JP2020000707A - X線コンピュータ断層撮影装置及びx線コンピュータ断層撮影装置のメンテナンス方法 - Google Patents

X線コンピュータ断層撮影装置及びx線コンピュータ断層撮影装置のメンテナンス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メンテナンス性を改善すること。【解決手段】実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、回転フレームと、前記回転フレームに設けられた移動機構とを含む。移動機構は、メンテナンス対象の第1部材と他の第2部材とが干渉しないように、前記第1部材及び前記第2部材を撮影用の第1配置と保守用の第2配置との間で前記回転フレームに対して移動可能に支持する。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、X線コンピュータ断層撮影装置及びX線コンピュータ断層撮影装置のメンテナンス方法に関する。
病院に設置されたX線コンピュータ断層撮影装置の架台についてメンテナンスが行われる場合がある。X線検出器やX線管等は、メンテナンス頻度が高い。しかし、これらのユニット等は質量が大きいため、作業者が人力だけで取り外すことは困難である。このような中、回転部を回転させることにより保守対象のユニットを回転部の最下部に移動させた後に、架台と寝台との間に配置した治具を用いて保守対象のユニットを取り外したり、取り付けたりしている。また、X線コンピュータ断層撮影装置に限らず、保守対象の部材に関するメンテナンス性を向上させるために、保守対象の部材を移動可能に設置する場合がある。しかし、X線コンピュータ断層撮影装置の架台においては、各ユニットが高密度に実装されているため、保守対象のユニットだけを移動させることは困難である。
特開2000−271114号公報 特開2009−297145号公報 特開2008−113516号公報
本発明が解決しようとする課題は、メンテナンス性を改善することである。
実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、回転フレームと、前記回転フレームに設けられた移動機構とを含む。移動機構は、メンテナンス対象の第1部材と他の第2部材とが干渉しないように、前記第1部材及び前記第2部材を撮影用の第1配置と保守用の第2配置との間で前記回転フレームに対して移動可能に支持する。
図1は、第1の実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成の一例を示す図である。 図2は、図1の架台及び寝台のメンテナンス時の構成の一例を示す斜視図である。 図3は、図2の架台における撮影用の配置の一例について説明するための模式図である。 図4は、図2の架台におけるメンテナンス用の配置の一例について説明するための模式図である。 図5は、第1の実施形態に係るメンテナンス作業における作業手順の一例を示す流れ図である。 図6は、図5のメンテナンス作業においてメンテナンス対象を選択するためのグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す模式図である。 図7は、第2の実施形態に係る撮影用の配置の一例について説明するための模式図である。 図8は、第2の実施形態に係るメンテナンス用の配置の一例について説明するための模式図である。 図9は、第3の実施形態に係る移動機構を制御するための移動制御情報の一例を示す模式図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置を説明する。なお、以下の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。
本実施形態に係る放射線検出器は、X線やガンマ線等の任意の放射線を検出する検出器に適用可能である。本実施形態に係る放射線診断装置は、X線コンピュータ断層撮影装置やX線診断装置、核医学診断装置に適用可能である。以下、本実施形態に係る放射線検出器は、X線を検出するX線検出器であるとする。本実施形態に係る放射線診断装置は、X線検出器を搭載したX線コンピュータ断層撮影装置であるとする。
X線コンピュータ断層撮影装置(CT装置)には、第3世代CT、第4世代CT等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。ここで、第3世代CTは、X線管と検出器とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate−Typeである。第4世代CTは、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate−Typeである。
図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の構成を示す図である。X線コンピュータ断層撮影装置1は、X線管11から被検体Pに対してX線を照射し、照射されたX線をX線検出器12で検出する。X線コンピュータ断層撮影装置1は、X線検出器12からの出力に基づいて被検体Pに関するCT画像を生成する。
図1に示すように、X線コンピュータ断層撮影装置1は、架台10、寝台30及びコンソール40を有する。なお、図1では説明の都合上、架台10が複数描画されている。架台10は、被検体PをX線CT撮影するための構成を有するスキャン装置である。寝台30は、X線CT撮影の対象となる被検体Pを載置し、被検体Pを位置決めするための搬送装置である。コンソール40は、架台10を制御するコンピュータである。例えば、架台10及び寝台30はCT検査室に設置され、コンソール40はCT検査室に隣接する制御室に設置される。架台10、寝台30及びコンソール40は互いに通信可能に有線または無線で接続されている。なお、コンソール40は、必ずしも制御室に設置されなくてもよい。例えば、コンソール40は、架台10及び寝台30とともに同一の部屋に設置されてもよい。また、コンソール40が架台10に組み込まれてもよい。
図1に示すように、架台10は、X線管11、X線検出器12、回転フレーム13、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17及びデータ収集回路(DAS:Data Acquisition System)18を有する。
X線管11は、X線を被検体Pに照射する。具体的には、X線管11は、熱電子を発生する陰極と、陰極から飛翔する熱電子を受けてX線を発生する陽極と、陰極と陽極とを保持する真空管とを含む。X線管11は、高圧ケーブルを介してX線高電圧装置14に接続されている。陰極と陽極との間には、X線高電圧装置14により管電圧が印加される。管電圧の印加により陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔する。陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔することにより管電流が流れる。X線高電圧装置14からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子が飛翔し、熱電子が陽極に衝突することによりX線が発生される。例えば、X線管11には、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
なお、X線を発生させるハードウェアはX線管11に限られない。例えば、X線管11に代えて、第5世代方式を用いてX線を発生させることにしても構わない。第5世代方式は、電子銃から発生した電子ビームを集束させるフォーカスコイルと、電磁偏向させる偏向コイルと、被検体Pの半周を囲い偏向した電子ビームが衝突することによってX線を発生させるターゲットリングとを含む。
X線検出器12は、X線管11から照射され被検体Pを通過したX線を検出し、検出されたX線の線量に対応した電気信号をDAS18に出力する。X線検出器12は、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向)に複数配列された構造を有する。X線検出器12は、例えば、グリッド、シンチレータアレイ及び光センサアレイを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは、入射X線量に応じた光量の光を出力する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射面側に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドは、コリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光の光量に応じた電気信号に変換する。光センサとしては、例えば、フォトダイオードが用いられる。なお、X線検出器12は、直接変換型の検出器であってもよい。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを回転軸R1(Z軸)回りに回転可能に支持する円環状のフレームである。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持する。回転フレーム13は、後述する固定フレーム21に回転軸R1回りに回転可能に支持される。制御装置15により回転フレーム13が回転軸R1回りに回転することによりX線管11とX線検出器12とを回転軸R1回りに回転させる。回転フレーム13は、制御装置15の駆動機構からの動力を受けて回転軸R1回りに一定の角速度で回転する。回転フレーム13の開口部19には、画像視野(FOV)が設定される。
なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸R1又は寝台30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し床面に対し水平である軸方向をX軸(水平軸R2)方向、Z軸方向に直交し床面に対し垂直である軸方向をY軸(垂直軸R3)方向と定義する。
X線高電圧装置14は、高電圧発生装置及びX線制御装置を有する。高電圧発生装置は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する。X線制御装置は、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行う。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。X線高電圧装置14は、架台10内の回転フレーム13に設けられてもよいし、架台10内の固定フレーム21に設けられても構わない。
ウェッジ16は、被検体Pに照射されるX線の線量を調節する。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線の線量が予め定められた分布になるようにX線を減衰する。例えば、ウェッジ16としては、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)等のアルミニウム等の金属板が用いられる。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を限定する。コリメータ17は、X線を遮蔽する複数の鉛板をスライド可能に支持し、複数の鉛板により形成されるスリットの形態を調節する。なお、コリメータ17は、X線絞りと呼ばれる場合もある。
DAS18は、X線検出器12により検出されたX線の線量に応じた電気信号をX線検出器12から読み出す。DAS18は、読み出した電気信号を増幅し、ビュー期間に亘り電気信号を積分することにより当該ビュー期間に亘るX線の線量に応じたデジタル値を有する検出データを収集する。検出データは、投影データと呼ばれる。DAS18は、例えば、投影データを生成可能な回路素子を搭載した特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)により実現される。投影データは、非接触データ伝送装置等を介してコンソール40に伝送される。
なお、本実施形態では、積分型のX線検出器12及び積分型のX線検出器12が搭載されたX線コンピュータ断層撮影装置1を例として説明するが、本実施形態に係る技術は、光子計数型のX線検出器又は光子計数型のX線検出器が搭載されたX線コンピュータ断層撮影装置であっても適用可能である。
制御装置15は、コンソール40の処理回路44のシステム制御機能441に従いX線CT撮影を実行するためにX線高電圧装置14やDAS18を制御する。制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPU等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。また、制御装置15は、ASICやフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)により実現されてもよい。また、制御装置15は、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)又は単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。制御装置15は、コンソール40若しくは架台10に取り付けられた、後述する入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台10及び寝台30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台10をチルトさせる制御、及び寝台30及び天板33を動作させる制御を行う。なお、架台10をチルトさせる制御は、架台10に取り付けられた入力インターフェースによって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸(水平軸R2)を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。なお、制御装置15は架台10に設けられてもよいし、コンソール40に設けられても構わない。
寝台30は、基台31、支持フレーム32、天板33及び寝台駆動装置34を備える。基台31は、床面に設置される。基台31は、支持フレーム32を、床面に対して垂直方向(Y軸方向)に移動可能に支持する筐体である。支持フレーム32は、基台31の上部に設けられるフレームである。支持フレーム32は、天板33を回転軸R1(Z軸)方向に沿ってスライド可能に支持する。天板33は、被検体Pが載置される柔軟性を有する板である。
寝台駆動装置34は、寝台30の筐体内に収容される。寝台駆動装置34は、被検体Pが載置された支持フレーム32と天板33とを移動させるための動力を発生するモータ又はアクチュエータである。寝台駆動装置34は、コンソール40等による制御に従い作動する。
コンソール40は、メモリ41、ディスプレイ42、入力インターフェース43及び処理回路44を有する。メモリ41は、記憶部の一例である。メモリ41とディスプレイ42と入力インターフェース43と処理回路44との間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。なお、コンソール40は架台10とは別体として説明するが、架台10にコンソール40又はコンソール40の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体であってもよい。メモリ41は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、X線コンピュータ断層撮影装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。ディスプレイ42としては、種々の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。例えばディスプレイ42として、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)又はプラズマディスプレイが使用可能である。また、ディスプレイ42は、架台10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。入力インターフェース43としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。なお、本実施形態において、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。また、入力インターフェース43は、架台10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
処理回路44は、入力インターフェース43から出力される入力操作の電気信号に応じてX線コンピュータ断層撮影装置1全体の動作を制御する。処理回路44は、X線検出器12から出力された電気信号に基づいて画像データを生成する。処理回路44は、制御部の一例である。例えば、処理回路44は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路44は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、画像処理機能444、表示制御機能445、メンテナンス制御機能446等を実行する。なお、各機能441〜446は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能441〜446を実現するものとしても構わない。
システム制御機能441において処理回路44は、X線CT撮影を行うためX線高電圧装置14と制御装置15とDAS18とを制御する。
前処理機能442において処理回路44は、DAS18から出力された投影データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。
再構成処理機能443において処理回路44は、前処理機能442による前処理後の投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行い、CT画像データを生成する。
画像処理機能444において処理回路44は、再構成処理機能443によって生成されたCT画像データを、任意断面の断面画像データや任意視点方向のレンダリング画像データに変換する。変換は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて行われる。例えば、処理回路44は、当該CT画像データにボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の3次元画像処理を施して、任意視点方向のレンダリング画像データを生成する。なお、任意視点方向のレンダリング画像データの生成は再構成処理機能443が直接行っても構わない。
表示制御機能445において処理回路44は、画像処理機能444により生成された各種画像データに基づいて、画像をディスプレイ42に表示させる。ディスプレイ42に表示させる画像は、CT画像データに基づくCT画像、任意断面の断面画像データに基づく断面画像、任意視点方向のレンダリング画像データに基づく任意視点方向のレンダリング画像等を含む。
メンテナンス制御機能446において処理回路44は、回転フレーム13に設けられている各ユニットの交換等、X線コンピュータ断層撮影装置1のメンテナンスに係る動作を制御する。メンテナンス制御機能446において処理回路44は、回転フレーム13を回転させる制御装置15の駆動機構、後述する移動機構25及び寝台駆動装置34等を制御する。
なお、コンソール40は、単一のコンソールにて複数の機能を実行するものとして説明したが、複数の機能を別々のコンソールが実行することにしても構わない。例えば、前処理機能442、再構成処理機能443等の処理回路44の機能を分散して有しても構わない。
なお、処理回路44は、コンソール40に含まれる場合に限らず、複数の医用画像診断装置にて取得された検出データに対する処理を一括して行う統合サーバに含まれてもよい。
なお、後処理は、コンソール40又は外部のワークステーションのどちらで実施することにしても構わない。また、コンソール40とワークステーションの両方で同時に処理することにしても構わない。
なお、本実施形態に係る技術は、一管球型のX線コンピュータ断層撮影装置にも、X線管と検出器との複数のペアを回転リングに搭載した、いわゆる多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置にも適用可能である。
次に、本実施形態に係る架台10及び寝台30の構成についてより詳細に説明する。
なお、以下の説明において、架台10の回転フレーム13に設けられているX線管11、X線検出器12、X線高電圧装置14、冷却装置20等の各部をユニットと総称する。各ユニットのうち、メンテナンス対象のユニットは、第1部材の一例である。また、各ユニットのうち、メンテナンス対象のユニット以外のユニットは、第2部材の一例である。
なお、本実施形態に係るユニットのメンテナンスは、ユニット交換を含む。ユニット交換は、メンテナンス対象のユニットを回転フレームから取り外して行われるものとする。ここで、メンテナンス作業において回転フレームに取り付けられるユニットは、新しいユニットであってもよいし、取り外した後に修理、補修又は点検された元のユニットであってもよい。
図2は、図1の架台10及び寝台30のメンテナンス時の構成の一例を示す斜視図である。図2は、架台10の筐体(図示しない)が取り外された状態を示している。
図2に示すように、寝台30は、架台10の前面に設置されている。寝台30は、例えば架台10と一体に設置されている。メンテナンスが行われるとき、天板33には、メンテナンス対象(保守対象、交換対象)のユニットに応じた治具35が設置される。治具35は、回転フレーム13に設けられたユニットを交換するための治具である。治具35は、ユニット置台と表現されてもよい。治具35は、天板33又は支持フレーム32の所定の位置に設置される。
図2に示すように、架台10は、冷却装置20をさらに有している。冷却装置20は、オイル等の冷媒でX線管11を冷却する。冷却装置20は、X線管11、X線検出器12、X線高電圧装置14等とともに、回転フレーム13に設けられている。
架台10は、寝台30とともに検査室に設置されている。架台10の筐体(図示しない)の内部には、X線管11やX線検出器12等のスキャン機構が収容されている。図2に示すように、架台10は、中央に開口が形成された固定フレーム21と、床面に設置された基台22とをさらに有している。固定フレーム21は、回転軸R1周りに回転フレーム13を回転可能に支持している。図2に示すように、回転フレーム13は、中央に開口が形成された略円板形のフレームである。ここで、略円板形のフレームとは、メンテナンス対象のユニットを回転フレーム13の径方向に引き出すことができるように、回転フレーム13の主面に垂直な壁部が外周部に存在しないフレームである。なお、この記載は、当該壁部が外周部の一部に存在することを妨げない。回転フレーム13は、駆動装置(図示しない)から駆動信号の供給を受けて回転軸R1周りに回転する。また、基台22は、回転軸R1に直交し床面に平行する水平軸R2回りに傾斜(チルト)可能に固定フレーム21を支持している。固定フレーム21のチルトにより、回転軸R1及び水平軸R2に直交する垂直軸R3が床面に対して傾斜する。基台22は、駆動装置(図示しない)から駆動信号の供給を受けて固定フレーム21とともに回転フレーム13をチルトする。
図3は、図2の架台における撮影用の配置の一例について説明するための模式図である。撮影用の配置は、第1配置の一例である。撮影用の配置は、図3に示すように、X線コンピュータ断層撮影装置1において撮影が行われるときの各ユニットの配置である。図4は、図2の架台におけるメンテナンス用の配置の一例について説明するための模式図である。メンテナンス用の配置は、第2配置の一例である。メンテナンス用の配置は、図4に示すように、X線コンピュータ断層撮影装置1において回転フレーム13に設けられたユニットの交換が行われるときの各ユニットの配置である。なお、図3及び図4には、説明の簡単のために、回転フレーム13に設けられている各ユニットのうち、X線検出器12及びX線高電圧装置14だけが示されている。
なお、本実施形態では、図3及び図4に示すように、回転フレーム13の回転軸R1を中心とした回転方向DRにおいて、寝台30から架台10へ向いた状態での時計回りの方向を+DR方向とし、反時計回りの方向を−DR方向と定義する。
メンテナンス頻度が高いX線検出器12やX線管11等は質量が大きいため、これらユニットを交換するときには、寝台30の天板33に設置された治具35が用いられる。図3及び図4に示すように、メンテナンス対象のユニットは、回転フレーム13から例えば回転フレーム13の開口部19に引き出されて、治具35の上に降ろされたりする。このような中、撮影用の配置において各ユニットは、回転フレーム13上に高密度に実装されている。このため、メンテナンス対象のユニットを回転フレーム13から引き出すとき、メンテナンス対象のユニットと、他のユニットとが干渉する可能性がある。他のユニットをさらに回転フレーム13から取り外す作業の追加は、工数を増加させ、メンテナンスに係る作業効率を低下させる。
図2、図3及び図4に示すように、本実施形態に係る架台10は、移動機構25及び第1ユニット駆動装置26をさらに有している。移動機構25は、回転フレーム13に設けられている。移動機構25は、ユニット同士が干渉しないように、任意のユニットを撮影用の配置とメンテナンス用の配置との間で回転フレーム13に対して移動可能に支持する。つまり、任意のユニットは、移動機構25を介して、回転フレーム13に設けられているとも表現できる。なお、任意のユニットは、回転フレーム13に設けられている全てのユニットであってもよいし、各ユニットのうち一部のユニットであってもよい。移動機構25は、支持部材251、第1送り機構253及び連結バー254を有している。連結バー254は、連結部材の一例である。
支持部材251は、図3及び図4に示すように、各ユニットと、回転フレーム13又は連結バー254とを回転可能に支持する。支持部材251は、例えば軸受及び固定ピンを含む。支持部材251の一部は、X線検出器12、回転フレーム13、X線高電圧装置14又は連結バー254に設けられていてもよい。支持部材251は、第1支持部材251a、第2支持部材251b及び第3支持部材251cを有する。第1支持部材251aは、第1支点M1において、回転フレーム13とX線高電圧装置14とを回転可能(移動可能)に支持する。第2支持部材251bは、第2支点M2において、X線検出器12と連結バー254とを回転可能(移動可能)に支持する。第3支持部材251cは、第3支点M3において、X線高電圧装置14と連結バー254とを回転可能(移動可能)に支持する。第3支点M3は、例えば、第1支点M1に対する距離と、第2支点M2に対する相対位置とに基づいて、X線高電圧装置14を回転させやすい位置に設けられる。支持部材251は、連結バー254とユニットとを回転可能、かつ、着脱可能に各支点において支持できるものであればよい。
第1ユニット駆動装置26は、図3及び図4に示すように、回転フレーム13に固定されている。第1ユニット駆動装置26は、後述する第1送り機構253を駆動する。第1ユニット駆動装置26は、例えば電気モータである。第1送り機構253は、図3及び図4に示すように、第1ユニット駆動装置26及びX線検出器12に接続されている。第1送り機構253は、X線検出器12を回転フレーム13の径方向へ移動させる。第1送り機構253は、例えば送りねじであるが、油圧シリンダ、空気圧シリンダ等の動力伝達機構であってもよい。なお、第1ユニット駆動装置26と第1送り機構253とは、一体に構成されていてもよい。
連結バー254は、図3及び図4に示すように、X線検出器12とX線高電圧装置14とを連結している。連結バー254は、第2支持部材251bにより、第2支点M2でX線検出器12に対して回転可能に支持されている。連結バー254は、第3支持部材251cにより、第3支点M3でX線高電圧装置14に対して回転可能に支持されている。つまり、連結バー254は、X線検出器12及びX線高電圧装置14に対して回転可能に支持されている。連結バー254は、第1送り機構253からX線検出器12に供給された径方向への駆動力の一部を、支持部材251を介して、X線高電圧装置14へ伝達し、X線高電圧装置14を移動させる。つまり、連結バー254は、X線検出器12に加えられた駆動力に基づいて、X線高電圧装置14を移動させることができる程度に剛性を有する部材であればよい。連結バー254は、例えばアルミニウム、ステンレス鋼等の合金又は金属によって形成されていてもよいし、炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics:CFRP)等の非金属によって形成されていてもよい。
なお、連結バー254の形状は、図2、図3及び図4に示すような棒状に限らない。連結バー254は、板状の部材によって形成されていてもよい。また、連結バー254は、撮影時には設けられていなくてもよい。
なお、連結バー254は、各ユニットと一体に構成された部材を回転可能に支持していてもよい。つまり、連結バー254は、各ユニットそのものを支持していなくてもよい。ここで、各ユニットと一体に構成された部材は、例えば、各ユニットの筐体や各ユニットに固定された他のユニットである。各ユニットの筐体は、内部に複数のユニットを収納する筐体であってもよい。
なお、X線コンピュータ断層撮影装置1において撮影が行われるとき、各ユニットは、回転フレーム13の回転により移動しないように、さらに固定点F1で回転フレーム13に固定されている。固定点F1における固定は、例えばネジやボルト等の締結具によって行われる。以下の説明では、固定ネジによって固定点F1における固定が行われる場合を例とする。一方で、メンテナンスが行われるとき、固定点F1における固定は解除されている。つまり、各ユニットは、メンテナンス時の撮影用の配置では、固定点F1で固定されていない。X線検出器12は、固定点F1で固定されていないとき、回転フレーム13の径方向に関して移動可能である。また、X線高電圧装置14は、固定点F1で固定されていないとき、第1支点M1で回転フレーム13の主面を基準として回転可能(移動可能)である。
なお、固定点F1における固定は、着脱可能に各ユニットを固定できるものであればよく、例えばメンテナンス制御機能を実現する処理回路44により制御される固定機構によって実現されてもよい。この場合、作業者による取り外しの手間なく、各ユニットを回転フレーム13に固定された状態としたり、固定されていない状態としたりできる。
このように、移動機構25は、メンテナンス対象のユニットと他のユニット(退避対象のユニット)とが干渉しないように、メンテナンス対象及び退避対象のユニットを撮影用の配置とメンテナンス用の配置との間で回転フレーム13に対して移動可能に支持する。
次に、本実施形態に係るメンテナンス作業の一例について、図面を参照して説明する。メンテナンス作業の手順は、X線コンピュータ断層撮影装置1のメンテナンス方法の一例である。
メンテナンス作業は、例えば、メンテナンス対象のユニットを回転フレーム13から取り外し、ユニットを点検、修理又は交換し、再び回転フレーム13へ取り付ける作業である。このような中、メンテナンス頻度が高いX線検出器12、X線管11等のユニットは質量が大きいため、人手だけで取り外すのは困難である。また、架台10と寝台30との間が狭いため、作業者が架台10と寝台30との間に入ってメンテナンス作業を行ったり、治具を用いて架台10と寝台30との間にユニットを取り外したりすることは困難である。また、例えば架台10と寝台30とが一体となっていない場合においては、寝台30を取り外して移動させた後に作業を行うことができるが、寝台30の再設置、位置決め等の作業がさらに生じるため、作業効率が低下する。
なお、以下の説明において、メンテナンス対象のユニットは、X線検出器12であるとする。このとき、X線検出器12は、第1部材の一例である。また、メンテナンス対象のユニットとともに移動させられるユニット(退避対象のユニット)は、メンテナンス対象のユニットと連結バー254によって連結されているユニットであり、X線高電圧装置14であるとする。このとき、X線高電圧装置14は、第2部材の一例である。
なお、図3及び図4に示すように、X線検出器12に隣接して第1X線高電圧装置及び第2X線高電圧装置の2つのX線高電圧装置14が設けられている。このように、メンテナンス対象のユニットとともに移動する退避対象のユニットは、2つ以上の複数であってもよい。このとき、第1X線高電圧装置及び第2X線高電圧装置の一方は第2部材の一例であり、他方は第3部材の一例である。
なお、以下の説明は、作業者がメンテナンスパネルを操作してメンテナンス作業が実行される場合を例とする。メンテナンスパネルは、表示部の一例である。ここで、メンテナンスパネルは、ディスプレイ42及び入力インターフェース43であってもよい。メンテナンスパネルは、ディスプレイ42及び入力インターフェース43とは別にメンテナンス作業用に例えばコンソール40に設けられたタッチパネルディスプレイであってもよい。メンテナンスパネルは、カバー等の筐体が取り付けられた状態で行われる操作又は表示のために、筐体に設けられていてもよい。
図5は、本実施形態に係るメンテナンス作業の一例を示す流れ図である。
ステップS1において、作業者は、メンテナンスパネルを操作し、サービスモードを選択する。サービスモードは、回転フレーム13のユニット交換を行うとき等に実行される機能である。サービスモードでは、天板33のフリー動作、回転フレーム13の回転やブレーキ動作のオン/オフ、交換ユニットを移動するための移動機構25の動作に係る電源は供給されるが、安全のために、その他の動作に係る電源は供給されない。サービスモードが選択されたとき、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、メンテナンス対象を選択するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をメンテナンスパネルに表示させる。
図6は、図5のメンテナンス作業においてメンテナンス対象を選択するための操作画面50の一例を示す模式図である。図6に示す例では、メンテナンス対象を選択するための操作画面50は、ユニットアイコン51、決定ボタン58及び戻るボタン59を含む。
ユニットアイコン51は、回転フレーム13に設けられた各ユニットに対応した複数のアイコンを含む。各ユニットに対応した複数のアイコンは、例えば、対応する各ユニットの配置に準じて並べられている。図6に示す例では、ユニットアイコン51は、X線管アイコン52、第1冷却装置アイコン53、第2冷却装置アイコン54、第1X線高電圧装置アイコン55、第2X線高電圧装置アイコン56及びX線検出器アイコン57を含む。X線管アイコン52は、X線管11に対応するアイコンである。第1冷却装置アイコン53及び第2冷却装置アイコン54は、冷却装置20に対応するアイコンである。例えば、第1冷却装置アイコン53と第2冷却装置アイコン54とは、それぞれ、図2のX線管11に対して−DR側に配置された冷却装置20と、+DR側に配置された冷却装置20とに対応するアイコンである。第1X線高電圧装置アイコン55及び第2X線高電圧装置アイコン56は、X線高電圧装置14に対応するアイコンである。例えば、第1X線高電圧装置アイコン55と第2X線高電圧装置アイコン56とは、それぞれ、図2のX線検出器12に対して−DR側に配置されたX線高電圧装置14と、+DR側に配置されたX線高電圧装置14とに対応するアイコンである。X線検出器アイコン57は、X線検出器12に対応するアイコンである。決定ボタン58は、選択したユニットをメンテナンス対象として決定することを作業者が指示するためのボタンである。戻るボタン59は、サービスモードの選択画面に戻ることを作業者が指示するためのボタンである。
作業者は、ユニットアイコン51を選択することにより、メンテナンス対象のユニットを選択する。図6に示す例は、X線検出器12に対してメンテナンス作業を行うために、作業者がX線検出器アイコン57を選択したときの表示の状態を示している。作業者は、決定ボタン58を選択することにより、選択したユニットをメンテナンス対象のユニットとして決定する。メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、メンテナンス対象のユニットが選択された後、ステップS2の処理へ移行する。
ステップS2において、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、制御装置15の駆動機構(ロータ)を動作させ、X線検出器12が最上部に位置するように回転フレーム13を回転させる。メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、X線検出器12が最上部に位置したところで回転を停止させ、ステップS3の処理へ移行する。
ステップS3において、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、X線コンピュータ断層撮影装置1の各部のうち、メンテナンス作業に不要な機能への電源の供給を停止する。例えば、X線高電圧装置14やX線検出器12、DAS18等への電源の供給が停止される。
ステップS4において、作業者は、天板33にユニット交換用の治具35を設置する。治具35の設置位置は、例えば予め決定されている。このとき、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、メンテナンスパネルへの表示や音声によって、作業者に治具35の設置について案内してもよい。架台10のカバーを含む筐体は、例えば本ステップにおいて取り外される。
ステップS5において、作業者は、天板フリー動作機能を実行させて、天板33を開口部19へ挿入し、X線検出器12の下方に治具35をセットする。天板フリー動作機能は、天板33を任意に移動させることができる機能である。
ステップS6において、作業者は、図3及び図4に示す固定点F1でX線検出器12及びX線高電圧装置14を回転フレーム13に固定している固定ネジを外す。
ステップS7において、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、移動機構25を駆動させる。移動機構25は、X線検出器12とX線高電圧装置14とが干渉しないように、X線検出器12及びX線高電圧装置14を撮影用の配置からメンテナンス用の配置へと移動させる。
ここで、ステップS7における各部の動作について、より詳細に説明する。
メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、第1送り機構253を第1ユニット駆動装置26により動作させる。第1送り機構253は、X線検出器12を、回転フレーム13の径方向に移動させる。このとき、X線検出器12は、例えば回転フレーム13の内側(回転フレーム13の中心側)へ移動する。第1送り機構253は、図3に示す撮影用の配置から図4に示すメンテナンス用の配置へX線検出器12を移動させる。
X線検出器12が移動するとき、連結バー254は、支持部材251を介して、X線検出器12を移動させる駆動力の一部をX線高電圧装置14へ伝達する。X線高電圧装置14は、連結バー254を介して伝達された駆動力により、第1支点M1を中心にX線検出器12の移動経路の外側へ回転移動する。つまり、連結バー254は、X線検出器12を移動させる駆動力の一部を、第1支点M1を中心にX線高電圧装置14を回転させる駆動力へ変換する。連結バー254は、図3に示す撮影用の配置から図4に示すメンテナンス用の配置へX線高電圧装置14を回転(移動)させる。
このように、移動機構25は、X線検出器12の径方向下方への移動に連動してX線高電圧装置14をX線検出器12の移動経路から退避させる。これにより、移動機構25は、X線検出器12とX線高電圧装置14とが干渉しないように、X線検出器12及びX線高電圧装置14を撮影用の配置からメンテナンス用の配置へと移動させる。その後、X線検出器12が治具35の上に降ろされる。なお、X線検出器12の移動に伴うX線高電圧装置14の回転(移動)は、退避とも表現できる。同様に、メンテナンス対象のユニットとともに移動させられるユニットは、退避対象のユニットとも表現できる。
なお、図4では、撮影用の配置からメンテナンス用の配置へ移動されたX線検出器12と、治具35とが接触している場合が例として示されている。このように、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、X線検出器12と治具35とが接触するまで移動機構25にX線検出器12を移動させてもよい。また、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、X線検出器12と治具35とが接触する前に移動を停止させてもよい。このとき、X線検出器12は、作業者により治具35と接触するまで移動させられてもよいし、寝台30のY方向への移動により治具35と接触してもよい。
なお、ステップS5の天板フリー動作機能において、天板33とともに支持フレーム32を移動させてもよい。つまり、支持フレーム32は、撮影時には回転フレーム13の内側へ挿入されないが、メンテナンス時には天板33とともに回転フレーム13の内側へ挿入されてもよい。この場合、治具35及びX線検出器12が載置された天板33を支持フレーム32によって支えることができる。このため、天板33のたわみによって取り外したX線検出器12と架台10とが接触する可能性を低減したり、天板33に要求される強度が下がることに伴い低コスト化を図ったりすることができる。
なお、移動機構25は、X線検出器12とX線高電圧装置14との干渉や衝突を検知できるように構成されていてもよい。このとき、移動機構25は、干渉や衝突を検出するためのセンサ部をさらに有する。センサ部は、例えば衝突時の衝撃を検出する加速度センサを含む。センサ部は、例えば干渉時に第1ユニット駆動装置26又は第1送り機構253に生じる負荷を計測する回転数計、トルク計、電圧計等を含む。メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、センサ部の出力に基づいて、干渉や衝突を検知したとき、移動機構25の動作を停止させる。このとき、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、メンテナンスパネルに作業者に対する警告等を表示させてもよい。
なお、ステップS4の作業は、ステップS1に先立って行われてもよいし、ステップS1乃至ステップS3と並行して行われてもよい。
なお、ステップS5の作業は、作業者に限らず、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44によって実行されてもよい。さらに、ステップS4の作業がステップS1に先立って行われている場合、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS1乃至ステップS5の処理を、一連のシーケンスとして実行してもよい。
なお、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44により制御される固定機構によってX線検出器12及びX線高電圧装置14と回転フレーム13とが固定されている場合には、ステップS6の作業は、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44により実行される。このとき、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS5乃至ステップS7の処理を一連のシーケンスとして実行してもよい。さらに、ステップS4の作業がステップS1に先立って行われている場合、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS1乃至ステップS7の処理を、一連のシーケンスとして実行してもよい。
ステップS8において、作業者は、X線検出器12及びX線高電圧装置14から連結バー254を取り外す。このとき、作業者は、第2支点M2においてX線検出器12と連結バー254とを回転可能に支持する第2支持部材251bを取り外す。作業者は、第3支点M3においてX線高電圧装置14と連結バー254とを回転可能に支持する第3支持部材251cを取り外す。
ステップS9において、作業者は、天板フリー動作機能を実行させ、治具35に載置されたX線検出器12を架台10から引き出す(抜去する)。このとき、X線検出器12は、作業スペースに余裕がある位置まで引き出される。
ステップS10において、作業者は、引き出したX線検出器12を治具35から取り外す。そして、作業者は、メンテナンス後のX線検出器12を治具35に載せる。
ステップS11において、作業者は、ステップS9と逆の手順に従って、X線検出器12を架台10に挿入する。
ステップS12において、作業者は、ステップS8と逆の手順に従って、第2支持部材251b及び第3支持部材251cを取り付け、各ユニットと連結バー254とを回転可能に連結する。
ステップS13において、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS7と逆の手順に従って、各ユニットをメンテナンス用の配置から撮影用の配置へと移動させる。このとき、移動機構25は、回転フレーム13の径方向に関して、X線検出器12を回転フレーム13の中心から外側へ向けて移動させるとともに、第1支点M1を中心としてX線高電圧装置14を回転(移動)させる。移動機構25は、X線検出器12を移動させるとともに、退避させていたX線高電圧装置14を復帰させるとも表現できる。
ステップS14において、作業者は、ステップS6と逆の手順に従って、各ユニットを回転フレーム13に固定する。
ステップS15において、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS5と逆の手順に従って、治具35及び天板33を架台10の内側から元の位置へ戻す。その後、作業者は、ステップS4と逆の手順に従って、天板33に設置した治具35を取り外す。また、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS3で停止した各機能への電源の供給を再開し、サービスモードを終了する。
なお、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44により制御される固定機構によってX線検出器12及びX線高電圧装置14と回転フレーム13とが固定されている場合には、ステップS14の作業は、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44により実行される。このとき、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS13乃至ステップS15の処理を一連のシーケンスとして実行してもよい。
なお、ステップS7において、天板33が移動させられることにより、X線検出器12が引き出されてもよい。例えば、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、撮影用の配置の状態で、天板33を上方に移動させる。作業者は、治具35とX線検出器12とを固定する。その後、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、天板33を上方に移動させることにより、各ユニットを撮影用の配置からメンテナンス用の配置へ移動させる。なお、この場合には、第1ユニット駆動装置26及び第1送り機構253は、設けられていなくてもよい。
このように、本実施形態に係る移動機構25は、メンテナンス対象のユニットを回転フレーム13の径方向に移動させるとき、周囲のユニット(退避対象のユニット)と干渉しないように、その動きに連動して退避対象のユニットを回転(移動)させる。移動機構25は、メンテナンス対象のユニットを撮影用の配置とメンテナンス用の配置との間で移動させるとき、メンテナンス対象のユニットに干渉しないように、メンテナンス対象のユニットの移動経路から退避対象のユニットを退避させるとも表現できる。ここで、メンテナンス対象のユニットの移動経路は、メンテナンス対象のユニットの撮影用の配置と、メンテナンス用の配置との間の移動経路である。この構成によれば、メンテナンス対象のユニットを移動するだけで、例えば寝台30の天板33上に設置された治具35に簡単、かつ安全に回転フレーム13から重量物のユニットを取り外すことができる。また、寝台30を外すことなくユニットの交換作業ができる。つまり、本実施形態に係る技術によれば、X線コンピュータ断層撮影装置1のメンテナンス性を改善することができる。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置を説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
第1の実施形態では、X線検出器12を移動させるとともに、X線検出器12とX線高電圧装置14とが干渉しないようにX線高電圧装置14を回転移動させる移動機構25を例として説明したが、これに限らない。X線検出器12を移動させるとともに、X線検出器12とX線高電圧装置14とが干渉しないようにX線高電圧装置14をスライドさせる移動機構25であってもよい。つまり、移動機構25は、回転フレーム13に対してスライド可能にX線高電圧装置14を支持するものであってもよい。
まず、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の構成について詳細に説明する。
図7は、本実施形態に係る撮影用の配置の一例であり、図2の架台における撮影用の配置の別の一例について説明するための模式図である。図8は、本実施形態に係るメンテナンス用の配置の一例であり、図2の架台におけるメンテナンス用の配置の別の一例について説明するための模式図である。なお、図7及び図8には、説明の簡単のために、回転フレーム13に設けられている各ユニットのうち、X線検出器12及びX線高電圧装置14だけが示されている。
図7及び図8に示す例では、移動機構25の支持部材251は、第4支持部材251d、第5支持部材251e及び第6支持部材251fを有する。第6支持部材251fは、レールの一例である。
第4支持部材251d及び第5支持部材251eは、それぞれ、第2支持部材251b及び第3支持部材251cに相当する。第4支持部材251dは、第4支点M4において、X線検出器12と連結バー254とを回転可能(移動可能)に支持する。第5支持部材251eは第5支点M5において、X線高電圧装置14と連結バー254とを回転可能(移動可能)に支持する。第4支持部材251d及び第5支持部材251eは、連結バー254とユニットとを回転可能、かつ、着脱可能に各支点において支持できるものであればよい。
第6支持部材251fは、第1支持部材251aに代えて設けられている。第6支持部材251fは、回転フレーム13に固定されている。第6支持部材251fは、回転フレーム13とX線高電圧装置14とをスライド可能(移動可能)に支持する。第6支持部材251fは、例えばレールである。X線高電圧装置14は、第6支持部材251fを介して、回転フレーム13に固定されていると表現できる。第6支持部材251fは、図7及び図8に示すように、例えばX軸(水平軸R2)方向に延びている。つまり、X線高電圧装置14は、X軸(水平軸R2)方向にスライド可能(移動可能)である。
連結バー254は、第4支持部材251dにより、第4支点M4でX線検出器12に対して回転可能に支持されている。連結バー254は、第5支持部材251eにより、第5支点M5でX線高電圧装置14に対して回転可能に支持されている。連結バー254は、第1送り機構253からX線検出器12に供給された径方向への駆動力の一部を、支持部材251を介して、X線高電圧装置14へ伝達し、X線高電圧装置14を移動させる。このように、X線高電圧装置14は、固定点F1で固定されていないとき、第6支持部材251fの延びている方向に沿って、回転フレーム13に対してスライド可能(移動可能)である。
次に、本実施形態に係るメンテナンス作業の一例について説明する。
ステップS1乃至ステップS6におけるメンテナンス作業は、第1の実施形態に係るメンテナンス作業と同様である。
ステップS7において、X線検出器12が移動するとき、X線高電圧装置14は、連結バー254を介して伝達された駆動力により、第6支持部材251fの延びている方向に沿ってX線検出器12の移動経路の外側へスライド(移動)する。つまり、連結バー254は、X線検出器12を移動させる駆動力の一部を、第6支持部材251fの延びている方向に沿ってX線高電圧装置14をスライドさせる駆動力へ変換する。連結バー254は、図3に示す撮影用の配置から図4に示すメンテナンス用の配置へX線高電圧装置14をスライド(移動)させる。このように、移動機構25は、X線検出器12とX線高電圧装置14とが干渉しないように、X線検出器12及びX線高電圧装置14を撮影用の配置からメンテナンス用の配置へと移動させる。なお、X線検出器12の移動に伴うX線高電圧装置14のスライド(移動)は、退避とも表現できる。
ステップS8乃至ステップS12におけるメンテナンス作業は、第1の実施形態に係るメンテナンス作業と同様である。
ステップS13において、移動機構25は、回転フレーム13の径方向に関して、X線検出器12を回転フレーム13の中心から外側へ向けて移動させるとともに、第6支持部材251fの延びている方向に沿ってX線高電圧装置14をスライド(移動)させる。このように、移動機構25は、X線検出器12を移動させるとともに、退避させていたX線高電圧装置14を復帰させる。
ステップS14及びステップS15におけるメンテナンス作業は、第1の実施形態に係るメンテナンス作業と同様である。
このように、本実施形態に係る移動機構25は、メンテナンス対象のユニットを回転フレーム13の径方向に移動させるとき、退避対象のユニットと干渉しないように、その動きに連動して退避対象のユニットをスライド(移動)させる。このような構成であっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置を説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
第1の実施形態では、X線検出器12とX線高電圧装置14とが干渉しないように、機械的な制御によって、X線検出器12及びX線高電圧装置14を連動して移動させる場合を例として説明した。一方で、例えば、X線検出器12とX線高電圧装置14とが、電子的な制御によって同期して移動させられる場合もあり得る。
まず、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の構成について詳細に説明する。
本実施形態に係る移動機構25には、第1の実施形態に係る移動機構25とは異なり、X線検出器12とX線高電圧装置14とを機械的に連動して移動させる機構が設けられていない。例えば、本実施形態に係る移動機構25には、第1の実施形態に係る第2支持部材251b、第3支持部材251c及び連結バー254は設けられていない。
一方で、本実施形態に係る移動機構25は、退避対象のユニットを、メンテナンス対象のユニットと干渉しないように移動させるための第2送り機構を有する。第2送り機構は、シャフトやカム、送りねじ等の動力伝達機構である。第2送り機構は、第1支点M1でX線高電圧装置14を回転可能に支持している。
本実施形態に係る架台10は、第2ユニット駆動装置をさらに備える。第2ユニット駆動装置は、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44が出力する制御信号に基づいて、第2送り機構を介して、X線高電圧装置14を回転(移動)させる。第2ユニット駆動装置は、例えば電気モータである。第2ユニット駆動装置は、回転フレーム13に固定されている。なお、第2ユニット駆動装置は、第3支点M3でX線高電圧装置14を回転可能に支持する送り機構と、当該送り機構を駆動する駆動装置とによって構成されていてもよい。この構成であっても、X線高電圧装置14は、第3支点M3に加えられた駆動力によって第1支点M1を中心として回転可能(移動可能)である。
メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、後述する移動制御情報60に基づいて、第1ユニット駆動装置26及び第2ユニット駆動装置を制御する。メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、第1ユニット駆動装置26にX線検出器12を移動させるとともに、第2ユニット駆動装置にX線高電圧装置14を回転(移動)させる。つまり、本実施形態に係るメンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、移動機構の一例であるとも表現できる。
図9は、本実施形態に係る移動機構25を制御するための移動制御情報60の一例を示す模式図である。移動制御情報60は、例えば予め設定されてメモリ41等に記録されている。本実施形態に係るメモリ41は、記憶部の一例である。図9に示すように、移動制御情報60には、メンテナンス対象のユニットと、退避対象のユニットとの対応が含まれている。図9に示す例では、メンテナンス対象のユニットがX線検出器12であるとき、退避対象のユニットがX線高電圧装置14であることが示されている。図9における第1X線高電圧装置及び第2X線高電圧装置は、それぞれ、例えば図6の第1X線高電圧装置アイコン55及び第2X線高電圧装置アイコン56に対応するX線高電圧装置14である。また、図9に示すように、移動制御情報60には、退避対象毎の制御情報がさらに含まれている。制御情報は、退避対象を移動させる移動方向及び移動量を含む。図9に示す例では、例えば図3に示す状態から図4に示す状態への回転のように、第1X線高電圧装置を−90°回転させ、第2X線高電圧装置を90°回転させることが示されている。なお、ここでは寝台30から架台10へ向いた状態での時計回りの方向を、回転方向の正の向きとして表している。
なお、図9に示す例では、移動制御情報60には、X線管11がメンテナンス対象のユニットであり、冷却装置20が退避対象のユニットであることも示されている。図9における第1冷却装置及び第2冷却装置は、それぞれ、例えば図6の第1冷却装置アイコン53及び第2冷却装置アイコン54に対応する冷却装置20である。また、図9に示す例では、第1冷却装置を+300mmスライドさせ、第2冷却装置を−250mmスライドさせることが示されている。なお、スライドの+方向は、例えば+X方向であるとする。このとき、第2送り機構は、第2の実施形態に係る第6支持部材251fと同様にして、回転フレーム13に対してスライド可能に冷却装置20を支持している。第2ユニット駆動装置は、第2送り機構を駆動して冷却装置20をスライドさせる。このように、本実施形態に係る技術は、第1の実施形態に係る技術及び第2の実施形態に係る技術の少なくとも一方と組み合わせることができる。
次に、本実施形態に係るメンテナンス作業の一例について説明する。
ステップS1乃至ステップS6におけるメンテナンス作業は、第1の実施形態に係るメンテナンス作業と同様である。
ステップS7において、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、移動制御情報60を参照し、退避対象を特定する。ここでは、ステップS1においてメンテナンス対象のユニットとしてX線検出器12が選択されているため、退避対象のユニットとしてX線高電圧装置14が特定される。メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、第1ユニット駆動装置26及び第2ユニット駆動装置に、それぞれ、X線検出器12及びX線高電圧装置14を移動させる。このとき、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、X線検出器12を回転フレーム13の径方向に関して回転フレーム13の中心側へ移動させるとともに、X線高電圧装置14をX線検出器12の移動経路外へ回転(移動)させる。このように、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、X線検出器12とX線高電圧装置14とが干渉しないように、X線検出器12及びX線高電圧装置14を撮影用の配置からメンテナンス用の配置へと移動させる。
ステップS9乃至ステップS11におけるメンテナンス作業は、第1の実施形態に係るメンテナンス作業と同様である。なお、本実施形態に係るメンテナンス作業では、ステップS8及びステップS12に係る作業は発生しない。
ステップS13において、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、X線検出器12を回転フレーム13の径方向に関して回転フレーム13の外側へ移動させるとともに、X線高電圧装置14を回転(移動)させる。このように、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、X線検出器12を移動させるとともに、退避させていたX線高電圧装置14を復帰させる。
ステップS14及びステップS15におけるメンテナンス作業は、第1の実施形態に係るメンテナンス作業と同様である。
なお、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、ステップS7において、第2ユニット駆動装置にX線高電圧装置14を回転(移動)させた後に、第1ユニット駆動装置26にX線検出器12を移動させてもよい。また、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、ステップS13において、第1ユニット駆動装置26にX線検出器12を移動させた後に、第2ユニット駆動装置にX線高電圧装置14を復帰させてもよい。
なお、ステップS9及びステップS11の作業は、作業者に限らず、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44によって実行されてもよい。このとき、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS7乃至ステップS9の処理と、ステップS11乃至ステップS13の処理を、一連のシーケンスとして実行してもよい。
さらに、メンテナンス制御機能を実現する処理回路44により制御される固定機構によってX線検出器12及びX線高電圧装置14と回転フレーム13とが固定されている場合、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS5乃至ステップS9の処理と、ステップS11乃至ステップS15の処理とを、一連のシーケンスとして実行してもよい。さらに、ステップS4の作業がステップS1に先立って行われている場合、メンテナンス制御機能446を実現する処理回路44は、ステップS1乃至ステップS9の処理と、ステップS11乃至ステップS15の処理とを、一連のシーケンスとして実行してもよい。
このように、本実施形態に係るメンテナンス制御機能を実現する処理回路44は、移動機構25にメンテナンス対象のユニットを回転フレーム13の径方向に移動させるとき、退避対象のユニットと干渉しないように、移動制御情報に基づいて移動機構25に退避対象のユニットを移動(回転、スライド)させる。このような構成であっても、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上述の各実施形態において、回転フレーム13に設けられたメンテナンス対象のユニットが、回転フレーム13から回転フレーム13の径方向の内側(開口部19)に引き出される場合を例として説明したが、これに限らない。回転フレーム13に設けられているメンテナンス対象のユニットは、回転フレーム13の径方向の外側へ引き出されてもよいし、回転フレーム13の寝台30側へ引き出されてもよい。これらの構成であっても上述した効果と同様の効果が得られる。
なお、回転フレーム13に設けられた退避対象のユニットが、X−Y平面上で移動(回転、スライド)させられる場合を例として説明したが、これに限らない。撮影用の配置及びメンテナンス対象のユニットが引き出される方向によっては、X−Y平面上で移動(回転、スライド)だけでは、メンテナンス対象のユニットと退避対象のユニットとの干渉が解消しない場合もあり得る。このようなとき、退避対象のユニットは、撮影用の配置及びメンテナンス対象のユニットが引き出される方向に応じて、回転フレーム13の寝台30側へ移動(回転、スライド)させられてもよい。これらの構成であっても上述した効果と同様の効果が得られる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、X線コンピュータ断層撮影装置等の放射線診断装置のメンテナンス性を改善することができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device:PLD)等の回路を意味する。PLDは、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)を含む。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、プログラムを実行するのではなく、論理回路の組合せにより当該プログラムに対応する機能を実現してもよい。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…X線コンピュータ断層撮影装置
10…架台
11…X線管
12…X線検出器(第1部材)
13…回転フレーム
14…X線高電圧装置(第2部材、第3部材)
15…制御装置
16…ウェッジ
17…コリメータ
19…開口部
20…冷却装置(第2部材、第3部材)
21…固定フレーム
22…基台
25…移動機構
26…第1ユニット駆動装置
30…寝台
31…基台
32…支持フレーム
33…天板
34…寝台駆動装置
35…治具
40…コンソール
41…メモリ(記憶部)
42…ディスプレイ
43…入力インターフェース
44…処理回路(制御部)
50…操作画面
51…ユニットアイコン
251…支持部材
251a…第1支持部材
251b…第2支持部材
251c…第3支持部材
251d…第4支持部材
251e…第5支持部材
251f…第6支持部材(レール)
253…第1送り機構
254…連結バー(連結部材)
441…システム制御機能
442…前処理機能
443…再構成処理機能
444…画像処理機能
445…表示制御機能
446…メンテナンス制御機能
F1…固定点
M1…第1支点
M2…第2支点
M3…第3支点
M4…第4支点
M5…第5支点

Claims (19)

  1. 回転軸回りに回転する回転フレームと、
    前記回転フレームに設けられ、メンテナンス対象の第1部材と他の第2部材とが干渉しないように、前記第1部材及び前記第2部材を撮影用の第1配置とメンテナンス用の第2配置との間で前記回転フレームに対して移動可能に支持する移動機構と
    を具備するX線コンピュータ断層撮影装置。
  2. 前記移動機構は、前記第1部材を前記回転フレームの径方向に関して移動可能に支持している、請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  3. 前記移動機構は、前記第2部材を前記回転フレームの主面を基準として回転可能に支持している、請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  4. 前記移動機構は、前記第2部材をスライド可能に支持している、請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  5. 前記移動機構は、前記第1部材を前記第1配置と前記第2配置との間で移動する際、前記第1部材に干渉しないように、前記第1部材の前記第1配置と前記第2配置との間の移動経路から前記第2部材を退避させる、請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  6. 前記移動機構は、前記第1部材及び前記第2部材又は前記第1部材及び前記第2部材と一体に構成された部材を回転可能に支持する連結部材を有する、請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  7. 前記移動機構は、前記第1部材とさらに他の第3部材とが干渉しないように、さらに前記第3部材を前記第1配置と前記第2配置との間で前記回転フレームに対して移動可能に支持する、請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  8. 前記移動機構を介した前記第1部材の前記回転フレームの径方向への移動を制御する制御部をさらに備える、請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  9. 前記制御部は、前記移動機構に前記第1配置から前記第2配置へ前記第1部材を移動させるとき、前記回転フレームの径方向に関して外側から内側へ前記第1部材を移動させる、請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  10. 前記移動機構は、前記第2部材を第1支点回りに回転可能に支持する第1支持部材と、前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結部材とをさらに有し、
    前記連結部材は、前記第1部材を第2支点で回転可能に支持するとともに前記第2部材を前記第1支点及び前記第2支点とは異なる第3支点で回転可能に支持する、
    請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  11. 前記連結部材は、前記回転フレームの径方向へ前記第1部材を移動させる駆動力を前記第2部材へ伝達し、前記第1支点を中心に前記第2部材を回転させる、
    請求項10に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  12. 前記移動機構は、前記回転フレームに固定され、前記第2部材をスライド可能に支持するレールと、前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結部材とをさらに有し、
    前記連結部材は、前記第1部材を第4支点で回転可能に支持するとともに前記第2部材を前記第4支点とは異なる第5支点で回転可能に支持する、
    請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  13. 前記連結部材は、前記回転フレームの径方向へ前記第1部材を移動させる駆動力を前記第2部材へ伝達し、前記レールに沿って前記第2部材をスライドさせる、
    請求項12に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  14. 前記制御部は、前記第1部材の移動を制御するとともに、前記移動機構を介した前記第2部材の回転又はスライドをさらに制御する、請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  15. 前記第1部材と前記第2部材との対応を記憶する記憶部をさらに備える、請求項14に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  16. 前記記憶部は、前記第2部材の移動方向及び移動量をさらに記憶する、請求項15に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  17. 前記第1部材を保持する治具が設置される天板と、前記天板を前記回転軸方向に関してスライド可能に支持する支持フレームと、前記天板及び前記支持フレームを駆動する寝台駆動装置とを有する寝台と、
    前記寝台駆動装置の動作を制御し、前記治具が設置された前記天板とともに前記支持フレームを前記回転フレームの開口部へ挿入させる制御部と、
    をさらに備える、請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  18. 前記回転フレームにおける各ユニットの配置に従って、前記回転フレームに設けられた各部材を示す複数のアイコンを並べて表示する表示部をさらに備える、請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  19. 作業者の入力に基づいて、回転フレームに設けられた各部材のうちメンテナンス対象の第1部材を特定し、
    前記回転フレームを回転させて最上部へ特定された前記第1部材を移動させるとともに、前記第1部材を保持する治具が設置された天板を前記回転フレームの開口部へ挿入し、
    前記第1部材と他の第2部材とが干渉しないように、撮影用の第1配置からメンテナンス用の第2配置へ前記第1部材及び前記第2部材を移動させ、
    前記回転フレームの開口部から前記天板を抜去して、前記回転フレームから寝台側に前記治具によって保持された前記第1部材を引き出す、
    X線コンピュータ断層撮影装置のメンテナンス方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20120006924U (ko) * 2011-03-30 2012-10-10 현대위스코 주식회사 단조품 성형 장치

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