JP2019088765A - 貼付剤用支持体フィルム、積層体及び貼付剤 - Google Patents

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武史 古屋
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Abstract

【課題】製造時の手間やコストを抑えつつ、プラスチック材料に関わらず強度と伸度が良好である貼付剤支持体用フィルム、およびこれを用いた積層体を提供する。【解決手段】貼付剤支持体用フィルム1は、薬剤バリア性のある樹脂からなるフィルムであって、その表面2及び裏面3が、少なくとも1つ以上の区画に区分されており、前記区画は、前記区画を区分する縁を有し、前記区画の少なくとも1つにおいて、前記区画の表面2において、前記縁と前記縁の間で延在する山状の表面稜線2a及び谷状の表面稜線2bを有し、前記区画の裏面3において、前記表面の山状の表面稜線2aと対応する位置に谷状の裏面稜線3aを有し、また前記表面の谷状の表面稜線2bと対応する位置に山状の裏面稜線3bを有する厚さが5μm〜150μmであり、かつ前記山状の表面稜線と前記谷状の表面稜線の高低差は、フィルム厚さよりも大きいフィルムである。【選択図】図1

Description

本発明は、貼付剤用支持体フィルム、積層体及び貼付剤に関する。
一般にプラスチックフィルムは、軽量である、化学的に安定である、加工がしやすい、柔軟で強度がある、大量生産が可能、などの性質があり、様々なものに利用されている。その用途としては、例えば、食料品や医薬品等を包装する包装材や、点滴パック、買い物袋、ポスター、テープ、液晶テレビ等に利用される光学フィルム、保護フィルム、窓に貼合するウィンドウフィルム、ビニールハウス、建装材等々、多岐にわたる。
このような用途に対し、適正なプラスチック材料が選択され、さらに、それらを複数種類重ねて積層体とすることもなされている。また、複数のプラスチック材料を1つの層中に混ぜることで、単一材料の欠点を補うようにした用い方もある。多くの場合、耐熱性や機械強度、もしくは透明性などにより適正なフィルム材料を選択している。
一般にプラスチックフィルムの機械特性やバリア特性は、材料や層構成により決まる。例えば、強度重視の材料では延性が小さくなる傾向があり、高い強度を有しつつ十分な伸度を確保できるフィルム材料が切望されている。また、フィルムにバリア性を持たせようとすると、バリア特性の良い材料を限定して使用するか、追加の工程でバリア層を積層する必要が生じるため、製造工程の増加やコストの上昇が問題となる場合がある。
ところで、人体の肌に貼る湿布に代表される医療用の貼付剤は、肌に貼る面の粘着材中に薬剤を混合させ、皮膚から体内へと薬剤の吸収を促すものとなっている。貼付剤の外側表面の支持体は、フィルムまたは不織布の積層体で構成されており、求められる機能としては、薬剤のバリア性があること、延性があることなどが挙げられる。
なお、薬剤バリア性とは、薬剤を効率よく皮膚から吸収できるよう支持体が薬剤を吸収しにくい特性をいい、ここでは、粘着材に支持体を積層して、例えば40℃、75%の環境で6ヶ月保管した際に、支持体の薬剤吸収率が10%未満である場合に、支持体に薬剤バリア性があるものとする。一方、延性は、貼付剤を肌に貼った後のごわつき感の解消や、動作時に貼ったものが剥がれにくくなるようにするために重要な要素となっている。
しかしながら、薬剤バリア性と延性とは、両立が難しいのが現状である。特に、薬剤バリア性がある材料としては、二軸延伸PET(PolyEthylene Terephthalate、ポリエチレンテレフタラート)やエチレン−ビニルアルコール共重合体やシクロオレフィンコポリマーなど、一部の材料に限定されてしまい、これら材料は強度が大きく、延性が低いという欠点がある。
例えば、特許文献1では、PETやエチレン−ビニルアルコール共重合体などの材料を使用して貼付剤の支持体として用いているが、これら材料では延性が低く、貼付剤として使用したときのごわつき感や、激しい動作時に剥がれやすいといった欠点があるため、薬剤バリア性と延性の両立が可能な支持体が求められている。
特許第6176846号公報
かかる従来技術の問題点に鑑みて、本発明は、製造時の手間やコストを抑えつつ、薬剤バリア性と延性が良好である貼付剤用支持体フィルム、これを用いた積層体並びに貼付剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の貼付剤支持体用フィルムは、
薬剤バリア性のある樹脂からなる貼付剤支持体用フィルムであって、
前記貼付剤支持体用フィルムの表面及び裏面が、少なくとも1つ以上の区画に区分されており、
前記区画は、前記区画を区分する縁を有し、
前記区画の少なくとも1つにおいて、
前記区画の表面において、前記縁と前記縁の間で延在する山状の表面稜線及び谷状の表面稜線を有し、
前記区画の裏面において、前記表面の山状の表面稜線と対応する位置に谷状の裏面稜線を有し、また前記表面の谷状の表面稜線と対応する位置に山状の裏面稜線を有し、
前記貼付剤支持体用フィルム厚さが5μm〜150μmであり、
前記山状の表面稜線と前記谷状の表面稜線の高低差は、前記貼付剤支持体用フィルム厚さよりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、製造時の手間やコストを抑えつつ、薬剤バリア性と延性が良好である貼付剤用支持体フィルム、およびこれを用いた積層体並びに貼付剤を提供することが出来る。
本実施形態の貼付剤用支持体フィルムにおける一例を示す断面図である。 本実施形態の貼付剤用支持体フィルムにおける一例を示す斜視図である。 本実施形態の貼付剤用支持体フィルムを、図1の左右方向に引っ張った場合のフィルム全体の伸びと応力の関係を表した図である。 本実施形態の貼付剤用支持体フィルムの変形例を示す断面図である。 本実施の形態にかかる貼付剤用支持体フィルム(a)と、従来のフラットな面を持つ貼付剤用支持体フィルム(b)とを、図の左右方向に引っ張った場合の局所的な歪み量を計算して表した図である。 貼付剤用支持体フィルムの表面形状を変えた場合において、フィルム全体伸びと局所的な歪みの最大値との関係を示したグラフである。 貼付剤用支持体フィルムの断面形状を変えて示す断面図である。 別な実施の形態にかかる貼付剤用支持体フィルムの斜視図である。 別な実施の形態にかかる貼付剤用支持体フィルムの断面図である。 別な実施の形態にかかる貼付剤用支持体フィルムの断面図である。 別な実施の形態にかかる貼付剤用支持体フィルムの断面図である。 貼付剤用支持体フィルム同士を積層した積層体の断面図である。 従来の貼付剤用支持体フィルムを用いた貼付剤の断面図である。 本発明の貼付剤用支持体フィルムを用いた貼付剤の一例を示す断面図である。 本発明の積層体を用いた貼付剤の一例を示す断面図である。 複数区画を持つ貼付剤用支持体フィルムの別な実施形態を示す表面図である。 縦横2つの区画を持つ貼付剤用支持体フィルムの別な実施形態を示す表面図である。 複数区画を持つ貼付剤用支持体フィルムの別な実施形態を示す表面図である。 単一区画を持つ貼付剤用支持体フィルムの別な実施形態を示す表面図である。 貼付剤用支持体フィルムの別な実施形態を示す断面図である。 実施例5に対応する貼付剤用支持体フィルムの断面図である。
以下に、図面を参照して本発明にかかる貼付剤用支持体フィルムの実施形態について説明する。なお、各図は模式的に示した図であり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするために適宜誇張して示している。また、説明を簡単にするため、各図の対応する部位には同じ符号を付している。本明細書で用いる表面と裏面とは便宜上の記載であり、貼付剤用支持体フィルムにおける一対の面のいずれかを表面または裏面としてもよい。
本明細書で用いる「区画」とは、貼付剤用支持体フィルムの表面または裏面に設けられた領域を示す用語であり、それぞれの区画の最外周を「縁」と称する。一連のフィルムに存在する、区画は1つでも良いし、複数であっても良い。複数の区画が存在する場合には、それぞれの区画の縁は相互に接していても良いし、離間していても良い。縁については、縁に固有の形状や領域が存在している必要は無いが、存在していても良い。
(貼付剤用支持体フィルムの構成)
図1は、本実施形態の貼付剤用支持体フィルムにおける一例を示す断面図であり、図2は斜視図であって、貼付剤用支持体フィルムは図の左右方向に延在しているものとする。本実施形態にかかる貼付剤用支持体フィルムは、表裏面に周期的な凹凸構造を有する。かかる凹凸構造は、以下に述べるように山状稜線と谷状稜線とを有する。
図1、2に示されるように、貼付剤用支持体フィルム1は、単一区画としての表面2において、紙面垂直方向の一縁側から他縁側にわたって平行に延在するストレートな山状稜線2aと谷状稜線2bとを交互に等間隔で有しており、また単一区画としての裏面3において、山状稜線2aと谷状稜線2bとに対応する位置に、紙面垂直方向の一縁側から他縁側にわたって平行に延在するストレートな谷状稜線3aと山状稜線3bとを交互に等間隔で有している。なお、表面に設けた稜線2a、2bを表面稜線といい、裏面に設けた稜線3a、3bを裏面稜線として、互いを区別することもある。
図1、2に示すように、貼付剤用支持体フィルム1はいわゆる蛇腹状になっている。この形状を付加することにより、貼付剤用支持体フィルム1の伸度を高める効果がある。かかる貼付剤用支持体フィルムの特徴を高延性という。山状稜線2aと谷状稜線2bのピッチPは等しくてもよいし、異なっていてもよく、谷状稜線3aと山状稜線3bのピッチも同様である。また、山状稜線2aと谷状稜線2b及び谷状稜線3aと山状稜線3bは、図1,2で上方から見て、表面2及び裏面3の側縁に対して直交しているが、角度付けされていてもよい。山状稜線2aと谷状稜線2bまたは谷状稜線3aと山状稜線3bとの高さ方向の距離Hを、貼付剤用支持体フィルムの高低差という。
(貼付剤用支持体フィルムの作用)
図3は、本実施形態にかかる高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1を、図1の左右方向、すなわち周期的な凹凸構造の並び方向に引っ張っていった場合の、フィルム全体の伸びとフィルムにかかる応力の関係を概略図で示したものである。まず、弾性変形による形状変形が生じ、その後、形状変形の一部に塑性変形を生じる。さらに引っ張り続けると引っ張り応力により凹凸構造の高低差が小さくなりフラットに近づくことで形状変形できなくなり、最終的には引っ張り変形が主効果になり、ネッキング(引っ張られるフィルムの平行部全体が均一に伸びるのではなく,局部的にくびれを生ずること)が発生し破断する。
一方、通常のフラットな貼付剤用支持体フィルムでは、同じ引っ張り条件で引っ張り変形しか生じない。そのため、本実施形態の高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1は、上述のように複数の段階からなる形状変形を行うことで、通常の貼付剤用支持体フィルムに比較して容易に伸ばすことができるといえる。ただし最終的には、引っ張り変形が支配的になるため、破断強度は同じ厚さの貼付剤用支持体フィルムと同等である。
このようにして、一般的に伸度が低いとされる材料で作られた貼付剤用支持体フィルムであっても、形状に工夫を与えることより高延性にすることができる。つまり、貼付剤用支持体フィルムの強度と伸度を両立することができる。
このとき貼付剤用支持体フィルム断面の形状、つまり貼付剤用支持体フィルム1の表面2や裏面3の凹凸構造の形状を適切に制御することにより、任意の延性を得ることができる。例えば、フィルムを破断させずに大きく伸ばすようにしたい場合には、凹凸構造の山谷の高低差Hを大きくし、稜線頂部または稜線谷部は丸みをあまり帯びないようにするなどの調整を行うとよい。
本実施形態にかかる高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1は、引っ張り時の初期においては、貼付剤用支持体フィルム全体は、形状が変化することにより延性を向上させることができる。つまり、通常のフラットな面を持つ貼付剤用支持体フィルムのように、引っ張り当初の段階から材料自身が延展することでフィルムが伸びているわけではない。
本実施形態に係る貼付剤用支持体フィルムにおいては、凹凸構造の並び方向に引っ張った場合は、引っ張り当初において、凹凸構造に局所的な歪み(伸びや縮み)が生じ、それにより形状が変化することで、大きな延性を得ることができる。そのため、凹凸構造の形状を適切に設定することで、フィルム全体の伸びを自在に調整することが出来る。
凹凸構造は、図1で示した周期的な三角形状である必要はなく、波形でも良いし、矩形形状でも良く、適時変更できる。この形状により、上述の貼付剤用支持体フィルム全体の伸び及び局所的な歪みが決定される。さらに、山状稜線と谷状稜線は、必ずしも明瞭に視認できるものでなくてもよい。たとえば図4に示すように、波状の周期断面形状を持つような貼付剤用支持体フィルム1が想定される。かかる貼付剤用支持体フィルム1において、山状稜線は凸断面における頂点(変曲点)P1を通り、紙面垂直方向に延在する直線とし、谷状稜線は、山上稜線に対向する位置で凹断面における頂点(変曲点)P2を通り、紙面垂直方向に延在する直線とすることができる。
(貼付剤用支持体フィルムの応力と歪み)
図5(a)は、例えば図3に示すような高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1における凹凸構造の1ピッチ分につき、図の左右方向に引っ張った場合の局所的な歪み量を計算して図示した図であり、図5(b)は、比較例としてフラットな従来の貼付剤用支持体フィルムを、図の左右方向に引っ張った場合の局所的な歪み量を計算して図示した図である。かかる計算には、汎用非線形有限要素解析ソリューションMarc(エムエスシーソフトウェア株式会社製)を用いた。
図5に示す貼付剤用支持体フィルム断面において、白からグレー、さらに黒になるにつれて歪が大きくなっていることを示す。上記計算結果を比較すると、図5(b)に示すようにフラットな貼付剤用支持体フィルムの場合、引っ張り応力は一様である。これに対し、図5(a)に示すように本実施形態の貼付剤用支持体フィルム1では、頂点を挟んだ両側において高い歪を発生する箇所が生じており、そのため、それ以外のフィルムの部位における引っ張り応力を低減させる効果があることがわかる。
(貼付剤用支持体フィルムの全体の伸びと局所的な歪みの最大値との関係)
図6は、貼付剤用支持体フィルムの凹凸構造の形状を変えた場合における、全体の伸びと局所的な歪みの最大値との関係を示したものであり、縦軸が局所的な歪みの最大値であり、横軸がフィルム全体の伸びであって、点線で示す凹凸構造を持たない(形状なし)貼付剤用支持体フィルムを比較例としている。
また、図6の演算で用いた高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1の断面形状を、図7に示す。図7(a)に示す形状Aは、凹凸構造の山谷の高低差Hが比較的大きく、図7(b)に示す形状Bは、凹凸構造の山谷の高低差Hが比較的小さく(ただしフィルム厚さより大きく)なっている。図5より、本実施形態の高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1は、その凹凸構造により全体の伸びと局所的な歪みの最大値の関係が大きく変化することが分かる。
例えば図7(a)の形状Aのように凹凸構造の山谷の高低差Hを比較的大きくすることで、図6に示すように、貼付剤用支持体フィルム全体の伸びを局所的な歪みよりも小さくすることが出来る。形状Aを採用した貼付剤用支持体フィルムでは、フィルム自体が破断などのクラックが生じにくい他、例えば、蒸着層やハードコート層など、表面に硬い機能層を積層した状態で引っ張っても、硬い機能層にクラックを入りにくくすることができる。これは、硬い機能層では上述の局所的な歪みの分だけ負荷がかかるためである。つまり、形状Aを採用した貼付剤用支持体フィルムは、機能化層を積層した積層体へ応用することを一例として、硬い機能層の破壊を抑えつつ伸び性を持たせることも可能となる。
図7(b)の形状Bでは、図7(a)の形状Aと比較して、凹凸構造の山谷の高低差Hが比較的小さい形状であるが、この場合は図6に示すように、貼付剤用支持体フィルム全体の伸びよりも局所的な歪みの方が大きくなる場合もあり得る。しかしながら、フィルム全体の伸びは形状なしのフィルムと比較して、大きく高延性を示すものである。これらの凹凸構造は、所望する貼付剤用支持体フィルムの伸び率と強度、または、積層する機能化層の材料や形態などを勘案し最適化すればよい。例えば、前記汎用非線形有限要素解析ソリューションMarcを用いて、各条件を最適化することで、実用的な貼付剤用支持体フィルムを得ることが可能となる。
さらに、伸度を高めるためには、凹凸構造の山谷の高低差Hは、貼付剤用支持体フィルム厚さT(図1参照)よりも大きいと良い。このようにすることで、貼付剤用支持体フィルム断面がフラットになりにくく、歪の調整効果を効果的に得ることが出来る。
(貼付剤用支持体フィルムの厚さ及び凹凸の高さ等)
また、貼付剤用支持体フィルム1の厚さは5μm〜150μmであると好ましく、より好ましくは10μm〜100μmである。なお、貼付剤用支持体フィルムの厚さは、必ずしも均一である必要は無い。凹凸形状加工後のフィルムにあっては、稜線付近の貼付剤用支持体フィルムの厚さは、他の部分のフィルムの厚さと異なっていても良い。
また、凹凸構造の山谷の高低差Hは、5μm〜300μmであると良い。山谷の高低差Hが5μmよりも小さい場合には、歪の調整効果を得ることは難しく、また、300μmを超える場合には、製造上凹凸構造をつけることが難しくなる。より好ましくは、10μm〜200μmの範囲内であるとより良い。
また、凹凸構造は規則的に並んでいる周期的構造であると良い。ランダムな構造としないことで、意図した延性を得やすいと同時に、凹凸構造の設計や製作を簡便にすることができる。ただし、ランダムな凹凸構造を設けることは任意である。
(2次元的な構造を持つ貼付剤用支持体フィルム)
図1,2に示す貼付剤用支持体フィルム1では、山状稜線と谷状稜線が一方向に伸びた構造(「1次元的構造」ともいう。)を有するが、図8に示す貼付剤用支持体フィルムでは、山状稜線と谷状稜線が2次元的に配置された構造(「2次元的構造」ともいう。)を持つ貼付剤用支持体フィルム1であってもよい。また、山状稜線と谷状稜線が一直線ではなく、ジグザグな稜線であってもよい。また、図1,2のように1次元的構造の場合は、図中、左右方向であって凹凸構造の形状を変化させる方向に伸びやすいが、それと交差する方向(紙面垂直方向)には伸びにくいという異方性のある延性を有する。
一方、図8のような2次元的構造の場合は、2方向のいずれにも伸びるという双方性のある延性を有することが出来る。貼付剤の支持体として使用する際は、1次元的構造でも、2次元的構造でも適宜選択することができる。例えば、使用時のごわつき感を低減するためには2次元的構造を選択可能であり、剥がす際は貼付剤が伸びない方が剥がしやすい場合には、1次元的構造を選べばよい。
(貼付剤用支持体フィルムの特性)
また、本実施形態の高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1は、応力をかけた際に伸びる効果があるため、衝撃耐性も高く、凹凸構造が潰れることによる衝撃吸収性も高いという特性も有している。
さらに、凹凸構造が図1,2のような1次元的構造の場合、稜線が伸びた方向に平行となる方向(図1では紙面方向)には曲げ剛性が強いという性質もある。曲げ剛性は、断面二次モーメントとヤング率の掛け算の積分によって決まる。本実施形態の高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1は、同樹脂量の通常の貼付剤用支持体フィルムに比べ、この断面二次モーメントが大きくなるため、曲げ剛性は高まる。
(貼付剤用支持体フィルム材料)
貼付剤用支持体フィルム1で使用する薬剤バリア性のある材料としては、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体が好ましい。または、これらの複数の層が重ね合わさった多層構成(積層体ともいう)を形成しても良い。貼付剤は体に貼ることで、その粘着材層に含まれている薬効成分を皮膚に浸透させ、血液を通じて全身に作用させるものである。かかる貼付剤用支持体においては、その薬効成分をバリアし、極力吸着しないことが重要である。上記材料においては、薬効成分への非吸着性が良好で、貼付剤の薬効成分を減らすことなく支持体としての機能を果たすものである。
(貼付剤用支持体フィルムの製造方法)
本実施形態の高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1の製造方法については、例えば熱プレスによる方法や、押出成形による方法を用いることができる。
熱プレスによる方法では、製膜したフィルムを、表面に凹凸形状を設けた一対の加熱ロール間、もしくは一対の加熱した平板状のプレス機に通すことで作製が可能である。この際、上下の凹形状と凸形状とを精密に位置合わせを行い、プレス後のフィルム表裏が連続的に山谷を繰り返す構造となっていることが重要となる。
また、押出成形による方法では、Tダイより押出された溶融樹脂をフィルム化するための冷却工程において、凹凸構造に対応する凹凸が表面についた冷却ロール、およびニップロールを用いて、ニップ圧力を付加しながら冷却することで、凹凸構造をつけることができる。この方法においても、冷却ロールとニップロールの凹凸形状の精密な位置合わせが、フィルム性能にかかわってくることは言うまでもない。
さらに押出成形による別の方法では、複数の押出機を使用し、複数種類の別の樹脂をフィードブロック法、またはマルチマニホールド法により共押出することで、2層以上の多層構成のフィルムを得ることができる。フィルム化するための冷却工程において、凹凸構造に対応する凹凸が表面についた冷却ロールを用いて、ニップ圧力を付加しながら冷却することで、凹凸構造をつけることが出来る。さらにこのとき、冷却ロールと接する第一樹脂層のフィルム厚さTに対し、凹凸構造の山谷の高低差Hが大きいときには、第一樹脂層と第二樹脂層の界面にも同様に凹凸構造が付加されるため、冷却後の多層フィルムから第二樹脂層を剥離すれば、両面に凹凸構造を持った第一樹脂層、すなわち、高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1を得ることができる。
その他、射出成形など、凹凸構造を付加するいずれかの方法が選択可能であり、特に製造方法が限定されるものではない。
(積層体)
高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1は、図1のように1層であっても良いし、さらに図10に示すように、共押出の層構成を増やすことで複数のフィルム1を積層して積層体とすることもできる。かかる場合、上側の貼付剤用支持体フィルム1の裏面3と下側の貼付剤用支持体フィルム1の表面2とが接着される。フィルムの積層は3層以上であってよい。また、高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1に対して、後工程で印刷層や蒸着層、ハードコート層、反射防止層などの機能層を積層した積層体とすることもできる。
その他、図9Aのように、高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1の少なくとも1面に別の熱可塑性樹脂6を積層しても良い。これら積層体は、別々に製膜した貼付剤用支持体フィルムを接着剤や粘着材を介して積層しても良いし、製膜時に共押出法などで同時製膜をして積層も良い。積層することで延性はやや低減される傾向にあるが、一例として、支持体フィルム自体の強度向上や酸素バリアなどの機能層としての効果が期待できる。熱可塑性樹脂の材料としては特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの弾性率の低い材料を用いると、延性の低減が小さく好ましい。
また、図9B、図9Cのように、別の熱可塑性樹脂6や別の貼付剤用支持体フィルム7を、貼付剤用支持体フィルム1と一部空隙を設けるようにラミネートした積層体5とすることもできる。ここで、図9Bの実施の形態によれば、貼付剤用支持体フィルム1に別の貼付剤用支持体フィルム7を直接貼り付けて積層体5としている。一方、図9Cの実施の形態によれば、貼付剤用支持体フィルム1に接着剤層(または粘着材層)8を介して別の貼付剤用支持体フィルム7を貼り付けて積層体5としている。別の熱可塑性樹脂6や別の貼付剤用支持体フィルム7は特定の機能を持つ機能層とすることが好ましい。図9A、9B、9C、図10に示す積層体に、後述する粘着材層と剥離ライナーとを積層することで、貼付剤を形成することができる。
図11Aは、一般的な貼付剤12の概略断面図を示したものである。両面がフラットである貼付剤用支持体フィルム9の片面に薬剤を含有した粘着材層10があり、粘着材層10の反対面に剥離ライナー11を設けた構成である。肌に貼る場合は剥離ライナー11を剥がし、粘着材層10を肌に貼って使用する。その後、粘着材層10中に含有された薬剤が皮膚から吸収され、所定の薬効作用があるものである。
一般的な貼付剤用支持体フィルム9では、両面がフラットであるから延性が不足しており、貼付剤を肌に貼った後のごわつき感や、延性がないため、動作時に貼付剤の端部などが剥がれてくる場合がある。
一方、本実施形態の貼付剤用支持体フィルム1または積層体5を使用することで、延性を持たせることができるようになり、貼付剤12を肌に貼り付けた際に上述のごわつき感や剥がれが解消されるものである。一例として、図11B、図11Cに本実施形態の貼付剤用支持体フィルムおよび積層体を使用した場合の貼付剤12の断面図を示す。貼付剤12は、粘着材層10の一方の面に剥離ライナー11を積層し、粘着材層10の他方の面に貼付剤用支持体フィルム1を積層している。なお、貼付剤用支持体フィルム1に、更に別の熱可塑性樹脂(機能層)6を積層することもできる(図11C)。
いずれの場合においても、薬剤バリア性の高い材料を用いることで、薬剤が効率良く皮膚に吸収される効果があり、また貼付剤用支持体フィルムの材料自体は硬く伸びにくい材料であるにもかかわらず、高い延性を示すものである。
(貼付剤用支持体フィルムの別な実施形態)
図12〜15は、一連の貼付剤用支持体フィルムにおいて、複数の区画を有する場合の実施形態を示す表面図であり、山状稜線を実線で示し、谷状稜線を点線で示している。図13は、図12の貼付剤用支持体フィルムより2つの区画を抜き出したものである。図12において、貼付剤用支持体フィルム1は16個の区画1Aを有しており、各区画1Aの一つの縁(「縁端」とも言う)から、これと対向する他の縁端へと山状稜線2aと谷状稜線2bとが異なる方向に延在している。図示していないが、裏面側の山状稜線と谷状稜線も同様である。延性のフィルムでは、加工時にフィルムが伸びて安定製膜が難しい一面を持つが、このような配置とすることで、成形加工時に安定して製膜ができ、最終製品では区画毎にカットしたり、打ち抜き加工を行うことで、所望の一方向へ伸びる貼付剤用支持体フィルム1を提供できる。隣接する区画1A同士の間には、明確な境界がなくても良い。また、一連の貼付剤用支持体フィルム上に存在する区画1Aの数は任意である。
図14に示す貼付剤用支持体フィルム1において、各区画1Aの一縁端から、これと交差する他縁端へと、角度付け(45度)された山状稜線2aと谷状稜線2bがストレートに延在している。それ以外の構成は、図12に示す貼付剤用支持体フィルム1と同様である。山状稜線2aと谷状稜線2bの角度は任意であり、区画毎に異なっても良い。
図14に示す貼付剤用支持体フィルム1では、縦方向と横方向の2区画の貼付剤用支持体フィルムである。これは、例えばフィルムの半分を固定し、残りの半分のみを伸縮させたい場合などに効果がある。貼付剤を肌に貼る場合、最初はフィルムの伸びない半分を肌に貼って固定し、残りの半分を伸ばして貼ることも可能である。
図15に示す貼付剤用支持体フィルム1は、単一の区画を持つ帯状の貼付剤用支持体フィルムであって、その一方の側縁から他方の側縁にわたって、山状稜線2aと谷状稜線2bが円弧状に延在している。それ以外の構成は上述してきた実施の形態と同様である。
図16は、さらに別な実施形態を示す断面図である。図16に示す貼付剤用支持体フィルムでは、表面2において山状稜線群2a1、2a2,2a3と、谷状稜線群2b1,2b2,2b3と、が並んで設けられ、これらに対向して裏面3において、谷状稜線群3a1、3a2,3a3と、山状稜線群3b1,3b2,3b3と、が並んで設けられている。これら稜線群は周期的に繰り返される。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではないことはいうまでもない。また、以上の実施の形態を組み合わせて用いることは任意である。
以下、本発明者らが作成した実施例について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム1を、押出成形により、凹凸のついたロール1対でニップし、製膜し形成し、実施例1とした。貼付剤用支持体フィルム1の材料は、ポリプラスチックス株式会社製の環状オレフィン・コポリマー(COC、Cyclic Olefin Copolymer)であるTOPAS(登録商標)8007を選択し、単層構成とした。フィルム厚さは9μmで、凹凸構造は、表面形状及び裏面形状が共に波形(図1参照)であって、この波形断面形状を周期的に並べた形状とした。波形凹凸構造のピッチは50μm、高低差は25μmであった。なお、以下の実施例では、貼付剤用支持体フィルム1の材料として全てCOCを採用したが、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体を材料として用いた場合も、同様に薬剤バリア性を発揮できる。
(実施例2)
実施例2は、同じCOCを用いて形成し、フィルム厚さを23μmとした。また、波形凹凸構造は、表面形状及び裏面形状が共に波形(図1参照)であって、この波形断面形状を周期的に並べた形状とした。波形凹凸構造のピッチを100μm、高低差を50μmとし、実施例1と同様の方法でサンプルを作製した。
(実施例3)
実施例3は、同じCOCを用いて形成し、フィルム厚さを42μmとした。また、波形凹凸構造は、表面形状及び裏面形状が共に波形(図1参照)であって、この波形断面形状を周期的に並べた形状とした。波形凹凸構造のピッチを200μm、高低差を100μmとし、実施例1と同様の方法でサンプルを作製した。
(実施例4)
実施例4は、同じCOCを用いて形成し、フィルム厚さを125μmとした。また、波形凹凸構造は、表面形状及び裏面形状が共に波形(図1参照)であって、この波形断面形状を周期的に並べた形状とした。波形凹凸構造ピッチを500μm、高低差を250μmとし、実施例1と同様の方法でサンプルを作製した。
(比較例1)
比較例1は、実施例と同じCOCを材料とし、押出成形時に凹凸のない鏡面のロールを用いて押圧し、表裏に凹凸形状のないサンプルを作製した。したがって、凹凸構造の高低差は0μmであり、フィルム厚さは9μmであった。比較例1については凹凸のないロール1対を用いてニップする(2本のロールに圧力をかけて接触する)以外、実施例1と同様の方法でサンプルを作製した。
(比較例2)
比較例2も実施例と同じCOCを材料とし、フィルム厚さを2.9μmとした以外は、実施例1と同様の形状であり、同様の方法でサンプルを作製した。
(比較例3)
比較例3において、押出成形時に片側のみ、凹凸のついたロールを用いて押圧し、片側(表面)のみに凹凸形状のあるサンプルを作製した。このとき、裏面は凹凸形状のないフラットな状態であった。また、凹凸構造の高低差は100μmであり、フィルム厚さは42μmであった。比較例3については、裏面に対応する片側のみ凹凸のないロールを用いてニップする以外、実施例1と同様の方法でサンプルを作製した。
(実施例5)
実施例5は、他の実施例と同じCOCを用いて形成し、フィルム厚さは9μmで、凹凸構造として台形断面形状を周期的に並べた形状とした(図17参照)。台形形状は上辺61μm、下辺68μm、高低差31μmで、ピッチが140μmであった。実施例5についても実施例1と同様の方法でサンプルを作製した。
(比較例4)
比較例4において、貼付剤用支持体フィルム1の材料にNatureWorks社製のポリ乳酸(PLA、PolyLactic Acid)であるIngeo(登録商標)3052Dを選択し、単層構成とした。それ以外は実施例1と同様の形状であり、同様の方法でサンプルを作製した。
(実施例6)
実施例6において、貼付剤用支持体フィルム1の構成を2層構成とした。
第1層は、ポリプラスチックス株式会社製のCOCであるTOPAS(登録商標)8007とし、第2層は、株式会社プライムポリマー製の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であるエボリュー(登録商標)SP1540を選択して、積層体のサンプルを作製した(図9A参照)。押出成形時には片側のみの凹凸のついたロールを用いて、COC面(表面)のみに凹凸形状があり、LLDPE面(裏面)には凹凸形状のないフラットな積層体とした。凹凸構造の高低差は25μmであり、フィルム厚さは、COCが12μm、LLDPEが25μm、総厚は37μmであった。
(延性評価方法)
各実施例及び比較例における貼付剤用支持体フィルム1の延性能を評価するため、引っ張り試験評価を実施した。延性評価は、JIS K 7127:1999(プラスチック‐引っ張り特性の試験方法‐第3部:フィルム及びシートの試験条件)に基づき、株式会社島津製作所製引張試験機(AGS−500NX)を用いて、ゼロの状態からフィルムが破断するまで引っ張り力を付与しつつ、破断した際の破断強度、破断伸度を求めることで実施した。測定条件については、サンプル幅は15mm、チャック間距離は50mm、引っ張り速度は100mm/minとした。評価については、破断強度が3N以上であるときは『○』とし、それ未満であるときは『×』とした。また、破断伸度の評価は、破断伸度が10%以上であるときは『○』とし、それ未満であるときは『×』とした。
(薬剤吸着評価方法)
各実施例及び比較例における貼付剤用支持体フィルム1の薬剤吸着性能を評価するため、吸着性試験評価を実施した。サンプルを100mm角にカットした後、サンプル中央に貼付剤(リバスタッチパッチ18mg、小野薬品工業株式会社製)を貼付した。薬剤が揮発・拡散しないようにアルミ箔で密閉し、40℃、75%の環境で6ヶ月保管した。その後、フィルムから貼付剤を剥がし、フィルムに吸着した薬剤をメタノールで55℃・3時間以上抽出し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により薬剤の吸着量を測定した。薬剤吸着量の評価は、フィルムに吸着された薬剤が元々の貼付剤の薬剤量の10%未満であれば『○』、それ以上であれば『×』とした。
各実施例及び比較例における条件、および評価結果の一覧表を表1に示す。
(評価結果)
表1からわかるように、実施例1〜5では、フィルム両面が波形形状または台形形状であり、フィルム厚さが5〜150μmであるため、良好な破断強度を示し、破断伸度も比較例1のフラットなフィルムと比較して大きな値を示すことがわかる。
一方、比較例2では、フィルム厚さが薄すぎるため、破断強度が小さく、必要な特性を満たしていない。また比較例3では、片面のみが波形となったフィルムでは、両面フラットなフィルムと同様に破断伸度が小さく伸びないフィルムであった。比較例4ではフィルム両面が波形ではあるが、材料が薬剤の吸着性を示すため、貼付剤支持体用フィルムとして必要な特性を満たしていない。
更に、実施例6では、2層構成としたところ、より一層の破断伸度の上昇が見られ、延性のある支持体として十分な結果が得られた。
1 高延性を持つ貼付剤用支持体フィルム
1A 区画
2 表面
2a、3b 山状稜線
3 裏面
2b、3a 谷状稜線
5 積層体
6 別の熱可塑性樹脂層
7 別の貼付剤用支持体フィルム
8 接着剤層(または粘着材層)
9 従来の貼付剤用支持体フィルム
10 粘着材層
11 剥離ライナー
12 貼付剤

Claims (15)

  1. 薬剤バリア性のある樹脂からなる貼付剤支持体用フィルムであって、
    前記貼付剤支持体用フィルムの表面及び裏面が、少なくとも1つ以上の区画に区分されており、
    前記区画は、前記区画を区分する縁を有し、
    前記区画の少なくとも1つにおいて、
    前記区画の表面において、前記縁と前記縁の間で延在する山状の表面稜線及び谷状の表面稜線を有し、
    前記区画の裏面において、前記表面の山状の表面稜線と対応する位置に谷状の裏面稜線を有し、また前記表面の谷状の表面稜線と対応する位置に山状の裏面稜線を有し、
    前記貼付剤支持体用フィルム厚さが5μm〜150μmであり、
    前記山状の表面稜線と前記谷状の表面稜線の高低差は、前記貼付剤支持体用フィルム厚さよりも大きいことを特徴とする貼付剤支持体用フィルム。
  2. 前記薬剤バリア性のある樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体のいずれかより選ばれる樹脂であること、
    を特徴とする請求項1に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  3. 前記山状の表面稜線と前記谷状の表面稜線とは、交互に並んで形成されていること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  4. 複数の前記山状の表面稜線の一群と、複数の前記谷状の表面稜線の一群とは、交互に並んで形成されていること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  5. 前記山状の表面稜線と前記谷状の表面稜線は、それぞれ直線であること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  6. 前記山状の表面稜線と前記谷状の表面稜線は、それぞれ曲線であること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  7. 前記区画は複数個設けられて、互いに接していること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の貼付剤支持体用フィルム。
  8. 前記高低差は、5μm〜300μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  9. 前記山状の表面稜線と前記谷状の表面稜線は、等間隔で並んでいる、
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  10. 前記山状の表面稜線と前記谷状の表面稜線の間隔がランダムである、
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された貼付剤支持体用フィルムの少なくとも一方の面に、別の熱可塑性樹脂が積層されている、
    ことを特徴とする貼付剤支持体用フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載された貼付剤支持体用フィルムの少なくとも一方の面に、機能層を積層したこと、
    を特徴とする積層体。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載された貼付剤支持体用フィルムを複数枚積層したこと、
    を特徴とする積層体。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載された貼付剤支持体用フィルムと、貼付剤支持体用フィルムに積層した粘着材層と、前記粘着材層に積層した剥離ライナーとを有すること、
    を特徴とする貼付剤。
  15. 請求項12または13に記載された積層体と、前記積層体に積層した粘着材層と、前記粘着材層に積層した剥離ライナーとを有すること、
    を特徴とする貼付剤。
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