JP2019203570A - ベアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡単な構成によって、熱膨張に伴う予圧抜けを効果的に防止することができるベアリング装置を提供する。【解決手段】所定の金属材料から成る回転軸3が、その両端部において第1及び第2ベアリング4、5でそれぞれ回転自在に支持されるとともに、第1及び第2ベアリング4、5が、回転軸3よりも大きい線膨張係数を有する所定の金属材料から成るケース2に保持されたベアリング装置1であって、回転軸3は、所定長さ延び、その長さ方向の全体にわたって貫通した中空状に形成されており、回転軸3とほぼ同じ線膨張係数を有する所定の金属材料から成り、回転軸3に挿通された挿通軸31と、その一端部に設けられ、第1ベアリング5の外輪11の側面に外方から当接する第1当接部と、挿通軸31の他端部に設けられ、第2ベアリング4の外輪21の側面に外方から当接する第2当接部32と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両のトランスミッションなどに適用され、回転軸の両端部がベアリングで支持されたベアリング装置に関する。
従来、この種のベアリング装置として、例えば特許文献1に記載された転がり軸受装置が知られている。この転がり軸受装置は、車両のトランスミッションなどに適用されており、ケース内において、これと一体の軸受ハウジングに嵌合され、互いに所定距離を隔てて配置された2つの円錐ころ軸受を備え、これらの軸受に、出力ギヤを固定した出力軸が回転自在に支持されている。また、一方の軸受の外輪とこれに対向する軸受ハウジングとの間に、螺旋ネジ板及び4つのクサビ部材が設けられている。これらの螺旋ネジ板及びクサビ部材では、螺旋ネジ板が周方向に回転駆動されると、各クサビ部材が径方向に移動し、それにより、軸受の外輪を出力軸の長さ方向に移動可能に構成されている。上記のケースは、アルミニウム合金で構成される一方、両軸受で支持された出力軸は、鋼材で構成されており、両軸受には、定位置予圧方式によって予圧が付与されている。さらに、上記の転がり軸受装置は、軸受ハウジングの熱膨張を検出する検出手段と、螺旋ネジ板を周方向に回転させる駆動手段と、検出手段の検出信号に基づき、駆動手段を制御する制御手段とを備えている。
上記のような転がり軸受装置を備えたトランスミッションでは一般に、その駆動によって温度が上昇し、それに伴い、ケースと出力軸の構成材料による線膨張係数の違いから、鋼製の出力軸に比べて、アルミ合金製のケースの寸法変化が大きくなる。その結果、両軸受に付与されていた予圧が低下する、いわゆる予圧抜けが生じる。これを回避するために、上記の転がり軸受装置では、軸受ハウジングの熱膨張を検出し、その検出信号に基づいて、螺旋ネジ板を周方向に回転させることで、各クサビ部材を径方向に移動させて、一方の軸受の外輪を出力軸の長さ方向に押圧する。これにより、両軸受に付与した予圧を維持することで、予圧抜けを防止している。
特開2008−215589号公報
上記の転がり軸受装置では、両軸受の熱膨張に伴う予圧抜けを防止するために、螺旋ネジ板及び4つのクサビ部材に加えて、検出手段、駆動手段及び制御手段を必要としている。そのため、この転がり軸受装置では、構造が複雑になり、製造コストも高くなってしまう。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、比較的簡単な構成によって、熱膨張に伴う予圧抜けを効果的に防止することができるベアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、所定の金属材料から成る回転軸3が、その両端部において第1及び第2ベアリング(実施形態における(以下、本項において同じ)左右のベアリング4及び5)でそれぞれ回転自在に支持されるとともに、第1及び第2ベアリングが、回転軸よりも大きい線膨張係数を有する所定の金属材料から成るケース2に保持されたベアリング装置1であって、回転軸は、所定長さ延び、その長さ方向の全体にわたって貫通した中空状に形成されており、回転軸とほぼ同じ線膨張係数を有する所定の金属材料から成り、回転軸に挿通された挿通軸(シャフト31)と、この挿通軸の一端部に設けられ、第1ベアリングの外輪(アウターレース21)の側面に外方から当接する第1当接部(フランジ部31b)と、挿通軸の他端部に設けられ、第2ベアリングの外輪(アウターレース11)の側面に外方から当接する第2当接部(クリップ32)と、を備えていることを特徴とする。
なお、上記の「ほぼ同じ線膨張係数を有する」とは、挿通軸を構成する金属材料の線膨張係数が、回転軸を構成する金属材料のそれと同一である場合も含む。
この構成によれば、所定の金属材料から成る回転軸の両端部を回転自在に支持する第1及び第2ベアリングが、回転軸よりも大きい線膨張係数を有する所定の金属材料から成るケースに保持されている。上記の回転軸は、所定長さ延び、その長さ方向の全体にわたって貫通した中空状に形成されている。そして、この回転軸に、それとほぼ同じ線膨張係数を有する所定の金属材料から成る挿通軸が挿通されるとともに、その挿通軸の一端部及び他端部にそれぞれ設けられた第1当接部及び第2当接部が、第1ベアリングの外輪及び第2ベアリングの外輪の側面に外方から当接している。
ベアリング装置及びその周囲の温度上昇により、ケース及び回転軸が膨張すると、両者の線膨張係数の相違により、すなわち、ケースが回転軸よりも大きく膨張することにより、ケースに保持された第1及び第2ベアリングの外輪が、ケースの膨張に伴って移動することで、対応する内輪よりも外方に変位する。その結果、第1及び第2ベアリングに予圧が付与されていた場合、その予圧が低下するおそれがある。
そこで、上述したように、本発明では、回転軸とほぼ同じ線膨張係数を有する挿通軸が、回転軸に挿通され、挿通軸の両端部に設けられた第1当接部及び第2当接部がそれぞれ、第1及び第2ベアリングの外輪の側面に外方から当接している。これにより、前述したように、ケース及び回転軸が膨張する場合、挿通軸が回転軸と同程度に膨張するので、第1及び第2ベアリングの外輪と、対応する内輪との軸方向の相対距離が維持される。その結果、第1及び第2ベアリングに予圧が付与されていた場合、その予圧を維持し、低下を防止することができる。以上のように、本発明によれば、検出手段、駆動手段及び制御手段を要する従来のベアリング装置に比べて、比較的簡単な構成によって、熱膨張に伴う予圧抜けを効果的に防止することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のベアリング装置において、第1当接部は、挿通軸の一端部に一体に設けられており、第2当接部は、挿通軸が回転軸に挿通されかつ第1当接部が第1ベアリングの外輪の側面に当接した状態で、挿通軸の他端部に取り付けられることを特徴とする。
この構成によれば、一端部に第1当接部が一体に設けられた挿通軸を、第1ベアリング側から回転軸に挿通し、第1当接部を第1ベアリングの外輪の側面に当接させる。そして、第2ベアリング側から外方に突出した挿通軸の他端部に、第2当接部を取り付け、第2ベアリングの外輪の側面に当接させる。このように、一端部に第1当接部が設けられた挿通軸と、その他端部に取り付けられる第2当接部とによる比較的簡単な構成部品により、第1及び第2ベアリングの外輪同士を、両側から挟んだ状態に保持することができ、前述した請求項1の作用、効果を容易に実現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のベアリング装置において、第1及び第2ベアリングは、テーパーローラベアリングで構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、回転軸の両端部を回転自在に支持する第1及び第2ベアリングとして、テーパーローラベアリングを採用するので、例えばボールベアリングに比べて、回転軸に作用する大きな荷重を支持することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載のベアリング装置において、回転軸には、ギヤ(大径ギヤ6、小径ギヤ7)が固定されるとともに、径方向に貫通する複数の貫通孔3bが形成されており、挿通軸は、その長さ方向の全体にわたって貫通した中空状に形成されており、挿通軸には、各々が径方向に貫通し、複数の貫通孔を介して、ギヤ、並びに第1及び第2ベアリングに潤滑用のオイルを供給するための複数のオイル供給孔31cが形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、回転軸には、ギヤが固定されるとともに複数の貫通孔が形成されている。また、挿通軸は、その長さ方向の全体にわたって貫通した中空状に形成されるとともに、径方向に貫通する複数のオイル供給孔を有している。挿通軸の一端からその内部に潤滑用のオイルを供給することにより、そのオイルが、挿通軸の複数のオイル供給孔及び回転軸の複数の貫通孔を介して、ギヤ並びに第1及び第2ベアリングに供給される。これにより、ギヤ並びに第1及び第2ベアリングにおいて、それらの摩耗を低減しながら、円滑な回転動作を確保することができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のベアリング装置において、第1及び第2ベアリングの外輪を、ケースに回り止め状態に固定する固定手段(ボルト34、ワッシャ35)を、さらに備えていることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2ベアリングの外輪が、固定手段により、ケースに回り止め状態に固定されるので、仮に、回転軸の回転に伴い、挿通軸並びに第1及び第2当接部が回転したとしても、第1及び第2ベアリングの外輪がケースに対して回転することはない。これにより、第1及び第2ベアリングの外輪とケースとの間において、摩耗などを防止することができる。
本発明の一実施形態によるベアリング装置を適用したトランスミッションの一部を示す図である。 (a)は、図1のベアリング装置を模式的に示す図であり、(b)は、(a)のベアリング装置を分解して示す図である。 ケース及びベアリング装置の温度変化に伴う変形を説明するための図であり、(a)は温度上昇前の状態、(b)は温度上昇後の状態を示す。 ケース及び比較例のベアリング装置の温度変化に伴う変形を説明するための図であり、(a)は温度上昇前の状態、(b)は温度上昇後の状態を示す。 (a)は、ベアリング装置の変形例を模式的に示す図であり、(b)は、(a)のベアリング装置を分解して示す図である。 ベアリング装置におけるベアリングのアウターレースを、ボルトによって回り止めした状態を説明するための図であり、(a)はボルトの頭部によって回り止めした状態、(b)はワッシャによって回り止めした状態を示している。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態によるベアリング装置を適用した車両のトランスミッションの一部を示している。また、図2(a)は、図1のベアリング装置を模式的に示し、同図(b)は、(a)のベアリング装置を分解して示している。両図に示すように、このベアリング装置1は、トランスミッションの外殻を構成するケース2内に設けられ、左右方向に所定長さ延びる回転軸3の両端部をそれぞれ回転自在に支持する左右のベアリング4及び5(第1及び第2ベアリング)を備えている。
トランスミッションのケース2は、アルミニウム合金で構成されており、左右のベアリング4及び5をそれぞれ保持する左右の保持部2a及び2bを有している(図1参照)。これらの左保持部2a及び右保持部2bは、開口部が互いに対向する凹状に形成されており、左右のベアリング4及び5の後述するアウターレース11、21が嵌合した状態で保持されるようになっている。なお、ケース2を構成するアルミニウム合金では、その線膨張係数が、例えば23.0×10-6/℃である。
一方、回転軸3は、鋼材で構成されており、前述したように、左右方向に所定長さ延びている。また、この回転軸3は、その長さ方向の全体にわたって貫通する中空状に形成されている。具体的には、所定の径を有し、後述するシャフト31が挿通される挿通孔3aが、回転軸3と同心状に形成されている。さらに、回転軸3には、比較的大きな大径ギヤ6と、それよりも径が小さい小径ギヤ7が固定されており、これらの大径ギヤ6及び小径ギヤ7がそれぞれ、ケース2内の他のギヤ8、9に噛み合っている。なお、回転軸3を構成する鋼材では、その線膨張係数が、アルミ合金製のケース2のそれよりも小さく、例えば12.1×10-6/℃である。
左右のベアリング4及び5はいずれも、テーパーローラベアリングで構成されている。すなわち、左ベアリング4(第1ベアリング又は第2ベアリング)は、所定の径を有するリング状のアウターレース11(外輪)と、このアウターレース11の内側に配置されたリング状のインナーレース12と、これらのアウターレース11とインナーレース12の間に配置され、転動体としての複数のテーパーローラ13とを有している。
アウターレース11の内周面及びインナーレース12の外周面には、各テーパーローラ13が接する軌道面11a及び12aがそれぞれ形成されている。具体的には、アウターレース11の軌道面11aは、左方に向かって径方向の内側に傾斜するように形成される一方、インナーレースの軌道面12aは、左方に向かって径方向の内側に傾斜するとともに径方向の外側に開口する凹状に形成されている。また、各テーパーローラ13は、左方に向かってテーパー状の円錐台に形成されており、複数のテーパーローラ13が、所定の保持器(図示せず)により、インナーレース12の軌道面12a上において、その周方向に沿って、互いに所定間隔を隔てて配置されている。
このように構成された左ベアリング4は、アウターレース11がケース2の左保持部2aに嵌合された状態で保持されるとともに、インナーレース12の内側に回転軸3の左端部が嵌入されている。
一方、右ベアリング5(第2ベアリング又は第1ベアリング)は、上記の左ベアリング4とほぼ同様に構成され、その左ベアリング4に対し左右対称な状態で配置されている。具体的には、右ベアリング5は、アウターレース21(外輪)、インナーレース22及び複数のテーパーローラ23を有している。アウターレース21の内周面及びインナーレース22の外周面には、各テーパーローラ23が接する軌道面21a及び22aがそれぞれ形成されており、アウターレース21の軌道面21aが、右方に向かって径方向の内側に傾斜するように形成される一方、インナーレース22の軌道面が、右方に向かって径方向の内側に傾斜するとともに径方向の外側に開口する凹状に形成されている。また、各テーパーローラ23は、右方に向かってテーパー状の円錐台に形成されており、複数のテーパーローラ23が、所定の保持器(図示せず)により、インナーレース22の軌道面22a上において、その周方向に沿って、互いに所定間隔を隔てて配置されている。
このように構成された右ベアリング5は、アウターレース21がケース2の右保持部2bに嵌合された状態で保持されるとともに、インナーレース22の内側に回転軸3の右端部が嵌入されている。
また、回転軸3には、シャフト31が挿入され、左右のベアリング4及び5を両側から挟んだ状態に保持している。このシャフト31は、回転軸3と同じ鋼材で構成されており、回転軸3の挿通孔3aに挿通されたシャフト本体部31aと、このシャフト本体部31aの一端部(図1、2の右端部)に一体に設けられたフランジ部31bとを有している。シャフト本体部31aは、回転軸3よりも若干長く、回転軸3の挿通孔3aの径よりも若干小さく形成されている。一方、フランジ部31bは、所定の厚さを有するとともに、側面形状が円形に形成されており、右ベアリング5の外径、すなわちそのアウターレース21の外径よりも若干小さい直径を有している。そして、このフランジ部31bのシャフト本体部31a側(図1、2の左側)の面が、右ベアリング5のアウターレース21の外側面に当接している。
また、シャフト31には、シャフト本体部31aの先端部(図1、2の左端部)に、クリップ32が取り付けられている。このクリップ32は、回転軸3と同じ鋼材などから成り、所定の厚さを有するとともに、左ベアリング4の外径、すなわちそのアウターレース11の外径よりも若干小さい直径を有する円板状に形成され、シャフト本体部31aの所望の位置に固定可能に構成されている。そして、シャフト本体部31aの先端部に取り付けられたクリップ32は、左ベアリング4のアウターレース13の外側面に当接している。
以上のように、ケース2内に保持されたベアリング装置1には、回転軸3の振れ精度向上や振動・騒音の低減を図るために、左右のベアリング4及び5にそれぞれ、所定の予圧が付与されている。具体的には、図2(a)に破線で示すように、左ベアリング4及び右ベアリング5にそれぞれ、互いに同じ大きさでかつ対向する方向の予圧Pが付与されている。
ここで、図3及び図4を参照して、ケース2及びその内部に保持されたベアリング装置1の温度変化に伴う変形について、本実施形態のベアリング装置1と、比較例としての従来の一般的なベアリング装置(以下「従来ベアリング装置41」という)とを比較して説明する。なお、図4に示す従来ベアリング装置41では、図3に示すベアリング装置1に対し、シャフト31及びクリップ32が存在していないこと、並びに、回転軸43が、ベアリング装置1の中空状の回転軸3と異なり、中実に構成されていることのみが異なっている。したがって、以下の説明では、両ベアリング装置1及び41の同一の構成部品については、同一の符号を付して説明するものとする。
図3は、ケース2内に保持された本実施形態のベアリング装置1を示しており、(a)は温度上昇前の状態、(b)は温度上昇後の状態を示している。一方、図4は、ケース2内に保持された従来ベアリング装置41を示しており、図3と同様、(a)及び(b)はそれぞれ、温度上昇の前後の状態を示している。
車両のトランスミッションの駆動により、その温度が上昇すると、それに伴い、ケース2及び回転軸3、43が膨張し、図3、4の左右方向に伸びる。この場合、前述したように、ケース2を構成するアルミニウム合金の線膨張係数が、回転軸3、43を構成する鋼材のそれよりも大きいため、ケース2は左右方向に比較的大きく伸びる一方、回転軸3、43の長さ方向である左右方向の伸びはケース2の伸びよりも小さい。
この場合、図4(b)に示すように、従来ベアリング装置41では、ケース2に保持された左右のベアリング4、5のアウターレース11、21が、ケース2と一体に移動する。同図では、左ベアリング4のアウターレース11が左方に移動し、インナーレース12に対して左方に変位した状態を示している。その結果、左右のベアリング4、5に付与されていた予圧Pは、低下する。
これに対し、図3(a)に示すように、本実施形態のベアリング装置1では、回転軸3と同じ鋼材で構成され、同じ線膨張係数を有するシャフト31が、回転軸3に挿通され、シャフト31の両端部のクリップ32及びフランジ部31bがそれぞれ、左右のベアリング4、5のアウターレース11及び21の側面に外方から当接している。これにより、前述したように、ケース2及び回転軸3が膨張する場合、シャフト31のシャフト本体部31aが回転軸3と同程度に膨張するので、左右のベアリング4、5のアウターレース11、21と、それらに対応するインナーレース12、22との軸方向の相対距離が維持される。その結果、左右のベアリング4、5に付与されていた予圧Pが維持され、前述した従来ベアリング41と異なり、予圧Pの低下を防止することができる。
以上のように、本実施形態のベアリング装置1によれば、両端部が左右のベアリング4、5で回転自在に支持された中空状の回転軸3に、これと同じ鋼材で構成されたシャフト31のシャフト本体部31aを挿通する。そして、シャフト31のフランジ部31bを右ベアリング5のアウターレース21の側面に当接させるとともに、クリップ32を、左ベアリング4のアウターレース11の側面に当接させた状態で、シャフト本体部31aの先端部に取り付ける。これにより、左右のベアリング4、5のアウターレース11、21同士を、両側から挟んだ状態に保持することができ、比較的簡単な構成のシャフト31及びクリップ32用いて、熱膨張に伴う予圧抜けを効果的に防止することができる。
図5は、上述したベアリング装置1の変形例を示している。このベアリング装置1Aでは、シャフト31を介して、潤滑用のオイルを、左右のベアリング4、5及びギヤ6、7に供給可能に構成されている。すなわち、図5(b)に示すように、シャフト31は、その長さ方向の全体にわたって貫通する中空状に形成されている。また、シャフト本体部31aには、長さ方向の所定位置に、径方向に貫通する複数のオイル供給孔31cが形成されている。具体的には、これらのオイル供給孔31cは、シャフト本体部31aの両端付近及び中央付近に設けられている。
また、上記のシャフト3が挿通される回転軸3には、上記のオイル供給孔31cに対応する位置などに、径方向に貫通する複数の貫通孔3bが形成されている。
このベアリング装置1Aでは、図5(a)において白抜き矢印で示すように、シャフト31の一方の端部(図5の左端部)からシャフト本体部31a内にオイルが供給され、他方の端部(図5の右端部)に向かって流れる際に、シャフト31のオイル供給孔31c及び回転軸3の貫通孔3bを介して、オイルが、左右のベアリング4及び5、並びに大径ギヤ6及び小径ギヤ7に供給される。これにより、両ベアリング4及び5、並びに両ギヤ6及び7の潤滑を図ることができ、それらの円滑な回転を確保することができる。
なお、上記のベアリング装置1Aでは、シャフト31が回転することは基本的にはない。しかし、使用環境により、シャフト31は、回転軸3の回転速度よりも遅いものの、それに連れ回りすることがある。この場合、シャフト31のフランジ部31b又はクリップ32が当接するベアリング4、5のアウターレース11、21が、ケース2の保持部2a、2bに対して回ることで、摩耗が生じるおそれがある。これを回避するために、後述するように、ボルトを利用して、ベアリング4、5のアウターレース11、21を回り止めすることが可能である。
図6(a)は、左ベアリング4のアウターレース11を、ボルト34を用いて、回り止めした状態を示している。同図に示すように、ボルト34の軸部34bを、ケース2の左保持部2aにおけるアウターレース11の付近にねじ込み、ボルト34の頭部34aをアウターレース11に当接させる。これにより、頭部34aの軸部34b側の面(図6(a)の左面)によって、左ベアリング4のアウターレース11を押圧し、アウターレース11を回り止めすることができる。なお、図示は省略するが、上記のボルト34を、ケース2の右保持部2bに上記のようにねじ込むことにより、右ベアリング5のアウターレース21を回り止めすることができる。
また、図6(b)に示すように、上記のボルト34に加えて、ワッシャ35を用いて、左ベアリング4のアウターレース11を回り止めすることも可能である。この場合には、軸部34bをワッシャ35に通し、ボルト34を左保持部2aにねじ込む。これにより、ワッシャ35の軸部34b側の面によって、左ベアリング4のアウターレース11を押圧し、アウターレース11を回り止めすることができる。なお、図示は省略するが、上記のボルト34及びワッシャ35を用いて、右ベアリング5のアウターレース21を回り止めすることができる。
さらに、図示は省略するが、上記のボルト34の頭部34aやワッシャ35でアウターレース11、21を押圧するのに代えて、例えば、アウターレース11、21の外周面と側面の境界部分の一部を切り欠き、それによって形成された切欠きに、ボルト34の頭部34a又はワッシャ35の外周部を噛み合わせた状態に係合させることによって、アウターレース11、21を回り止めすることも可能である。この場合には、回転軸3からの荷重や熱膨張がボルト34に伝わることがないので、アウターレース11、21の安定した回り止めを確保することができる。
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、ベアリング装置1の左右のベアリング4及び5として、テーパーローラベアリングを採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の種類のベアリングを採用することも可能である。また、実施形態では、シャフト31を、回転軸3と同じ鋼材で構成したが、回転軸3とほぼ同じ線膨張係数を有する金属材料で構成することも可能である。さらに、実施形態では、シャフト31及びクリップ32を用いて、左右のベアリング4、5のアウターレース11、21を両側から挟んだ状態に保持したが、他の部材(例えば、コッター、ボルト及びナット)を用いて、上記の状態を実現するようにしてもよい。なお、この場合、上記のクリップ32やコッターでは、その厚さによって、ベアリング4及び5の予圧を調整することができる一方、ボルト及びナットでは、その締め付けトルク(軸力)によって、予圧を調整することができる。また、実施形態で示したベアリング装置1の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
1 ベアリング装置
1A ベアリング装置の変形例
2 ケース
3 回転軸
3a 回転軸の挿通孔
3b 回転軸の貫通孔
4 左ベアリング(第1ベアリング又は第2ベアリング)
5 右ベアリング(第2ベアリング又は第1ベアリング)
6 大径ギヤ
7 小径ギヤ
11 左ベアリングのアウターレース(外輪)
12 左ベアリングのインナーレース
13 左ベアリングのテーパーローラ
21 右ベアリングのアウターレース(外輪)
22 右ベアリングのインナーレース
23 右ベアリングのテーパーローラ
31 シャフト(挿通軸)
31a シャフト本体部
31b フランジ部(第1当接部)
31c オイル供給孔
32 クリップ(第2当接部)
34 ボルト(固定手段)
35 ワッシャ(固定手段)

Claims (5)

  1. 所定の金属材料から成る回転軸が、その両端部において第1及び第2ベアリングでそれぞれ回転自在に支持されるとともに、当該第1及び第2ベアリングが、前記回転軸よりも大きい線膨張係数を有する所定の金属材料から成るケースに保持されたベアリング装置であって、
    前記回転軸は、所定長さ延び、その長さ方向の全体にわたって貫通した中空状に形成されており、
    前記回転軸とほぼ同じ線膨張係数を有する所定の金属材料から成り、当該回転軸に挿通された挿通軸と、
    この挿通軸の一端部に設けられ、前記第1ベアリングの外輪の側面に外方から当接する第1当接部と、
    前記挿通軸の他端部に設けられ、前記第2ベアリングの外輪の側面に外方から当接する第2当接部と、
    を備えていることを特徴とするベアリング装置。
  2. 前記第1当接部は、前記挿通軸の前記一端部に一体に設けられており、
    前記第2当接部は、前記挿通軸が前記回転軸に挿通されかつ前記第1当接部が前記第1ベアリングの外輪の側面に当接した状態で、前記挿通軸の前記他端部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のベアリング装置。
  3. 前記第1及び第2ベアリングは、テーパーローラベアリングで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のベアリング装置。
  4. 前記回転軸には、ギヤが固定されるとともに、径方向に貫通する複数の貫通孔が形成されており、
    前記挿通軸は、その長さ方向の全体にわたって貫通した中空状に形成されており、当該挿通軸には、各々が径方向に貫通し、前記複数の貫通孔を介して、前記ギヤ、並びに前記第1及び第2ベアリングに潤滑用のオイルを供給するための複数のオイル供給孔が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のベアリング装置。
  5. 前記第1及び第2ベアリングの外輪を、前記ケースに回り止め状態に固定する固定手段を、さらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のベアリング装置。
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