JP2019078385A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト式無段変速機構を備え、停車時に最大変速比を形成するプライマリプーリ圧を走行時よりも低圧にする制御をする場合に、ストール状態になっても発進時のベルト滑りを防止できる車両用駆動装置を提供する。【解決手段】制御部は、無段変速機構の変速比を最大変速比に設定した状態でセカンダリプーリの回転が停止している場合に(t1)、走行時に最大変速比を形成する第1の油圧Pp1よりも低圧の第2の油圧Pp2をプライマリ側作動油室に供給する低圧モードを実行可能であり(t2)、低圧モードの実行中に、駆動源からプライマリプーリへ所定トルク以上のトルクの伝達を条件に含む解除条件を判定し(t2〜t8)、解除条件が成立したと判定した場合は第2の油圧Pp2よりも高い第3の油圧Pp3をプライマリ側作動油室に供給する(t8)。【選択図】図4

Description

本開示は、自動車等の車両に搭載される無段変速機構を備えた車両用駆動装置に関する。
従来、例えば、車両に用いて好適な車両用駆動装置として、プライマリプーリ及びセカンダリプーリとこれらプーリに巻き回される金属製ベルトを備え、プーリの有効径を変更することにより無段に変速するベルト式無段変速機構を用いた車両用駆動装置が普及している。このようなベルト式無段変速機構では、セカンダリプーリの可動シーブを押圧制御する油圧サーボにベルト挟持圧を設定するセカンダリプーリ圧が供給され、プライマリプーリの可動シーブを押圧制御する油圧サーボに変速比を設定するプライマリプーリ圧が供給される。このようなベルト式無段変速機構を用いた車両用駆動装置では、急制動時等において高いベルト挟持圧が発生した際に想定以上の大きなイナーシャトルクが作用することによってベルト滑りを生じてしまい、それによりハードが過度に摩耗してしまう可能性がある。そこで、このようなベルト滑りを防止するために、急制動時等でベルト滑りが発生しそうな場合にベルト挟持圧を減圧するようにした車両用駆動装置が知られている(特許文献1参照)。
このベルト式無段変速機構では、プライマリプーリの可動シーブを押圧制御する油圧サーボは、プライマリ軸に固定されている略有底円筒形状の固定側部材と、可動シーブの背面に設けられた可動側部材とを有し、これら固定側部材及び可動側部材によりプライマリプーリ圧を給排可能な作動油室を形成している。そして、このベルト式無段変速機構では、低速側で最大変速比を形成する際に、プライマリプーリ圧を減圧してプライマリプーリの可動シーブを固定側部材に向けて移動させ、プーリの有効径を小さくする。この時、可動シーブの可動側部材の先端と固定側部材の底部とが軸方向に当接して、可動シーブは最大変速比を形成した状態で軸方向に位置決めされる。
特開2014−199117号公報
ここで、特許文献1に記載したベルト式無段変速機構では、可動シーブの可動側部材と固定側部材とが軸方向に当接することで、プライマリプーリ圧によらずに最大変速比を形成できるため、走行レンジにおいてフットブレーキ等により停車した際に、走行時に最大変速比を形成する油圧よりも低い油圧をプライマリプーリ圧として作動油室に供給するようにできる。このような停車時のプライマリプーリ圧の減圧により、燃費向上を実現することができる。
しかしながら、特許文献1に記載した車両用駆動装置では、走行時に最大変速比を形成するための油圧よりも低い油圧をプライマリプーリ圧として停車時に供給すると、例えば、フットブレーキを踏み込んだ状態でアクセルペダルを踏み込む所謂ストール状態になった場合に、動力伝達系での微小な捩りやガタの発生によりベルト式無段変速機構の各プーリが僅かに回転してしまい、プライマリプーリにおいてベルトが外周側に移動して変速比が最大変速比よりも小さくなって僅かにアップシフトしてしまう可能性がある。この場合、発進時に最大変速比を形成するためのプライマリプーリ圧を作動油室に供給すると、ベルト式無段変速機構は実際にはアップシフトして最大変速比よりも僅かに小さい変速比を形成しているため、発進時にプライマリプーリのトルク容量が不足してベルトを保持できずにベルト滑りを発生してしまう虞がある。
そこで、ベルト式無段変速機構を備え、停車時に最大変速比を形成するプライマリプーリ圧を走行時よりも低圧にする制御をする場合に、ストール状態になっても発進時のベルト滑りを防止できる車両用駆動装置を提供することを目的とする。
本開示に係る車両用駆動装置は、第1の固定シーブ及び第1の可動シーブを有する第1のプーリと、第2の固定シーブ及び第2の可動シーブを有する第2のプーリと、前記第1のプーリ及び前記第2のプーリに巻き回されるベルトと、第1のプーリ圧が供給されることにより前記第1の可動シーブを押圧制御して変速比を設定する第1の作動油室と、第2のプーリ圧が供給されることにより前記第2の可動シーブを押圧制御してベルト挟持圧を設定する第2の作動油室と、前記第1の可動シーブが回転方向に係合されると共に軸方向に摺動可能に支持される回転軸と、前記回転軸に対して前記軸方向に固定され、前記第1の可動シーブとの間に前記第1の作動油室を形成する受圧部材と、を有し、前記第1の可動シーブは最大変速比の形成時に、前記第1の固定シーブに対して前記軸方向において離れる方向への移動が規制される無段変速機構と、前記第1のプーリ圧を調圧する調圧部と、前記調圧部に制御信号を送信することにより前記無段変速機構を変速制御すると共に、前記無段変速機構の変速比を最大変速比に設定した状態で前記第2のプーリの回転が停止している場合に、走行時に前記最大変速比を形成するための第1の油圧よりも低圧の第2の油圧を前記第1の作動油室に供給する低圧モードを実行可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記低圧モードの実行中に、駆動源から前記第1のプーリへ所定トルク以上のトルクの伝達を条件に含む解除条件を判定し、前記解除条件が成立したと判定した場合は前記第2の油圧よりも高い第3の油圧を前記第1の作動油室に供給する。
本車両用駆動装置によると、制御部は、停車時における低圧モードの実行中に、駆動源から第1のプーリへ所定トルク以上のトルクの伝達を条件に含む解除条件を判定し、ストール状態になったか否かを判定する。そして、制御部は、解除条件が成立したと判定した場合は、第2の油圧よりも高い第3の油圧を第1の作動油室に供給する。これにより、低圧モードにある無段変速機構がアップシフトを発生してしまう前に第2の油圧より高い第3の油圧を供給することができるので、停車時に最大変速比を形成する第1のプーリ圧を走行時よりも低圧にする低圧モードを実行中にストール状態になっても、発進時のベルト滑りを防止できる。
実施の形態に係る自動変速機のスケルトンを示す概略図である。 実施の形態に係る自動変速機の概略の制御ブロック図である。 実施の形態に係る自動変速機の処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態に係る自動変速機の処理手順を示すタイムチャートである。
以下、本実施の形態に係る車両用駆動装置を、図1〜図4に沿って説明する。尚、本実施の形態では、車両用駆動装置を、例えば自動車に搭載され、内燃エンジンを駆動源とする自動変速機1に適用した場合について説明している。また、本実施の形態では、自動変速機1は、所謂FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型としている。但し、自動変速機1は、FF型には限られず、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型であってもよい。
図1に示すように、自動変速機1は、ロックアップクラッチ5を内蔵したトルクコンバータ(流体伝動装置)6と、前後進切換え装置3と、無段変速機構2と、カウンタシャフト7と、ディファレンシャル装置9とを備えており、これら装置が一体化された分割ケース(不図示)に収納されている。
トルクコンバータ6は、内燃エンジン(駆動源)8の出力軸10にフロントカバー17を介して連結されているポンプインペラ11と、中間軸12に連結されているタービンランナ13と、ワンウェイクラッチ15を介して支持されているステータ16とを有しており、更に中間軸12とフロントカバー17との間にロックアップクラッチ5が介在している。ポンプインペラ11には、機械式のオイルポンプ21が連結されている。トルクコンバータ6は、内燃エンジン8と後述するプライマリプーリ26との間に介在されている。
前後進切換え装置3は、ダブルピニオンプラネタリギヤ50と、後進用ブレーキB1と、前進用クラッチC1と、を有している。ダブルピニオンプラネタリギヤ50は、そのサンギヤSが中間軸12に連結されており、第1及び第2のピニオンP1,P2を支持するキャリヤCRが無段変速機構2の後述するプライマリ側の固定シーブ23に連結されており、そしてリングギヤRが後進用ブレーキB1に連結されており、またキャリヤCRとリングギヤRとの間に前進用クラッチC1が介在している。
無段変速機構2は、内燃エンジン8からの回転が伝達可能なプライマリプーリ(第1のプーリ)26と、不図示の車輪に回転を伝達可能なセカンダリプーリ(第2のプーリ)31と、プライマリプーリ26及びセカンダリプーリ31に巻き回される金属製のベルト32と、を有している。プライマリプーリ26は、プライマリ軸(回転軸)22に固定された固定シーブ(第1の固定シーブ)23と、プライマリ軸22に軸方向に摺動可能かつ回転方向にスプライン等により係合して支持された可動シーブ(第1の可動シーブ)25とを有している。セカンダリプーリ31は、セカンダリ軸27に固定された固定シーブ(第2の固定シーブ)29と、セカンダリ軸27に軸方向に摺動可能かつ回転方向にスプライン等により係合して支持された可動シーブ(第2の可動シーブ)30とを有している。
無段変速機構2は、プライマリ側の可動シーブ25の背面に配置されたプライマリ側油圧サーボ33と、セカンダリ側の可動シーブ30の背面に配置されたセカンダリ側油圧サーボ35とを有している。プライマリ側油圧サーボ33は、プライマリ軸22に固定された有底円筒形状の固定側部材(受圧部材)36と、可動シーブ25の背面に固定された円筒形状の可動側部材39とを有しており、これら固定側部材36と可動側部材39とによりプライマリ側作動油室(第1の作動油室)41を構成している。プライマリ側作動油室41は、プライマリプーリ圧(第1のプーリ圧)が供給されることにより、可動シーブ25を押圧制御して変速比を設定する。可動シーブ25は、最大変速比の形成時に固定側部材36に対して当接して軸方向において離れる方向への移動が規制されて位置決めされる。従って、最大変速比の形成時には、プライマリプーリ圧を、走行時に最大変速比を形成するための第1の油圧Pp1よりも低圧の第2の油圧Pp2とすることができる(図4参照)。
セカンダリ側油圧サーボ35は、セカンダリ軸27に固定された有底円筒形状の固定側部材43と、可動シーブ30の背面に固定された円筒形状の可動側部材45とを有しており、これら固定側部材43と可動側部材45とによりセカンダリ側作動油室(第2の作動油室)46を構成すると共に、可動シーブ30と固定側部材43との間にプリロード用のスプリング47が縮設されている。セカンダリ側作動油室46は、セカンダリプーリ圧(第2のプーリ圧)が供給されることにより、可動シーブ30を押圧制御してベルト挟持圧を設定する。無段変速機構2は、内燃エンジン8と車輪とを駆動連結しつつ変速比を連続的に変更可能である。
カウンタシャフト7には、大ギヤ51及び小ギヤ52が固定されており、大ギヤ51はセカンダリ軸27に固定されたギヤ53に噛合し、かつ小ギヤ52はディファレンシャル装置9のギヤ55に噛合している。ディファレンシャル装置9は、ギヤ55を有するデフケース66に支持されたデフギヤ56の回転を、左右サイドギヤ57,59を介して左右車軸60,61に伝達する。左右車軸60,61は、それぞれ不図示の車輪に連結されている。従って、セカンダリプーリ31はディファレンシャル装置9を介して車輪に駆動連結され、セカンダリプーリ31の回転は、車輪の回転を停止可能な不図示のフットブレーキ(ブレーキ装置)により停止可能である。
次に、自動変速機1の制御系について説明する。図2に示すように、自動変速機1及び内燃エンジン8を統合して制御する制御系20は、電子制御装置(ECU)70及び油圧装置(油圧回路)81を備えている。ECU70は、例えば、CPUと、処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートとを有するマイクロコンピュータからなる。ECU70には、例えばエンジン回転速度センサ71、タービン回転速度センサ72、入力軸回転速度センサ73、出力軸回転速度センサ74、スロットルセンサ75、アクセル開度センサ76、フットブレーキスイッチ77、レバーポジションセンサ79等の各種センサ及びスイッチが接続されており、これら各種センサ及びスイッチからの信号が入力される。
ECU70は、各センサからの信号に基づき、運転者の要求トルク、車両状況及び道路状況を判断して演算し、スロットルアクチュエータ、燃料噴射装置、点火装置等を有するエンジン操作部80と、挟持圧制御部82、変速制御部83、係合制御部85等を有する油圧装置81と、に出力する。ECU70は、ベルト挟持圧設定手段86、変速設定手段87、シフトポジション判定手段89等を有する。
ベルト挟持圧設定手段86は、アクセル開度、変速比、入力トルクをパラメータとして適正なベルト挟持圧が予め算出されており、アクセル開度センサ76と入力軸回転速度センサ73及び車速センサである出力軸回転速度センサ74により算出される実変速比とにより、ベルト挟持圧を設定する。そして、該ベルト挟持圧制御信号が油圧装置81の挟持圧制御部82に出力される。変速設定手段87は、アクセル開度をパラメータとして車速と無段変速機構2の目標入力回転速度との関係において、車両の運転性と燃費性とを両立させた変速マップが予め記憶されており、出力軸回転速度センサ74からの実際の車速及びアクセル開度センサ76からの車両状態(要求トルク)に基づいてプライマリ軸22の目標入力回転速度を設定する。そして、該目標入力回転速度と入力軸回転速度センサ73からの実入力回転速度とが一致するように、それらの回転差に応じた変速制御信号が油圧装置81の変速制御部83に出力される。また、シフトポジション判定手段89は、レバーポジションセンサ79からの信号に基づき、P,R,D等の各ポジションを判定し、該判定信号を油圧装置81の係合制御部85に出力する。
油圧装置81は、バルブボディ(V/B)からなり、例えば、挟持圧制御部82と、変速制御部(調圧部)83と、係合制御部85とを有する。挟持圧制御部82は、スロットルセンサ75等により負荷(伝達)トルクに応じたライン圧を出力するプライマリレギュレータバルブや、ライン圧を調圧してベルト挟持圧を発生するリニアソレノイドバルブ等を有している。挟持圧制御部82から出力されたベルト挟持圧は、セカンダリ側油圧サーボ35に供給される。変速制御部83は、無段変速機構2の変速比を制御するレシオコントロールバルブや、その操作用のアップシフトソレノイドバルブ及びダウンシフトソレノイドバルブ等を有している。変速制御部83で調圧されて出力された油圧は、プライマリ側油圧サーボ33にプライマリプーリ圧として供給される。係合制御部85は、レバーポジションセンサ79からの信号に基づき操作されるマニュアルバルブ等を有している。係合制御部85から出力された油圧は、前進用クラッチC1の油圧サーボ又は後進用ブレーキB1の油圧サーボに供給される。
従って、本自動変速機1は、運転者のシフトレバーの操作により、Dレンジ又はRレンジがシフトポジション判定手段により判定され、係合制御部85から前進用クラッチC1又は後進用ブレーキB1の各油圧サーボに選択的に係合圧が供給される。前進用クラッチC1の係合により、内燃エンジン8からトルクコンバータ6を介して中間軸12に伝達された回転は、一体回転する前後進切換え装置3により無段変速機構2のプライマリ軸22に正回転として伝達される。後進用ブレーキB1の係合により、中間軸12の回転は、前後進切換え装置3により減速逆転して、無段変速機構2のプライマリ軸22に伝達される。
無段変速機構2は、変速設定手段87により設定される目標変速比に対応する変速制御信号を変速制御部83に出力して、変速制御部83から所定の流量がプライマリ側油圧サーボ33に供給され、プライマリプーリ26の有効径が操作される。また、ベルト挟持圧設定手段86が、必要伝達(要求)トルク及び実変速比によりベルトスリップを生じないように適正なベルト挟持圧を設定し、設定された制御信号により挟持圧制御部82が、所定ベルト挟持圧を出力してセカンダリ側油圧サーボ35に供給される。これにより、無段変速機構2は、セカンダリプーリ31からベルトスリップが生じないように適正なベルト挟持圧が付与された状態で、プライマリプーリ26は、実変速比が目標変速比に一致するようにフィードバック制御して、無段に変速制御される。
次に、本実施の形態のECU70の動作の概略について説明する。ECU70は、変速制御部83に制御信号を送信することにより、無段変速機構2を変速制御する。ECU70は、シフトレバーにより走行レンジが選択され、無段変速機構2の変速比を最大変速比に設定した状態でセカンダリプーリ31の回転が停止している場合に、走行時に最大変速比を形成するための第1の油圧Pp1よりも低圧の第2の油圧Pp2をプライマリ側作動油室41に供給する低圧モードを実行可能である。セカンダリプーリ31の回転が停止している場合とは、例えば、フットブレーキやハンドブレーキ等の操作により停車している場合や、急な坂道等で車両が走行できない場合を含む。
また、ECU70は、低圧モードの実行中に、内燃エンジン8からプライマリプーリ26へ所定トルク以上のトルクの伝達を条件に含む解除条件を判定する。ここで、内燃エンジン8からプライマリプーリ26へ所定トルク以上のトルクが伝達される場合とは、例えば、ブレーキ装置の操作により停車状態を維持したまま、アクセル開度を所定開度より大きくする所謂ストール状態になった場合がある。このようなストール状態では、内燃エンジン8から通常走行可能な程度のトルク(例えば、アクセル開度35%程度以上)が出力されるが、ブレーキ装置により車輪から無段変速機構2及び前後進切換え装置3は回転が停止された状態になっている。このため、内燃エンジン8からの駆動力は、トルクコンバータ6が速度比0になることにより車輪側には伝達されない。しかしながら、内燃エンジン8からプライマリプーリ26へ所定トルク以上のトルクが伝達される場合には、トルクコンバータ6から車輪までの動力伝達系における軸部材の捩れや、ギヤやスプライン等、各部で比較的大きなガタが発生する場合があり、それらの累積により無段変速機構2の各プーリ26,31が微小に回転する可能性があり、プライマリプーリ26においてベルト32が外周側に移動して変速比が最大変速比よりも小さくなって僅かにアップシフトしまう可能性がある。この場合、発進時に最大変速比を形成するためのプライマリプーリ圧をプライマリ側作動油室41に供給すると、無段変速機構2は実際にはアップシフトして最大変速比よりも僅かに小さい変速比を形成しているため、発進時にプライマリプーリ26のトルク容量が不足してベルト32を保持できずにベルト滑りを発生してしまう虞がある。
そこで、本実施の形態の自動変速機1では、ECU70は、解除条件が成立したと判定した場合は、低圧モードを解除する解除モードを実行し、解除モードでは第2の油圧Pp2よりも高い第3の油圧Pp3として、例えば第1の油圧Pp1をプライマリ側作動油室41に供給する。特に、本実施の形態の自動変速機1では、ECU70は、解除モードでは第1の油圧Pp1をプライマリ側作動油室41に供給する。このため、停車中の低圧モードの実行中にストール状態になった場合には解除モードが実行され、低圧モードが解除されると共にプライマリプーリ圧が低圧の第2の油圧Pp2から高い第1の油圧Pp1に増圧される(図4参照)。尚、解除モードでは、アクセル開度ゼロ時において供給されるプライマリプーリ圧、即ちプライマリプーリ圧のベース圧が第1の油圧Pp1に増圧される。第1の油圧Pp1は、低圧モードの実行時の第2の油圧Pp2よりも高圧であるので、低圧モードにある無段変速機構がストール状態によりアップシフトを発生してしまう前に第2の油圧Pp2より高圧の油圧を供給することができる。このため、停車時に最大変速比を形成するプライマリプーリ圧を走行時よりも低圧にする低圧モードを実行中にストール状態になっても、発進時のベルト滑りを防止できる。
次に、ECU70の具体的な処理手順について、図3に示すフローチャート及び図4に示すタイムチャートに沿って詳細に説明する。ここでは、本自動変速機1を搭載した車両が走行している状態から、フットブレーキの踏み込みによる停車状態を経て、再発進する場合について説明する。尚、図4中、プライマリプーリ圧は、ECU70から出力される指令値を示している。また、ここでは、アクセル開度はスロットル開度と同義としている。また、以下では前進レンジの場合について説明しているが、後進レンジの場合であっても同様である。
まず、走行状態において、アクセル開度は0で、フットブレーキが踏み込まれたとする(図4中のt0)。車速は徐々に減速して、無段変速機構2の変速比を最大変速比に向けて徐々に増加するためにプライマリプーリ圧は徐々に減圧する。また、ここでは、車速が0になる前に、最大変速比が形成され、その時のプライマリプーリ圧(ベース圧)を第1の油圧Pp1とする(図4中のt0〜t1)。そして、車両は停止する(図3中のステップS1、図4中のt1)。
ECU70は、車速が0(停車中)であると共に、目標変速比が最大変速比に設定されているか否かを判断する(図3中のステップS2)。ECU70は、車速が0でないか、又は目標変速比が最大変速比に設定されていないと判断した場合は、本処理を終了する。ECU70は、車速が0であると共に、目標変速比が最大変速比に設定されていると判断した場合は、低圧モードを実行し、プライマリプーリ圧のベース圧を第1の油圧Pp1から第2の油圧Pp2に減圧する(図3中のステップS3、図4中のt2)。低圧モードの実行により、停車中の燃費を向上することができる。尚、図4中の点線は、低圧モードを実行しない場合のプライマリプーリ圧を示す。この場合、プライマリプーリ圧のベース圧は第1の油圧Pp1のまま維持される。
ECU70は、車速が0(停車中)であるか否かを判断する(図3中のステップS4)。ECU70は、出力軸回転速度センサ74の検出値に基づいて車速が0であるか否かを判断し、例えば、時速2km以下であれば停車しているものと判断する。ECU70は、車速が0(時速2km以下)でないと判断した場合は、車両が発進したものとして、低圧モードを解除して、本処理を停止する。
ECU70は、車速が0(時速2km以下)であると判断した場合は、解除条件が成立したか否かを判断する(図3中のステップS5)。本実施の形態では、解除条件は、低圧モードの実行中に、35%(第1の閾値)以上のアクセル開度(エンジン負荷信号)を断続して2回(所定回数)検出したこと、又は、35%(第2の閾値)以上のアクセル開度(エンジン負荷信号)を連続して5秒間(所定時間)検出した場合としている。これにより、ECU70は、アクセル開度センサ76の検出値に基づいて、解除条件が成立したか否かを判断する。ECU70は、解除条件が成立していないと判断した場合は、低圧モードの実行を継続する(図3中のステップS3、図4中のt2〜t7)。
ここで、35%以上のアクセル開度を断続して2回検出する場合の例について説明する。例えば、低圧モードの実行中に、アクセル開度が35%以上であることを初めて検出した後、アクセル開度が30%以下に低下したときに、1回目の検出としてカウントする。そして、この30%以下になったアクセル開度が再度35%以上になり、再び30%以下になったときに、2回目の検出としてカウントし、解除条件が成立したと判断する。この場合、1回目の検出のカウント後、アクセル開度は0%まで低下した場合を含むだけでなく、0%以外の例えば29%まで低下してそこから再度35%に上昇した場合も含む。また、1回目の検出のカウント後、アクセル開度はすぐに再度35%以上に上昇した場合を含むだけでなく、例えば数分後に35%以上に上昇した場合も含む。
本実施の形態では、例えば、アクセルペダルが踏み込まれると、プライマリプーリ圧がベース圧の第2の油圧Pp2からアクセル開度に応じて増圧する(図4中のt3)。尚、図4中の点線で示すように、低圧モードを実行しない場合には、プライマリプーリ圧はベース圧の第1の油圧Pp1からアクセル開度に応じて増圧する。そして、本実施の形態では、アクセル開度が35%を超えると、アクセル開度が35%以上であることがECU70により検出される(図4中のt4)。その後、アクセルペダルが解放されると、アクセル開度が30%以下に低下し、プライマリプーリ圧が減圧してベース圧の第2の油圧Pp2に戻る(図4中のt5)。この時、ECU70は、1回目の検出としてカウントする。そして、再びアクセルペダルが踏み込まれると、プライマリプーリ圧がベース圧の第2の油圧Pp2からアクセル開度に応じて増圧する(図4中のt6)。再びアクセル開度が35%を超えると、アクセル開度が35%以上であることがECU70により検出される(図4中のt7)。その後、アクセルペダルが解放されてアクセル開度が30%以下に低下すると、ECU70は、2回目の検出としてカウントする(図4中のt8)。
そこで、ECU70は、35%以上のアクセル開度が2回検出された時点で解除条件が成立したと判断し、解除モードを実行し、プライマリプーリ圧のベース圧を第2の油圧Pp2からそれより高い第3の油圧Pp3、例えば第1の油圧Pp1に増圧する(図3中のステップS6、図4中のt8)。本実施形態では、第2の油圧Pp2より高い第3の油圧Pp3を第1の油圧Pp1、即ち走行時に最大変速比を形成するための油圧としている。第2の油圧Pp2より高い第3の油圧Pp3としては、例えば、クリープ時にプライマリ側作動油室41に供給するプライマリプーリ圧程度の油圧にしてもよい。アクセルペダルは解放されているので、プライマリプーリ圧が減圧してベース圧の第1の油圧Pp1に戻る(図4中のt8)。尚、本実施の形態では、第2の油圧Pp2より高い第3の油圧Pp3を第1の油圧Pp1と同等にしているが、これには限られず、第3の油圧Pp3は第2の油圧Pp2より高圧であれば良い。第3の油圧Pp3を第1の油圧Pp1より小さくした場合は、プライマリプーリ圧の上昇を抑えることで、発進時のベルト滑りを防止しながらも、燃費を良好に維持することができる。
ECU70は、アクセルペダルの踏み込み(アクセルオン)とフットブレーキの解放(ブレーキオフ)とが検出されたか否かを判断する(図3中のステップS7)。ECU70は、アクセルペダルの踏み込みが検出されないか、又はフットブレーキの解放が検出されないと判断した場合は、解除モードの実行を継続する(図3中のステップS6、図4中のt8〜t9)。ECU70は、アクセルペダルの踏み込み及びフットブレーキの解放が検出されたと判断した場合は、解除モードを解除してプライマリプーリ圧がベース圧の第1の油圧Pp1からアクセル開度に応じて増圧し、車両が発進する(図3中のステップS8、図4中のt9)。この時、低圧モードにある無段変速機構2がアップシフトを発生してしまう前に第2の油圧Pp2より高圧の第1の油圧Pp1を供給しているので、車両は無段変速機構2でベルト滑りを発生することなく発進することができる。
以上説明したように、本実施の形態の自動変速機1によると、ECU70は、停車時における低圧モードの実行中に、内燃エンジン8からプライマリプーリ26へ所定トルク以上のトルクの伝達を条件に含む解除条件を判定し、ストール状態になったか否かを判定する。そして、ECU70は、解除条件が成立したと判定した場合は、低圧モードを解除する解除モードを実行し、第2の油圧Pp2よりも高い第1の油圧Pp1をプライマリ側作動油室41に供給する。これにより、低圧モードにある無段変速機構2がアップシフトを発生してしまう前に第2の油圧Pp2より高い油圧を供給することができるので、停車時に最大変速比を形成するプライマリプーリ圧を走行時よりも低圧にする低圧モードを実行中にストール状態になっても、発進時のベルト滑りを防止できる。
また、本実施の形態の自動変速機1によると、解除モードにおいて、第2の油圧Pp2よりも高い第3の油圧Pp3として第1の油圧Pp1を供給している。このため、発進時のベルト滑りを確実に防止できると共に、ブレーキがオフされて発進した際に、そのまま通常の走行時と同等のプライマリプーリ圧を供給して走行することができる。
また、本実施の形態の無段変速機構2によると、第1のプーリはプライマリプーリ26であり、第2のプーリはセカンダリプーリ31である。ここで、動力伝達経路において内燃エンジン8側に駆動連結されたプライマリプーリ26は、車輪側に駆動連結されたセカンダリプーリ31よりも内燃エンジン8から所定トルク以上のトルクを受けやすく、ベルト滑りを発生しやすい。このため、セカンダリプーリ31よりもベルト滑りを発生しやすいプライマリプーリ26におけるベルト滑りを防止できるので、より効果的に無段変速機構2のベルト滑りを抑えることができる。
上述した本実施の形態の自動変速機1では、解除モードを実行するための解除条件は、低圧モードの実行中に第1の開度以上のアクセル開度を断続して所定回数検出した場合とし、第1の開度を35%、所定回数を2回とした場合について説明したが、これらには限られない。例えば、第1の開度としてはアクセル開度(又はスロットル開度)30〜40%、所定回数としては1〜3回程度に適宜設定することができる。また、解除モードを実行するための解除条件としては、低圧モードの実行中に第2の開度以上のアクセル開度を連続して所定時間検出した場合としてもよく、この場合に、例えば、第2の開度を35%、所定時間を5秒間とすることができる。但し、この場合も、例えば、第2の開度としてはアクセル開度(又はスロットル開度)30〜40%、所定時間としては3〜10秒間程度に適宜設定することができる。
また、本実施の形態のECU70では、解除モードを実行するための解除条件の成立を判断するためのエンジン負荷信号としてアクセル開度を適用した場合について説明したが、これには限られない。例えば、エンジン負荷信号としてトルク信号を適用して、解除条件の成立をトルク信号に基づいて判断するようにしてもよい。
また、本実施の形態の無段変速機構2では、ECU70は、低圧モードの実行中に、解除条件が成立したと判定した場合は、低圧モードを解除する解除モードを実行し、解除モードで第2の油圧Pp2よりも高い第3の油圧Pp3を供給するようにしているが、これには限られない。例えば、低圧モードの実行中に、解除条件が成立したと判定した場合に、解除モードを実行せずに第2の油圧Pp2よりも高い第3の油圧Pp3を供給するようにしてもよい。
また、本実施の形態の無段変速機構2では、可動シーブ25は、最大変速比の形成時に固定側部材36に対して直接当接して軸方向に位置決めされるようにしているが、これには限られない。例えば、可動シーブ25は、最大変速比の形成時に固定側部材36に対してばね部材や他の緩衝部材を介して間接的に当接して軸方向に位置決めされるようにしてもよい。あるいは、例えば、プライマリ軸22が軸方向において可動シーブ25と固定側部材36との間に段差部あるいはフランジ部を有して、可動シーブ25は最大変速比の形成時にこれら段差部あるいはフランジ部に当接して軸方向に位置決めされるようにしてもよい。更には、プライマリ軸22が軸方向において可動シーブ25と固定側部材36との間に固定された別部材であるストッパ部材を有し、可動シーブ25は最大変速比の形成時にストッパ部材に当接して軸方向に位置決めされるようにしてもよい。
また、本実施の形態の無段変速機構2では、第1のプーリはプライマリプーリ26であると共に、第2のプーリはセカンダリプーリ31である場合について説明したが、これには限られない。例えば、変速比を設定する第1のプーリはセカンダリプーリであると共に、ベルト挟持圧を設定する第2のプーリはプライマリプーリであるようにしてもよい。この場合、無段変速機構の最大変速比は、セカンダリプーリの可動シーブが固定シーブ側に最接近してセカンダリプーリのプーリ径を最大にした際に形成される。セカンダリプーリの可動シーブは、最大変速比の形成時にセカンダリプーリの固定シーブに直接あるいは間接的に当接して軸方向に位置決めされる。あるいは、セカンダリプーリの可動シーブは、最大変速比の形成時にセカンダリプーリの回転軸に形成された段差部やフランジ部、又は回転軸に固定されたストッパ部材を介して当接して軸方向に位置決めされる。このような無段変速機構であっても、最大変速比の形成時には、セカンダリプーリ圧を走行時に最大変速比を形成するための第1の油圧よりも低圧の第2の油圧とする低圧モードを実行可能であり、解除モードにおいては第2の油圧Pp2より高い第3の油圧Pp3を供給することで発進時のベルト滑りを防止することができる。
尚、本実施の形態は、以下の構成を少なくとも備える。本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、第1の固定シーブ(23)及び第1の可動シーブ(25)を有する第1のプーリ(26)と、第2の固定シーブ(29)及び第2の可動シーブ(30)を有する第2のプーリ(31)と、前記第1のプーリ(26)及び前記第2のプーリ(31)に巻き回されるベルトと、第1のプーリ圧が供給されることにより前記第1の可動シーブ(25)を押圧制御して変速比を設定する第1の作動油室(41)と、第2のプーリ圧が供給されることにより前記第2の可動シーブ(30)を押圧制御してベルト挟持圧を設定する第2の作動油室(46)と、前記第1の可動シーブ(25)が回転方向に係合されると共に軸方向に摺動可能に支持される回転軸(22)と、前記回転軸(22)に対して前記軸方向に固定され、前記第1の可動シーブ(25)との間に前記第1の作動油室(41)を形成する受圧部材(36)と、を有し、前記第1の可動シーブ(25)は最大変速比の形成時に、前記第1の固定シーブ(23)に対して前記軸方向において離れる方向への移動が規制される無段変速機構(2)と、前記第1のプーリ圧を調圧する調圧部(83)と、前記調圧部(83)に制御信号を送信することにより前記無段変速機構(2)を変速制御すると共に、前記無段変速機構(2)の変速比を最大変速比に設定した状態で前記第2のプーリ(31)の回転が停止している場合に、走行時に前記最大変速比を形成するための第1の油圧(Pp1)よりも低圧の第2の油圧(Pp2)を前記第1の作動油室(41)に供給する低圧モードを実行可能な制御部(70)と、を備え、前記制御部(70)は、前記低圧モードの実行中に、駆動源(8)から前記第1のプーリ(26)へ所定トルク以上のトルクの伝達を条件に含む解除条件を判定し、前記解除条件が成立したと判定した場合は前記第2の油圧(Pp2)よりも高い第3の油圧(Pp3)を前記第1の作動油室(41)に供給する。
この構成によれば、制御部(70)は、停車時における低圧モードの実行中に、駆動源(8)から第1のプーリ(26)へ所定トルク以上のトルクの伝達を条件に含む解除条件を判定し、ストール状態になったか否かを判定する。そして、制御部(70)は、解除条件が成立したと判定した場合は、第2の油圧(Pp2)よりも高い第3の油圧(Pp3)を第1の作動油室(41)に供給する。これにより、低圧モードにある無段変速機構(2)がアップシフトを発生してしまう前に第2の油圧(Pp2)より高い第3の油圧(Pp3)を供給することができるので、停車時に最大変速比を形成する第1のプーリ圧を走行時よりも低圧にする低圧モードを実行中にストール状態になっても、発進時のベルト滑りを防止できる。
また、本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、前記第3の油圧(Pp3)は、前記第1の油圧(Pp1)より小さい。この構成によれば、第1のプーリ圧の上昇を抑えることで、発進時のベルト滑りを防止しながらも、燃費を良好に維持することができる。
また、本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、前記第3の油圧(Pp3)は、前記第1の油圧(Pp1)に等しい。この構成によれば、発進時のベルト滑りを確実に防止できると共に、ブレーキがオフされて発進した際に、そのまま通常の走行時と同等の第1のプーリ圧を供給して走行することができる。
また、本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、前記制御部(70)は、前記低圧モードの実行中に、第1の閾値以上のエンジン負荷信号を断続して所定回数検出した場合、又は、第2の閾値以上のエンジン負荷信号を連続して所定時間検出した場合に、前記解除条件が成立したと判定する。この構成によれば、いずれの場合も駆動源(8)から第1のプーリ(26)へ所定トルク以上のトルクの伝達がなされるが、低圧モードにある無段変速機構(2)がアップシフトを発生してしまう前に第3の油圧(Pp3)を供給することができるので、発進時のベルト滑りを防止できる。
また、本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、前記第3の油圧(Pp3)は、アクセル開度ゼロ時、かつ前記第2のプーリ(31)の回転が停止している時の油圧で前記低圧モードの実行前において供給される油圧である。ここで、低圧モードの実行中に第2のプーリ(31)の回転停止を維持した状態でアクセル開度をゼロより上昇した場合には、アクセル開度に応じて第1のプーリ圧がベース圧である第2の油圧(Pp2)から上昇するが、それはアクセル開度がゼロを超えた時の一時的な上昇であって、アクセル開度をゼロに戻せば第1のプーリ圧はベース圧である第2の油圧(Pp2)に戻る。従って、この構成によれば、解除条件が成立したと判定した場合にアクセル開度ゼロ時において供給されるベース圧を第2の油圧(Pp2)よりも高い第3の油圧(Pp3)にするので、前記解除条件が成立したと判定した場合にアクセル開度をゼロより上昇して第1のプーリ圧を上昇した後、アクセル開度をゼロに戻せば第1のプーリ圧は第2の油圧(Pp2)よりも高い第3の油圧(Pp3)に戻るようにできる。
また、本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、前記制御部(70)は、前記解除条件が成立したと判定し、前記第2のプーリ(31)が回転していると判定した場合に、前記第1の油圧(Pp1)を前記第1の作動油室(41)に供給する。この構成によれば、前記解除条件が成立したと判定した場合に、ブレーキがオフされて発進した際に、通常の走行時と同様に第1のプーリ圧を供給して走行することができる。
また、本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、前記第1のプーリ(26)は、前記駆動源(8)からの回転が伝達可能なプライマリプーリ(26)であり、前記第2のプーリ(31)は、車輪に回転を伝達可能なセカンダリプーリ(31)である。ここで、動力伝達経路において駆動源(8)側のプライマリプーリ(26)は、車輪側のセカンダリプーリ(31)よりも駆動源(8)から所定トルク以上のトルクを受けやすく、ベルト滑りを発生しやすい。このため、この構成によれば、セカンダリプーリ(31)よりもベルト滑りを発生しやすいプライマリプーリ(26)におけるベルト滑りを防止できるので、より効果的に無段変速機構(2)のベルト滑りを抑えることができる。
また、本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、前記第1のプーリ(26)及び前記第2のプーリ(31)のうちの動力伝達経路における車輪側のプーリ(31)は前記車輪に駆動連結され、前記車輪側のプーリ(31)の回転は、前記車輪の回転を停止可能なブレーキ装置により停止可能である。この構成によれば、フットブレーキやハンドブレーキ等のブレーキ装置によって車輪側のプーリ(31)の回転を停止することができる。
また、本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、前記駆動源(8)と前記無段変速機構(2)との間に介在された流体伝動装置(6)を備える。この構成によれば、ブレーキ装置により無段変速機構(2)の回転が停止されているときに、駆動源(8)を駆動することができる。
また、本実施の形態の車両用駆動装置(1)は、前記制御部(70)は、前記低圧モードの実行中に、前記解除条件が成立したと判定した場合は、前記低圧モードを解除する解除モードを実行し、前記解除モードで前記第2の油圧(Pp2)よりも高い前記第3の油圧(Pp3)を前記第1の作動油室(41)に供給する。この構成によれば、制御部(70)は、解除モードの実行により第3の油圧(Pp3)を第1の作動油室(41)に供給することができる。
1 自動変速機(車両用駆動装置)
2 無段変速機構
6 トルクコンバータ(流体伝動装置)
8 内燃エンジン(駆動源)
22 プライマリ軸(回転軸)
23 固定シーブ(第1の固定シーブ)
25 可動シーブ(第1の可動シーブ)
26 プライマリプーリ(第1のプーリ)
29 固定シーブ(第2の固定シーブ)
30 可動シーブ(第2の可動シーブ)
31 セカンダリプーリ(第2のプーリ)
32 ベルト
36 固定側部材(受圧部材)
41 プライマリ側作動油室(第1の作動油室)
46 セカンダリ側作動油室(第2の作動油室)
70 電子制御装置(ECU)(制御部)
83 変速制御部(調圧部)
Pp1 第1の油圧
Pp2 第2の油圧
Pp3 第3の油圧

Claims (10)

  1. 第1の固定シーブ及び第1の可動シーブを有する第1のプーリと、第2の固定シーブ及び第2の可動シーブを有する第2のプーリと、前記第1のプーリ及び前記第2のプーリに巻き回されるベルトと、第1のプーリ圧が供給されることにより前記第1の可動シーブを押圧制御して変速比を設定する第1の作動油室と、第2のプーリ圧が供給されることにより前記第2の可動シーブを押圧制御してベルト挟持圧を設定する第2の作動油室と、前記第1の可動シーブが回転方向に係合されると共に軸方向に摺動可能に支持される回転軸と、前記回転軸に対して前記軸方向に固定され、前記第1の可動シーブとの間に前記第1の作動油室を形成する受圧部材と、を有し、前記第1の可動シーブは最大変速比の形成時に、前記第1の固定シーブに対して前記軸方向において離れる方向への移動が規制される無段変速機構と、
    前記第1のプーリ圧を調圧する調圧部と、
    前記調圧部に制御信号を送信することにより前記無段変速機構を変速制御すると共に、前記無段変速機構の変速比を最大変速比に設定した状態で前記第2のプーリの回転が停止している場合に、走行時に前記最大変速比を形成するための第1の油圧よりも低圧の第2の油圧を前記第1の作動油室に供給する低圧モードを実行可能な制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記低圧モードの実行中に、駆動源から前記第1のプーリへ所定トルク以上のトルクの伝達を条件に含む解除条件を判定し、前記解除条件が成立したと判定した場合は前記第2の油圧よりも高い第3の油圧を前記第1の作動油室に供給する車両用駆動装置。
  2. 前記第3の油圧は、前記第1の油圧より小さい請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記第3の油圧は、前記第1の油圧に等しい請求項1に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記制御部は、前記低圧モードの実行中に、第1の閾値以上のエンジン負荷信号を断続して所定回数検出した場合、又は、第2の閾値以上のエンジン負荷信号を連続して所定時間検出した場合に、前記解除条件が成立したと判定する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記第3の油圧は、アクセル開度ゼロ時、かつ前記第2のプーリの回転が停止している時の油圧で前記低圧モードの実行前において供給される油圧である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記制御部は、前記解除条件が成立したと判定し、前記第2のプーリが回転していると判定した場合に、前記第1の油圧を前記第1の作動油室に供給する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  7. 前記第1のプーリは、前記駆動源からの回転が伝達可能なプライマリプーリであり、
    前記第2のプーリは、車輪に回転を伝達可能なセカンダリプーリである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  8. 前記第1のプーリ及び前記第2のプーリのうちの動力伝達経路における車輪側のプーリは前記車輪に駆動連結され、前記車輪側のプーリの回転は、前記車輪の回転を停止可能なブレーキ装置により停止可能である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  9. 前記駆動源と前記無段変速機構との間に介在された流体伝動装置を備える請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  10. 前記制御部は、前記低圧モードの実行中に、前記解除条件が成立したと判定した場合は、前記低圧モードを解除する解除モードを実行し、前記解除モードで前記第2の油圧よりも高い前記第3の油圧を前記第1の作動油室に供給する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。

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