JP2019100967A - タイヤの磨耗エネルギーを算出するシステム、方法及びプログラム - Google Patents

タイヤの磨耗エネルギーを算出するシステム、方法及びプログラム Download PDF

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【課題】節点位置に依存せず、任意領域の磨耗エネルギーを得ることができる、タイヤの磨耗エネルギーを算出するシステムを提供する。【解決手段】システムは、溝で区画された陸部を有するタイヤを複数の要素で表現したタイヤFEMモデルを用いて、陸部のうち踏面となる要素Eを定義する節点ND毎に磨耗エネルギーの値φiを算出する磨耗エネルギー解析実行部11と、踏面に対して予め設定されたターゲット領域に対応する要素Eを細かい複数のセルCに分割するセル設定部12と、各々のセルCの磨耗エネルギーの値Uを、対応する複数の節点ND1〜4の磨耗エネルギーの値φiからアイソパラメトリック要素の形状関数で補間して算出する補間部13と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、走行によるタイヤの磨耗エネルギーを算出するシステム、方法及びプログラムに関する。
空気入りタイヤの開発において、実際にタイヤを製造し車両に装着して走行試験を実施しなくても、タイヤの性能を有限要素法(FEM;Finite Element Method)などの数値解析手法を用いて予測することが可能である。かかる数値解析は、例えばタイヤの磨耗寿命予測や、ヒールアンドトウ磨耗などの偏摩耗の磨耗進展予測などにも利用されており、種々の磨耗シミュレーション方法が開発されている。
タイヤの磨耗シミュレーション方法として、タイヤモデルを転動して磨耗エネルギーを算出することが知られている(特許文献1参照)。磨耗シミュレーションは、溝で区画された陸部を有するタイヤを複数の要素で表現したタイヤFEMモデルを用いる。磨耗エネルギーは、陸部のうち踏面となる要素を定義する節点毎に算出される。
図11は、踏面となる要素及び節点を示す平面図である。しかしながら、従来の磨耗エネルギー算出方法では、同図に示すように、要素を区画する線の交点である節点(図中にて一部の節点を丸で示す)が存在する位置でしか、磨耗エネルギーを算出することができない。磨耗エネルギーにより局所磨耗を予測又は評価するためには、陸部のエッジだけではなく、エッジから陸部内側まで評価範囲を広げる必要がある。しかし、評価範囲はFEMモデルの節点のみに限定されてしまう。
特開2015−123941号公報
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、節点位置に依存せず、任意領域の磨耗エネルギーを得ることができる、タイヤの磨耗エネルギーを算出するシステム、方法及びプログラムを提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
すなわち、本発明のタイヤの磨耗エネルギーを算出するシステムは、
溝で区画された陸部を有するタイヤを複数の要素で表現したタイヤFEMモデルを用いて、前記陸部のうち踏面となる要素を定義する節点毎に磨耗エネルギーの値を算出する磨耗エネルギー解析実行部と、
前記踏面に対して予め設定されたターゲット領域に対応する要素を細かい複数のセルに分割するセル設定部と、
各々のセルの磨耗エネルギーの値を、対応する複数の節点の磨耗エネルギーの値からアイソパラメトリック要素の形状関数で補間して算出する補間部と、
を備える。
このように、要素よりも細かいセル毎に磨耗エネルギーが算出されるので、任意領域の磨耗エネルギーを得ることができる。
アイソパラメトリック要素の形状関数で補間しているので、線形一次補間に比べて精度を向上させることが可能となる。
したがって、節点位置に依存せず、任意領域の磨耗エネルギーを得ることが可能となる。
本発明のタイヤの磨耗エネルギー算出システムを示すブロック図。 システムで実行される磨耗エネルギー算出処理ルーチンを示すフローチャート。 セル毎の磨耗エネルギーの算出処理サブルーチンを示すフローチャート。 陸部エッジからの距離データ算出処理サブルーチンを示すフローチャート。 ターゲット領域での磨耗エネルギー抽出処理サブルーチンを示すフローチャート。 踏面に対してユーザが指定した領域とターゲット領域に関する図。 踏面に対してユーザが指定した領域とターゲット領域に関する図。 要素を構成する節点の磨耗エネルギーに基づき補間算出された、セルの磨耗エネルギーに関する図。 四角形要素のアイソパラメトリック要素及びその形状関数に関する図。 四角形要素を2つの三角形要素に分解し、線形一次で補間した場合の課題に関する説明図。 三角形分解による線形一次補間による踏面の磨耗エネルギーと、アイソパラメトリック要素の形状関数による補間による踏面の磨耗エネルギーと、を対比して示す図。 エッジ抽出及びエッジからの距離データの生成に関する説明図。 タイヤのトレッドパターンにおける距離データを示す図。 ターゲット領域のエッジ抽出及び特定領域の決定に関する説明図。 従来の磨耗エネルギー算出に関する説明図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
[タイヤの磨耗エネルギー算出システム]
本実施形態のシステム1は、タイヤの磨耗エネルギーを算出する。図1に示すように、システム1は、初期設定部10と、磨耗エネルギー解析実行部11と、セル設定部12と、補間部13と、距離データ算出部14と、特定領域磨耗エネルギー抽出部15と、を有する。これら各部10〜15は、CPU、メモリ、各種インターフェイス等を備えたパソコン等の情報処理装置において予め記憶されている図2Aに示す磨耗エネルギー算出処理ルーチンをCPUが実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。
図1に示す初期設定部10は、キーボードやマウス等の既知の操作部を介してユーザからの操作を受け付け、タイヤの磨耗エネルギーを算出するために必要なタイヤFEMモデル、転動条件を含む解析条件、所望のターゲット領域に関する情報の設定を実行し、これらをメモリに記憶する。初期設定としては、上記ターゲット領域の他に、セル設定パラメータ(セル大きさ又は密度)、後述するサイプフラグが設定される。必要に応じて更に特定領域の定義データ(所定距離、所定幅)が設定される。タイヤFEMモデルは、溝で区画された陸部をトレッドに有するタイヤを複数の要素で表現したデータである。溝としては、タイヤ周方向に直線状又はジグザグ状に延びる主溝、タイヤ幅方向に延びる横溝が挙げられる。陸部には、サイプと呼ばれる細溝が形成されている場合もある。転動条件としては、荷重、前後力、横力などが挙げられる。
ターゲット領域は、磨耗エネルギーの分布を詳細に知りたい領域がユーザに指示に基づき設定される。
セル設定パラメータは、ターゲット領域に含まれる要素を更に細かい複数のセルに分割するために用いられるパラメータであり、例えば粗密(セルの大きさに関するデータ)が例示される。詳細は後述する。
サイプフラグは、陸部のエッジにサイプを含むかどうかを示す設定である。詳細は後述する。
特定領域の定義データは、図3Bに例示するように、ターゲット領域Ar1に含まれる特定領域Ar2を定義するためのデータである。特定領域Ar2は、ユーザの設定により定まり、陸部のエッジに沿った領域であって、陸部のエッジから所定距離(例えば1
〜4mm)離れ且つ所定幅(例えば2〜4mm)の領域(図中では黒塗りで示す)である。特定領域Ar2は、エッジに沿った局所磨耗を評価するために用いられる。なお、図に示す本実施例では、所定距離4mm、所定幅2mmとしている。
図1に示す磨耗エネルギー解析実行部11は、転動解析を実行し、解析結果に基づき、陸部のうち踏面となる要素を定義する節点毎に磨耗エネルギーを算出する。踏面は、図3A及び図3Bにおいて四角形や三角形で表される複数の要素で表現される。図4に示すように、一つの要素Eは、その頂点に節点ND1〜4があり、節点ND1〜4毎に磨耗エネルギーφ1〜4が算出される。図4では、理解を容易にするために、節点NDの磨耗エネルギーφは3であり、節点NDの磨耗エネルギーφは4であり、節点NDの磨耗エネルギーφは1であり、節点NDの磨耗エネルギーφは2としている。転動解析は、設定された解析条件のもとでタイヤFEMモデルを路面に接触させて回転させ、タイヤ形状の変形及び発現する力を算出する。磨耗エネルギーは、滑り変位及びせん断応力により算出される。節点毎に磨耗エネルギーを算出する技術は、公知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。具体的な手順としては、図2Aに示すように、磨耗エネルギー解析実行部11は、タイヤモデルを生成し(ステップST1)、シミュレーション条件を設定し(ステップST2)、磨耗エネルギー解析を実行し(ステップST3)、磨耗エネルギー解析の結果に基づき節点毎に磨耗エネルギーを算出する(ステップST4)。図2Aに示す例では、タイヤモデルを生成しているが、既に生成されたタイヤモデルのデータを取得するようにしてもよい。
図1に示すセル設定部12は、踏面に対して予め設定されたターゲット領域に対応する要素Eを細かい複数のセルCに分割する。1つの要素Eがマトリックス状に配置された複数のセルCに分割される。ターゲット領域の設定方法としては、全ての踏面をターゲット領域としてもよいし、図3Aに示すようにユーザが指定した領域Ar1をそのままターゲット領域としてもよい。要素Eを複数のセルCに分割するにあたり、予め設定されたセル設定パラメータ(セルの大きさ、又は密度)が用いられる。
図1に示す補間部13は、図4に示すように、各々のセルCの磨耗エネルギーの値Uを算出する。磨耗エネルギーの値Uは、対応する複数の節点ND1〜4の磨耗エネルギーφ1〜4の値からアイソパラメトリック要素の形状関数で補間して算出する。具体的には、ターゲット領域における踏面を構成する要素のうち、4つの節点ND1〜4を有する四角形要素が複数のセルCに分割され、各々のセルCの磨耗エネルギーの値Uを、4つの節点ND1〜4の磨耗エネルギーφ1〜4の値からアイソパラメトリック要素の形状関数で補間して算出する。アイソパラメトリック要素は、座標値の補間と特性値の補間に同一の形状関数を用いる要素である。
四角形要素のアイソパラメトリック要素及びその形状関数について説明する。図5に示すように、xy座標系(全体座標系)において4つの節点ND(i=1〜4)で定義される四角形要素に、任意の点C(x、y)がある。局所座標系において、4つの節点ND1〜4は正方形の頂点に写像され、任意の点(x、y)は、局所座標系において(ξ、η)と表現できる。−1≦ξ≦1であり、−1≦η≦1である。
節点NDの全体座標系における座標は(x、y)で表され、局所座標系における座標は(ξ、η)=(−1、−1)と表される。
節点NDの全体座標系における座標は(x、y)で表され、局所座標系における座標は(ξ、η)=(1、−1)と表される。
節点NDの全体座標系における座標は(x、y)で表され、局所座標系における座標は(ξ、η)=(1、1)と表される。
節点NDの全体座標系における座標は(x、y)で表され、局所座標系における座標は(ξ、η)=(−1、1)と表される。
節点NDの特性値(ここでは磨耗エネルギーの値)はφで表される。
節点NDの形状関数Nは次の通りである。
=(1/4)×(1−ξ)×(1−η)
=(1/4)×(1+ξ)×(1−η)
=(1/4)×(1+ξ)×(1+η)
=(1/4)×(1−ξ)×(1+η)
要素内の任意の点における特性値Uは、式(1)で表される。
具体的には、補間部13は、次の式(2)及び(3)に対して、セルの座標(x、y)と、4つの節点ND(i=1〜4)の座標(x、y)を代入して、x、y毎にξ及びηを算出する。本実施形態では、ξ及びηの算出に、The MathWorks Inc.の数値解析ソフトウェアMATLABの組み込み関数であるfminsearch(最小値探索の非線形計画法ソルバ)を用いて算出しているが、これに限定されず、種々の方法で算出可能である。
次に、補間部13は、x、y毎に得られたξ及びηと、4つの節点NDの磨耗エネルギーの値φとを次の式(4)に代入して、セルCにおける磨耗エネルギーUを算出する。
補間部13は、ターゲット領域に対応する全てのセルCの磨耗エネルギーUが算出するまで、各々のセルCの磨耗エネルギーUの算出を繰り返し実行する。
図4は、アイソパラメトリック要素の形状関数を用いて補間により算出した、各セルCの磨耗エネルギーの値Uを示す図である。例として、節点NDの磨耗エネルギーφを3、節点NDの磨耗エネルギーφを4、節点NDの磨耗エネルギーφを1、節点NDの磨耗エネルギーφを2としている。
これに対して、図6は、1つの四角形要素を2つの三角形要素に分解して、線形一次補間により各セルの磨耗エネルギーの値を示す図である。節点ND1〜4における磨耗エネルギーφ1〜4は、図4と同じである。図6では、左側と右側で三角形要素への分解の仕方を変えた例である。同図に示すように、2つの三角形要素への分解の仕方によって、各セルCの磨耗エネルギーの値Uに差異が生じてしまう。この差異は要素の中央へ向かうほど大きくなっており、線形一次補間を用いて各セルの磨耗エネルギーの値を算出するのは、アイソパラメトリック要素の形状関数を用いた補間に比べて、誤差が含まれてしまうことが分かる。
同様に、図7(a)は、タイヤ幅方向の中央部の或る陸部について、各セルの磨耗エネルギーを示す図である。図7(b)は、別の陸部の例である。四角形要素を2つの三角形要素に分割して線形1次補間した例と、アイソパラメトリック要素の形状関数により補間した例とを示す。両者の差分が大きいことが分かる。
なお、図3A、図3B及び図7(b)に示すように、踏面を構成する要素には四角形要素以外にも三角形要素が含まれる。三角形要素については、補間部13は、図4に示す線形一次により補間し、各セルの磨耗エネルギーの値を算出する。
補間部13によりセル毎の磨耗エネルギーが算出できれば、節点位置に依存せず、任意領域の磨耗エネルギーを得ることが可能となる。次に述べるエッジに沿った特定領域Ar2における磨耗エネルギーの抽出処理は、必須ではなく任意に実装可能である。実装すれば、エッジに沿った局所磨耗の評価に有用である。この抽出処理は、距離データ算出部14及び特定領域磨耗エネルギー抽出部15により実行される。
図1に示す距離データ算出部14は、図3Bに示すエッジに沿った特定領域Ar2を決定するためのデータを算出する。詳細は後述する。
図1に示す特定領域磨耗エネルギー抽出部15は、図3Bに示すエッジに沿った特定領域Ar2における磨耗エネルギーを抽出する。詳細は後述する。
[タイヤの磨耗エネルギー算出方法]
上記システム1を用いて、タイヤの磨耗エネルギーを算出する方法について図2A、図2B、図2C及び図2Dを用いて説明する。
まず、ステップST1〜ST4において、図1に示す磨耗エネルギー解析実行部11は、溝で区画された陸部を有するタイヤを複数の要素で表現したタイヤFEMモデルを用いて、陸部のうち踏面となる要素Eを定義する節点ND毎に磨耗エネルギーの値φを算出する。具体的には、磨耗エネルギー解析実行部11は、タイヤモデルを生成し(ステップST1)、シミュレーション条件を設定し(ステップST2)、磨耗エネルギー解析を実行し(ステップST3)、磨耗エネルギー解析の結果に基づき節点毎に磨耗エネルギーを算出する(ステップST4)。
<セル毎の磨耗エネルギーの算出処理サブルーチン>
次のステップST5において、図2Bに示すセル毎の磨耗エネルギーの算出処理サブルーチンが実行される。図2Bに示すように、サブルーチンがコールされると、ステップST51において、図1に示すセル設定部12は、踏面に対して予め設定されたターゲット領域に対応する要素Eを細かい複数のセルCに分割する。
次のステップST52において、図1に示す補間部13は、各々のセルCの磨耗エネルギーの値Uを、対応する複数の節点ND1〜4の磨耗エネルギーの値φからアイソパラメトリック要素の形状関数で補間して算出する。ステップST52の算出処理は、全てのセルの磨耗エネルギーの値Uの算出が完了するまで(ST53:YES)、繰り返し実行される(ST53:NO)。セル毎の磨耗エネルギーの算出処理サブルーチンの実行が終了すると、メインルーチンに戻る。
<陸部エッジからの距離データの算出処理サブルーチン>
図2AのメインルーチンにおけるステップST6において、図2Cに示す陸部エッジからの距離データの算出処理サブルーチンが実行される。図2Cに示すように、サブルーチンがコールされると、ステップST61において、距離データ算出部14は、タイヤモデルデータから陸部エッジを抽出する(図8参照)。
次のステップST62において、予め設定されたサイプフラグを参照して、エッジにサイプを含む設定であるかどうかを判断する。エッジにサイプを含む設定でない場合(ST62:NO)には、抽出されたエッジからサイプとしてのエッジ部分を除去する処理を実行する(ステップST63、図8参照)。サイプであるか否かは、予め設定されたサイプ幅に基づいて判定する。
次のステップST64において、距離データ算出部14は、図8に示すように、エッジからの距離データを算出する。エッジからの距離データは、最も近いエッジからの距離を示すデータである。次のステップST65において、距離データ算出部14は、エッジからの距離データを生成するときに、生成した最近傍エッジデータを出力し記憶する。最近傍エッジデータは、最も近いエッジを示すデータである。距離データ及び最近傍エッジデータを生成する一つの方法として、エッジである或る着目画素に、識別子(ID)を割り当て、着目画素以外の画素に、着目画素からの距離を記録すると共に着目画素を示す識別子を記録する。着目画素を他のエッジの画素に変更して全てのエッジ画素を着目画素として、距離が短く更新されるときだけ前記距離及び着目画素を示す識別子を記録する処理を実行する。このようにすれば、各画素についてエッジからの距離データと、各画素について最も近いエッジ画素を示す最近傍エッジデータが得られる。
なお、図9は、タイヤのトレッドパターンにおける距離データを示す実施例である。この実施例では、陸部エッジにサイプのエッジは含まない例である。
陸部エッジからの距離データの算出処理サブルーチンの実行が終了すると、メインルーチンに戻る。
<ターゲット領域での磨耗エネルギー抽出処理サブルーチン>
図2AのメインルーチンにおけるステップST7において、図2Dに示すターゲット領域での磨耗エネルギー抽出処理サブルーチンが実行される。図2Dに示すように、サブルーチンがコールされると、ステップST71において、特定領域磨耗エネルギー抽出部15は、図10に示すように、ターゲット領域Ar1におけるエッジを抽出する(ST71)。
次のステップST72において、特定領域磨耗エネルギー抽出部15は、図10に示すように、抽出したエッジに沿った特定領域Ar2を決定する。特定領域Ar2は、予め設定された所定距離及び所定幅に基づき決定される。特定領域Ar2を特定する方法として、ターゲット領域Ar1に存在するエッジ画素の識別子(ID)を特定し、特定したエッジ画素識別子が、最近傍エッジデータにおける最も近いエッジ画素の識別子であり、且つ、距離データにおける距離が、所定距離及び所定幅により定まる距離以下である画素が特定領域Ar2の画素であると決定する。
次のステップST73において、特定領域磨耗エネルギー抽出部15は、補間部13が算出したセル毎の磨耗エネルギーの値に基づき、特定領域Ar2における磨耗エネルギーを抽出する。
この処理を実行することにより、図3Bに示すように、ユーザが指定したターゲット領域Ar1のうち陸部のエッジから所定距離離れ且つエッジに沿った所定幅の特定領域Ar2(図中では黒塗りで示す)における磨耗エネルギーの値を得ることができ、局所磨耗の評価に有用である。
以上のように、本実施形態のタイヤの磨耗エネルギーを算出するシステムは、
溝で区画された陸部を有するタイヤを複数の要素で表現したタイヤFEMモデルを用いて、陸部のうち踏面となる要素Eを定義する節点ND毎に磨耗エネルギーの値φを算出する磨耗エネルギー解析実行部11と、
踏面に対して予め設定されたターゲット領域に対応する要素Eを細かい複数のセルCに分割するセル設定部12と、
各々のセルCの磨耗エネルギーの値Uを、対応する複数の節点ND1〜4の磨耗エネルギーの値φからアイソパラメトリック要素の形状関数で補間して算出する補間部13と、
を備える。
本実施形態のタイヤの磨耗エネルギーを算出する方法は、
溝で区画された陸部を有するタイヤを複数の要素で表現したタイヤFEMモデルを用いて、陸部のうち踏面となる要素Eを定義する節点ND毎に磨耗エネルギーの値φを算出するステップST11と、
踏面に対して予め設定されたターゲット領域に対応する要素Eを細かい複数のセルCに分割するステップST12と、
各々のセルCの磨耗エネルギーの値Uを、対応する複数の節点ND1〜4の磨耗エネルギーの値φからアイソパラメトリック要素の形状関数で補間して算出するステップST13と、
を含む。
このように、要素Eよりも細かいセルC毎に磨耗エネルギーUが算出されるので、任意領域の磨耗エネルギーを得ることができる。
アイソパラメトリック要素の形状関数で補間しているので、線形一次補間に比べて精度を向上させることが可能となる。
したがって、節点位置に依存せず、任意領域の磨耗エネルギーを得ることが可能となる。
本実施形態では、ターゲット領域に含まれる陸部のエッジから所定距離離れ且つエッジに沿った所定幅の特定領域Ar2を特定し(ST72)、ステップST73において特定領域Ar2における磨耗エネルギーを抽出する特定領域磨耗エネルギー抽出部15を含む。
このように、ターゲット領域に含まれる陸部のエッジから所定距離離れ且つエッジに沿った所定幅の特定領域Ar2が特定され、エッジに沿った特定領域Ar2における磨耗エネルギーが抽出されるので、磨耗エネルギーによる局所磨耗を適切に評価可能になる。
本実施形態に係るコンピュータプログラムは、上記方法を構成する各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。このプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。言い換えると、上記方法を使用しているとも言える。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現できる。特許請求の範囲、明細書、および図面中のフローに関して、便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
例えば、図1に示す各部10〜15は、所定プログラムをコンピュータのCPUで実行することで実現しているが、各部を専用メモリや専用回路で構成してもよい。
本実施形態のシステムは、一つのコンピュータに各部10〜15が実装されているが、各部10〜15を分散させて、複数のコンピュータで実装してもよい。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
11…磨耗エネルギー解析実行部
12…セル設定部
13…補間部
14…距離データ算出部
15…特定領域磨耗エネルギー抽出部

Claims (5)

  1. 溝で区画された陸部を有するタイヤを複数の要素で表現したタイヤFEMモデルを用いて、前記陸部のうち踏面となる要素を定義する節点毎に磨耗エネルギーの値を算出する磨耗エネルギー解析実行部と、
    前記踏面に対して予め設定されたターゲット領域に対応する要素を細かい複数のセルに分割するセル設定部と、
    各々のセルの磨耗エネルギーの値を、対応する複数の節点の磨耗エネルギーの値からアイソパラメトリック要素の形状関数で補間して算出する補間部と、
    を備える、タイヤの磨耗エネルギーを算出するシステム。
  2. 前記ターゲット領域に含まれる前記陸部のエッジから所定距離離れ且つ前記エッジに沿った所定幅の特定領域を特定し、前記特定領域における磨耗エネルギーを抽出する特定領域磨耗エネルギー抽出部を備える、請求項1に記載のシステム。
  3. コンピュータが実行する方法であり、
    溝で区画された陸部を有するタイヤを複数の要素で表現したタイヤFEMモデルを用いて、前記陸部のうち踏面となる要素を定義する節点毎に磨耗エネルギーの値を算出するステップと、
    前記踏面に対して予め設定されたターゲット領域に対応する要素を細かい複数のセルに分割するステップと、
    各々のセルの磨耗エネルギーの値を、対応する複数の節点の磨耗エネルギーの値からアイソパラメトリック要素の形状関数で補間して算出するステップと、
    を含む、タイヤの磨耗エネルギーを算出する方法。
  4. 前記ターゲット領域に含まれる前記陸部のエッジから所定距離離れ且つ前記エッジに沿った所定幅の特定領域を特定し、前記特定領域における磨耗エネルギーを抽出するステップを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項3又は4に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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