JP2018003191A - シート状物およびその製造方法ならびに銀付人工皮革 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、軽量であるとともに、シート状物表面に樹脂層を形成して銀付人工皮革とした際のシート状物と樹脂層との剥離強力に優れたシート状物及びその製造方法を提供する。【解決手段】 本発明のシート状物は、平均単繊維直径が0.1〜10μmである極細繊維を主体とする繊維絡合体と弾性重合体を構成成分として備えるシート状物において、前記極細繊維が、繊維表面に連通する中空部が繊維軸方向に連続して存在する極細繊維であり、前記極細繊維の断面において、中空率が20〜70%であることを特徴とするシート状物である。【選択図】 図1

Description

本発明は、軽量であるとともに、シート状物表面に樹脂層を形成して銀付人工皮革とした際のシート状物と樹脂層との剥離強力に優れたシート状物及びその製造方法ならびに銀付人工皮革に関するものである。
繊維質基材上にポリウレタン等の樹脂をコーティング、またはラミネートして形成される、いわゆる銀付人工皮革は天然皮革にない優れた柔軟性や機械的特性等の特徴を有しており、靴、鞄、ベルト、ランドセル等の幅広い用途に利用されている。
これらの用途では、軽量性が重要な要求特性の1つであり、基材の軽量化のために種々の検討がされてきた。例えば、嵩高な不織布から軽量なシート状物基材を得るために、中空繊維から形成された繊維構造体を用いる方法が知られている。
特許文献1では直接紡糸により得られる0.1〜8.0デニールの中空部を有する極細繊維からなる人工皮革が提案されている。特許文献2では芯鞘型の島成分を有する海島型複合繊維から、0.1デシテックス以下の中空極細繊維を得る人工皮革基体が提案されている。いずれも中空繊維の適用によって人工皮革基体を軽量化しているものである。
特許第3924360号公報 特許第4004938号公報
しかし、銀付人工皮革とするために基体表面に樹脂層を形成するが、樹脂層と基体との剥離強力を強化するためには樹脂層の塗布量を多くして基体内への樹脂の潜り込み量を増加することが必要となるため、銀付人工皮革としての軽量効果は薄まるものである。すなわち、銀付人工皮革の軽量化と、樹脂層と基体の強い剥離強力を両立することは困難であった。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、軽量性と、銀付人工皮革とした際の基体と樹脂層との間の優れた剥離強力を両立したシート状物及びその製造方法を提供するものである。
本発明のシート状物は、平均単繊維直径が0.1〜10μmの極細繊維を主体とする繊維絡合体と弾性重合体を構成成分として備えるシート状物において、前記極細繊維が、繊維表面に連通する中空部が繊維軸方向に連続して存在する極細繊維であり、前記極細繊維の断面において、中空率が20〜70%であることを特徴とするシート状物である。
本発明によれば、繊維表面に連通する中空部が繊維軸方向に連続して存在する極細中空繊維をシート状物に適用することにより、軽量と同時に、シート状物表面に樹脂層を形成した際のシート状物と樹脂層との間の高い剥離強力を両立できるシート状物を得られる。
本発明の極細繊維の繊維軸方向に垂直な断面模式図
本発明のシート状物は、平均単繊維直径が0.1〜10μmの極細繊維を主体とする繊維絡合体と弾性重合体を構成成分として備えるシート状物において、前記極細繊維が、繊維表面に連通する中空部が繊維軸方向に連続して存在する極細繊維であり、前記極細繊維の断面において、中空率が20〜70%であることを特徴とするシート状物である。
本発明のシート状物を構成する繊維絡合体を形成する極細繊維は、平均単繊維直径が0.1〜10μmである。平均単繊維径を0.1μmより大きくすることにより、シート状物に十分な機械的強度を付与することができ、また平均単繊維径を10μmより小さいとシート状物の柔軟性が得られる。平均単繊維径のより好ましい範囲は、1〜6μmである。
極細繊維を構成するポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル、ポリフェニレンスルフィド等を挙げることができる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポチトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸等を挙げることができる。また、ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610およびナイロン12等を挙げることができる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。特に、シート状物の軽量化の観点から、ポリマーの比重が小さいポリアミド及び/またはポリオレフィンが好ましい。
ポリマーは環境配慮の観点から、リサイクル原料や植物由来原料から得られるものであってもよい。また、ポリマーには、他の成分が共重合されていても良く、粒子、難燃剤および帯電防止剤等の添加剤を含有していてもよい。
本発明の極細繊維を主体とする繊維絡合体は不織布であり、下記方法で製造されるものである。繊維をカードやクロスラッパーを用いて積層ウェブを形成させた後に、ニードルパンチやウォータジェットパンチを施して得られる短繊維不織布や、スパンボンド法やメルトブロー法などから得られる長繊維不織布、および抄紙法で得られる不織布などを採用することができる。中でも、短繊維不織布やスパンボンド不織布は、厚み均一性等が良好なものが得られるため好ましく用いられる。
短繊維不織布における短繊維の繊維長は、25〜90mmであることが好ましい。繊維長を25mm以上とすることにより、絡合により耐摩耗性に優れたシート状物を得ることができる。また、繊維長を90mm以下とすることにより、シート状物の圧縮特性に優れたシート状物を得ることができる。繊維長は、より好ましくは30〜80mmである。
不織布には、本発明の効果を損ねない範囲内で、前記の極細繊維だけでなく、他のポリマー繊維を混合させることができる。混合させる他のポリマー繊維の種類としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂からなる繊維を挙げることができる。
本発明で用いられる不織布は、強度を向上させることなどの目的で、不織布に織物や編物を積層し裏張りすることができる。不織布と織編物をニードルパンチで積層一体化する場合には、織編物を構成する繊維のニードルパンチによる損傷を防ぐため、織編物の糸条を強撚糸とすることが好ましい態様である。織編物を構成する糸条の撚数は、700T/m〜4500T/mであることが好ましい範囲である。
本発明のシート状物は、繊維絡合体と弾性重合体を構成成分とする。弾性重合体は、常温でゴム弾性を有する高分子のことを示す。弾性重合体のバインダー効果により、極細繊維がシート状物から抜け落ちるのを防止することができるだけでなく、適度なクッション性を付与することが可能となる。
弾性重合体としては、ポリウレタン系エラストマー、ポリウレア、ポリアクリル酸、エチレン・酢酸ビニルエラストマーおよびアクリロニトリル・ブタジエンエラストマーおよびスチレン・ブタジエンエラストマー、ポリビニルアルコール、およびポリエチレングリコール等が挙げられ、耐久性と圧縮特性の観点からは、ポリウレタン系エラストマーが好ましく用いられる。弾性重合体には、複数の弾性重合体を含有せしめることができる。
本発明で特に好ましく用いられるポリウレタン系エラストマーとしては、ポリウレタンやポリウレタン・ポリウレアエラストマーなどが挙げられる。
本発明で用いられるポリウレタン系エラストマーとしては、ポリマージオールと有機ジイソシアネートと鎖伸長剤との反応により得られるポリウレタン系エラストマーが好ましく用いられる。
上記のポリマージオールとしては、例えば、ポリカーボネート系ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、シリコーン系ジオールおよびフッ素系ジオールを採用することができ、これらを組み合わせた共重合体を用いることもできる。中でも、耐加水分解性の観点からは、ポリカーボネート系ジオールおよびポリエーテル系ジオールを用いることが好ましい態様である。
上記のポリカーボネート系ジオールは、アルキレングリコールと炭酸エステルのエステル交換反応、あるいはホスゲンまたはクロル蟻酸エステルとアルキレングリコールとの反応などによって製造することができる。
また、アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの直鎖アルキレングリコールや、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールおよび2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの分岐アルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂環族ジオール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールなどが挙げられる。本発明では、それぞれ単独のアルキレングリコールから得られるポリカーボネート系ジオールでも、2種類以上のアルキレングリコールから得られる共重合ポリカーボネート系ジオールのいずれも採用することができる。
また、ポリエステル系ジオールとしては、各種低分子量ポリオールと多塩基酸とを縮合させて得られるポリエステルジオールを挙げることができる。
低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、およびシクロヘキサン−1,4−ジメタノールから選ばれる一種または二種以上を使用することができる。
また、ビスフェノールAに各種アルキレンオキサイドを付加させた付加物も使用可能である。
また、多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびヘキサヒドロイソフタル酸から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。
本発明で用いられるポリエーテル系ジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびそれらを組み合わせた共重合ジオールを挙げることができる。
ポリマージオールの数平均分子量は、ポリウレタン系エラトマーの分子量が一定の場合、500〜4000の範囲であることが好ましい。数平均分子量を好ましくは500以上、より好ましくは1500以上とすることにより、シート状物が硬くなることを防ぐことができる。また、数平均分子量を4000以下、より好ましくは3000以下とすることにより、ポリウレタン系エラストマーとしての強度を維持することができる。
本発明で用いられる有機ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネートや、ジフェニルメタンジイソシアネート、およびトリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネートが挙げられ、またこれらを組み合わせて用いることもできる。
鎖伸長剤としては、好ましくはエチレンジアミンやメチレンビスアニリン等のアミン系の鎖伸長剤、およびエチレングリコール等のジオール系の鎖伸長剤を用いることができる。また、ポリイソシアネートと水を反応させて得られるポリアミンを鎖伸長剤として用いることもできる。
本発明で用いられる弾性重合体は、耐加水分解性等を向上させる目的で架橋剤を併用していてもよい。
また、本発明で用いられる弾性重合体には、必要に応じてカーボンブラック等の顔料、染料、酸化防止剤、耐光剤、帯電防止剤、分散剤、柔軟剤、難燃剤、抗菌剤、防臭剤などの添加剤を配合させることができる。
弾性重合体の含有率は、繊維絡合体に対し、5〜200質量%であることが好ましい。弾性重合体の含有量によって、シート状物の表面状態、クッション性、硬度および強度などを調節することができる。含有量が5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上とすることにより、繊維脱落を少なくすることができる。一方、含有量を200質量%以下、より好ましくは100質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下とすることにより、極細繊維がシート表面上に均一分散した状態を得ることができる。
本発明における極細繊維の繊維軸方向に垂直な断面形状としては、繊維表面に連通する中空部が繊維軸方向に連続して存在するものである。これはシート状物より抜き出した極細(中空)繊維の断面観察を繊維軸方向に複数箇所実施することで、中空部の連続性を確認される。すなわち、中空部が繊維軸方向に連続して存在し、かつ中空部が繊維軸方向に連続して繊維表面に連通するものである。
図1を用いて説明する。前記の中空部Sbとは、極細繊維の繊維軸方向に垂直な断面において、中空繊維Aが一本の開口部分を閉塞する接線Bによって閉塞可能であり、その接線と繊維横断面の外輪郭に囲まれる部分、すなわち太線で囲まれた領域Saにおいて、中空繊維Aを除いた、当該極細繊維を構成するポリマーが存在しない領域、すなわち接線と繊維横断面の内周部に囲まれる部分である。これにより、シート状物を軽量化するとともに、表面に樹脂層を形成し、銀付人工皮革とした際に、樹脂層の樹脂が開口部から中空部に入り込み、樹脂と極細繊維の接着面積が増大するアンカー効果により、剥離強力を高めることができる。
極細繊維の繊維軸方向に垂直な断面形状は、繊維表面に連通する中空部が繊維軸方向に連続して存在していれば良く、例えば、略C型、略U型、略V型等が挙げられる。断面形状は後述の中空率を満たせば特に限定されるものではない。
極細繊維の中空率は20〜70%である。好ましくは35〜60%である。20%未満であると、樹脂層形成時に十分なアンカー効果が得られず、高い剥離強力は得られない。70%を超えると、繊維形状が維持できず、中空部が潰れてしまうため、かさ高い構造を維持できず、シート状物の軽量化ができない。
中空率の測定方法は、例えば、シート状物中の極細繊維の繊維軸方向に直交する断面(繊維横断面という)を、走査型電子顕微鏡(SEM キーエンス社製VE−7800型)を用いて、3000倍で観察し、30μm×30μmの視野内で無作為に抽出した30本の単繊維を測定し、図1に示すように、開口部分を閉塞する接線Bを引き、その接線と繊維横断面の外輪郭に囲まれる部分、すなわち太線で囲まれた領域Saの面積と、接線と繊維横断面の内周部に囲まれる部分、すなわち中空部Sbの面積の面積比率により、Sb/Sa×100(%)として求めた。
本発明では、極細繊維の束(極細繊維束)が絡合してなる不織布が、シート状物の強力等の観点から好ましく用いられる。
極細繊維束の形態としては、極細繊維同士が多少離れていてもよく、結合していても結合していなくてもよく、部分的に結合していてもよく、極細繊維同士が凝集している形態をとることもできる。
本発明のシート状物の目付は、100〜500g/mの範囲であることが好ましい。目付を好ましくは100g/m以上、より好ましくは150g/m以上とすることにより、シート状物に十分な形態安定性と寸法安定性が得られる。一方、目付を好ましくは500g/m以下、より好ましくは300g/m以下とすることにより、シート状物に十分な柔軟性が得られる。
本発明のシート状物の厚さは、0.1〜10mmの範囲であることが好ましい。厚さを好ましくは0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上とすることにより、十分な形態安定性と寸法安定性が得られる。一方、厚さを好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下とすることにより十分な柔軟性が得られる。
本発明のシート状物は、少なくとも片面に立毛処理が施されていることが好ましい態様である。立毛処理により、シート状物の厚さは均一になり、表面に樹脂層を形成する際に均一に樹脂を塗布、またはラミネートできる。
本発明のシート状物は、どちらか片方または両面に樹脂からなる樹脂層を形成して、銀付人工皮革として用いても良い。すなわち、本発明の銀付人工皮革は、本発明のシート状物の少なくとも片面に樹脂層が形成されたことを特徴とする。
樹脂層を形成する樹脂としては、例えば、ポリウレタン、アクリル系弾性体、シリコーン系弾性体、ジエン系弾性体、ニトリル系弾性体、フッ素系弾性体、ポリスチレン系弾性体、ポリオレフィン系弾性体、ポリアミド系弾性体等のエラストマーのエマルジョン、サスペンジョン、ディスパーションまたは溶液等の樹脂液が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中ではポリウレタンが耐摩耗性や機械的特性に優れるため好ましい。また、前記樹脂成分には、必要に応じて、着色剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤などを含有してもよい。
樹脂層は弾性重合体からなる発泡層と乾式層のいずれでも良く、また両方を組み合わせても良い。
樹脂層の厚さは、0.03〜3mmの範囲であることが好ましい。厚さを好ましくは0.03mm、より好ましくは、0.05mm以上の範囲とすることで、銀付人工皮革に十分な耐摩耗性が得られる。一方、厚みを3mm以下、よりこの好ましくは0.5mm以下の範囲とすることで、銀付人工皮革に十分な柔軟性が得られる。
また、樹脂層形成後の銀付人工皮革の厚さは、0.2〜12mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.4〜5mmの範囲である。
次に、本発明のシート状物とその製造方法について説明する。
本発明の中空繊維は、極細繊維発現型繊維から得るものであることが好ましく、より好ましくは海島型複合繊維から得るものである。本発明で用いられる極細中空繊維は、海島型複合繊維の繊維軸方向に垂直な断面において、島成分(難溶性)の内部に海成分(易溶出性)を有し、島成分の内側と外側に配する海成分が連続した形態の複合繊維、いわば中海入海島型複合繊維を形成することにより得ることができる。
中海入海島型複合繊維の海成分を溶剤などによって溶解除去することで、繊維表面を連通する中空部が繊維軸方向に連続して存在する中空繊維を得ることができる。
海島型繊維の海成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スルホイソフタル酸ナトリウムやポリエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリエステル、ポリ乳酸、およびPVAなどが挙げられる。
海島型繊維の繊維極細化処理(脱海処理)は、溶剤中に海島型繊維を浸漬し、搾液することによって行うことができる。海成分を溶解する溶剤としては、海成分がポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレンの場合には、トルエンやトリクロロエチレンなどの有機溶剤を用いられる。また、海成分が共重合ポリエステルまたはポリ乳酸の場合には、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液や熱水が用いられる。
本発明の極細繊維は、繊維表面を連通する中空部が繊維軸方向に連続して存在する中空繊維となり得るため、繊維極細化処理時の溶剤は海成分を容易に溶解できる。繊維表面に連通する中空部がない場合は、海成分を溶解する溶剤は繊維断面からのみ海成分を溶解するため、繊維長が長いほど中空部分の海成分を溶解することは困難となり、繊維極細化処理に時間がかかるものである。
繊維極細化処理には、連続染色機、バイブロウォッシャー型脱海機、液流染色機、ウィンス染色機およびジッガー染色機等の装置を用いることができる。
海成分の溶解除去は、弾性重合体を含浸する前、含浸した後、および起毛処理後のいずれのタイミングでも行うことができる。弾性重合体付与前に脱海処理を行うと、極細繊維に直接弾性重合体が密着する構造となって極細繊維を強く把持できることから、シート状物の耐摩耗性がより良好となる。一方、弾性重合体付与後に脱海処理を行うと、弾性重合体と極細繊維間に、脱海された海成分に起因する空隙が生成することから、極細繊維を直接弾性重合体が把持せずにシート状物の圧縮特性が良好となる。
本発明で用いられる海島型複合繊維における海成分と島成分の質量割合は、海成分:島成分=10:90〜80:20の範囲であることが好ましい。海成分の質量割合が10質量%を下回る場合、島成分の極細化が不十分となる。また、海成分の質量割合が80質量%を超える場合、溶出成分の割合が多いため生産性が低くなる。海成分と島成分の質量割合は、より好ましくは、海成分:島成分=20:80〜70:30の範囲である。
本発明において、海島型複合繊維で代表される極細繊維発現型繊維を延伸する場合は、未延伸糸を一旦巻取り後、別途延伸を行うか、もしくは未延伸糸を引取りそのまま連続して延伸を行うなど、いずれの方法も採用することができる。延伸は、湿熱または乾熱あるいはその両者によって、1段〜3段延伸する方法で適宜行うことができる。次に、延伸された海島型複合繊維に、好ましくは捲縮加工を施し、所定長にカットして不織布の原綿を得る。捲縮加工やカット加工は通常の方法を用いることができる。
本発明で用いられる複合繊維は、座屈捲縮が付与されていることが好ましい。それは、座屈捲縮により、短繊維不織布を形成した場合の繊維間の絡合性が向上し、高密度と高絡合化が可能となるためである。複合繊維に座屈捲縮を付与するためには、通常のスタッフィングボックス型のクリンパーが好ましく用いられるが、本発明において好ましい捲縮保持係数を得るためには、処理繊度、クリンパー温度、クリンパー加重および押込み圧力等を適宜調整することが好ましい態様である。
座屈捲縮が付与された極細繊維発現型繊維の捲縮保持係数としては、3.5〜15の範囲であることが好ましく、より好ましくは4〜10の範囲である。捲縮保持係数が3.5以上であることにより、不織布を形成した際に不織布の厚み方向の剛性が向上し、ニードルパンチ等の絡合工程における絡合性を維持することが可能である。また、捲縮保持係数を15以下とすることにより、捲縮がかかりすぎることなく、カーディングにおける繊維ウェッブの開繊性に優れる。
ここでいう捲縮保持係数とは、次の式で表されるものである。
・捲縮保持係数=(W/L−L1/2
W:捲縮消滅荷重(捲縮が伸びきった時点の荷重:mg/dtex)
L:捲縮消滅荷重下の繊維長(cm)
:6mg/dtex下での繊維長(cm)。30.0cmをマーキングする。
測定の方法としては、まず、試料に100mg/dtexの荷重をかけ、その後、10mg/dtex刻みで荷重を増加させ、捲縮の状態を確認する。捲縮が伸びきるまで荷重を加えていき、捲縮が伸びきった状態における、マーキングの長さ(30.0cmからの伸び)を測定する。
本発明で用いられる複合繊維の単繊維繊度は、ニードルパンチ工程等の絡合性の観点から、2〜10dtexの範囲が好ましく、より好ましくは3〜9dtexの範囲である。
本発明のシート状物で用いられる中海入海島型複合繊維は98℃の温度における収縮率が5〜40%であることが好ましく、より好ましくは10〜35%である。収縮率をこの範囲とすることにより、熱水処理によって繊維密度を向上することができ、本革のような充実感を得ることできる。
収縮率の測定法は、具体的には、まず、複合繊維の束に50mg/dtexの荷重をかけ、30.0cmをマーキングする(L)。その後、98℃の温度の熱水中で10分間処理し、処理前後の長さ(L)を測定し、(L−L)/L×100を算出する。測定は3回実施し、その平均値を収縮率とするものである。
本発明では、極細繊維束内の繊維数は8〜1000本/束であることが好ましく、より好ましくは10〜800本/束である。繊維数が8本/束未満の場合には、極細繊維の緻密性が乏しく、例えば、摩耗等の機械物性が低下する傾向がある。また、繊維数19000本/束より多い場合には、立毛時の開繊性が低下し、立毛面の繊維分布が不均一となって、シート状物の表面に樹脂層を形成する際に樹脂が均一に塗布、またはラミネートできない。
本発明のシート状物を構成する繊維絡合体である不織布を得る方法としては、複合繊維ウェブをニードルパンチやウォータジェットパンチにより絡合させる方法、スパンボンド法、メルトブロー法、および抄紙法などを採用することができ、中でも、前述のような極細繊維束の態様とする上で、ニードルパンチやウォータジェットパンチなどの処理を経る方法が好ましく用いられる。
不織布は、前述のように、不織布と織編物を積層一体化させてもよく、これらをニードルパンチやウォータジェットパンチ等により一体化する方法が好ましく用いられる。
ニードルパンチ処理に用いられるニードルにおいては、ニードルバーブ(切りかき)の数は好ましくは1〜9本である。ニードルバーブを好ましくは1本以上とすることにより、効率的な繊維の絡合が可能となる。一方、ニードルバーブを好ましくは9本以下とすることにより、繊維損傷を抑えることができる。
バーブに引っかかる極細繊維発現型繊維等の複合繊維の本数は、バーブの形状と複合繊維の直径によって決定される。そのため、ニードルパンチ工程で用いられる針のバーブ形状は、キックアップが0〜50μmであり、アンダーカットアングルが0〜40°であり、スロートデプスが40〜80μmであり、そしてスロートレングスが0.5〜1.0mmのものが好ましく用いられる。
また、パンチング本数は、1000〜8000本/cmであることが好ましい。パンチング本数を好ましくは1000本/cm以上とすることにより、緻密性が得られ高精度の仕上げを得ることができる。一方、パンチング本数を好ましくは8000本/cm以下とすることにより、加工性の悪化、繊維損傷および強度低下を防ぐことができる。
また、織編物と極細繊維発現型繊維からなる不織布を積層一体化する場合、ニードルパンチのニードルのバーブ方向は、織編物と不織布の進行方向に対して好ましくは直行する90±25°とすることにより、損傷しやすい緯糸を引掛けにくくなる。
また、ウォータジェットパンチ処理を行う場合には、水は柱状流の状態で行うことが好ましい。具体的には、直径0.05〜1.0mmのノズルから圧力1〜60MPaで水を噴出させることが好ましい態様である。
ニードルパンチ処理あるいはウォータジェットパンチ処理後の複合繊維からなる不織布の見掛け密度は、0.15〜0.45g/cmであることが好ましい。見掛け密度を好ましくは0.15g/cm以上とすることにより、シート状物が十分な形態安定性と寸法安定性が得られる。一方、見掛け密度を好ましくは0.45g/cm以下とすることにより、弾性重合体を付与するための十分な空間を維持することができる。
このようにして得られた中海入海島型の極細繊維発現型繊維からなる不織布は、緻密化の観点から、乾熱もしくは湿熱またはその両者によって収縮させ、さらに高密度化することが好ましい態様である。また、不織布はカレンダー処理等により、厚み方向に圧縮させることもできる。
また、シート状物表面の繊維分布の緻密性および均一性を得るためには、弾性重合体は極細繊維の繊維束が絡合されてなる不織布等の繊維絡合体について、極細繊維の繊維束内部には実質的に存在しないことが好ましい態様である。繊維束内部にまで弾性重合体が存在すると、弾性重合体が各極細繊維と接着して存在することになるため、バフィング処理の際の開繊性が乏しくなる。
弾性重合体が、極細繊維の繊維束内部には実質的に存在しない形態を得る方法としては、例えば、弾性重合体を溶液とし、
(1)極細繊維発現型の海島型繊維で構成された繊維絡合体に、前記の弾性重合体溶液を含浸し凝固させた後、海島型繊維の海成分を、弾性重合体は溶解しない溶剤で溶解除去する方法や、
(2)極細繊維発現型の海島型繊維で構成された繊維絡合体に、鹸化度が好ましくは80%以上のポリビニルアルコールを付与し、繊維の周囲の大部分を保護した後、海島型繊維の海成分を、ポリビニルアルコールは溶解しない溶剤で溶解除去し、次いで前記の弾性重合体溶液を含浸し凝固させた後、ポリビニルアルコールを除去する方法、などを好ましく用いることができる。
前記のポリビニルアルコールとしては、鹸化度80%以上のポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
弾性重合体としてポリウレタンを付与させる際に用いられる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等が好ましく用いられるが、ポリウレタンを水中にエマルジョンとして分散させた水分散型ポリウレタン液として用いることもできる。
有機溶剤系ポリウレタンを用いる場合は、乾熱凝固または湿式凝固あるいはこれらを組み合わせて凝固させることができるが、なかでも水中に浸漬して凝固させる湿式凝固が好ましく用いられる。湿式凝固とすることにより、極細繊維の交絡点にポリウレタンが集中することがなく、ポリウレタン自体も多孔化するため、極細繊維同士の自由度が増し、柔軟なシート状物を得る事ができる。
湿式凝固の温度は、特に限定はされない。
繊維絡合体に弾性重合体を付与後、得られた弾性重合体付与シート状物を、シート厚み方向に半裁ないしは数枚に分割することは、生産効率に優れ好ましい態様である。
本発明のシート状物は、シート状物の少なくとも一面に、立毛を有してもよい。
本発明のシート状物の表面に極細繊維の立毛を形成するための起毛処理は、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて、研削する方法などにより施すことができる。起毛処理の前に、シート状物にシリコーンエマルジョンなどの滑剤を付与してもよい。
また、上記の起毛処理の前に帯電防止剤を付与することは、研削によってシート状物から発生した研削粉がサンドペーパー上に堆積しにくくなる傾向にあり好ましい態様である。
シート状物は、用途に応じて染色することができる。シート状物の染色方法としては、シート状物を染色すると同時に揉み効果を与えてシート状物を柔軟化することができることから、液流染色機を用いることが好ましい。シート状物の染色温度は、高すぎると高分子弾性体が劣化する場合があり、逆に低すぎると繊維への染着が不十分となるため、繊維の種類により設定することが好ましい。染色温度は、一般に80〜150℃であることが好ましく、より好ましくは110〜130℃である。
染料は、シート状物を構成する繊維の種類にあわせて、選択することができる。例えば、ポリエステル系繊維であれば分散染料を用い、ポリアミド系繊維であれば酸性染料や含金染料を用い、更にそれらの組み合わせを用いることができる。
また、シート状物の染色時に染色助剤を使用することも好ましい態様である。染色助剤を用いることにより、染色の均一性や再現性を向上させることができる。また、染色と同浴または染色後に、シリコーン等の柔軟剤、帯電防止剤、撥水剤、難燃剤、耐光剤および抗菌剤等を用いた仕上げ剤処理を施すことができる。
また、本発明のシート状物には、樹脂からなる樹脂層を形成し、銀付人工皮革として用いてもよい。樹脂層を形成する方法としては、シート状物上に直接樹脂をコーティングする方法や、離形紙上に形成した樹脂膜をシート状物の表面に接着剤層を介して接着する乾式造面法が挙げられるが、これらの方法を組み合わせてシート状物表面に積層構造を形成するのも好ましい態様である。
樹脂層の樹脂塗布量は、30〜400g/mの範囲が好ましく、より好ましくは、50〜300g/mの範囲である。上記範囲とすることで、機械的特性と風合いとのバランスを維持することができる。
本発明のシート状物は、表面にポリウレタン等の樹脂層を形成することで、銀付人工皮革とした際、軽量性とともに、シート状物と樹脂層の間の強い剥離強力を両立できるため、靴、鞄、スポーツシューズ、雑貨用途、衣料、自動車内装材として好適に用いられる。また、本発明のシート状物は柔軟性と軽量性を活かして、染色加工を施し、スエード調人工皮革として用いることもできる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[測定方法および評価用加工方法]
(1)ポリマーの融点:
融点は、パーキンエルマー社(Perkin Elmaer)製DSC−7を用いて、2nd runでポリマーの溶融を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は16℃/分で、サンプル量は10mgとした。測定は2回行い、その平均値を融点とした。
(2)シート状物中の極細繊維の平均単繊維径:
平均単繊維径は、極細繊維を含む不織布の厚み方向に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡(SEM キーエンス社製VE−7800型)で、3000倍で観察し、30μm×30μmの視野内で無作為に抽出した50本の単繊維直径を測定した。これを3ヶ所で行い、合計150本の単繊維の直径を測定し、小数点以下を四捨五入して平均値を算出した。極細繊維が異形断面の場合、まず単繊維の断面積を測定し、当該断面を円形と見立てた場合の直径を算出することによって単繊維の直径を求めた。
(3)中空率
中空率は、シート状物中の繊維軸方向に直交する断面を、走査型電子顕微鏡(SEM キーエンス社製VE−7800型)を用いて、3000倍で観察し、30μm×30μmの視野内で無作為に抽出した30本の単繊維を測定した。得られた繊維の断面写真にて、開口部分を閉塞する接線を引き、前記接線と繊維横断面の外輪郭に囲まれる部分の面積Saと、接線と繊維横断面の内周部に囲まれる部分の面積Sbの面積比率により、Sb/Sa×100(%)として求めた。
(4)シート状物の目付
JIS L 1096(1999)8.4.2に記載された方法で測定した。20cm×20cmの試験片を5枚採取し、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
(5)剥離強力
シート状物に銀面層を形成した銀付調人工皮革の剥離強力をJIS K6854−2:1999に規定の測定方法に準じて測定した。剛性被接着材として、ポリウレタン製クレープゴム板(長さ150mm、幅27mm、厚さ5mm)を使用し、また、たわみ性被接着材として、縦方向、横方向それぞれに3枚ずつ切り出した、長さ250mm、幅25mmの銀付調人工皮革を使用した。ポリウレタン系2液接着材を用いて銀付調人工皮革とゴム板とを接着力が十分に発揮されるように接着して試験片を作製した。試験片を50mm/分の速度で引き剥がしたときに要する応力と剥離長さとを測定し応力−剥離長さ曲線を求めた。得られた曲線から平均剥離強力を求めた。縦方向、横方向それぞれについて得られた3個の平均剥離強力を平均して算出した。剥離強力が100N/cm以上で良好とした。
[実施例1]
<原綿>
(島成分ポリマー)
融点が160℃のポリプロピレン(PP)を用いた。
(海成分ポリマー)
JIS K7206に準じて測定したビカット軟化点が100℃のポリスチレン(PSt)を用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、島成分が略C型の海島複合断面を作製可能な14島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度が285℃で、島成分/海成分の質量比率44/56、吐出量1.2g/分・ホール、紡糸速度1200m/分の条件で溶融紡糸した。
次いで、85℃の温度の延伸液浴中で倍率が2.7倍となるように延伸し、クリンパーを用いて捲縮を付与し海島型複合繊維を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が3.5dtexで、98℃の温度における収縮率は11.7%であった。この複合繊維を繊維長51mmにカットして、海島型複合繊維の原綿を得た。
<不織布>
上記の原綿を用い、カードとクロスラッパー工程を経て積層繊維ウェブを形成した。次いで、得られた積層繊維ウェブに、パンチ本数が2700本/cmでニードルパンチを施し、目付が750g/mで、見掛け密度が0.184g/cmの不織布(繊維絡合体)を作製した。 <シート状物>
上記の不織布を98℃の温度の熱水で収縮させた後、これにPVA(ポリビニルアルコール)水溶液を含浸し、不織布の質量に対するPVA質量が51質量%の不織布を得た。このようにして得られた不織布を、トリクロロエチレン中に浸漬して海成分を溶解除去し、極細繊維からなる不織布(脱海シート)を得た。
このようにして得られた極細繊維からなる不織布(脱海シート)を、弾性重合体としてのポリカーボネート系ポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に浸漬し、次いで水溶液中でポリカーボネート系ポリウレタンを凝固させた。その後、PVAを熱水中に浸漬して除去し、110℃の温度の熱風で10分間乾燥することで、島成分からなる前記の極細繊維の質量に対するポリウレタン質量が59質量%の不織布(ポリウレタン含有シート)を得た。その後、JIS#150番のサンドペーパーを用いてポリウレタン含有シートの非半裁面を研削してシート状物を得た。
<銀付人工皮革>
上記のシート状物の立毛処理を施した面上に、ポリエーテル系ポリウレタンをナイフコーターにより、付量110g/mとなるようにコーティングし、水溶液中で凝固させた。その後、剥離紙上に形成した、ポリエーテル・ポリカーボネート系ポリウレタンからなるトップ層(100g/m)を接着剤にて最外層に接着させ、銀付人工皮革とした。
得られた銀付人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が4.4μmで、中空率は45%であった。また、目付は421g/m、剥離強力は119N/cmと良好であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
<原綿>
(島成分ポリマー)
融点が220℃のナイロン6(Ny)を島成分ポリマーとして用いた。
(海成分ポリマー)
融点が240℃の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8.5モル%共重合したPETを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が3.6dtexで、98℃の温度における収縮率は12.4%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用い、海成分の溶解除去に90℃の温度に加熱した濃度20g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて30分間処理したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が4.4μmで、中空率は45%であった。また、目付は456g/m、剥離強力は122N/cmと良好であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
<原綿>
(島成分ポリマー)
実施例2で用いたものと同じ島成分ポリマーを用いた。
(海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が3.6dtexで、98℃の温度における収縮率は13.0%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が4.4μmで、中空率は45%であった。また、目付は453g/m、剥離強力は125N/cmと良好であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
<原綿>
(島成分ポリマー)
融点が260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。
(海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が3.8dtexで、98℃の温度における収縮率は14.0%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が4.4μmで、中空率は45%であった。また、目付は481g/m、剥離強力は121N/cmと良好であった。結果を表1に示す。
[実施例5]
<原綿>
(島成分ポリマーと海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、紡糸時の吐出量を2.1g/分・ホールとした以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が7.0dtexで、98℃の温度における収縮率は13.8%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が6.0μmで、中空率は45%であった。また、目付は484g/m、剥離強力は110N/cmと良好であった。結果を表1に示す。
[実施例6]
<原綿>
(島成分ポリマーと海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、島成分/海成分の質量比率を67/33としたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が3.4dtexで、98℃の温度における収縮率は12.2%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が4.4μmで、中空率は24%であった。また、目付は522g/m、剥離強力は108N/cmと良好であった。結果を表1に示す。
[実施例7]
<原綿>
(島成分ポリマーと海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、島成分/海成分の質量比率を27/73としたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が4.2dtexで、98℃の温度における収縮率は16.3%であった。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が4.4μmで、中空率は63%であった。また、目付は467/m、剥離強力は113N/cmと良好であった。結果を表1に示す。
[実施例8]
<原綿>
(島成分ポリマーと海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、45島/ホールの海島型複合口金を用いたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が3.9dtexで、98℃の温度における収縮率は14.3%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が2.5μmで、中空率は45%であった。また、目付は485g/m、剥離強力は116N/cmと良好であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
<原綿>
(島成分ポリマーと海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、島成分/海成分の質量比率を78/22としたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が3.4dtexで、98℃の温度における収縮率は10.2%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し、不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が4.4μmで、中空率は16%であった。また、目付は545g/m、剥離強力は70N/cmとC型繊維によるアンカー効果が十分に得られず、剥離強力が不良であった。結果を表1に示す。
[比較例2]
<原綿>
(島成分ポリマーと海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、島成分の内部に1個の中海成分を有する芯鞘型海島複合断面を作製可能な14島/ホールの海島型複合口金を用いて、島成分/中海成分/外海成分の質量比率を39/27/34としたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が4.0dtexで、98℃の温度における収縮率は15.3%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し、不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が4.4μmで、中空率は45%であった。中空部は繊維表面と連通していなかった。また、目付は489g/m、剥離強力は65N/cmと丸型繊維であるためにアンカー効果が得られず、剥離強力が不良であった。結果を表1に示す。
[比較例3]
<原綿>
(島成分ポリマーと海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、16島で各島中に中海成分を有さない島数16/ホールの海島型複合紡糸口金を用いて、島成分/海成分の質量比率を80/20としたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が4.2dtexで、98℃の温度における収縮率は13.5%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し、不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が4.4μmであった。また、目付は580g/m、剥離強力は59N/cmと、目付が高く、更に中空部を有さない丸型繊維であるためにアンカー効果が得られず、剥離強力が不良であった。結果を表1に示す。
[比較例4]
<原綿>
(島成分ポリマーと海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
島成分が略C型の海島複合断面を作製可能な2島/ホールの海島型複合口金を用いたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が3.9dtexで、98℃の温度における収縮率は14.1%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、平均単繊維直径が11.0μmで、中空率は45%であった。また、目付は496g/m、剥離強力は96N/cmと剥離強力が不良であった。結果を表1に示す。
[比較例5]
<原綿>
(島成分ポリマーと海成分ポリマー)
実施例1で用いたものと同じ島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた。
(紡糸・延伸)
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーを用い、島成分/海成分の質量比率を17/83としたこと以外は、実施例1と同様にして海島型複合繊維の原綿を得た(中空率76%の中空繊維を発現可能)。得られた海島型複合繊維は、単繊維繊度が6.8dtexで、98℃の温度における収縮率は19.2%であった。
<不織布>
上記の原綿を用い、実施例1と同様にして加工を実施し不織布を作製した。
<シート状物>
上記の不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。海成分の溶出のため、トリクロロエチレン溶液中に浸漬し、搾液した際に、略C型断面繊維の中空潰れが生じ、繊維断面の開口部は閉塞していた。すなわち、中空部は繊維表面と連通していなかった。
<銀付調人工皮革>
上記のシート状物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得た。得られた銀付調人工皮革中の極細繊維は、中空部分の潰れにより、繊維断面の開口部が閉塞していた。目付は541g/m、剥離強力は67N/cmと剥離強力が不良であった。結果を表1に示す。
Figure 2018003191
Sa :太線で囲まれた領域
Sb :中空部
A :中空繊維
B :開口部分を閉塞する接線

Claims (4)

  1. 平均単繊維直径が0.1〜10μmである極細繊維を主体とする繊維絡合体と弾性重合体を構成成分として備えるシート状物において、前記極細繊維が、繊維表面に連通する中空部が繊維軸方向に連続して存在する極細繊維であり、前記極細繊維の中空率が20〜70%であることを特徴とするシート状物。
  2. 極細繊維がポリアミド及び/またはポリオレフィンであることを特徴とする請求項1記載のシート状物。
  3. 請求項1または2に記載のシート状物の少なくとも片面に樹脂層が形成されたことを特徴とする銀付人工皮革。
  4. 請求項1または2に記載のシート状物を製造する方法であって、前記極細繊維が極細繊維発現型繊維から得られることを特徴とするシート状物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022245016A1 (ko) * 2021-05-17 2022-11-24 도레이첨단소재 주식회사 다층구조 멜트블로운 부직포 및 이의 제조방법

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WO2022245016A1 (ko) * 2021-05-17 2022-11-24 도레이첨단소재 주식회사 다층구조 멜트블로운 부직포 및 이의 제조방법

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