JP2019019384A - 処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の中央部と外周部とに温度差が生じて基板が変形する。【解決手段】処理装置は、真空容器であって、第1の型は第1平面部と第1平面部から窪みワークの処理対象部分が配置される第1窪み部を有し、第1平面部と第2の型との間にワークの外周部分の少なくとも一部が配置される真空容器と、第1窪み部に配置される電極と、電極に高周波電力を印加する高周波電力印加部と、処理対象部分の温度を計測する第1放射温度計と、外周部分の温度を計測する第2放射温度計と、プラズマ処理を制御する制御部と、を備える。制御部は、プラズマ処理を行う際に、処理対象部分の温度と外周部分の温度との温度差が許容温度差に収まるように、高周波電力印加部の動作を制御する。【選択図】図1

Description

本開示は、ワークの一部にプラズマ処理を行う処理装置に関する。
基板にプラズマ処理を行う方法として、特許文献1には、上下に2分割される成膜容器によって基板を挟み、成膜容器内にプラズマを発生させて成膜を行う方法が記載されている。
特開2009−98094号公報
特許文献1記載の技術では、基板の外周部は成膜容器に挟まれているためプラズマ発生時にプラズマに曝されがたく、基板の中央部と外周部とに温度差が生じて基板が変形するおそれがあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、ワークの一部にプラズマ処理を行う処理装置が提供される。この処理装置は、対向配置される第1の型及び第2の型を備える真空容器であって;前記第1の型は第1平面部と前記第1平面部から窪んだ第1窪み部であって、前記ワークの処理対象部分が配置される第1窪み部を有し、前記第1平面部と前記第2の型との間に、前記処理対象部分の外周に位置する前記ワークの外周部分の少なくとも一部が配置される、真空容器と;前記第1窪み部に配置され、高周波電力が印加される電極と;前記電極に高周波電力を印加する高周波電力印加部と;前記処理対象部分の温度を計測する第1放射温度計と;前記外周部分の温度を計測する第2放射温度計と;前記プラズマ処理を制御する制御部と;を備え;前記制御部は、前記プラズマ処理を行う際に、前記第1放射温度計により計測される前記処理対象部分の温度と、前記第2放射温度計により計測される前記外周部分の温度との温度差が、予め定められた前記処理対象部分の温度に対応する許容温度差に収まるように、前記高周波電力印加部の動作を制御する。
この形態の処理装置によれば、ワークの処理対象部分と、処理対象部分の外周部分と、の温度差が許容温度差に収まるようにすることができるので、ワークの変形を抑制することができる。
本発明は、上述した処理装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ワークの一部にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態における処理装置の構成を示す概略断面図。 処理装置の分解斜視図。 電極を+Y方向から見た図。 処理装置の部分拡大図。 処理装置によるプラズマ処理方法の一例について示す工程図。 第1放射温度計の計測対象部分と第2放射温度計の計測対象部分nの一例を示す説明図。 処理対象部分と外周部分との温度差により発生するワークの塑性変形について示す説明図。 高周波電力印加部の動作の制御の一例について示す工程図。 高周波電力印加部のフィードバック制御の有無による塑性変形量の測定結果の一例を比較して示す説明図。 第2実施形態における処理装置を示す図。 第3実施形態における処理装置を示す図。 第4実施形態における処理装置を示す図。 第5実施形態における処理装置を示す図。
・第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態における処理装置200の構成を示す概略断面図である。図2は、処理装置200の分解斜視図である。図1及び図2には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。なお、直交とは、90°±20°の範囲を含んでいう。本実施形態では、鉛直方向はY方向であり、水平方向はX方向である。鉛直方向及び水平方向に垂直な方向はZ方向である。このことは、以降の図においても同様である。
処理装置200は、導電性を有するワークWの一部にプラズマ処理を行う装置である。プラズマ処理は、プラズマを用いてワークWに成膜又はエッチングを行う処理である。本実施形態では、処理装置200は、処理対象物10の処理対象部分10Aに、例えばプラズマCVD法により導電性の炭素系薄膜を形成する。本実施形態では、ワークWは、処理対象物10とマスキング部材21、22とを含む。本実施形態では、処理対象物10は、燃料電池のセパレータの基材として用いられる板状の金属である。
処理装置200は、真空容器(チャンバー)100と、電極45、46と、高周波電力印加部40と、第1放射温度計43と、第2放射温度計44と、を備える。処理装置200は、さらに、絶縁部材30と、開閉装置50と、搬送装置55と、シール部材61、62と、バイアス電力印加部70と、ガス供給装置80と、排気装置90と、制御部95と、パレット130とを備える。なお、図2では、開閉装置50と、搬送装置55と、電極45、46と、バイアス電力印加部70及びその電力導入部71と、高周波電力印加部40及びその電力導入部41、42と、ガス供給装置80及び供給口81と、排気装置90及び排気口91と、制御部95と、は図示を省略している。
真空容器100は、分割可能な容器である。本実施形態では、真空容器100は、+Y方向及び−Y方向に分割される。真空容器100は、金属製の容器であり、例えば、ステンレス(SUS)により形成される。真空容器100は、対向配置される第1の型110と第2の型120とを備える。第1の型110は、第1平面部111と第1平面部111から窪んだ第1窪み部114とを備える。真空容器100内にワークWが配置された状態において、第1窪み部114はワークWから離間する方向に窪んでおり、本実施形態ではワークWの上面側の処理対象部分10Aから見て上方(+Y方向)に窪んでいる。第1窪み部114は、側部112と底部113とを備える。本実施形態では、第1窪み部114と第1平面部111との接続箇所は、処理対象部分10Aの端部と、同一のYZ平面上に位置している。本実施形態において、第2の型120は、第2平面部121と、第2平面部121から窪んだ124とを備える。真空容器100内にワークWが配置された状態において、第2窪み部124は、ワークWの下面側の処理対象部分10Aから見て下方(−Y方向)に窪んでいる。第2窪み部124は、側部122と底部123とを備える。第2平面部121は、第1の型110の第1平面部111に対応する部分に配置されている。本実施形態では、第2窪み部124と第2平面部121との接続箇所は、処理対象部分10Aの端部と、同一のYZ平面上に位置している。本実施形態において、第1平面部111及び第2平面部121は、XZ平面と平行である。第1の型110及び第2の型120は、真空容器100内にガス供給装置80からガスを供給するための供給口81と、真空容器100内を排気装置90によって排気するための排気口91と、を備える。供給口81及び排気口91には、開閉可能な弁が設けられている。また、第1の型110は、電極45に高周波電力を印加するための電力導入部41を備えており、第2の型120は、電極46に高周波電力を印加するための電力導入部42と、ワークWにバイアス電力を印加するための電力導入部71と、を備えている。第1の型110と電力導入部41との間、第2の型120と電力導入部71との間及び第2の型120と電力導入部42との間は、それぞれ、絶縁部材35によって電気的に絶縁されている。本実施形態において、真空容器100は、アース電位を有している。
マスキング部材21、22は、処理対象物10の非処理対象部分10Bを覆う部材である。言い換えると、マスキング部材21、22は、処理対象物10の処理対象部分10Aにおいて開口する部材である。本実施形態では、マスキング部材21(上側マスキング部材21)は、処理対象物10の第1の型110側に配置されている。マスキング部材22(下側マスキング部材22)は、処理対象物10の第2の型120側に配置されている。本実施形態において、下側マスキング部材22は、処理対象物10を支持する。本実施形態において、マスキング部材21及びマスキング部材22は、第1平面部111と第2平面部の間に配置されている。マスキング部材21、22は、導電性の部材で形成されている。処理対象物10とマスキング部材21、22とは、接触することにより電気的に接続されている。
ワークWのうち、処理対象部分10Aの外周に位置する非処理対象部分10Bと、マスキング部材21、22とを、以降、「ワークWの外周部分」とも呼ぶ。本実施形態では、ワークWの外周部分は、第1平面部111と第2平面部121との間に配置されている。なお、ワークWの外周部分は、少なくとも一部が第1平面部111と第2の型120の間に配置されていればよい。例えば、マスキング部材21、22の一端部は、第1窪み部114内及び第2窪み部124内に露出していてもよい。
絶縁部材30は、第1の型110の第1平面部111と第2の型120との間に配置され、ワークWと接触する。本実施形態では、絶縁部材30は第1平面部111と第2平面部121との間に配置され、ワークWのうちの下側マスキング部材22と接触する。本実施形態では、絶縁部材30は、下側マスキング部材22に接触して下側マスキング部材22を支持する。絶縁部材30は、例えば、アルミナ(Al)や二酸化ケイ素(SiO)等のセラミックスで形成されている。
パレット130は、金属製の板状部材である。パレット130は、ワークWを真空容器100内に搬送する部材でもある。パレット130は、第1の型110の第1平面部111と第2の型120との間に配置される。本実施形態では、パレット130には、絶縁部材30、下側マスキング部材22、処理対象物10及び上側マスキング部材21が、この順に+Y方向に積載されており、パレット130は、絶縁部材30を介してワークWを保持する。本実施形態では、パレット130は、真空容器100が閉じられた状態において真空容器100外に露出する縁部130tを有する。縁部130tは、後述する搬送装置55がパレット130を搬送する際に、パレット130に接触する部分である。本実施形態において、パレット130は、アース電位を有している。パレット130は、例えば、アルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)やチタン(Ti)等により構成される。
シール部材61、62は、第1の型110の第1平面部111と第2の型120との間に配置されている。シール部材61、62は、真空容器100内の気密を保つための部材である。シール部材61、62は、絶縁性の部材であり、本実施形態ではゴム製の環状部材である。本実施形態では、シール部材61、62は、オーリングを用いている。本実施形態では、シール部材61は第1の型110に設けられた溝部に嵌め込まれている。シール部材62は、第2の型120に設けられた溝部に嵌め込まれている。本実施形態において、シール部材61、62は、ワークWを第1平面部111及び第2の型120から離間させる離間部材でもある。
第1放射温度計43は、ワークWの処理対象部分10Aの温度を計測する。本実施形態では、第1放射温度計43は、処理対象部分10Aの上面側の計測対象部分Pdの温度を非接触で計測するように、第1の型110の上部に設けられている。第2放射温度計44は、ワークWの外周部分の温度を計測する。本実施形態では、第2放射温度計44は、第1平面部111と第2平面部121との間に配置された、非処理対象部分10Bに対応する上側マスキング部材21の部分の計測対象部分Pnの温度を非接触で計測するように、第1の型110に設けられている。
開閉装置50は、真空容器100を開閉するための装置である。本実施形態では、開閉装置50は、第1の型110を+Y方向に移動させて真空容器100を開き、第1の型110を−Y方向に移動させて真空容器100を閉じる。
搬送装置55は、パレット130を真空容器100内へ搬送し、パレット130を真空容器100外へ搬送するための装置である。本実施形態では、搬送装置55は、パレット130の縁部130tに接触して、真空容器100が開いた状態において、パレット130及びパレット130に積載された絶縁部材30、マスキング部材21、22、処理対象物10を真空容器100内に搬送する。また、搬送装置55は、搬送したパレット130を下方に移動させることによってパレット130をシール部材62を介して第2の型120上に設置する。また、搬送装置55は、上方に移動させたパレット130をXZ平面に沿って移動させて真空容器100外へ搬送することも可能である。
バイアス電力印加部70は、ワークWにバイアス電力を印加するための装置である。バイアス電力印加部70は、真空容器100内に供給されたガスをプラズマ化するための電場を生成する。本実施形態では、電力導入部71と処理対象物10及びマスキング部材21、22は陰極であり、第1の型110、第2の型120及びパレット130は陽極である。本実施形態では、バイアス電力印加部70は、下側マスキング部材22を通じて処理対象物10にバイアス電圧を印加する。バイアス電力印加部70は、例えば、電力導入部71に−3000Vの電圧を印加することができる。なお、本実施形態では、真空容器100及びパレット130はアース(0V)に接続されている。
図3は、電極45を+Y方向から見た図である。以下、図1及び図3を用いて、電極45、46及び高周波電力印加部40について説明する。電極45は、第1の型110の底部113側に配置されている(図1)。電極45は、第1電極4aと、第2電極4bと、第3電極4cと、第4電極4dと、から構成されている(図3)。第1電極4aと第2電極4bをあわせた大きさは、マスキング部材21、22の開口の大きさと略等しい。第1電極4a〜第4電極4dには、それぞれ、電力導入部41が接続されている。本実施形態では、第2の型120の底部123側に配置された電極46もまた、電極45と同様に第1電極4a〜第4電極4dから構成され、電極46の第1電極4a〜第4電極4dには、それぞれ、電力導入部42が接続されている。本実施形態では、電極45と第1の型110との距離及び電極46と第2の型120との距離は、シースの距離よりも短い。
電極45、46には、高周波電力印加部40によって高周波電力が印加される。高周波電力印加部40は、電極45、46に、高周波電力を印加することにより、真空容器100内に供給されたガスをプラズマ化するための電場を生成する。高周波電力印加部40は、後述の制御部95の制御により、電極45、46の第1電極4a、第2電極4b、第3電極4c、第4電極4dに印加する高周波電力の大きさを、それぞれ異ならせることが可能である。なお、電極46は電極45と同じ構造を有していなくともよく、電極46は一つの電極から構成されていてもよい。
図1に戻り、ガス供給装置80は、供給口81を介して、真空容器100内にキャリアガス及び原料ガスを供給する。本実施形態では、ガス供給装置80は、キャリアガスとして例えば窒素(N)ガスやアルゴン(Ar)ガスを供給し、原料ガスとして例えばピリジン(CN)ガスを供給する。エッチングが行われる際には、原料ガスとしてアルゴン(Ar)ガスが供給されてもよい。ガス供給装置80は、異なる種類のガスを貯留するタンクと接続されている。ガス供給装置80は、各タンクと供給口81との間に設けられた切替弁が操作されることにより、供給口81に供給されるガスの種類を切り替えることが可能である。また、ガス供給装置80は、真空容器100内の圧力を、開閉装置50が真空容器100を開くことが可能な程度の圧力に戻すために、処理装置200による成膜後やエッチング後に真空容器100内に例えば窒素ガスを供給して真空容器100を復圧する。
排気装置90は、排気口91を介して、真空容器100内を排気する。排気装置90は、例えば、ロータリポンプや拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ等により構成される。
制御部95は、処理装置200全体の動作を制御する。制御部95は、CPUとメモリとを含む。CPUは、メモリに格納されたプログラムを実行することによって、処理装置200の制御を行う。このプログラムは、各種記録媒体に記録されていてもよい。例えば、制御部95は、開閉装置50を制御して真空容器100を開き、搬送装置55を制御してパレット130を搬送する。真空容器100内にパレット130が搬送された後、制御部95が真空容器100を閉じると、離間部材としてのシール部材61、62がパレット130に接触することによって、ワークWと第1平面部111及び第2の型120が離間される。また、制御部95は、排気装置90を制御して真空容器100内を排気し、ガス供給装置80を制御して真空容器100内にガスを供給し、バイアス電力印加部70を制御してワークWに電力を印加する。さらに、制御部95は、後述するように、第1放射温度計43、第2放射温度計44から得られる温度に基づいて高周波電力印加部40の動作を制御する。
図4は、処理装置200の部分拡大図である。図4には、図1に破線で示したX部分が示されている。図4には、さらに、ワークWと絶縁部材30とが接触する箇所(接触箇所P1)と、ワークWと絶縁部材30とが接触する箇所(接触箇所P2)と、が示されている。接触箇所P1は、ワークWと絶縁部材30とが接触する箇所のうち、第1平面部111に対向する箇所である。接触箇所P1は、処理装置200の断面(図3)において、ワークWと絶縁部材30とが接触する箇所のうち、第1平面部111に最も近い接触箇所である。接触箇所P2は、ワークWと絶縁部材30とが接触する箇所のうち、第2平面部121に対向する箇所である。接触箇所P2は、処理装置200の断面(図4)において、ワークWと絶縁部材30とが接触する箇所のうち、第2平面部121に最も近い接触箇所である。図4にはさらに、接触箇所P1と第1平面部111との距離A1と、ワークWと第1窪み部114の底部113との距離B1と、が示されている。距離A1は、ワークWと絶縁部材30との接触箇所と、第1平面部111との最短距離である。距離B1は、第1窪み部114と対向するワークWと、第1窪み部114の底部113との距離であり、第1窪み部114の底部113とワークWとの最短距離である。また、図4には、接触箇所P2と第2平面部121との距離A2と、ワークWと第2窪み部124の底部123との距離B2と、が示されている。距離A2は、ワークWと絶縁部材30との接触箇所と、第2平面部121との最短距離である。距離B2は、第2窪み部124と対向するワークWと、第2窪み部124の底部123との距離であり、第2窪み部124の底部123とワークWとの最短距離である。処理装置200において、距離A1は距離B1よりも小さい。言い換えると、ワークWと第1平面部111とで形成される空間は、ワークWと第1窪み部114とで形成される空間よりも小さい。また、本実施形態では、距離A2は、距離B2よりも小さい。言い換えると、ワークWと第2平面部121とで形成される空間は、ワークWと第2窪み部124とで形成される空間よりも小さい。
本実施形態では、距離A1及び距離A2は、ワークWと真空容器100との間に電力を印加した場合に、ワークWと真空容器100(第1平面部111、第2平面部121)との間に形成されるシースの距離よりも短い。本実施形態では、距離A1及び距離A2は、2.0mm以下である。なお、真空容器100とワークWとの絶縁性を十分に保つ観点から、距離A1及び距離A2は、0.5mm以上であることが好ましい。
図4には、さらに、第1窪み部114と第1平面部111との接続箇所Q1及び第2窪み部124と第2平面部121との接続箇所Q2から接触箇所P1、P2までのX軸に沿った最短距離Cが示されている。距離Cは、第1窪み部114の側部112及び第2窪み部124の側部122から、接触箇所P1、P2までのX軸に沿った最短距離でもある。本実施形態では、距離Cは、0(ゼロ)よりも大きい。本実施形態では、距離Cは、10mm以上である。
図5は、処理装置200によるプラズマ処理方法の一例について示す工程図である。以下では、処理装置200によりワークWの一部に成膜を行う方法を例に挙げて説明する。処理装置200による成膜では、まず、ワークWが真空容器100内に搬送されるワーク搬送工程が行われる(ステップS10)。本実施形態では、パレット130上に、絶縁部材30、下側マスキング部材22、処理対象物10が積載され、さらに、処理対象物10の上に上側マスキング部材21が積載される。こうすることによって、処理対象物10の非処理対象部分10Bが、マスキング部材21、22によって覆われる。その後、真空容器100の第1の型110が開閉装置50によって+Y方向に移動され、絶縁部材30、マスキング部材21、22及び処理対象物10が積載されたパレット130が、搬送装置55によって真空容器100内に搬送される。搬送されたパレット130は、シール部材62を介して第2の型120上に配置される。搬送工程では、パレット130が第2の型120上に配置されると、真空容器100が閉じられる。本実施形態では、開閉装置50によって第1の型110が−Y方向に移動される。真空容器100が閉じられると、離間部材としてのシール部材61、62がパレット130に接触し、ワークWと第1平面部111及び第2平面部121が離間される。こうすることによって、ワークWと第1平面部111との間に隙間が形成され、ワークWと第2平面部121との間に隙間が形成された状態で、ワークWは真空容器100の内部に密封される。また、接触箇所P1と第1平面部111との距離A1は、ワークWと第1窪み部114との距離B1よりも小さくなる。接触箇所P2と第2平面部121との距離A2は、ワークWと第2窪み部124との距離B2よりも小さくなる。
次に、真空容器100内のガスが排気される排気工程が行われる(ステップS20)。本実施形態では、処理装置200は、例えば、窒素ガス雰囲気に設置されている。排気工程では、排気装置90によって排気口91を介して真空容器100内の窒素ガスが排気され、真空容器100内が真空化される。
次に、電力印加工程が行われる(ステップS30)。電力印加工程では、ガス供給装置80により供給口81を介して真空容器100の内部にガスが供給されるとともに、高周波電力印加部40により電極45、46に高周波電力が印加され、バイアス電力印加部70によりワークWにバイアス電力が印加されて、第1窪み部114内及び第2窪み部124内にプラズマが発生する。
本実施形態では、電力印加工程は、昇温・エッチング工程と、第1層形成工程と、堆積工程と、を含む。昇温・エッチング工程は、ワークWを昇温させるとともに、ワークWに付着した水分等を除去する工程である。第1層形成工程は、昇温・エッチング工程の後に、成膜速度が比較的遅くなるように高周波電力印加部40、バイアス電力印加部70、ガス供給装置80を制御してワークWに緻密な層を形成するための工程である。堆積工程は、第1層の上に、第1層の形成よりも早い成膜速度で膜を堆積させる工程である。例えば、昇温・エッチング工程では、アルゴンガスが供給される。第1層形成工程及び堆積工程では、キャリアガスとして、例えば、水素ガス及びアルゴンガスが供給され、原料ガスとして、窒素ガス及びピリジンガスが供給されて、処理対象物10の処理対象部分10Aに薄膜が形成される。なお、電力印加工程における全ての工程において、高周波電力印加部40とバイアス電力印加部70とによる電力の印加が行われなくともよい。例えば、制御部95は、昇温・エッチング工程と、第1層形成工程において、高周波電力印加部40とバイアス電力印加部70による電力の印加を行い、堆積工程において高周波電力印加部40による電力の印加を行うようにしてもよい。
電力印加工程では、真空容器100の第1窪み部114内及び第2窪み部124内が高温化する。例えば、第1窪み部114内及び第2窪み部124内に配置される処理対象物10の中央部分の温度は、600℃に達する。電力印加工程が終了すると、ガスの供給と電力の印加とが停止される。
次に、真空容器100内の圧力が調整される復圧工程が行われる(ステップS40)。本実施形態では、真空容器100内の圧力を、開閉装置50によって真空容器100を開くことが可能な程度の圧力に戻すために、ガス供給装置80によって真空容器100内に窒素ガスが供給される。なお、真空容器100内の圧力が調整されると、第1の型110が開閉装置50によって+Y方向に移動され、搬送装置55によって絶縁部材30、マスキング部材21、22及び処理対象物10が積載されたパレット130が、真空容器100から搬出される。以上のようにして処理装置200による一連のプラズマ処理が終了する。以下、プラズマ処理における高周波電力印加部40の動作制御について説明する。
図6は、第1放射温度計43の計測対象部分Pdと第2放射温度計44の計測対象部分Pnの一例を示す説明図である。本実施形態では、第1放射温度計43は、ワークW(処理対象物10)の上面側の処理対象部分10Aの中央位置を処理対象部分10Aの計測対象部分Pdとし、その計測対象部分Pdの温度を処理対象部分10Aの温度として計測する。また、第2放射温度計44は、ワークWの上面側の非処理対象部分10Bの長手方向(X方向)の外周端部の中央位置に対応する上側マスキング部材21の位置を計測対象部分Pnとし、その計測対象部分Pnの温度をワークWの外周部分の温度として計測する。
処理対象部分10Aの温度と処理対象部分10Aの外周部分の温度とを計測するのは、プラズマ処理時において、第1窪み部114内及び第2窪み部124内にプラズマが発生すると、第1窪み部114内及び第2窪み部内に位置する処理対象部分10Aの温度は、第1平面部111と第2平面部121との間に位置するワークWの外周部分(非処理対象部分10B)の温度よりも高くなって、温度差が発生するためである。
処理対象物10の温度差に着目すると、本実施形態では、処理対象物10の非処理対象部分10Bは、第1平面部111と第2平面部121との間に配置され、かつ、マスキング部材21、22によって覆われている。非処理対象部分10Bは、第1平面部111と第2平面部121との間に配置されてプラズマに曝され難いことに加え、マスキング部材21、22によって熱が奪われるので、処理対象部分10Aと非処理対象部分10Bとで、温度差が発生するためである。この温度差によって、後述するようにワークW(処理対象物10)に反りやうねり等の塑性変形が発生するためである。
また、処理対象部分10Aの中央位置を処理対象部分10Aの計測対象部分Pdとしているのは、処理対象部分10Aの中央位置が最も高温になる可能性が高いためである。非処理対象部分10Bの長手方向(X方向)の外周端部の中央位置に対応する上側マスキング部材21の位置を処理対象物10の外周部分の計測対象部分Pnとしているのは、非処理対象部分10Bの長手方向)の外周端部の中央位置が最も低温になる可能性が高いためである。但し、計測対象部分は、これらの位置に限定されるものではない。なお、以下では、説明の便宜上、処理対象部分10Aの計測対象部分Pdを単に「処理対象部分Pd」とも呼び、外周部分の計測対象部分Pnを単に「外周部分Pn」とも呼ぶ。
図7は、処理対象部分Pdと外周部分Pnとの温度差により発生するワークW(処理対象物10)の塑性変形について示す説明図である。図7は、横軸を処理対象部分Pdの温度とし、縦軸を外周部分Pnの温度として、塑性変形が発生する温度差(塑性変形発生温度差)Tpdを示している。この塑性変形発生温度差Tpdは、ワークW(処理対象物10)の部材に応じて定まるものである。この塑性変形発生温度差Tpdよりも上側の領域(図のハッチングの領域)であれば、処理対象部分Pdの温度に対する外周部分Pnの温度の差が塑性変形発生温度差Tpdに比べて小さくなるので、塑性変形の発生は抑制される。これに対して、塑性変形発生温度差Tpdから下側の領域(図の無ハッチングの領域)の場合、処理対象部分Pdの温度に対する外周部分Pnの温度の差が塑性変形発生温度差Tpdに比べて大きくなるので、塑性変形の発生が増大される。
そこで、本実施形態では、以下で説明するように、高周波電力印加部40の動作を制御して、塑性変形の発生を抑制する。
図8は、高周波電力印加部40の動作の制御の一例について示す工程図である。制御部95によって高周波電力印加部40による高周波電力の印加動作の制御が開始されると、まず、処理対象部分Pdの温度Td及び外周部分Pnの温度Tnが計測される(ステップS310)。そして、塑性変形発生温度差Tpdを予め定められた処理対象部分10Aの温度に対応する許容温度差として、(Td−Tn)<Tpdとなるように、高周波電力の印加動作がフィードバック制御される(ステップS320)。具体的には、(Td−Tn)≧Tpdの場合には、電極45、46のうち第4電極4d、又は、第3電極4c及び第4電極4dに印加する高周波電力の大きさを増加させる。(Td−Tn)<Tpdの場合には、電極45、46の各電極(第1電極4a〜第4電極4d)に印加する現在の高周波電力の大きさを維持する。又は、(Td−Tn)<Tpdの場合には、電極45、46のうち第4電極4d、又は、第3電極4c及び第4電極4dに印加する高周波電力の大きさを減少させる。なお、処理対象部分Pdの温度Tdに対応する許容温度差としての塑性変形発生温度差Tpdは、予め制御部95に記憶されており、計測された処理対象部分Pdの温度Tdに応じた許容温度差としての塑性変形発生温度差Tpdが、上述の判断に利用される。そして、ステップS310,S320の処理は、ステップS30(図5)における処理が終了するまで、繰り返し実行される(ステップS330)。
図9は、高周波電力印加部40のフィードバック制御(FB制御)の有無による塑性変形量の測定結果の一例を比較して示す説明図である。なお、この測定には、燃料電池のセパレータの基材として用いられる板状の金属部材の一例であるチタン材(厚さ0.5mm、幅は200mm、長さは400mm)を処理対象物10として用いた。マスキング部材21、22は、処理対象物10と特性をあわせるため、同じチタン材を用いた。
高周波電力印加部40のフィードバック制御がなかった場合、処理対象部分Pdの温度に対する外周部分Pnの温度の温度差(図中、実線及び◆で示す)は、塑性変形発生温度差Tpdよりも下側の領域となり、反り量も許容値(10mm)よりも大きい値となった。これに対して、高周波電力印加部40のフィードバック制御があった場合、処理対象部分Pdの温度に対する外周部分Pnの温度の温度差(図中、実線及び■で示す)は、塑性変形発生温度差Tpdよりも上側の領域となり、反り量は許容値(10mm)よりも小さい値となった。すなわち、処理対象部分Pdの温度に対する外周部分Pnの温度の温度差が塑性変形発生温度差Tpdよりも小さくなるように、高周波電力印加部40の動作を制御することにより、許容値よりも低い反り量とすることができ、塑性変形量を抑制できることを確認した。
なお、上述の説明では、塑性変形発生温度差Tpdを許容温度差としてフィードバック制御する場合を例に説明した。しかしながら、高周波電力印加部40の動作制御はこれに限定されるものではなく、処理対象部分Pdの温度に対応する許容温度差を塑性変形発生温度差Tpdよりも小さくする、すなわち、許容温度差を、図9(図7)において実線で示した塑性変形発生温度差Tpdよりも上側となるようにしてもよい。このようにすれば、処理対象部分Pdの温度と外周部分Pnの温度の差が、より小さな温度差に収まるようにフィードバック制御することができるので、温度差により発生する変形をより抑制することができ、変形の許容値を低くすることができる。
また、本実施形態の処理装置200によれば、真空容器100が閉じた状態において、ワークW(マスキング部材22)と接触する絶縁部材30は第1の型110の第1平面部111と第2の型120との間に配置され、ワークWと絶縁部材30との接触箇所P1と、第1平面部111と、の距離A1は、ワークWと第1窪み部114の底部113との距離B1よりも小さいため、ワークWと第1平面部111とで形成される空間に第1窪み部114や第2窪み部124からプラズマが侵入することが抑制される。そのため、接触箇所P1におけるプラズマの量が低減されるので、異常放電の発生を抑制することができる。
同様に、ワークW(マスキング部材22)と絶縁部材30との接触箇所P2と、第2平面部121と、の距離A2は、ワークWと第2窪み部124の底部123との距離B2よりも小さいため、ワークWと第2平面部121とで形成される空間に第2窪み部124や第1窪み部114からプラズマが侵入することが抑制される。そのため、接触箇所P2におけるプラズマの量が低減されるので、異常放電の発生を抑制することができる。
また、第1窪み部114と第1平面部111との接続箇所Q1及び第2窪み部124と第2平面部121との接続箇所Q2から、絶縁部材30までのX軸に沿った距離Cは0(ゼロ)よりも大きいため、第1窪み部114及び第2窪み部124で形成されるプラズマが発生する空間と、ワークWと絶縁部材30との接触箇所P1、P2とが離れている。そのため、接触箇所P1、P2におけるプラズマの量がより低減されるので、異常放電の発生をより抑制することができる。
また、ワークWと絶縁部材30との接触箇所P1と、第1平面部111と、の距離A1は、ワークWと第1平面部111との間に形成されるシースの距離よりも短いため、ワークWと第1平面部111との間にプラズマを発生させないようにすることができる。また、ワークWと絶縁部材30との接触箇所P2と、第2平面部121と、の距離A2は、ワークWと第2平面部121との間に形成されるシースの距離よりも短いため、ワークWと第2平面部121との間にプラズマを発生させないようにすることができる。そのため、接触箇所P1、P2におけるプラズマの量が効果的に低減されるので、異常放電の発生を効果的に抑制することができる。
距離A1及び距離A2は2.0mm以下であるため、ワークWと第1平面部111とで形成される空間及びワークWと第2平面部121とで形成される空間に、第1窪み部114及び第2窪み部124からプラズマが侵入することが一層抑制される。また、ワークWと第1平面部111との間にプラズマを発生させないようにすることができる。また、ワークWと第2平面部121との間にプラズマを発生させないようにすることができる。そのため、接触箇所P1、P2におけるプラズマの量が一層低減されるので、異常放電の発生を一層抑制することができる。
また、処理装置200において、ワークWの処理対象部分10Aは第1窪み部114内の空間及び第2窪み部124内の空間に向けられており、絶縁部材30と、処理対象部分10Aの外周部分とは、第1平面部111と第2平面部121との間に位置している。そのため、ワークW全体をプラズマが発生する空間内に収容する場合と比較して、処理装置200を小型化することができる。また、処理装置200では、プラズマ処理のために排気が行われる空間が小さいので、排気に要する時間を短くすることができ、ワークWに成膜又はエッチングを行うために要する時間を短くすることができる。
・第2実施形態
図10は、第2実施形態における処理装置200aを示す図である。処理装置200aを用いたプラズマ処理方法が第1実施形態の処理装置200(図1)と異なる点は、電極45と電極46に印加される高周波電力が制御部95aによってそれぞれ独立にフィードバック制御される点である。そのため、処理装置200aでは、ワークWの上面側の処理対象部分10Aの温度を計測する第1放射温度計43及び外周部分の温度を計測する第2放射温度計44に加えて、ワークWの下面側の処理対象部分10Aの温度を計測する第1放射温度計43a及び外周部分の温度を計測する第2放射温度計44aが、第2の型120に設けられている。制御部95aは、第1放射温度計43、第2放射温度計44の計測結果に基づいて、高周波電力印加部40による電極45の動作のフィードバック制御(図8)を行い、第1放射温度計43a、第2放射温度計44aの計測結果に基づいて、高周波電力印加部40による電極46の動作のフィードバック制御(図8)を行う。また、処理装置200aでは、第1実施形態の処理装置200と同様に、高周波電力印加部40、開閉装置50、搬送装置55、バイアス電力印加部70、ガス供給装置80、及び、排気装置90を備えるが、図示の便宜上省略されている。なお、第2実施形態の処理装置200a及び処理装置200aを用いたプラズマ処理方法のその他の構成は、上述の第1実施形態と同様である。第2実施形態おいても、第1実施形態と同様に、塑性変形の発生を抑制することができる。また、異常放電の発生を抑制することができる。
また、第2実施形態の処理装置200aによれば、ワークWにより第1窪み部114内の空間と第2窪み部124内の空間とが分離され、高周波電力印加部40は電極45に印加する高周波電力の大きさと、電極46に印加する高周波電力の大きさと、を異ならせることが可能であるため、処理対象部分10Aの上面側と下面側との成膜密度やエッチング密度、膜厚やエッチング量を異ならせることができる。例えば、処理対象物10が燃料電池に用いられるセパレータであり、処理対象部分10Aの上面側に冷却水流路が形成されており、下面側に燃料ガスの流路が形成されている場合には、燃料電池の性能を高めるために、少なくとも下面側の成膜密度を高めることが好ましい。第2実施形態の処理装置200aによれば、電極46に印加する電力を電極45に印加する電力よりも大きくしつつ、フィードバック制御を行うことによって下面側のみ成膜密度を高めることができる。そのため、処理対象物10の一方の面の成膜密度やエッチング密度を高める場合において、消費される電力を抑制することができる。電極46に印加する電力を電極45に印加する電力よりも大きくすることは、例えば、電極46の第1電極4a〜第4電極4dに印加する高周波電力の大きさを、電極45の第1電極4a〜第4電極4dに印加する高周波電力の大きさよりも大きくすることである。
・第3実施形態
図11は、第3実施形態における処理装置200bを示す図である。処理装置200bは、第1実施形態の処理装置200とは異なり、ワークW(処理対象物10)の第1窪み部114側のみにプラズマ処理を行う。そのため、真空容器100bでは、第2の型120bと処理対象物10との間に空間がなく、第2の型120bには高周波電力印加用の電極46が設けられておらず、第2の型120b上に絶縁部材30bが接触し、絶縁部材30b上に下側マスキング部材22bが接触し、下側マスキング部材22b上に処理対象物10の下側全面が接触する。また、処理装置200bは、ワークWを積載するパレット130を備えていない。また、本実施形態では、第1の型110b側に電力導入部71が備えられている。処理装置200bでは、絶縁部材30bが第1平面部111と第2の型120bとの間でワークWに接触する。処理装置200bでは、絶縁性のシール部材61と絶縁部材30bとが、ワークWを第1平面部111部及び前記第2の型120bから離間させる離間部材に相当する。なお、本実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、高周波電力印加部40、開閉装置50、搬送装置55、バイアス電力印加部70、ガス供給装置80、排気装置90、及び、制御部95を備えるが、図示の便宜上省略されている。このことは、以降の実施形態においても同様である。第3実施形態においても、ワークWと絶縁部材30bとの接触箇所P1bと、第1平面部111と、の距離は、ワークWと第1窪み部114の底部113との距離よりも小さい。第3実施形態における処理装置200bのその他の構成は第1実施形態と同様である。また、第3実施形態における処理装置200bによるプラズマ処理方法は、制御部95が電極45にのみフィードバック制御を行う点を除き、第1実施形態と同様である。そのため、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、塑性変形の発生を抑制することができる。また、異常放電の発生を抑制することができる。
・第4実施形態
図12は、第4実施形態における処理装置200cを示す図である。処理装置200cと上述の第1実施形態における処理装置200(図1)とが異なる主な点は、パレット130を用いずワークWが配置される点である。そのため、処理装置200cでは、真空容器100cにおいて、第2の型120cの第2平面部121cが絶縁部材30cと接触しつつ、ワークWと第2の型120cとを離間させている。また、絶縁性のシール部材61が、第1平面部111と第2の型120とを離間させている。シール部材61と絶縁部材30cとは、離間部材に相当する。なお、上述の第1実施形態と同様に、第4実施形態においても、ワークWと絶縁部材30cとの接触箇所P1cと、第1平面部111と、の距離は、ワークWと第1窪み部114の底部113との距離よりも小さい。また、ワークWと絶縁部材30cとの接触箇所P2cと、第2平面部121cと、の距離は、ワークWと第2窪み部124の底部123との距離よりも小さい。第4実施形態における処理装置200cのその他の構成は第1実施形態の処理装置200と同様である。また、第4実施形態における処理装置200cによるプラズマ処理方法は、第1実施形態と同様である。そのため、第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、塑性変形の発生を抑制することができる。また、異常放電の発生を抑制することができる。なお、第4実施形態においても、第2実施形態と同様に、電極45と電極46に印加される高周波電力が制御部95によってそれぞれ独立にフィードバック制御されてもよい。
・第5実施形態
図13は、第5実施形態における処理装置200nを示す図である。処理装置200nでは、パレット130及び絶縁部材30が用いられずに、ワークW(処理対象物10n)が搬送装置55によって真空容器100内に搬送される。処理装置200nでは、絶縁性のシール部材61n、62nが、第1平面部111と第2の型120との間でワークWに接触する。処理装置200nでは、シール部材61n、62nがワークWを第1平面部111部及び前記第2の型120から離間させる離間部材に相当する。シール部材61nは、第1の型110の第1平面部111及び処理対象物10nの非処理対象部分10nBに接触している。シール部材62nは、第2の型120の第2平面部121及び非処理対象部分10nBに接触している。第5実施形態では、第1放射温度計43は、処理対象部分10nAの中央部分を計測し、第2放射温度計44は、処理対象部分10nAの外周部分Pnである、第1平面部111と第2平面部121との間に位置する非処理対象部分10nBの温度Tnを計測する。また、図13には、ワークWとシール部材61nとの接触箇所P1nと、ワークWとシール部材62nとの接触箇所P2nと、が示されている。第5実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、接触箇所P1nと第1平面部111との距離は、ワークWと第1窪み部114の底部113との距離よりも小さい。また、接触箇所P2nと第2平面部121との距離は、ワークWと第2窪み部124の底部123との距離よりも小さい。第5実施形態における処理装置200nのその他の構成は第1実施形態の処理装置200と同様である。また、第5実施形態における処理装置200nによるプラズマ処理方法は、第1実施形態と同様である。そのため、第5実施形態においても、第1実施形態と同様に、塑性変形の発生を抑制することができる。また、異常放電の発生を抑制することができる。なお、第5実施形態においても、第2実施形態と同様に、電極45と電極46に印加される高周波電力が制御部95によってそれぞれ独立にフィードバック制御されてもよい。また、第5実施形態において、ワークWは、処理対象物10nとマスキング部材21、22とにより構成されていてもよい。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組合せを行うことが可能である。また、前述した実施形態における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。
4a…第1電極
4b…第2電極
4c…第3電極
4d…第4電極
10、10n…処理対象物
10A、10nA…処理対象部分
10B、10nB…非処理対象部分
21、22、22b…マスキング部材
30、30b、30c…絶縁部材
35…絶縁部材
40…高周波電力印加部
41、42…電力導入部
43、43a…第1放射温度計
44、44a…第2放射温度計
45、46…電極
50…開閉装置
55…搬送装置
61、61n、62、62n…シール部材
70…バイアス電力印加部
71…電力導入部
80…ガス供給装置
81…供給口
90…排気装置
91…排気口
95、95a…制御部
100、100b、100c…真空容器
110、110b…第1の型
111…第1平面部
112…側部
113…底部
114…第1窪み部
120、120b、120c…第2の型
121、121c…第2平面部
122…側部
123…底部
124…第2窪み部
130…パレット
130t…縁部
200、200a、200b、200c、200n…処理装置
A1、A2、B1、B2、C…距離
P1、P1b、P1c、P1n、P2、P2c、P2n…接触箇所
Pd…処理対象部分の計測対象部分
Pn…外周部分の計測対象部分
Q1、Q2…接続箇所
Td、Tn…温度
Tpd…塑性変形発生温度差
W…ワーク

Claims (1)

  1. ワークの一部にプラズマ処理を行う処理装置であって、
    対向配置される第1の型及び第2の型を備える真空容器であって、
    前記第1の型は第1平面部と前記第1平面部から窪んだ第1窪み部であって、前記ワークの処理対象部分が配置される第1窪み部を有し、前記第1平面部と前記第2の型との間に、前記処理対象部分の外周に位置する前記ワークの外周部分の少なくとも一部が配置される、真空容器と、
    前記第1窪み部に配置され、高周波電力が印加される電極と、
    前記電極に高周波電力を印加する高周波電力印加部と、
    前記処理対象部分の温度を計測する第1放射温度計と、
    前記外周部分の温度を計測する第2放射温度計と、
    前記プラズマ処理を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記プラズマ処理を行う際に、前記第1放射温度計により計測される前記処理対象部分の温度と、前記第2放射温度計により計測される前記外周部分の温度との温度差が、予め定められた前記処理対象部分の温度に対応する許容温度差に収まるように、前記高周波電力印加部の動作を制御する、処理装置。
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