酸ジエステル、テトラ
カルボン酸トリエステル、テトラカルボン酸テトラエス
テルの如きテトラカルボン酸類とジアミン化合物とを反
応させ合成される。
【0005】液晶配向膜であるポリイミド薄膜を液晶表
示素子用の電極基板上に形成させる方法としては、まず
目的とするポリイミドの前駆体であるポリアミック酸ま
たはポリアミック酸エステルの状態とし、このポリアミ
ック酸またはポリアミック酸エステルの溶液を基板に塗
布し、その後200〜350℃に加熱することにより有
機溶媒を揮発させるとともにポリアミック酸またはポリ
アミック酸エステルを脱水閉環させてイミド化反応を生
起させる方法、耐熱性に優れ有機溶剤に可溶なポリイミ
ドを得た後、これを適する溶媒に溶かした溶液を基板に
塗布し、その後加熱することにより有機溶媒を揮発させ
薄膜を形成させる方法などが知られている。
【0006】近年、今後のLCDパネルの主流となると
期待されているアクティブマトリクス型液晶表示素子
(以下、これをAM−LCDと略す)が開発され、画像
が鮮明で動きの速い動画表示も可能となってきた。しか
しAM−LCDでは各画素に印加されたされた電圧がフ
レーム周期の間保持されないと表示品位が著しく低下す
る。従って、この特性を表す電圧保持率は液晶配向膜材
料として重要な特性である。
【0007】電極間の大部分が液晶で占められている液
晶表示素子において、この電圧保持率に影響を与える最
も大きな要素は液晶材料の分子構造や純度などである
が、液晶配向膜も大きな影響を与えることが知られてお
り、一般的には上記後者の方法による液晶配向膜材料の
方が上記前者の方法による液晶配向膜材料に比べ高い電
圧保持率を示す。
【0008】しかしながら、これらの液晶配向膜材料で
は液晶表示素子の温度の上昇とともに電圧保持率が低下
するという問題があった。これらの問題に対して、例え
ば特開平2−287324号公報および特開平5−34
1291号公報に記載されているように、特異な構造を
有するテトラカルボン酸無水物あるいはジアミン化合物
を原料に用いたポリイミド樹脂を液晶配向膜用材料とし
て用いることによって優れた電圧保持特性を得る方法が
提案されている。
【0009】しかしながら、特殊な構造を有する化合物
を原料として用いなければならないため、テトラカルボ
ン酸類およびジアミン化合物の組み合わせに制限を受
け、目的とする液晶配向膜特性を得られない場合があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした技
術的背景に立脚しつつ、特殊な構造を有するテトラカル
ボン酸類あるいはジアミン化合物を原料として用いるこ
となく合成することができ、しかも高温時でも高い電圧
保持率が得られる液晶配向膜用材料を提供することを目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで発明者らは、上述
した如き従来技術における欠点の存在という現状に鑑み
て創意検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至っ
た。
【0012】すなわち本発明は、ポリイミド系樹脂
(A)とエチレン性不飽和二重結合を有する単量体を構
成成分とする重合体(B)とを含む樹脂を必須の樹脂成
分として含有してなる液晶配向膜用材料、好ましくはエ
チレン性不飽和二重結合を有する単量体が、(メタ)ア
クリロイル基を有する単量体であることを特徴とする液
晶配向膜材料に関する。
【0013】本発明の液晶配向膜材料は、ポリイミド系
樹脂(A)及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量
体を構成成分とする重合体(B)とを含む樹脂を必須の
樹脂成分として含有している。
【0014】この必須の樹脂成分を、以下本発明の共重
合樹脂と略す。またこの必須の樹脂成分を構成する異な
った二種類の樹脂セグメント(A)及び(B)を、以下
それぞれ本発明のポリイミドセグメント及び本発明のビ
ニル重合体セグメントと略す。
【0015】ここで本発明においてポリイミド系樹脂と
は、ポリイミド及びその前駆体を総称するものとする。
すなわち完全にイミド化された樹脂の他にその前駆体の
ポリアミック酸及びポリアミック酸が部分的にイミド化
されたものを含む。
【0016】本発明の共重合樹脂を構成する異なった二
種類の樹脂セグメントの一方が、本発明のポリイミドセ
グメントである。このポリイミドセグメントの合成は方
法論的には特別な点はなく、例えばテトラカルボン酸類
とジアミン化合物とを、有機溶媒を用い目的とするポリ
イミド組成となる割合にて配合しポリアミック酸を経由
して目的とするポリイミドを合成する方法のような公知
のポリイミド合成方法を用いることができる。またこの
本発明のポリイミドセグメントとして入手可能な工業製
品ポリイミド系樹脂類などが使用できる。
【0017】本発明のポリイミドセグメントを得るため
に用いられるテトラカルボン酸類としては特に限定され
るものではないが、例えば、ピロメリット酸、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6
−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフ
タレンテトラカルボン酸、2,3,6,7ーアントラセ
ンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテ
トラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカ
ルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エー
テル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラ
ン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,
6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、
エチレングリコールビス(トリメリット酸)、1,3−
プロパンジオールビス(トリメリット酸)、1,4−ブ
タンジオールビス(トリメリット酸)、1,5−ペンタ
ンジオールビス(トリメリット酸)、1,6−ヘキサン
ジオールビス(トリメリット酸)、1,8−オクタンジ
オールビス(トリメリット酸)、1,10−デカンジオ
ールビス(トリメリット酸)、1,16−ヘキサデカン
ジオールビス(トリメリット酸)などの如き芳香族テト
ラカルボン酸およびこれらの一無水物、二無水物、モノ
アルキルエステル、ジアルキルエステル、トリアルキル
エステル、テトラアルキルエステル;5−(2,5−ジ
オキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3
−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ
[2,2,1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカル
ボン酸、1−アルキル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−
シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シ
クロヘキサンテトラカルボン酸、2,3,5−トリカル
ボキシシクロペンチル酢酸、3,4−ジカルボキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク
酸、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸、3,5,6−トリカル
ボキシノルボルナン−2−酢酸、デカヒドロナフタレン
−1,4,5,8−テトラカルボン酸、4,8−ジメチ
ル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン
−1,2,5,6−テトラカルボン酸、3,3’−ビシ
クロヘキシル−1,1’,2,2’−テトラカルボン酸
などの如き脂環式テトラカルボン酸およびこれらの一無
水物、二無水物、モノアルキルエステル、ジアルキルエ
ステル、トリアルキルエステル、テトラアルキルエステ
ル;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、2,
2,6,6−ヘプタンテトラカルボン酸などの如き脂環
式テトラカルボン酸およびこれらの一無水物、二無水
物、モノアルキルエステル、ジアルキルエステル、トリ
アルキルエステル、テトラアルキルエステルが挙げられ
る。これら上述のテトラカルボン酸類は、単独使用でも
2種類以上の併用でよいことは勿論のことである。この
中でも上記の如き脂環族構造または脂肪族構造を有する
テトラカルボン酸類が好ましく、これらの脂環族構造ま
たは脂肪族構造を有するテトラカルボン酸類のうちで
も、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニ
ル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸類、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸類、1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸類、2,3,5−トリカル
ボキシシクロペンチル酢酸類がより好ましい。
【0018】本発明のポリイミドセグメントを得るため
に用いられるジアミン化合物としては特に限定されるも
のではないが、例えば、o−、m−およびp−フェニレ
ンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジア
ミノ−2−メトキシベンゼン、2,5−ジアミノキシレ
ン、1,3−ジアミノ−4−クロロベンゼン、1,4−
ジアミノ−3−クロロベンゼン、1,4−ジアミノ−
2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジアミノ−2−ブ
ロモベンゼン、1,3−ジアミノ−4−イソプロピルベ
ンゼン、1,4−ジアミノ−2−クロロ−5−メチルベ
ンゼン、5−ニトロ−m−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,
5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニ
ルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエ
チルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’
−ジメチル−5,5’−ジエチルジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノ−2,2’,3,3’−テトラクロ
ロジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−
ジクロロジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニル−2,2−
プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルエーテ
ル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジ
アミノビフェニル、3,3’,5,5’−テトラエチル
−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキ
シ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,5,
5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、
2,2’−ジクロロ−4,4−ジアミノ−5,5’−ジ
メトキシビフェニル、ベンチジン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、4,4−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニ
ル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1
−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼ
ン、トリメチレングリコール−ビス−(4−アミノベン
ゾエート)、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)
エタン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、9,10
−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、9,9−
ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、
o−トリジンスルホン、2,2’−ジアミノスチルベ
ン、4,4’−ジアミノスチルベン、3,3’−ジアミ
ノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,5−ジア
ミノナフタレン、3,4’−ジアミノベンズアニリドの
如き芳香族ジアミン化合物;4,4’−ジアミノジフェ
ニルヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフ
ェニルヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン、4,4’−ビス−2−(4−アミノフェノキシ
フェニルヘキサフルオロイソプロピル)ジフェニルエー
テル、2,2−ビス−(3−アミノ−4,5−ジメチル
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−トリフ
ルオロジメチル−4,4’−ジアミノビフェニルの如き
フッ素含有ジアミン化合物;1,4−ジアミノシクロヘ
キサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−
ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、1,3
−ジアミノメチルベンゼン、1,4−ジアミノメチルベ
ンゼン、1,3−ジアミノメチルシクロヘキサン、1,
4−ジアミノメチルシクロヘキサン、1,3−プロパン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジア
ミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、4,4’−ジメチルヘプタメチレンジアミン、イソ
ホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレ
ンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレ
ンジメチレンジアミン、3(4),8(9)−ビス(ア
ミノエチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン
の如き脂肪族または脂環族ジアミン化合物;一般式
(V)
【0019】
【化5】
【0020】(式中、R”はメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基の如きアルキル基;シクロヘキシル基
の如きシクロアルキル基;フェニル基の如き芳香族基ま
たはアルケニル基を表し、mは1〜4の整数、nは1〜
20の整数を表す)で表されるジアミノオルガノシロキ
サン化合物;および一般式(VI)
【0021】
【化6】
【0022】(式中、R”は前記と同じ、nは1〜20
の整数を表す)で表されるジアミノオルガノシロキサン
化合物などが挙げられる。これら上述したジアミン化合
物は、単独使用でも2種類以上の併用でよいことは勿論
のことである。
【0023】本発明に用いるテトラカルボン酸類とジア
ミン化合物の使用割合は、テトラカルボン酸類の量に対
してジアミン化合物の量が50〜200モル%好ましく
は80〜120モル%である。50モル%以下あるいは
200モル%以上使用した場合、得られるポリイミドの
分子量が低く、薄膜化が困難となる。
【0024】本発明のポリイミドセグメントを合成する
際に用いることのできる有機溶媒としては、特に制限は
なく、例えば1−メチル−2−ピロリドン、1−アセチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチ
ロラクトン、テトラメチル尿素、ジメチルスルホン、ヘ
キサメチルホスホルアミド、N−メチル−ε−カプロラ
クタムの如き非プロトン性極性溶媒;m−クレゾール、
キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールの如
きフェノール系溶媒などが挙げられる。
【0025】本発明のポリイミドセグメントを合成する
際の有機溶媒に対する固形分濃度には特に制限はなく、
通常は0.1〜40重量%、好ましくは1〜35重量%
である。
【0026】本発明のポリイミドセグメントを合成する
際には、反応触媒として、例えばトリエチルアミン、ピ
リジン、ルチジンの如き塩基性化合物;無水酢酸、無水
プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸の如き脱水剤を用
いることができる。またベンゼン、トルエン、キシレン
などを適量加え、脱水閉環反応により生じる水を共沸に
て反応系から除去し脱水閉環反応を促進することもでき
る。
【0027】本発明のポリイミドセグメントは、上述し
たテトラカルボン酸類とジアミン化合物から合成され
る。その際、その前駆体としてポリアミック酸を経由す
るが、ポリイミドの溶解性あるいは塗布する基板への密
着性を調製するなどの目的のためにポリアミック酸から
のイミド変換率を100%未満とすることができる。
【0028】本発明のポリイミドセグメントにおいて、
関係式ηinh=(lnηrel)/cで表される対数粘度
(式中、ηrelは相対粘度を、cは濃度を表す)は通
常、1−メチル−2−ピロリドン中、30℃、c=0.
5g/dlの条件において0.05〜5dl/g、好ま
しくは0.05〜3dl/gである。
【0029】本発明の共重合樹脂を構成する異なった二
種類の樹脂セグメントのもう一方が、本発明のビニル重
合体セグメントである。本発明のビニル重合体セグメン
ト中の高分子鎖は、単独重合体、ランダム共重合体、交
互共重合体、ブロック共重合体あるいはグラフト共重合
体のいずれでも良い。
【0030】この本発明のビニル重合体セグメントの合
成においては方法論的には特別な点はなく、ありふれた
公知の方法で合成できる化合物や、入手可能な工業製品
類などが使用でき、公知の単量体のラジカル、カチオ
ン、アニオン単独重合、共重合、ブロック共重合により
合成できる。勿論、重合手段は熱重合、光重合のいずれ
でもよい。
【0031】本発明のビニル重合体セグメント中の高分
子鎖として用いることのできる単独重合体、ランダム共
重合体、交互共重合体、ブロック共重合体あるいはグラ
フト共重合体としては特に限定されるものではないが、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸
ビニル共重合体、エチレンプロピレン共重合体、ポリブ
チレン−1、ポリイソブチレンもしくはポリ4−メチル
ペンテン−1の如きポリオレフィン類;ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ブタジエンイソプレン共重合体、
スチレンブタジエン共重合体、スチレンブタジエンスチ
レンブロック共重合体もしくはスチレンイソプレンスチ
レンブロック共重合体の如きポリジエン類、ケイ素を含
有する(メタ)アクリロイルオキシ型マクロモノマーを
用いたグラフト共重合体などが挙げられる。
【0032】更に、例えば(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ
ル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アク
リル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブ
トキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸ベンジルもしくはケイ素を含有する
(メタ)アクリロイルオキシ型マクロモノマーの如き各
種(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチ
レンもしくはp−メチルスチレンの如き各種の芳香族ビ
ニル単量体類;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、
ビニルピロリドンもしくはビニルカルバゾールの如き含
複素環ビニル単量体;(メタ)アクリルアミドもしくは
N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドの如き各種
のアミド結合含有ビニル単量体類;(メタ)アクリロニ
トリル、酢酸ビニルなど、あるいは(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコ
ン酸の如きカルボキシル基含有ビニル単量体類;グリシ
ジル(メタ)アクリレートもしくはβ−メチルグリシジ
ル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基含有ビニル単
量体類;マレイン酸もしくはフマル酸などの不飽和ジカ
ルボン酸と炭素数が1から7の1価アルコールとのジエ
ステル類の如きビニル単量体などの単量体を重合させて
なる単独重合体もしくは共重合体も挙げられる。
【0033】これらの中でもエチレン性不飽和二重結合
を有する単量体が、(メタ)アクリロイル基を有する単
量体が好まししい。(メタ)アクリロイル基を有する単
量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アク
リル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブ
トキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルもし
くは(メタ)アクリル酸ベンジルの如き各種(メタ)ア
クリレート類;(メタ)アクリルアミドもしくはN−メ
トキシメチル(メタ)アクリルアミドの如き各種のアミ
ド結合含有ビニル単量体類;(メタ)アクリロニトリ
ル;ケイ素を含有する(メタ)アクリロイルオキシ型マ
クロモノマーの如き単量体が挙げられる。本発明のエチ
レン性不飽和二重結合を有する単量体を構成成分とする
重合体としては、上記の単量体を重合させてなる単独重
合体もしくは共重合体が挙げられる。
【0034】本発明のビニル重合体セグメント中の高分
子鎖の数平均分子量は特に制限されないが、200から
50万、好ましくは400から20万である。また本発
明のビニル重合体セグメント中の高分子鎖の多分散度
(Mw/Mn)は、ほぼあるいは丁度1から10の間で
分子量分布のピークが1ピークあるいは2ピーク以上の
分散物、好ましくは多分散度が1から6であり1ピーク
の分子量分布である。しかし特殊な性質を発現させるた
めに、2ピークあるいはそれ以上のピークの分子量分布
を持った高分子鎖を応用することもできる。
【0035】本発明の共重合樹脂は、上述した本発明の
ポリイミドセグメント及び本発明のビニル重合体セグメ
ントをその樹脂構造の中に含んでいる。この本発明の共
重合樹脂の合成においては方法論的には特別な点はな
く、ありふれた公知の方法により合成できる。
【0036】例えば、本発明のビニル重合体セグメント
の高分子鎖に本発明のポリイミドセグメントと反応でき
る官能基を1個または2個以上結合させ、次いで本発明
のポリイミドセグメントと反応させてもよい。
【0037】本発明のポリイミドセグメントと反応でき
る官能基の例としては、ヒドロキシ基、カルボキシル
基、クロロフォルミル基、アミノ基、イソシアナート
基、酸無水物構造を含む官能基などが挙げられる。これ
らの官能基を有する重合体の合成においては方法論的に
は特別な点はなく、ありふれた公知の方法により合成で
きる。例えば官能基を有する単量体の共重合、官能基を
有するラジカル連鎖移動剤を用いた連鎖移動重合や官能
基を有するラジカル重合開始剤を用いた重合による分子
鎖末端への官能基の導入、官能基を有するアニオン重合
開始剤を用いた重合や官能基を有する停止剤でアニオン
重合成長末端をエンドキャップすることによる分子鎖末
端への官能基の導入などが挙げられる。
【0038】また本発明の共重合樹脂の合成において、
ポリイミド系樹脂の高分子鎖中に重合を開始できる官能
基を導入し、次いでその存在下に、エチレン性不飽和二
重結合を有する単量体を重合させることにより合成して
もよい。
【0039】このポリイミド系樹脂の高分子鎖中に導入
する重合を開始できる官能基の例としては、ペルオキシ
基、アゾ基などの熱重合開始基;アセトフェノン誘導体
に代表される分子内結合開裂型光重合開始基、ベンゾフ
ェノン誘導体やベンゾイン誘導体に代表される分子間水
素引き抜き型光重合開始基などの光重合開始基などが挙
げられる。
【0040】本発明の共重合樹脂は、上述した方法によ
る合成反応の後、反応物より公知の技術によって分離す
ることができる。例えば、沈澱法、蒸発法、抽出、浸
積、クロマトグラフなどを用いることができる。特に、
未反応のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体や本
発明のポリイミドセグメントと反応しなかったエチレン
性不飽和二重結合を有する単量体を構成成分とする重合
体などが反応系に残っている場合、本発明の共重合樹脂
を溶解せずその他の未反応物のみを溶解させる適当な溶
媒を用いて再沈精製を行うことができる。本発明の共重
合樹脂が未反応物を含まない場合は、当然ながらこの行
程は省略することができる。
【0041】本発明の共重合樹脂を構成する異なった二
種類の樹脂セグメントの比率には特に制限はないが、両
方の合計量に対し本発明のポリイミドセグメントが50
〜99.9重量%が好ましく、60〜99重量%がさら
に好ましい。本発明のポリイミドセグメントが99.9
重量%以上の場合、得られる電圧保持率が高温において
若干不十分となる。また本発明のポリイミドセグメント
が50重量%以下の場合、得られる高温時の電圧保持率
は良いもののガラス転移点が低下するため、液晶表示素
子作製時に必要とされる塗膜物性が若干不十分となる。
【0042】本発明の共重合樹脂は、本発明のポリイミ
ドセグメントと同じ構造を有するポリイミド系樹脂また
は本発明の共重合樹脂と相溶性のある他の構造を有する
ポリイミド系樹脂と混合し用いることができる。
【0043】本発明の液晶配向膜用材料は薄膜化するた
め、通常、本発明の共重合樹脂を有機溶媒を用いて溶解
させた固形分濃度0.1〜30重量%、好ましくは0.
5〜20重量%の溶液として調製される。この調製用の
溶媒としては、前述した本発明のポリイミドセグメント
を合成する際に使用した有機溶媒、アルコール類、ケト
ン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素
類、炭化水素類などの有機溶媒の内、本発明の共重合樹
脂を目的とする濃度にて析出させない範囲で単一、また
は2種類以上の混合溶媒が用いられる。
【0044】本発明による液晶配向膜用材料の利点は、
第一に高温時でも高い電圧保持特性を有すること、第二
にテトラカルボン酸類およびジアミン化合物の組み合わ
せに制限を受けることなく目的とする特性を有する液晶
配向膜得ることができることなどである。
【0045】
【実施例】次に、本発明をより詳細に説明するために合
成例、実施例、比較例および応用例を挙げる。
【0046】合成例1(片末端にアミノ基を有するポリ
メタクリル酸メチルの合成) メタクリル酸メチルエステル(以下、MMAと略す)1
00g、システアミン塩酸塩22.7g及びアゾビスイ
ソブチロニトリル(以下、AIBNと略す)1.5gを
ジメチルホルムアミド290gに溶解し、窒素を流通し
ながら85℃で3時間反応させた。この反応溶液をヘキ
サンに注いで沈澱させ、クロロホルム/ヘキサン及びア
セトン/水にて再沈精製を行い、白色粉末35gを得
た。
【0047】1H−NMRにより分析した結果、このも
のは片末端にアミノ基を有するポリMMAであることが
確認された。この重合体を以下、重合体(X)と略す。
【0048】合成例2(片末端にアミノ基を有するメタ
クリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体の合成) 単量体として、MMA75gとアクリル酸エチルエステ
ル(以下、EAと略す)24.8gを用いて合成例1の
実験を繰り返して、片末端にアミノ基を有し、MMA7
5モル%、EA25モル%からなる共重合体を得た。こ
の重合体を以下、重合体(Y)と略す。
【0049】実施例1 5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)
−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸二無水物(大日本インキ化学製、商品名エピクロン
B−4400。以下、MCTCと略す)2.1g、重合
体(X)2.06g及びピリジン0.1gとをN−メチ
ルピロリドン(以下、NMPと略す)10gに溶解し、
窒素を流通しながら50℃で反応させ、片末端に酸無水
物基を有するポリMMA溶液を得た。次にジアミノジフ
ェニルメタン(以下、DDMと略す)7.93g、をN
MP96.5gに溶解し、MCTC8.68gを窒素を
流通しながら少量づつ添加し室温で5時間反応させた
後、前記のポリMMA溶液を全量添加して更に12時間
反応させ、ポリMMAセグメントを含むポリアミック酸
の溶液を得た。次に無水酢酸16.3gとピリジン1
6.3gの混合溶液を添加し、50℃で3時間反応して
イミド化を完結させた。この反応液をメタノールに注
ぎ、析出した固形分を乾燥し、ポリMMAセグメントを
10重量%含むポリイミド−ポリMMA共重合体を得
た。この共重合体をγ−ブチロラクトンに溶解し固形分
4重量%の溶液を調製した後、1μmのメンブレンフィ
ルターで濾過し液晶配向膜評価用試料とした。
【0050】実施例2 重合体(X)の量を4.32gに増加した以外は実施例
1と同様の実験を繰り返し、ポリMMAセグメントを2
0重量%含むポリイミド−ポリMMA共重合体を得た。
次いで実施例1と同様にして液晶配向膜評価用試料を調
製した。
【0051】実施例3 実施例1で合成したポリMMAセグメントを含むポリア
ミック酸の溶液をイミド化を行うことなく、そのままメ
タノールに注ぎ再沈精製し、乾燥してポリMMAセグメ
ントを含むポリアミック酸を得た。このポリマーをγブ
チロラクトンに濃度4重量%に溶解し、1μmのメンブ
レンフィルターで濾過して液晶配向膜用試料を調製し
た。
【0052】実施例4 実施例1と同様にして、DDM7.93gとMCTC1
0.78gをNMP94gを溶媒としポリアミック酸を
合成した後、重合体(X)2.06gを添加し、室温で
12時間反応を継続した。引き続き、実施例1と同様に
してイミド化反応を行い、ポリMMAセグメントを10
重量%含むポリイミド−ポリMMA共重合体を得た。次
いで実施例1と同様にして液晶配向膜評価用試料を調製
した。
【0053】実施例5 重合体(X)の代わりに重合体(Y)2.06gを用い
た以外は実施例1の実験を繰り返しMMA−EA共重合
体(MMAモル75%、EA25モル%)セグメントを
10重量%含むポリイミド−ポリ(MMA/EA)共重
合体を得た。次いで実施例1と同様にして液晶配向膜評
価用試料を調製した。
【0054】実施例6 MCTC2.1g、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロ
キシメチル)プロピオニトリル](和光純薬工業製、商
品名VF−077)0.31g及びピリジン0.1gと
を1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す)
10gに溶解し、窒素を流通しながら40℃で反応させ
アゾ開始剤溶液を得た。次にジアミノジフェニルメタン
(以下、DDMと略す)7.93g、をNMP96.5
gに溶解し、MCTC8.68gを窒素を流通しながら
少量づつ添加し室温で5時間反応させた後、前記のアゾ
開始剤溶液を全量添加して更に12時間反応させ、ポリ
MMAセグメントを含むポリアミック酸の溶液を得た。
次に無水酢酸16.3gとピリジン16.3gの混合溶
液を添加し、50℃で3時間反応してイミド化を完結さ
せた。続いてこれにMMA8.02gを添加し80℃で
5時間重合させた。この反応液をメタノールに注ぎ、析
出した固形分を乾燥し、ポリMMAセグメントを10重
量%含むポリイミド−ポリMMA共重合体を得た。次い
で実施例1と同様にして液晶配向膜評価用試料を調製し
た。
【0055】実施例7 ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3,5,6−テ
トラカルボン酸二無水物(以下、BHTCAと略す)
1.9gと重合体(X)1.96gをNMPを溶媒とし
窒素を流通しながら50℃で反応させ、片末端に酸無水
物基を有するポリMMA溶液を得た。次にDDM7.9
3gをNMP94gに溶解し、BHTCA7.7gを窒
素を流通しながら少量づつ添加し室温で5時間反応した
後、前記のポリMMA溶液を全量添加して12時間反応
し、ポリMMAセグメントを含むポリアミック酸の溶液
を得た。この反応液を実施例1と同様にして無水酢酸と
ピリジンの混合液で脱水イミド化しメタノールで再沈精
製し、γ−ブチロラクトンに溶解し、1μmのメンブレ
ンフィルターで濾過して液晶配向膜評価用試料を調製し
た。
【0056】実施例8 BHTCA1.9gと重合体(X)1.96gをNMP
を溶媒とし窒素を流通しながら50℃で反応させ、片末
端に酸無水物基を有するポリMMA溶液を得た。次にD
DE8.01gをNMP94gに溶解し、BHTCA
7.7gを窒素を流通しながら少量づつ添加し室温で5
時間反応した後、前記のポリMMA溶液を全量添加して
12時間反応し、ポリMMAセグメントを含むポリアミ
ック酸の溶液を得た。この反応液を実施例1と同様にし
て無水酢酸とピリジンの混合液で脱水イミド化しメタノ
ールで再沈精製し、γ−ブチロラクトンに溶解し、1μ
mのメンブレンフィルターで濾過して液晶配向膜評価用
試料を調製した。
【0057】実施例9 1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物(以下、CBDAと略す)1.50gと重合体(X)
1.3gとピリジン0.1gをNMP10gを溶媒とし
窒素を流通しながら50℃で反応させ、片末端に酸無水
物基を有するポリMMA溶液を得た。
【0058】次に2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニルプロパン(以下、BAPと略す)1
6.42gをNMP96.5gに溶解し窒素を通じなが
らCBDA6.50gを少量づつ添加し室温で5時間反
応した後、前記のポリMMA溶液を全量添加して12時
間反応し、ポリMMAセグメントを含むポリアミック酸
の溶液を得た。この溶液をNMPで固形分濃度4%に希
釈し、1μmのメンブレンフィルターで濾過し、液晶配
向膜評価用試料とした。
【0059】実施例10 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水
物(以下、TCAと略す)1.81gと重合体(X)
1.96gをNMPを溶媒とし窒素を流通しながら50
℃で反応させ、片末端に酸無水物基を有するポリMMA
溶液を得た。次にDDM7.93gをNMP94gに溶
解し、TCA7.33gを窒素を流通しながら少量づつ
添加し室温で5時間反応した後、前記のポリMMA溶液
を全量添加して12時間反応し、ポリMMAセグメント
を含むポリアミック酸の溶液を得た。この反応液を実施
例1と同様にして無水酢酸とピリジンの混合液で脱水イ
ミド化しメタノールで再沈精製し、γ−ブチロラクトン
に溶解し、1μmのメンブレンフィルターで濾過して液
晶配向膜評価用試料を調製した。
【0060】実施例11 DDM7.93gをNMP94gに溶解し、MCTC1
0.67gを窒素を流通しながら少量づつ添加し室温で
5時間反応させ、ポリアミック酸を合成した。次に無水
酢酸16.3gとピリジン16.3gの混合液を添加
し、50℃で3時間反応させイミド化を完結させた。反
応液をメタノールに注ぎ、析出した固形分を乾燥し、D
DMとMCTCとを構成成分とするポリイミドを得た。
【0061】これに、実施例2で合成したポリMMAセ
グメントを20重量%含むポリイミド−ポリMMA共重
合体を25重量%添加した後、このポリマー混合物をγ
ブチロラクトンに濃度4重量%に溶解し、1μmのメン
ブレンフィルターで濾過して液晶配向膜用試料を調製し
た。
【0062】比較例1 実施例10で合成したDDMとMCTCとを構成成分と
するポリイミドを用いて、実施例1と同様にして液晶配
向膜評価用試料を調製した。
【0063】比較例2 DDMの代わりにDDE8.01gを、またMCTCの
代わりにBHTCA9.45gを用いた以外は比較例1
と同様にして、BHTCAとDDEとを構成成分とする
ポリイミドを得た。次いで実施例1と同様にして液晶配
向膜評価用試料を調製した。
【0064】比較例3 BPAの16.41gをNMP94gに溶解し窒素を流
通しながらCBDA7.84gを少量づつ添加し5時間
反応させ、ポリアミック酸を合成した。この反応液をN
MPで固形分濃度4%に希釈し1μmのメンブレンフィ
ルターで濾過し液晶配向膜評価用試料とした。
【0065】比較例4 MCTCの代わりにTCA9.08gを用いた以外は比
較例1と同様にして、TCAとDDMとを構成成分とす
るポリイミドを得た。次いで実施例1と同様にして液晶
配向膜評価用試料を調製した。
【0066】応用例 実施例及び比較例で調製したポリイミド溶液及びポリア
ミック酸溶液を液晶配向膜用材料として用いて、プレチ
ルト角および電圧保持率の測定を行った。この測定に用
いるガラス基板の作製に際し、ポリイミド溶液の場合は
ITO透明電極付きのガラス基板にスピンナーを用いて
スピンコートした後180℃にて1時間乾燥させた。ま
たポリアミック酸溶液の場合は、同様にスピンコートし
た後80℃にて5分さらに180℃にて1時間熱処理を
施し、ポリイミド塗膜を形成させた。
【0067】電圧保持率は、セルギャップ5μmのTN
セルを作製してこれにTFT用液晶「RDP−4021
0」(ロディック社製)を注入し、フレーム周期16ミ
リ秒、パルス幅64マイクロ秒、印加電圧4.5Vの条
件下で、23℃及び70℃の高温槽中にて測定した。
【0068】結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明の液晶配向膜用材料は、高温時で
も高い電圧保持率を有するため、安定で良好な表示が得
られる液晶表示素子を作製することができる。また本発
明の液晶配向膜用材料は、特殊な構造を有するテトラカ
ルボン酸類あるいはジアミン化合物を原料として用いる
ことなく合成することができるため、テトラカルボン酸
類およびジアミン化合物の組み合わせに制限を受けるこ
となく、目的とする特性を有する液晶配向膜を得ること
ができるという顕著な効果を有する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミド系樹脂(A)とエチレン性不飽
    和二重結合を有する単量体を構成成分とする重合体
    (B)とを含む樹脂を必須の樹脂成分として含有してな
    る液晶配向膜用材料。
  2. 【請求項2】エチレン性不飽和二重結合を有する単量体
    が、(メタ)アクリロイル基を有する単量体であること
    を特徴とする請求項1記載の材料。
  3. 【請求項3】ポリイミド系樹脂(A)が、分子中に脂肪
    族構造及び/または脂環族構造を有することを特徴とす
    る請求項1または2記載の材料。
  4. 【請求項4】ポリイミド系樹脂(A)が、分子中に下記
    一般式(I)で表される構造単位を有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項記載の材料。 【化1】 (式中、Rは2価の有機基を表す)
  5. 【請求項5】ポリイミド系樹脂(A)が、分子中に下記
    一般式(II)で表される構造単位を有することを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項記載の材料。 【化2】 (式中、Rは2価の有機基を表し、R’は水素原子また
    は低級アルキル基を表す)
  6. 【請求項6】ポリイミド系樹脂(A)が、分子中に下記
    一般式(III)で表わされる構造単位を有することを特
    徴する請求項1〜5のいずれか1項記載の材料。 【化3】 (式中、Rは2価の有機基を表す)
  7. 【請求項7】ポリイミド系樹脂(A)が、分子中に下記
    一般式(IV)で表わされる構造単位を有することを特徴
    する請求項1〜6のいずれか1項記載の材料。 【化4】 (式中、Rは2価の有機基を表す)
  8. 【請求項8】ポリイミド系樹脂(A)とエチレン性不飽
    和二重結合を有する単量体を構成成分とする重合体
    (B)との重量比が、(A)/(B)=99.9/0.
    1〜50/50であることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれか1項記載の材料。
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