JP2018204059A - フレキシブル表示装置用Al合金膜およびフレキシブル表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可撓性を有し、自由に屈曲することができるフレキシブル表示装置に用いられる金属配線用のAl合金膜において、繰り返しの屈曲に対しても、金属配線における電気抵抗の上昇や断線を抑制し得るフレキシブル表示装置用Al合金膜を提供する。【解決手段】フレキシブル表示装置に用いられるAl合金膜であって、Ta、Nb、Re、Zr、W、Mo、V、Hf、Ti、CrおよびPtよりなる群から選択される少なくとも一種のX元素と、希土類元素の少なくとも一種と、CuまたはGeの少なくとも一種と、NiまたはCoの少なくとも一種とを含み、残部Alおよび不純物からなることを特徴とするフレキシブル表示装置用Al合金膜。【選択図】図1

Description

本発明は、可撓性を有するフレキシブル基材を用いた液晶ディスプレイなどの表示装置に使用され、電極および配線材料として有用なフレキシブル表示装置用Al合金膜および上記Al合金膜を備えたフレキシブル表示装置に関する。
表示装置用Al合金膜は、主に電極および配線材料として用いられている。また、電極および配線材料としては、液晶ディスプレイ(Lquid Crystal Display:LCD)における薄膜トランジスタ用のゲート、ソースおよびドレイン電極並びに配線材料、有機EL(Organic Light Emitting Diode:OLED)における薄膜トランジスタ用のゲート、ソースおよびドレイン電極並びに配線材料、フィールドエミッションディスプレイ(Field Emission Display:FED)におけるカソードおよびゲート電極並びに配線材料、蛍光真空管(Vacuum Fluorescent Display:VFD)におけるアノード電極および配線材料、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)におけるアドレス電極および配線材料、無機ELにおける背面電極などが挙げられる。
液晶ディスプレイは、最近では100インチを超える大型のものが商品化され、低消費電力技術も進んでおり、主要な表示デバイスとして汎用されている。液晶ディスプレイには動作原理の異なるものがあるが、このうち、画素のスイッチングに薄膜トランジスタ(Thin Film Transitor、以下、「TFT」と呼ぶ。)を用いるアクティブ・マトリックス型液晶ディスプレイは、高精度画質を有し、高速動画にも対応できるため、主力となっている。そのなかで、更に低消費電力で画素の高速スイッチングが求められる液晶ディスプレイでは、多結晶シリコンや連続粒界結晶シリコンを半導体層に用いたTFTが用いられている。
例えば、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイは、スイッチング素子であるTFT、導電性酸化膜から構成される画素電極、および走査線や信号線を含む配線を有するTFT基板を備えており、走査線や信号線は、画素電極に電気的に接続されている。走査線や信号線を構成する配線材料には、純AlやAl基合金膜が用いられている。
ところで近年、携帯に適した軽量で薄型の表示装置(ディスプレイ)の需要が高まっており、この表示装置のなかでも特に、基板にフィルムのような可撓性を有する素材が用いられ、自由に屈曲することができるフレキシブル型表示装置への要求が強く、企業、大学または研究機関等で開発が進められている。
このフレキシブル型表示装置は、軽量かつ薄型により携帯性が高い一方で、フレキシブル型表示装置を屈曲する場合には、屈曲箇所に大きな曲げ応力がかかるため、様々な課題が生じ得る。なかでも、フレキシブル型表示装置に内蔵される、純Al膜やAl合金膜などの金属配線(導電層)には、曲げ応力が繰り返し加わることにより、金属配線に微小なクラックが生じ得る。この微小なクラックの発生が原因で、金属配線の電気抵抗が上昇する場合がある。更には、クラックの密度が増加して多数のクラック同士がつながると、金属配線の断線によるフレキシブル表示装置の表示不良が起こり得ることが問題となっている。そこで、従来、このような金属配線における、電気抵抗の上昇や断線を抑制するための方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、ディスプレイを折り曲げる際、前面基板や背面基板において、導電層の破断や基板からの剥離という障害が発生するおそれを防止するために、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G´が、1×10Pa以上1×10Pa以下である応力緩和層(A)と導電層(B)を有するフレキシブルディスプレイ用電極基板で、その応力緩和層(A)と導電層(B)との間の密着強度が5N/25mm以上であるフレキシブルディスプレイ用電極基板を用いることにより、直径3mmで曲げた際の、導電層(B)の面抵抗率上昇率を20%以下に抑えることができる技術が提案されている。
特開2007−086771号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法においては、金属配線となる導電層を所定の応力緩和層により保護することで導電層の破断を抑制するものであるが、導電層自体の耐屈曲性を改善するものではなく、フレキシブル表示装置における耐屈曲性の更なる性能向上のために、導電層自体の耐屈曲性に対する性能向上が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、可撓性を有し、自由に屈曲することができるフレキシブル表示装置に用いられる金属配線用のAl合金膜において、繰り返しの屈曲に対しても、金属配線における電気抵抗の上昇や断線を抑制し得るフレキシブル表示装置用Al合金膜を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、フレキシブル表示装置に用いられるAl合金膜が特定の合金を備えることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]に係るものである。
[1]フレキシブル表示装置に用いられるAl合金膜であって、
Ta、Nb、Re、Zr、W、Mo、V、Hf、Ti、CrおよびPtよりなる群から選択される少なくとも一種のX元素と、
希土類元素の少なくとも一種と、
CuまたはGeの少なくとも一種と、
NiまたはCoの少なくとも一種とを含み、残部Alおよび不純物からなることを特徴とするフレキシブル表示装置用Al合金膜。
[2]前記X元素の含有量は0.1〜1原子%であることを特徴とする上記[1]に記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
[3]前記希土類元素の含有量は0.1〜1原子%であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
[4]前記CuまたはGeの少なくとも一種の含有量は0.1〜1原子%であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
[5]前記NiまたはCoの少なくとも一種の含有量は0.01〜1原子%であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
[6]前記Al合金膜は、前記フレキシブル表示装置に用いられる樹脂基板上に直接成膜、または絶縁膜を介して成膜されることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
[7]前記Al合金膜は、前記フレキシブル表示装置に用いられるゲート電極の配線材料として用いられるものであり、かつ、前記フレキシブル表示装置に用いられるゲート絶縁膜に直接接続されることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
[8]上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜を備えたフレキシブル表示装置。
本発明によれば、可撓性を有し、自由に屈曲することができるフレキシブル表示装置に用いられる金属配線用のAl合金膜において、繰り返しの屈曲に対しても、金属配線における電気抵抗の上昇や断線を抑制し得るフレキシブル表示装置用Al合金膜を提供することができる。
図1は、実施例において、純Al膜または本発明に係るAl合金膜を用いた場合の、屈曲回数に対する電気抵抗の変化率の関係を示すグラフである。
本発明者らは、可撓性を有し、自由に屈曲することができるフレキシブル表示装置に用いられる金属配線用のAl合金膜において、繰り返しの屈曲に対しても、金属配線における電気抵抗の上昇や断線を抑制し得るフレキシブル表示装置用Al合金膜を提供するため、鋭意検討を行ってきた。
その結果、フレキシブル表示装置用Al合金膜として、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、Re(レニウム)、Zr(ジルコニウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、V(バナジウム)、Hf(ハフニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)およびPt(白金)よりなる群から選択される少なくとも一種のX元素と、希土類元素の少なくとも一種と、Cu(銅)またはGe(ゲルマニウム)の少なくとも一種と、Ni(ニッケル)またはCo(コバルト)の少なくとも一種とを含み、残部Al(アルミニウム)および不純物からなるAl合金膜が、繰り返しの屈曲に対しても、金属配線における電気抵抗の上昇や断線を抑制できることを突き止め、本発明を完成するに至った。
まず、本発明に用いられるフレキシブル表示装置用Al合金膜について、詳細に説明する。
(フレキシブル表示装置用Al合金膜)
本発明のフレキシブル表示装置用Al合金膜は、Ta、Nb、Re、Zr、W、Mo、V、Hf、Ti、CrおよびPtよりなる群から選択される少なくとも一種のX元素と、希土類元素(Rare Earth Metal:REM)の少なくとも一種と、CuまたはGeの少なくとも一種と、NiまたはCoの少なくとも一種とを含有する、Al−X元素−REM−Cu/Ge−Ni/Co合金膜である。
ここで、X元素は、融点が概ね1600℃以上の高融点金属から構成されており、単独で高温下の耐熱性向上に寄与する元素である。これらの元素は、単独で添加しても良いし、2種以上を併用しても良い。X元素のうち好ましいのは、Ta、Tiであり、より好ましくはTaである。
X元素の含有量(単独で含有する場合は単独の量であり、2種以上を併用するときは合計量である。)は、0.1原子%以上であることが好ましく、0.2原子%以上であることがより好ましい。X元素の含有量が0.1原子%未満では、結晶粒径の微細化による機械的強度が十分に確保できないため、十分な屈曲性を確保することが困難となる。また、X元素の含有量は、1原子%以下であることが好ましく、0.7原子%以下であることがより好ましい。X元素の含有量が1原子%を超えると、Al合金膜自体の電気抵抗が高くなり過ぎるほか、配線加工時に残渣が発生しやすくなるなどの問題がある。
また、希土類元素(REM)は、ランタノイド元素(周期表において、原子番号57のLa(ランタン)から原子番号71のLu(ルテチウム)までの合計15元素)に、Sc(スカンジウム)とY(イットリウム)とを加えた元素群を意味する。本発明では、上記希土類元素を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。希土類元素のうち好ましいのは、Nd(ネオジム)、La、Gd(ガドリニウム)であり、より好ましいのは、Nd、Laである。
希土類元素の含有量(単独で含有する場合は単独の量であり、2種以上を併用するときは合計量である。)は、0.1原子%以上であることが好ましく、0.2原子%以上であることがより好ましい。希土類元素の含有量が0.1原子%未満では、結晶粒径の微細化による機械的強度が十分に確保できないため、十分な屈曲性を確保することが困難となる。また、希土類元素の含有量は、1原子%以下であることが好ましく、0.8原子%以下であることがより好ましい。希土類元素の含有量が1原子%を超えると、Al合金膜自体の電気抵抗が高くなり過ぎるほか、配線加工時に残渣が発生しやすくなるなどの問題がある。
CuまたはGeの少なくとも一種の含有量(単独で含有する場合は単独の量であり、2種以上を併用するときは合計量である。)は、0.1原子%以上であることが好ましく、0.2原子%以上であることがより好ましい。CuまたはGeの少なくとも一種の含有量が0.1原子%未満では、結晶粒径の微細化による機械的強度が十分に確保できないため、十分な屈曲性を確保することが困難となる。また、CuまたはGeの少なくとも一種の含有量は、1原子%以下であることが好ましく、0.6原子%以下であることがより好ましい。CuまたはGeの少なくとも一種の含有量が1原子%を超えると、Al合金膜自体の電気抵抗が高くなり過ぎるほか、配線加工時に残渣が発生しやすくなるなどの問題がある。なお、Cu、Geについては、CuまたはGeを単独で添加しても良いし、両方を添加しても良い。
NiまたはCoの少なくとも一種の含有量(単独で含有する場合は単独の量であり、2種以上を併用するときは合計量である。)は、0.01原子%以上であることが好ましく、0.1原子%以上であることがより好ましい。NiまたはCoの少なくとも一種の含有量が0.01原子%未満では、結晶粒径の微細化による機械的強度が十分に確保できないため、十分な屈曲性を確保することが困難となる。また、NiまたはCoの少なくとも一種の含有量は、1原子%以下であることが好ましく、0.5原子%以下であることがより好ましい。NiまたはCoの少なくとも一種の含有量が1原子%を超えると、Al合金膜自体の電気抵抗が高くなり過ぎるほか、配線加工時に残渣が発生しやすくなるなどの問題がある。なお、Ni、Coについては、NiまたはCoを単独で添加しても良いし、両方を添加しても良い。
上記Al合金膜は、上記で説明した各元素を含有し、残部がAlおよび不純物である。
ここで、不純物としてはFe(鉄)、Si(シリコン)、B(ホウ素)などが例示される。不純物の合計量は特に限定されないが、概ね0.5原子%までの含有は許容する。各不純物元素について、Fe、Siはそれぞれ0.12原子%まで、Bは0.012原子%までの含有は許容する。なお、上記範囲内であれば、不可避的不純物として含有される場合だけでなく、積極的に添加された場合であっても本発明の効果を妨げない。
以上、本発明のフレキシブル表示装置用Al合金膜の組成について説明した。
本発明のAl合金の膜厚は、特に高温耐熱性と配線抵抗の低減化を確保するため、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。なお、その上限は、特に限定されないが、配線テーパ形状などを考慮すると、1μm以下であることが好ましく、より好ましくは600nm以下である。
上記Al合金膜は、フレキシブル表示装置に用いられるソース−ドレイン電極やゲート電極などの各種配線材料に好ましく用いられるが、特に、屈曲性が要求されるゲート電極の配線材料として、より好ましく用いられる。
(フレキシブル表示装置用Al合金膜の製造方法)
上記Al合金膜は、スパッタリング法にてスパッタリングターゲット(以下「ターゲット」ということがある。)を用いて形成することが望ましい。イオンプレーティング法や電子ビーム蒸着法、真空蒸着法で形成された薄膜よりも、成分や膜厚の膜面内均一性に優れた薄膜を容易に形成できるからである。
スパッタリング時における成膜条件は特に限定されないが、例えば、以下のような条件を採用することが好ましい。
・基板温度:室温〜50℃
・到達真空度:1×10−5Torr以下(1×10−3Pa以下)
・成膜時のガス圧:0.1〜1.0Pa、酸素分圧:1〜50%
・DCスパッタリングパワー密度(ターゲットの単位面積当たりのDCスパッタリングパワー):1.0〜20W/cm
また、上記スパッタリング法で上記Al合金膜を形成するには、上記ターゲットとして、前述した元素を含むものであって、所望のAl合金膜と同一組成のAl合金スパッタリングターゲットを用いれば、組成ずれのおそれがなく、所望の成分組成のAl合金膜を形成することができるため好ましい。
従って、本発明には、前述したAl合金膜と同じ組成のスパッタリングターゲットも本発明の範囲内に包含される。具体的には、フレキシブル表示装置に用いられるAl合金膜を形成するためのスパッタリングターゲットであって、Ta、Nb、Re、Zr、W、Mo、V、Hf、Ti、CrおよびPtよりなる群から選択される少なくとも一種のX元素と、希土類元素の少なくとも一種と、CuまたはGeの少なくとも一種と、NiまたはCoの少なくとも一種とを含み、残部Alおよび不純物からなるスパッタリングターゲットが好適なものとして挙げられる。
更に、上記のAl合金膜で説明した理由と同様に、上記スパッタリングターゲットにおける、X元素の含有量(単独で含有する場合は単独の量であり、2種以上を併用するときは合計量である。)は、0.1原子%以上であることが好ましく、0.2原子%以上であることがより好ましい。また、X元素の含有量は、1原子%以下であることが好ましく、0.7原子%以下であることがより好ましい。
上記スパッタリングターゲットにおける、希土類元素の含有量(単独で含有する場合は単独の量であり、2種以上を併用するときは合計量である。)は、0.1原子%以上であることが好ましく、0.2原子%以上であることがより好ましい。また、希土類元素の含有量は、1原子%以下であることが好ましく、0.8原子%以下であることがより好ましい。
上記スパッタリングターゲットにおける、CuまたはGeの少なくとも一種の含有量(単独で含有する場合は単独の量であり、2種以上を併用するときは合計量である。)は、0.1原子%以上であることが好ましく、0.2原子%以上であることがより好ましい。また、CuまたはGeの少なくとも一種の含有量は、1原子%以下であることが好ましく、0.6原子%以下であることがより好ましい。
上記スパッタリングターゲットにおける、NiまたはCoの少なくとも一種の含有量(単独で含有する場合は単独の量であり、2種以上を併用するときは合計量である。)は、0.01原子%以上であることが好ましく、0.1原子%以上であることがより好ましい。また、NiまたはCoの少なくとも一種の含有量は、1原子%以下であることが好ましく、0.5原子%以下であることがより好ましい。
上記ターゲットの形状は、スパッタリング装置の形状や構造に応じて任意の形状(角型プレート状、円形プレート状、ドーナツプレート状など)に加工したものが含まれる。
上記ターゲットの製造方法としては、溶解鋳造法や粉末焼結法、スプレイフォーミング法で、Al基合金からなるインゴットを製造して得る方法や、Al基合金からなるプリフォーム(最終的な緻密体を得る前の中間体)を製造した後、該プリフォームを緻密化手段により緻密化して得られる方法が挙げられる。
(フレキシブル表示装置)
本発明にかかるフレキシブル表示装置は、上記で説明したフレキシブル表示装置用Al合金膜が金属配線として用いられるものである。本発明にかかるAl合金膜を金属配線として用いたフレキシブル表示装置によれば、繰り返しの屈曲に対しても、金属配線における電気抵抗の上昇や断線を抑制し得るため、フレキシブル表示装置における表示不良などの発生が効果的に防止され得る。
本発明にかかるAl合金膜は、例えば、フレキシブル表示装置に用いられる可撓性を有する樹脂基板(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など)上に、スパッタリング法などにより、直接成膜、または絶縁膜を介して成膜されるものである。
また、上記Al合金膜は、フレキシブル表示装置に用いられるゲート電極の配線材料として用いられるものであり、かつ、フレキシブル表示装置に用いられるゲート絶縁膜に直接接続されるものである。
本発明のAl合金膜を備えたフレキシブル表示装置を製造するにあたっては、表示装置の一般的な工程を採用することができ、例えば、特開2007−157917号に記載の製造方法を参照すれば良い。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、その趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<実施例>
(屈曲耐性試験用サンプルの作製)
屈曲耐性試験用サンプルとして、厚さ125μmのPET基板上に、Al−0.2at%Ta−0.3at%Nd−0.4at%Ge−0.1at%Ni−0.6at%Zrである合金組成のAl合金膜(膜厚100nm)を、DCマグネトロン・スパッタ法(雰囲気ガス=アルゴン、圧力=2mTorr、基板温度=25℃(室温))によって成膜した。
なお、上記合金組成のAl合金膜の形成には、真空溶解法で作製したAl−0.2at%Ta−0.3at%Nd−0.4at%Ge−0.1at%Ni−0.6at%Zrの合金組成のAl合金ターゲットをスパッタリングターゲットとして用いた。
また、上記Al合金膜における各合金元素の含有量は、ICP発光分析(誘導結合プラズマ発光分析)法によって求めた。
上記のようにして得られたAl合金膜に対し、フォトリソグラフィにより電極パターンを形成した。電極パターンは、長さ70mmおよび幅0.5mmの配線と、その両端に電気接点用として5mm角の電極パッドを配置したものである。
(屈曲試験)
ユアサシステム機器株式会社の「無負荷U字伸縮試験」を用い、上記で作製した屈曲耐性試験用サンプルに対して、屈曲試験を行った。屈曲試験条件は、曲率半径r=2.5mm、屈曲速度90rpmとし、屈曲回数を最高50000回まで繰り返し実施した。
(直流電気抵抗の測定)
上記屈曲試験において生じたクラックによる、屈曲耐性試験用サンプルの電気抵抗の上昇を把握するため、屈曲回数が5000回後、10000回後および50000回後の3回にわたり、上記電極パッド間の直流電気抵抗をモニタリングした。なお、直流電気抵抗の測定には、高抵抗測定システムであるAdvantest社の「R8340」を用いて実施した。直流抵抗値の算出は、取得したI−V特性の線形部分のみを用いて判定した。
<比較例>
屈曲耐性試験用サンプルとして成膜される材料として、純Alを用いたこと以外は実施例と同様にして、屈曲耐性試験用サンプルを作製し、屈曲試験および直流電気抵抗の測定を行った。
(屈曲回数に対する電気抵抗の変化率)
図1に、実施例および比較例の屈曲耐性試験用サンプルにおける、屈曲回数に対する電気抵抗の変化率の関係を示す。なお、図1のグラフにおける縦軸である「電気抵抗の変化率」は、初期(屈曲試験開始前)の電気抵抗の値により、試験前と試験後の電気抵抗の差分を割った値であり、電気抵抗が増加した場合はプラスの値となる。
図1の結果より、屈曲回数が約20000回までの初期段階においては、比較例である純Al膜の方が電気抵抗の変化率が低かったものの、それ以降は実施例である上記Al合金膜の方が電気抵抗の変化率が低くなっていることが分かる。より具体的には、屈曲回数が50000回目において、電気抵抗の変化率が比較例では約24%であったのに対し、実施例では約14%に抑えられた。
なお、50000回の屈曲試験後において、実施例および比較例の各電極パターン表面を目視により観察した所、いずれの電極においても屈曲部周辺にクラックが発生していることが認められた。ただし、実施例に比べて比較例の方が、屈曲部のクラック密度が高く、また、クラックの平均長さも長いことが確認された。
なお、上記結果より考察すると、金属配線に亀裂が入り、一部の電流伝導経路が寸断されたことにより、一定以上の亀裂密度に達した結果、配線幅に比較して無視できないほどの、電流経路長の増大が発生したために、電気抵抗が上昇したと想定される。
以上の結果より、繰り返しの屈曲に対しても、金属配線における電気抵抗の上昇や断線を抑制し得るフレキシブル表示装置用の金属配線として、本発明で規定するAl合金膜が有効であることが認められる。

Claims (8)

  1. フレキシブル表示装置に用いられるAl合金膜であって、
    Ta、Nb、Re、Zr、W、Mo、V、Hf、Ti、CrおよびPtよりなる群から選択される少なくとも一種のX元素と、
    希土類元素の少なくとも一種と、
    CuまたはGeの少なくとも一種と、
    NiまたはCoの少なくとも一種とを含み、残部Alおよび不純物からなることを特徴とするフレキシブル表示装置用Al合金膜。
  2. 前記X元素の含有量は0.1〜1原子%であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
  3. 前記希土類元素の含有量は0.1〜1原子%であることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
  4. 前記CuまたはGeの少なくとも一種の含有量は0.1〜1原子%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
  5. 前記NiまたはCoの少なくとも一種の含有量は0.01〜1原子%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
  6. 前記Al合金膜は、前記フレキシブル表示装置に用いられる樹脂基板上に直接成膜、または絶縁膜を介して成膜されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
  7. 前記Al合金膜は、前記フレキシブル表示装置に用いられるゲート電極の配線材料として用いられるものであり、かつ、前記フレキシブル表示装置に用いられるゲート絶縁膜に直接接続されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のフレキシブル表示装置用Al合金膜を備えたフレキシブル表示装置。
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