JP2019092023A - 原子発振器、信号生成システムおよび電子機器 - Google Patents

原子発振器、信号生成システムおよび電子機器 Download PDF

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Shunsuke Watanabe
峻介 渡邉
康憲 大西
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康憲 大西
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Yukihiro Hashi
幸弘 橋
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Katsuhiko Maki
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Abstract

【課題】ガスセル周辺の温度勾配を低減することができる原子発振器を提供する。また、この原子発振器を備える信号生成システムおよび電子機器を提供する。【解決手段】原子発振器1は、アルカリ金属原子が封入されている原子セル201と、アルカリ金属原子を励起する光を出射する光源102と、原子セルを透過した光を検出する光検出素子202と、光検出素子に接続されている配線510と、原子セルを加熱するヒーター203と、光検出素子202に対して原子セルとは反対側に配置され、ヒーター203および配線510に熱的に接続されている伝熱部材210と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、原子発振器、信号生成システムおよび電子機器に関するものである。
ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器では、一般に、アルカリ金属原子がガスセル内に封入されており、そのアルカリ金属原子が所定のガス状態に保たれるように、ガスセルがヒーターにより加熱されている。
例えば、特許文献1に記載の原子発振器では、ガスセルを保持しているガスセル保持部材がヒーターからの熱をガスセルに伝導することによりガスセルを加熱する。また、ガスセル保持部材には、ガスセルを透過した光を検出する光検出部が接着剤を介して接合されている。
特開2017−112515号公報
特許文献1には記載されていないが、一般に、光検出部には、外部に引き出された配線が接続される。特許文献1に記載の原子発振器においては、当該配線を通じてヒーターからの熱が移動する可能性がある。特許文献1には、当該配線を通じた熱の移動について開示がない。従来の構成では、当該配線を通じた熱の移動により、ガスセル周辺に意図しない温度勾配が生じる等する可能性がある。
本発明の目的は、ガスセル周辺の温度勾配を低減することができる原子発振器を提供すること、また、この原子発振器を備える信号生成システムおよび電子機器を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
本適用例の原子発振器は、アルカリ金属原子が封入されている原子セルと、前記アルカリ金属原子を励起する光を出射する光源と、前記原子セルを透過した前記光を検出する光検出素子と、前記光検出素子に接続されている配線と、前記原子セルを加熱するヒーターと、前記光検出素子に対して前記原子セルとは反対側に配置され、前記ヒーターおよび前記配線に熱的に接続されている伝熱部材と、を含む。
このような原子発振器によれば、ヒーターおよび配線に熱的に接続されている伝熱部材が光検出素子に対して原子セルとは反対側に配置されているため、伝熱部材を介したヒーターからの熱により光検出素子または配線を原子セルと同様に好適に温度調節(加熱)することができる。そのため、原子セルが配線を通じた熱の移動による外部の温度の影響を受け難く、原子セル周辺の温度勾配を低減することができる。
なお、本明細書において、「熱的に接続」とは、次の条件a、b、cのうち、条件aまたは条件bを満たし、かつ、条件cを満たすことを言う。条件a:2つの部材が直接または他の部材を介して物理的に接している。条件b:2つの部材が直接または他の部材を介して配置されており、これらの部材間の間隙(当該2つの部材間、または当該2つの部材のうちの一方の部材と当該他の部材との間の間隙)が50μm以下である。条件c:2つの部材間に他の部材が介在している場合、当該他の部材の構成材料の熱伝導率が10W・m−1・K−1以上である。なお、間隙は熱伝導率が10W・m−1・K−1未満の部分であり、当該部分には接着剤等が存在していても、空間(空気層)であってもよい。
本適用例の原子発振器では、前記原子セルを保持している保持部材を備え、前記ヒーターは、前記保持部材を介して前記原子セルおよび前記伝熱部材に熱的に接続されていることが好ましい。
これにより、ヒーターの数を少なくしたり、ヒーターの設置に関して設計の自由度を高めたりすることができる。
本適用例の原子発振器では、前記保持部材の熱伝導率は、前記原子セルの熱伝導率よりも大きく、前記伝熱部材は、前記保持部材に固定されていることが好ましい。
これにより、ヒーターからの熱を保持部材を介して原子セルおよび伝熱部材に効率的に伝導することができる。
本適用例の原子発振器では、前記光検出素子が配置され、前記配線が設けられている配線基板を含み、前記伝熱部材は、前記配線基板を前記保持部材に向かって付勢していることが好ましい。
これにより、配線基板を保持部材および伝熱部材に密着させることができ、これらの間の熱の伝導を安定的に行うことができる。
本適用例の原子発振器では、前記配線基板に配置されている温度センサーを含むことが好ましい。
伝熱部材により原子セルと配線基板との温度差が低減されているため、配線基板に配置されている温度センサーを用いることで、原子セルの温度を高精度に検出することができる。これにより、原子発振器の周波数特性を向上させることができる。
本適用例の原子発振器では、前記配線基板がフレキシブル配線基板であることが好ましい。
これにより、配線基板の熱容量を小さくすることができ、伝熱部材から配線への熱の伝導を効率的に行うことができる。
本適用例の原子発振器では、前記ヒーターおよび前記配線に熱的に接続され、前記原子セルおよび前記光検出素子を収容している容器を含み、前記容器は、前記光検出素子に対して前記原子セルとは反対側に配置されている部分を含むことが好ましい。
これにより、原子セル周辺の温度勾配をより低減することができる。
本適用例の原子発振器では、前記伝熱部材の構成材料の熱伝導率は、10W・m−1・K−1以上であることが好ましい。
これにより、配線の光検出素子近傍部分を伝熱部材により好適に加熱することができる。
本適用例の信号生成システムは、本適用例の原子発振器と、前記原子発振器からの信号を処理する処理部と、を含む。
このような信号生成システムによれば、原子発振器の原子セル周辺の温度勾配を低減することで、信号生成システムの特性を向上させることができる。
本適用例の電子機器は、本適用例の原子発振器を含む。
このような電子機器によれば、原子発振器の原子セル周辺の温度勾配を低減することで、電子機器の特性を向上させることができる。
実施形態に係る原子発振器を示す概略図である。 実施形態に係る原子発振器の断面側面図(XZ平面に沿った断面図)である。 実施形態に係る原子発振器の平面図(XZ平面に沿った断面図)である。 実施形態に係る原子発振器が備える原子セルユニットのXY平面に沿った断面図である。 実施形態に係る原子発振器が備える原子セルユニットのXZ平面に沿った断面図である。 実施形態に係る原子発振器が備える伝熱部材の固定状態を示す斜視図である。 GPS(Global Positioning System)衛星を利用した測位システム(信号生成システムの一例)の概略構成を示す図である。
以下、本発明の原子発振器、信号生成システムおよび電子機器を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.原子発振器
図1は、実施形態に係る原子発振器を示す概略図である。
図1に示す原子発振器1は、アルカリ金属原子に対して特定の異なる波長の2つの共鳴光を同時に照射したときに当該2つの共鳴光がアルカリ金属原子に吸収されずに透過する現象が生じる量子干渉効果を利用した原子発振器である。なお、この量子干渉効果による現象は、CPT(Coherent Population Trapping)現象または電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象と言う。
この原子発振器1は、図1に示すように、発光素子モジュール10と、原子セルユニット20と、発光素子モジュール10と原子セルユニット20との間に設けられている光学系ユニット30と、発光素子モジュール10および原子セルユニット20の作動を制御する制御ユニット50と、を備える。以下、まず、原子発振器1の概略について説明する。
発光素子モジュール10は、ペルチェ素子101と、発光素子102(光源部)と、温度センサー103と、を備える。発光素子102は、周波数の異なる2種の光を含んでいる直線偏光の光LLを出射する。また、温度センサー103は、発光素子102の温度を検出する。また、ペルチェ素子101は、発光素子102の温度を調節(発光素子102を加温または冷却)する。
光学系ユニット30は、減光フィルター301と、集光レンズ302(レンズ)と、1/4波長板303と、を備え、これらが光LLの光軸aに沿って並んでいる。減光フィルター301は、前述した発光素子102からの光LLの強度を減少させる。また、集光レンズ302は、光LLの放射角度を調整する(例えば光LLを平行光に近づける)。また、1/4波長板303は、光LLに含まれる周波数の異なる2種の光を直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換する。
原子セルユニット20は、原子セル201と、受光素子202(受光部)と、ヒーター203と、温度センサー204と、コイル205と、を備える。
原子セル201は、光LLに対する透過性を有し、原子セル201内には、アルカリ金属が封入されている。アルカリ金属原子は、互いに異なる2つの基底準位と励起準位とからなる3準位系のエネルギー準位を有する。原子セル201には、発光素子102からの光LLが減光フィルター301、集光レンズ302および1/4波長板303を介して入射する。そして、受光素子202は、原子セル201を通過した光LLを受光し、その受光強度に応じた信号を出力する。
ヒーター203は、原子セル201内のアルカリ金属を加熱し、そのアルカリ金属の少なくとも一部を所望濃度のガス状態とする。また、温度センサー204は、原子セル201の温度を検出する。コイル205は、原子セル201内のアルカリ金属に所定方向の磁場を印加し、そのアルカリ金属原子のエネルギー準位をゼーマン***させる。このようにアルカリ金属原子がゼーマン***した状態において、前述したような円偏光の共鳴光対がアルカリ金属原子に照射されると、アルカリ金属原子がゼーマン***した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号(EIT現象に伴って受光素子202の出力信号に現れる信号)が大きくなり、その結果、原子発振器1の発振特性(特に短期周波数安定度)を向上させることができる。
制御ユニット50は、温度制御部501と、光源制御部502と、磁場制御部503と、温度制御部504と、を備える。温度制御部501は、温度センサー204の検出結果に基づいて、原子セル201内が所望の温度となるように、ヒーター203への通電を制御する。また、磁場制御部503は、コイル205が発生する磁場が一定となるように、コイル205への通電を制御する。また、温度制御部504は、温度センサー103の検出結果に基づいて、発光素子102の温度が所望の温度(温度領域内)となるように、ペルチェ素子101への通電を制御する。
光源制御部502は、受光素子202の検出結果に基づいて、EIT現象が生じるように、発光素子102からの光LLに含まれる2種の光の周波数を制御する。ここで、これら2種の光が原子セル201内のアルカリ金属原子の2つの基底準位間のエネルギー差に相当する周波数差の共鳴光対となったとき、EIT現象が生じる。また、光源制御部502は、前述した2種の光の周波数の制御に同期して安定化するように発振周波数が制御される電圧制御型水晶発振器(図示せず)を備えており、この電圧制御型発振器(VCO:Voltage controlled Oscillator)の出力信号を原子発振器1の出力信号(クロック信号)として出力する。
以上、原子発振器1の概略について説明した。以下、図2ないし図6に基づいて、原子発振器1のより具体的な構成について説明する。
図2は、実施形態に係る原子発振器の断面側面図(XZ平面に沿った断面図)である。図3は、実施形態に係る原子発振器の平面図(XZ平面に沿った断面図)である。図4は、実施形態に係る原子発振器が備える原子セルユニットのXY平面に沿った断面図である。図5は、実施形態に係る原子発振器が備える原子セルユニットのXZ平面に沿った断面図である。図6は、実施形態に係る原子発振器が備える伝熱部材の固定状態を示す斜視図である。
以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸であるX軸、Y軸およびZ軸を用いて説明を行う。なお、本明細書において、Z軸は、後述する支持部材40の設置面42に垂直な軸である。X軸は、発光素子モジュール10から出射された光LLに沿う軸である。言い換えると、X軸は、発光素子モジュール10と原子セルユニット20との配列方向に沿う軸である。Y軸は、X軸およびZ軸に垂直な軸である。
図2に示すように、原子発振器1は、発光素子モジュール10と、原子セルユニット20と、発光素子モジュール10を保持している光学系ユニット30と、原子セルユニット20および光学系ユニット30を一括して支持している支持部材40と、発光素子モジュール10および原子セルユニット20に電気的に接続されている制御ユニット50と、これらを収納しているパッケージ60と、を備えている。
(発光素子モジュール)
発光素子モジュール10は、ペルチェ素子101と、発光素子102と、温度センサー103と、これらを収納しているパッケージ104と、を有している。
パッケージ104は、図示しないが、互いに接合されているベースおよびリッドを有し、これらの間に、ペルチェ素子101、発光素子102および温度センサー103を収納している気密空間が形成されている。このようなパッケージ104内は、減圧(真空)状態であることが好ましい。これにより、パッケージ104の外部の温度変化がパッケージ104内の発光素子102や温度センサー103等に与える影響を低減し、パッケージ104内の発光素子102や温度センサー103等の温度変動を低減することができる。なお、パッケージ104内は、減圧状態でなくともよく、また、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されていてもよい。
ここで、ベースは、例えば、絶縁性のセラミックス材料で構成されている。また、ベースの内表面には、ペルチェ素子101、発光素子102および温度センサー103に電気的に接続される複数の接続電極が設けられており、これらの接続電極は、それぞれ、ベースを貫通する貫通電極を介して、ベースの外表面に設けられた外部実装電極に電気的に接続されている。一方、リッドは、例えば、セラミックスと線膨張係数の近いコバールのような金属材料で構成されている。そして、リッドは、ベースに対して、例えば、シーム溶接等により接合されている。また、リッドには、発光素子102からの光LLを透過する孔が設けられており、この孔は、ガラス材料等の光透過性の板状の部材により気密的に塞がれている。このようなパッケージ104のベースの内表面には、図示しないが、ペルチェ素子101が接着剤により固定されている。
ペルチェ素子101は、供給される電流の向きにより、発光素子102側が発熱側となる状態と、発光素子102側が吸熱側となる状態と、を切り換えることができる。そのため、環境温度の範囲が広くても、発光素子102等を所望の温度(目標温度)に温度調節することができる。これにより、温度変化による悪影響(例えば光LLの波長変動)をより低減することができる。ここで、発光素子102の目標温度は、発光素子102の特性に応じて決められるものであり、特に限定されないが、例えば、30℃以上40℃以下程度である。このようなペルチェ素子101上には、発光素子102および温度センサー103が設置されている。
発光素子102は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザーである。半導体レーザーは、直流バイアス電流に高周波信号を重畳して(変調を掛けて)用いることにより、波長の異なる2種の光を出射させることができる。本実施形態では、発光素子102から出射する光は、直線偏光している。また、温度センサー103は、例えば、サーミスタ、熱電対等の温度検出素子である。
(光学系ユニット)
図2に示すように、光学系ユニット30は、減光フィルター301と、集光レンズ302と、1/4波長板303と、これらを保持しているホルダー304と、を有している。ここで、ホルダー304は、両端が開口した貫通孔305を有する。この貫通孔305は、光LLの通過領域であり、貫通孔305内には、減光フィルター301、集光レンズ302および1/4波長板303がこの順で光LLの光軸aに沿って並んで配置されている。図3に示すように、減光フィルター301、集光レンズ302および1/4波長板303は、それぞれ、図示しない接着剤等によりホルダー304に対して固定されている。このようなホルダー304は、例えば、アルミニウム等の金属材料で構成されており、放熱性を有する。
前述したように、減光フィルター301は、前述した発光素子102からの光LLの強度を減少させる機能を有する。減光フィルター301としては、特に限定されず、吸収型または反射型のいずれであってもよい。また、集光レンズ302は、光LLの放射角度を調整する(例えば光LLを平行光に近づける)機能を有する。これにより、原子セル201内において光LLのパワー密度が進行方向で変化するのを低減し、EIT信号の線幅の拡がりを抑制することができる。その結果、原子発振器1の発振特性(特に短期周波数安定度)を向上させることができる。また、1/4波長板303は、光LLに含まれる周波数の異なる2種の光を直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換する機能を有する。これにより、コイル205からの磁界との相互作用により、EIT信号の強度を大きくすることができる。
なお、光学系ユニット30は、発光素子102からの光LLの強度等によっては、減光フィルター301を省略することができる。また、光学系ユニット30は、減光フィルター301、集光レンズ302および1/4波長板303以外の光学素子を有していてもよい。また、減光フィルター301、集光レンズ302および1/4波長板303の配置順は、図示の順に限定されず、任意である。また、減光フィルター301、集光レンズ302および1/4波長板303のそれぞれの姿勢は、任意である。
(原子セルユニット)
原子セルユニット20は、前述したように、原子セル201と、受光素子202と、ヒーター203と、温度センサー204と、コイル205と、を備える。また、これらの他に、原子セルユニット20は、図4に示すように、原子セル201を保持している保持部材206と、保持部材206に固定されている伝熱部材210と、原子セル201、受光素子202、温度センサー204、コイル205、保持部材206および伝熱部材210を収納している第1容器207と、第1容器207を収納している第2容器208と、第1容器207と第2容器208との間に配置されている複数のスペーサー209と、を備える。
原子セル201内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。また、原子セル201内には、必要に応じて、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属ガスとともに封入されていてもよい。
原子セル201は、2つの柱状の貫通孔を有する胴体部201aと、その胴体部201aに接合されている1対の窓部201b、201cと、を有し、これらにより気密封止された内部空間Sを形成している。
本実施形態では、内部空間Sは、光LLが通過する空間S1と、空間S1に連通し、図示しない固体または液体のアルカリ金属を収納している空間S2と、を有する。ここで、一方の窓部201bには、空間S1へ入射する光LLが透過し、他方の窓部201cには、空間S1から出射した光LLが透過する。なお、内部空間Sは、前述したような空間S1、S2を有する形態に限定されず、例えば、空間S2を省略した形態であってもよい。
各窓部201b、201cの構成材料としては、光LLに対する透過性を有していればよく、特に限定されないが、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられる。一方、胴体部201aの構成材料としては、特に限定されず、金属材料、ガラス材料、シリコン材料、水晶等が挙げられるが、加工性や各窓部201b、2013cの接合の観点から、ガラス材料、シリコン材料を用いるのが好ましい。また、胴体部201aと各窓部201b、201cとの接合方法としては、これらの構成材料に応じて決められるものであり、特に限定されないが、例えば、直接接合法、陽極接合法、溶融接合法、オプティカル接合法等を用いることができる。
図4に示すように、保持部材206は、光LLの通過領域を避けつつ原子セル201の外表面を覆うように設けられている2つのブロック206a、206bで構成されている。ここで、2つのブロック206a、206bは、それぞれ、熱伝導率が10W・m−1・K−1以上であり、かつ、コイル205から原子セル201への磁界を阻害しない材料、例えば、アルミニウム等の非磁性の金属材料で構成されている。また、保持部材206には、原子セル201に入射する光LLが通過する開口部206cと、原子セル201から出射した光LLが通過する開口部206dと、が設けられている。なお、以下では、10W・m−1・K−1以上であることを、「熱伝導性に優れた」「熱伝導性が良い」等と表現する場合がある。
ブロック206a(保持部材206の一部)は、原子セル201の外表面の空間S1側の部分に熱的に接続されている。具体的には、ブロック206aは、原子セル201の外表面の空間S1側の部分に対して、接触しているか、または、熱伝導性に優れた部材(金属等)を介して接続されている。そして、ブロック206a(保持部材206の一部)は、第1容器207を介してヒーター203に熱的に接続されている。これにより、ヒーター203からの熱により原子セル201(より具体的には空間S1)を加熱することができる。また、このように、原子セル201とヒーター203との間にブロック206aを介在させることで、原子セル201とヒーター203との間の距離を大きくし、ヒーター203への通電により生じた不要磁場が原子セル201内のアルカリ金属原子に悪影響を与えるのを抑制することができる。また、原子セル201にヒーターを接触させる構成に比べて、ヒーターの数を少なくすることができるという利点もある。
一方、ブロック206bは、原子セル201の外表面の空間S2側の部分に熱的に接続されている。具体的には、ブロック206bは、原子セル201の外表面の空間S2側の部分に対して、接触しているか、または、熱伝導性に優れた部材(金属等)を介して接続されている。そして、ブロック206bは、ブロック206aに対して離間している。そのため、ブロック206bは、ブロック206aに比べて、ヒーター203からの熱が伝わりにくくなっている。これにより、空間S2の温度を空間S1の温度よりも低くすることができる。そのため、空間S2に固体または液体のアルカリ金属を安定的に存在させることができる。
なお、ブロック206a、206bの形状は、空間S1への光LLの通過を許容しつつヒーター203からの熱を空間S1に伝達することができればよく、図示の形状に限定されない。また、保持部材206は、ブロック206a、206bが一体化してもよいし、ブロック206a、206bがそれぞれ複数の部材で構成されていてもよい。
このような保持部材206の外周には、中心軸が光LLの光軸aに沿うように巻回されたコイル205が配置されている。コイル205は、ソレノイド型のコイル、または、ヘルムホルツ型の1対のコイルである。このコイル205は、原子セル201内に光LLの光軸aに沿った方向(平行な方向)の磁場を発生させる。これにより、原子セル201内のアルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップをゼーマン***により拡げて、分解能を向上させ、EIT信号の線幅を小さくすることができる。なお、コイル205が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。
また、保持部材206の開口部206d内には、受光素子202および温度センサー204が配置されている。受光素子202としては、原子セル201内を透過した光LL(共鳴光対)の強度を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)が挙げられる。温度センサー204としては、原子セル201またはヒーター203の温度を検出することができれば、特に限定されないが、例えば、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーが挙げられる。
ここで、受光素子202および温度センサー204は、後述するフレキシブル配線基板508b上に配置されている。このフレキシブル配線基板508bは、受光素子202および温度センサー204に電気的に接続されている配線510を有しており、保持部材206と伝熱部材210との間に挟まれることで、保持部材206に対して固定されている。これにより、受光素子202および温度センサー204を原子セル201に対して位置決めすることができる。
伝熱部材210は、熱伝導性を有し、保持部材206およびフレキシブル配線基板508b(配線510)に対して熱的に接続されている。そして、伝熱部材210は、保持部材206を介してヒーター203とも熱的に接続されている。これにより、伝熱部材210が保持部材206からの熱をフレキシブル配線基板508b(配線510)および受光素子202に伝導することができる。本実施形態では、図4および図5に示すように、伝熱部材210は、板状をなし、YZ平面に沿って配置され、保持部材206のブロック206aに対して、ネジ211を用いたネジ止めにより固定されている。また、図6に示すように、保持部材206には、伝熱部材210の外周部の一部が挿入される溝206fが設けられており、伝熱部材210の当該一部は、溝206fによりX軸方向での位置決めがなされている。また、伝熱部材210の厚さは、特に限定されないが、0.3mm以上であることが好ましい。
このように、ネジ211および溝206fを用いて伝熱部材210を保持部材206に対して固定することにより、接着剤のみで伝熱部材210を保持部材206に対して固定する場合のような経年劣化の問題がなく、伝熱部材210を保持部材206に対して長期にわたって安定的に固定することができる。また、保持部材206等に対するフレキシブル配線基板508bの接触状態を長期にわたって一定に保つことができる。そのため、ヒーター203から原子セル201への熱の伝導経路の経時的な変化を低減し、原子発振器1の経時的な特性変化を低減することもできる。ネジ211で伝熱部材210を固定すると、伝熱部材210は、フレキシブル配線基板508bを保持部材206に向かって付勢する。換言すると、伝熱部材210は、フレキシブル配線基板508bを保持部材206に押し付ける。そのため、フレキシブル配線基板508bが保持部材に密着しやすくなる。なお、伝熱部材210の形状は、図示の形状に限定されず、例えば、ブロック状をなしていてもよい。また、保持部材206に対する伝熱部材210の固定方法は、前述したネジ211および溝206fを用いた固定方法に限定されず、例えば、ネジまたは溝の数が複数であってもよいし、ネジ止めのみにより固定してもよいし、溝のみにより固定されていてもよい。また、ネジまたは溝による固定方法に接着剤による固定方法を併用してもよい。
ここで、伝熱部材210は、図4および図5に示すように、保持部材206の開口部206dをできるだけ塞ぐように設けられている。これにより、伝熱部材210が保持部材206と一体的に熱を伝導することができる。また、伝熱部材210は、光軸a方向から見たとき、受光素子202および温度センサー204に重なっている。これにより、伝熱部材210からの熱が受光素子202および温度センサー204に伝導されやすくなる。
このような伝熱部材210の構成材料としては、熱伝導性に優れ、かつ、コイル205から原子セル201への磁界を阻害しない材料、例えば、銅、アルミニウム等の非磁性の金属材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:carbon fiber reinforced plastic)、シリカ等の熱伝導性のフィラーを添加した樹脂材料等が挙げられる。
伝熱部材210の構成材料の熱伝導率は、10W・m−1・K−1以上であることが好ましく、20W・m−1・K−1以上であることがより好ましく、100W・m−1・K−1以上であることがさらに好ましい。これにより、配線510の受光素子202近傍部分を伝熱部材210により好適に加熱することができる。これに対し、かかる熱伝導率が小さすぎると、伝熱部材210に温度勾配が生じやすくなる傾向を示す。
前述したような原子セル201、受光素子202、温度センサー204、コイル205、保持部材206および伝熱部材210は、図4に示すように、第1容器207に収納されている。第1容器207は、保持部材206を介して原子セル201を支持しており、これにより、保持部材206を介して原子セル201に熱的に接続されている。また、第1容器207には、原子セル201(空間S1)に入射する光LLの通過を許容する開口部207aが設けられている。また、第1容器207は、前述した伝熱部材210に対して離間した状態で対向している部分207bを有する。なお、第1容器207は、伝熱部材210に対して接触していてもよい。
ここで、第1容器207の構成材料としては、熱伝導性に優れ、かつ、磁気シールド性を有する材料を用いることが好ましく、具体的には、鉄(Fe)、コバール、パーマロイ(Ni合金)、ステンレス鋼等の鉄系合金等を用いることが好ましい。第1容器207が優れた熱伝導性を有することで、ヒーター203からの熱を効率的に保持部材206に伝導することができる。また、第1容器207の温度分布の均一化を図ることができ、原子セル201周辺の温度勾配を低減することもできる。さらに、第1容器207が磁気シールド性を有することで、外部磁場により第1容器207内(特に原子セル201内)の磁場が変動するのを低減することができる。
このような第1容器207は、図4に示すように、第2容器208に収納されている。第2容器208は、複数のスペーサー209を介して第1容器207を支持しており、これにより、第1容器207に対して離間している。これにより、第1容器207と第2容器208との間に隙間が形成され、当該隙間が断熱層として機能するため、第1容器207と第2容器208との間の熱の移動を低減することができる。ここで、各スペーサー209は、断熱性を有する材料、例えば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料で構成されていることが好ましい。これにより、スペーサー209を介した第1容器207と第2容器208との間の熱の移動を低減することができる。また、第2容器208には、原子セル201(空間S1)に入射する光LLの通過を許容する開口部208aが設けられている。
ここで、第2容器208の構成材料としては、前述した第1容器207と同様、熱伝導性に優れ、かつ、磁気シールド性を有する材料を用いることが好ましく、具体的には、鉄(Fe)、コバール、パーマロイ(Ni合金)、ステンレス鋼等の鉄系合金等を用いることが好ましい。これにより、外部磁場により第2容器208内(特に原子セル201内)の磁場が変動するのを低減することができる。
また、第2容器208には、ヒーター203が設置されており、このヒーター203は、第1容器207の外表面に熱的に接続している。このヒーター203としては、原子セル201(より具体的には原子セル201内のアルカリ金属)を加熱することができれば、特に限定されないが、例えば、発熱抵抗体を有する各種ヒーター、ペルチェ素子等が挙げられる。
(支持部材)
ここで、図2に戻り、支持部材40は、板状をなし、その一方の面上には、前述した原子セルユニット20および光学系ユニット30が載置されている。この支持部材40は、光学系ユニット30のホルダー304の下面の形状に沿った設置面401を有する。この設置面401には、段差部402が形成されている。この段差部402は、ホルダー304の下面の段差部と係合(当接)して、ホルダー304が原子セルユニット20側(図2中右側)へ移動するのを規制する。同様に、支持部材40は、原子セルユニット20の第2容器208の下面の形状に沿った設置面403を有する。この設置面403には、段差部404が形成されている。この段差部404は、第2容器208の端面(図2中左側の端面)と係合(当接)して、第2容器208が光学系ユニット30側(図2中左側)へ移動するのを規制する。
このように、支持部材40により原子セルユニット20および光学系ユニット30の相対的な位置関係を規定することができる。そして、発光素子モジュール10がホルダー304に対して固定されているため、原子セルユニット20および光学系ユニット30に対する発光素子モジュール10の相対的な位置関係も規定されることとなる。ここで、第2容器208およびホルダー304は、それぞれ、図示しないネジ等の固定部材により、支持部材40に対して固定されている。また、支持部材40は、図示しないネジ等の固定部材により、パッケージ60に対して固定されている。また、支持部材40は、例えば、アルミニウム等の金属材料で構成されており、放熱性を有する。これにより、発光素子モジュール10の放熱を効率的に行うことができる。
(制御ユニット)
図3に示すように、制御ユニット50は、回路基板505と、回路基板505上に設けられている2つのコネクター506a、506bと、コネクター506aと発光素子モジュール10とを接続しているフレキシブル配線基板508aと、コネクター506bと原子セルユニット20とを接続しているフレキシブル配線基板508bと、回路基板505を貫通している複数のリードピン509と、を有する。
ここで、回路基板505には、図示しない電気回路が設けられ、この電気回路が前述した温度制御部501、光源制御部502、磁場制御部503および温度制御部504として機能する。また、回路基板505は、前述した支持部材40が挿通されている貫通孔5051を有する。また、回路基板505は、複数のリードピン509を介してパッケージ60に対して支持されている。複数のリードピン509は、それぞれ、パッケージ60の内外を貫通しており、回路基板505に電気的に接続されている。
なお、回路基板505と発光素子モジュール10とを電気的に接続する構成、および、回路基板505と原子セルユニット20とを電気的に接続する構成は、図示のコネクター506a、506bおよびフレキシブル配線基板508a、508bに限定されず、それぞれ、他の公知のコネクターおよび配線であってもよい。
パッケージ60は、前述した第1容器207および第2容器208と同様、コバール等の磁気シールド性を有する金属材料で構成されていることが好ましい。これにより、外部磁場が原子発振器1の特性に悪影響を与えるのを低減することができる。なお、パッケージ60内は、減圧されていてもよいし、大気圧であってもよいが、気密空間であることが好ましい。
以上のように、原子発振器1は、アルカリ金属原子が封入されている原子セル201と、原子セル201内のアルカリ金属原子を励起する光LLを出射する光源である発光素子102と、原子セル201を透過した光LLを検出する光検出素子である受光素子202と、受光素子202に接続されている配線510と、原子セル201を加熱するヒーター203と、受光素子202に対して原子セル201とは反対側(+X軸方向側)に配置され、ヒーター203および配線510に熱的に接続されている伝熱部材210と、を含む。
このような原子発振器1によれば、ヒーター203および配線510に熱的に接続されている伝熱部材210が受光素子202に対して原子セル201とは反対側に配置されているため、伝熱部材210を介したヒーター203からの熱により受光素子202または配線510を原子セル201と同様に好適に温度調節(加熱)することができる。そのため、原子セル201が配線510を通じた熱の移動による外部の温度の影響を受け難く、原子セル201周辺の温度勾配を低減することができる。このように原子セル201周辺の温度勾配を低減することで、原子セル201内を安定的に所望の温度分布とすることができ、その結果、原子発振器1の短期周波数安定度を向上させることができる。また、外部の温度変化の影響を受け難くなることから、原子発振器1の周波数温度特性を向上させることもできる。
前述したように、原子発振器1は、原子セル201を保持している保持部材206を備え、ヒーター203は、保持部材206を介して原子セル201および伝熱部材210に熱的に接続されている。これにより、ヒーター203の数を少なくしたり、ヒーター203の設置に関して設計の自由度を高めたりすることができる。
前述したように、伝熱部材210は、保持部材206に固定(本実施形態ではネジ211によりネジ止め)されている。ここで、保持部材206の熱伝導率は、原子セル201の熱伝導率よりも大きいことが好ましい。これにより、ヒーター203からの熱を保持部材206を介して原子セル201および伝熱部材210に効率的に伝導することができる。
また、原子発振器1は、前述したように、受光素子202(検出素子)が配置され、配線510が設けられている配線基板であるフレキシブル配線基板508bを含み、伝熱部材210は、フレキシブル配線基板508bを保持部材206に向かって付勢している。これにより、フレキシブル配線基板508bを保持部材206および伝熱部材210に密着させることができ、これらの間の熱の伝導を安定的に行うことができる。ここで、フレキシブル配線基板508bは、一般的なリジッド配線基板に比べて、熱容量を小さくすることができる。そのため、伝熱部材210から配線510への熱の伝導を効率的に行うことができる。
なお、フレキシブル配線基板508bに代えてリジッド配線基板を用いてもよく、この場合、できるだけ熱伝導性に優れる基板を用いることが好ましい。熱伝導性に優れるリジッド配線基板としては、例えば、基材に金属を用いた基板、熱伝導性フィラーを用いた基板、厚さ方向に貫通した熱伝導用の導体ポストを有する基板等が挙げられる。
さらに、原子発振器1は、フレキシブル配線基板508b(配線基板)に配置されている温度センサー204を含む。これにより、伝熱部材210により原子セル201とフレキシブル配線基板508bとの温度差が低減されているため、フレキシブル配線基板508bに配置されている温度センサー204を用いることで、原子セル201の温度を高精度に検出することができる。これにより、原子発振器1の周波数特性を向上させることができる。
また、原子発振器1は、ヒーター203および配線510に熱的に接続され、原子セル201および受光素子202(光検出素子)を収容している容器である第1容器207を含み、第1容器207は、受光素子202に対して原子セル201とは反対側に配置されている部分207bを含む。これにより、この部分207bが伝熱部材210と同様に機能し、原子セル201周辺の温度勾配をより低減することができる。
2.信号生成システム
以上説明したような原子発振器1は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、そのような電子機器を備える信号生成システムの実施形態について説明する。
図7は、GPS衛星を利用した測位システム(信号生成システムの一例)の概略構成を示す図である。
図7に示す測位システム1100(信号生成システムの一例)は、GPS衛星1200と、基地局装置1300と、GPS受信装置1400とで構成されている。
GPS衛星1200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置1300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ1301を介してGPS衛星1200からの測位情報を高精度に受信する受信装置1302と、この受信装置1302で受信した測位情報をアンテナ1303を介して送信する送信装置1304とを備える。
ここで、受信装置1302は、その基準周波数発振源である原子発振器1と、原子発振器1からの信号を処理する処理部1302aと、を備える。また、受信装置1302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置1304により送信される。
このように、電子機器である受信装置1302は、原子発振器1を含む。このような受信装置1302によれば、原子発振器1の原子セル201周辺の温度勾配を低減することで、受信装置1302の特性を向上させることができる。
GPS受信装置1400は、GPS衛星1200からの測位情報をアンテナ1401を介して受信する衛星受信部1402と、基地局装置1300からの測位情報をアンテナ1403を介して受信する基地局受信部1404とを備える。
以上のように、信号生成システムである測位システム1100は、原子発振器1と、原子発振器1からの信号を処理する処理部1302aと、を含む。このような測位システム1100によれば、原子発振器1の原子セル201周辺の温度勾配を低減することで、測位システム1100の特性を向上させることができる。
なお、電子機器は、前述したものに限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(Point of Sales)端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局等に適用することができる。また、信号生成システムは、原子発振器からの信号を処理して信号を生成するシステムであればよく、前述したものに限定されず、例えば、クロック伝送システム等であってもよい。
以上、本発明の原子発振器、信号生成システムおよび電子機器について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
前述した実施形態では、量子干渉効果を利用した原子発振器に本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されず、二重共鳴現象を利用した原子発振器にも適用可能であり、この場合、光源としては、半導体レーザーに限定されず、例えば、発光ダイオード、アルカリ金属を封入したランプ等を用いることができる。
1…原子発振器、10…発光素子モジュール、20…原子セルユニット、30…光学系ユニット、40…支持部材、50…制御ユニット、60…パッケージ、101…ペルチェ素子、102…発光素子(光源)、103…温度センサー、104…パッケージ、201…原子セル、201a…胴体部、201b…窓部、201c…窓部、202…受光素子(光検出素子)、203…ヒーター、204…温度センサー、205…コイル、206…保持部材、206a…ブロック、206b…ブロック、206c…開口部、206d…開口部、206f…溝、207…第1容器、207a…開口部、207b…部分、208…第2容器、208a…開口部、209…スペーサー、210…伝熱部材、211…ネジ、301…減光フィルター、302…集光レンズ、303…4波長板、304…ホルダー、305…貫通孔、401…設置面、402…段差部、403…設置面、404…段差部、501…温度制御部、502…光源制御部、503…磁場制御部、504…温度制御部、505…回路基板、506a…コネクター、506b…コネクター、508a…フレキシブル配線基板、508b…フレキシブル配線基板(配線基板)、509…リードピン、510…配線、1100…測位システム、1200…GPS衛星、1300…基地局装置、1301…アンテナ、1302…受信装置、1302a…処理部、1303…アンテナ、1304…送信装置、1400…GPS受信装置、1401…アンテナ、1402…衛星受信部、1403…アンテナ、1404…基地局受信部、2013c…窓部、5051…貫通孔、LL…光、S…内部空間、S1…空間、S2…空間、a…光軸

Claims (10)

  1. アルカリ金属原子が封入されている原子セルと、
    前記アルカリ金属原子を励起する光を出射する光源と、
    前記原子セルを透過した前記光を検出する光検出素子と、
    前記光検出素子に接続されている配線と、
    前記原子セルを加熱するヒーターと、
    前記光検出素子に対して前記原子セルとは反対側に配置され、前記ヒーターおよび前記配線に熱的に接続されている伝熱部材と、を含む、原子発振器。
  2. 前記原子セルを保持している保持部材を備え、
    前記ヒーターは、前記保持部材を介して前記原子セルおよび前記伝熱部材に熱的に接続されている、請求項1に記載の原子発振器。
  3. 前記保持部材の熱伝導率は、前記原子セルの熱伝導率よりも大きく、
    前記伝熱部材は、前記保持部材に固定されている、請求項2に記載の原子発振器。
  4. 前記光検出素子が配置され、前記配線が設けられている配線基板を含み、
    前記伝熱部材は、前記配線基板を前記保持部材に向かって付勢している、請求項2または3に記載の原子発振器。
  5. 前記配線基板に配置されている温度センサーを含む、請求項4に記載の原子発振器。
  6. 前記配線基板がフレキシブル配線基板である、請求項4または5に記載の原子発振器。
  7. 前記ヒーターおよび前記配線に熱的に接続され、前記原子セルおよび前記光検出素子を収容している容器を含み、
    前記容器は、前記光検出素子に対して前記原子セルとは反対側に配置されている部分を含む、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の原子発振器。
  8. 前記伝熱部材の構成材料の熱伝導率は、10W・m−1・K−1以上である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の原子発振器。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の原子発振器と、
    前記原子発振器からの信号を処理する処理部と、を含む、信号生成システム。
  10. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の原子発振器を含む、電子機器。
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WO2024057536A1 (ja) * 2022-09-16 2024-03-21 ギガフォトン株式会社 ガスレーザ装置及び電子デバイスの製造方法

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