JP2019201347A - 歪み補償装置及び歪み補償方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線形歪み及び非線形歪みに関する係数を別々に求める場合でも、安定した歪み補償を実行すること。【解決手段】歪み補償装置は、送信信号を増幅する電力増幅器と、複数の係数を含む級数又は歪み補償係数を記憶するルックアップテーブルを用いて、前記電力増幅器において送信信号に発生する非線形歪みの逆特性を同定する第1の同定部と、複数の係数を用いて、前記電力増幅器において送信信号に発生する線形歪みの逆特性を同定する第2の同定部と、前記第1の同定部において用いられる級数の一次の項の係数、又は前記第2の同定部において用いられる複数の係数の和が定数になるように、前記第1の同定部及び前記第2の同定部に係数を設定する係数設定部とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、歪み補償装置及び歪み補償方法に関する。
近年、無線通信の高速化に伴い、送信信号の広帯域化と高ダイナミックレンジ化が進んでいる。このような状況下で、信号品質の劣化を最小限に抑えるために、電力増幅器に高い線形性が要求されている。また、それと同時に、装置の小型化、運用コストの削減及び環境問題等の観点から、高い電力変換効率で動作する電力増幅器のニーズが高まっている。
一般的な電力増幅器では、線形性と電力変換効率とが相反関係にある。例えば、飽和電力からバックオフした線形領域で電力増幅器を動作させることで、帯域外歪みの発生を小さくすることができる。しかし、この場合、電力変換効率が著しく低下し、電力増幅器の消費電力が増加してしまう。そこで、線形性と電力変換効率とを両立させるために、電力変換効率の高い非線形領域で電力増幅器を動作させ、その際に発生する非線形歪みを除去する歪み補償を使用して線形性を維持することが行われている。この歪み補償の一形態であるプリディストーション方式(以下「PD方式」という)は、電力増幅器で発生する非線形歪みの逆特性の歪みをあらかじめ送信信号に付加することで、電力増幅器の出力での線形性を高める技術である。
PD方式において送信信号にあらかじめ歪みを付加する方法には、ルックアップテーブル(LUT:LookUp Table)を利用する方法と級数を利用する方法との2つがある。LUTを利用する場合には、送信信号に対応する歪み補償係数がLUTから読み出され、この歪み補償係数が送信信号に乗算される。一方、級数を利用する場合には、送信信号に対応する歪み補償係数が級数によって算出され、この歪み補償係数が送信信号に乗算される。LUTに記憶される歪み補償係数及び級数に含まれる係数は、例えばLMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いて随時更新される。
特開2009−213113号公報 特開2014−132727号公報
ところで、電力増幅器は、例えばウィーナーモデルのように線形歪みと非線形歪みとを発生させる回路としてモデル化されることがある。このように、線形歪み及び非線形歪みを発生させる電力増幅器に対してPD方式を適用する場合、LUT又は級数の更新処理に時間がかかる。すなわち、メモリー多項式をLUT又は級数によって構成する場合、複数のLUT又は級数に関する更新処理が実行されることになり、LUTに記憶される歪み補償係数又は級数に含まれる係数が収束されるまでの時間が増大する。そして、LUT又は級数の更新処理に時間がかかると、例えば温度などの環境要因によって生じる電力増幅器の特性変動に歪み補償を追従させることが困難となり、歪み補償性能が劣化する。
そこで、更新処理における収束時間を短縮するために、電力増幅器の線形歪みと非線形歪みとを独立に補償し、それぞれの歪みに対する歪み補償係数を独立に求めることが考えられている。具体的には、例えば線形歪みをFIR(Finite Impulse Response)フィルタによって構成されるイコライザによって補償し、非線形歪みをLUT又は級数によって補償することが考えられる。この場合、FIRフィルタのタップ係数の更新処理と1つのLUT又は級数の更新処理とが実行されることにより精度の高い歪み補償が可能となり、電力増幅器の特性変動に歪み補償を追従させることができる。
しかしながら、線形歪み及び非線形歪みの歪み補償係数を独立に求める場合、双方の歪み補償係数が互いに干渉し、一意に歪み補償係数を求めるのが困難であるという問題がある。また、例えば演算誤差等により、求められた歪み補償係数がドリフトすることもある。
例えば非線形歪みの歪み補償係数を級数で表現する場合、時刻iの送信信号xiを級数によって非線形歪み補償して得られる信号Xiは以下の式(1)によって表される。
i=(b1+b3|xi|2+…)xi ・・・(1)
ただし、式(1)において、b1、b3…は級数に含まれる係数である。また、|x|は、送信信号xの振幅を示す。そして、信号Xiをイコライザによって線形歪み補償して得られる信号uiは以下の式(2)によって表される。
i=a1Xi-1+a2Xi+a3Xi+1 ・・・(2)
ただし、式(2)において、a1、a2、a3はFIRフィルタのタップ係数である。上記の式(2)に式(1)を代入すると、以下の式(3)が得られる。
i=(a1b1+a1b3|xi-1|2+a1b5|xi-1|4…)xi-1+(a2b1+a2b3|xi|2+a2b5|xi|4…)xi+(a3b1+a3b3|xi+1|2+a3b5|xi+1|4…)xi+1 ・・・(3)
このように、各項には、タップ係数a1、a2、a3と級数に含まれる係数b1、b3、b5…との積が現れ、線形歪みの項と非線形歪みの項とが互いに干渉する。換言すれば、歪み補償性能を最適にする例えば積「a1b1」が決定されても、それぞれの係数「a1」及び「b1」を特定することは困難である。したがって、タップ係数及び級数に含まれる係数を一意に決定することが困難であり、安定した歪み補償動作が損なわれることがある。このような問題は、非線形歪みの歪み補償係数をLUTから読み出す場合にも同様に発生する。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、線形歪み及び非線形歪みに関する係数を別々に求める場合でも、安定した歪み補償を実行することができる歪み補償装置及び歪み補償方法を提供することを目的とする。
本願が開示する歪み補償装置は、1つの態様において、送信信号を増幅する電力増幅器と、複数の係数を含む級数又は歪み補償係数を記憶するルックアップテーブルを用いて、前記電力増幅器において送信信号に発生する非線形歪みの逆特性を同定する第1の同定部と、複数の係数を用いて、前記電力増幅器において送信信号に発生する線形歪みの逆特性を同定する第2の同定部と、前記第1の同定部において用いられる級数の一次の項の係数、又は前記第2の同定部において用いられる複数の係数の和が定数になるように、前記第1の同定部及び前記第2の同定部に係数を設定する係数設定部とを有する。
本願が開示する歪み補償装置及び歪み補償方法の1つの態様によれば、線形歪み及び非線形歪みに関する歪み補償係数を別々に求める場合でも、安定した歪み補償を実行することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図3は、増幅器逆特性同定部の具体例を示すブロック図である。 図4は、周波数逆特性同定部の周波数特性の具体例を示す図である。 図5は、実施の形態1に係る更新処理を示すフロー図である。 図6は、増幅器逆特性同定処理を示すフロー図である。 図7は、実施の形態2に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図8は、増幅器逆特性同定部の具体例を示すブロック図である。 図9は、実施の形態2に係る更新処理を示すフロー図である。 図10は、実施の形態3に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 図11は、増幅器逆特性同定部の具体例を示すブロック図である。 図12は、非線形逆特性同定部の非線形特性の具体例を示す図である。 図13は、増幅器逆特性同定処理を示すフロー図である。 図14は、実施の形態4に係るプロセッサの内部構成を示すブロック図である。 図15は、増幅器逆特性同定部の具体例を示すブロック図である。 図16は、周波数逆特性同定部のインパルス応答の具体例を示す図である。 図17は、増幅器逆特性同定部の具体例を示すブロック図である。
以下、本願が開示する歪み補償装置及び歪み補償方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図である。図1に示す無線通信システムは、ベースバンド装置10に複数の無線通信装置100が接続される構成を採る。なお、図1においては、ベースバンド装置10に2つの無線通信装置100が接続されているが、ベースバンド装置10に接続される無線通信装置100の数は1つでも良く、3つ以上でも良い。
ベースバンド装置10は、例えば図示しないコアネットワークの装置に接続され、端末装置へ送信されるデータに対してベースバンド処理を施す。具体的には、ベースバンド装置10は、送信データの符号化及び変調などを実行し、得られたベースバンド信号(以下「BB信号」と略記する)を無線通信装置100へ送信する。なお、BB信号は、複素数で表現される。また、ベースバンド装置10は、端末装置から送信された信号を無線通信装置100を介して受信し、受信信号に対してベースバンド処理を施す。
無線通信装置100は、ベースバンド装置10からBB信号を受信し、BB信号の歪み補償を実行した上で無線送信処理を施し、得られた無線信号をアンテナから端末装置へ送信する。無線通信装置100の無線送信処理においては、電力増幅器によって送信信号が増幅される。このとき、電力増幅器において線形歪み及び非線形歪みが発生するため、PD方式によってBB信号の歪み補償が実行される。すなわち、電力増幅器の歪み逆特性が同定され、電力増幅器において発生する歪みの逆特性の歪みがあらかじめ送信信号に付与される。
図2は、実施の形態1に係る無線通信装置100の構成を示すブロック図である。図2に示す無線通信装置100は、有線インタフェース部(以下「有線I/F部」と略記する)110、プロセッサ120、DA(Digital Analog)コンバータ130、局部発振器140、アップコンバータ150、電力増幅器160、ダウンコンバータ170及びAD(Analog Digital)コンバータ180を有する。
有線I/F部110は、ベースバンド装置10と有線接続され、ベースバンド装置10から送信されたBB信号を受信する。また、有線I/F部110は、端末装置から送信され無線通信装置100によって受信された信号をベースバンド装置10へ送信しても良い。
プロセッサ120は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はDSP(Digital Signal Processor)などを備え、無線通信装置100の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ120は、非線形歪み補償部121、イコライザ部122、非線形逆特性同定部123、周波数逆特性同定部124、誤差算出部125及び係数設定部126を有する。
非線形歪み補償部121は、電力増幅器160において発生する非線形歪みを補償する。具体的には、非線形歪み補償部121は、信号の電力に対応付けて歪み補償係数を記憶するLUTを備え、BB信号が入力されると、BB信号の電力に対応する歪み補償係数をLUTから読み出し、BB信号に歪み補償係数を乗算する。非線形歪み補償部121が備えるLUTは、後述するように非線形逆特性同定部123において更新処理されるLUTに定期的に置き換えられる。
イコライザ部122は、電力増幅器160において発生する線形歪みを補償する。具体的には、イコライザ部122は、時間的に連続する複数の信号サンプルにそれぞれタップ係数を乗算して合計するFIRフィルタを備え、BB信号のイコライジングをする。イコライザ部122のタップ係数は、後述するように周波数逆特性同定部124において更新処理されるタップ係数に定期的に置き換えられる。
非線形歪み補償部121及びイコライザ部122は、BB信号に対してPD方式による歪み補償を実行する。すなわち、非線形歪み補償部121及びイコライザ部122は、電力増幅器160において発生する線形歪み及び非線形歪みを補償し、イコライザ部122からは歪み補償されたプリディストーション信号(以下「PD信号」と略記する)が出力される。
非線形逆特性同定部123は、電力増幅器160の非線形逆特性を同定する。具体的には、非線形逆特性同定部123は、非線形歪み補償部121と同様にLUTを備え、誤差算出部125によって算出される誤差が最小になるようにLUTに記憶される歪み補償係数を更新する。また、非線形逆特性同定部123は、電力増幅器160から出力されてフィードバックされるフィードバック信号(以下「FB信号」と略記する)に、BB信号の電力に応じてLUTから読み出された歪み補償係数を乗算し、FB信号の非線形歪み補償を実行する。つまり、非線形逆特性同定部123は、FB信号に対して非線形歪み補償部121と同様の非線形歪み補償を実行しながら、LUTの更新処理を実行する。そして、非線形逆特性同定部123は、自身が備えるLUTを定期的に非線形歪み補償部121へ複製する。
周波数逆特性同定部124は、電力増幅器160の周波数逆特性を同定する。具体的には、周波数逆特性同定部124は、イコライザ部122と同様にFIRフィルタを備え、誤差算出部125によって算出される誤差が最小になるようにFIRフィルタのタップ係数を更新する。また、周波数逆特性同定部124は、非線形逆特性同定部123から出力されるFB信号をイコライジングすることにより、FB信号の線形歪み補償を実行する。つまり、周波数逆特性同定部124は、FB信号に対してイコライザ部122と同様の線形歪み補償を実行しながら、タップ係数の更新処理を実行する。そして、周波数逆特性同定部124は、自身が備えるFIRフィルタのタップ係数を定期的にイコライザ部122へ複製する。
周波数逆特性同定部124が備えるFIRフィルタのタップ係数は、係数設定部126によって設定されるが、各タップ係数が制限なく設定されるのではなく、一定の制限の下で設定される。すなわち、複数のタップ係数の合計を1とするという制限の下で、タップ係数の更新処理が実行される。
非線形逆特性同定部123及び周波数逆特性同定部124は、FB信号に対してPD方式による歪み補償を実行しながら、電力増幅器160の周波数逆特性及び非線形逆特性を同定する。すなわち、非線形逆特性同定部123及び周波数逆特性同定部124は、FB信号に対して非線形歪み補償部121及びイコライザ部122と同様の歪み補償を実行し、周波数逆特性同定部124からはPD信号のレプリカ(以下「レプリカ信号」という)が出力される。また、非線形逆特性同定部123及び周波数逆特性同定部124は、電力増幅器160において発生する非線形歪み及び線形歪みを補償する歪み補償係数及びタップ係数を算出し、定期的に歪み補償係数及びタップ係数を非線形歪み補償部121及びイコライザ部122へ複製する。このように、非線形歪み補償部121及びイコライザ部122が歪み補償に用いる係数が非線形逆特性同定部123及び周波数逆特性同定部124によって間接的に学習される方式は、インダイレクトラーニングと呼ばれることがある。
誤差算出部125は、イコライザ部122から出力されるPD信号と周波数逆特性同定部124から出力されるレプリカ信号との誤差を算出する。PD信号は、非線形歪み補償部121及びイコライザ部122によって歪み補償されており、レプリカ信号は、非線形逆特性同定部123及び周波数逆特性同定部124によって歪み補償されているため、LUT及びタップ係数が理想的な状態であれば、誤差算出部125が算出する誤差は0になる。
係数設定部126は、非線形逆特性同定部123のLUTに記憶される歪み補償係数と、周波数逆特性同定部124のFIRフィルタのタップ係数とを設定する。このとき、係数設定部126は、誤差算出部125によって算出される誤差が0に近くなるように、例えばLMSアルゴリズムを用いて歪み補償係数及びタップ係数を更新する。タップ係数を更新する際は、係数設定部126は、周波数逆特性同定部124のタップ係数の合計を1とするという制限の下で、複数のタップ係数を算出する。
DAコンバータ130は、プロセッサ120から出力されるPD信号をDA変換し、得られたアナログ信号をアップコンバータ150へ出力する。
局部発振器140は、アップコンバート及びダウンコンバートのためのローカル周波数を発生させる。
アップコンバータ150は、DAコンバータ130から出力されるアナログ信号をアップコンバートし、得られた無線信号を電力増幅器160へ出力する。
電力増幅器160は、アップコンバータ150から出力される無線信号を増幅し、アンテナを介して無線送信する。電力増幅器160は、無線信号の増幅時に線形歪み及び非線形歪みを発生させる。本実施の形態においては、線形歪みの逆特性の歪みがイコライザ部122によってBB信号に付与され、非線形歪みの逆特性の歪みが非線形歪み補償部121によってBB信号に付与されているため、電力増幅器160において発生する線形歪み及び非線形歪みが相殺される。
ダウンコンバータ170は、電力増幅器160から出力される無線信号をフィードバックしてダウンコンバートし、得られたベースバンドのFB信号をADコンバータ180へ出力する。
ADコンバータ180は、ダウンコンバータ170から出力されるFB信号をAD変換し、得られたデジタルのFB信号をプロセッサ120へ出力する。
次に、実施の形態1に係る増幅器逆特性同定部の具体例について図3を参照しながら説明する。実施の形態1に係る増幅器逆特性同定部は、非線形逆特性同定部123及び周波数逆特性同定部124を有して構成される。
図3に示すように、非線形逆特性同定部123は、電力算出部201、LUT202及び乗算器203を有する。なお、本実施の形態においては、非線形歪み補償部121も非線形逆特性同定部123と同様の構成である。
電力算出部201は、BB信号の電力を算出する。LUT202は、信号の電力に対応付けて歪み補償係数を記憶しており、電力算出部201からBB信号の電力が出力されると、この電力に対応する歪み補償係数を乗算器203へ出力する。LUT202に記憶される歪み補償係数は、誤差算出部125によって算出される誤差が小さくなるように、係数設定部126によって更新される。
具体的には、例えば以下の式(4)によって、乗算器203へ出力された歪み補償係数が更新される。
addr(n+1)=haddr(n)+μe(n)y* n ・・・(4)
式(4)において、haddr(n)は更新前の歪み補償係数であり、haddr(n+1)は更新後の歪み補償係数である。また、μは所定の係数であり、e(n)は誤差算出部125によって算出される誤差を示し、y* nはFB信号ynの複素共役を示す。このように、タイミングnでLUT202から出力された歪み補償係数haddr(n)と、対応する誤差e(n)及びFB信号ynとから、新たな歪み補償係数haddr(n+1)が算出される。この歪み補償係数haddr(n+1)は、歪み補償係数haddr(n)の代わりにLUT202に格納される。
以上のようなLUT202の更新処理によって、非線形逆特性同定部123は、電力増幅器160の非線形逆特性を同定する。また、LUT202は、定期的に非線形歪み補償部121へ複製される。
乗算器203は、LUT202から出力される歪み補償係数をFB信号に乗算し、FB信号の非線形歪み補償を実行する。非線形歪み補償されたFB信号は、周波数逆特性同定部124へ出力される。
図3に示すように、周波数逆特性同定部124は、複数の遅延器211、乗算器212〜214及び加算器215を有する。なお、本実施の形態においては、イコライザ部122も周波数逆特性同定部124と同様の構成である。
遅延器211は、それぞれ信号のサンプルを保持した後、保持したサンプルを後段の遅延器211又は乗算器212へ出力する。したがって、FB信号の最新のサンプルが図3に示す周波数逆特性同定部124へ入力される際には、1サンプルタイミング過去のサンプルと、2サンプルタイミング過去のサンプルとがそれぞれ遅延器211から出力される。
乗算器212は、2サンプルタイミング過去のサンプルに対してタップ係数a1を乗算する。
乗算器213は、1サンプルタイミング過去のサンプルに対してタップ係数a2を乗算する。
乗算器214は、最新のサンプルに対してタップ係数1-(a1+a2)を乗算する。すなわち、乗算器214は、3つのタップ係数の合計が1になるように調整されたタップ係数をFB信号の最新のサンプルに乗算する。
乗算器212〜214がサンプルに対して乗算するタップ係数は、誤差算出部125によって算出される誤差が小さくなるように、係数設定部126によって更新される。すなわち、3つのタップ係数の合計を1とする制限の下で、誤差を小さくするようにタップ係数a1及びタップ係数a2が更新される。
具体的には、例えばLMSアルゴリズムが用いられる場合、以下の式(5)、(6)によって、タップ係数a1、a2が更新される。
a1(n+1)=a1(n)+μe(n)(y* n-1−y* n+1) ・・・(5)
a2(n+1)=a2(n)+μe(n)(y* n−y* n+1) ・・・(6)
式(5)、(6)において、a1(n)、a2(n)は更新前のタップ係数であり、a1(n+1)、a2(n+1)は更新後のタップ係数である。また、μは所定の係数であり、e(n)は誤差算出部125によって算出される誤差を示し、y* nはFB信号ynの複素共役を示す。このように、タイミングnで用いられたタップ係数a1(n)、a2(n)と、対応する誤差e(n)及び前後のタイミングのサンプルを含むFB信号yn-1、yn、yn+1とから、新たなタップ係数a1(n+1)、a2(n+1)が算出される。そして、これらのタップ係数a1(n+1)、a2(n+1)の和が1から減算されることにより、残りの1つのタップ係数が算出される。これらのタップ係数は、それぞれ乗算器212〜214に設定される。
以上のようなタップ係数の更新処理によって、周波数逆特性同定部124は、電力増幅器160の周波数逆特性を同定する。また、タップ係数は、定期的にイコライザ部122へ複製される。
ここで、タップ係数の合計を1とするという制限を課すことにより、周波数逆特性同定部124の周波数特性は、例えば図4に示すようなゲイン特性及び位相特性を示す。図4の上図は、周波数逆特性同定部124のゲイン特性の例を示す図であり、同図に示すように、どのような周波数逆特性同定部124であっても中心周波数における利得が1に固定される。同様に、図4の下図は、周波数逆特性同定部124の位相特性の例を示す図であり、同図に示すように、どのような周波数逆特性同定部124であっても中心周波数における位相が0に固定される。
このように、タップ係数の合計を1とするという制限を課すことにより、周波数逆特性同定部124の周波数特性が固定点を通るようになり、乗算器212〜214のタップ係数とLUT202の歪み補償係数とを一意に決定することが可能となる。結果として、線形歪み及び非線形歪みに関する係数を別々に求める場合でも、安定した歪み補償を実行することができる。なお、周波数逆特性同定部124のタップ係数に制限を課すことにより、例えば利得調整の自由度が低下するが、周波数逆特性同定部124で調整しきれない利得の増減は、非線形逆特性同定部123における歪み補償係数の更新に反映される。
図3に戻って、加算器215は、乗算器212〜214の乗算結果を合計することによりFB信号の線形歪み補償を実行し、PD信号に対応するレプリカ信号を生成する。非線形歪み補償部121及び非線形逆特性同定部123のLUTと、イコライザ部122及び周波数逆特性同定部124のタップ係数とが理想的な状態であれば、加算器215によって生成されるレプリカ信号と、イコライザ部122から出力されるPD信号とは等しくなる。
次いで、上記のように構成された無線通信装置100における係数の更新処理について、図5に示すフロー図を参照しながら説明する。
ベースバンド装置10から送信される端末装置宛てのBB信号は、無線通信装置100の有線I/F部110によって受信される(ステップS101)。BB信号は、プロセッサ120の非線形歪み補償部121へ入力され、非線形歪み補償部121が備えるLUTから読み出された歪み補償係数がBB信号に乗算されることにより、BB信号の非線形歪み補償が実行される(ステップS102)。非線形歪み補償されたBB信号は、イコライザ部122によってイコライジングされる(ステップS103)。すなわち、BB信号のサンプルが順次イコライザ部122へ入力され、各サンプルにタップ係数が乗算され、乗算結果が加算されることにより、PD信号が生成される。
PD信号は、DAコンバータ130によってDA変換され、得られたアナログ信号がアップコンバータ150によってアップコンバートされる。アップコンバータ150から出力される無線信号は、電力増幅器160によって増幅され、アンテナを介して無線送信される(ステップS104)。また、電力増幅器160から出力される送信信号は、ダウンコンバータ170へフィードバックされる。
フィードバックされたFB信号は、ダウンコンバータ170によってダウンコンバートされ、ADコンバータ180によってAD変換される。そして、FB信号は、プロセッサ120の非線形逆特性同定部123へ入力され、非線形逆特性同定部123及び周波数逆特性同定部124による増幅器逆特性同定処理が実行される(ステップS105)。すなわち、非線形逆特性同定部123のLUT202の歪み補償係数が更新されるとともに、周波数逆特性同定部124のタップ係数が更新されることにより、電力増幅器160の非線形逆特性及び周波数逆特性が同定される。増幅器逆特性同定処理については、後に詳述する。
増幅器逆特性同定処理が実行される際、非線形逆特性同定部123及び周波数逆特性同定部124によって、非線形歪み補償部121及びイコライザ部122のLUT及びタップ係数の更新タイミングが到来したか否かが判断される(ステップS106)。更新タイミングは定期的に到来するものであり、非線形逆特性同定部123はLUTの更新タイミングが到来したか否かを判断し、周波数逆特性同定部124はタップ係数の更新タイミングが到来したか否かを判断する。
この判断の結果、更新タイミングが到来していない間は(ステップS106No)、引き続き信号の送信が行われながら増幅器逆特性同定処理が繰り返される。そして、更新タイミングが到来すると(ステップS106Yes)、非線形逆特性同定部123のLUT202が非線形歪み補償部121へ複製され、周波数逆特性同定部124のタップ係数がイコライザ部122へ複製される。これにより、非線形歪み補償部121のLUTに記憶された歪み補償係数とイコライザ部122のタップ係数とが更新される(ステップS107)。このように、送信される信号の歪み補償とは独立して増幅器逆特性同定処理が実行され、更新タイミングが到来すると、増幅器逆特性同定処理によって更新された係数が非線形歪み補償部121及びイコライザ部122へ複製されるインダイレクトラーニングが実行される。
次に、増幅器逆特性同定処理について、図6に示すフロー図を参照しながら説明する。図6に示す増幅器逆特性同定処理は、電力増幅器160の非線形逆特性及び周波数逆特性を別々に同定する処理である。
BB信号が非線形逆特性同定部123へ入力されると、電力算出部201によってBB信号の電力が算出される(ステップS201)。そして、算出された電力に対応する歪み補償係数がLUT202から乗算器203へ出力され、乗算器203によって歪み補償係数がFB信号に乗算されることにより、FB信号の非線形歪み補償が実行される(ステップS202)。
非線形歪み補償されたFB信号のサンプルは、周波数逆特性同定部124へ順次入力される。そして、FB信号のサンプルが複数の遅延器211を移動しながら、各サンプルタイミングのサンプルにタップ係数が乗算される。すなわち、乗算器212〜214によって、それぞれ対応するサンプルにタップ係数が乗算され、乗算結果が加算器215によって加算される。これにより、FB信号の線形歪み補償が実行され(ステップS203)、PD信号に対応するレプリカ信号が生成される。
生成されたレプリカ信号は、誤差算出部125へ出力され、誤差算出部125によって、PD信号とレプリカ信号の誤差が算出される(ステップS204)。この誤差は、係数設定部126へ出力され、係数設定部126によって、非線形逆特性同定部123における非線形歪み補償に用いられた歪み補償係数が算出される(ステップS205)。すなわち、誤差を0に近づける歪み補償係数が例えばLMSアルゴリズムによって算出され、LUT202に格納される。このように非線形逆特性同定部123のLUT202に記憶された歪み補償係数の更新が繰り返されることにより、電力増幅器160の非線形逆特性が同定される。
また、係数設定部126によって、周波数逆特性同定部124における線形歪み補償に用いられたタップ係数が算出される(ステップS206)。すなわち、誤差を0に近づけるタップ係数が例えばLMSアルゴリズムによって算出される。このとき、複数のタップ係数の合計を1とするという制限の下で、それぞれのタップ係数が算出される。したがって、周波数逆特性同定部124において例えば3つのタップ係数が用いられる場合には、2つのタップ係数が例えばLMSアルゴリズムによって算出された後、これらのタップ係数の和を1から減算することにより、残りの1つのタップ係数が算出される。このように周波数逆特性同定部124のタップ係数の更新が繰り返されることにより、電力増幅器160の周波数逆特性が同定される。
以上のように、本実施の形態によれば、LUTの更新によって電力増幅器の非線形逆特性を同定し、タップ係数の更新によって電力増幅器の周波数逆特性を同定する際に、タップ係数の合計を1にするという制限を課し、更新されたLUT及びタップ係数を定期的に非線形歪み補償部及びイコライザ部へ複製するインダイレクトラーニングを実行する。このため、LUTに記憶される歪み補償係数及びイコライジングに用いられるタップ係数を一意に決定することができ、線形歪み及び非線形歪みに関する係数を別々に求める場合でも、安定した歪み補償を実行することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2の特徴は、歪み補償に用いられるLUT及びタップ係数を直接更新するダイレクトラーニングを採用する点である。
実施の形態2に係る無線通信システムは、実施の形態1(図1)と同様であるため、その説明を省略する。
図7は、実施の形態2に係る無線通信装置100の構成を示すブロック図である。図7において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図7に示す無線通信装置100においては、図2に示す無線通信装置100とプロセッサ120の内部構成が異なる。すなわち、実施の形態2に係るプロセッサ120は、非線形歪み補償部310、イコライザ部320、誤差算出部330及び係数設定部340を有する。
非線形歪み補償部310は、電力増幅器160において発生する非線形歪みを補償する。具体的には、非線形歪み補償部310は、信号の電力に対応付けて歪み補償係数を記憶するLUTを備え、BB信号が入力されると、BB信号の電力に対応する歪み補償係数をLUTから読み出し、BB信号に歪み補償係数を乗算する。非線形歪み補償部310が備えるLUTは、後述するように係数設定部340によって随時更新される。
イコライザ部320は、電力増幅器160において発生する線形歪みを補償する。具体的には、イコライザ部320は、時間的に連続する複数の信号サンプルにそれぞれタップ係数を乗算して合計するFIRフィルタを備え、BB信号のイコライジングをする。イコライザ部320のタップ係数は、後述するように係数設定部340によって随時更新される。
非線形歪み補償部310及びイコライザ部320は、BB信号に対してPD方式による歪み補償を実行する。すなわち、非線形歪み補償部310及びイコライザ部320は、電力増幅器160において発生する線形歪み及び非線形歪みを補償し、イコライザ部320からは歪み補償されたPD信号が出力される。
誤差算出部330は、歪み補償前のBB信号と電力増幅器160からフィードバックされるFB信号との誤差を算出する。FB信号は、非線形歪み補償部310及びイコライザ部320によって歪み補償された後、電力増幅器160によって増幅されているため、LUT及びタップ係数が理想的な状態であれば、誤差算出部330が算出する誤差は0になる。
係数設定部340は、非線形歪み補償部310のLUTに記憶される歪み補償係数と、イコライザ部320のFIRフィルタのタップ係数とを設定する。このとき、係数設定部340は、誤差算出部330によって算出される誤差が0に近くなるように、例えばLMSアルゴリズムを用いて歪み補償係数及びタップ係数を更新する。タップ係数を更新する際は、係数設定部340は、イコライザ部320のタップ係数の合計を1とするという制限の下で、複数のタップ係数を算出する。このように、非線形歪み補償部310及びイコライザ部320が歪み補償に用いる係数が直接更新される方式は、ダイレクトラーニングと呼ばれることがある。
次に、実施の形態2に係る増幅器逆特性同定部の具体例について図8を参照しながら説明する。実施の形態2に係る増幅器逆特性同定部は、非線形歪み補償部310及びイコライザ部320を有して構成される。
図8に示すように、非線形歪み補償部310は、電力算出部311、LUT312及び乗算器313を有する。
電力算出部311は、BB信号の電力を算出する。LUT312は、信号の電力に対応付けて歪み補償係数を記憶しており、電力算出部311からBB信号の電力が出力されると、この電力に対応する歪み補償係数を乗算器313へ出力する。LUT312に記憶される歪み補償係数は、誤差算出部330によって算出される誤差が小さくなるように、係数設定部340によって更新される。
具体的には、例えば以下の式(7)によって、乗算器313へ出力された歪み補償係数が更新される。
addr(n+1)=haddr(n)+μe(n)x* n ・・・(7)
式(7)において、haddr(n)は更新前の歪み補償係数であり、haddr(n+1)は更新後の歪み補償係数である。また、μは所定の係数であり、e(n)は誤差算出部330によって算出される誤差を示し、x* nはBB信号xnの複素共役を示す。このように、タイミングnでLUT312から出力された歪み補償係数haddr(n)と、対応する誤差e(n)及びBB信号xnとから、新たな歪み補償係数haddr(n+1)が算出される。この歪み補償係数haddr(n+1)は、歪み補償係数haddr(n)の代わりにLUT312に格納される。
以上のようなLUT312の更新処理によって、非線形歪み補償部310は、電力増幅器160の非線形逆特性を同定する。
乗算器313は、LUT312から出力される歪み補償係数をBB信号に乗算し、BB信号の非線形歪み補償を実行する。非線形歪み補償されたBB信号は、イコライザ部320へ出力される。
図8に示すように、イコライザ部320は、複数の遅延器321、乗算器322〜324及び加算器325を有する。
遅延器321は、それぞれ信号のサンプルを保持した後、保持したサンプルを後段の遅延器321又は乗算器322へ出力する。したがって、BB信号の最新のサンプルが図8に示すイコライザ部320へ入力される際には、1サンプルタイミング過去のサンプルと、2サンプルタイミング過去のサンプルとがそれぞれ遅延器321から出力される。
乗算器322は、2サンプルタイミング過去のサンプルに対してタップ係数a1を乗算する。
乗算器323は、1サンプルタイミング過去のサンプルに対してタップ係数a2を乗算する。
乗算器324は、最新のサンプルに対してタップ係数1-(a1+a2)を乗算する。すなわち、乗算器324は、3つのタップ係数の合計が1になるように調整されたタップ係数をBB信号の最新のサンプルに乗算する。
乗算器322〜324がサンプルに対して乗算するタップ係数は、誤差算出部330によって算出される誤差が小さくなるように、係数設定部340によって更新される。すなわち、3つのタップ係数の合計を1とする制限の下で、誤差を小さくするタップ係数a1及びタップ係数a2が更新される。
具体的には、例えば以下の式(8)、(9)によって、タップ係数a1、a2が更新される。
a1(n+1)=a1(n)+μe(n)(x* n-1−x* n+1) ・・・(8)
a2(n+1)=a2(n)+μe(n)(x* n−x* n+1) ・・・(9)
式(8)、(9)において、a1(n)、a2(n)は更新前のタップ係数であり、a1(n+1)、a2(n+1)は更新後のタップ係数である。また、μは所定の係数であり、e(n)は誤差算出部330によって算出される誤差を示し、x* nはBB信号xnの複素共役を示す。このように、タイミングnで用いられたタップ係数a1(n)、a2(n)と、対応する誤差e(n)及び前後のタイミングのサンプルを含むBB信号xn-1、xn、xn+1とから、新たなタップ係数a1(n+1)、a2(n+1)が算出される。そして、これらのタップ係数a1(n+1)、a2(n+1)の和が1から減算されることにより、残りの1つのタップ係数が算出される。これらのタップ係数は、それぞれ乗算器322〜324に設定される。
以上のようなタップ係数の更新処理によって、イコライザ部320は、電力増幅器160の周波数逆特性を同定する。
加算器325は、乗算器322〜324の乗算結果を合計することによりBB信号の線形歪み補償を実行し、PD信号を生成する。
次いで、上記のように構成された無線通信装置100における係数の更新処理について、図9に示すフロー図を参照しながら説明する。図9において、図5と同じ部分には同じ符号を付す。
ベースバンド装置10から送信される端末装置宛てのBB信号は、無線通信装置100の有線I/F部110によって受信される(ステップS101)。BB信号は、プロセッサ120の非線形歪み補償部310へ入力され、非線形歪み補償部310が備えるLUT312から読み出された歪み補償係数がBB信号に乗算されることにより、BB信号の非線形歪み補償が実行される(ステップS102)。非線形歪み補償されたBB信号は、イコライザ部320によってイコライジングされる(ステップS103)。すなわち、BB信号のサンプルが順次イコライザ部320へ入力され、各サンプルにタップ係数が乗算され、乗算結果が加算されることにより、PD信号が生成される。
PD信号は、DAコンバータ130によってDA変換され、得られたアナログ信号がアップコンバータ150によってアップコンバートされる。アップコンバータ150から出力される無線信号は、電力増幅器160によって増幅され、アンテナを介して無線送信される(ステップS104)。また、電力増幅器160から出力される送信信号は、ダウンコンバータ170へフィードバックされる。
フィードバックされたFB信号は、ダウンコンバータ170によってダウンコンバートされ、ADコンバータ180によってAD変換される。そして、FB信号は、プロセッサ120の誤差算出部330へ入力され、誤差算出部330によって、歪み補償前のBB信号とFB信号の誤差が算出される(ステップS301)。この誤差は、係数設定部340へ出力され、係数設定部340によって、非線形歪み補償部310における非線形歪み補償に用いられた歪み補償係数が更新される(ステップS302)。すなわち、誤差を0に近づける歪み補償係数が例えばLMSアルゴリズムによって算出され、LUT312に格納される。このように非線形歪み補償部310のLUT312に記憶された歪み補償係数の更新が繰り返されることにより、電力増幅器160の非線形逆特性が同定される。
また、係数設定部340によって、イコライザ部320における線形歪み補償に用いられたタップ係数が更新される(ステップS303)。すなわち、誤差を0に近づけるタップ係数が例えばLMSアルゴリズムによって算出される。このとき、複数のタップ係数の合計を1とするという制限の下で、それぞれのタップ係数が算出される。したがって、イコライザ部320において例えば3つのタップ係数が用いられる場合には、2つのタップ係数が例えばLMSアルゴリズムによって算出された後、これらのタップ係数の和を1から減算することにより、残りの1つのタップ係数が算出される。このようにイコライザ部320のタップ係数の更新が繰り返されることにより、電力増幅器160の周波数逆特性が同定される。
以上のように、本実施の形態によれば、送信信号の非線形歪み補償に用いられるLUTの更新によって電力増幅器の非線形逆特性を同定し、送信信号の線形歪み補償に用いられるタップ係数の更新によって電力増幅器の周波数逆特性を同定する際に、タップ係数の合計を1にするという制限を課す。そして、更新されたLUT及びタップ係数をリアルタイムで非線形歪み補償及び線形歪み補償に利用するダイレクトラーニングを実行する。このため、LUTに記憶される歪み補償係数及びイコライジングに用いられるタップ係数を一意に決定することができ、線形歪み及び非線形歪みに関する係数を別々に求める場合でも、安定した歪み補償を実行することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3の特徴は、非線形歪み補償に級数を用いるとともに、級数に含まれる係数を更新する際に制限を課す点である。
実施の形態3に係る無線通信システムは、実施の形態1(図1)と同様であるため、その説明を省略する。
図10は、実施の形態3に係る無線通信装置100の構成を示すブロック図である。図10において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図10に示す無線通信装置100においては、図2に示す無線通信装置100とプロセッサ120の内部構成が異なる。すなわち、実施の形態3に係るプロセッサ120は、非線形歪み補償部410、イコライザ部420、非線形逆特性同定部430、周波数逆特性同定部440、誤差算出部125及び係数設定部450を有する。
非線形歪み補償部410は、電力増幅器160において発生する非線形歪みを補償する。具体的には、非線形歪み補償部410は、BB信号を用いて複数の係数を含む級数の演算を実行する。非線形歪み補償部410が演算に用いる級数の係数は、後述するように非線形逆特性同定部430が演算に用いる級数の係数に定期的に置き換えられる。
イコライザ部420は、電力増幅器160において発生する線形歪みを補償する。具体的には、イコライザ部420は、時間的に連続する複数の信号サンプルにそれぞれタップ係数を乗算して合計するFIRフィルタを備え、BB信号のイコライジングをする。イコライザ部420のタップ係数は、後述するように周波数逆特性同定部440において更新処理されるタップ係数に定期的に置き換えられる。
非線形歪み補償部410及びイコライザ部420は、BB信号に対してPD方式による歪み補償を実行する。すなわち、非線形歪み補償部410及びイコライザ部420は、電力増幅器160において発生する線形歪み及び非線形歪みを補償し、イコライザ部420からは歪み補償されたPD信号が出力される。
非線形逆特性同定部430は、電力増幅器160の非線形逆特性を同定する。具体的には、非線形逆特性同定部430は、非線形歪み補償部410と同様に級数の演算を実行可能であり、誤差算出部125によって算出される誤差が最小になるように級数に含まれる係数を更新する。また、非線形逆特性同定部430は、電力増幅器160からフィードバックされるFB信号を用いた級数の演算を実行し、FB信号の非線形歪み補償を実行する。つまり、非線形逆特性同定部430は、FB信号に対して非線形歪み補償部410と同様の非線形歪み補償を実行しながら、級数に含まれる係数の更新処理を実行する。そして、非線形逆特性同定部430は、自身が演算する級数に含まれる係数を定期的に非線形歪み補償部410へ複製する。
非線形逆特性同定部430の級数に含まれる係数は、係数設定部450によって設定されるが、各係数が制限なく設定されるのではなく、一定の制限の下で設定される。すなわち、級数の一次の項の係数を1とするという制限の下で、係数の更新処理が実行される。
周波数逆特性同定部440は、電力増幅器160の周波数逆特性を同定する。具体的には、周波数逆特性同定部440は、イコライザ部420と同様にFIRフィルタを備え、誤差算出部125によって算出される誤差が最小になるようにFIRフィルタのタップ係数を更新する。また、周波数逆特性同定部440は、非線形逆特性同定部430から出力されるFB信号をイコライジングすることにより、FB信号の線形歪み補償を実行する。つまり、周波数逆特性同定部440は、FB信号に対してイコライザ部420と同様の線形歪み補償を実行しながら、タップ係数の更新処理を実行する。そして、周波数逆特性同定部440は、自身が備えるFIRフィルタのタップ係数を定期的にイコライザ部420へ複製する。
非線形逆特性同定部430及び周波数逆特性同定部440は、FB信号に対してPD方式による歪み補償を実行しながら、電力増幅器160の周波数逆特性及び非線形逆特性を同定する。すなわち、非線形逆特性同定部430及び周波数逆特性同定部440は、FB信号に対して非線形歪み補償部410及びイコライザ部420と同様の歪み補償を実行し、周波数逆特性同定部440からはPD信号に対応するレプリカ信号が出力される。
係数設定部450は、非線形逆特性同定部430の級数に含まれる係数と、周波数逆特性同定部440のFIRフィルタのタップ係数とを設定する。このとき、係数設定部450は、誤差算出部125によって算出される誤差が0に近くなるように、例えばLMSアルゴリズムを用いて級数係数及びタップ係数を更新する。級数係数を更新する際は、係数設定部450は、級数の一次の項の係数を1とするという制限の下で、複数の係数を算出する。
次に、実施の形態3に係る増幅器逆特性同定部の具体例について図11を参照しながら説明する。実施の形態3に係る増幅器逆特性同定部は、非線形逆特性同定部430及び周波数逆特性同定部440を有して構成される。
図11に示すように、非線形逆特性同定部430は、乗算器431〜434、437及び加算器435、436を有する。なお、本実施の形態においては、非線形歪み補償部410も非線形逆特性同定部430と同様の構成である。
乗算器431は、級数の三次の項を生成するためにFB信号を2乗する。乗算器432は、乗算器431の出力に三次の項の係数b3を乗算する。
乗算器433は、級数の五次の項を生成するために乗算器431の出力を2乗する。乗算器434は、乗算器433の出力に五次の項の係数b5を乗算する。
加算器435は、乗算器432、434の出力を加算することにより、三次の項と五次の項の加算をする。加算器436は、加算器435の出力に一次の項の係数である1を加算する。
乗算器437は、加算器436の出力をFB信号に乗算する。乗算器437の出力は、五次級数を用いた演算によって非線形歪み補償されたFB信号である。
級数に含まれる係数は、誤差算出部125によって算出される誤差が小さくなるように、係数設定部450によって更新される。すなわち、一次の項の係数を1にするという制限の下で、誤差を小さくするように係数b3、b5が更新される。
具体的には、例えばLMSアルゴリズムが用いられる場合、以下の式(10)、(11)によって、係数b3、b5が更新される。
b3(n+1)=b3(n)+μe(n)|yn|2* n ・・・(10)
b5(n+1)=b5(n)+μe(n)|yn|4* n ・・・(11)
式(10)、(11)において、b3(n)、b5(n)は更新前の係数であり、b3(n+1)、b5(n+1)は更新後の係数である。また、μは所定の係数であり、e(n)は誤差算出部125によって算出される誤差を示し、y* nはFB信号ynの複素共役を示す。このように、タイミングnで用いられた係数b3(n)、b5(n)と、対応する誤差e(n)及びFB信号ynとから、新たな係数b3(n+1)、b5(n+1)が算出される。これに対して、級数の一次の項の係数は1に固定される。これらの係数は、それぞれ乗算器432、434及び加算器436に設定される。
以上のような係数の更新処理によって、非線形逆特性同定部430は、電力増幅器160の非線形逆特性を同定する。また、級数係数は、定期的に非線形歪み補償部410へ複製される。
ここで、一次の項の係数を1にするという制限を課すことにより、非線形逆特性同定部430の非線形特性は、例えば図12に示すようなゲイン特性及び位相特性を示す。図12の上図は、非線形逆特性同定部430のゲイン特性の例を示す図であり、同図に示すように、どのような非線形逆特性同定部430であっても入力振幅が小さい範囲では利得が1に固定される。同様に、図12の下図は、非線形逆特性同定部430の位相特性の例を示す図であり、同図に示すように、どのような非線形逆特性同定部430であっても入力振幅が小さい範囲では位相が0に固定される。
このように、級数の一次の項の係数を1にするという制限を課すことにより、非線形逆特性同定部430の非線形特性が固定点を通るようになり、級数係数と周波数逆特性同定部440のタップ係数とを一意に決定することが可能となる。結果として、線形歪み及び非線形歪みに関する係数を別々に求める場合でも、安定した歪み補償を実行することができる。なお、非線形逆特性同定部430の級数係数に制限を課すことにより、例えば利得調整の自由度が低下するが、非線形逆特性同定部430で調整しきれない利得の増減は、周波数逆特性同定部440におけるタップ係数の更新に反映される。
図11に戻って、周波数逆特性同定部440は、複数の遅延器441、乗算器442〜444及び加算器445を有する。なお、本実施の形態においては、イコライザ部420も周波数逆特性同定部440と同様の構成である。
遅延器441は、それぞれ信号のサンプルを保持した後、保持したサンプルを後段の遅延器441又は乗算器442へ出力する。したがって、FB信号の最新のサンプルが図11に示す周波数逆特性同定部440へ入力される際には、1サンプルタイミング過去のサンプルと、2サンプルタイミング過去のサンプルとがそれぞれ遅延器441から出力される。
乗算器442は、2サンプルタイミング過去のサンプルに対してタップ係数a1を乗算する。
乗算器443は、1サンプルタイミング過去のサンプルに対してタップ係数a2を乗算する。
乗算器444は、FB信号の最新のサンプルに対してタップ係数a3を乗算する。
乗算器442〜444がサンプルに対して乗算するタップ係数は、誤差算出部125によって算出される誤差が小さくなるように、係数設定部450によって更新される。
具体的には、例えばLMSアルゴリズムが用いられる場合、以下の式(12)〜(14)によって、タップ係数a1、a2、a3が更新される。
a1(n+1)=a1(n)+μe(n)y* n-1 ・・・(12)
a2(n+1)=a2(n)+μe(n)y* n ・・・(13)
a3(n+1)=a3(n)+μe(n)y* n+1 ・・・(14)
式(12)〜(14)において、a1(n)、a2(n)、a3(n)は更新前のタップ係数であり、a1(n+1)、a2(n+1)、a3(n+1)は更新後のタップ係数である。また、μは所定の係数であり、e(n)は誤差算出部125によって算出される誤差を示し、y* nはFB信号ynの複素共役を示す。このように、タイミングnで用いられたタップ係数a1(n)、a2(n)、a3(n)と、対応する誤差e(n)及び前後のタイミングのサンプルを含むFB信号yn-1、yn、yn+1とから、新たなタップ係数a1(n+1)、a2(n+1)、a3(n+1)が算出される。これらのタップ係数は、それぞれ乗算器442〜444に設定される。
以上のようなタップ係数の更新処理によって、周波数逆特性同定部440は、電力増幅器160の周波数逆特性を同定する。また、タップ係数は、定期的にイコライザ部420へ複製される。
加算器445は、乗算器442〜444の乗算結果を合計することによりFB信号の線形歪み補償を実行し、PD信号に対応するレプリカ信号を生成する。非線形歪み補償部410及び非線形逆特性同定部430の級数係数と、イコライザ部420及び周波数逆特性同定部440のタップ係数とが理想的な状態であれば、加算器445によって生成されるレプリカ信号と、イコライザ部420から出力されるPD信号とは等しくなる。
次に、増幅器逆特性同定処理について、図13に示すフロー図を参照しながら説明する。図13において、図6と同じ部分には同じ符号を付す。図13に示す増幅器逆特性同定処理は、電力増幅器160の非線形逆特性及び周波数逆特性を別々に同定する処理である。
FB信号が非線形逆特性同定部430へ入力されると、一次の項の係数が1に固定された級数を用いた演算が実行されることにより、FB信号の非線形歪み補償が実行される(ステップS401)。非線形歪み補償されたFB信号のサンプルは、周波数逆特性同定部440へ順次入力される。そして、FB信号のサンプルが複数の遅延器441を移動しながら、各サンプルタイミングのサンプルにタップ係数が乗算される。すなわち、乗算器442〜444によって、それぞれ対応するサンプルにタップ係数が乗算され、乗算結果が加算器445によって加算される。これにより、FB信号の線形歪み補償が実行され(ステップS402)、PD信号に対応するレプリカ信号が生成される。
生成されたレプリカ信号は、誤差算出部125へ出力され、誤差算出部125によって、PD信号とレプリカ信号の誤差が算出される(ステップS204)。この誤差は、係数設定部450へ出力され、係数設定部450によって、非線形逆特性同定部430における非線形歪み補償に用いられる級数の係数が算出される(ステップS403)。すなわち、誤差を0に近づける級数係数が例えばLMSアルゴリズムによって算出され、乗算器432、434に設定される。このとき、級数の一次の項の係数は1に固定されているため、係数設定部450は、級数の三次以上の項の係数を算出して非線形逆特性同定部430の乗算器に設定する。このように非線形逆特性同定部430が演算に用いる級数係数の更新が繰り返されることにより、電力増幅器160の非線形逆特性が同定される。
また、係数設定部450によって、周波数逆特性同定部440における線形歪み補償に用いられたタップ係数が算出される(ステップS404)。すなわち、誤差を0に近づけるタップ係数が例えばLMSアルゴリズムによって算出される。このように周波数逆特性同定部440のタップ係数の更新が繰り返されることにより、電力増幅器160の周波数逆特性が同定される。
以上のように、本実施の形態によれば、級数係数の更新によって電力増幅器の非線形逆特性を同定し、タップ係数の更新によって電力増幅器の周波数逆特性を同定する際に、級数の一次の項の係数を1にするという制限を課し、更新された級数係数及びタップ係数を定期的に非線形歪み補償部及びイコライザ部へ複製するインダイレクトラーニングを実行する。このため、非線形歪み補償に用いられる級数の係数及びイコライジングに用いられるタップ係数を一意に決定することができ、線形歪み及び非線形歪みに関する係数を別々に求める場合でも、安定した歪み補償を実行することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4の特徴は、電力増幅器を線形歪み、非線形歪み及び線形歪みを順に発生させるハマースタインモデルによってモデル化する場合に、それぞれの歪み補償のための係数を一意に決定する点である。
実施の形態4に係る無線通信システムは、実施の形態1(図1)と同様であるため、その説明を省略する。また、実施の形態4に係る無線通信装置100は、プロセッサ120の内部構成を除いて、実施の形態1に係る無線通信装置100(図2)と同様の構成を有する。
図14は、実施の形態4に係るプロセッサ120の内部構成を示すブロック図である。図14において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図14に示すプロセッサ120は、図2に示すプロセッサ120にイコライザ部510及び周波数逆特性同定部520を追加し、係数設定部126に代えて係数設定部530を有する構成を採る。
イコライザ部510は、電力増幅器160において発生する線形歪みを補償する。具体的には、イコライザ部510は、時間的に連続する複数の信号サンプルにそれぞれタップ係数を乗算して合計するFIRフィルタを備え、BB信号のイコライジングをする。イコライザ部510のタップ係数は、後述するように周波数逆特性同定部520において更新処理されるタップ係数に定期的に置き換えられる。
なお、イコライザ部510が補償する線形歪みは、電力増幅器160の非線形歪みの後段で発生する線形歪みであり、イコライザ部122が補償する線形歪みは、電力増幅器160の非線形歪みの前段で発生する線形歪みである。
周波数逆特性同定部520は、電力増幅器160の周波数逆特性を同定する。具体的には、周波数逆特性同定部520は、イコライザ部510と同様にFIRフィルタを備え、誤差算出部125によって算出される誤差が最小になるようにFIRフィルタのタップ係数を更新する。また、周波数逆特性同定部520は、FB信号をイコライジングすることにより、FB信号の線形歪み補償を実行する。つまり、周波数逆特性同定部520は、FB信号に対してイコライザ部510と同様の線形歪み補償を実行しながら、タップ係数の更新処理を実行する。そして、周波数逆特性同定部520は、自身が備えるFIRフィルタのタップ係数を定期的にイコライザ部510へ複製する。
なお、周波数逆特性同定部520が同定する周波数逆特性は、電力増幅器160の非線形歪みの後段で発生する線形歪みに対応する周波数逆特性であり、周波数逆特性同定部124が同定する周波数逆特性は、電力増幅器160の非線形歪みの前段で発生する線形歪みに対応する周波数逆特性である。
周波数逆特性同定部520が備えるFIRフィルタのタップ係数は、係数設定部530によって設定されるが、各タップ係数が制限なく設定されるのではなく、一定の制限の下で設定される。すなわち、複数のタップ係数の合計を1とし、かつ中央のタップ係数を1とするという制限の下で、タップ係数の更新処理が実行される。
係数設定部530は、非線形逆特性同定部123のLUTに記憶される歪み補償係数と、周波数逆特性同定部520及び周波数逆特性同定部124のFIRフィルタのタップ係数とを設定する。このとき、係数設定部530は、誤差算出部125によって算出される誤差が0に近くなるように、例えばLMSアルゴリズムを用いて歪み補償係数及びタップ係数を更新する。タップ係数を更新する際は、係数設定部530は、周波数逆特性同定部520のタップ係数の合計を1とし、かつ中央のタップ係数を1とするという制限と、周波数逆特性同定部124のタップ係数の合計を1とするという制限との下で、それぞれのFIRフィルタにおけるタップ係数を算出する。
次に、実施の形態4に係る増幅器逆特性同定部の具体例について図15を参照しながら説明する。実施の形態4に係る増幅器逆特性同定部は、周波数逆特性同定部520、非線形逆特性同定部123及び周波数逆特性同定部124を有して構成される。
図15に示すように、周波数逆特性同定部520は、複数の遅延器521、乗算器522〜524及び加算器525を有する。なお、本実施の形態においては、イコライザ部510も周波数逆特性同定部520と同様の構成である。
遅延器521は、それぞれ信号のサンプルを保持した後、保持したサンプルを後段の遅延器521又は乗算器522へ出力する。したがって、FB信号の最新のサンプルが図15に示す周波数逆特性同定部520へ入力される際には、1サンプルタイミング過去のサンプルと、2サンプルタイミング過去のサンプルとがそれぞれ遅延器521から出力される。
乗算器522は、2サンプルタイミング過去のサンプルに対してタップ係数c1を乗算する。
乗算器523は、1サンプルタイミング過去のサンプルに対してタップ係数を乗算する乗算器であり、このタップ係数が中央のタップ係数であることから、固定のタップ係数1を乗算する。すなわち、図15に示す例では、周波数逆特性同定部520が3タップのFIRフィルタを備えているため、中央のタップ係数に対応する乗算器523が、固定されたタップ係数1をFB信号に乗算する。
乗算器524は、最新のサンプルに対してタップ係数-c1を乗算する。すなわち、乗算器524は、3つのタップ係数の合計が1になるように調整されたタップ係数をFB信号の最新のサンプルに乗算する。周波数逆特性同定部520が3タップのFIRフィルタを備えている場合、本実施の形態では中央のタップ係数が1に固定されているため、乗算器522が乗算するタップ係数がc1であれば、乗算器524が乗算するタップ係数を-c1とすることにより、3つのタップ係数の合計が1となる。
乗算器522〜524がサンプルに対して乗算するタップ係数は、誤差算出部125によって算出される誤差が小さくなるように、係数設定部530によって更新される。すなわち、3つのタップ係数の合計を1とし、かつ中央のタップ係数を1とする制限の下で、誤差を小さくするようにタップ係数c1及びタップ係数-c1が更新される。
具体的には、例えばLMSアルゴリズムが用いられる場合、以下の式(15)によって、タップ係数c1が更新される。
c1(n+1)=c1(n)+μe(n)(y* n-1−y* n+1) ・・・(15)
式(15)において、c1(n)は更新前のタップ係数であり、c1(n+1)は更新後のタップ係数である。また、μは所定の係数であり、e(n)は誤差算出部125によって算出される誤差を示し、y* nはFB信号ynの複素共役を示す。このように、タイミングnで用いられたタップ係数c1(n)と、対応する誤差e(n)及び前後のタイミングのサンプルを含むFB信号yn-1、yn+1とから、新たなタップ係数c1(n+1)が算出される。そして、タップ係数c1(n+1)の符号が反転されることにより、乗算器524に設定されるタップ係数が算出される。これらのタップ係数及び中央のタップ係数1は、それぞれ乗算器522〜524に設定される。
以上のようなタップ係数の更新処理によって、周波数逆特性同定部520は、電力増幅器160において非線形歪みの後段に発生する線形歪みに対応する周波数逆特性を同定する。また、タップ係数は、定期的にイコライザ部510へ複製される。
ここで、中央のタップ係数を1とするという制限を課すことにより、周波数逆特性同定部520のインパルス応答は、例えば図16に示すようなものとなる。すなわち、図16に示すように、どのような周波数逆特性同定部520であっても時刻0における振幅が1に固定され、遅延時間差に追従しない。
このように、中央のタップ係数を1とするという制限を課すことにより、周波数逆特性同定部520が遅延時間差に追従しなくなり、周波数逆特性同定部520、124のタップ係数と非線形逆特性同定部123の歪み補償係数とを一意に決定することが可能となる。結果として、線形歪み及び非線形歪みに関する係数を別々に求める場合でも、安定した歪み補償を実行することができる。なお、周波数逆特性同定部520のタップ係数に制限を課すことにより、遅延時間差に追従しなくなるが、遅延時間差は、周波数逆特性同定部124におけるタップ係数に反映される。
図15に戻って、加算器525は、乗算器522〜524の乗算結果を合計することによりFB信号の線形歪み補償を実行する。線形歪み補償されたFB信号は、非線形逆特性同定部123へ出力される。
以上のように、本実施の形態によれば、電力増幅器の非線形歪みの後段で発生する線形歪みに対応する周波数逆特性を同定する際に、中央のタップ係数を1にするという制限を課す。このため、線形歪み、非線形歪み及び線形歪みを順に発生させるウィナー・ハマースタインモデルによって電力増幅器をモデル化する場合にも、歪み補償係数及びイコライジングに用いられるタップ係数を一意に決定することができ、安定した歪み補償を実行することができる。
なお、上記実施の形態4においては、周波数逆特性同定部520によって電力増幅器の非線形歪みの後段で発生する線形歪みに対応する周波数逆特性を同定するものとしたが、送信信号が複数の周波数の信号を含むマルチキャリア信号である場合には、増幅器逆特性同定部を簡易な構成にすることができる。
図17は、送信信号がマルチキャリア信号である場合の増幅器逆特性同定部の具体例を示すブロック図である。図17において、図2及び図15と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図17に示す増幅器逆特性同定部においては、図15に示す増幅器逆特性同定部の周波数逆特性同定部520がフィルタ部610及びレベル・位相調整部620に置き換えられている。また、非線形歪み補償部121の前段には、乗算器601及び合成部602が設けられる。ここでは、マルチキャリア信号が異なる2つの周波数の信号を含むものとして説明する。
送信信号がマルチキャリア信号である場合、それぞれの周波数に対応するBB信号がプロセッサ120へ入力されると、乗算器601が一方のBB信号のレベル及び位相を調整し、合成部602が2つのBB信号を合成する。後述するように、乗算器601がレベル及び位相の調整に用いる係数は、レベル・位相調整部620から取得される。
フィルタ部610は、マルチキャリア信号に含まれる信号の周波数帯域に対応するバンドパスフィルタを備え、FB信号を各周波数帯域の信号に分離する。
レベル・位相調整部620は、各周波数帯域の信号のレベル差及び位相差を調整した後、これらの信号を合成して合成信号を非線形逆特性同定部123へ出力する。また、レベル・位相調整部620は、レベル差及び位相差を調整するための係数を定期的に乗算器601へ出力する。具体的には、レベル・位相調整部620は、乗算器621及び合成部622を有する。
乗算器621は、フィルタ部610によってFB信号が分離されて得られる一方の信号に係数dを乗算し、他方の信号とのレベル差及び位相差を調整する。乗算器621が乗算する係数dは、係数設定部630によって設定される。
合成部622は、一方の信号のレベル及び位相が乗算器621によって調整された後、この信号と他方の信号とを合成する。
係数設定部630は、非線形逆特性同定部123の歪み補償係数及び周波数逆特性同定部124のタップ係数に加えて、レベル・位相調整部620の係数dを設定する。このとき、係数設定部630は、誤差算出部330によって算出される誤差が0に近くなるように、係数dを増減させる。
このように、送信信号がマルチキャリア信号である場合には、それぞれの周波数帯域の信号のレベル差及び位相差を調整することにより、電力増幅器160の非線形歪みの後段で発生する線形歪みに対応する周波数逆特性を同定することが可能である。すなわち、乗算器621において信号に乗算される係数dを更新することにより、実施の形態4の周波数逆特性同定部520と同様に周波数逆特性を同定することができる。そして、係数dは、BB信号のレベル差及び位相差を調整する乗算器601へ定期的に出力され、乗算器601が係数dを一方のBB信号に乗算することにより、BB信号のイコライジングが実行される。
なお、図17においては、乗算器601及び乗算器621によってそれぞれBB信号及びFB信号のレベル差及び位相差を調整するものとしたが、乗算器601及び乗算器621の代わりに、実施の形態4のイコライザ部510及び周波数逆特性同定部520が設けられても良い。この場合には、マルチキャリア信号の一方の周波数に対応する信号のみがイコライザ部510及び周波数逆特性同定部520へ入力されて処理された後、他方の信号と合成される。このようにする場合でも、マルチキャリア信号の線形歪み及び非線形歪みを安定して補償することができる。
上記各実施の形態においては、係数の設定に際して、タップ係数の合計、級数の一次の項の係数又は中央のタップ係数を1にする制限を課するものとした。しかしながら、必ずしも1にしなくても良い。すなわち、タップ係数の合計、級数の一次の項の係数又は中央のタップ係数を定数にする制限を課すれば、一意に係数を決定することができ、安定した歪み補償を実行することができる。
また、上記各実施の形態は適宜組み合わせて実施することができる。すなわち、実施の形態3、4を実施の形態2のようなダイレクトラーニングにおいて実施することも可能である。また、実施の形態3、4を組み合わせて、級数によって非線形歪み補償をする際に、非線形歪みの前段及び後段で発生する線形歪みを補償しても良い。
110 有線I/F部
120 プロセッサ
121、310、410 非線形歪み補償部
122、320、420、510 イコライザ部
123、430 非線形逆特性同定部
124、440、520 周波数逆特性同定部
125、330 誤差算出部
126、340、450、530、630 係数設定部
130 DAコンバータ
140 局部発振器
150 アップコンバータ
160 電力増幅器
170 ダウンコンバータ
180 ADコンバータ
201、311 電力算出部
202、312 LUT
610 フィルタ部
620 レベル・位相調整部

Claims (8)

  1. 送信信号を増幅する電力増幅器と、
    複数の係数を含む級数又は歪み補償係数を記憶するルックアップテーブルを用いて、前記電力増幅器において送信信号に発生する非線形歪みの逆特性を同定する第1の同定部と、
    複数の係数を用いて、前記電力増幅器において送信信号に発生する線形歪みの逆特性を同定する第2の同定部と、
    前記第1の同定部において用いられる級数の一次の項の係数、又は前記第2の同定部において用いられる複数の係数の和が定数になるように、前記第1の同定部及び前記第2の同定部に係数を設定する係数設定部と
    を有することを特徴とする歪み補償装置。
  2. 送信信号と前記電力増幅器からフィードバックされるフィードバック信号との誤差を算出する算出部をさらに有し、
    前記係数設定部は、
    前記算出部によって算出される誤差が小さくなるように、前記第1の同定部及び前記第2の同定部に設定される係数を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の歪み補償装置。
  3. 送信信号に対して、前記第1の同定部によって同定された非線形歪みの逆特性を用いて非線形歪みの補償を実行する第1の歪み補償部と、
    送信信号に対して、前記第2の同定部によって同定された線形歪みの逆特性を用いて線形歪みの補償を実行する第2の歪み補償部とをさらに有し、
    前記算出部は、
    前記第1の歪み補償部及び前記第2の歪み補償部によって非線形歪み及び線形歪みが補償された送信信号と、前記第1の同定部及び前記第2の同定部によって非線形歪みの逆特性及び線形歪みの逆特性の同定に用いられたフィードバック信号との誤差を算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の歪み補償装置。
  4. 前記第1の同定部は、
    非線形歪みの逆特性の同定に用いた級数又はルックアップテーブルを定期的に前記第1の歪み補償部へ複製し、
    前記第2の同定部は、
    線形歪みの逆特性の同定に用いた複数の係数を定期的に前記第2の歪み補償部へ複製する
    ことを特徴とする請求項3記載の歪み補償装置。
  5. 前記第1の同定部は、
    送信信号に対して、同定した非線形歪みの逆特性を用いて非線形歪みの補償を実行し、
    前記第2の同定部は、
    送信信号に対して、同定した線形歪みの逆特性を用いて線形歪みの補償を実行し、
    前記算出部は、
    前記第1の同定部及び前記第2の同定部によって非線形歪み及び線形歪みが補償される前の送信信号と、前記電力増幅器からフィードバックされるフィードバック信号との誤差を算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の歪み補償装置。
  6. 前記第2の同定部は、
    複数の係数を用いて、前記電力増幅器において非線形歪みの前段で送信信号に発生する線形歪みの逆特性を同定する前段同定部と、
    複数の係数を用いて、前記電力増幅器において非線形歪みの後段で送信信号に発生する線形歪みの逆特性を同定する後段同定部とを有し、
    前記係数設定部は、
    前記後段同定部において用いられる複数の係数のうち、1つの係数を定数に固定する
    ことを特徴とする請求項1記載の歪み補償装置。
  7. 送信信号に含まれる周波数が異なる複数の信号の少なくともレベル差を調整し、前記電力増幅器において非線形歪みの後段で送信信号に発生する線形歪みを補償する調整部
    をさらに有することを特徴とする請求項1記載の歪み補償装置。
  8. 送信信号を増幅する電力増幅器において発生する歪みを補償する歪み補償方法であって、
    複数の係数を含む級数又は歪み補償係数を記憶するルックアップテーブルを用いて、前記電力増幅器において送信信号に発生する非線形歪みの逆特性を同定し、
    複数の係数を用いて、前記電力増幅器において送信信号に発生する線形歪みの逆特性を同定し、
    非線形歪みの逆特性の同定に用いられる級数の一次の項の係数、又は線形歪みの逆特性の同定に用いられる複数の係数の和が定数になるように、非線形歪み及び線形歪みの逆特性の同定に用いられる係数を設定する
    処理を有することを特徴とする歪み補償方法。
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