JP6969373B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性のワークにプラズマ処理を行うプラズマ処理装置に関する。
ワークにプラズマ処理を行う装置として、特許文献1には、上下に2分割されるチャンバによってワークを挟み、チャンバ内にプラズマを発生させて成膜を行う装置が記載されている。
特開2009−62579号公報
発明者らは、プラズマ処理において、チャンバ内に配置されたワークの中央部分と、ワークの外周部分との温度差により、ワークが変形する場合があることを見出した。このような場合にワークに電圧を印加してプラズマ処理を行うと、ワークへの電圧印加が不安定になってワークの成膜密度やエッチング密度が低下するおそれがある。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]
本開示の一形態によれば、導電性を有する板状かつ金属製のワークにプラズマ処理を行うプラズマ処理装置が提供される。このプラズマ処理装置は、真空容器であって、前記ワークの上面側の処理対象部分が配置される第1窪み部と、前記第1窪み部の外側に前記第1窪み部から連続的に設けられた第1周縁部と、を備える第1の型と、前記第1の型に対向して配置され、前記ワークの下面側の前記処理対象部分が配置される第2窪み部と、前記第2窪み部の外側に前記第2窪み部から連続的に設けられた第2周縁部と、を備える第2の型と、を有する真空容器と、前記処理対象部分において開口する開口部と、前記開口部を画定する平面部と、を有し、少なくとも一部が前記第1周縁部と前記第2周縁部との間に配置される導電性の支持部材であって、前記ワークの前記処理対象部分の外周に位置する非処理対象部分に接触して前記ワークを支持する、支持部材と、前記支持部材と前記真空容器との間に電圧を印加する電圧印加部と、を備える。前記平面部には、前記第1窪み部側を向いた傾斜面を有する凸部が設けられている。
本開示の一形態によれば、導電性を有する平板状のワークにプラズマ処理を行うプラズマ処理装置が提供される。このプラズマ処理装置は;真空容器であって;前記ワークの上面側の処理対象部分が配置される第1窪み部と、前記第1窪み部の外側に前記第1窪み部から連続的に設けられた第1周縁部と、を備える第1の型と;前記第1の型に対向して配置され、前記ワークの下面側の前記処理対象部分が配置される第2窪み部と、前記第2窪み部の外側に前記第2窪み部から連続的に設けられた第2周縁部と、を備える第2の型と、を有する真空容器と;前記処理対象部分において開口する開口部と、前記開口部を画定する平面部と、を有し、少なくとも一部が前記第1周縁部と前記第2周縁部との間に配置される導電性の支持部材であって、前記ワークの前記処理対象部分の外周に位置する非処理対象部分に接触して前記ワークを支持する、支持部材と;前記支持部材と前記真空容器との間に電圧を印加する電圧印加部と、を備え;前記平面部には、前記第1窪み部側を向いた傾斜面を有する凸部が設けられている。
この形態によれば、プラズマ処理時にワークが面方向に伸びて変形した場合であっても、支持部材の傾斜面においてワークと支持部材とが接触するため、支持部材を介してワークに電圧を印加することができる。その結果、ワークが変形した場合における成膜密度又はエッチング密度の低下を抑制することができる。
本開示は、上述したプラズマ処理装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ワークにプラズマ処理を行う方法等の形態で実現することができる。
プラズマ処理装置の構成を示す概略断面図。 プラズマ処理装置の分解斜視図。 マスキング部材の拡大断面図。 マスキング部材にワークが支持された様子を示す上面図。 プラズマ処理装置によるワークのプラズマ処理方法について示す工程図。 本実施形態のマスキング部材によりワークを支持してプラズマ処理を行う様子を説明するための図。 真空容器内に発生したプラズマの様子を説明するための概念図。
A.実施形態
A1.装置構成
図1は、プラズマ処理装置200の構成を示す概略断面図である。図2は、プラズマ処理装置200の分解斜視図である。図1及び図2には、相互に略直交するXYZ軸が図示されている。なお、略直交とは、90°±20°の範囲を含む。本実施形態では、Y方向は略鉛直方向であり、X方向は略水平方向である。Z方向は略鉛直方向及び略水平方向に垂直な方向である。このことは、以降の図においても同様である。
プラズマ処理装置200は、導電性を有する平板状のワーク10に成膜又はエッチングを行う装置である。ワーク10は、本実施形態では、燃料電池のセパレータの基材として用いられる平板状の金属である。ワーク10は、例えば、チタンやチタン合金をプレス加工することにより、図2に示す形状に成形される。ワーク10は、燃料電池の発電に寄与する処理対象部分10Aと、処理対象部分10Aの外周に配置された非処理対象部分10Bとを備える。非処理対象部分10Bには、反応ガスまたは冷却水が流通するマニホールド孔hが形成されている。プラズマ処理装置200は、処理対象部分10Aに、例えばプラズマCVD法により導電性の炭素系薄膜を形成する。
プラズマ処理装置200は、真空容器(チャンバ)100と、マスキング部材21、22と、電圧印加部70と、を備える。プラズマ処理装置200は、さらに、絶縁部材30と、磁場形成部41、42と、パレット130と、シール部材61、62と、開閉装置50と、搬送装置55と、ガス供給装置80と、排気装置90と、制御部95と、を備える。なお、図2では、開閉装置50と、搬送装置55と、電圧印加部70及びその導入部71と、ガス供給装置80及び供給口81と、排気装置90及び排気口91と、制御部95と、は図示を省略している。
真空容器100は、対向配置される第1の型110及び第2の型120を備える導電性の容器である。本実施形態では、真空容器100は、+Y方向及び−Y方向に分割される。真空容器100は、例えば、ステンレス、アルミニウム、チタン等の金属により形成される。
第1の型110は、ワーク10の上面側の処理対象部分10Aが配置される第1窪み部114と、第1窪み部114の外側に第1窪み部114から連続的に設けられた第1周縁部111と、を備える。真空容器100内にワーク10が配置された状態において、第1窪み部114はワーク10から離間する方向に窪んでおり、本実施形態ではワーク10の上面側の処理対象部分10Aから見て上方(+Y方向)に窪んでいる。また、第1窪み部114は、底部113と、底部113と第1周縁部111とを接続する側部112と、を備える。第1周縁部111は、非処理対象部分10Bを覆うマスキング部材21、22と、離間した状態で対向する。
第2の型120は、ワーク10の下面側の処理対象部分10Aが配置される第2窪み部124と、第2窪み部124の外側に第2窪み部124から連続的に設けられた第2周縁部121と、を備える。真空容器100内にワーク10が配置された状態において、第2窪み部124は、ワーク10の下面側の処理対象部分10Aから見て下方(−Y方向)に窪んでいる。第2窪み部124は、底部123と、底部123と第2周縁部121とを接続する側部122と、を備える。第2周縁部121は、非処理対象部分10Bを覆うマスキング部材22と、離間した状態で対向する。第2周縁部121は、第1の型110の第1周縁部111と対応する部分に配置されている。本実施形態において、第1周縁部111及び第2周縁部121は、XZ平面と平行である。
第1の型110及び第2の型120は、真空容器100内にガス供給装置80からガスを供給するための供給口81と、真空容器100内を排気装置90によって排気するための排気口91と、を備える。供給口81及び排気口91には、開閉可能な弁が設けられている。また、第2の型120は、マスキング部材22を介してワーク10と真空容器100との間に電圧を印加するための導入部71を備える。第2の型120と導入部71との間は、絶縁部材35によって電気的に絶縁されている。本実施形態において、真空容器100は、アース電位を有している。なお、導入部71、絶縁部材35は第1の型110に設けられていてもよい。この場合には、導入部71はマスキング部材21を介してワーク10と真空容器100との間に電圧を印加してもよい。
磁場形成部41は第1窪み部114内に磁場を形成するための装置である。磁場形成部42は第2窪み部124内に磁場を形成するための装置である。本実施形態では、磁場形成部41、42は、永久磁石により構成されており、例えば、ネオジウム磁石が用いられる。磁場形成部41は、第1の型110において、第1周縁部111から離間して第1窪み部114に配置されている。本実施形態では、磁場形成部41は、+X方向の側部112及び−X方向の側部112にそれぞれ配置されている。磁場形成部42は、第2の型120において、第2周縁部121から離間して第2窪み部124に配置されている。本実施形態では、磁場形成部42は、+X方向の側部122及び−X方向の側部122にそれぞれ配置されている。
絶縁部材30は、第1周縁部111と第2周縁部121との間に配置され、マスキング部材22に接触してマスキング部材22を支持する。絶縁部材30は、例えば、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、又はこれらを2つ以上用いたもの等で形成されている。
パレット130は、導電性の板状部材である。パレット130は、ワーク10及びマスキング部材21、22を真空容器100内に搬送する部材でもある。パレット130は、第1周縁部111と第2周縁部121との間に配置される。本実施形態では、パレット130には、絶縁部材30、マスキング部材22、ワーク10及びマスキング部材21が、この順に+Y方向に積載されており、パレット130は、絶縁部材30を介してマスキング部材22を保持する。本実施形態では、パレット130は、真空容器100が閉じられた状態において真空容器100外に露出する縁部130tを有する。縁部130tは、後述する搬送装置55がパレット130を搬送する際に、パレット130に接触する部分である。本実施形態において、パレット130は、アース電位を有している。パレット130は、例えば、アルミニウム、ステンレスやチタン等により構成される。
シール部材61、62は、第1周縁部111と第2周縁部121との間に配置され、パレット130に接触する。シール部材61、62は、真空容器100内の気密を保つための部材である。シール部材61、62は、絶縁性の部材であり、本実施形態ではゴム製の環状部材である。本実施形態では、シール部材61、62は、オーリングを用いている。本実施形態では、シール部材61は第1の型110に設けられた溝部に嵌め込まれている。シール部材62は、第2の型120に設けられた溝部に嵌め込まれている。シール部材61、62、パレット130は、第1周縁部111及び第2周縁部121に対してワーク10及びマスキング部材21,22を離間しかつ絶縁して保持する離間部材でもある。
開閉装置50は、真空容器100を開閉するための装置である。本実施形態では、開閉装置50は、第1の型110を+Y方向に移動させて真空容器100を開き、第1の型110を−Y方向に移動させて真空容器100を閉じる。
搬送装置55は、パレット130を真空容器100内へ搬送し、パレット130を真空容器100外へ搬送するための装置である。本実施形態では、搬送装置55は、パレット130の縁部130tに接触して、真空容器100が開いた状態において、パレット130及びパレット130に積載された絶縁部材30、マスキング部材21、22、ワーク10を真空容器100内に搬送する。また、搬送装置55は、搬送したパレット130を下方に移動させることによってパレット130をシール部材62を介して第2の型120上に設置する。また、搬送装置55は、上方に移動させたパレット130をXZ平面に沿って移動させて真空容器100外へ搬送することも可能である。
マスキング部材21、22は、ワーク10の処理対象部分10Aにおいて開口する開口部21c、22cを備え、開口部21c、22cを画定する平面部21b、22bにおいて非処理対象部分10Bを覆う部材である。マスキング部材21は、ワーク10の第1の型110側に配置され、マスキング部材22は、ワーク10の第2の型120側に配置されている。マスキング部材21、22は、開口部21c、22cを含む一部が第1窪み部114内及び第2窪み部124内に配置され、他の部分が第1周縁部111と第2周縁部121の間に配置されている。マスキング部材22は、ワーク10の非処理対象部分10Bに接触してワーク10を支持する。マスキング部材22を、「支持部材」とも呼ぶ。マスキング部材21、22は、導電性を有する材料、例えば、チタンやチタン合金、ステンレス、アルミニウム等により形成されている。マスキング部材21、22は、ワーク10と同じ材料によって形成されていてもよい。
図3は、マスキング部材21、22の拡大断面図である。図3には、例として、図1に示すX1部分が拡大して示されている。図4は、マスキング部材22にワーク10が支持された様子を示す上面概念図である。図4は、図3の4−4上面図であり、マスキング部材21は示されていない。支持部材としてのマスキング部材22は、開口部22cと、開口部22cを画定するXZ平面に沿った面である平面部22bと、平面部22bに設けられた凸部22aと、を備える。凸部22aは、ワーク10のマニホールド孔hに挿入可能な大きさに形成されている。凸部22aは第1窪み部114側に向いた傾斜面22sを備える。図3及び図4に示すワーク10は、傾斜面22sと接触することでマスキング部材22に支持されている。平面部22bと傾斜面22sとのなす角は、鋭角であり、例えば、20°〜70°の範囲の角度である。本実施形態では、なす角は、30°である。本実施形態では、マスキング部材21、22は、ワーク10からY方向に距離A2だけ離間して、の非処理対象部分10Bを覆う(図3)。距離A2は、ワーク10のプレス加工時に生じる反り量よりも大きい。反り量は、例えば、3〜15mmの範囲の値や、5〜10mmの範囲の値である。本実施形態では、距離A2は、凸部22aのY方向の高さA1よりも大きい。他の実施形態では、距離A1と距離A2は等しくてもよい。また、凸部22aは、ワーク10の+X方向に位置するマニホールド孔hのいずれか1つ、及び、ワーク10の−X方向に位置するマニホールド孔hのいずれか1つに対応して設けられていればよい。例えば、凸部22aは、ワーク10の全てのマニホールド孔hに対応して設けられていてもよい。
A2.プラズマ処理方法
図5は、プラズマ処理装置200によるワーク10のプラズマ処理方法について示す工程図である。以下では、プラズマ処理装置200によりワーク10の処理対象部分10Aに成膜を行う方法を例に挙げて説明する。プラズマ処理装置200による成膜では、まず、ワーク10が真空容器100内に搬送される搬送工程が行われる(ステップS10)。本実施形態では、パレット130上に、絶縁部材30、マスキング部材22、ワーク10が積載され、さらに、ワーク10の上にマスキング部材21が積載される。本実施形態では、ワーク10は、マニホールド孔hにマスキング部材22の凸部22aが挿入されるように、マスキング部材22の上に積載される。その後、真空容器100の第1の型110が開閉装置50によって+Y方向に移動され、絶縁部材30、マスキング部材21、22及びワーク10が積載されたパレット130が、搬送装置55によって真空容器100内に搬送される。搬送されたパレット130は、シール部材62を介して第2の型120上に配置される。搬送工程では、パレット130が第2の型120上に配置されると、真空容器100が閉じられる。本実施形態では、開閉装置50によって第1の型110が−Y方向に移動される。真空容器100が閉じられると、シール部材61、シール部材62がパレット130に接触し、マスキング部材21,22と第1周縁部111及び第2周縁部121が離間され、マスキング部材21、22と第1周縁部111及び第2周縁部121との間に図1に示すような隙間が形成される。隙間のY方向に沿った距離は、例えば、0.5mm〜2.0mmの範囲の値である。
次に、真空容器100内のガスが排気される排気工程が行われる(ステップS20)。本実施形態では、プラズマ処理装置200は、例えば、窒素ガス雰囲気に設置されている。排気工程では、排気装置90によって排気口91を介して真空容器100内の窒素ガスが排気され、真空容器100内が真空化される。
次に、電圧印加工程が行われる(ステップS30)。電圧印加工程では、ガス供給装置80により供給口81を介して真空容器100の内部にガスが供給されるとともに、電圧印加部70によりマスキング部材22を介してワーク10と真空容器100との間に電圧が印加されて、第1窪み部114内及び第2窪み部124内にプラズマが発生する。電圧印加工程では、真空容器100内が高温化する。
本実施形態では、電圧印加工程は、昇温・エッチング工程と、第1層形成工程と、堆積工程と、を含む。昇温・エッチング工程は、ワーク10を昇温させるとともに、ワーク10に付着した水分等を除去する工程である。第1層形成工程は、昇温・エッチング工程の後に、成膜速度が比較的遅くなるように、電圧印加部70、ガス供給装置80を制御してワーク10に緻密な層を形成するための工程である。堆積工程は、第1層の上に、第1層の形成よりも早い成膜速度で膜を堆積させる工程である。例えば、昇温・エッチング工程では、アルゴンガスが供給される。第1層形成工程及び堆積工程では、キャリアガスとして、例えば、水素ガス及びアルゴンガスが供給され、原料ガスとして、窒素ガス及びピリジンガスが供給されて、ワーク10の処理対象部分10Aに薄膜が形成される。電圧印加工程が終了すると、ガスの供給と電圧の印加とが停止される。
次に、真空容器100内の圧力が調整される復圧工程が行われる(ステップS40)。本実施形態では、真空容器100内の圧力を、開閉装置50によって真空容器100を開くことが可能な程度の圧力に戻すために、ガス供給装置80によって真空容器100内に窒素ガスが供給される。なお、真空容器100内の圧力が調整されると、第1の型110が開閉装置50によって+Y方向に移動され、搬送装置55によって絶縁部材30、マスキング部材21、22及びワーク10が積載されたパレット130が、真空容器100から搬出される。以上のようにしてプラズマ処理装置200による一連のプラズマ処理が終了する。
A3.効果
A3−1.効果1
ワーク10の加工時の応力により、ワーク10の外周部分である非処理対象部分10Bは、処理対象部分10Aに対して、反りを有する場合がある。さらに、プラズマ処理時には、プラズマが発生する第1窪み部114、第2窪み部124の中央部分に位置する処理対象部分10Aに対し、処理対象部分10Aの外周に位置する非処理対象部分10Bは温度が低い。そのため、この温度差によって、ワーク10が、ワーク10の面方向に伸びて変形する場合がある。このようなワーク10の変形により、ワーク10を支持するマスキング部材とワーク10との接触が不安定になり、ワーク10の成膜密度やエッチング密度が低下するおそれがある。
図6は、本実施形態のマスキング部材22によりワーク10を支持してプラズマ処理を行う様子を説明するための図である。マスキング部材22は、傾斜面22sを備える凸部22aを有する。そのため、プラズマ処理時にワーク10が面方向に伸びた場合であっても、図7に示す(1)から(2)のように接触領域Pを傾斜面22sのいずれかの箇所において確保することができるので、マスキング部材22を介してワーク10に電圧を印加することができる。その結果、ワーク10が変形した場合におけるワーク10の成膜密度又はエッチング密度の低下を抑制することができる。
A3−2.効果2
図7は、真空容器100内に発生したプラズマの様子を説明するための概念図である。図7には、磁場形成部41、42によって形成される磁場が、実線矢印で示されている。プラズマは、マイナス電荷を持った電子とプラス電荷を持ったイオン(正イオン)とが全体として同数存在するものである。電圧印加工程においてプラズマが発生すると、第1窪み部114内の電子は磁場形成部41が形成する磁場に引き寄せられる。また、第1窪み部114内の正イオンも、電子とともに磁場形成部41が形成する磁場に引き寄せられる。そのため、第1窪み部114内のプラズマ密度は、磁場形成部41が形成する磁場及びその付近で高くなる。一方、磁場から離れた位置、例えば、第1周縁部111付近のプラズマ密度は相対的に低くなる。同様に、第2窪み部124内の電子は磁場形成部42が形成する磁場に引き寄せられる。また、第2窪み部124内の正イオンも電子とともに磁場形成部42が形成する磁場に引き寄せられる。そのため、第2窪み部124内のプラズマ密度は、磁場形成部42が形成する磁場及びその付近で高くなる。一方、磁場から離れた位置、例えば、第2周縁部121付近のプラズマ密度は相対的に低くなる。なお、磁場に引き寄せられた正イオンは、図7に破線矢印で示すように陰極であるワーク10に向かい、ワーク10が成膜又はエッチングされる。
本実施形態のプラズマ処理装置200によれば、磁場形成部41によって第1周縁部111から離間した位置に形成される磁場ではプラズマ密度が高くなり、第1周縁部111付近ではプラズマ密度が相対的に低くなる。同様に、磁場形成部42によって第2周縁部121から離間した位置に形成される磁場ではプラズマ密度が高くなり、第2周縁部121、付近ではプラズマ密度が相対的に低くなる。その結果、プラズマ処理装置が磁場形成部41、42を備えない場合と比較して、第1周縁部111とマスキング部材21との間及び第2周縁部121とマスキング部材22との間から、マスキング部材21、22と絶縁部材30とが接触する箇所にプラズマが侵入することが抑制されるので、電圧が印加されるマスキング部材21、22と、絶縁部材30と、の接触箇所にプラズマが侵入することによる異常放電の発生を抑制することができる。
また、ワーク10の非処理対象部分10B全面がマスキング部材21、22に接触する場合には、プラズマ処理時のワーク10の伸びが阻害されて、処理対象部分10Aにうねり等の変形が生じるおそれがある。本実施形態によれば、磁場形成部41、42を備えるため、第1周縁部111、第2周縁部121付近でのプラズマ密度が相対的に低くなるので、ワーク10の非処理対象部分10Bとマスキング部材21、22との間に空間を設けつつ、当該空間にプラズマが侵入することによって非処理対象部分10Bがプラズマ処理されることを抑制することができる。そのため、処理対象部分10Aにうねり等の変形が生じることを抑制しつつ、非処理対象部分10Bがプラズマ処理されることを抑制することができる。
B.他の実施形態
B1.他の実施形態1
上記実施形態において、プラズマ処理装置200は、マスキング部材21を備えていなくともよく、ワーク10の上面をプラズマ処理してもよい。
B2.他の実施形態2
上記実施形態において、ワーク10は、マニホールド孔hを備えていなくともよい。この場合には、マスキング部材22は、図1に示すワーク10の+X方向端部、−X方向端部に対応する箇所に、傾斜面22sを備える凸部22aを有していればよい。この形態によっても、ワーク10が面方向に沿って延びた場合にワーク10とマスキング部材22との接触領域Pを傾斜面22sのいずれかの箇所において確保することができる。
B3.他の実施形態3
上記形態において、凸部22aは導電性を有し、凸部22aと接触するワーク10と真空容器100との間に電圧を印加できる材料により構成されていればよく、平面部22bと異なる材料により形成されていてもよい。
B4.他の実施形態4
上記形態において、プラズマ処理装置200は磁場形成部41、42を備えていなくともよい。
本開示は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組合せを行うことが可能である。また、前述した実施形態及び各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。
10…ワーク
10A…処理対象部分
10B…非処理対象部分
21、22…マスキング部材
22a…凸部
21b、22b…平面部
21c、22c…開口部
22s…傾斜面
30、35…絶縁部材
41、42…磁場形成部
50…開閉装置
55…搬送装置
61、62…シール部材
70…電圧印加部
71…導入部
80…ガス供給装置
81…供給口
90…排気装置
91…排気口
95…制御部
100…真空容器
110…第1の型
111…第1周縁部
112…側部
113…底部
114…第1窪み部
120…第2の型
121…第2周縁部
122…側部
123…底部
124…第2窪み部
130…パレット
130t…縁部
200…プラズマ処理装置
P…接触領域
h…マニホールド孔

Claims (1)

  1. 導電性を有する板状かつ金属製のワークにプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、
    真空容器であって、
    前記ワークの上面側の処理対象部分が配置される第1窪み部と、前記第1窪み部の外側に前記第1窪み部から連続的に設けられた第1周縁部と、を備える第1の型と、
    前記第1の型に対向して配置され、前記ワークの下面側の前記処理対象部分が配置される第2窪み部と、前記第2窪み部の外側に前記第2窪み部から連続的に設けられた第2周縁部と、を備える第2の型と、を有する真空容器と、
    前記処理対象部分において開口する開口部と、前記開口部を画定する平面部と、を有し、少なくとも一部が前記第1周縁部と前記第2周縁部との間に配置される導電性の支持部材であって、前記ワークの前記処理対象部分の外周に位置する非処理対象部分に接触して前記ワークを支持する、支持部材と、
    前記支持部材と前記真空容器との間に電圧を印加する電圧印加部と、を備え、
    前記平面部には、前記第1窪み部側を向いた傾斜面を有する凸部が設けられている、
    プラズマ処理装置。
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