JP7271906B2 - 貼付剤支持体用フィルム、積層体、貼付剤、及び積層体の製造方法 - Google Patents

貼付剤支持体用フィルム、積層体、貼付剤、及び積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、貼付剤支持体用フィルム、積層体、貼付剤、及び積層体の製造方法に関する。
一般に、プラスチックフィルムは、軽量である、化学的に安定である、加工がしやすい、柔軟で強度がある、大量生産が可能、などの性質がある。このため、プラスチックフィルムは、様々なものに利用されている。プラスチックフィルムの用途としては、例えば、食料品や医薬品等を包装する包装材や、点滴パック、買い物袋、ポスター、テープ、液晶テレビ等に利用される光学フィルム、保護フィルム、窓に貼合するウィンドウフィルム、ビニールハウス、建装材等々、多岐にわたる。このような用途に対し、用途に応じて適正なプラスチック材料が選択される。更にプラスチックフィルムを複数種類重ね、積層体とすることもなされている。また、複数のプラスチック材料を1つの層中に混ぜることで、単一材料の欠点を補うようにした用い方もある。多くの場合、耐熱性や機械強度、もしくは透明性などにより適正なフィルム材料を選択している。
一般に、プラスチックフィルムの機械特性やバリア特性は、材料や層構成により決まってしまう。例えば、プラスチックフィルムは、強度重視の材料では伸び性が小さくなる傾向があり、高い強度を有しつつ十分な伸び性を確保できるフィルム材料が切望されている。また、バリア性が必要な場合には、バリア特性の良い材料を限定して使用するか、別の工程でバリア層を積層する必要が出てくるため、製造時の手間やコストが問題となってくる場合がある。
ところで、肌に貼るシップで代表される貼付剤は、肌に貼る面を構成する粘着剤中に薬剤を入れ、皮膚から体内へと薬剤を吸収させるものである。貼付剤の外側表面を構成する支持体は、フィルム又は不織布の積層体で構成されている。この貼付剤の支持体に求められる機能としては、薬剤に対しバリア性(薬剤バリア性)があること、伸び性があることなどが挙げられる。薬剤バリア性は、薬剤が効率よく皮膚から吸収されるように、支持体が薬剤を吸収しない若しくは薬剤を吸収し難い性能のことである。伸び性は、貼付剤を肌に貼った後のごわつき感を抑えたり、貼った貼付剤が動作時に剥がれにくくなるようにしたりといった重要な要素である。
しかしながら、薬剤バリア性と伸び性とは、両立が難しいのが現状である。特に、薬剤バリア性があるプラスチックフィルムの材料としては、二軸延伸PET(PolyEthylene Terephthalate)やエチレン-ビニルアルコール共重合体やシクロオレフィンコポリマーなどのような、一部の材料に限定されてきてしまい、これら材料は強度が大きいために伸び性が低いという欠点がある。
例えば特許文献1では、PETやエチレン-ビニルアルコール共重合体などの材料を貼付剤の支持体として用いているが、これら材料では伸び性が低く、貼付剤として使用したときのごわつき感や、激しい動作時に剥がれやすいといった欠点がある。このように、従来から、貼付剤支持体用フィルムには、薬剤バリア性と伸び性の両立が求められている。
また、伸びる材料(延性が大きな材料)からなるフィルムは取扱いが難しく、製造工程や使用時に張力を掛けるとフィルムが伸びてしまい、製品として要求される所望のフィルムが得られない場合がある。また、通常のフィルムと同様に、貼付剤支持体用フィルムにも、キズや汚れ付着防止も必要である。
特許第6176846号公報
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、製造時の伸びや巻取りシワ等を抑制可能な成形安定性を有すると共に、使用時には薬剤バリア性と伸び性が良好な支持体としての貼付剤支持体用フィルム、これを用いた積層体や貼付剤を提供することを目的とする。
課題を解決するために、本発明の第一態様は、粘着剤層を一方の面側に配置可能な支持層を有する貼付剤支持体用フィルムであって、上記支持層は、膜厚が5μm以上150μm以下で、且つ層全体が厚さ方向にうねった形状に構成されることで面に沿って凹部と凸部を繰り返す凹凸構造を有し、上記凹凸構造は、上記凹部と上記凸部との高低差が上記支持層の厚さよりも大きく、上記支持層の上記一方の面又は上記一方の面とは反対側の面である他方の面に、剥離可能に保護層が積層し、上記支持層と上記保護層との剥離強度が、180°剥離試験で0.5N/15mm以下であることを要旨とする。
本発明の態様である貼付剤支持体用フィルムによれば、製造時の伸びを抑制可能な成形安定性を有し、かつ使用時には、簡易な構造で伸び性が良好である。
また、本発明の態様によれば、剥離可能な保護層を設けることで、支持層への傷や汚れの発生を防止する効果も有する。
本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける一例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける、支持層と保護層間の密着状態の例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおいて、支持層と保護層とを剥離している状態を表した断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける、フィルム厚さ・凹凸構造の高低差・凹凸構造の間隔を説明する断面模式図である。 本発明に関わる別の実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける、フィルム厚さ・凹凸構造の高低差・凹凸構造の間隔を説明する断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける断面形状を変更した一例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける断面形状を変更した一例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける断面形状を変更した一例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける断面形状を変更した一例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける断面形状を変更した一例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける断面形状を変更した一例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける断面形状を変更した一例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける一区画内での凹凸構造の延在方向例を示した俯瞰模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける一区画内での凹凸構造の別の延在方向例を示した俯瞰模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける一区画内での凹凸構造の別の延在方向例を示した俯瞰模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける一区画内での凹凸構造の別の延在方向例を示した俯瞰模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける一区画内での凹凸構造の別の延在方向例を示した俯瞰模式図である。 本発明に関わる実施例と従来の支持体フィルムの伸び挙動例を示すグラフである。 貼付剤支持体用フィルムの断面形状を変えた場合において、フィルム全体伸びと局所的な歪みの最大値との関係を示したグラフである。 貼付剤支持体用フィルムの断面形状を変えて示す断面図である。 本実施形態の別の熱可塑性樹脂を積層した積層体の例を示す断面模式図である。 従来の貼付剤支持体用フィルムを用いた貼付剤の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の積層体を用いた貼付剤の例を示す断面模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける、複数の区画を組み合わせた際の凹凸構造の延在方向例を示した俯瞰模式図である。 本実施形態の貼付剤支持体用フィルムにおける、複数の区画を組み合わせた際の凹凸構造の別の延在方向例を示した俯瞰模式図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、各図は模式的に示した図であり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするために適宜誇張して示している。また、説明を簡単にするため、各図の対応する部位には同じ符号を付している。
(貼付剤支持体用フィルムの構成)
本実施形態の貼付剤支持体用フィルムは、図1に示すように、貼付剤支持体用フィルム1の本体を構成する支持層2の一方の面2a側とは反対側の面2b側(図1中、下面側)に剥離可能な保護層3を有する。
支持層2は、一方の面2a側(図1中、上面側)に、薬剤入りの粘着剤層6が配置可能な層である。支持層2は、粘着剤層6に含有される薬剤に対し薬剤バリア性を有する材料から構成される。支持層2の材料は、貼付剤への使用が想定される薬剤に対し薬剤バリア性を有する公知のプラスチック材料から適宜、選択すればよい。
ここで、以下の実施形態の説明では、主に、図1に示すように、支持層2における、一方の面2a側(図1中上面側)が、薬剤入りの粘着剤層6を配置可能な面とした場合を例に挙げて説明する。
ただし、本発明は、図1に示すような、保護層3を積層する側とは反対側の面を、粘着剤層6を配置可能な面とする場合に限定されない。本発明は、図1において、保護層3を剥離後の支持層2の剥離面側(図1中、下面側)を、粘着剤層6を配置可能な面とする場合も含まれる。
支持層2の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体、及びそれらの変性重合体を挙げることが出来る。貼付剤は体に貼ることで、その粘着剤層6に含まれている薬効成分を皮膚に浸透させ、血液を通じて全身に作用させるものである。かかる貼付剤に使用される貼付剤支持体用フィルム1は、その薬効成分をバリアし、吸着しない又は吸着しがたいことが重要である。上記材料においては、薬効成分へのバリア性(非吸着性)が良好で、貼付剤の薬効成分を減らすことなく支持体としての機能を果たす。このような材料で支持層2を形成した場合には、例えばリバスチグミン、ツロブテロールのような薬剤に対し、薬剤バリア性を有する。
本実施形態の支持層2は、図1に示すように、層全体が厚さ方向にうねった形状(側方から見て蛇行した形状)に構成されることで、面に沿って凹部2Aと凸部2Bを繰り返す凹凸構造4を有する。凹凸構造4は、凹部2Aと凸部2Bとの高低差Hが支持層2の厚さよりも大きくなるように形成されている。凹凸構造4は、例えば、層全体を面方向に沿って蛇行した形状に加工することで設けることができる。
ここで、支持層2が複数層から構成されていても良い。支持層2が複数層から構成される場合、各層が同一の材料から構成されていても良いし、互いに異なる材料から構成されていても良い。
保護層3は、支持層2における、粘着剤層6が配置される面とは反対側の面(図1中下面)である他方の面に積層する。
保護層3の材料は、任意のものを使用可能であり、支持層2と保護層3の剥離強度や、製造工程内の寸法安定性を考慮し設計すればよい。保護層3の材料は、例えば、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどの安価な材料を用いることがより好ましい。
本実施形態の保護層3は、支持層2とは反対側を向く面である裏面3a(図1中下面)が平坦である。平坦とは、印刷適性を有する平坦度を有することを指す。保護層3の平坦度は、例えば、レーザ顕微鏡の200倍観察時の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm以下であることが好ましい。裏面に平坦性があることで、巻取り時にシワが出にくくなるものである。
また、本実施形態では、保護層3の支持層2側の面3bは、凹凸構造4の保護層3側の面形状に沿った形状となっている。すなわち、支持層2の空気との界面(図1中、上面)及び保護層3との界面に凹凸形状が付与されており、該2面での凹部2A及び凸部2Bの位置は一致している。
図1では、凹凸構造4を有する支持層2の下面2bに対し保護層3の上面3bが密着するように形成する場合を例示しているが、支持層2と保護層3との間に、空隙が形成されていても良い。例えば、保護層3を平板形状とし、保護層3の上面3bが、支持層2における凹凸構造4の凸部2B位置下面とだけ密着するように構成してもよい。
すなわち、本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、図1のように、支持層2の凸部の奥まで保護層3が入り込んでいても良いし、図2(a)(b)(c)のように支持層2の凸部と保護層3との間に、部分的に空隙11があっても良い。好ましくは、支持層2の凸部の奥まで保護層3が入り込んでいることであり、このような形態となることで、製造工程中で張力を掛けた際の伸びの抑制には効果的である。
支持層2と保護層3との180°剥離試験による剥離強度が0.5N/15mm以下となっている。支持層2と保護層3との180°剥離試験による剥離強度の下限値は、0.01N/15mmである。
本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、最終の製品製造の工程など、積層工程において図3のように支持層2から保護層3を剥離し、貼付剤支持体用フィルム1の本体である支持層2のみを取り出した上で、支持層2に対し機能層などの他の層の積層を行う。このような要求においては、支持層2と保護層3との180°剥離試験による界面剥離強度が0.5N/15mm以下であることが望ましい。このような剥離強度とすることで、支持層2と保護層3とが比較的容易に剥離可能となるものである。剥離強度を小さくしたい場合には、図2(b)などのように支持層2の凸部と保護層3との間に、部分的に空隙11がある状態が好ましい。このような状態とすることで、支持層2と保護層3との接触面積を減少することができ、剥離強度を減少させることが可能となる。
一方、剥離強度が0.01N/15mmより小さい場合には、支持層2と保護層3との密着が悪すぎるため、製造条件によっては、製造工程内で層間剥離が起こり、シワの発生や支持層2の寸法安定に不具合が生じる場合がある。
また本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、支持層2と保護層3との間に接着剤や粘着剤を介せずに直接に剥離可能に密着していることが好ましい。接着剤や粘着剤が介在しないことで、支持層2から保護層3を剥離した後に、支持層2の剥離面に他成分の付着残り(糊残り)などが発生しない。この結果、剥離後にも、支持層2の機能が損なわれることなく使用できるようになる。
(凹凸構造4について)
凹凸構造4について、隣り合う凸部2B同士の間隔D1及び隣り合う凹部2A同士の間隔D2(図2、図3参照)は、各々、等間隔など周期性を持って配置してもよいし、異なっていても良い。間隔D1,D2は、貼付剤に要望される所望の延伸状態に応じて適宜設定することが可能である。
また、凹凸構造4の形状は、図1~図12に示すように、厚さ方向の断面図において、直線や曲線を種々組み合わせた形状であり、本実施形態の貼付剤支持体用フィルム全面で同一パターンでも良いし、異なるパターンを組み合わせても良い。なお、図1~図12の形状パターンは参考例であり、これらの形状に限定するものではない。
凹凸構造4は、複数の凸部2Bの少なくとも一つの凸部2Bの頂部2Ba及び複数の凹部2Aの少なくとも一つの凹部2Aの底部2Aaのうち少なくとも一方が、断面平坦形状となっていても良い。
図1、図9は、凸部2Bの頂部2Ba及び凹部2Aの底部2Aaが共に断面平坦形状である場合を例示している。
図6、図10は、凸部2Bの頂部2Baが断面平坦形状であり、凹部2Aの底部2Aaが断面V字形状である場合を例示している。
図7、図11は、凸部2Bの頂部2Baが断面V字状に尖った形状であり、凹部2Aの底部2Aaが断面平坦形状断面である場合を例示している。
また、凹凸構造4は、図8、図12に示すように、凸部2Bの頂部2Ba及び凹部2Aの底部2Aaは、それぞれ層厚方向に断面V字形状に尖った形状となっており、例えば、凹凸構造4が断面鋸刃状に形成されていても良い。
図9~図12は、断面において面の向きが変更される境界である稜線部(断面V字形状の部分を除く)の角を丸めた形状とした例である。
また凹凸構造4は、凹部2A及び凸部2Bが、粘着剤層6を形成する側の面側(図1では上面2a側)からみて、図13及び図14に示すように、それぞれ直線状に延在するような凹凸パターンで構成しても良い。凹部2A及び凸部2Bは同幅で構成しても良いし、幅が異なるように構成しても良い。
図13は、凹凸構造4を形成する領域10を辺10a、10bを境界とした長方形形状とし、短辺10bに平行となるように、凹部2A及び凸部2Bの延在方向を設定した例である。すなわち、面方向に沿って、領域10の長辺10a方向に向けて凹部2A及び凸部2Bが並ぶように凹凸構造4を形成した例である。
図14は、凹凸構造4を形成する領域10を長方形形状とし、凹部2A及び凸部2Bの延在方向を、短辺10b及び長辺10aの両方から傾くように設定した例である。
また凹凸構造4は、凹部2A及び凸部2Bが、粘着剤層6を形成する側の面側(図1では上面側)からみて、図15~図17に示すように、凹部2A及び凸部2Bの延在方向の少なくとも一部が曲線で構成されるような凹凸パターンで構成しても良い。凹部2A及び凸部2Bは同幅で構成しても良いし、幅が異なるように構成しても良い。
図15は、凹凸構造4を形成する領域10を長方形形状とし、凹部2A及び凸部2Bの延在方向を、同心円状に設定した例である。
図16は、凹凸構造4を形成する領域10を長方形形状とし、凹部2A及び凸部2Bの延在方向を、同心且つ楕円状(相似形楕円形状)に設定した例である。
図17は、凹凸構造4を形成する領域10を長方形形状とし、凹部2A及び凸部2Bの延在方向を、短辺に平行となるように設定する共に、延在方向に沿って蛇行する蛇行状態に設定した例である。
なお、以上の凹凸パターンは一例であり、これらの形状に限定されるものではない。
例えば、一つの領域10内に、凹部2A及び凸部2Bの基本の延在方向を直線形状とし、一部に曲線に沿って延在する部分を設けたり、図13のパターンと図17のパターンを混合したパターン形状に設定したりしても良い。
また、凹凸構造4を形成する領域10についても、長方形形状を例示したが、領域10の形状は、長方形形状に限定されるものではない。領域10の輪郭が、円形形状等であっても良い。
また、支持層2の全面を、凹凸構造4を設ける領域10とする必要もない。例えば、図13における左右両側の縁部や凹凸の延在方向の中央部などに、凹凸構造4を形成しない箇所があっても良い。図13の場合、左右方向に伸び性が大きくなっているので、その伸びを拘束しない位置であれば、支持層2に、部分的に凹凸構造4がない部分が存在していても問題はない。
(貼付剤支持体用フィルム1の厚さ及び凹凸部の高さ等)
また、凸部2B位置での、貼付剤支持体用フィルム1の総厚Tは、例えば10μm以上450μm以下であると好ましく、より好ましくは10μm以上300μm以下である。
貼付剤支持体用フィルム1の支持層2の厚さは、必ずしも均一である必要はない。凹凸形状加工後のフィルムにあっては、稜線付近(向きの異なる二つの部の連結部付近)の支持層2の厚さは、他の部分の支持層2の厚さと異なっていても良い。
支持層2の厚さは、5μm以上150μmが好ましく、より好ましくは10μm以上100μmである。
保護層3の厚さ(凹凸構造4の凹部2Aにおける厚さt3、図4,5参照)は任意であるが、支持層2の凹部2Aと密着している部分の厚さt2が5μm~150μmであると好ましく、より好ましくは10μm~100μmである。保護層3の厚さが薄すぎると、製造工程における伸びや巻取りシワの抑制効果が足りない場合があり、更には支持層2と保護層3を剥離する際に、保護層3のフィルムのコシ強度が足りずに剥離がうまくできない場合がある。また、保護層3の厚さが厚すぎると、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
凹凸構造4の凹部2Aと凸部2Bの高低差Hは、10μm以上300μm以下の範囲であると良い。凹部2Aと凸部2Bの高低差Hが10μm未満の場合には、歪の調整効果を得ることは難しく、また、300μmを超える場合には、製造上、凹凸構造4をつけることが難しくなるおそれがある。より好ましくは、高低差Hが10μm以上200μm以下の範囲内であるとより良い。高低差Hは、保護層3の厚さよりも厚いことが前提である。
凹凸構造4は凹部2Aと凸部2Bが規則的に並んでいる周期的構造であると良い。非周期的な構造としないことで、意図した伸び性を得やすいと同時に、凹凸構造4の設計や製作を簡便にすることができる。但し、非周期的な凹凸構造4や部分的に凹凸構造4の幅を変更することは任意である。
(作用その他)
貼付剤支持体用フィルムの本体である支持層2は、凹凸構造4を有する特異構造により所要の伸び性が付与されている。すなわち、支持層2単体では伸び性があるために、製造工程で支持層2に張力を掛けた際に支持層2が必要以上に伸びてしまい、巻取りなどの操作時に、貼付剤支持体用フィルムにシワが生じたり、貼付剤支持体用フィルムの寸法が不安定になったりするという不具合が発生する場合がある。
これに対し、本実施形態の貼付剤支持体用フィルムでは、支持層2に対し保護層3が積層されている。このため、この保護層3が製造工程中でいわゆる支持体の役割をすることで、支持層2の伸びの抑制をし、巻取りシワ発生の抑制や寸法安定性に寄与する。
また、保護層3は、支持層2の下面を保護して、キズの発生や汚れ付着防止においても機能する。
ここで、本実施形態のような凹凸構造4を設けない平板形状の支持層2から貼付剤支持体用フィルム(比較フィルムとも呼ぶ)を構成した場合、比較フィルムの伸び挙動は、図18の符号21に示したように、フィルムが伸び始めてから短い距離でのみ弾性変形が生じ、すぐに降伏点(以降、ネッキングが始まる起点を降伏点と呼ぶ)を迎える。降伏点以降は、ネッキングを伴う塑性変形が生じ、破断点に到達すると、フィルムが破断する。
一方、本実施形態の支持層2は、例えば図1の左右方向、即ち周期的な凹凸構造4の並び方向に引っ張った場合に、まず弾性変形による形状変形が生じ、その後、形状変形の一部に塑性変形を生じる。更に引っ張り続けると引っ張り応力により凹凸構造4の高低差Hが小さくなりフラットに近づくことで形状変形できなくなる。すなわち、主に凹凸構造が潰れて広がる段階(あまり力をかけずに伸びる領域)と、潰れた凹凸構造がさらに引き伸ばされて、ほぼフラットになる段階(力が掛かって伸びる領域)を経て降伏点に達し、最終的にはネッキングが発生し、破断する。
本実施形態の支持層2は、このような多段階からなる形状変形を行うことで、図18の符号21に示したように、従来の貼付剤支持体用フィルムよりも降伏点を迎えるまでの伸び量が大きくなり、かつ伸びに要する応力が小さくなる。このため、本実施形態の支持層2は、ネッキングせず容易に伸びる性質に寄与する。
このように、一般的に伸び性が低いとされる材料で作られた支持層2であっても、形状に工夫を与えることより、支持層2に対し、高い伸び性を付与することができる。つまり、保護層3を剥離した後の貼付剤支持体用フィルム(支持層2)は、強度と伸び性を両立することができる。
このとき、支持層2の断面の形状を適切に制御することにより、任意の伸び性を得ることができる。例えば、フィルムを破断させずに大きく伸ばすようにしたい場合には、凹凸構造4の山谷の高低差Hを大きくし、稜線頂部又は稜線谷部は丸みをあまり帯びないようにするなどの調整を行うとよい。
本実施形態にかかる保護層3を剥離した後の貼付剤支持体用フィルムは、引張時の初期においては、貼付剤支持体用フィルム全体は、支持層2の形状が変化することにより伸び性を向上させることができる。つまり、通常のフラットな面を持つ貼付剤支持体用フィルムのように、引っ張り当初の段階から材料自身が塑性変形して伸びることでフィルムが伸びている。本実施形態に係る保護層3を剥離した後の貼付剤支持体用フィルムにおいては、凹凸構造4の並び方向に引っ張った場合は、引っ張り当初において、支持層2の凹凸構造4に局所的な歪み(伸びや縮み)が生じ、それにより形状が変化し、潰れていくことで、弱い応力で大きな伸び性を得ることができる。そのため、凹凸構造4の形状を適切に設定することで、フィルム全体の伸びを自在に調整することが出来る。
(保護層3を剥離した後の貼付剤支持体用フィルム(支持層2)の全体の伸びと局所的な歪みの最大値との関係)
図19は、保護層3を剥離した後の貼付剤支持体用フィルム1である、支持層2の凹凸構造4の形状を変えた場合における、全体の伸びと局所的な歪みの最大値との関係を示したものである。縦軸が局所的な歪みの最大値であり、横軸がフィルム全体の伸びである。点線で示す凹凸構造4を持たない平板状の支持層2を比較例としている。
また、図19で示す評価に用いた高い伸び性を持つ支持層2の断面形状を、図20に示す。図20(a)に示す形状Aは、凹凸構造4の凹部2Aと凸部2Bの高低差Hが比較的大きく、図20(b)に示す形状Bは、凹凸構造4の凹部2Aと凸部2Bの高低差Hが比較的小さく(但し支持層2の厚さより大きくして層厚を等しくしている)なっている。そして、本実施形態の高い伸び性を持つ支持層2は、その凹凸構造4の違いにより、全体の伸びと局所的な歪みの最大値の関係が大きく変化することが分かる。
例えば図20(a)の形状Aのように凹凸構造4の凹部2Aと凸部2Bの高低差Hを比較的大きくすることで、図19に示すように、貼付剤支持体用フィルム1全体の伸びを局所的な歪みよりも小さくすることが出来る。形状Aを採用した貼付剤支持体用フィルム1では、フィルム自体が破断などのクラックが生じづらい。その他、例えば表面に硬い機能層を積層(例えば、蒸着やハードコートなど)した状態で引っ張っても、硬い機能層にクラックが入りにくくすることができる。硬い機能層は、上述の局所的な歪みの分だけ負荷が掛かるためである。つまり、形状Aを採用した支持層2は、例えば機能層を積層した積層体へ応用することで、硬い機能層の破壊を抑えつつ伸び性を持たせることも可能である。
図20(b)の形状Bでは、凹凸構造4の凹部2Aと凸部2Bの高低差Hが比較的小さい形状であるが、この場合は、図19に示すように、支持層2全体の伸びよりも局所的な歪みの方が大きくなる場合もあり得る。しかしながら、フィルム全体の伸びは形状無しのフィルムと比較して大きく高い伸び性を示すものである。これらの凹凸構造4は、所望とする支持層2の伸び性と強度、又は積層する機能化層の材料や形態などを勘案し最適化すればよい。例えば、汎用非線形有限要素解析ソリューションMarc(登録商標)を用いて最適化することで、目的とする実用的な貼付剤支持体用フィルム1を得ることが可能となる。
更に、伸び性を高めるためには、凹凸構造4の高低差Hは、支持層2の厚さ(凸部2Bの頂部2Baの厚さt1と凹部2Aの底部2Aaの厚さt2の平均値、図4,図5参照)よりも大きいと良い。こうすることにより、支持層2の断面がフラットになりにくく、歪の調整効果を効果的に得ることが出来る。
(貼付剤支持体用フィルム1の特性)
また、本実施形態の高い伸び性を持つ保護層3を剥離した後の貼付剤支持体用フィルム(支持層2)は、応力を掛けた際に伸びる効果があるため、衝撃耐性も高く、凹凸構造4が潰れることによる衝撃吸収性も高いという特性も有している。
更に、凹凸構造4が図1のような1次元的構造の場合、凹凸の延在方向(図1では紙面方向)には曲げ剛性が強いという性質もある。曲げ剛性は、断面二次モーメントとヤング率の掛け算の積分によって決まる。本実施形態の高い伸び性を持つ貼付剤支持体用フィルム1は、同樹脂量の通常の貼付剤支持体用フィルム1に比べ、この断面二次モーメントが大きくなるため、曲げ剛性は高まる。
一方、凹凸構造4が図1のような1次元的構造の場合、凹凸の並び方向では、凹凸構造4を設けても支持層2の曲げ剛性は向上しないが、保護層3を設けることで、その分、曲げ剛性が向上している。すなわち、保護層を剥離する前の製造工程においては、剛性や強度が向上しているため、製造工程内での伸び防止やハンドリング性向上に寄与している。
(貼付剤支持体用フィルムの製造方法)
本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1の製造方法については、例えば熱プレスによる方法や、押出成形による方法を用いることができる。
熱プレスによる方法では、製膜した多層フィルムを、片側表面に凹凸形状を設けた加熱ロール間、もしくは加熱した平板状のプレス機に通すことで作製が可能である。この際、プレス深さやプレス圧を調整することによって、支持層2と空気の界面、及び支持層2と保護層3の界面には凹凸形状が付与され、保護層3空気との界面は略平坦面が保持される。
又は、製膜した単層フィルムを、プレス表裏に凹凸形状を設け精密位置合わせされたプレス機に通すことにより支持層2のフィルムが作製でき、更に後工程で保護層3を加熱し、圧着することも可能である。
また、押出成形による方法では、複数の押出機を使用し、複数種類の別の樹脂をフィードブロック法、又はマルチマニホールド法により共押出することで、2層以上の多層構成のフィルムを得ることができる。フィルム化するための冷却工程において、凹凸構造4に対応する凹凸が表面に設けられた冷却ロールを用いて、ニップ圧力を付加しながら冷却することで、凹凸構造4をつけることが出来る。この時、冷却ロールと接する支持層2のフィルム厚さtに対し、凹凸構造4の山谷の高低差Hが大きいときには、支持層2と保護層3の界面にも同様に凹凸構造4が付加されるため、冷却後に支持層2と空気の界面及び保護層3との界面には凹凸形状が付与され、保護層3と空気の界面は略平坦となるフィルムを得ることが可能である。
さらに押出成形による別の方法では、タンデム機を用いて作製することができる。すなわち、前半部で1台の押出機から単層にて押出し、フィルム化するための冷却工程において、凹凸構造4に対応する凹凸が表面に設けられた1対の冷却ロールを用いて、ニップ圧力を付加しながら冷却することで、凹凸構造4をつけた単層の支持層2を得ることが出来る。次いで後半部では、別の押出機から押出された保護層を前記単層の支持層2にラミネートすることで、保護層付きの貼付剤支持体用フィルム1を得ることができる。この際、プロセス条件により、支持層2と保護層3の間の空隙を適宜調整することができ、それにより界面剥離強度を調整することが可能である。
その他、射出成形など、凹凸構造4を付加するいずれかの方法が選択可能であり、特に方法が限定されるものではない。
(積層体)
支持層2が高い伸び性を持つ貼付剤支持体用フィルムは、後工程で支持層2の最表面、又は、支持層2から保護層3を剥離した後の支持層2の剥離面に印刷層や蒸着層、ハードコート層、反射防止層などの機能層を積層した積層体とすることもできる。又は、支持層2から保護層3を剥離した後の支持層2の剥離面に、別の熱可塑性樹脂31などを積層した積層体とすることもできる(図21参照)。別の熱可塑性樹脂31は、例えば上述のような機能層を構成する。図21では、積層した別の熱可塑性樹脂31の上に粘着剤層6を形成した場合を例示している。別の熱可塑性樹脂31の代わりに、直接、粘着剤層6を設けても良い。
図22は、一般的な貼付剤の概略断面図を示したものである。この一般例では、貼付剤支持体用フィルム8の片面に薬剤を含有した粘着剤層6があり、粘着剤層6の表面に剥離ライナー7を設けた構成である。肌に貼る場合は剥離ライナーを剥がし、粘着剤層6を肌に貼って使用する。そして、粘着剤層6中に含有された薬剤が皮膚から吸収され、作用するものである。
このような一般的な貼付剤支持体用フィルム8では、伸び性が不足しており、貼付剤を肌に貼った後のごわつき感や、伸び性不足のために、動作時に貼付剤の端部などが剥がれてくる場合があるという問題を抱えている。
一方、本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1又は積層体を使用することで、伸び性を持たすことができるようになり、上述のごわつき感や剥がれが解消される。
一例として、図23に本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1を使用した場合の貼付剤9の断面図を示す。本実施形態では、薬剤バリア性の高い材料を用いることで、薬剤が効率良く皮膚に吸収される効果があり、また貼付剤支持体用フィルム1の材料自体は硬く伸びにくい材料であっても、高い伸び性を示す。
ここで、本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1は、保護層3を剥離した後の支持層2が貼付剤の構成要素として使用される。これを考慮して、図21,図23(a)では、支持層2に別の熱可塑性樹脂31を配置する場合を例示している。
(貼付剤支持体用フィルム1の別な実施形態)
貼付剤支持体用フィルム1を構成する支持層2は、図24,図25のように、複数の領域10を有し、各領域10毎に個別の凹凸パターンで凹凸構造4が形成されるようにしても良い。
図24,図25は、一連の貼付剤支持体用フィルム1において、複数の区画で区分することで、複数の領域10(図24,図25は4つの領域10に区分した例)を設定した場合であり、凹凸構造4の延在方向を実線で示している。符号10cは、隣り合う境界線10の境界を示す。
図24は、凹凸構造4の延在方向が、各区画の縁と平行であり、隣接する区画内の凹凸構造4の延在方向とは直交する配置となっている。伸び性の良いフィルムには、加工時にフィルムが伸びて安定製膜が難しいと言う問題があるが、図24のような配置とすることで、成形加工時にさらに安定した製膜が可能となり、最終製品では区画毎にカットしたり、打ち抜き加工を行ったりすることで、所望の一方向へ伸びる貼付剤支持体用フィルム1を提供できる。隣接する区画同士の間には、明瞭な境界がなくてもよく、また、一連の貼付剤支持体用フィルム1上に存在する区画の数や区画サイズは任意に設定することが可能である。また、各領域10間に凹凸構造4を有しない領域10が存在していても良い。
カットする位置も任意に設定することが可能であり、例えば図24に示した配置において、各領域10を縦若しくは横方向に半裁することで、縦方向と横方向等の2方向に伸びやすい2区画分の貼付剤支持体用フィルム1を得ることができる。この場合、フィルムの半分を固定し、残りの半分のみ伸び性を持たせたい場合などに効果がある。すなわち、複数領域10で一つの最終製品を構成するように設計しても構わない。この場合、貼付剤を肌に張る場合に、最初はフィルムの伸びない半分を肌に貼って固定し、残りの半分を伸ばして貼ることも可能である。
図25に示す貼付剤支持体用フィルム1は、各領域10の一辺から、これと交差する他辺へと角度付けされた凹凸構造4がストレートに延在している。それ以外の構成は、図24に示す貼付剤支持体用フィルム1と同様である。凹凸構造4の、領域12を区画する境界線10cに対する角度は任意であり、領域10毎に角度が異なっていても良い。
(本実施形態の効果)
(1)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1は、粘着剤層を一方の面側に配置可能な支持層2を有する貼付剤支持体用フィルムであって、支持層2は、膜厚が5μm以上150μm以下で、且つ層全体が厚さ方向にうねった形状に構成されることで面に沿って凹部と凸部を繰り返す凹凸構造4を有し、凹凸構造4は、凹部と凸部との高低差Hが支持層2の厚さよりも大きく、支持層2の一方の面とは反対側の面である他方の面に、剥離可能に保護層3が積層し、支持層2と保護層3との剥離強度が、180°剥離試験で0.5N/15mm以下である。
この構成によれば、製造時の伸びや巻取りシワ等を抑制可能な成形安定性を有すると共に、薬剤バリア性と伸び性が共に良好な、保護層剥離後の貼付剤支持体用フィルム1を提供できる。
例えば、本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、薬剤バリア性を有するフィルムから支持層2を形成しても、凹凸構造4を設けることで支持層2の伸び性を向上させることができる。このとき、支持層2に剥離可能な保護層3を設けることで、使用の際に上記の伸び性を確保しつつ、貼付剤支持体用フィルム1の製造工程や後工程でのハンドリング時に、貼付剤支持体用フィルム1に対し所要の強度を付与することが出来る。すなわち、巻取りなどの製造時の工程において伸びを抑制可能な成形安定性を貼付剤支持体用フィルム1に付与可能となる。
また、剥離可能な保護層3を設けることで、支持層2への傷や汚れの発生を防止する効果も有する。
(2)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1は、保護層3の支持層2側の面3bは、凹凸構造4の保護層3側の面形状に沿った形状となっている。
この構成によれば、保護層3と支持層2との間の剥離強度を抑えつつ、保護層3による強度付与効果をより確実に行うことができる。
(3)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1は、保護層3における支持層2とは反対側を向く面である裏面3aが平坦である。
この構成によれば、裏面に平坦性があることで、両面凹凸のものよりも巻取り時にシワが出にくくなるものである。
(4)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1は、支持層2と保護層3との間に接着剤及び粘着剤が介在せず、支持層2と保護層3とが直接に剥離可能に接着している。
この構成によれば、支持層2における保護層3剥離後の剥離面に、他成分の付着残り(糊残り)などが発生しない。この結果、剥離後にも、支持層2の機能が損なわれることなく使用できるようになる。
(5)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1は、支持層2の材料が、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリル、エチレン‐ビニルアルコール共重合体、及びそれらの変性重合体、のいずれかから選ばれる樹脂からなる。
この構成によれば、支持層2に薬剤バリア性を付与することが出来る。
(6)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、支持層2と保護層3との間に1又は2以上空隙が形成されている。
この構成によれば、空隙を設けることで、支持層2と保護層3と間の剥離強度を小さく設定しやすくなる。
(7)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、凹凸構造4は、複数の凸部2Bの少なくとも一つの凸部2Bの頂部2Ba及び複数の凹部2Aのうち少なくとも一つの凹部2Aの底部2Aaの少なくとも一方が、断面平坦形状となっている。
この構成によれば、本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1は、降伏点までの伸び量を稼ぎやすく、より大きな伸びが所望される貼付剤の支持体に適している。また平坦面が存在することで、薬剤入り粘着剤層または機能層を積層する際に、接触面積が増えるため密着強度が良好となる。
(8)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、凹凸構造4は、凸部2Bの頂部2Ba及び凹部2Aの底部2Aaは、それぞれ層厚方向に断面V字形状となっている。
この構成によれば、断面V字形状の位置で引裂き直進性が向上するため、所望のサイズに切って使用する場合に、任意の断面V字形状の位置で簡単に切ることができる利点がある。
(9)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、平面視で、凹部及び凸部がそれぞれ直線状に延在している。
この構成によれば、凹凸の並び方向への伸び性を確実に大きく出来るともに、凹凸の延在方向への曲げ剛性を高く設定可能となる。
(10)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、平面視で、凹部及び凸部2Bの延在方向の少なくとも一部が曲線で構成されている。
この構成によれば、凹凸の並び方向への伸び性を確実に大きく出来るともに、凹凸の延在方向への曲げ剛性を高く設定可能となる。
また、少なくとも一部で延在方向に曲線が設けられていることで、例えば、体が曲がる方向を想定して曲線を形成することで、貼り付けた位置の体の変化に対し、より追従性が増すといった利点がある。
(11)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、凹凸の高低差Hは、10μm以上300μm以下である。
この構成によれば、確実に伸び性を向上させることができる。
(12)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、凹凸が、等間隔など周期的に並んでいる。
この構成によれば、伸び性の設定がしやすくなる。
(13)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、凹凸の間隔が非周期的である。
この構成によれば、例えば、体のより曲がる部分のピッチを狭くし、曲がりの少ない部分のピッチを広くすることで、体の動きに合わせて貼付剤の伸びを制御来ることが可能となる。例えば、関節部や肩甲骨付近といった体の凹凸感が大きく変わる部分での追従性が良くなる利点がある。
(14)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1では、支持層2は、複数の領域10を有し、各領域10毎に個別の凹凸パターンで凹凸構造4が形成されている。
この構成では、最終製品の原反として使用する場合、各領域10の伸びがある程度相殺しあうこことで、過剰な伸びが抑制されて、ロール形状などにしてフィルムを管理する際に、貼付剤支持体用フィルム1の扱いが容易となる。
また、最終製品の貼付剤支持体用フィルム1として使用する場合、伸び易い方向を2方向以上に設定しやすくなる。
(15)本実施形態の貼付剤支持体用フィルム1の支持層2側の面に機能層が積層された積層体としてもよい。
この構成によれば、伸び性が良い積層体を提供可能となる。
(16)本実施形態の貼付剤は、貼付剤支持体用フィルム1又は積層体における支持層2の一方の面側に、粘着剤層6が積層すると共に、その粘着剤層6の上に剥離ライナーが形成されている。
この構成によれば、製造時の手間やコストを抑えつつ、簡易な構造で、支持体としての強度を確保しつつ、薬剤バリア性と伸び性が共に良好な貼付剤を提供可能となる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではないことはいうまでもない。また、以上の実施の形態を組み合わせて用いることは、任意である。
以下、本発明者らが作成した実施例について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
貼付剤支持体用フィルム1の材料は、支持層2として、ポリプラスチックス株式会社製の環状オレフィン・コポリマー(COC)TOPAS 8007(商品名)を用いた。また、保護層3として、PSジャパン株式会社製のポリスチレン(PS)HF77(商品名)を用いた。そして、貼付剤支持体用フィルム1は、押出成形により、支持層2側を凹凸の付いたロールで、保護層3側を略平坦面を有する鏡面ロールでニップし、2層構造に製膜して実施例1のサンプルとした。
支持層2の厚さは12μm、保護層3の厚さは30μmとし、凹凸構造4は、台形断面形状を周期的に並べる形状とした。台形凹凸構造4の高低差Hは31μm、ピッチは140μm、上辺長さは61μm、下辺長さは68μmとした。
(実施例2)
高低差H25μm、ピッチ50μmの波状断面形状に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のサンプルを作製した。
(実施例3)
支持層2として、日本合成化学工業株式会社製のエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)ソアノール D2908(商品名)を用いた。保護層3として、日本ポリエチレン株式会社製の低密度ポリエチレン(LDPE)ノバテックLD LC701(商品名)を用いた。支持層2の厚さは30μm、保護層3の厚さは45μmとし、凹凸構造4は、台形断面形状を周期的に並べる形状とした。台形凹凸構造4の高低差Hは60μm、ピッチは255μm、上辺長さは205μm、下辺長さは224μmとした。
それ以外は実施例1と同様の方法で実施例3のサンプルを作製した。
(実施例4)
支持層2の厚さは50μm、保護層3の厚さは50μmとし、凹凸構造4を、高低差H100μm、ピッチ200μmの波状断面形状に変更した以外は、実施例3と同様の方法で実施例4のサンプルを作製した。
(実施例5)
支持層2の厚さは125μm、保護層3の厚さは50μmとし、凹凸構造4を、高低差H250μm、ピッチ500μmの波状断面形状に変更した以外は、実施例3と同様の方法で実施例5のサンプルを作製した。
(実施例6)
支持層2の厚さは6μm、保護層3の厚さは12μmとし、凹凸構造4を、高低差H31μm、ピッチは140μm、上辺長さは61μm、下辺長さは68μmの台形断面形状に変更した以外は、実施例3と同様の方法で実施例6のサンプルを作製した。
(実施例7)
実施例3において、支持層2の厚さは6μm、保護層3の厚さは12μmとし、凹凸構造4を、高さ25μm、ピッチ50μmの波状断面形状に変更した以外は、実施例3と同様の方法で実施例7のサンプルを作製した。
(比較例1)
押出成形時に支持層2側にも凹凸のない鏡面のロールを用いて、表裏に凹凸形状のないサンプルを作製した。それ以外は実施例1と同様の方法で比較例1のサンプルを作製した。
(比較例2)
実施例1において、保護層3として、株式会社プライムポリマー製の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)エボリューSP2040(商品名)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のサンプルを作製した。
(比較例3)
押出成形時に支持層2側にも凹凸のない鏡面のロールを用いて、表裏に凹凸形状のないサンプルを作製した。それ以外は実施例3と同様の方法で比較例3のサンプルを作製した。
(比較例4)
支持層2の厚さは3μm、保護層3の厚さは30μmとし、凹凸構造4を、高低差Hは31μm、ピッチは140μm、上辺長さは61μm、下辺長さは68μmの台形断面形状に変更した以外は、実施例3と同様の方法で比較例4のサンプルを作製した。
(比較例5)
保護層3の樹脂を使用せず、支持層2のみで単層押出とし、凹凸のついた一対のロールでニップすることで、サンプルを作製した。支持層2の厚さは12μmとし、凹凸構造4を、高低差Hは31μm、ピッチは140μm、上辺長さは61μm、下辺長さは68μmの台形断面形状に変更した以外は、実施例3と同様の方法で比較例5のサンプルを作製した。
(比較例6)
支持層2の厚さは30μmとし、凹凸構造4を、高低差Hは60μm、ピッチは255μm、上辺長さは205μm、下辺長さは224μmの台形断面形状に変更した以外は、比較例5と同様の方法で比較例6のサンプルを作製した。
(比較例7)
支持層2の厚さは50μmとし、保護層3の厚さは30μmとし、凹凸構造4を、高さは31μm、ピッチは140μm、上辺長さは61μm、下辺長さは68μmの台形断面形状に変更した以外は、実施例3と同様の方法で比較例7のサンプルを作製した。
なお、できあがったサンプルは、支持層2と保護層3界面で台形形状ができていないものであった。
(比較例8)
支持層2として、NatureWorks社製のポリ乳酸(PLA)Ingeo 3052D(商品名)を用いた。保護層3として、日本ポリエチレン株式会社製の低密度ポリエチレン(LDPE)ノバテックLD LC600A(商品名)を用いた。支持層2の厚さは6μm、保護層3の厚さは12μmとし、凹凸構造4は、台形断面形状を周期的に並べる形状とした。台形凹凸構造4の高低差Hは31μm、ピッチは140μm、上辺長さは61μm、下辺長さは68μmとした。
それ以外は実施例1と同様の方法で比較例8のサンプルを作製した。
(支持層2と保護層3間の剥離強度評価方法)
各実施例及び比較例における貼付剤支持体用フィルム1の剥離強度を評価するため、引張試験評価を実施した。
剥離強度評価は、JISK7127:1999に基づき、株式会社エー・アンド・デイ製テンシロン万能材料試験機(RTC-1250A)を用いて、支持層2と保護層3間をあらかじめ端部のみ剥離してあるサンプルを上下のチャックに別々にセットし、ゼロの状態から支持層2と保護層3間を180°剥離を行い、剥離強度が安定している区間の平均値を求めることで実施した。
測定条件については、サンプル幅は15mm、チャック間距離は50mm、引張速度は100mm/minとした。支持層2と保護層3間の剥離強度が0.3N/15mm未満を「○」とし、0.3N/15mm以上0.5N/15mm以下を「△」、0.5N/15mmを超えたら「×」とした。
(成形加工性評価方法)
各実施例及び比較例における貼付剤支持体用フィルム1の成形加工性の評価を実施した。
成形加工性評価は、主にフィルム製膜~巻取りまでの段階で、フィルムとして不具合なく成形加工できているかという点と、巻取り後のフィルムサンプルにおいて、外観に不具合が見られないかという点に注目し、目視判断評価を実施した。
成形加工性に不具合がない場合を「○」とし、不具合がある場合を「×」とした。
(伸び性評価方法)
各実施例及び比較例における、保護層剥離後の貼付剤支持体用フィルム1の伸び性能を評価するため、引張試験評価を実施した。
伸び性評価は、JISK7127:1999に基づき、株式会社エー・アンド・デイ製テンシロン万能材料試験機(RTC‐1250A)を用いて、ゼロの状態からフィルムが破断するまで引っ張り力を付与しつつ、ゼロ状態から降伏点を迎えるまでの伸び量(以降、降伏点伸び性と呼ぶ)を求めることで実施した。
測定条件については、サンプル幅は15mm、チャック間距離は50mm、引張速度は100mm/minとした。
降伏点伸び性は20%以上を「○」とし、それ未満を「×」とした。
(薬剤吸着評価方法)
各実施例及び比較例における貼付剤支持体用フィルム1の薬剤吸着性能を評価するため、吸着性試験評価を実施した。
サンプルを100mm角にカットした後、サンプル中央に貼付剤(リバスタッチパッチ18mg、小野薬品工業(株)製)を貼付した。薬剤が揮発・拡散しないようにアルミ箔で密閉し、40℃75%の環境で6ヶ月保管した。その後、フィルムから貼付剤を剥がし、フィルムに吸着した薬剤をメタノールで55℃・3時間以上抽出し、Agilent Technologies社製の超高速液体クロマトグラフィー 1260 HPLCシステムにより薬剤の吸着量を測定した。薬剤吸着量は、元々の貼付剤の薬剤量の10%未満であれば「○」、それ以上であれば「×」とした。
各実施例における条件、及び評価結果の一覧表を表1に示す。また、各比較例における条件、及び評価結果の一覧表を表2に示す。
なお、表中、第1層は支持層2を意味し、第2層は保護層3を意味する。
Figure 0007271906000001
Figure 0007271906000002
(評価結果)
表1からわかるように、実施例1~7では、二層構成のフィルムにおいて、支持層2と空気、及び保護層3との界面に凹凸構造4同士が平行に延在して設けられており、保護層3と空気との界面が略平坦である構成で、支持層2の厚さが5~150μmであるため、成形加工時の不具合もなく、使用時には適切な剥離強度で剥離できる。剥離後の支持層2は、降伏点伸び性も良好で、薬剤吸着性も良い結果を示すことが分かる。
一方、表2における比較例1、3では、支持層2、保護層3ともにフラットなフィルムであるため、使用時には降伏点伸び性が小さく伸びないフィルムであった。
比較例7では、凹凸構造4の高低差Hよりも支持層2の厚さが大きいために、支持層2と保護層3との界面がフラットになっており、その結果フラットなフィルムと同様に使用時には降伏点伸び性が小さく伸びないフィルムとなった。
また比較例2では、支持層2としてCOC樹脂、保護層3としてLLDPE樹脂を用いたために、支持層2と保護層3間の密着が良く、剥離強度が大きくなりすぎてしまい、剥離不良が生じた。
比較例4では、支持層2の厚さが3μmと薄すぎるためにフィルムとしてのコシ強度が小さく、その結果、支持層2と保護層3間の剥離強度が大きくなりすぎてしまい剥離不良が生じた。
比較例5、6では、支持層2のみを用いてフィルムの表裏両方に凹凸構造4が付与されており、成形加工時に巻取りがうまくできずにシワが入ってしまうとともに、巻取りの圧力により構造の一部が潰れてしまい、均一なフィルムが作れない結果となった。また比較例8では、支持層2の材料としてPLAを用いたため、薬剤バリア性が悪く、貼付剤としての要件を満たしていない結果となった。
1 貼付剤支持体用フィルム
2 支持層
2A 凹部
2Aa 底部
2B 凸部
2Ba 頂部
3 保護層
4 凹凸構造
6 粘着剤層
7 剥離ライナー
10 領域
H 高低差

Claims (17)

  1. 粘着剤層を一方の面側に配置可能な支持層を有する貼付剤支持体用フィルムであって、
    上記支持層は、膜厚が5μm以上150μm以下で、且つ層全体が厚さ方向にうねった形状に構成されることで面に沿って凹部と凸部を繰り返す凹凸構造を有し、
    上記凹凸構造は、上記凹部と上記凸部との高低差が上記支持層の厚さよりも大きく、
    上記支持層の上記一方の面とは反対側の面である他方の面に、剥離可能に保護層が積層し、
    上記支持層と上記保護層との剥離強度が、180°剥離試験で0.5N/15mm以下であり、
    上記支持層と上記保護層との間に接着剤及び粘着剤が介在せず、上記支持層と上記保護層とが直接に剥離可能に接着していることを特徴とする貼付剤支持体用フィルム。
  2. 上記保護層の上記支持層側の面は、上記凹凸構造の上記保護層側の面形状に沿った形状となっていることを特徴とする請求項1に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  3. 上記保護層における上記支持層とは反対側を向く面である裏面が平坦であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  4. 上記支持層の材料が、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体、及びそれらの変性重合体、のいずれかから選ばれる樹脂からなることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  5. 上記支持層と上記保護層との間に1又は2以上空隙が形成されていることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルム。
  6. 上記凹凸構造は、複数の上記凸部の少なくとも一つの凸部の頂部、及び複数の上記凹部の少なくとも一つの凹部の底部のうち少なくとも一方が、断面平坦形状となっていることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  7. 上記凹凸構造は、上記凸部の頂部及び上記凹部の底部が、それぞれ断面V字形状となっていることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  8. 上記一方の面側において、平面視で、上記凹部及び上記凸部がそれぞれ直線状に延在していることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  9. 上記一方の面側において、平面視で、上記凹部及び上記凸部の延在方向の少なくとも一部が曲線で構成されていることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  10. 上記高低差は、10μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  11. 上記凹部と上記凸部の配置が、周期性を有することを特徴とする請求項1~請求項1のいずれか1項に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  12. 上記凹部と上記凸部の配置が非周期的であることを特徴とする請求項1~請求項1のいずれか1項に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  13. 上記支持層は、複数の領域を有し、各領域毎に個別の凹凸パターンで上記凹凸構造が形成されていることを特徴とする請求項1~請求項1のいずれか1項に記載した貼付剤支持体用フィルム。
  14. 請求項1~請求項1のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルムの上記支持層に機能層が積層された積層体。
  15. 上記請求項1~請求項1のいずれか1項の貼付剤支持体用フィルム,又は請求項1の積層体における上記支持層の一方の面側に、粘着剤層と剥離ライナーとがこの順に形成された貼付剤。
  16. 請求項1~請求項1のいずれか1項に記載の貼付剤支持体用フィルムにおいて、上記保護層を剥離した後、上記支持層の上記保護層が積層していた剥離面に機能層を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
  17. 上記支持層の一方の面側に、粘着剤層と剥離ライナーとをこの順に形成する請求項1に記載した積層体の製造方法。
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