JP2020051003A - 銀付人工皮革およびその製造方法 - Google Patents

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卓也 芝野
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Akihiro Tanabe
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Abstract

【課題】本発明の目的は、極細繊維の先端がハンマーヘッド形状を有していることで、アンカー効果により樹脂層と基材層との剥離強力が優れた銀付人工皮革およびその製造方法を提供することにある。【解決手段】平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維と弾性体ポリマーから構成される基材層と、前記基材層上に形成された樹脂層と、からなる銀付人工皮革であって、前記基材層は、前記極細繊維からなる繊維束が互いに絡まった構造を有しており、前記基材層の少なくとも前記樹脂層に接する面が、立毛を有する立毛層が形成されてなり、前記立毛層において、前記立毛の数の90%以上がハンマーヘッド状の先端形状を有しており、前記ハンマーヘッド状の先端形状の最大径が平均単繊維直径に対し、150%以上350%以下である銀付人工皮革。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂層と基材層との間に高い剥離強力を有する銀付人工皮革、およびその製造方法に関するものである。
繊維質基材上に、ポリウレタン等の樹脂をコーティングまたはラミネートして形成される、いわゆる銀付人工皮革は、天然皮革にない優れた柔軟性や機械的特性等の特徴を有しており、靴、鞄、ベルトおよびランドセル等の幅広い用途に利用されている。銀付人工皮革の課題としては、使用に伴い樹脂層と基材層が剥離しやすいことが挙げられる。
上記課題を克服するために、極細繊維からなる基材層に対して様々な検討が行われてきている。
例えば、特許文献1では、弾性繊維を主体とした不織布(A)と非弾性繊維を主体とした不織布(B)が、不織布(A)が表面となるように積層し、不織布(A)の表面の弾性繊維が主に溶融させ銀面層を形成させた銀付人工皮革が提案されている。二種類の不織布を積層することで、銀面層と基体シート状物との接着剤を使用せずに一定の剥離強力を示すことができる。
また、特許文献2では、極細繊維に潜在捲縮発現型繊維を適用した銀付人工皮革が提案されている。捲縮した極細繊維を用いることで、アンカー効果により高い剥離強力を示すことができる。
特開2005−2481号公報 特開2018−3181号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、不織布(A)と不織布(B)を積層することで高い剥離強力を示すことを報告しているが、不織布(A)と不織布(B)の絡合が弱いと不織布間の界面で剥離を生じやすい。また、不織布(A)と不織布(B)の絡合が強いと、銀面層の形成が不十分になり、平滑性が弱くなるという課題がある。
一方、特許文献2に開示された技術では、極細繊維を捲縮させるためにサイドバイサイド型の潜在捲縮発現型繊維を適用する必要があり、より幅広い繊維に適用できる技術が求められている。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の実状に鑑み、樹脂層と基材層との剥離強力が優れた銀付人工皮革、およびその製造方法を提供せんとするものである。
本発明者らは、樹脂層に接する極細繊維にアンカー効果を持たせるために、極細繊維の先端をハンマーヘッド状の形状にすることを試みた。しかしながら、平均単繊維直径の小さい極細繊維に対して、上記目的を達成できるだけの先端形状とすることは非常に困難であった。そこで、さらに上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねたところ、特定の研削条件にしたときに、基材層と樹脂層の接着性の向上に有効な先端形状が得られることを見出し、銀付人工皮革の剥離強力を向上できるという知見を得た。さらにこの銀付人工皮革が、より幅広い繊維に適用できるため様々な用途に展開できることも判明した。
本発明はこれら知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
本発明は、平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維と弾性体ポリマーから構成される基材層と、前記の基材層上に形成された樹脂層と、からなる銀付人工皮革であって、前記の基材層は、前記の極細繊維からなる繊維束が互いに絡まった構造を有しており、前記の基材層の少なくとも前記の樹脂層に接する面が、立毛を有する立毛層が形成されてなり、前記の立毛層において、前記の立毛の数の90%以上がハンマーヘッド状の先端形状を有しており、前記のハンマーヘッド状の先端形状の最大径が平均単繊維直径に対し、150%以上350%以下である。
本発明の銀付人工皮革の好ましい様態によれば、前記のハンマーヘッド状の先端形状が500個/mm以上2000個/mm以下である。
本発明の銀付人工皮革の好ましい様態によれば、前記の平均単繊維直径が3.5μm以上8.0μm以下の極細繊維である。
本発明の銀付人工皮革の好ましい様態によれば、前記の極細繊維がポリエステル系重合体からなる。
また本発明は、前述の銀付人工皮革を製造する方法であって、前記極細繊維と前記弾性体ポリマーから構成される基材層を形成する、基材層形成工程と、前記基材層に乾式バフ処理を施して立毛層を形成する、立毛層形成工程と、前記立毛層の表面に樹脂層を形成する、樹脂層形成工程と、からなり、前記基材層形成工程は、(1)極細繊維発現型繊維からなる不織布を形成する、不織布形成工程と、(2)前記不織布を構成する極細繊維発現型繊維から極細繊維を発現させる、極細繊維発現工程と、(3)前記不織布に弾性体ポリマーを付与する、弾性体ポリマー付与工程と、を含み、前記立毛層形成工程において、前記乾式バフ処理は、バフ研磨手段を前記不織布のシートの進行方向と逆方向に回転させ、研削負荷が1000W/m以上4000W/m以下、かつ、研削量が10g/m以上200g/m以下の範囲で行う。
本発明の銀付人工皮革の製造方法の好ましい様態によれば、前記銀付人工皮革の製造方法において、前記基材層形成工程が(1)不織布形成工程、(2)極細繊維発現工程、(3)弾性体ポリマー付与工程の順番で行う。
本発明によれば、特定の繊維や樹脂層を用いることなく、基材層と樹脂層との間の剥離強力に優れた銀付人工皮革を得ることができる。特に、本発明の銀付人工皮革は、前記の特徴から、家具、椅子および壁材、自動車、電車および航空機などの車輛室内における座席、天井および内装などの表皮材として非常に優美な外観を有する内装材、シャツ、ジャケット、カジュアルシューズ、スポーツシューズ、紳士靴および婦人靴等の靴のアッパー、トリム等、鞄、ベルト、財布等、およびそれらの一部に使用した衣料用資材として好適に用いることができる。
本発明の銀付人工皮革は、平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維と弾性体ポリマーから構成される基材層と前記の基材層上に形成された樹脂層と、からなる銀付人工皮革であって、前記の基材層は、前記の極細繊維からなる繊維束が互いに絡まった構造を有しており、前記の基材層の少なくとも前記の樹脂層に接する面が、立毛を有する立毛層が形成されてなり、前記の立毛層において、前記の立毛の数の90%以上がハンマーヘッド状の先端形状を有しており、前記のハンマーヘッド状の先端形状の最大径が平均単繊維直径に対し、150%以上350%以下である。以下に、これらをその製造方法に従って詳述する。
[基材層形成工程]
本発明に係る銀付人工皮革の製造方法においては、まず、極細繊維と弾性体ポリマーから構成される基材層を形成する、基材層形成工程を行う。この基材層形成工程は、(1)極細繊維発現型繊維からなる不織布を形成する、不織布形成工程、(2)前記の不織布を構成する極細繊維発現型繊維から極細繊維を発現させる、極細繊維発現工程、および、(3)前記の不織布に弾性体ポリマーを付与する、弾性体ポリマー付与工程と、を含むものである。以下において、さらに詳細を説明する。
(1)不織布形成工程
まず、不織布を構成する極細繊維を得るために極細繊維発現型繊維を紡糸する。極細繊維発現型繊維は、一般的には、海島型複合繊維、剥離分割型繊維等が挙げられる。海島型複合繊維を用いる場合、溶剤などへの溶解性の異なる熱可塑性高分子成分を海成分および島成分とし、後工程で海成分を溶剤などにより溶解除去することによって島成分を極細繊維とすることができる。また、剥離分割型繊維を用いる場合、ウォータージェット等の物理的な力や溶剤の膨潤により剥離分割することによって極細繊維とすることができる。これらのうち、海島型複合繊維を用いた場合には、極細繊維径を均一に制御でき、銀付人工皮革の表面外観を優美にできる。また、海島型複合繊維は、海成分を除去することによって島成分間、すなわち繊維束内部の極細繊維間に適度な空隙を付与することができ、かつ1本あたりの複合繊維から特に繊維径の小さな極細繊維を効率良く発現させることができる。これらの観点から、極細繊維発現型繊維として海島型複合繊維を用いることが重要である。
海島型複合繊維の作製には、海島型複合用口金を用い、海成分と島成分の2成分を相互配列して紡糸する高分子相互配列体方式や、海成分と島成分の2成分を混合して紡糸する混合紡糸方式などを用いることができる。これらのうち、均一な繊度の極細繊維が得られる点で好ましいのは、高分子配列体方式による海島型複合繊維である。
前記の海島型複合繊維の島成分としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリ乳酸などのポリエステル、ポリアミド6やポリアミド66などのポリアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、および熱可塑性セルロースなどの溶融紡糸可能な熱可塑性樹脂などが挙げられる。中でも、強度、寸法安定性、耐光性および染色性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系重合体からなるポリエステル繊維が好ましく用いられる。なお、これらのポリマーから選ばれる少なくとも2種以上が組み合わされていてもよい。また、環境配慮の観点から、リサイクル原料や植物由来原料から得られる繊維であってもよい。また、極細繊維は、異なる素材の繊維が混合され構成されることができる。また、極細繊維を構成するポリマーには、他の成分が共重合されていても良く、また、有機粒子、無機粒子、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させることができる。
ここで、本発明でいうポリエステル系重合体とは、ジカルボン酸類またはその誘導体とジオール類またはその誘導体とが共重合してなる構造を主成分としたものであり、ここでいう主成分とは全体の重量に対して50重量%より多いことをいう。ポリエステル系重合体は、他のエステル結合が可能な共重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物としては、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸および5−イソフタル酸などのジカルボン酸類や、エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどのジオール類を挙げることができる。また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてのヒンダードフェノール誘導体、および着色顔料などを添加してもよい。
本発明でいうポリエチレンテレフタレート系重合体とは、テレフタル酸またはその誘導体と、エチレングリコールまたはその誘導体とが共重合してなる構造を主成分としたものである。
前記の海島型複合繊維の海成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スルホイソフタル酸ナトリウムやポリエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリエステル、ポリ乳酸、およびポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記の海成分と島成分の質量割合は、海成分:島成分=5:95〜80:20の範囲であることが好ましい。海成分の質量割合が5質量%以上(島成分の質量割合が95質量%以下)、より好ましくは10質量%以上(島成分の質量割合が90質量%以下)である場合、島成分の極細化を十分に行うことができる。一方、海成分の質量割合が80質量%以下(島成分の質量割合が20質量%以上)、より好ましくは60質量%以下(島成分の質量割合が40質量%以上)である場合、溶出成分の量が多すぎないことで、生産性よく加工することができる。
1本の海島型複合繊維から極細繊維を発現させることにより生じる極細繊維束内の極細繊維数は、10本/束以上900本/束以下であることが好ましい。前記極細繊維数が10本/束以上であることによって、極細繊維の緻密性が向上し、例えば、摩耗等の機械物性が向上する傾向がある。一方、900本/束以下、より好ましくは、400本/束以下とすることによって、立毛時の開繊性を向上させ、立毛面の繊維分布を均一なものとすることができる。
極細繊維の密集性の観点からは、極細繊維束内の繊維密集度合いは30(本・μm)以上であることが好ましく、より好ましくは50(本・μm)以上である。一方、極細繊維束内の繊維密集度合いは1000(本・μm)以下であることが好ましく、より好ましくは700(本・μm)以下である。繊維密集度合いは、(極細繊維束内の繊維数)×(単繊維直径)で算出し、極細繊維の束の大きさの指標となる。このように、極細繊維束内の繊維密集度合いを30(本・μm)以上1000(本・μm)以下とすることにより、繊維絡合体とする際の加工操業性が良く、極細繊維束の緻密性が良くなる。
次に、延伸された極細繊維発現型繊維に、好ましくは捲縮加工を施し、所定長にカットして不織布の原綿を得る。捲縮加工やカット加工は通常の方法を用いることができる。
このようにして得られた不織布原綿をカード処理して薄いシート状の綿を経て、クロスラッパーで積層することで積層繊維ウェブを得る。
本発明の銀付人工皮革の基材層を構成する不織布は、短繊維不織布および長繊維不織布のいずれでもよいが、風合いや品位の点では短繊維不織布が好ましく用いられる。
短繊維不織布における短繊維の繊維長は、25mm以上90mm以下であることが好ましい。繊維長を25mm以上、より好ましくは30mm以上とすることにより、絡合により耐摩耗性に優れた銀付人工皮革の基材層を得ることができる。また、繊維長を90mm以下、より好ましくは80mm以下とすることにより、銀付人工皮革の基材層の圧縮特性や表面品位に優れた銀付人工皮革の基材層を得ることができる。
本発明の銀付人工皮革に用いられる短繊維不織布としては、短繊維をカードおよびクロスラッパーを用いて積層ウェブを形成させた後に、ニードルパンチやウォータージェットパンチを施して得られるものや抄紙法で得られるもの、長繊維不織布としては、スパンボンド法やメルトブロー法などから得られるものを適宜採用することができる。
その後、繊維絡合体を得るために上記積層繊維ウェブをニードルパンチやウォータージェットパンチにより絡合させる方法、スパンボンド法、メルトブロー法および抄紙法などを採用することができる。中でも、前述のような極細繊維束の態様とする上で、極細繊維発現型繊維からなる積層繊維ウェブをニードルパンチやウォータージェットパンチにより絡合させる方法が好ましく用いられる。
ニードルパンチ処理あるいはウォータージェットパンチ処理後の極細繊維発生型繊維で構成された繊維絡合体の見かけ密度は、0.15g/cm以上0.40g/cm以下であることが好ましい。見かけ密度を0.15g/cm以上とすることにより、形態安定性と寸法安定性が優れた繊維絡合体にできる。一方、見かけ密度を0.40g/cm以下、より好ましくは0.30g/cm以下とすることにより、弾性重合体を付与するための十分な空間を繊維間に維持することができる。
このようにして得られた極細繊維発現型繊維で構成された繊維絡合体は、緻密化の観点から、乾熱もしくは湿熱、またはその両者によって熱収縮処理させ、さらに高密度化させることが好ましい態様である。また、繊維絡合体はカレンダー処理等により、厚さ方向に圧縮させることもできる。
(2)極細繊維発現工程
本発明において、銀付人工皮革を構成する極細繊維を得る手段としては、極細繊維発生型繊維を用いることが好ましい態様である。極細繊維発生型繊維をあらかじめ絡合し不織布とした後に、繊維の極細化を行うことによって、極細繊維が絡合してなる不織布を得ることができる。
極細繊維発現型繊維である海島型複合繊維から極細繊維を発現させる処理(脱海処理)は、溶剤中に海島型複合繊維を浸漬し、搾液することによって行うことができる。海成分を溶解する溶剤としては、海成分がポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレンの場合には、トルエンやトリクロロエチレンなどの有機溶剤を用いることができる。また、海成分が共重合ポリエステルまたはポリ乳酸の場合には、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液や熱水を用いることができる。極細繊維を発現させる処理には、連続染色機、バイブロウォッシャー型脱海機、液流染色機、ウィンス染色機およびジッガー染色機等の装置を用いることができる。
前記の海島型複合繊維の海成分を除去するための脱海処理は、極細繊維で構成された繊維絡合体への弾性体ポリマーの付与前または/および付与後に行うことができる。弾性体ポリマー付与前に脱海処理を行うと、極細繊維に直接弾性体ポリマーが密着する構造となりやすく、極細繊維を強く把持できる。
本発明において、極細繊維発現型繊維から発現された極細繊維の平均単繊維直径は、銀付人工皮革の柔軟性や立毛品位の観点から0.1μm以上10μm以下であることが重要である。平均単繊維直径は小さい方が良好な表面品位と光沢感を有することから、好ましくは9μm以下、より好ましくは8μm以下である。一方、染色後の発色性やサンドペーパーなどによる研削など起毛処理時の繊維の分散性、さばけ易さの観点からは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは3.5μm以上である。
なお、極細繊維の平均単繊維直径は、銀付人工皮革の厚み方向にカットした断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮影し、円形または円形に近い楕円形の繊維をランダムに100本選び、繊維径を測定し、算術平均値を計算して得られる値とする。
(3)弾性体ポリマー付与工程
さらに、弾性体ポリマーを前記の繊維絡合体の内部、あるいは補強層と積層一体化された繊維絡合体の内部に含有させることができる。
本発明の銀付人工皮革の基材層が、繊維絡合体の極細繊維質量に対し5質量%以上、より好ましくは15質量%以上の多孔化した弾性体ポリマーを含有することにより、銀付人工皮革の基材層に適度な圧縮特性を付与することが可能である。一方、本発明の銀付人工皮革の基材層が、繊維絡合体の極細繊維質量に対し60質量%以下、より好ましくは55質量%以下の多孔化した弾性体ポリマーを含有することにより、立毛工程での繊維の開繊性を良くすることができる。また、銀付人工皮革が染色されて用いられる場合、染色後の繊維絡合体の繊維と弾性体ポリマーの色調に差が出ず、表面品位の優れたものとなる。さらに、リサイクル原料や植物由来原料から得られる繊維を用いた場合、再生回収や廃棄が容易となる。
上記の弾性体ポリマーには、必要に応じてカーボンブラック等の顔料、染料、防カビ剤および酸化防止剤、紫外線吸収剤、および光安定剤などの耐光剤、難燃剤、浸透剤や滑剤、シリカや酸化チタン等のアンチブロッキング剤、撥水剤、粘度調整剤、帯電防止剤等の界面活性剤、シリコーン等の消泡剤、セルロース等の充填剤、および凝固調整剤、およびシリカや酸化チタン等の無機粒子等を含有させることができる。
本発明で用いられる弾性体ポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリウレア、ポリアクリル酸、エチレン・酢酸ビニルエラストマーおよびアクリロニトリル・ブタジエンエラストマーおよびスチレン・ブタジエンエラストマー、ポリビニルアルコール、およびポリエチレングリコール等が挙げられ、耐久性と圧縮特性の観点からは、ポリウレタン系エラストマーが好ましく用いられる。高分子弾性体には、複数の高分子弾性体を含有せしめることができる。
本発明で特に好ましく用いられるポリウレタン系エラストマーとしては、ポリウレタンやポリウレタン・ポリウレアエラストマーなどが挙げられる。
本発明で使用されるポリウレタン系エラストマーは、溶剤系および/または水分散系ポリウレタン系エラストマーを用いることができる。
本発明で用いられるポリウレタン系エラストマーとしては、ポリマージオールと有機ジイソシアネートと鎖伸長剤との反応により得られるポリウレタン系エラストマーが好ましく用いられる。
上記のポリマージオールとしては、例えば、ポリカーボネート系ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、シリコーン系ジオールおよびフッ素系ジオールを採用することができ、これらを組み合わせた共重合体を用いることもできる。中でも、耐加水分解性の観点からは、ポリカーボネート系ジオールおよび/またはポリエーテル系ジオールを用いることが好ましい態様である。
上記のポリカーボネート系ジオールは、アルキレングリコールと炭酸エステルのエステル交換反応、あるいはホスゲンまたはクロル蟻酸エステルとアルキレングリコールとの反応などによって製造することができる。
また、アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの直鎖アルキレングリコールや、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールおよび2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの分岐アルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂環族ジオール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールなどが挙げられる。本発明では、それぞれ単独のアルキレングリコールから得られるポリカーボネート系ジオールでも、2種類以上のアルキレングリコールから得られる共重合ポリカーボネート系ジオールのいずれも採用することができる。
また、ポリエステル系ジオールとしては、各種低分子量ポリオールと多塩基酸とを縮合させて得られるポリエステルジオールを挙げることができる。
低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、およびシクロヘキサン−1,4−ジメタノールから選ばれる一種または二種以上を使用することができる。
また、ビスフェノールAに各種アルキレンオキサイドを付加させた付加物も使用可能である。
また、多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびヘキサヒドロイソフタル酸から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。
本発明で用いられるポリエーテル系ジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびそれらを組み合わせた共重合ジオールを挙げることができる。
ポリマージオールの数平均分子量は、ポリウレタン系エラトマーの分子量が一定の場合、500以上4000以下の範囲であることが好ましい。数平均分子量を好ましくは500以上、より好ましくは1500以上とすることにより、銀付人工皮革の基材層が硬くなることを防ぐことができる。また、数平均分子量を4000以下、より好ましくは3000以下とすることにより、ポリウレタン系エラストマーとしての強度を維持することができる。
本発明で用いられる有機ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネートや、ジフェニルメタンジイソシアネート、およびトリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネートが挙げられ、またこれらを組み合わせて用いることもできる。
鎖伸長剤としては、好ましくはエチレンジアミンやメチレンビスアニリン等のアミン系の鎖伸長剤、およびエチレングリコール等のジオール系の鎖伸長剤を用いることができる。また、ポリイソシアネートと水を反応させて得られるポリアミンを鎖伸長剤として用いることもできる。
本発明で用いられるポリウレタンは、耐水性、耐摩耗性および耐加水分解性等を向上させる目的で架橋剤を併用することができる。架橋剤は、ポリウレタン系エラストマーに対し、第3成分として添加する外部架橋剤でもよく、またポリウレタン分子構造内に予め架橋構造となる反応点を導入する内部架橋剤も用いることができる。ポリウレタン分子構造内により均一に架橋点を形成することができ、柔軟性の減少を軽減できるという観点から、内部架橋剤を用いることが好ましい。
架橋剤としては、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、エポキシ基、メラミン樹脂、およびシラノール基などを有する化合物を用いることができる。
[立毛層形成工程]
本発明に係る銀付人工皮革の製造方法においては、続いて、前記工程で得られた基材層に乾式バフ処理を施して立毛層を形成する、立毛層形成工程を行う。以下において、さらに詳細を説明する。
本発明の銀付人工皮革の基材層の表面に極細繊維の立毛を形成するための起毛処理は、サンドペーパーやロールサンダーなどのバフ研磨手段を用いて、乾式バフにより施すことができる。起毛処理の前に、基材層の表面にシリコーンエマルジョンなどの滑剤を付与してもよい。
本発明において用いられる乾式バフ加工は、均一な立毛層を形成できる点から乾式バフ加工を複数回行う多段バフィングの方が好ましく用いられる。
本発明の銀付人工皮革の基材層は、基材層の少なくとも一面に、立毛を有することが重要である。サンドペーパーやロールサンダーなどのバフ研磨手段をシートの進行方向と逆方向に回転させ、研削負荷が1000W/m以上4000W/m以下の範囲、研削量が10g/m以上200g/m以下の範囲でバフィング研削することが好ましい。研削負荷を1000W/m以上、より好ましくは1400W/m以上にすることで、起毛処理により極細繊維の先端形状がハンマーヘッド状のものにすることができる。一方、研削負荷を4000W/m以下、より好ましくは3800W/m以下にすることで、過負荷によるシートの破断を防ぐことができる。研削量を10g/m以上、より好ましくは20g/m以上にすることで、表面に基材層の露出なく、十分に立毛層を形成することができる。一方、研削量を200g/m以下、より好ましくは180g/m以上にすることで、研削時の繊維屑がシートに付着することを防ぐことができる。
なお、本発明において研削負荷とは、乾式バフ加工に要する仕事量(W)であり、以下のように求められる。
(1)シートと接触していないときのサンドペーパーの回転にかかる電力:仕事量(W)を測定する。
(2)シートを通し乾式バフ加工に行った際の電力(W)を測定する。
(3)前後の差W=W−Wを算出する。
ここで、多段バフィングの場合は、研削負荷が最も高い段が繊維融着等に影響が出るため、研削負荷が最も大きい段の値を最大研削負荷とする。
本発明の銀付人工皮革の基材層について、極細繊維の先端形状がハンマーヘッド状であることが好ましい。極細繊維がハンマーヘッド状の先端形状を有することで、アンカー効果により、樹脂層と基材層との剥離強力を優れたものにできる。本発明における立毛層とは、基材層中の立毛している極細繊維がなす層を指す。
上記ハンマーヘッド状の先端形状は、全立毛数の90%以上がハンマーヘッド状の先端形状を有する立毛で構成していることが好ましい。ハンマーヘッド状の先端形状の割合が多い方がアンカー効果は強くなることから、好ましくは91%以上、より好ましくは93%以上である。
なお、本発明においてハンマーヘッド状の先端形状の割合とは、前記の銀付人工皮革の起毛側を観察面とし、前記のSEMにより観察し、任意の10箇所の正方形内(一辺200μm)のハンマーヘッド状の先端形状の割合を計算し、全体の平均値を算出した。この時、ハンマーヘッド状の先端形状は、平均単繊維直径に対して、150%以上の大きさのものをハンマーヘッド状の先端形状とし、正方形内に存在する極細繊維の先端に対する数を分母にして計算した。
上記ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが、平均単繊維直径に対して150%以上、より好ましくは160%であると、アンカー効果により基材層と樹脂層の接着性を向上することができる。一方、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが、平均単繊維に対して350%以下、より好ましくは340%以下であると、極細繊維の先端部同士が接触せず、適度な距離を維持することができる。
なお、本発明においてハンマーヘッド状の先端形状の大きさとは、前記の銀付人工皮革の起毛側を観察面とし、前記のSEMにより観察し、任意の50カ所の先端形状の大きさを測定し、算術平均値を算出して得られる値のことを指す。
上記ハンマーヘッド状の先端形状の個数が、500個/mm以上、より好ましくは700個/mm以上であると、アンカー効果により基材層と樹脂層の接着性を向上することができる。一方、ハンマーヘッド状の先端形状の個数が、2000個/mm以下、より好ましくは1800個/mm以下であることで、基材層の優れた表面品位を損なわない。
なお、本発明においてハンマーヘッド状の先端形状の個数とは、前記の銀付人工皮革の起毛側を観察面とし、前記のSEMにより観察し、任意の10カ所の正方形内(一辺200μm)の個数を数え、算術平均値を算出して得られる値のことを指す。
また、先端部のハンマーヘッド形状は球状が大部分であるが、台形状のものに代表される多角形状のものも突起状物とする。また、多角形状の突起については、その最大径(幅)を有する部分を、突起の大きさとして測定するものとする。
前記の極細繊維の先端部とは、極細繊維の先端から50μm内に存在する部分を指す。極細繊維の先端から50μmより内側(基材層側)に存在する突起は、節や異物として先端部の突起としてはカウントしないものとする。
上記の極細繊維のハンマーヘッド状の先端形状を観察する際、後述する樹脂層を除去する方法については、除去時にハンマーヘッド状の先端形状を損傷させない方法であればよいが、樹脂層を抽出することで観察することが作業性の観点から好ましい。特に、抽出する方法としては、樹脂層のみを溶解させ、ハンマーヘッド状の先端形状を溶媒によって溶解させず、維持させることができる点でDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)などのアミド系溶媒やDMSO(ジメチルスルホキシド)などのスルホキシド系溶媒などおよびこれらの二種以上の混合物を用いて樹脂層を溶解させる方法がより好ましく用いられる。
本発明の銀付人工皮革は、その内層部あるいは表面に強度を向上させるなどの目的で補強層を含ませることができる。補強層としては、織物、編物、不織布(紙を含む)、およびプラスチックフィルムや金属薄膜シートなどのフィルム状物等を採用することができる。補強層が繊維で構成された織物や編物の場合、繊維の平均単繊維直径は、0.1μm以上20μm以下程度であることが銀付人工皮革の風合いの観点から好ましい。
本発明で用いられる織編物を構成する繊維糸条の種類としては、フィラメントヤーン、紡績糸、革新紡績糸およびフィラメントヤーンと紡績糸の混合複合糸などが挙げられるが、不織布と織物の絡合時の毛羽の脱落による表面露出が少ないため、フィラメントヤーンを用いる方が好ましい。また、フィラメントヤーンには、大別すると単繊維1本で構成されたモノフィラメントと複数本で構成されたマルチフィラメンとがあるが、本発明で用いられる織編物では、不織布の柔らかい風合を損なわないために、マルチフィラメントを用いる方が好ましい。
織編物を構成する繊維糸条の総繊度は、剛性および目付などの理由から、好ましくは50dtex以上150dtex以下である。
前記織編物の目付を20g/m以上、より好ましくは30g/m以上とすることで、織編物を不織布と不織布の間に挿入したとき、あるいは織編物を不織布の表面に重ねる際にシワの発生なく、均一に積層させることができる。一方、前記織編物の目付を200g/m以上、より好ましくは150g/m以上とすることで、容易に不織布と織編物の絡合が可能となる。なお、本発明における目付とは、JIS L1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の「8.3 単位面積当たりの質量」の「8.3.2 標準状態における単位面積当たりの質量 a) A法(JIS法)」に基づき、200mm×200mmの試験片を、試料の幅1m当たり2枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その算術平均値を小数点以下1桁にまとめ、1m当たりの質量(g/m)で表される値を指すこととする。
本発明において用いられる織物の基本組織は、ツイルやサテンを用いても良いが、目ずれなどが発生しにくい平組織が好ましく用いられる。
本発明のシート状物の見かけ密度を、0.10g/cm以上、より好ましくは0.20g/cm以上とすることで、シート状物の緻密感や機械物性が良好である。一方、見かけ密度を、0.80g/cm以上、より好ましくは0.70g/cm以上とすることで、風合いの硬化を避けることができる。
[樹脂層形成工程]
本発明に係る銀付人工皮革の製造方法においては、さらに、立毛層の表面に樹脂層を形成する、樹脂層形成工程を行う。以下において、さらに詳細を説明する。
本発明は、立毛層の少なくともどちらか一方また両面に弾性体ポリマーなどの樹脂層を形成して銀付人工皮革としたものである。
銀付人工皮革とするためのコーティング層や下引き層の形成方法としては、乾式造面法やダイレクトコート法などがあり、従来公知の種々の方法を採用することができる。例えば、リバースロールコーター、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ナイフコーター、コンマコーターなどの装置を用いた方法を挙げることができる。各層の厚みは、用途に応じて、適宜設定することができる。基材層の露出を防ぐため、厚みは10μm以上、より好ましくは50μm以上である。一方、銀付人工皮革の軽量化の観点から厚みは1000μm以下、より好ましくは800μm以下でもある。
樹脂層を形成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン、アクリル系弾性体、シリコーン系弾性体、ジエン系弾性体、ニトリル系弾性体、フッ素系弾性体、ポリスチレン系弾性体、ポリオレフィン系弾性体、ポリアミド系弾性体等のエラストマーのエマルジョン、サスペンジョン、ディスパーションまたは溶液等の樹脂液が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの樹脂の中では、耐摩耗性や機械的特性に優れているため、ポリウレタンが好ましく用いられる。また、前記の樹脂成分には、必要に応じて、着色剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤および酸化防止剤などを含有させることができる。
樹脂層は弾性重合体からなる発泡層と乾式層のいずれでもよく、また両方を組み合わせて用いることもできる。
銀付人工皮革の厚みは、0.1mm以上7mm以下であることが好ましい。この厚さを0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上とすることにより、銀付人工皮革の形態安定性と寸法安定性に優れる。一方、厚さを7mm以下、より好ましくは5mm以下とすることにより、銀付人工皮革の成形性に優れる。
本発明の銀付人工皮革は、例えば、染料、顔料、柔軟剤、風合い調整剤、ピリング防止剤、抗菌剤、消臭剤、撥水剤、耐光剤、および耐候剤などの機能性薬剤を含有させることができる。
次に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、各物性の測定において、特段の記載がないものは、前記の方法に基づいて測定を行ったものである。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
次に、実施例で用いた評価法とその測定条件について説明する。
(1)ポリマーの固有粘度(IV)
オルソクロロフェノール(以下、OCPと略記することがある。)10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃の温度においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηを下式により求め、固有粘度(IV)を算出した。
・η=η/η=(t×d)/(t×d
・固有粘度(IV)=0.0242η+0.2634
(ここで、ηはポリマー溶液の粘度、ηはOCPの粘度、tは溶液の落下時間(秒)、dは溶液の密度(g/cm)、tはOCPの落下時間(秒)、dはOCPの密度(g/cm)を、それぞれ表す。)。
(2)ポリマーのメルトフローレイト(MFR)
ISO 1133:2005「Plastics −Determination of the melt mass−flow rate(MFR) and the melt volume−flow rate(MVR) of thermoplastics」に規定されているMFR測定方法に準じ、10分間に押し出される樹脂の量(g)を測定した。同様の測定を3回繰り返し、その算術平均値をMFR(g/10分)とした。
(3)平均単繊維直径
走査型電子顕微鏡として、キーエンス社製「VW−9000型」を用いた。
(4)シート状物の厚さ
0.01mm目盛りの厚さ計(ディスク直径9mm以上)を用い、10kPa荷重下で、シート幅方向等間隔に5点測定し、その平均値を求めた。
(5)剥離強力
銀付人工皮革の基材層と樹脂層との間の剥離強力をJIS K6854−2:1999「接着剤 −はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離」に規定の測定方法に準じて測定した。
剛性被接着材として、ポリウレタン製クレープゴム板(長さ150mm、幅27mm、厚さ5mm)を使用し、また、たわみ性被接着材として、縦方向、横方向それぞれに3枚ずつ切り出した、長さ250mm、幅25mmの銀付人工皮革を使用した。ポリウレタン系2液接着材を用いて銀付人工皮革とゴム板とを接着力が十分に発揮されるように接着して試験片を作製した。試験片を50mm/分の速度で引き剥がしたときに要する応力と剥離長さとを測定し応力−剥離長さ曲線を求めた。得られた曲線から平均剥離強力を求めた。縦方向、横方向それぞれについて得られた3個の平均剥離強力を平均して算出した。
本発明において良好なレベル(目標値)は、剥離強力100N/cm以上である。
[実施例1]
(原綿)
島成分として固有粘度(IV)が0.718のポリエチレンテレフタレート(PET)を、海成分としてJIS K7206(1999)に準じて測定したビカット軟化点が100℃で、MFRが120g/10分のポリスチレン(PSt)を、島数が24島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率80/20で溶融紡糸した繊維を、ローラープレート方式で通常の条件により延伸し捲縮加工後、繊維を51mmの長さにカットし、平均単繊維直径26μmの海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維からなる不織布)
この海島型複合繊維の原綿を用いて、カードおよびクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成し、600本/cmのパンチ本数でニードルパンチした後に、3000本/cmのパンチ本数でニードルパンチを施して、基材層を得た。
(基材層)
上記の不織布を98℃の温度の熱水で収縮させた後、これに12%の濃度のPVA(ポリビニルアルコール)水溶液を含浸し、120℃の温度の熱風で10分間乾燥することにより、不織布の質量に対するPVA質量が30質量%の不織布を得た。このようにして得られた不織布を、トリクロロエチレン中に浸漬して海成分を溶解除去し、極細繊維からなる不織布(脱海シート)を得た。このようにして得られた極細繊維からなる不織布(脱海シート)を、固形分濃度を12%に調整したポリカーボネート系ポリウレタンのDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)溶液に浸漬し、次いでDMF濃度30%の水溶液中でポリウレタンを凝固させた。その後、PVAおよびDMFを熱水で除去し、110℃の温度の熱風で10分間乾燥することにより、島成分からなる前記の極細繊維の質量に対するポリウレタン質量が27質量%の基材層を得た。
その後、基材層を厚さ方向に半裁し、半裁面を全て同一方向から120メッシュのサンドペーパーを用い、半裁面を120g/m研削し、立毛面を形成した。この時、最大研削量は、3500W/mであった。
このようにして得られた基材層を、液流染色機を用いて、110℃の温度条件下で染色し、乾燥機を用いて乾燥を行い、銀付人工皮革用基材を得た。得られた銀付人工皮革用基材は、シート厚みが1.0mm、平均単繊維直径が4.5μmであった。一方、表面のSEM観察(1000倍)により、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが10μmで、平均単繊維直径に対して220%の大きさであり、先端形状の数は1000個/mmであり、先端形状の割合は100%となった。結果を表1に示す。
(銀付人工皮革)
上記の銀付人工皮革用基材の立毛処理を施した面上に、ポリエーテル系ポリウレタンをナイフコーターにより、付量110g/mとなるようにコーティングし、DMF濃度が30%の水溶液中で凝固させた。その後、剥離紙上に形成した、ポリエーテル・ポリカーボネート系ポリウレタンからなるトップ層(100g/m)を接着剤にて最外層に接着させ、銀付人工皮革とした。
得られた銀付人工皮革は、断面のSEM観察(500倍)によりポリウレタンは多孔化していることを確認した。剥離強力を測定すると、134N/cmであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
(原綿)
島/海質量比率を85/15にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維発現型繊維からなる不織布)
実施例1と同様にして、極細繊維発現型繊維からなる不織布を得た。
(基材層)
研削条件を変更した以外は、実施例1と同様にして基材層を得た。研削条件は、半裁面を全て同一方向から120メッシュのサンドペーパーを用いて行い、半裁面の研削量を115g/m、最大研削量を2400W/mとした。
得られたシート厚みが0.8mm、平均単繊維直径が5.8μmであった。一方、表面のSEM観察(1000倍)により、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが16μmで、平均単繊維直径に対して270%の大きさであり、先端形状の数は1100個/mmであり、先端形状の割合は100%となった。結果を表1に示す。
(銀付人工皮革)
実施例1と同様にして、銀付人工皮革を得た。
得られた銀付人工皮革の剥離強力は、141N/cmであった。結果を表1に示す。
[実施例3]
(原綿)
島/海質量比率を55/45にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維発現型繊維からなる不織布)
実施例1と同様にして、極細繊維発現型繊維からなる不織布を得た。
(基材層)
研削条件を変更した以外は、実施例1と同様にして基材層を得た。研削条件は、半裁面を全て同一方向から180メッシュのサンドペーパーを用いて行い、半裁面の研削量を91g/m、最大研削量を2700W/mとした。
得られたシート厚みが0.9mm、平均単繊維直径が3.0μmであった。一方、表面のSEM観察(1000倍)により、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが8.5μmで、平均単繊維直径に対して290%の大きさであり、先端形状の数は800個/mmであり、先端形状の割合は99%となった。結果を表1に示す。
(銀付人工皮革)
実施例1と同様にして、銀付人工皮革を得た。
得られた銀付人工皮革の剥離強力は、130N/cmであった。結果を表1に示す。
[実施例4]
(原綿)
島成分としてMFRが58.3g/10分のナイロン6を用い、また海成分としてMFRが300g/10分のアクリル酸2−エチルへキシルを22mol%共重合したポリスチレン(Co−PSt)を用い、島数が36島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率30/70で溶融紡糸した後、延伸、捲縮し、その後、51mmにカットし、単繊維繊度24μmの海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維からなる不織布)
実施例1と同様にして、極細繊維発現型繊維からなる不織布を得た。
(基材層)
上記の不織布を98℃の温度の熱水で収縮させた後、これに12%の濃度のPVA(ポリビニルアルコール)水溶液を含浸し、120℃の温度の熱風で10分間乾燥することにより、不織布の質量に対するPVA質量が30質量%の不織布を得た。このようにして得られた不織布を、トリクロロエチレン中に浸漬して海成分を溶解除去し、極細繊維からなる不織布(脱海シート)を得た。このようにして得られた極細繊維からなる不織布(脱海シート)を、固形分濃度を12%に調整したポリカーボネート系ポリウレタンのDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)溶液に浸漬し、次いでDMF濃度30%の水溶液中でポリウレタンを凝固させた。その後、PVAおよびDMFを熱水で除去し、110℃の温度の熱風で10分間乾燥することにより、島成分からなる前記の極細繊維の質量に対するポリウレタン質量が30質量%の基材層を得た。
その後、基材層を厚さ方向に半裁し、半裁面を全て同一方向から180メッシュのサンドペーパーを用い、製品面を48g/m研削し、立毛面を形成した。この時、最大研削量は、1400W/mであった。
得られたシート厚みが0.7mm、平均単繊維直径が0.7μmであった。一方、表面のSEM観察(1000倍)により、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが3.4μmで、平均単繊維直径に対して340%の大きさであり、先端形状の数は1800個/mmであり、先端形状の割合は100%となった。結果を表1に示す。
(銀付人工皮革)
実施例1と同様にして、銀付人工皮革を得た。
得られた銀付人工皮革の剥離強力は、128N/cmであった。結果を表1に示す。
[実施例5]
(原綿)
島/海質量比率を90/10にしたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維発現型繊維からなる不織布)
実施例1と同様にして、極細繊維発現型繊維からなる不織布を得た。
(基材層)
研削条件を変更した以外は、実施例1と同様にして基材層を得た。研削条件は、半裁面を全て同一方向から180メッシュのサンドペーパーを用いて行い、半裁面の研削量を90g/m、最大研削量を1500W/mとした。
得られたシート厚みが0.9mm、平均単繊維直径が6.7μmであった。一方、表面のSEM観察(1000倍)により、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが12μmで、平均単繊維直径に対して180%の大きさであり、先端形状の数は800個/mmであり、先端形状の割合は95%となった。結果を表1に示す。
(銀付人工皮革)
実施例1と同様にして、銀付人工皮革を得た。
得られた銀付人工皮革の剥離強力は、110N/cmであった。結果を表1に示す。
[比較例1]
(原綿)
実施例1と同様にして、海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維発現型繊維からなる不織布)
実施例1と同様にして、極細繊維発現型繊維からなる不織布を得た。
(基材層)
研削条件を変更した以外は、実施例1と同様にして基材層を得た。研削条件は、半裁面を全て同一方向から320メッシュのサンドペーパーを用いて行い、半裁面の研削量を86g/m、最大研削量を1400W/mとした。
得られたシート厚みが1.0mm、平均単繊維直径が4.5μmであった。一方、表面のSEM観察(1000倍)により、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが6.4μmで、平均単繊維直径に対して140%の大きさであり、先端形状の数は700個/mmであり、先端形状の割合は45%となった。結果を表1に示す。
(銀付人工皮革)
実施例1と同様にして、銀付人工皮革を得た。
得られた銀付人工皮革の剥離強力は、86N/cmであった。結果を表1に示す。
[比較例2]
(原綿)
実施例1と同様にして、海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維発現型繊維からなる不織布)
実施例1と同様にして、極細繊維発現型繊維からなる不織布を得た。
(基材層)
研削条件を変更した以外は、実施例1と同様にして基材層を得た。研削条件は、半裁面を全て同一方向から600メッシュのサンドペーパーを用いて行い、半裁面の研削量を15g/m、最大研削量を700W/mとした。
得られたシート厚みが1.1mm、平均単繊維直径が4.5μmであった。一方、表面のSEM観察(1000倍)により、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが4.6μmで、平均単繊維直径に対して100%の大きさであり、先端形状の数は0個/mmであり、先端形状の割合は0%となった。結果を表1に示す。
(銀付人工皮革)
実施例1と同様にして、銀付人工皮革を得た。
得られた銀付人工皮革の剥離強力は、54N/cmであった。結果を表1に示す。
[比較例3]
(原綿)
実施例3と同様にして、海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維発現型繊維からなる不織布)
実施例3と同様にして、極細繊維発現型繊維からなる不織布を得た。
(基材層)
研削条件を変更した以外は、実施例3と同様にして基材層を得た。研削条件は、半裁面を全て同一方向から120メッシュのサンドペーパーを用いて行い、半裁面の研削量を70g/m、最大研削量を1300W/mとした。
得られたシート厚みが1.0mm、平均単繊維直径が3.0μmであった。一方、表面のSEM観察(1000倍)により、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが3.6μmで、平均単繊維直径に対して120%の大きさであり、先端形状の数は600個/mmであり、先端形状の割合は30%となった。結果を表1に示す。
(銀付人工皮革)
実施例3と同様にして、銀付人工皮革を得た。
得られた銀付人工皮革の剥離強力は、82N/cmであった。結果を表1に示す。
[比較例4]
(原綿)
実施例4と同様にして、海島型複合繊維の原綿を得た。
(極細繊維からなる不織布)
実施例4と同様にして、極細繊維発現型繊維からなる不織布を得た。
(基材層)
研削条件を変更した以外は、実施例4と同様にして基材層を得た。研削条件は、半裁面を全て同一方向から180メッシュのサンドペーパーを用いて行い、半裁面の研削量を52g/m、最大研削量を2100W/mとした。
得られたシート厚みが0.7mm、平均単繊維直径が0.7μmであった。一方、表面のSEM観察(1000倍)により、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが3.1μmで、平均単繊維直径に対して440%の大きさであり、ハンマーヘッドの数は4800個/mmであり、ハンマーヘッドの割合は100%となった。結果を表1に示す。
(銀付人工皮革)
実施例1と同様にして、銀付人工皮革を得た。
得られた銀付人工皮革の剥離強力は、90N/cmであった。結果を表1に示す。
Figure 2020051003
実施例の銀付人工皮革は、いずれもアンカー効果により基材層と樹脂層との剥離強力が良好であった。一方、比較例1〜3の銀付人工皮革は、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが平均単繊維直径に対して小さく、ハンマーヘッド状の先端形状の割合も小さくなることから剥離強力が劣っていた。また、比較例4の銀付人工皮革は、ハンマーヘッド状の先端形状の大きさが平均単繊維直径に対して大きく、ハンマーヘッド状の先端形状の数も大きくなることから剥離強力が劣っていた。

Claims (6)

  1. 平均単繊維直径が0.1μm以上10.0μm以下の極細繊維と弾性体ポリマーから構成される基材層と、前記基材層上に形成された樹脂層と、からなる銀付人工皮革であって、
    前記基材層は、前記極細繊維からなる繊維束が互いに絡まった構造を有しており、
    前記基材層の少なくとも前記樹脂層に接する面が、立毛を有する立毛層が形成されてなり、
    前記立毛層において、前記立毛の数の90%以上がハンマーヘッド状の先端形状を有しており、
    前記ハンマーヘッド状の先端形状の最大径が平均単繊維直径に対し、150%以上350%以下である銀付人工皮革。
  2. 前記立毛層において、前記ハンマーヘッド状の先端形状を有する立毛が500個/mm以上2000個/mm以下である、請求項1に記載の銀付人工皮革。
  3. 前記平均単繊維直径が3.5μm以上8.0μm以下である、請求項1または2に記載の銀付人工皮革。
  4. 前記極細繊維がポリエステル系重合体からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の銀付人工皮革。
  5. 前記極細繊維と前記弾性体ポリマーから構成される基材層を形成する、基材層形成工程と、
    前記基材層に乾式バフ処理を施して立毛層を形成する、立毛層形成工程と、
    前記立毛層の表面に樹脂層を形成する、樹脂層形成工程と、
    からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の銀付人工皮革の製造方法であって、
    前記基材層形成工程は、
    (1)極細繊維発現型繊維からなる不織布を形成する、不織布形成工程と、
    (2)前記不織布を構成する極細繊維発現型繊維から極細繊維を発現させる、極細繊維発現工程と、
    (3)前記不織布に弾性体ポリマーを付与する、弾性体ポリマー付与工程と、を含み、
    前記立毛層形成工程において、前記乾式バフ処理は、バフ研磨手段を前記不織布のシートの進行方向と逆方向に回転させ、研削負荷が1000W/m以上4000W/m以下、かつ、研削量が10g/m以上200g/m以下の範囲で行う、銀付人工皮革の製造方法。
  6. 前記銀付人工皮革の製造方法において、前記基材層形成工程が(1)不織布形成工程、(2)極細繊維発現工程、(3)弾性体ポリマー付与工程の順番で行う、請求項5に記載の銀付人工皮革の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023189269A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 東レ株式会社 人工皮革およびその製造方法、複合人工皮革

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