JP2017033963A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

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元隆 越智
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Abstract

【課題】低電気抵抗率と優れた耐熱性とを有するAl合金をゲート電極やソース・ドレイン電極とした薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】基板上に少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、酸化物半導体層、ソース・ドレイン電極、及び前記ソース・ドレイン電極の保護膜をこの順序で有する薄膜トランジスタであって、前記酸化物半導体層がIn、Ga、並びにZn及びSnの少なくとも一方と、Oとを含み、前記ゲート電極及び前記ソース・ドレイン電極の少なくともいずれか一方の電極がNi及びCoからなるA群より選択される少なくとも1の元素と、Cu及びGeからなるB群より選択される少なくとも1の元素と、La、Gd及びNdからなるC群より選択される少なくとも1の元素とを含むAl合金であり、前記A群の前記Al合金に対する総含有率が0.05原子%以上5原子%以下、前記B群の前記Al合金に対する総含有率が0.10原子%以上2原子%以下、かつ前記C群の前記Al合金に対する総含有率が0.10原子%以上1原子%以下であることを特徴とする薄膜トランジスタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄膜トランジスタに関し、特に、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置に用いられる薄膜トランジスタに関する。
Al合金は、電気抵抗率が低く、加工が容易であるなどの理由により、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD:Electro Luminescence Display)、フィールドエミッションディスプレイ(FED:Field Emission Display)、微小電気機械システム(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)、タッチパネル、電子ペーパーの分野で汎用されており、配線膜、電極膜、反射電極膜などの材料に利用されている。
例えば、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイは、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)、導電性酸化膜から構成される画素電極、および走査線や信号線を含む配線を有するTFT基板を備えており、走査線や信号線は、画素電極に電気的に接続されている。走査線や信号線を構成する配線材料には、一般に、純AlやAl−Nd合金の薄膜が用いられるが、これらの薄膜を画素電極と直接接触させると、絶縁性の酸化アルミニウムなどが界面に形成されて接触電気抵抗が増加する。
そこで、バリアメタル層を介さずに、画素電極を構成する導電性酸化膜を配線材料と直接接触することが可能な技術(ダイレクトコンタクト技術)を提供するため、配線材料として、Al−Ni合金や、NdやYなどの希土類元素を更に含有するAl−Ni−希土類元素合金の薄膜を用いる方法が提案されている(特許文献1)。該合金を用いることにより接触電気抵抗を低く抑えたり、耐熱性を更に高めることができる。
また特許文献2及び3では、高融点金属系薄膜とSi薄膜の積層構造を有るバリア層やTi酸化膜から構成されるバリア層を設けることによって接触電気抵抗の低減化を図り、微細加工性に優れた配線構造や酸化物半導体層とソース・ドレイン電極等の金属配線膜との安定した界面の形成が可能である配線構造を提案している。また該金属配線膜には、電気抵抗率の低い純Alが使用されている。
一方、Al合金薄膜の形成に使用されるスパッタリング法において、近年、FPDの生産性向上などに対応するため、スパッタリング工程時の成膜速度は、従来よりも高速化する傾向にある。成膜速度を速くするためには、スパッタリングパワーを大きくすることが最も簡便であるが、スパッタリングパワーを増加させると、スプラッシュ(微細な溶融粒子)などのスパッタリング不良が発生し、配線膜等に欠陥が生じるため、FPDの歩留りや動作性能が低下するなどの弊害をもたらす。
そこで、スプラッシュの発生を防止する方法が種々検討されており、特許文献4には、スパッタリングターゲットとしてAl−(Ni,Co)−(Cu,Ge)−(La,Gd,Nd)系合金を用いた場合にスプラッシュを有効に防止できるスパッタリングターゲットとしてビッカース硬さ(HV)で35以上であるスパッタリングターゲットが開示されている。
また、特許文献5には、Ni、La、およびCuを含むAl−Ni−La−Cu系Al基合金スパッタリングターゲットを用いて成膜するときに発生するスプラッシュ、特に、初期スプラッシュを低減し得るスパッタリングターゲットとして、平均粒径が0.3μm以上3μm以下の範囲内にあるAl−Ni系金属間化合物と平均粒径が0.2μm以上2μm以下のAl−La−Cu系金属間化合物の合計面積を適切なものとしたスパッタリングターゲットが開示されている。
特開2004−214606号公報 特開2012−119664号公報 特開2012−94853号公報 特開2009−263768号公報 特開2009−242909号公報
しかしながら、酸化物半導体層を含む薄膜トランジスタ(以下、「酸化物半導体TFT」と称することもある。)において、ゲート電極やソース・ドレイン電極に使用される材料には、低電気抵抗率の他に、優れた耐熱性も要求される。その理由は次の通りである。
酸化物半導体TFTを製造する際、特有の高温・長時間の加熱工程を複数回経る必要がある。
酸化物半導体TFTには、例えば、図1(a)に示すようなESL(Etch Stop Layer)タイプと図1(c)に示すようなBCE(Back Channel Etching)タイプが存在する。
ESLタイプは、例えば図1(b)に示す工程により製造されるが、そこには5つの熱処理工程([1]ゲート絶縁膜成膜、[2]プレアニール、[3]ESL膜成膜、[4]保護膜成膜、及び[6]ポストアニール)が存在する。
またBCEタイプは、例えば図1(d)に示す工程により製造されるが、そこには6つの熱処理工程([1]ゲート絶縁膜成膜、[2]プレアニール、[4]保護膜成膜、[5]回復アニール、[4’]保護膜成膜、及び[6]ポストアニール)が存在する。
このため、ゲート電極及びソース・ドレイン電極の少なくともいずれか一方に使用される材料には、このような高温・長時間・複数回の加熱工程に耐え得る優れた耐熱性が求められる。
さらに酸化物半導体TFTに使用されるゲート電極及びソース・ドレイン電極の少なくともいずれか一方に使用される材料には、電気信号の遅延を起こさせないために、低い電気抵抗率が要求される。
低い電気抵抗率を有する材料として、純Alが挙げられる。しかしながら純Alは耐熱性が不十分であり、純Alの薄膜が前述の高温・長時間・複数回の加熱工程に置かれると、Alの結晶粒が成長し、薄膜の表面が粗くなる。薄膜の表面が粗くなると、該薄膜の上層に形成される薄膜の表面も粗くなり、保護膜の段差被覆性が不十分となる。この段差被覆性不十分箇所を通じて水素が拡散し、酸化物半導体層へ達することで、酸化物半導体TFTの性能が悪化する。
すなわち、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、低電気抵抗率と優れた耐熱性とを有するAl合金をゲート電極やソース・ドレイン電極とした薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ゲート電極やソース・ドレイン電極を特定の組成であるAl合金とし、酸化物半導体層をIn、Ga、並びにZn及びSnの少なくともいずれか一方とOとを含むものとすることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]に係るものである。
[1] 基板上に少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、酸化物半導体層、ソース・ドレイン電極、及び前記ソース・ドレイン電極の保護膜をこの順序で有する薄膜トランジスタであって、
前記酸化物半導体層がIn、Ga、並びにZn及びSnの少なくとも一方と、Oとを含み、
前記ゲート電極及び前記ソース・ドレイン電極の少なくともいずれか一方の電極がNi及びCoからなるA群より選択される少なくとも1の元素と、Cu及びGeからなるB群より選択される少なくとも1の元素と、La、Gd及びNdからなるC群より選択される少なくとも1の元素とを含むAl合金であり、
前記A群の前記Al合金に対する総含有率が0.05原子%以上5原子%以下、
前記B群の前記Al合金に対する総含有率が0.10原子%以上2原子%以下、かつ
前記C群の前記Al合金に対する総含有率が0.10原子%以上1原子%以下であることを特徴とする薄膜トランジスタ。
[2] 前記Al合金がNi、Cu及びLaを含有し、
前記Niの前記Al合金に対する含有率が0.05原子%以上5原子%以下、
前記Cuの前記Al合金に対する含有率が0.10原子%以上2原子%以下、及び
前記Laの前記Al合金に対する含有率が0.10原子%以上1原子%以下であることを特徴とする前記[1]に記載の薄膜トランジスタ。
[3] 前記酸化物半導体層が、In−Ga−Zn−O、In−Ga−Sn−OまたはIn−Ga−Zn−Sn−Oである前記[1]または[2]に記載の薄膜トランジスタ。
本発明によれば、ゲート電極及びソース・ドレイン電極の少なくともいずれか一方に使用されるAl合金が耐熱性に優れることから、Al結晶粒の成長が起点となって生じる酸化物半導体TFTの性能悪化を防止することができる。また該Al合金は低電気抵抗率を有することから、電気信号の遅延を防止することができる。すなわち、本発明によれば性能良好な酸化物半導体TFTを製造することができる。
図1(a)は、酸化物半導体TFTのESLタイプを説明するための概略断面図であり、図1(b)は、該ESLタイプの製造工程の一例を示すフロー図であり、図1(c)は、酸化物半導体TFTのBCEタイプを説明するための概略断面図であり、図1(d)は、該BCEタイプの製造工程の一例を示すフロー図である。 図2は、試験例1−1の純Alゲート電極の第一加熱工程後の断面のSEM写真である。 図3は、試験例1−1の純Alゲート電極の第二加熱工程後の断面のSEM写真である。 図4は、試験例1−2の純Alゲート電極の第一加熱工程後の断面のSEM写真である。 図5は、試験例1−2の純Alゲート電極の第二加熱工程後の断面のSEM写真である。 図6は、試験例2−1のAl−Ni−Cu−La合金ゲート電極の第二加熱工程後の断面のSEM写真である。 図7は、試験例2−2のAl−Ni−Cu−La合金ゲート電極の第二加熱工程後の断面のSEM写真である。 図8は、試験例3のAl−Ni−Cu−La合金層の電気抵抗率と熱処理温度との関係を表すグラフである。
本発明の薄膜トランジスタ(TFT)は、基板上に少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、酸化物半導体層、ソース・ドレイン電極、及び前記ソース・ドレイン電極の保護膜をこの順序で有し、前記酸化物半導体層がIn、Ga、並びにZn及びSnの少なくとも一方と、Oとを含み、かつ前記ゲート電極及び前記ソース・ドレイン電極の少なくともいずれか一方の電極が特定の組成のAl合金であることを特徴とする。
<ゲート電極及びソース・ドレイン電極>
ゲート電極及びソース・ドレイン電極の少なくともいずれか一方の電極はAl合金である。
該Al合金はNi及びCoからなるA群より選択される少なくとも1の元素と、Cu及びGeからなるB群より選択される少なくとも1の元素と、La、Gd及びNdからなるC群より選択される少なくとも1の元素とを含むAl合金である。A群〜C群の元素を含むことにより、耐熱性が優れ、低い電気抵抗率を得ることができる。
Al合金に含まれるA群、B群及びC群の含有率は、Al合金に対するA群の総含有率が0.05原子%以上5原子%以下、B群の総含有率が0.10原子%以上2原子%以下、かつC群の総含有率が0.10原子%以上1原子%以下である。
A群、B群及びC群を上記下限とすることにより、Al結晶粒の成長が起点となって生じるTFTの性能悪化の防止効果を有効に発揮させることができる。また、上記上限とすることにより、Al合金薄膜の低い電気抵抗率を維持することができる。
A群の総含有率は好ましくは0.1原子%以上であり、より好ましくは0.2原子%以上である。一方、好ましくは4原子%以下であり、より好ましくは3原子%以下である。
B群の総含有率は好ましくは0.2原子%以上であり、より好ましくは0.3原子%以上である。一方、好ましくは1.5原子%以下であり、より好ましくは1原子%以下である。
C群の総含有率は好ましくは0.2原子%以上であり、より好ましくは0.3原子%以上である。一方、好ましくは0.8原子%以下であり、より好ましくは0.6原子%以下である。
NiとCoは共に添加に伴う低電気抵抗と耐熱性の向上という性質を有することから、A群としてNi及びCoの少なくとも1の元素が含まれていればよい。
CuとGeは共に添加に伴い結晶粒の成長を抑制するという性質を有することから、B群としてCu及びGeの少なくとも1の元素が含まれていればよい。
La、Gd及びNdはいずれも添加に伴い耐熱性を向上させるという性質を有することから、C群としてLa、Gd及びNdから選ばれる少なくとも1の元素が含まれていればよい。
中でも、Al合金は、Ni、Cu及びLaを含有し、Al合金に対するNiの含有率が0.05原子%以上5原子%以下、Cuの含有率が0.10原子%以上2原子%以下、及びLaの含有率が0.10原子%以上1原子%以下であることがより好ましい。
Ni、Cu及びLaを上記下限とすることにより、Al結晶粒の成長が起点となって生じるTFTの性能悪化の防止効果を一層有効に発揮させることができる。また、上記上限とすることにより、Al合金薄膜の低い電気抵抗率を維持することができる。
Niは0.05原子%以上5原子%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.1原子%以上、さらに好ましくは0.2原子%以上である。一方、より好ましくは4原子%以下、さらに好ましくは3原子%以下である。
Cuは0.10原子%以上2原子%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.2原子%以上、さらに好ましくは0.3原子%以上である。一方、より好ましくは1.5原子%以下、さらに好ましくは1原子%以下である。
Laは0.10原子%以上1原子%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.2原子%以上、さらに好ましくは0.3原子%以上である。一方、より好ましくは0.8原子%以下、さらに好ましくは0.6原子%以下である。
上記Al合金が低電気抵抗率を有しつつも、耐熱性に優れているのは次のような理由からであると考えられる。
A群(Ni,Co)、B群(Cu,Ge)、C群(La,Gd,Nd)を構成する元素はいずれも該元素の含有率の増加に対する電気抵抗率の増加率が小さい元素である。そのため、Al合金全体の低電気抵抗率を維持しながらも、A群〜C群の元素の含有率を高くすることができる。
特にNi、Cu及びLaはいずれも、該元素の含有率の増加に対する電気抵抗率の増加率がより小さい元素であることから、Al合金全体の低電気抵抗率を維持しながらも、Ni、Cu及びLaの含有率をより高くすることができる。
また、スパッタリング法によりAl合金を形成する場合、スパッタリング法によって形成された後のA群、B群及びC群の元素は固溶状態に有る。一回目の加熱工程ではこれらが固溶強化し、かつAl結晶粒成長を抑制することによって、薄膜の平坦性を維持できる。この一回目の加熱工程によってA群、B群及びC群の元素はAlと金属間化合物を形成する。
この金属間化合物が二回目以降の加熱工程では析出強化し、かつAl結晶粒成長を抑制することにより、薄膜の平坦性(平均粗さRaが小さい状態)を維持できる。その結果として、TFTの性能悪化を防止することができ、性能良好なTFTを製造することができるものと考えられる。
A群、B群及びC群を含むAl合金の例としては、Al−Ni−Cu−La合金、Al−Ni−Cu−Gd合金、Al−Ni−Cu−Nd合金、Al−Ni−Ge−La合金、Al−Ni−Ge−Gd合金、Al−Ni−Ge−Nd合金、Al−Co−Cu−La合金、Al−Co−Cu−Gd合金、Al−Co−Cu−Nd合金、Al−Co−Ge−La合金、Al−Co−Ge−Gd合金、Al−Co−Ge−Nd合金が挙げられる。これらの中でもAl−Ni−Cu−La合金が特に好ましい。
Al合金はゲート電極及びソース・ドレイン電極の少なくともいずれか一方の電極に用いられる。ゲート電極及びソース・ドレイン電極は共に前記Al合金であることが耐熱性の点からより好ましい。ゲート電極及びソース・ドレイン電極は共にAl合金である場合、その組成は同一でも異なっていてもよいが、その後の熱処理温度の点からゲート電極の方が低抵抗であることがより好ましい。
また、該Al合金の上にMo薄膜を形成したものをゲート電極としてもよい。Mo薄膜はMo単層でもMoを含む積層膜でもよく、スパッタリング法等の通常用いられる方法により形成することができる。
Mo薄膜の膜厚は100〜500μmであることが電気抵抗の点から好ましく、200〜300μmがより好ましい。膜厚はスパッタリングを行う時間や電流値を調整することにより変えることができる。また該膜厚は段差測定やSEM観察により測定することができる。
Al合金以外のソース・ドレイン電極としては、従来一般に用いられるものを用いることができる。中でも、Mo膜、Mo合金膜、Cu膜、Cu合金膜、Ti膜、Ti合金膜、及びそれらを積層した積層膜等が耐食性や接触抵抗の点から好ましい。
これらの膜はスパッタリング法により成膜することができる。
Al合金以外のゲート電極としては、従来一般に用いられるものを用いることができる。中でも、耐熱性、抵抗率の点から純Mo薄膜、Mo/Al/Mo、Cu/Mo、Cu/Ti等が好ましい。
これらの膜はスパッタリング法により成膜することができる。
Al合金がゲート電極に用いられる場合、スパッタリング法や蒸着法等の、公知の方法により形成することができる。スパッタリング法の場合、当該ゲート電極と同じ組成のスパッタリングターゲットを用いることで形成することができる。スパッタリング法としては、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法等が好ましく用いられる。
Al合金がソース・ドレイン電極に用いられる場合、酸化物半導体層上にスパッタリング法や蒸着法等の、公知の方法により形成することができる。スパッタリング法の場合、当該ソース・ドレイン電極と同じ組成のスパッタリングターゲットを用いることで形成することができる。スパッタリング法としては、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法等が好ましく用いられる。
ゲート電極及びソース・ドレイン電極の組成はICP分析により測定することができる。
ゲート電極は厚さが100〜500μmであることが電気抵抗の点から好ましく、150〜350μmがより好ましい。スパッタリング法の場合、スパッタリングを行う時間や電流値を調整することにより、膜厚を変えることができる。
ソース・ドレイン電極は厚さが100〜400μmであることが電気抵抗の点から好ましく、150〜250μmがより好ましい。スパッタリング法の場合、スパッタリングを行う時間や電流値を調整することにより、膜厚を変えることができる。
ゲート電極及びソース・ドレイン電極の厚さはSEM観察や段差計により測定することができる。
<酸化物半導体層>
酸化物半導体層はIn、Ga、並びにZn及びSnの少なくとも一方と、Oとを含む。すなわち、In−Ga−Zn−O、In−Ga−Sn−OまたはIn−Ga−Zn−Sn−Oであることが好ましい。Snを含むことによって、過酸化水素水にフッ化物を含んだ無機系エッチング液等のエッチング液に晒されても、酸化物半導体層のエッチングが抑制され、酸化物半導体層表面のダメージを抑制できることからより好ましい。
酸化物半導体層は厚さが20〜100μmであることがTFT特性や膜厚保の均一性の点から好ましく、30〜50μmがより好ましい。スパッタリング法の場合、スパッタリングを行う時間や電流値を調整することにより、膜厚を変えることができる。
酸化物半導体層の厚さは段差測定やSEM観察により測定することができる。
<基板>
基板は通常用いられるものを使用することができ、例えば、透明基板や、Si基板、ステンレス等の薄い金属板、PETフィルム等の樹脂基板等が挙げられる。中でも、透明度の点からガラス基板、石英等が好ましく、無アルカリガラス基板、高歪点ガラス基板、ソーダライムガラス基板等を挙げることができる。
基板の厚みは0.3mm〜1.0mmが加工性の点から好ましい。
<ゲート絶縁膜及び保護膜>
ゲート絶縁膜及び保護膜はいずれも、単層であっても2層以上であってもよく、従来一般に用いられるものを用いることができる。例えばシリコン酸化膜(SiOx膜)、シリコン窒化膜(SiNx膜)、AlやY等の酸化物、これらの積層膜等が挙げられるが、2層以上の場合には、1層目と2層目以降とは異なる成分の膜であることが好ましい。
単層の場合、または2層以上の場合の1層目(ゲート電極又はソース・ドレイン電極と直接接合する層)は、SiOx膜であることが光ストレス耐性をより向上できることから好ましい。
SiOx膜における水素濃度は3原子%以下が好ましい。
ゲート絶縁膜または保護膜が2層以上である場合、酸化物半導体と直接接触するゲート絶縁膜または保護膜は、SiOx膜が含有水素量の点から好ましい。
SiOx膜における水素濃度は4.5原子%以下が好ましい。
保護膜を有することによりTFTの静特性を劣化させることなく、パターニング等のエッチングで用いられる過酸化水素水にフッ化物を含んだエッチング液等によるダメージを抑制できる。すなわち、酸化物半導体層の膜厚が均一でかつ静特性とストレス耐性の良好なTFTを得ることができる。
ゲート絶縁膜及び保護膜はいずれも通常用いられる方法により形成することができるが、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法等が挙げられる。
例えばゲート絶縁膜の場合、SiHガスやNOガスをキャリアガスとしてプラズマCVD法を行い、SiOx膜を成膜することが好ましい。
また例えば保護膜の場合、同様にSiHガスやNOガスをキャリアガスとしてプラズマCVD法を行い、SiOx膜を成膜し、最上層はSiNx膜を成膜することが好ましい。
ゲート絶縁膜は厚さが50〜300μmであることが薄膜トランジスタの静電容量の点から好ましく、100〜250μmがより好ましい。ゲート絶縁膜が2層以上の積層膜である場合には、合計の膜厚が上記範囲であることが好ましい。
CVD法の場合、成膜時間を調整することにより、膜厚を変えることができる。
ゲート絶縁膜の厚さは光学測定もしくは段差測定、SEM観察により測定することができる。
保護膜は厚さが100〜500μmであることが好ましく、250〜300μmがより好ましい。保護膜が2層以上の積層膜である場合には、合計の膜厚が上記範囲であることが好ましい。
CVD法の場合、成膜時間を調整することにより、膜厚を変えることができる。
保護膜の厚さは光学測定もしくは段差測定、SEM観察により測定することができる。
<薄膜トランジスタの製造方法>
本発明に係る薄膜トランジスタは、BCE型やESL型に限らず、従来と同様の方法及び条件にて製造することができる。BCE型TFTは、ESL型TFTと比べてマスク形成工程数が少なく、十分にコストを削減することができる。また、エッチストッパー層とソース・ドレイン電極のオーバーラップ部分がないため、ESL型TFTよりも小型化が可能である。
TFTは通常の方法により製造することができる。TFTの製造方法の一例を図1(b)、図1(d)及び実施例に記載するが、これらに限定されない。
すなわち、図1(b)及び図1(d)における製造方法は以下のとおりである。
基板上にスパッタリング法等によりゲート電極を形成し、パターニングを行った後、CVD法等によりゲート絶縁膜を成膜する。パターニングは通常の方法で行うことができる。また、ゲート絶縁膜の成膜において加熱される。
次いで、スパッタリング法等により酸化物半導体層を成膜し、パターニングを行う。その後、プレアニール処理を行い、ESL型TFTの場合にはESL層の成膜とパターニングを行う。
続いてスパッタリング法等によりソース・ドレイン電極を形成してパターニングを行った後、保護膜を成膜する。該保護膜の成膜においても加熱がなされる。BCE型TFTの場合には、回復アニールを行った後、再度保護膜の成膜を行う。
その後コンタクトホールのエッチングを行い、ポストアニール処理をすることでTFTを得ることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[試験例1−1]
ガラス基板(コーニング社製イーグルXG、直径100mm×厚さ0.7mm)上に、ゲート電極として純Al膜を200nm、その上層にMo薄膜100nmを成膜し、その後ゲート絶縁膜としてSiOx膜(膜厚250nm)を成膜した。ゲート絶縁膜の成膜時に加熱を伴うことから、これを「第一加熱工程」と呼ぶ。純Al膜、Mo薄膜、SiOx膜の成膜条件は以下のとおりである。
(純Al膜成膜条件)
成膜法:DCスパッタリング法
装置:アルバック社製、CS−200
スパッタリングターゲット:純Al
成膜温度:室温
成膜パワー:300W
(Mo薄膜成膜条件)
成膜法:DCスパッタリング法
装置:アルバック社製、CS−200
スパッタリングターゲット:純Al
成膜温度:室温
成膜パワー:300W
(SiOx膜成膜条件)
成膜法:プラズマCVD法
装置:サムコ社製、PD−220NL
キャリアガス:SiH、N
成膜温度:320℃
成膜時間:18分
第一加熱工程後の断面のSEM写真を図2に示した。その結果、純Alゲート電極(pure Al(200nm))のAlの結晶粒が成長し、薄膜の表面が粗くなり、該薄膜の上層のMo薄膜(Mo(100nm))、ゲート絶縁膜(Gate insulator SiOx)の表面も粗くなっていることが分かった。なお、図2中の酸化物半導体層(Active)及び保護膜(C protective layer)はSEM観察用に試験的に成膜したものであり、TFT用の酸化物半導体層及び保護膜とは異なる。
次いで、酸化物半導体層として、Ga−In−Zn−Sn−O膜を下記条件で40nmの膜厚で成膜した。その後大気雰囲気下350℃、1時間のプレアニール処理を行った。該プレアニール処理を「第二加熱工程」と呼ぶ。
第二加熱工程後の断面のSEM写真を図3に示した。その結果、純Alゲート電極(pure Al(200nm))、Mo薄膜(Mo(100nm))、ゲート絶縁膜(Gate insulator SiOx)、酸化物半導体層(Active)のいずれの表面も粗いままであることが確認された。なお、図3中の保護膜(C protective layer)はSEM観察用に試験的に成膜したものであり、TFT用の保護膜とは異なる。
(酸化物半導体層形成条件)
成膜法:DCスパッタリング法
装置:アルバック社製、CS2000
スパッタリングターゲット:Ga:In:Zn:Sn=16.8:16.6:47.2:19.4(原子比)
成膜温度:室温
(試験例1−2)
ゲート絶縁膜を、第1層(ゲート電極と直接接合する層)が膜厚100nmのSiOx膜、第2層が膜厚150nmのSiNx膜である、SiOx/SiNx積層膜とするために、成膜条件としてキャリアガスを、NOをNHとした以外は試験例1−1と同様にし、第一加熱工程を行った。
第一加熱工程後の断面のSEM写真を図4に示した。
その結果、純Alゲート電極(pure Al(200nm))のAlの結晶粒が成長し、薄膜の表面が粗くなり、該薄膜の上層のMo薄膜(Mo(100nm))、ゲート絶縁膜(Gate insulator SiOx)の表面も粗くなっていることが分かった。なお、図4中の酸化物半導体層(Active)及び保護膜(C protective layer)はSEM観察用に試験的に成膜したものであり、TFT用の酸化物半導体層及び保護膜とは異なる。
次いで、試験例1−1と同様に同じ組成の酸化物半導体層を成膜し、同条件でプレアニール処理(第二加熱工程)を行った。
第二加熱工程後の断面のSEM写真を図5に示した。その結果、純Alゲート電極(pure Al(200nm))、Mo薄膜(Mo(100nm))、ゲート絶縁膜(Gate insulator SiOx)、酸化物半導体層(Active)のいずれの表面も粗いままであることが確認された。なお、図5中の保護膜(C protective layer)はSEM観察用に試験的に成膜したものであり、TFT用の保護膜とは異なる。
(試験例2−1)
ゲート電極をAl−1.0原子%Ni−0.5原子%Cu−0.3原子%La組成のスパッタリングターゲットを用い、成膜時間を変更した以外は試験例1−1と同様にし、第一加熱工程及び第二加熱工程を行った。第二加熱工程後の断面のSEM写真を図6に示した。
その結果、Al−1.0原子%Ni−0.5原子%Cu−0.3原子%La合金層で金属間化合物が形成し、Alの結晶粒成長が抑制され、薄膜の表面の平坦性が維持されていることが確認された。そして、該薄膜の上層のMo薄膜(Mo(100nm))、ゲート絶縁膜(Gate insulator SiOx)、酸化物半導体層(Active)の表面の平坦性も維持されていることが確認された。なお、図6中の保護膜(C protective layer)はSEM観察用に試験的に成膜したものであり、TFT用の保護膜とは異なる。
(試験例2−2)
ゲート絶縁膜を試験例1−2と同じSiOx/SiNx積層膜とした以外は試験例2−1と同様にし、第一加熱工程及び第二加熱工程を行った。第二加熱工程後の断面のSEM写真を図7に示した。
その結果、Al−1.0原子%Ni−0.5原子%Cu−0.3原子%La合金層で金属間化合物が形成し、Alの結晶粒成長が抑制され、薄膜の表面の平坦性が維持されていることが確認された。そして、該薄膜の上層のMo薄膜(Mo(100nm))、ゲート絶縁膜(Gate insulator SiOx/SiNx)、酸化物半導体層(Active)の表面の平坦性も維持されていることが確認された。なお、図7中の保護膜(C protective layer)はSEM観察用に試験的に成膜したものであり、TFT用の保護膜とは異なる。
(試験例3)
試験例2−1及び試験例2−2で用いたのと同じAl−1.0原子%Ni−0.5原子%Cu−0.3原子%La合金の薄膜(膜厚200nm)について、大気雰囲気下、200℃、250℃、300℃及び350℃で60分間熱処理を行った。熱処理後の電気抵抗率を各々測定した。測定条件は下記に示す。
(電気抵抗率測定条件)
測定法:直流4端子法
装置:日置電機社製、ミリオームハイテスタ3540
測定雰囲気:大気
測定温度:室温
電気抵抗率と熱処理温度の関係を図8に示した。
その結果、熱処理を行わない場合(25℃)に比べて、250℃以上の熱処理を行うことによって、約4μΩ・cmあるいはそれ以下の低い電気抵抗率が得られた。
(比較例1)
ガラス基板(コーニング社製イーグルXG、直径100mm×厚さ0.7mm)上に、ゲート電極として純Al膜を200nm、その上層にMo薄膜100nmを成膜し、その後ゲート絶縁膜としてSiOx膜(膜厚250nm)を成膜した。次いで、酸化物半導体層として、Ga−In−Zn−Sn−O膜を40nmの膜厚で成膜した。
純Al膜、Mo薄膜、SiOx膜及び、酸化物半導体層の成膜条件は、いずれも試験例1−1と同様である。
次にソース・ドレイン電極を形成した。具体的には、純Mo膜をゲート電極と同じ条件で100nm成膜した。その後、フォトリソグラフィーおよびウェットエッチングによりパターニングを行った。パターニングにはリン酸、硝酸、酢酸、水からなる混合酸エッチング液を用いた。ソース・ドレイン電極のパターニングにより、TFTのチャネル長を10μm、チャネル幅を200μmとした。ソース・ドレイン電極の短絡を防ぐために、同電極膜厚に対して50%のオーバーエッチングを行った。
その後、保護膜として膜厚200nmのSiOx膜と膜厚150nmのSiNx膜を形成し、薄膜トランジスタTFT−1を作製した。保護膜の成膜条件を下記に示す。
(SiOx膜成膜条件)
成膜法:プラズマCVD法
装置:サムコ社製、PD−220NL
キャリアガス:SiH、N
成膜温度:230℃
製膜パワー:100W
(SiNx膜成膜条件)
成膜法:プラズマCVD法
装置:サムコ社製、PD−220NL
キャリアガス:SiH、NH
成膜温度:150℃
製膜パワー:100W
(比較例2)
ゲート電極及びソース・ドレイン電極をAl−1.0原子%Si合金層とした以外は比較例1と同様にして、薄膜トランジスタTFT−2を作製した。
Al−1.0原子%Si合金層の成膜条件は以下のとおりである。
(Al−1.0原子%Si合金層成膜条件)
成膜法:DCスパッタリング法
装置:アルバック社製、CS−200
スパッタリングターゲット:Al−1.0原子%Si
成膜温度:室温
成膜パワー:300W
ガス圧:2mTorr
(比較例3)
ゲート電極及びソース・ドレイン電極をAl−1.0原子%Mg合金層とした以外は比較例1と同様にして、薄膜トランジスタTFT−3を作製した。
Al−1.0原子%Mg合金層の成膜条件は以下のとおりである。
(Al−1.0原子%Mg合金層成膜条件)
成膜法:DCスパッタリング法
装置:アルバック社製、CS−200
スパッタリングターゲット:Al−1.0原子%Mg
成膜温度:室温
成膜パワー:300W
ガス圧:2mTorr
(実施例1)
ゲート電極及びソース・ドレイン電極をAl−1.0原子%Ni−0.5原子%Cu−0.3原子%La合金層とした以外は比較例1と同様にして、薄膜トランジスタTFT−4を作製した。
Al−1.0原子%Ni−0.5原子%Cu−0.3原子%La合金層の成膜条件は以下のとおりである。
(Al−1.0原子%Ni−0.5原子%Cu−0.3原子%La合金層成膜条件)
成膜法:DCスパッタリング法
装置:アルバック社製、CS−200
スパッタリングターゲット:Al−1.0原子%Ni−0.5原子%Cu−0.3原子%La
成膜温度:室温
成膜パワー:300W
ガス圧:2mTorr
[ストレス耐性(S値)の評価]
実施例1及び比較例1〜3の薄膜トランジスタTFT−1〜TFT−4を用いて、ストレス耐性(S値)の評価を以下のように行った。
ゲート電圧及びソース・ドレイン電極の電圧をそれぞれ以下のように設定し、プローバーおよび半導体パラメーターアナライザ(Keithley4200SCS)を用いてI−V特性の測定を行った。I−V特性の結果から得られた「S値(V/dec)」を表1にまとめた。
・ゲート電圧:−30〜30V(ステップ0.25V)
・ソース電圧:0V
・ドレイン電圧:10V
・測定温度:室温
[光ストレス耐性の評価]
実施例1及び比較例1〜3の薄膜トランジスタTFTを用いて、ゲート電極に負バイアスをかけながら光を照射する光ストレス印加試験を行い、光ストレス耐性の評価を以下のように行った。
光ストレス印加条件は以下のとおりである。
・ゲート電圧:−20V
・ソース・ドレイン電圧:10V
・基板温度:60℃
・光ストレス条件:
光ストレス印加時間:2時間
光強度:25000NIT
光源:白色LED
・測定温度:室温
光ストレス印加前後のしきい値(Vth、ドレイン電流が10−9A流れるときのゲート電圧の差)の差(ΔVth)を測定した。評価結果を表1の「光ストレス耐性:ΔVthの絶対値[V]」にまとめた。
また、表1中の「GIZTO」とは「Ga−In−Zn−Sn−O」を表す。
「総合判定」とは、S値の評価としてS値が0.45V/dec以下のものを「○」、S値が0.45V/dec超1.00V/dec以下のものを「△」、S値が1.00V/dec超のものを「×」とし、光ストレス耐性の評価としてΔVthの絶対値が4.50V以下のものを「○」、ΔVthの絶対値が4.50V超6.00V以下のものを「△」、ΔVthの絶対値が6.00V超のものを「×」とし、S値とΔVthの絶対値が共に○のものを「○」、共に×のものを「×」とした。
以上の評価結果より、比較例1〜3の薄膜トランジスタTFT−1〜TFT−3では性能悪化が生じたのに対し、ゲート電極及びソース・ドレイン電極をAl−1.0原子%Ni−0.5原子%Cu−0.3原子%La合金層とした実施例1の薄膜トランジスタTFT−4は良好な性能が得られた。
1 基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
4 酸化物半導体層
5 ソース・ドレイン電極
6 保護膜
7 コンタクトホール
9 エッチストッパー層

Claims (3)

  1. 基板上に少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、酸化物半導体層、ソース・ドレイン電極、及び前記ソース・ドレイン電極の保護膜をこの順序で有する薄膜トランジスタであって、
    前記酸化物半導体層がIn、Ga、並びにZn及びSnの少なくとも一方と、Oとを含み、
    前記ゲート電極及び前記ソース・ドレイン電極の少なくともいずれか一方の電極がNi及びCoからなるA群より選択される少なくとも1の元素と、Cu及びGeからなるB群より選択される少なくとも1の元素と、La、Gd及びNdからなるC群より選択される少なくとも1の元素とを含むAl合金であり、
    前記A群の前記Al合金に対する総含有率が0.05原子%以上5原子%以下、
    前記B群の前記Al合金に対する総含有率が0.10原子%以上2原子%以下、かつ
    前記C群の前記Al合金に対する総含有率が0.10原子%以上1原子%以下であることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記Al合金がNi、Cu及びLaを含有し、
    前記Niの前記Al合金に対する含有率が0.05原子%以上5原子%以下、
    前記Cuの前記Al合金に対する含有率が0.10原子%以上2原子%以下、及び
    前記Laの前記Al合金に対する含有率が0.10原子%以上1原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記酸化物半導体層が、In−Ga−Zn−O、In−Ga−Sn−OまたはIn−Ga−Zn−Sn−Oである請求項1または2に記載の薄膜トランジスタ。
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